JP6112127B2 - エンジンのピストン構造 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンのピストン構造に関する。
エンジンでは、シリンダ内を往復動するピストンとクランクシャフトがコンロッドによって連結されている。具体的には、コンロッドの小端部がピストンピンによってピストンに連結され、コンロッドの大端部がクランクシャフトに連結されている。このようなピストン構造において、エンジンの振動音の低減のために従来より種々の対策がとられている。
特許文献1には、セラミック製ピストンピンを円筒状に形成し、その内部に吸音材を挿入することが記載されている。これは、ピストンピンとコンロッドの小端部とのクリアランスや、ピストンピンとピストンのボス部とのクリアランスに起因する振動音を低減するものである。
特許文献2には、円筒状ピストンピンの内部に動吸振器を設けることにより、ピストン、ピストンピン及びコンロッドの小端部が一体でコンロッドの大端部に対して共振することを抑制することが記載されている。その動吸振器は、ピストンピンに固定された固定部と、ピストンピンの軸方向に延びる可動部と、該可動部を固定部に対してピストンピン径方向に振動可能に支持する支持部とを備えてなる。
特開平7−54996号公報 国際公開番号WO2014/034034A1
ところで、エンジンの燃焼に伴って発生するノック音に関しては、そのノック音成分の振動が、ピストンからコンロッドを介してクランクシャフトに伝わり、さらに、クランクシャフト軸受部からシリンダブロック側壁面に伝わることが知られている。図9はエンジンのノック音に係る音圧レベルと振動レベルの周波数特性の一例を示すものであり、異なる複数の振動周波数帯に振動レベルのピークがみられ、それに対応して音圧レベルも高くなっている。
これに対して、特許文献2のようにピストンピンに動吸振器を設けることは、ピストンピンが上記ノック音成分の振動伝達経路を構成するエンジン部品であるから、特定の振動周波数域においてノック音低減効果が得られる。しかし、図9から明らかなように、ノック音に関しては、異なる複数の振動周波数域のノック音成分に振動レベルのピークが見られることから、特定の振動周波数域のノック音成分を抑えることができても、それだけでは、ノック音を効果的に低減することができない。
一方、上記振動伝達経路に共振周波数が異なる複数の動吸振器を配置することも、ピストン構造が複雑になり、好ましくない。
そこで、本発明は、ピストン構造を複雑にすることなく、エンジン騒音を効果的に低減することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、1つの動吸振器に相異なる振動周波数域で動吸振機能を発揮する複数の動吸振部を設けた。
ここに開示するエンジンのピストン構造は、シリンダ内で往復動するピストンと、小端部がピストンに連結され、大端部がクランクシャフトに連結されるコンロッドと、上記ピストンとコンロッドの小端部を連結する断面中空の円筒状ピストンピンと、このピストンピン内に設けられた動吸振器とを備え、
上記動吸振器は、
上記ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対して該ピストンピンの径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、
上記第1動吸振部に設けられ、上記ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備え
上記第2動吸振部の上記ピストンピンに対して振れる部分と上記第1動吸振部の上記ピストンピンに対して振れる部分の間に、上記第2動吸振部の上記振れる部分が上記ピストンピンの径方向に振れることを許容する隙間が設けられていることを特徴とする。
これによれば、特定の振動周波数域では第1動吸振部が振動することによって動吸振機能を発揮してピストンからクランクシャフトへの当該特定周波数域の振動の伝達が抑えられるとともに、上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域おいて、第2動吸振部が振動することによって動吸振機能を発揮してピストンからクランクシャフトへの振動の伝達が抑えられるから、エンジン騒音が効果的に抑えられる。
そうして、第2動吸振部は第1動吸振部に設けられ、第2動吸振部のピストンピンに対して振れる部分と第1動吸振部のピストンピンに対して振れる部分の間に、第2動吸振部の上記振れる部分がピストンピンの径方向に振れることを許容する隙間が設けられている構造を採用したから、結局、一つの動吸振器によって相異なる2つの振動周波数域での動吸振が図れ、ピストン構造を複雑にすることなく、エンジン騒音を効果的に抑えることができる。
本発明の好ましい態様では、上記動吸振器が、
上記ピストンピンの内部に設けられた支持部と、
上記支持部に片持ち支持されて該ピストンピンの軸方向に延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れるロッドと、
上記ロッドに弾性的に支持されて上記ピストンピンの軸方向に延び、該ロッドに対して振れる補助質量体としての円筒体とを備えてなり、
上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと上記円筒体が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに支持された上記円筒体が上記第2動吸振部を構成する。
この態様によれば、ピストンピンに設けられた支持部に対してロッドが円筒体とが一体になって撓み振動することにより、特定の振動周波数域での動吸振効果が得られ、ロッドに対して弾性的に支持された円筒体が振動することによって、特定の振動周波数域と異なる振動周波数域での動吸振効果が得られる。
そうして、上記支持部に片持ち支持したロッドに円筒体を弾性的に支持することで、第1動吸振部と第2動吸振部を構成するという態様であるから、動吸振器は全体としてピストンピンの軸方向に延びるロッド状の簡単な構造になり、ピストンピン内部への組み付けが容易になる。
上記態様において、上記ロッドが上記円筒体に挿入され、該ロッドの先端が該円筒体の端部に結合されて、該円筒体が該ロッドの先端に片持ち支持されており、上記円筒体の内周面と上記ロッドの周面との間に弾性材が充填されていることが好ましい。
これにより、ロッドに片持ち支持された円筒体が撓み振動することによって第2動吸振部の動吸振効果が得られる。しかも、この第2動吸振部は、円筒体とロッドの間に充填された弾性材によって減衰のある動吸振部となるから、弾性材がない場合に比べて、広い振動周波数域で動吸振効果が得られ、動吸振器の設計も容易になる。
本発明の好ましい態様では、
上記ピストンピンの内部の略中央部に設けられた支持部と、
上記支持部に各々片持ち支持されて上記ピストンピンの軸方向に互いに離反するように延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れる一対のロッドと、
上記一対のロッド各々に弾性的に支持された補助質量体とを備えてなり、
上記支持部、該支持部の一方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第1動吸振器を構成し、
上記支持部、該支持部の他方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第2動吸振器を構成し、
上記第1及び第2の動吸振器各々において、上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと該ロッドに支持された上記補助質量体とからなる振動系が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに弾性的に支持された上記補助質量体が上記第2動吸振部を構成している。
このような態様であれば、各々第1動吸振部と第2動吸振部を有する一対の動吸振器がピストンピンに組み込まれているから、動吸振効果が高くなり、しかも、一対の動吸振器がピストンピンの略中央部に設けられた支持部を共用してその両側に配置されているから、動吸振器の支持が安定し、耐久性の向上に有利になる。
また、ここに開示するエンジンのピストン構造は、シリンダ内で往復動するピストンと、小端部がピストンと連結され、大端部がクランクシャフトと連結されるコンロッドと、上記ピストンとコンロッドの小端部を連結する断面中空の円筒状ピストンピンと、このピストンピン内に設けられた動吸振器とを備え、
上記動吸振器は、
上記ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対して該ピストンピンの径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、
上記第1動吸振部に設けられ、上記ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備えたものであり、
上記ピストンピンの内部の略中央部に設けられた支持部と、
上記支持部に各々片持ち支持されて上記ピストンピンの軸方向に互いに離反するように延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れる一対のロッドと、
上記一対のロッド各々に弾性的に支持された補助質量体とを備えてなり、
上記支持部、該支持部の一方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第1動吸振器を構成し、
上記支持部、該支持部の他方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第2動吸振器を構成し、
上記第1及び第2の動吸振器各々において、上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと該ロッドに支持された上記補助質量体とからなる振動系が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに弾性的に支持された上記補助質量体が上記第2動吸振部を構成していることを特徴とする。
これによれば、特定の振動周波数域では第1動吸振部が振動することによって動吸振機能を発揮してピストンからクランクシャフトへの当該特定周波数域の振動の伝達が抑えられるとともに、上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において、第2動吸振部が振動することによって動吸振機能を発揮してピストンからクランクシャフトへの振動の伝達が抑えられるから、エンジン騒音が効果的に抑えられる。
そうして、第2動吸振部は第1動吸振部に設けられているから、結局、一つの動吸振器によって相異なる2つの振動周波数域での動吸振が図れ、ピストン構造を複雑にすることなく、エンジン騒音を効果的に抑えることができる。しかも、各々第1動吸振部と第2動吸振部を有する一対の動吸振器がピストンピンに組み込まれているから、動吸振効果が高くなり、しかも、一対の動吸振器がピストンピンの略中央部に設けられた支持部を共用してその両側に配置されているから、動吸振器の支持が安定し、耐久性の向上に有利になる。
好ましい態様では、上記第1動吸振器及び第2動吸振器各々は、上記補助質量体として、上記ロッドに弾性的に支持されて上記ピストンピンの軸方向に延び、該ロッドに対して振れる円筒体を備えてなる。
この態様によれば、ピストンピンに設けられた支持部に対してロッドが円筒体とが一体になって撓み振動することにより、特定の振動周波数域での動吸振効果が得られ、ロッドに対して弾性的に支持された円筒体が振動することによって、特定の振動周波数域と異なる振動周波数域での動吸振効果が得られる。
本発明によれば、ピストンピン内に設けられた動吸振器が、ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対してピストンピン径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、この第1動吸振部に設けられ、ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備え、第2動吸振部のピストンピンに対して振れる部分と第1動吸振部のピストンピンに対して振れる部分の間に、第2動吸振部の上記振れる部分がピストンピンの径方向に振れることを許容する隙間が設けられているから、一つの動吸振器によって相異なる2つの振動周波数域での動吸振が図れ、ピストン構造を複雑にすることなく、エンジン騒音を効果的に抑えることができる。
また、本発明によれば、ピストンピン内に設けられた動吸振器が、ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対してピストンピン径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、この第1動吸振部に設けられ、ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備えているから、一つの動吸振器によって相異なる2つの振動周波数域での動吸振が図れ、ピストン構造を複雑にすることなく、エンジン騒音を効果的に抑えることができ、しかも、一対の動吸振器がピストンピンの略中央部に設けられた支持部を共用してその両側に配置されているから、動吸振器の支持が安定し、耐久性の向上に有利になる。
実施形態1のエンジンのピストン構造を示す正面図。 図1のII−II線断面図。 図1のIII−III線断面図。 実施形態1の動吸振器の第1動吸振部の振動を示す断面図。 実施形態1の動吸振器の第2動吸振部の振動を示す断面図。 実施形態1の動吸振器に弾性材を適用した状態を示す断面図。 実施形態2に係る図3と同様の断面図。 実施形態3の動吸振器を示す断面図。 エンジンのノック音の周波数特性を示すグラフ図。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>
図1に示すエンジンのピストン構造において、1はピストン、2はピストン1とクランクシャフト(図示省略)を連結するコンロッドである。ピストン1は、エンジンサイクル(吸気行程、圧縮行程、膨張行程(燃焼行程)及び排気行程)を実現すべく、エンジンのシリンダ(図示省略)を往復動する。コンロッド2は小端部2aと大端部2bを有し、小端部2aがピストン1のスカート部1aにピストンピン3を介して連結され、大端部2bがクランクシャフトのクランクピンに連結される。
図2及び図3に示すように、ピストンピン3は、断面中空の円筒状をなし、その両端部がピストン1のスカート部1aに設けられた相対するボス部1bに嵌められている。コンロッド2の小端部2aはピストンピン3の中央部にブッシュ4を介して嵌められている。本実施形態のピストンピン3は、ピストン打音を抑えたフルフロートタイプであり、コンロッド2の小端部2aに対して回転可能であるとともに、ピストン1のボス部1bに対して回転可能である。ピストンピン3の外周面と小端部2aとの間、並びにピストンピン3の外周面とボス部1bとの間には、ピストン1のクラウン部裏面に向けて供給される潤滑油によって潤滑油膜が形成される。ボス部1bにはピストンピン3の軸方向の移動を規制するスナップリング10が嵌められている。
ピストンピン3の内部には一対の動吸振器5が組み込まれている。すなわち、ピストンピン3の内部には、ピストンピン3の軸方向中央に配置された支持部6と、この支持部6に各々片持ち支持されて支持部6の両側へ上記軸方向に延びる一対のロッド7と、各ロッド7の先端部に片持ち支持された補助質量体としての円筒体8とが設けられている。支持部6は、円板状であって、ピストンピン3の筒孔の内径が少し小さくなった中央部3aに圧入されて、該ピストンピン3に固定されている。この場合、支持部6、該支持部6の一方の側に設けられたロッド7及び円筒体8が一方の動吸振器(第1動吸振器)5を構成し、支持部6、該支持部6の他方の側に設けられたロッド7及び円筒体8が他方の動吸振器(第2動吸振器)5を構成しており、両動吸振器5は1つの支持部6を共用してその両側に対称に配置されている。
図4に示すように、ロッド7は、基端部に小径になった首部7aを有し、該首部7aを介して支持部6に連なっている。ロッド7の先端部7bは径が小さくなっている。支持部6及びその両側のロッド7は金属によって一体に形成されている。ロッド7は、支持部6に片持ち支持されているため、ピストンピン3に振動が加わると、該支持部6を支点にしてピストンピン3の径方向に撓み振動する。
円筒体8は、支持部6に近い一端が開口し、他端が閉じられていて、その他端部、すなわち、円筒体8の奥底に圧入穴11が設けられている。ロッド7は円筒体8に挿入され、該ロッド7の先端が円筒体8の圧入穴11に圧入されている。ロッド7の周面と円筒体8の内周面との間には全周にわたって隙間20が設けられている。従って、上記圧入によって、円筒体8は、ロッド7の先端に片持ち支持された状態になっており、上記隙間20が設けられていることにより、ピストンピン3に振動が加わると、ロッド7の先端が圧入された部分を支点にしてピストンピン3の径方向に撓み振動することになる。
ここに、上記動吸振器5は、図4に鎖線で示すように、ロッド7が撓むことによって、ロッド7と円筒体8とがピストンピン3の径方向に振動する振動系と、図5に鎖線で示すように、円筒体8が撓むことによって、該円筒体8におけるロッド7の圧入部よりも開口端側(支持部6側)がピストンピン3の径方向に振動する振動系とを有する。前者の振動系は、特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部を構成する。ばね−質量系の固有角振動数は(K/M)1/2で表されるところ(K;バネ定数,M;質量)、後者の振動系の質量は、前者の振動系の質量よりも小さいから、後者の振動系は、上記特定振動周波数域よりも高い振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を構成する。
図9に示すノック音に係る周波数特性においては、振動レベルのピークが3箇所(低周波数側から高周波数側に向かって第1ピークP1、第2ピークP2及び第3ピークP3の3箇所)に現れている。本実施形態では、第1動吸振部の固有振動周波数を第2ピークP2の周波数に合わせ、第2動吸振部の固有振動周波数を第3ピークP3の周波数に合わせている。
これにより、一対の動吸振器5各々の第1動吸振部が第2ピークに係る振動に共振することによって第2ピークの振動レベルが下がり、一対の動吸振器5各々の第2動吸振部が第3第2ピークに係る振動に共振することによって第2ピークの振動レベルが下がる。すなわち、ピストン1からシリンダブロックへの振動伝達が動吸振器5各々の第1動吸振部と第2動吸振部によって抑制され、その結果、ノック音が低減し、自動車の静粛性確保に有利になる。
また、ロッド7の周面と円筒体8の内周面との間の隙間には、ピストン1のクラウン部裏面に向けてオイルジェットにより噴射される潤滑油(オイル)が入る。従って、この潤滑油が第2動吸振部の円筒体8の振動にダンパー効果を発揮することにより、第2動吸振部では広い振動周波数域で動吸振効果が得られ、エンジン騒音の低減に有利になる。
図6に示すように、ロッド7の周面と円筒体8の内周面との間の隙間にゴムや熱可塑性エラストマーなどゴム様弾性材12を充填してもよい。これにより、上記オイルと同じく、弾性材によってダンパー効果が得られ、第2動吸振部において広い振動周波数域で動吸振効果が得られ、エンジン騒音の低減に有利になる。
<実施形態2>
図7に示すように、本実施形態の実施形態1との相違点は一対の動吸振器5の配置にある。すなわち、実施形態1では、一対の動吸振器5が1つの支持部6を共用していたが、本実施形態では、各動吸振器5がそれぞれ専用の支持部6を備えている。以下、具体的に説明する。
ピストンピン3の筒孔の一端に一方の動吸振器5の支持部6が圧入によって固定され、上記筒孔の他端に他方の動吸振器5の支持部6が圧入によって固定されている。両動吸振器5は、各々の支持部6に片持ち支持されてピストンピン3の中央に向かって延びるロッド7と、このロッド7の先端部に片持ち支持された円筒体8とを備えている。両動吸振器5のロッド7及び円筒体8の構成は実施形態1と同じである。
本実施形態においても、独立に設けられた一対の動吸振器5によって実施形態1と同様の動吸振効果が得られる。
<実施形態3>
図8に示すように、本実施形態は1つの動吸振器5に動吸振機能を発揮する振動周波数が相異なる第1乃至第3の動吸振部を備えるケースである。
すなわち、本実施形態では、支持部6より両側に延びるロッド7各々の先端が第1円筒体13の奥底の圧入穴14に圧入され、第1円筒体13は第2円筒体15の奥底の圧入穴16に圧入されて、一対の動吸振器5が構成されている。ロッド7の周面と第1円筒体13の内周面との間には全周にわたって隙間20が設けられていて、第1円筒体13はロッド7の先端部に片持ち支持された状態になっている。また、第1円筒体13の外周面と第2円筒体15の内周面との間には全周にわたって隙間21が設けられていて、第2円筒体15が第1円筒体13の端部に片持ち支持された状態になっている。
本実施形態の場合、支持部6に片持ち支持されたロッド7、第1円筒体13及び第2円筒体15が第1動吸振部を構成し、ロッド7に片持ち支持された第1円筒体13が第1動吸振部よりも高い周波数域で動吸振機能を発揮する第2動吸振部を構成し、第1円筒体13に片持ち支持された第2円筒体13が第2動吸振部よりも高い周波数域で動吸振機能を発揮する第3動吸振部を構成する。
第1動吸振部の固有振動周波数を図9に示す第1ピークP1の周波数に合わせ、第2動吸振部の固有振動周波数を図9に示す第2ピークP2の周波数に合わせ、第3動吸振部の固有振動周波数を図9に示す第3ピークP3の周波数に合わせることにより、ピストン1からシリンダブロックへの振動伝達を効果的に抑制することができる。その結果、エンジンのノック音が低減し、自動車の静粛性確保に有利になる。
なお、実施形態2及び実施形態3においても、図6に示す例と同様に、ロッドと円筒体との隙間、或いは円筒体同士の隙間に弾性材12を充填してもよい。
また、上記実施形態1−3では、円筒体をロッド、又は他の円筒体に片持ち支持することによって動吸振機能を発揮させるようにしているが、例えば、円筒体の内周面とロッドの周面との間に弾性材を設け、この弾性材によって円筒体をロッドに対して径方向又はロッド長手方向(ピストンピン軸方向)に揺動自在に支持することよって動吸振機能を発揮させるというように、円筒体をロッド又は他の円筒体に対して弾性材を介して支持するようにしてもよい。
1 ピストン
2 コンロッド
3 ピストンピン
5 動吸振器
6 支持部
7 ロッド
8 円筒体
12 弾性材
13 円筒体
15 円筒体

Claims (6)

  1. シリンダ内で往復動するピストンと、小端部がピストンと連結され、大端部がクランクシャフトと連結されるコンロッドと、上記ピストンとコンロッドの小端部を連結する断面中空の円筒状ピストンピンと、このピストンピン内に設けられた動吸振器とを備えるエンジンのピストン構造であって、
    上記動吸振器は、
    上記ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対して該ピストンピンの径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、
    上記第1動吸振部に設けられ、上記ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備え
    上記第2動吸振部の上記ピストンピンに対して振れる部分と上記第1動吸振部の上記ピストンピンに対して振れる部分の間に、上記第2動吸振部の上記振れる部分が上記ピストンピンの径方向に振れることを許容する隙間が設けられていることを特徴とするエンジンのピストン構造。
  2. 請求項1において、
    上記動吸振器は、
    上記ピストンピンの内部に設けられた支持部と、
    上記支持部に片持ち支持されて該ピストンピンの軸方向に延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れるロッドと、
    上記ロッドに弾性的に支持されて上記ピストンピンの軸方向に延び、該ロッドに対して振れる補助質量体としての円筒体とを備えてなり、
    上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと上記円筒体が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに支持された上記円筒体が上記第2動吸振部を構成していることを特徴とするエンジンのピストン構造。
  3. 請求項2において、
    上記ロッドが上記円筒体に挿入され、該ロッドの先端が該円筒体の端部に結合されて、該円筒体が該ロッドの先端に片持ち支持されており、
    上記円筒体の内周面と上記ロッドの周面との間に弾性材が充填されていることを特徴とするエンジンのピストン構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
    上記ピストンピンの内部の略中央部に設けられた支持部と、
    上記支持部に各々片持ち支持されて上記ピストンピンの軸方向に互いに離反するように延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れる一対のロッドと、
    上記一対のロッド各々に弾性的に支持された補助質量体とを備えてなり、
    上記支持部、該支持部の一方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第1動吸振器を構成し、
    上記支持部、該支持部の他方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第2動吸振器を構成し、
    上記第1及び第2の動吸振器各々において、上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと該ロッドに支持された上記補助質量体とからなる振動系が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに弾性的に支持された上記補助質量体が上記第2動吸振部を構成していることを特徴とするエンジンのピストン構造。
  5. シリンダ内で往復動するピストンと、小端部がピストンと連結され、大端部がクランクシャフトと連結されるコンロッドと、上記ピストンとコンロッドの小端部を連結する断面中空の円筒状ピストンピンと、このピストンピン内に設けられた動吸振器とを備えるエンジンのピストン構造であって、
    上記動吸振器は、
    上記ピストンピンの軸方向に延び、該ピストンピンに対して該ピストンピンの径方向に振れることによって特定の振動周波数域において動吸振機能を発揮する第1動吸振部と、
    上記第1動吸振部に設けられ、上記ピストンピンに対して振れることによって上記特定の振動周波数域と異なる振動周波数域において動吸振機能を発揮する第2動吸振部を備えたものであり、
    上記ピストンピンの内部の略中央部に設けられた支持部と、
    上記支持部に各々片持ち支持されて上記ピストンピンの軸方向に互いに離反するように延び、上記支持部を支点にして上記ピストンピンの径方向に振れる一対のロッドと、
    上記一対のロッド各々に弾性的に支持された補助質量体とを備えてなり、
    上記支持部、該支持部の一方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第1動吸振器を構成し、
    上記支持部、該支持部の他方の側に設けられた上記ロッド及び上記補助質量体が第2動吸振器を構成し、
    上記第1及び第2の動吸振器各々において、上記支持部に片持ち支持された上記ロッドと該ロッドに支持された上記補助質量体とからなる振動系が上記第1動吸振部を構成し、上記ロッドに弾性的に支持された上記補助質量体が上記第2動吸振部を構成していることを特徴とするエンジンのピストン構造。
  6. 請求項5において、
    上記第1動吸振器及び第2動吸振器各々は、上記補助質量体として、上記ロッドに弾性的に支持されて上記ピストンピンの軸方向に延び、該ロッドに対して振れる円筒体を備えてなることを特徴とするエンジンのピストン構造。
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