JP6481739B1 - エンジンの往復回転機構およびその製造方法 - Google Patents

エンジンの往復回転機構およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】互いに一体に形成された第1、第2動吸振器がピストンの空洞部内に固定されたエンジンの往復回転機構において、エンジンの運転中に生じる騒音を効果的に低減する。【解決手段】ダンパ部材の第1、第2動吸振器41、42は、質量部43a,43b、ピストンピン3の空洞部の内周面に固定部44、および、質量部と固定部とを接続する腕部45a,45bを有し、かつ、固定部を共有して互いに一体に形成されている。第1動吸振器の質量部は第2動吸振器の質量部よりも質量が大きい。固定部は、第1、第2動吸振器側端部を有している。固定部をピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積は、第2動吸振器側端部から第1動吸振器側端部441に向かって、少なくとも部分的に減少している。ピストンピンの空洞部の内周面には、固定部が圧入固定される部分で固定部の外周面に相補的な形状を有する被圧入部32が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダ内で往復動するピストンと、ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドと、ピストンとコンロッドを連結し、空洞部を有するピストンピンと、ピストンピンの空洞部内に設けられ、第1、第2動吸振器を有するダンパ部材とを備えたエンジンの往復回転機構、およびその製造方法に関する。
一般に、自動車等の車両に搭載されたエンジンでは、シリンダ内を往復動するピストンは、コンロッドを介してクランクシャフトに連結されている。具体的には、ピストンはピストンピンを介してコンロッドの小端部に連結され、クランクシャフトはコンロッドの大端部に連結されている。従来、エンジンの運転中に生じる騒音を低減するさまざまな技術が開発されている。
特許文献1には、エンジンの運転中に、互いに異なる2つの周波数で共振が生じるとの知見に基づき、互いに共振周波数の異なる2つの動吸振器を有するダンパ部材をピストンピンの貫通孔内に設けることが開示されている。この2つの動吸振器は、質量部(可動部)、ピストンピンの貫通孔の内周面に圧入固定された固定部、および、質量部と固定部とを接続する腕部(支持部)を有し、かつ、固定部を共有して互いに一体に形成されている。2つの動吸振器の共振周波数は、質量部の質量と、ばねとして機能する腕部のばね定数の少なくとも一方を調整することにより、所望の値とすることができる。
また、特許文献1には、万が一、固定部の固定が外れたとしても、ダンパ部材がピストンピンの貫通孔から脱落するのを防止するために、ピストンピンの貫通孔の内周面において固定部が圧入される部分の内径よりも、各動吸振器の質量部の外径を大きくすることが開示されている。
特開2015−148184号公報
特許文献1の開示によれば、固定部の固定が外れたときにダンパ部材がピストンピンの貫通孔から脱落するのを防止できるが、ダンパ部材の軸方向(ダンパ部材の中心軸方向)への変位自体を抑制することはできない。ダンパ部材が軸方向に変位すると、動吸振器の共振周波数が変化するため、エンジンの運転中に生じる騒音を効果的に抑制できないという問題が生じる。
特に、2つの動吸振器の共振周波数を調整するために両動吸振器の質量に差を設けた場合、動吸振器の振動に伴って、軽い動吸振器側から重い動吸振器側に向かってダンパ部材を変位させる力がダンパ部材に加わりやすくなるため、上述の問題が顕著になる。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、互いに一体に形成された第1、第2動吸振器を有するダンパ部材がピストンの空洞部内に固定されたエンジンの往復回転機構において、エンジンの運転中に生じる騒音を効果的に低減することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の発明は、
エンジンの往復回転機構であって、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドと、
前記ピストンと前記コンロッドとを連結し、中心軸を有し、該中心軸方向に延びる空洞部を有するピストンピンと、
前記ピストンピンの空洞部内に設けられ、第1動吸振器および第2動吸振器を有するダンパ部材とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンピンの空洞部の内周面に圧入固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続する腕部を有し、かつ、前記固定部を共有して互いに一体に形成され、
前記第1動吸振器の質量部の質量は、前記第2動吸振器の質量部の質量よりも大きく、
前記第1動吸振器の腕部と前記第2動吸振器の腕部の等価円直径は、前記質量部の等価円直径よりも充分に小さく、かつ、互いに同じであり、
前記第1動吸振器の腕部の質量は、前記第2動吸振器の腕部の質量と同じであり、
前記固定部は、前記ピストンピンの中心軸方向における第1動吸振器側端部および第2動吸振器側端部を有し、
前記固定部を前記ピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積は、前記第2動吸振器側端部から前記第1動吸振器側端部に向かって、少なくとも部分的に減少し、
前記ピストンピンの空洞部の内周面には、前記固定部が圧入固定される部分で前記固定部の外周面に相補的な形状を有する被圧入部が設けられている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエンジンの往復回転機構において、
前記固定部において前記断面の断面積が減少する部分には、前記ピストンピンの中心軸方向において前記第2動吸振器側から前記第1動吸振器側に向かって前記断面の断面積が徐々に減少する錐台部が設けられている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のエンジンの往復回転機構において、
前記錐台部の第2動吸振器側には、前記断面の断面積が一定である柱部が設けられている。
請求項4に記載の発明は、
エンジンの往復回転機構の製造方法であって、
前記往復回転機構は、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドと、
前記ピストンと前記コンロッドとを連結し、中心軸を有し、該中心軸方向に延びる空洞部を有するピストンピンと、
前記ピストンピンの空洞部内に設けられ、第1動吸振器および第2動吸振器を有するダンパ部材とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンピンの空洞部の内周面に固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続する腕部を有し、かつ、前記固定部を共有して互いに一体に形成され、
前記第1動吸振器の質量部の質量は、前記第2動吸振器の質量部の質量よりも大きく、
前記第1動吸振器の腕部と前記第2動吸振器の腕部の等価円直径は、前記質量部の等価円直径よりも充分に小さく、かつ、互いに同じであり、
前記第1動吸振器の腕部の質量は、前記第2動吸振器の腕部の質量と同じであり、
前記固定部は、前記ピストンピンの中心軸方向における第1動吸振器側端部および第2動吸振器側端部を有し、
前記固定部を前記ピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積は、前記第2動吸振器側端部から前記第1動吸振器側端部に向かって、少なくとも部分的に減少し、
前記ピストンピンの空洞部の内周面には、前記固定部が圧入固定される部分で前記固定部の外周面に相補的な形状を有する被圧入部が設けられており、
前記ダンパ部材を前記ピストンピンの空洞部内に組み付けるステップを含み、該組み付けるステップは、前記ダンパ部材を前記第1動吸振器側から前記ピストンピンの空洞部内に挿入するステップと、前記第1動吸振器側への変位が規制されるまで前記ダンパ部材の固定部を前記被圧入部に圧入するステップとを含む。


請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のエンジンの往復回転機構の製造方法において、
前記第1動吸振器は、内側部材と、該内側部材の外周面に組み付けられた外側部材とを有し、
前記内側部材は、前記ピストンピンの空洞部内を前記ピストンピンの中心軸方向にわたって通過可能な外形寸法を有し、
前記外側部材は、前記被圧入部の内径よりも大きい外形寸法を有し、
前記挿入するステップおよび前記圧入するステップでは、前記外側部材が取り外された状態の前記第1動吸振器を挿入および圧入し、
前記組み付けるステップは、前記挿入するステップおよび前記圧入するステップを実施した後に、前記外側部材を前記内側部材の外周面に組み付けるステップを含む。
請求項1に記載の発明によれば、第1動吸振器側端部から第2動吸振器側端部に向かって少なくとも部分的に減少する(ピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の)断面積を有する固定部が、当該外周面に相補的な形状を有する被圧入部に圧入固定されているので、エンジンの運転中に軽い第2動吸振器側から重い第1動吸振器側に向かってダンパ部材を変位させる力がダンパ部材に加わったとしても、当該ダンパ部材の第1動吸振器側への変位は規制される。これにより、第1、第2動吸振器の質量部の質量に差を設けた場合であっても、第1、第2動吸振器の共振周波数は所望の値を維持し、ひいてはエンジンの運転中に生じる騒音を効果的に抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、固定部において前記断面積が減少する部分には、ピストンピンの中心軸方向において第2動吸振器側から第1動吸振器側に向かって断面積が徐々に小さくなる錐台部が設けられているので、被圧入部において固定部が圧入固定される面の面積を増加させることができる。これにより、ダンパ部材の第1動吸振器側への変位をより効果的に抑制できる。さらに、ダンパ部材に加わる力がより大面積で受けられるので、ピストンピンの耐久性を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、錐台部の第2動吸振器側には、断面積が一定である柱部が設けられているので、エンジンの運転中に、第1動吸振器側から第2動吸振器側に向かってダンパ部材を変位させる力が加わって、万が一、固定部の固定が外れたとしても、当該ダンパ部材が第2動吸振器側においてピストンピンの空洞部から脱落するのを防止できる。
請求項4に記載の発明によれば、ダンパ部材をピストンピンの空洞部内に組み付けるステップにおいて、ダンパ部材を第1動吸振器側からピストンピンの空洞部内に挿入した後、第1動吸振器側への変位が規制されるまでダンパ部材の固定部を被圧入部に圧入するので、エンジンの運転中に、軽い第2動吸振器側から重い第1動吸振器側に向かってダンパ部材を変位させる力がダンパ部材に加わったとしても、当該ダンパ部材の第1動吸振器側への変位は規制される。これにより、第1、第2動吸振器の質量部の質量に差を設けた場合であっても、第1、第2動吸振器の共振周波数は所望の値を維持し、ひいてはエンジンの運転中に生じる騒音を効果的に抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、外側部材が被圧入部の径よりも大きい外形寸法を有するので、万が一、ダンパ部材が第2動吸振器側に位置ずれしたとしても、外側部材が被圧入部に当接するので、当該ダンパ部材が第2動吸振器側においてピストンピンの空洞部から脱落するのを防止できる。
本発明の実施形態に係る往復回転機構を示す図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 図1のB−B線矢視断面図である。 図2の要部拡大断面図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンの往復回転機構の例示的な製造方法を示すフローチャートである。 ダンパ部材の組み付け方法を示す図である。 ダンパ部材の組み付け方法を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る往復回転機構を示す、図4に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る往復回転機構を示す、図4に対応する断面図である。 本発明の他の実施形態に係る往復回転機構を示す、図4に対応する断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[1.エンジンの往復回転機構]
図1は、本発明の実施形態に係るエンジンの往復回転機構を示す図である。エンジン(図示せず)は、自動車等の車両に搭載されている。エンジンは、これに限定されないが、圧縮自己着火式エンジンである。図1に示すエンジンの往復回転機構は、シリンダに設けられるピストン1とコンロッド2とを備えている。
ピストン1は、シリンダの内周面を車体上下方向に摺動しつつ往復動し、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程から成るサイクルを繰り返す。
図1から図3に示すように、コンロッド2は、小端部21と大端部22を有している。小端部21にはピン挿通孔23が設けられている。ピン挿通孔23の内周面には、ブッシュ24が固定されている。ピン挿通孔23内であってブッシュ24の内周面にはピストンピン3が挿通されている。ピン挿通孔23の内周面とピストンピン3との間には、エンジン内を循環する潤滑油が供給され、潤滑油膜が形成される。ピストンピン3は、この潤滑油膜とブッシュ24により、ピン挿通孔23に対して滑らかに回転できる。また、ピストンピン3は、ピストン1のスカート部11に設けられたボス部12のピン支持孔13に嵌合している。これにより、コンロッド2は、ピストンピン3を介してピストン1に連結されている。ボス部12の内周面とピストンピン3との間にも、エンジン内を循環する潤滑油が供給され、潤滑油膜が形成される。これにより、ピストンピン3は、ボス部12の内周面に対して滑らかに回転できる。ボス部12には、ピストンピン3の軸方向の変位を規制するスナップリング14が嵌められている。
ピストンピン3は、中心軸30を有している。この中心軸30が延びる方向をピストンピン3の中心軸方向と称する。ピストンピン3の中心軸方向は、ピストンピン3の長手方向に一致する。ピストンピン3の中心軸方向は、図1の紙面に垂直な方向、図2の紙面上下方向および図3の紙面左右方向に一致する。ピストンピン3の中心軸方向に対して直交する方向を、ピストンピン3の径方向と称する。
コンロッド2の大端部22にはシャフト挿通孔25が設けられている。シャフト挿通孔25にはクランクシャフト(図示せず)が挿通されている。これにより、コンロッド2はクランクシャフトに連結されている。このようにして、コンロッド2は、ピストン1とクランクシャフトとを連結している。コンロッド2の小端部21と大端部22とは、接続部26によって接続されている。
この実施形態では、ピストンピン3の組付方式としてフルフロート式を採用し、コンロッド2とピストンピン3の間にクリアランスを設けている。これにより、ピストンピン3は、コンロッド2のピン挿通孔23、および、ピストン1のボス部12のピン支持孔13に対して回転可能である。
ピストンピン3には、ピストンピン3の中心軸方向に延びる断面円形の貫通孔31が設けられている。貫通孔31の中心軸方向における一端、または両端は閉じられていてもよい。本明細書において、貫通孔31の中心軸方向における両端が開放されたもの、一端が閉じられたもの、および、両端は閉じられたものを総じて空洞部と称する。
ピストンピン3の内周面において、中心軸方向における中央部には、後述するダンパ部材4が圧入固定される内周面を少なくとも部分的に有する被圧入部32が設けられている。ピストンピン3の中心軸方向における被圧入部32の両側には、収容部33a,33bが設けられている。被圧入部32と収容部33a,33bとの間には、それぞれ段差部34a,34bが設けられている。被圧入部32における貫通孔31の径は、収容部33a,33bにおける径よりも小さい。また、段差部34aにおける貫通孔31の径は、段差部34bにおける貫通孔31の径よりも小さい。被圧入部32のさらに詳しい構成については、ダンパ部4の説明と併せて後述する。
[2.ダンパ部材]
上述のとおり、ピストンピン3の貫通孔31内にはダンパ部材4が設けられている。ダンパ部材4は、ピストンピン3の中心軸30と同一直線上に(または略同一直線状に)延びる中心軸を有している。ダンパ部材4の中心軸方向は、ダンパ部材4の長手方向に一致する。ダンパ部材4は、中実部材であってよい。ダンパ部材4は、互いに共振周波数(言い換えると、固有振動数に対応する周波数)の異なる2つの動吸振器41,42を有している。以下、動吸振器41を第1動吸振器、動吸振器42を第2動吸振器という。ダンパ部材4は、2つの動吸振器41,42を用いて、制振対象に生じる2種類の共振の振動レベルを低減するように動作可能である。
以下の説明では、ピストンピン3の中心軸方向(およびダンパ部材4の中心軸方向)において、第1動吸振器41が設けられる側を第1動吸振器側、第2動吸振器42が設けられる側を第2動吸振器側と称す。
図3、図4に示すように、ダンパ部材4は、質量部43a,43b、固定部44および腕部45a,45bを有している。ダンパ部材4は、金属で作られていてよい。第1動吸振器41は、質量部43a、固定部44および腕部45aを有し、第2動吸振器42は、質量部43b、固定部44および腕部45bを有している。つまり、第1動吸振器41と第2動吸振器42とは、固定部44を共有し、固定部44で互いに一体に形成されている。これにより、ダンパ部材4では、第1、第2動吸振器41,42を別体で構成した場合と比較して、部品点数を削減し、ひいては製造コストを低減できる。
この実施形態では、第2動吸振器42を構成する質量部43b、固定部44および腕部45bは、1つの部材で作られている。一方、第1動吸振器41を構成する質量部43aは、2つの部材(軸部431とキャップ部432)を組み付けて作られている。
質量部43a,43bは、ダンパ部材4において、ピストンピン3の中心軸方向における両端部に設けられている。質量部43a,43bは、略円柱状に形成されており、円柱の中心軸はダンパ部材4の中心軸に一致している。質量部43a,43bは、それぞれ、ピストンピン3の貫通孔31における収容部33a,33bの位置に配置されている。質量部43a,43bの重心は、ピストンピン3の中心軸30上に位置している。質量部43a,43bは、ダンパ部材4において質量が集中した部分である。質量部43a,43bは、ピストン1の車体上下方向での運動に伴って、車体上下方向に実質的に単振動する。
質量部43a,43bは、振動したときに収容部33a,33bの内周面に接触しないように、収容部33a,33bの内径よりも小さい外径を有する。また、質量部43a,43bは、被圧入部32の内径よりも大きい外径を有する。これにより、質量部43a,43bの、ピストンピン3の中心軸方向への変位は、段差部34a,34bにより規制される。
固定部44は、ピストンピン3の中心軸方向においてダンパ部材4の中央部に位置している。固定部44は、略円柱状に形成されており、円柱の中心軸はダンパ部材4の中心軸に一致している。固定部44は、ピストンピン3の中心軸方向の全体にわたって、ピストンピン3の被圧入部32に圧入固定されており、圧入部と称してもよい。固定部44は、質量部43a,43bの外径よりも小さく、被圧入部32の内径よりも大きい外径を有している。
固定部44は、ピストンピン3の中心軸方向における一端部(第1動吸振器側端部)441および他端部(第2動吸振器側端部)442を有している。固定部44の第1動吸振器側端部441には、錐台部443が設けられている。この実施形態では、錐台部443は略円錐台部である。したがって、ピストンピン3の中心軸方向において錐台部443が設けられている範囲で、固定部44の外径は、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって徐々に減少する。それゆえ、ピストンピン3の中心軸方向において錐台部443が設けられている範囲で、固定部44をピストンピン3の中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積もまた、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって徐々に減少する。
錐台部443の第2動吸振器42側には、柱部444が設けられている。柱部444は、第2動吸振器側端部442まで延びている。柱部444において、固定部44の外径は一定である。それゆえ、ピストンピン3の中心軸方向において柱部444が設けられている範囲で、前記断面の断面積もまた一定である。
ここで、ピストンピン3の貫通孔31の内周面において固定部44が圧入固定される被圧入部32について再度説明する。被圧入部32は、少なくとも、ピストンピン3の中心軸方向において固定部44が圧入固定される範囲において、当該固定部44に相補的な形状を有している。具体的には、被圧入部32において、ピストンピン3の中心軸方向で錐台部443が設けられている範囲には、内径が第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって徐々に減少する先細部321が設けられている。先細部321は錐台部443を受けている。また、被圧入部32において、ピストンピン3の中心軸方向で柱部444が設けられている範囲には、内径が一定の円筒部322が設けられている。円筒部322は柱部444を受けている。
ダンパ部材4の説明に戻って、腕部45a,45bは、質量部43a,43bと固定部44とを接続しており、質量部43a,43bを固定部44に対して支持している。腕部45a,45bは、ピストンピン3の中心軸方向において被圧入部32から収容部33a,33bにわたる部分に配置されている。腕部45a,45bは、略円柱状に形成されており、円柱の中心軸はダンパ部材4の中心軸に一致している。
腕部45a,45bは、固定部44および質量部43a,43bの外径よりも小さく、かつ、被圧入部32の内径よりも小さい外径を有する。これにより、腕部45a,45bを被圧入部32に挿通できる。腕部45a,45bの等価円直径(腕部45a,45bが略円柱状に形成される実施形態では、外径)は、質量部43a,43bの外径よりも十分に小さい。したがって、質量部43a,43bとともに車体上下方向に振動したときに、腕部45a,45bを、当該振動について所定のばね定数を有するばね部とみなすことができる。ただし、腕部45a,45bの等価円直径は、長期間の振動に耐える剛性が得られる程度に大きいことが好ましい。例えば、腕部45a,45bは、長期間の振動に耐える剛性が得られる程度の大きさであって、互いに完全に(または略)同じ大きさの等価円直径を有していてもよい。
上述のとおり、第1動吸振器41の質量部43aは、軸部431とキャップ部432とを有している。軸部431とキャップ部432は、それぞれ内側部材と外側部材の一例である。軸部431は、固定部44および腕部45bと一体に形成されている。軸部431は、ダンパ部材4の中心軸に一致する中心軸を有している。キャップ部432は、軸部431の外周面に圧入されて組み付けられている。キャップ部432を用いることにより、質量部43bの質量を容易に調整できる。軸部431は、被圧入部32の内径D1よりも小さい外径D2(図4を参照)を有する。これにより、軸部431を被圧入部32に挿通できる。一方、キャップ部432(および、キャップ部432が組み付けられた状態の第1動吸振器41の質量部43a)は、被圧入部32の内径D1よりも大きい外径D3(図4を参照)を有している。
第1、第2動吸振器41,42の共振周波数は、質量部43a,43bの質量と腕部45a,45bのばね定数の少なくとも一方を調整することにより、所望の値とすることができる。この実施形態では、第1、第2動吸振器41,42の共振周波数を調整した結果、第1動吸振器41の質量部43aの質量は第2動吸振器42の質量部43bの質量よりも大きいものとする。このとき、第1、第2動吸振器41,42の腕部45a,45bの質量は同じであってよい。
ここで、エンジンが運転してエンジン内部の温度が上昇すると、例えばピストンピン3を構成する材料とダンパ部材4を構成する材料が互いに異なる熱膨張率を有することに起因して、固定部44の固定が緩くなるおそれがある。
この実施形態では、ピストンピン3の貫通孔31の内周面に、第1、第2動吸振器41,42の質量部43a,43bの外径よりも内径の小さい段差部34a,34bを設けているので、質量部43a,43bの、ピストンピン3の中心軸方向への変位は、段差部34a,34bの位置で規制される。このようにして、ダンパ部材4がピストンピン3の貫通孔31から脱落(第1動吸振器41側における脱落も第2動吸振器42側における脱落も)するのを防止できる。
また、固定部44の固定が緩くなると、第1、第2動吸振器41,42の振動に伴ってダンパ部材4をピストンピン3の中心軸方向に(第1動吸振器41側に、または第2動吸振器42側に)変位させる力がダンパ部材4に加わることが考えられる。この実施形態では、第1動吸振器41の質量部43aの質量を第2動吸振器42の質量部43bの質量よりも大きくしているので、第1、第2動吸振器41,42の振動に伴って、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かってダンパ部材4を変位させる力がダンパ部材4に加わりやすくなる。
この実施形態では、ピストンピン3の中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積が第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって徐々に減少する錐台部443が固定部44に設けられている。そして、錐台部443の外周面43は、当該外周面43に相補的な形状を有するピストンピン3の被圧入部32において、先細部321に当接している。これにより、エンジンの運転中に固定部の固定が緩くなり、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かってダンパ部材4を変位させる力がダンパ部材4に加わったとしても、ダンパ部材4の第1動吸振器41側への変位は、錐台部443の位置で先細部321により規制される。これにより、第1、第2動吸振器41,42の共振周波数は所望の値を維持し、ひいてはエンジンの運転中に生じる騒音を効果的に抑制できる。
[3.エンジンの往復回転機構の製造方法]
図5は、本発明の一実施形態に係るエンジンの往復回転機構の例示的な製造方法を示すフローチャートである。この方法は、ステップ101〜107を含んでいる。
ステップ101では、エンジンの振動特性を測定する。具体的には、どの周波数で振動レベルが大きくなるかを測定する。この実施形態では、2つの周波数で、振動レベルの高い共振が測定されたとする。
ステップ102では、ステップ101で測定された2つの共振周波数に適合した共振周波数を有する第1、第2動吸振器41,42を備えたダンパ部材4を準備する。ダンパ部材4を準備するステップは、ダンパ部材4の質量部43a,43bの質量の大きさと、腕部45a,45bのばね定数の大きさを調整するステップを含む。
ステップ103では、ダンパ部材4をピストンピン3の貫通孔31内に組み付ける。ダンパ部材4では、より大径の質量部43a,43bをより小径の被圧入部32に挿通できない。そこで、まず、第1動吸振器41の軸部431にキャップ部432を組み付ける前の状態のダンパ部材4を、第1動吸振器41側から貫通孔31内に挿入する(図6Aを参照)。次に、固定部44を被圧入部32に圧入し、ダンパ部材4をピストンピン3に固定する。このとき、固定部44は、錐台部443が被圧入部32の先細部321に当接し、それ以上の第1動吸振器41側への変位が規制される位置まで圧入する。そして、軸部431にキャップ部432を圧入して(図6Bを参照)、ピストンピン3の貫通孔31内へのダンパ部材4の組み付けを完了する。
ステップ104では、公知の計測装置を用いてイナータンス(第1、第2動吸振器41,42に入力した加振力と、それによって生じる加速度の比による周波数応答関数)を計測することにより、第1、第2動吸振器41,42の共振周波数を求める。当該計測装置は、レーザードップラ振動計など、非接触式の振動計を備えたものであってもよい。第1、第2動吸振器41,42の共振周波数は、計測したイナータンスの周波数特性に基づいて求めることができる。
ステップ105では、ステップ104で求めた共振周波数が所望の範囲内の値であるか否かを判定する。
ステップ104で求めた第1、第2動吸振器41,42の共振周波数が所望の範囲内の値でなければ(ステップ105:No)、ステップ106で、公知の研削装置(例えば、研削砥石を備えたもの)を用いて第1、第2動吸振器41,42の質量部43a,43bの質量の調整を行う。なお、質量の調整は、質量部43a,43bの一方に対して行ってもよいし、両方に対して行ってもよい。
なお、ステップ106では、研削により質量部43a,43bの質量を低下させることになるので、ステップ102では、例えば質量部43a,43bの長さ寸法を狙い寸法よりも大きくした(これにより、質量部43a,43bの質量は、狙いの大きさよりも大きくなり、第1、第2動吸振器41,42の共振周波数は狙い周波数よりも低くなる)ものを準備することが好ましい。
ステップ104で求めた第1、第2動吸振器41,42の共振周波数が所望の範囲内の値であれば(ステップ105:Yes)、ステップ107で、ピストンピン3の外径研削を行う。このようにして、エンジンの往復回転機構が製造される。
[4.その他の実施形態]
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されると理解すべきではない。上述の実施形態には、種々の改良、設計上の変更および削除が加えられてよい。上述の実施形態に記載された任意の特徴を組み合わせることにより、その他の実施形態が作り出されてよい。
例えば、上述の実施形態では、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって(ピストンピン3の中心軸方向に対して垂直に切った断面の)断面積が徐々に減少する錐台部443を設けた。ピストンピン3の中心軸方向において錐台部443が長く設けられているほど、ピストンピン3の被圧入部32において固定部44の外周面に当接する面の面積が増加するため、ダンパ部材4の第1動吸振器41側への変位をより効果的に抑制できる。さらに、先細部321の面積が小さいと、長期間の使用により当該先細部321にクラック等が発生する確率が上昇する。一方、上述の実施形態では、錐台部443がより大きい範囲に設けられているほど、これに相補的な形状を有する先細部321の面積が大きくなるので、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かってダンパ部材4を変位させる力がダンパ部材4に加わったとしても、ダンパ部材4に加わる力がより大面積の先細部321で受けられるので、ピストンピンの耐久性を向上させ、クラック等の発生を抑制できる。
ただし、本発明はこれに限定されることなく、他の実施形態では、図7に示すように、錐台部443の代わりに、当該断面積が急峻に変化する階段部445が設けられていてもよい。つまり、階段部445を挟んで第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって前記断面積の大きさが階段状に減少していてよい。
また、上述の実施形態では、錐台部443の第2動吸振器41側には、前記断面積が一定である柱部444を設けた。実施形態では、第2動吸振器42よりも第1動吸振器41を重くしているので、基本的には第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かってダンパ部材4を変位させる力がダンパ部材4に加わり、逆向きの力は作用しにくいと考えられる。ただし、ダンパ部材4の振動によってはこれと逆向きの力がダンパ部材4に加わることも考える必要がある。この実施形態では、エンジンの運転中に、第1動吸振器41側から第2動吸振器42側に向かってダンパ部材4を変位させる力が加わったとしても、柱部444が設けられていることにより、ダンパ部材4の第2動吸振器42側への変位は抑制される。
ただし、本発明はこれに限定されることはなく、固定部44の前記断面積は、第2動吸振器側端部442から第1動吸振器側端部441に向かって、少なくとも部分的に減少していればよい。例えば、第2動吸振器側端部442から第1動吸振器側端部441に向かう全範囲で、前記断面積が減少していてもよい。この例では、ダンパ部材4の第2動吸振器42側への変位を規制するための他の規制部材を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、錐台部443を円錐台部とした。したがって、図2から図4に示すように、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって錐台部443の外径は直線的に減少する。他の実施形態では、図7に示すように、第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって外径(または前記断面積)が曲線的に減少する錐台部445を設けてもよい。本発明では、錐台部は、前記断面積が第2動吸振器42側から第1動吸振器41側に向かって直線的に減少する形状(符号443)に加えて、曲線的に減少する形状(符号445)も含むものとする。
また、上述の実施形態では、ダンパ部材4の固定部44の第1動吸振器側端部441に錐台部443を設けた。他の実施形態では、図8に示すように、第1動吸振器側端部441から第2動吸振器42側に所定距離、離れた位置に錐台部443を設けてもよい。このとき、錐台部443の第2動吸振器42側には第1の柱部444が形成され、錐台部443の第1動吸振器41側には第2の柱部445が形成される。さらに、ダンパ部材4の固定部44に設けられる錐台部443または前記階段部の数は1つに限定されず、2つ以上設けられていてもよい。
また、上述の実施形態では、第2動吸振器42を1つの部材で作り、第1動吸振器41の質量部43aを2つの部材(軸部431とキャップ部432)で作った。他の実施形態では、第1動吸振器41と第2動吸振器42の両方を1つの部材で作ってもよい。この例では、ダンパ部材4が全体として1つの部材で作られる。また、この例では、1つの部材をピストンピン3の貫通孔31に組み付けることができるように、質量部43a,43bの外径を被圧入部32の内径よりも小さくすればよい。さらに他の実施形態では、第1動吸振器41と第2動吸振器42の両方を、2つ以上の部材(軸部とキャップ部)で作ってもよい。
本発明によれば、互いに一体に形成された第1、第2動吸振器を有するダンパ部材を用いて、エンジンの運転中に生じる騒音を効果的に低減することが可能になる。したがって、本発明は、この種の往復回転機構を備えたエンジンの製造分野において、好適に用いられる可能性がある。
1 ピストン
2 コンロッド
21 小端部
22 大端部
26 接続部
3 ピストンピン
31 貫通孔
32 被圧入部
321 先細部
4 ダンパ部材
41 第1動吸振器
42 第2動吸振器
431 軸部(内側部材)
432 キャップ部(外側部材)
43a,43b 質量部
44 固定部
441 第1動吸振器側端部
442 第2動吸振器側端部
443,445 錐台部
444 柱部
45a,45b 腕部

Claims (5)

  1. エンジンの往復回転機構であって、
    シリンダ内で往復動するピストンと、
    前記ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドと、
    前記ピストンと前記コンロッドとを連結し、中心軸を有し、該中心軸方向に延びる空洞部を有するピストンピンと、
    前記ピストンピンの空洞部内に設けられ、第1動吸振器および第2動吸振器を有するダンパ部材とを備え、
    前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンピンの空洞部の内周面に圧入固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続する腕部を有し、かつ、前記固定部を共有して互いに一体に形成され、
    前記第1動吸振器の質量部の質量は、前記第2動吸振器の質量部の質量よりも大きく、
    前記第1動吸振器の腕部と前記第2動吸振器の腕部の等価円直径は、前記質量部の等価円直径よりも充分に小さく、かつ、互いに同じであり、
    前記第1動吸振器の腕部の質量は、前記第2動吸振器の腕部の質量と同じであり、
    前記固定部は、前記ピストンピンの中心軸方向における第1動吸振器側端部および第2動吸振器側端部を有し、
    前記固定部を前記ピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積は、前記第2動吸振器側端部から前記第1動吸振器側端部に向かって、少なくとも部分的に減少し、
    前記ピストンピンの空洞部の内周面には、前記固定部に圧入固定される部分で前記固定部の外周面に相補的な形状を有する被圧入部が設けられている、
    エンジンの往復回転機構。
  2. 前記固定部において前記断面の断面積が減少する部分には、前記ピストンピンの中心軸方向において前記第2動吸振器側から前記第1動吸振器側に向かって前記断面の断面積が徐々に減少する錐台部が設けられている、
    請求項1に記載のエンジンの往復回転機構。
  3. 前記錐台部の第2動吸振器側には、前記断面の断面積が一定である柱部が設けられている、
    請求項2に記載のエンジンの往復回転機構。
  4. エンジンの往復回転機構の製造方法であって、
    前記往復回転機構は、
    シリンダ内で往復動するピストンと、
    前記ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドと、
    前記ピストンと前記コンロッドとを連結し、中心軸を有し、該中心軸方向に延びる空洞部を有するピストンピンと、
    前記ピストンピンの空洞部内に設けられ、第1動吸振器および第2動吸振器を有するダンパ部材とを備え、
    前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンピンの空洞部の内周面に固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続する腕部を有し、かつ、前記固定部を共有して互いに一体に形成され、
    前記第1動吸振器の質量部の質量は、前記第2動吸振器の質量部の質量よりも大きく、
    前記第1動吸振器の腕部と前記第2動吸振器の腕部の等価円直径は、前記質量部の等価円直径よりも充分に小さく、かつ、互いに同じであり、
    前記第1動吸振器の腕部の質量は、前記第2動吸振器の腕部の質量と同じであり、
    前記固定部は、前記ピストンピンの中心軸方向における第1動吸振器側端部および第2動吸振器側端部を有し、
    前記固定部を前記ピストンピンの中心軸方向に対して垂直に切った断面の断面積は、前記第2動吸振器側端部から前記第1動吸振器側端部に向かって、少なくとも部分的に減少し、
    前記ピストンピンの空洞部の内周面には、前記固定部が圧入固定される部分で前記固定部の外周面に相補的な形状を有する被圧入部が設けられており、
    前記ダンパ部材を前記ピストンピンの空洞部内に組み付けるステップを含み、該組み付けるステップは、前記ダンパ部材を前記第1動吸振器側から前記ピストンピンの空洞部内に挿入するステップと、前記第1動吸振器側への変位が規制されるまで前記ダンパ部材の固定部を前記被圧入部に圧入するステップとを含む、
    エンジンの往復回転機構の製造方法。
  5. 前記第1動吸振器は、内側部材と、該内側部材の外周面に組み付けられた外側部材とを有し、
    前記内側部材は、前記ピストンピンの空洞部内を前記ピストンピンの中心軸方向にわたって通過可能な外形寸法を有し、
    前記外側部材は、前記被圧入部の内径よりも大きい外形寸法を有し、
    前記挿入するステップおよび前記圧入するステップでは、前記外側部材が取り外された状態の前記第1動吸振器を挿入および圧入し、
    前記組み付けるステップは、前記挿入するステップおよび前記圧入するステップを実施した後に、前記外側部材を前記内側部材の外周面に組み付けるステップを含む。
    請求項4に記載のエンジンの往復回転機構の製造方法。
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