JP6481738B1 - エンジンの往復回転機構およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
エンジンの往復回転機構であって、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトに連結される大端部とを有するコンロッドと、
前記ピストンまたは前記コンロッドに設けられ、前記エンジンの運転中に前記ピストン、前記ピストンピン及び前記コンロッドの前記小端部が一体で前記コンロッドの大端部に対して振動するときの第1共振周波数および該第1共振周波数よりも高い第2共振周波数での振動レベルをそれぞれ低減するための第1動吸振器および第2動吸振器とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンまたは前記コンロッドに固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続するばね部を有し、
前記第2動吸振器の共振周波数は、前記第1動吸振器の共振周波数よりも高く、
前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方は、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が、前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に異なる値を有するように設定されている.
前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方は、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が、前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数よりも高い値を有するように設定されている。
エンジンの往復回転機構の製造方法であって、
前記往復回転機構は、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトに連結される大端部とを有するコンロッドと、
前記ピストンまたは前記コンロッドに設けられ、前記エンジンの運転中に前記ピストン、前記ピストンピン及び前記コンロッドの前記小端部が一体で前記コンロッドの大端部に対して振動するときの第1共振周波数および第2共振周波数での振動レベルをそれぞれ低減するための第1動吸振器および第2動吸振器とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンまたは前記コンロッドに固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続し、それぞれ所定のばね定数を有するばね部を有し、
前記第2動吸振器の共振周波数は、前記第1動吸振器の共振周波数よりも高く、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップを含み、該準備するステップは、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に一致するときに、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方を変更することにより、それぞれ、前記第1動吸振器について出現する反共振どうしの間隔、および、前記第2動吸振器について出現する反共振どうしの間隔を変更し、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に異なるようにするステップを含む。
前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方を変更するステップでは、それぞれ、前記第1動吸振器について出現する反共振どうしの間隔、および、前記第2動吸振器について出現する反共振どうしの間隔を広げる。
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップは、前記第1動吸振器および前記第2動吸振器の少なくとも一方のばね部のばね定数を変更して、前記第1動吸振器の共振周波数および前記第2動吸振器の共振周波数の少なくとも一方を、それぞれ、前記第1共振周波数および前記第2共振周波数に一致させるステップを含む。
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップは、前記第1動吸振器の共振周波数および前記第2動吸振器の共振周波数の少なくとも一方を、それぞれ、前記第1共振周波数および前記第2共振周波数に対してシフトさせるステップをさらに含む。
図1は、本発明の実施形態に係る往復回転機構を備えた多気筒エンジン1を示す断面図である。エンジン1は、自動車等の車両に搭載されている。エンジン1は、これに限定されないが、圧縮自己着火式エンジンである。エンジン1は、シリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2は、アッパブロック21と、アッパブロック21の下面に取り付けられたロアブロック22と、を有している。アッパブロック21の上部には、4つのシリンダ3が互いに壁を隔てて一列に設けられている。つまり、エンジン1は、直列4気筒エンジンである。各シリンダ3には、ピストン4とコンロッド5が設けられている。
上述のとおり、ピストンピン6の貫通孔61内にはダンパ部材8が設けられている。ダンパ部材8は、ピストンピン6の中心軸60と同一直線上に(または略同一直線状に)延びる中心軸を有している。ダンパ部材8の中心軸方向は、ダンパ部材8の長手方向に一致する。ダンパ部材8は、中実部材であってよい。ダンパ部材8は、互いに共振周波数(言い換えると、固有振動数に対応する周波数)の異なる2つの動吸振器81,82を有している。以下、動吸振器81を第1動吸振器、動吸振器82を第2動吸振器という。ダンパ部材8は、2つの動吸振器81,82を用いて、制振対象に生じる2種類の共振の振動レベルを低減するように動作可能である。
図5から図9を用いて、この実施形態に係る第1、第2動吸振器81,82の設計方法について説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係るエンジン1の往復回転機構の例示的な製造方法を示すフローチャートである。この方法は、ステップ201〜207を含んでいる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されると理解すべきではない。上述の実施形態には、種々の改良、設計上の変更および削除が加えられてよい。上述の実施形態に記載された任意の特徴を組み合わせることにより、その他の実施形態が作り出されてよい。
2 シリンダブロック
21 アッパブロック
22 ロアブロック
23 メインベアリングキャップ
4 ピストン
5 コンロッド
51 小端部
52 大端部
56 接続部
6 ピストンピン
61 貫通孔
7 クランクシャフト
8 ダンパ部材
81 第1動吸振器
82 第2動吸振器
83a,83b 質量部
84 固定部
85a,85b 腕部
101 エンジンの振動特性
111,112 第1、第2動吸振器についての共振曲線
113 第1、第2動吸振器についての共振曲線を重ね合わせた実際の振動曲線
FA,FB 第1、第2ノイズ周波数(第1、第2共振周波数)
f1,f2 第1、第2動吸振器の共振周波数
m1,m2 第1、第2動吸振器の質量部の質量
k1,k2 第1、第2動吸振器の腕部のばね定数
g1(high),g1(low) 第1動吸振器について生じる反共振のピーク周波数
g2(high),g2(low) 第2動吸振器について生じる反共振のピーク周波数
Mr 往復回転機構の往復慣性質量
w1,w2 第1、第2動吸振器についての反共振間隔
μ1,μ2 往復回転機構の往復慣性質量に対する第1、第2動吸振器の質量部の質量の比
Δf1,Δf2 第1、第2動吸振器の共振周波数のシフト量
Claims (6)
- エンジンの往復回転機構であって、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトに連結される大端部とを有するコンロッドと、
前記ピストンまたは前記コンロッドに設けられ、前記エンジンの運転中に前記ピストン、前記ピストンピン及び前記コンロッドの前記小端部が一体で前記コンロッドの大端部に対して振動するときの第1共振周波数および該第1共振周波数よりも高い第2共振周波数での振動レベルをそれぞれ低減するための第1動吸振器および第2動吸振器とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンまたは前記コンロッドに固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続するばね部を有し、
前記第2動吸振器の共振周波数は、前記第1動吸振器の共振周波数よりも高く、
前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方は、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が、前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に異なる値を有するように設定されている、
エンジンの往復回転機構。 - 前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方は、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が、前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数よりも高い値を有するように設定されている、
請求項1に記載のエンジンの往復回転機構。 - エンジンの往復回転機構の製造方法であって、
前記往復回転機構は、
シリンダ内で往復動するピストンと、
前記ピストンにピストンピンを介して連結される小端部と、クランクシャフトに連結される大端部とを有するコンロッドと、
前記ピストンまたは前記コンロッドに設けられ、前記エンジンの運転中に前記ピストン、前記ピストンピン及び前記コンロッドの前記小端部が一体で前記コンロッドの大端部に対して振動するときの第1共振周波数および第2共振周波数での振動レベルをそれぞれ低減するための第1動吸振器および第2動吸振器とを備え、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器は、質量部、前記ピストンまたは前記コンロッドに固定された固定部、および、前記質量部と前記固定部とを接続し、それぞれ所定のばね定数を有するばね部を有し、
前記第2動吸振器の共振周波数は、前記第1動吸振器の共振周波数よりも高く、
前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップを含み、該準備するステップは、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に一致するときに、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方を変更することにより、それぞれ、前記第1動吸振器について出現する反共振どうしの間隔、および、前記第2動吸振器について出現する反共振どうしの間隔を変更し、前記第1動吸振器の共振周波数の高周波数側に出現する反共振のピーク周波数が前記第2動吸振器の共振周波数の低周波数側に出現する反共振のピーク周波数と実質的に異なるようにするステップを含む、
エンジンの往復回転機構の製造方法。 - 前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第1動吸振器の質量部の質量の比、および、前記往復回転機構の往復慣性質量に対する前記第2動吸振器の質量部の質量の比の少なくとも一方を変更するステップでは、それぞれ、前記第1動吸振器について出現する反共振どうしの間隔、および、前記第2動吸振器について出現する反共振どうしの間隔を広げる、
請求項3に記載のエンジンの往復回転機構の製造方法。 - 前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップは、前記第1動吸振器および前記第2動吸振器の少なくとも一方のばね部のばね定数を変更して、前記第1動吸振器の共振周波数および前記第2動吸振器の共振周波数の少なくとも一方を、それぞれ、前記第1共振周波数および前記第2共振周波数に一致させるステップを含む、
請求項3または4に記載のエンジンの往復回転機構の製造方法。 - 前記第1動吸振器および前記第2動吸振器を準備するステップは、前記第1動吸振器の共振周波数および前記第2動吸振器の共振周波数の少なくとも一方を、それぞれ、前記第1共振周波数および前記第2共振周波数に対してシフトさせるステップをさらに含む、
請求項3または4に記載のエンジンの往復回転機構の製造方法。
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