JPH0754996A - ピストンピン - Google Patents
ピストンピンInfo
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- JPH0754996A JPH0754996A JP35104593A JP35104593A JPH0754996A JP H0754996 A JPH0754996 A JP H0754996A JP 35104593 A JP35104593 A JP 35104593A JP 35104593 A JP35104593 A JP 35104593A JP H0754996 A JPH0754996 A JP H0754996A
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- JP
- Japan
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- pin
- piston pin
- piston
- coating layer
- ceramic
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 実用時における騒音の発生を抑えることがで
き、更には軽量化と強度的な信頼性を同時に達成し得る
セラミックス製のピストンピンを提供する。 【構成】 シリンダー5内でピストン3とコンロッド4
を接続するピストンピン1であって、両端を解放した円
筒形のセラミックス製のピン本体の内周面に厚さ10〜
500μmのセラミックスのコーティング層を設ける
か、又は前記ピン本体の円筒内に吸音材2を挿入固定し
てなるピストンピン1。
き、更には軽量化と強度的な信頼性を同時に達成し得る
セラミックス製のピストンピンを提供する。 【構成】 シリンダー5内でピストン3とコンロッド4
を接続するピストンピン1であって、両端を解放した円
筒形のセラミックス製のピン本体の内周面に厚さ10〜
500μmのセラミックスのコーティング層を設ける
か、又は前記ピン本体の円筒内に吸音材2を挿入固定し
てなるピストンピン1。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の動弁機構に
おいてピストンとコンロッドを接続するために用いられ
るセラミックス製のピストンピンに関する。
おいてピストンとコンロッドを接続するために用いられ
るセラミックス製のピストンピンに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンのような内燃機関は、ガ
ソリン等と空気の混合燃料をシリンダー内で燃焼させ、
その爆発に伴う膨張力でシリンダー内に気密に挿入した
ピストンを往復運動させることにより、吸排気弁から燃
焼ガスを排気し且つ混合燃料を吸気すると同時に、ピス
トンに接続したコンロッド又は連接棒を介してクランク
軸を回転させるようになっている。
ソリン等と空気の混合燃料をシリンダー内で燃焼させ、
その爆発に伴う膨張力でシリンダー内に気密に挿入した
ピストンを往復運動させることにより、吸排気弁から燃
焼ガスを排気し且つ混合燃料を吸気すると同時に、ピス
トンに接続したコンロッド又は連接棒を介してクランク
軸を回転させるようになっている。
【0003】ピストンピンはピストンとコンロッドを接
続する部品であり、ピストンと共に高速で往復運動を行
う。従って、ピストンピンを軽量化することにより、燃
費や馬力の向上及び慣性重量低減による騒音低下を図る
ことが出来るので、ピストンピンの材質を従来から使用
されてきた鋳鉄よりも軽量の窒化ケイ素等のセラミック
スに代えることが検討されている。
続する部品であり、ピストンと共に高速で往復運動を行
う。従って、ピストンピンを軽量化することにより、燃
費や馬力の向上及び慣性重量低減による騒音低下を図る
ことが出来るので、ピストンピンの材質を従来から使用
されてきた鋳鉄よりも軽量の窒化ケイ素等のセラミック
スに代えることが検討されている。
【0004】しかし、ピストンピンをセラミックスで構
成した場合、ピストンピンが通常の中実形状又は中空形
状のいずれであっても、ピストンピンは実用時に100
〜200℃まで温度上昇するので、鋳鉄等の金属が使わ
れているピストン又はコンロッドとの接続部においてセ
ラミックスと金属の熱膨張係数の違いによるクリアラン
スが大きくなり、この接続部で大きな振動音が発生する
欠点があった。
成した場合、ピストンピンが通常の中実形状又は中空形
状のいずれであっても、ピストンピンは実用時に100
〜200℃まで温度上昇するので、鋳鉄等の金属が使わ
れているピストン又はコンロッドとの接続部においてセ
ラミックスと金属の熱膨張係数の違いによるクリアラン
スが大きくなり、この接続部で大きな振動音が発生する
欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の事情に鑑み、実用時における騒音の発生を抑えること
ができ、更には軽量化と強度的な信頼性を同時に達成し
得る、セラミックス製のピストンピンを提供することを
目的とする。
の事情に鑑み、実用時における騒音の発生を抑えること
ができ、更には軽量化と強度的な信頼性を同時に達成し
得る、セラミックス製のピストンピンを提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するピストンピンは、両端を解放した
円筒形のセラミックスからなるピン本体と、ピン本体の
内周面に設けた厚さ10〜500μmのセラミックスの
コーティング層とからなるか、又は両端を解放した円筒
形のセラミックスからなるピン本体と、ピン本体の円筒
内に挿入固定した吸音材とからなっている。
め、本発明が提供するピストンピンは、両端を解放した
円筒形のセラミックスからなるピン本体と、ピン本体の
内周面に設けた厚さ10〜500μmのセラミックスの
コーティング層とからなるか、又は両端を解放した円筒
形のセラミックスからなるピン本体と、ピン本体の円筒
内に挿入固定した吸音材とからなっている。
【0007】
【作用】前記のごとく、セラミックス製のピストンピン
では、鋳鉄等の金属が使われているピストン又はコンロ
ッドとの接続部においてセラミックスと金属の熱膨張係
数の違いによるクリアランスが大きくなるため、この接
続部で振動音が発生することが避けられないが、本発明
によれば、円筒形のピストンピンの内側に設けたセラミ
ックスのコーティング層又は吸音材が振動音を効果的に
吸収し、低騒音化を図ることができる。
では、鋳鉄等の金属が使われているピストン又はコンロ
ッドとの接続部においてセラミックスと金属の熱膨張係
数の違いによるクリアランスが大きくなるため、この接
続部で振動音が発生することが避けられないが、本発明
によれば、円筒形のピストンピンの内側に設けたセラミ
ックスのコーティング層又は吸音材が振動音を効果的に
吸収し、低騒音化を図ることができる。
【0008】セラミックスのコーティング層による振動
音の吸収は、セラミックスのピン本体とコーティング層
との界面における振動の屈折や、固有振動数の違う両者
の接合による振動の吸収等により達成されるものと考え
られる。かかる振動の屈折や吸収は、コーティング層を
設けたピストンピンの内部摩擦が大きいほど顕著になる
ことが判明し、特に内部摩擦が5×10-4以上であるこ
とが好ましい。
音の吸収は、セラミックスのピン本体とコーティング層
との界面における振動の屈折や、固有振動数の違う両者
の接合による振動の吸収等により達成されるものと考え
られる。かかる振動の屈折や吸収は、コーティング層を
設けたピストンピンの内部摩擦が大きいほど顕著になる
ことが判明し、特に内部摩擦が5×10-4以上であるこ
とが好ましい。
【0009】コーティング層を構成するセラミックスと
しては、Al2O3、SiO2、ZrO2等の酸化物、B
N、CrN、TiN、AlN、Si3N4等の窒化物、S
iC、TiC、B4C等の炭化物などを用いることがで
き、ピン本体のセラミックスと同一でも別種のセラミッ
クスであっても良い。又、セラミックスのコーティング
層の形成には、PVD法やCVD法等の気相合成法、溶
射法等の融液法、電解析出法やゾルゲル法等の溶液法を
用いることができる。
しては、Al2O3、SiO2、ZrO2等の酸化物、B
N、CrN、TiN、AlN、Si3N4等の窒化物、S
iC、TiC、B4C等の炭化物などを用いることがで
き、ピン本体のセラミックスと同一でも別種のセラミッ
クスであっても良い。又、セラミックスのコーティング
層の形成には、PVD法やCVD法等の気相合成法、溶
射法等の融液法、電解析出法やゾルゲル法等の溶液法を
用いることができる。
【0010】セラミックスのコーティング層の厚さは1
0〜500μmの範囲とする。その理由は、コーティン
グ層の厚さが10μm未満では吸音効果が殆ど得られ
ず、逆に厚さが500μmを越えるとピン本体との密着
性が低下し、熱応力等によって剥離する危険があるから
である。尚、コーティング層の密着性を向上させるため
には、ピン本体の内周面にピーニング処理又はエッチン
グ処理等の前処理を施すことが好ましい。
0〜500μmの範囲とする。その理由は、コーティン
グ層の厚さが10μm未満では吸音効果が殆ど得られ
ず、逆に厚さが500μmを越えるとピン本体との密着
性が低下し、熱応力等によって剥離する危険があるから
である。尚、コーティング層の密着性を向上させるため
には、ピン本体の内周面にピーニング処理又はエッチン
グ処理等の前処理を施すことが好ましい。
【0011】一方、ピン本体の円筒内に吸音材を設けた
ピストンピンでは、吸音材が振動音を直接吸収する。従
って、使用する吸音材は音の吸収率に優れた材料である
ことが必要であるが、本発明においては軽量で且つ耐熱
性や耐油性に優れ、高速の往復運動によっても破損した
り崩れたりしないことが必要であり、更にはピン本体に
用いたセラミックスと熱膨張係数がほぼ等しい材料であ
ることが好ましい。
ピストンピンでは、吸音材が振動音を直接吸収する。従
って、使用する吸音材は音の吸収率に優れた材料である
ことが必要であるが、本発明においては軽量で且つ耐熱
性や耐油性に優れ、高速の往復運動によっても破損した
り崩れたりしないことが必要であり、更にはピン本体に
用いたセラミックスと熱膨張係数がほぼ等しい材料であ
ることが好ましい。
【0012】かかる吸音材としては、ロックウールやグ
ラスウール、及びAl2O3、Si3N4、SiC等のセラ
ミックス繊維、炭素繊維、又は芳香族ポリアミドや芳香
族ポリイミド等の耐熱性合成樹脂繊維を、耐熱性バイン
ダー、例えばコロイダルシリカ等で円柱状に成形した繊
維の結合体か、若しくはAl2O3、Si3N4、SiC等
のセラミックス粉末を低密度の円柱状に焼結したセラミ
ックスの多孔体を用いることができる。これらの吸音材
は予め円柱状に形成しておき、ピン本体の円筒内に圧入
するか又は耐熱性で且つ耐油性の接着剤等を用いて固定
する。
ラスウール、及びAl2O3、Si3N4、SiC等のセラ
ミックス繊維、炭素繊維、又は芳香族ポリアミドや芳香
族ポリイミド等の耐熱性合成樹脂繊維を、耐熱性バイン
ダー、例えばコロイダルシリカ等で円柱状に成形した繊
維の結合体か、若しくはAl2O3、Si3N4、SiC等
のセラミックス粉末を低密度の円柱状に焼結したセラミ
ックスの多孔体を用いることができる。これらの吸音材
は予め円柱状に形成しておき、ピン本体の円筒内に圧入
するか又は耐熱性で且つ耐油性の接着剤等を用いて固定
する。
【0013】尚、本発明におけるピストンピンのピン本
体の材質は、従来からピストンピンの軽量化を目的に検
討されてきたセラミックス焼結体、例えばSi3N4等の
窒化物、Al2O3等の酸化物、SiCやB4C等の炭化
物、又はこれらの複合体等を用いることができるが、軽
量化、強度特性、耐久性及び信頼性等を考慮するとSi
3N4又はサイアロンが好ましい。又、ピン本体の外周面
及び内周面を研削加工して、焼結肌に存在する欠陥を除
去することが好ましい。
体の材質は、従来からピストンピンの軽量化を目的に検
討されてきたセラミックス焼結体、例えばSi3N4等の
窒化物、Al2O3等の酸化物、SiCやB4C等の炭化
物、又はこれらの複合体等を用いることができるが、軽
量化、強度特性、耐久性及び信頼性等を考慮するとSi
3N4又はサイアロンが好ましい。又、ピン本体の外周面
及び内周面を研削加工して、焼結肌に存在する欠陥を除
去することが好ましい。
【0014】本発明のピストンピンにおいては、ピン本
体の形状は両端を解放した円筒形であれば良く、例えば
図2に示すように中空部が同一内径の直円筒形を基本と
するが、ピストンピンにかかる負荷に耐え得る形状であ
れば多少の形状の変更は可能であり、本発明の範囲に含
まれる。
体の形状は両端を解放した円筒形であれば良く、例えば
図2に示すように中空部が同一内径の直円筒形を基本と
するが、ピストンピンにかかる負荷に耐え得る形状であ
れば多少の形状の変更は可能であり、本発明の範囲に含
まれる。
【0015】
【実施例】実施例1 ピン本体の素材として、直円筒形のSi3N4焼結体、B
4C焼結体、及び平均粒径50nmのSiC粒子を2重
量%添加したSi3N4焼結体を用意し、各焼結体の内外
周面及び両側面を研削して、図2に示すような外径D1
=18mm、内径D2=5mm、長さL1=55mmのピ
ン本体を複数作製した。ちなみに、上記各焼結体は相対
密度がいずれも100%であり、JIS R1601に
基づく曲げ強度がSi3N4焼結体で155kg/m
m2、B4C焼結体で60kg/mm2及びSiC添加S
i3N4焼結体で165kg/mm2であった。
4C焼結体、及び平均粒径50nmのSiC粒子を2重
量%添加したSi3N4焼結体を用意し、各焼結体の内外
周面及び両側面を研削して、図2に示すような外径D1
=18mm、内径D2=5mm、長さL1=55mmのピ
ン本体を複数作製した。ちなみに、上記各焼結体は相対
密度がいずれも100%であり、JIS R1601に
基づく曲げ強度がSi3N4焼結体で155kg/m
m2、B4C焼結体で60kg/mm2及びSiC添加S
i3N4焼結体で165kg/mm2であった。
【0016】上記の各ピン本体の内周面にピーニング処
理を施した後、CVD法により内周面にTiN、Si3
N4、SiO2及びZrO2のコーティング層をそれぞれ
形成した。得られた各ピストンピンの内部摩擦を測定す
るため、各ピン本体と同じ焼結体からなる板状の素材の
表面に上記の各コーティング層を同様に形成した試験片
を作製し、振動型内部摩擦測定装置を用い振動数20,
000Hz及び振幅0.1μmの条件で内部摩擦を測定
した。
理を施した後、CVD法により内周面にTiN、Si3
N4、SiO2及びZrO2のコーティング層をそれぞれ
形成した。得られた各ピストンピンの内部摩擦を測定す
るため、各ピン本体と同じ焼結体からなる板状の素材の
表面に上記の各コーティング層を同様に形成した試験片
を作製し、振動型内部摩擦測定装置を用い振動数20,
000Hz及び振幅0.1μmの条件で内部摩擦を測定
した。
【0017】又、上記と同じ直円筒形のSi3N4焼結
体、B4C焼結体、及び平均粒径50nmのSiC粒子
を2重量%添加したSi3N4焼結体から作製した各ピン
本体の円筒内に、吸音材として、グラスウール又はSi
3N4繊維をコロイダルシリカで円柱状に結合したグラス
ウール結合体又はSi3N4繊維結合体、及びSi3N4粉
末又はSiC粉末を円柱状に低密度で焼結したSi3N4
多孔体又はSiC多孔体を、それぞれ圧入して固定し
た。これらの吸音材を圧入したピストンピンの内部摩擦
については、上記装置による測定が困難であるため測定
しなかった。
体、B4C焼結体、及び平均粒径50nmのSiC粒子
を2重量%添加したSi3N4焼結体から作製した各ピン
本体の円筒内に、吸音材として、グラスウール又はSi
3N4繊維をコロイダルシリカで円柱状に結合したグラス
ウール結合体又はSi3N4繊維結合体、及びSi3N4粉
末又はSiC粉末を円柱状に低密度で焼結したSi3N4
多孔体又はSiC多孔体を、それぞれ圧入して固定し
た。これらの吸音材を圧入したピストンピンの内部摩擦
については、上記装置による測定が困難であるため測定
しなかった。
【0018】この様にして得られた本発明の各ピストン
ピンを、図1に示すように、市販の2000cc自動車
用ガソリンエンジンから流用したエンジンダイナモに組
み込んだ。即ち、鋳鉄製のピストン3とコンロッド4と
を、内周面にセラミックスのコーティング層を有するか
又は円筒内に吸音材2を圧入固定した上記セラミックス
製のピストンピン1を用いて接続し、これらを吸排気弁
6を備えたシリンダー5内に気密に挿入した。その後、
機関換算回転数2000rpmで運転を行い、1m離れ
た地点において放射音を測定した。
ピンを、図1に示すように、市販の2000cc自動車
用ガソリンエンジンから流用したエンジンダイナモに組
み込んだ。即ち、鋳鉄製のピストン3とコンロッド4と
を、内周面にセラミックスのコーティング層を有するか
又は円筒内に吸音材2を圧入固定した上記セラミックス
製のピストンピン1を用いて接続し、これらを吸排気弁
6を備えたシリンダー5内に気密に挿入した。その後、
機関換算回転数2000rpmで運転を行い、1m離れ
た地点において放射音を測定した。
【0019】比較のために、従来の鋳鉄からなる直円筒
形のピストンピン、並びに上記と同じSi3N4焼結体等
からなる直円筒形のピン本体のみからなりセラミックス
のコーティング層及び吸音材のいずれの吸音構造も有し
ないピストンピンを作製し、これら比較例のピストンピ
ンについても上記と同様に内部摩擦の測定を行い、更に
上記と同じエンジンダイナモに組み込み、同様の条件下
に放射音を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
形のピストンピン、並びに上記と同じSi3N4焼結体等
からなる直円筒形のピン本体のみからなりセラミックス
のコーティング層及び吸音材のいずれの吸音構造も有し
ないピストンピンを作製し、これら比較例のピストンピ
ンについても上記と同様に内部摩擦の測定を行い、更に
上記と同じエンジンダイナモに組み込み、同様の条件下
に放射音を測定した。得られた測定結果を表1に示す。
【0020】
【表1】 試料 内部摩擦 騒音レベルNo. ピン本体 吸 音 構 造 (×10-4) (dB(A)) 1* 鋳鉄 なし 9.0 75 2* Si3N4焼結体 なし 4.5 83 3* B4C焼結体 なし 3.8 85 4* SiC+Si3N4焼結体 なし 4.8 83 5* Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(5μm) 4.8 82 6 Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(10μm) 6.2 79 7 Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(50μm) 7.3 78 8 Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(100μm) 8.2 76 9 Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(200μm) 8.5 75 10 Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(400μm) 8.5 75 11* Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(600μm) 8.6 77 12 B4C焼結体 TiNコーティンク゛層(200μm) 6.5 78 13 SiC+Si3N4焼結体 TiNコーティンク゛層(200μm) 8.8 75 14 Si3N4焼結体 Si3N4コーティンク゛層(200μm) 7.8 76 15 Si3N4焼結体 SiO2コーティンク゛層(200μm) 8.3 76 16 Si3N4焼結体 ZrO2コーティンク゛層(200μm) 7.9 77 17 Si3N4焼結体 グラスウール結合体 − 76 18 Si3N4焼結体 Si3N4繊維結合体 − 77 19 Si3N4焼結体 SiC多孔体 − 77 20 Si3N4焼結体 Si3N4多孔体 − 77 21 B4C焼結体 Si3N4多孔体 − 79 22 SiC+Si3N4焼結体 Si3N4多孔体 − 77 (注)表中の*を付した試料は比較例である。試料N
o.11は騒音レベルの測定試験中にコーティング層の
一部に剥離が発生した。
o.11は騒音レベルの測定試験中にコーティング層の
一部に剥離が発生した。
【0021】上記表1から、比較例である試料No.2
〜5の吸音構造を持たない円筒形のセラミックス製の各
ピストンピンは、従来の円筒形の鋳鉄からなる試料N
o.1のピストンピンよりも騒音レベルが高くなってい
るのに対して、試料No.6〜10及び12〜22の円
筒形のピン本体に吸音構造を備えた本発明のピストンピ
ンは、いずれも騒音レベルが従来の円筒形の鋳鉄からな
るピストンピン(試料No.1)とほぼ等しく、振動音
の発生が抑えられていることが判る。これは、コーティ
ング層を10μm以上に施すことによる内部摩擦の増大
が振動の減衰をもたらし、或は内部に挿入した吸音材が
振動音を吸収した結果である。
〜5の吸音構造を持たない円筒形のセラミックス製の各
ピストンピンは、従来の円筒形の鋳鉄からなる試料N
o.1のピストンピンよりも騒音レベルが高くなってい
るのに対して、試料No.6〜10及び12〜22の円
筒形のピン本体に吸音構造を備えた本発明のピストンピ
ンは、いずれも騒音レベルが従来の円筒形の鋳鉄からな
るピストンピン(試料No.1)とほぼ等しく、振動音
の発生が抑えられていることが判る。これは、コーティ
ング層を10μm以上に施すことによる内部摩擦の増大
が振動の減衰をもたらし、或は内部に挿入した吸音材が
振動音を吸収した結果である。
【0022】更に、上記本発明の試料No.9のピスト
ンピン、即ち円筒形Si3N4焼結体の内周面にTiNコ
ーティング層を200μm設けたピストンピンをガソリ
ンエンジンに組み込み、そのガソリンエンジンを実車に
搭載して車内及び車外においてピストンピンが原因と思
われる振動音の測定を行ったが、試験直後はもちろん2
万km走行後においても、通常の鋳鉄製ピストンピンの
場合を越えるような振動音の発生はなかった。
ンピン、即ち円筒形Si3N4焼結体の内周面にTiNコ
ーティング層を200μm設けたピストンピンをガソリ
ンエンジンに組み込み、そのガソリンエンジンを実車に
搭載して車内及び車外においてピストンピンが原因と思
われる振動音の測定を行ったが、試験直後はもちろん2
万km走行後においても、通常の鋳鉄製ピストンピンの
場合を越えるような振動音の発生はなかった。
【0023】実施例2 直円筒形の実施例1と同じSi3N4焼結体の内外周面及
び両側面を研削して、図2に示す、外径D1=18mm
及び長さL1=55mmであって、内径D2を種々変えた
ピン本体を作製した。
び両側面を研削して、図2に示す、外径D1=18mm
及び長さL1=55mmであって、内径D2を種々変えた
ピン本体を作製した。
【0024】上記のごとく作製した各ピン本体につい
て、スパン40mmにて3点曲げ試験を実施して破壊荷
重を測定した。実用上ピストンピンにかかる最大荷重は
約2500kgであるが、その2倍に相当する5000
kgまでの負荷を加えた。測定結果を表2及び表3に示
す。表2には、外径D1=18mm、内径D2=12m
m、長さL1=55mmであって、密度7.8g/cm3
及び破壊荷重5000kgの直円筒形の鋳鉄製ピストン
ピンを基準にした各ピン本体の重量低減率も併せて示し
た。
て、スパン40mmにて3点曲げ試験を実施して破壊荷
重を測定した。実用上ピストンピンにかかる最大荷重は
約2500kgであるが、その2倍に相当する5000
kgまでの負荷を加えた。測定結果を表2及び表3に示
す。表2には、外径D1=18mm、内径D2=12m
m、長さL1=55mmであって、密度7.8g/cm3
及び破壊荷重5000kgの直円筒形の鋳鉄製ピストン
ピンを基準にした各ピン本体の重量低減率も併せて示し
た。
【0025】
【表2】 (注)表中の「破壊せず」とは、5000kgまでの負
荷を加えても破壊しないことを意味する。
荷を加えても破壊しないことを意味する。
【0026】上記の結果から、本発明のセラミックス製
のピストンピンは従来の鋳鉄製のピストンピンに比べて
著しい重量低減を達成できること、例えば5000kg
の負荷で破壊しない内径7mmのSi3N4焼結体製のピ
ン本体は、外径及び長さが同じ直円筒形の鋳鉄製のピス
トンピンと比較して、重量を37%も低減し得ることが
判る。
のピストンピンは従来の鋳鉄製のピストンピンに比べて
著しい重量低減を達成できること、例えば5000kg
の負荷で破壊しない内径7mmのSi3N4焼結体製のピ
ン本体は、外径及び長さが同じ直円筒形の鋳鉄製のピス
トンピンと比較して、重量を37%も低減し得ることが
判る。
【0027】更に、この内径7mmのSi3N4焼結体製
のピン本体の内周面に、CVD法によりTiNコーティ
ング層を200μmの厚さに形成した。得られたピスト
ンピンを実施例1と同様にエンジンダイナモに組み込
み、機関換算回転数2000rpmで運転して1時間当
たりの燃料消費量を測定した。その結果、従来の鋳鉄製
ピストンピンを組み込んだ場合と比較して燃料消費量が
2.5%低下した。
のピン本体の内周面に、CVD法によりTiNコーティ
ング層を200μmの厚さに形成した。得られたピスト
ンピンを実施例1と同様にエンジンダイナモに組み込
み、機関換算回転数2000rpmで運転して1時間当
たりの燃料消費量を測定した。その結果、従来の鋳鉄製
ピストンピンを組み込んだ場合と比較して燃料消費量が
2.5%低下した。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、実用時における騒音の
発生を従来の鋳鉄製ピストンピン程度に抑えることがで
き、同時に従来の鋳鉄製のピストンピンに比べて大幅な
軽量化を達成でき、更には強度的に優れた信頼性を有す
るセラミックス製のピストンピンを提供することができ
る。
発生を従来の鋳鉄製ピストンピン程度に抑えることがで
き、同時に従来の鋳鉄製のピストンピンに比べて大幅な
軽量化を達成でき、更には強度的に優れた信頼性を有す
るセラミックス製のピストンピンを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例によるピストンピンを組み込
んだエンジンダイナモの概略を示す断面図である。
んだエンジンダイナモの概略を示す断面図である。
【図2】本発明に係わるピン本体の一具体例を示す断面
図である。
図である。
1 ピストンピン 2 吸音材 3 ピストン 4 コンロッド 5 シリンダー 6 吸排気弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内
Claims (4)
- 【請求項1】 両端を解放した円筒形のセラミックスか
らなるピン本体と、ピン本体の内周面に設けた厚さ10
〜500μmのセラミックスのコーティング層とからな
るピストンピン。 - 【請求項2】 セラミックスからなるピン本体の内周面
にコーティング層を設けたピストンピンの内部摩擦が5
×10-4以上であることを特徴とする、請求項1に記載
のピストンピン。 - 【請求項3】 両端を解放した円筒形のセラミックスか
らなるピン本体と、ピン本体の円筒内に挿入固定した吸
音材とからなるピストンピン。 - 【請求項4】 吸音材がセラミックス、炭素又は耐熱性
合成樹脂からなる繊維の結合体、若しくはセラミックス
の多孔体であることを特徴とする、請求項3に記載のピ
ストンピン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35104593A JPH0754996A (ja) | 1993-06-11 | 1993-12-28 | ピストンピン |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16615193 | 1993-06-11 | ||
JP5-166151 | 1993-06-11 | ||
JP35104593A JPH0754996A (ja) | 1993-06-11 | 1993-12-28 | ピストンピン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0754996A true JPH0754996A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=26490628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35104593A Pending JPH0754996A (ja) | 1993-06-11 | 1993-12-28 | ピストンピン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0754996A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008098615A1 (en) | 2007-02-14 | 2008-08-21 | Agilent Technologies, Inc. | Hplc pumping apparatus with silicon carbide piston and/or working chamber |
WO2014034034A1 (ja) * | 2012-08-29 | 2014-03-06 | マツダ株式会社 | エンジンのピストン構造 |
CN104454223A (zh) * | 2013-09-18 | 2015-03-25 | 马自达汽车株式会社 | 发动机的活塞构造 |
JP2015158153A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | マツダ株式会社 | エンジンのピストン構造 |
JP2015158154A (ja) * | 2014-02-24 | 2015-09-03 | マツダ株式会社 | エンジンのピストン構造 |
US9347396B2 (en) | 2013-09-18 | 2016-05-24 | Mazda Motor Corporation | Piston structure for engine |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35104593A patent/JPH0754996A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9926998B2 (en) | 2012-08-29 | 2018-03-27 | Mazda Motor Corporation | Piston structure for engine |
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