JP6056787B2 - エンジンのピストン構造 - Google Patents
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Description
上述の固定部は圧入による応力に加えて、ピストンが燃焼圧を受ける時、ピストンピンを介して動吸振器の固定部にも圧縮力が作用し、この圧縮力は燃焼行程毎に付加されることになる。
このため、動吸振器の固定部には圧入応力が作用することはない。よって、当該固定部への応力負担を抑制することができ、要求される高い耐応力性能に対応することができる。
また、上記動吸振器はピストンピンの取付けフランジを挟んで2つ設けられているので、当該動吸振器が抜止め機能を併せもっており、これにより、動吸振器の軸方向移動を規制することができるうえ、必要に応じて組み換えることで振動低減すべき周波数の調整(チューニング)を行なうことも可能となる。
すなわち、共振周波数が相対的に高い場合には、振幅が小さくなり、動吸振器に作用する応力が小さくなるのに対して、共振周波数が相対的に低い場合には、振幅が大きくなり、動吸振器に作用する応力が大きくなる。
そこで、共振周波数が低い方の動吸振器のネジ結合部を、雌ネジに対して剛性が大きい雄ネジとしている。このように、低い周波数で強度的に不利な動吸振器の結合構造を雄ネジとすることで、結合強度を確保することができる。
図面はディーゼルエンジンのピストン構造を示し、図1はエンジンのピストンおよびコンロッドを示す図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は図1のB−B線矢視断面図、図4は図2の要部拡大断面図である。
そして上述の各リング溝1b、1c、1dには、図1に示すように、トップリング12、セカンドリング13、オイルリング14がそれぞれ装着されている。
また、図示左右の貫通孔2aは中央の取付けフランジ3の内径部3bを介して左右つまりピストンピン軸方向に連続しており、後述する動吸振器20X,20Yの可動部20bが振動しても当該貫通孔2aの内周面に接触しないように構成されている。換言すれば、該貫通孔2aは動吸振器20X,20Yの可動部20bの収容部を兼ねるものである。
これにより、ピストン1、ピストンピン2およびコンロッド10の小端部10aが一体でコンロッド10の大端部10bに対して、(1/2π)・(K/M)1/2Hzの共振周波数で共振することになる。
この共振を抑制する(共振周波数における振動を低減する)ために、上記2つのダンパ20X,20Yがピストンピン2の内部(貫通孔2a内)に設けられている。
また、上述の固定部20aはピストンピン2の取付けフランジ3の内径部3bに対して、圧入することなく、挿入可能な外径寸法に設定されている。
ここで、取付けフランジ3の内径D1と、可動部20bの外径D2と、貫通孔2aの内径D3とは、D3>D2>D1の関係式が成立するように形成されている。
また、上述の可動部20bは一方のダンパ20Xのそれと同様に、当該可動部20bの外径D2が貫通孔2aの内径D3よりも小さく設定(D2<D3)されており、可動部20bが振動してもピストンピン2の貫通孔2aの内周面に接触しないように構成されている。
なお、必要に応じて、取付けフランジ3の他方の段差面3a(図示右側の段差面3a)と、ダンパ20Yにおける鍔部20fとの間には、スプリングワッシャを介設してもよい。
また、図示右側のダンパ20Yで共振周波数f3における振動を低減すべく、ダンパ20Yの少なくとも可動部20bの質量を相対的に小さくしている。
つまり、共振周波数が相対的に高い場合には、振幅が小さくなり、ダンパに作用する応力が小さくなるのに対して、共振周波数が相対的に低い場合には、振幅が大きくなり、ダンパに作用する応力が大きくなる。
このため、ダンパ20Xの固定部20aには圧入応力が作用することはない。よって、当該固定部20aへの応力負担を抑制することができ、要求される高い耐応力性能に対応することができる。
また、上記ダンパ20X,20Yはピストンピン2の取付けフランジ3を挟んで2つ設けられているので、当該ダンパ20X,20Yが抜止め機能を併せもっており、これにより、ダンパ20X,20Yの軸方向移動を規制することができるうえ、必要に応じて、ダンパ20Xまたは20Yを、組み換えることで振動低減すべき周波数の調整(チューニング)を行なうことも可能となる。
すなわち、共振周波数が相対的に高い場合には、振幅が小さくなり、ダンパに作用する応力が小さくなるのに対して、共振周波数が相対的に低い場合には、振幅が大きくなり、ダンパに作用する応力が大きくなる。
そこで、共振周波数が低い方のダンパ20Xのネジ結合部30を、雌ネジ(雌ネジ構造のナット部20g参照)に対して剛性が大きい雄ネジ(雄ネジ構造のボルト部20e参照)としている。このように、低い周波数で強度的に不利なダンパ20Xの結合構造を雄ネジとすることで、結合強度を確保することができる。
この実施例2においては、図示左側のダンパ20Xと図示右側のダンパ20Yとのピストンピン軸方向の内端側にそれぞれ固定部20a,20aを一体形成し、これらの各固定部20a,20aを、ピストンピン2の取付けフランジ3における内径部3bに対して圧入することなく、挿入して固定するように形成している。
上述のボルト部20eとナット部20gとの締結完了時には、ダンパ20Xの鍔部20dと、ダンパ20Yの鍔部20fとで、取付けフランジ3がその両側から挟持される。
このため、ダンパ20X,20Yの固定部20aには圧入応力が作用することはない。よって、当該固定部20aへの応力負担を抑制することができ、要求される高い耐応力性能に対応することができる。
この実施例3においては、ピストンピン2の軸方向中心位置CL1に対して、取付けフランジ3の軸方向中心位置CL2を、オフセット量OSだけ一方側(図示左側へずらせている)
そして、この実施例3においても、先の実施例1と同様に、図示左側のダンパ20Xは、ピストンピン軸方向内方から同外方にかけて、ボルト部20e、固定部20a、鍔部20d、支持部20c、可動部20bをこの順に一体形成し、上記固定部20aを取付けフランジ3の内径部3bに対して圧入することなく挿入して固定するように形成している。
また、ダンパ20X側の支持部20cの外径Dxを、ダンパ20Y側の支持部20cの外径Dyに対して小さく設定(Dx<Dy)し、ダンパ20X側のバネ定数を、ダンパ20Y側のバネ定数に対して小さくなるように形成している。
このため、ダンパ20X,20Yの固定部20aには圧入応力が作用することはない。よって、当該固定部20aへの応力負担を抑制することができ、要求される高い耐応力性能に対応することができる。
この発明の動吸振器は、実施例のダンパ20X,20Yに対応し、
以下同様に、
所期の共振周波数が低い方の動吸振器は、ダンパ20Xに対応し、
雄ネジは、ボルト部20eに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
また、図示実施例においては、ディーゼルエンジン用のピストン1を例示したが、本発明はガソリンエンジン用のピストンにも適用することができる。
2…ピストンピン
3…取付けフランジ
10…コンロッド
10a…小端部
10b…大端部
20X,20Y…ダンパ(動吸振器)
20a…固定部
20b…可動部
20c…支持部
20e…ボルト部(雄ネジ)
30…ネジ結合部
Claims (3)
- シリンダ内で往復動するピストンと、
小端部が上記ピストンに連結され、かつ大端部がクランクシャフトに連結されるコンロッドと、
上記ピストンと上記コンロッドの小端部とを連結する断面中空のピストンピンと、
上記ピストンピンの内部に設けられた動吸振器と、を備えたエンジンのピストン構造であって、
上記ピストンピンの内部に、上記動吸振器を取付ける取付けフランジを一体的に形成し、
上記動吸振器は、該取付けフランジに固定される固定部と、
上記ピストンピンの軸方向に延びる可動部と、
該可動部を上記固定部に対して揺動可能に支持する支持部とを備え、
上記動吸振器が、上記取付けフランジを挟んで2つ設けられ、互いにネジ結合にて上記取付けフランジに取付けられるように構成された
エンジンのピストン構造。 - 上記2つの動吸振器が、振動を低減する所期の共振周波数を異ならせて設定された
請求項1記載のエンジンのピストン構造。 - 上記所期の共振周波数が低い方の動吸振器におけるネジ結合部を、雄ネジと成した
請求項2記載のエンジンのピストン構造。
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