ところで、近年、DRM(Digital Radio Mondiale)によるデジタル放送サービスが一部の国々で開始されている。このDRMでは、短波帯域や中波帯域を利用してAM変調によるデジタル放送がなされる。このように、DRMによるデジタル放送は、短波帯域や中波帯域を利用したAM変調による放送であることから、同様に短波帯域や中波帯域を利用したAM変調による従来のアナログ放送の設備をそのまま流用することができる。このため、今後、同じ放送局から同じ番組が、異なる周波数を利用して従来のアナログ放送とDRMのデジタル放送とによって放送されることが考えられる。実際のDRMにおいても、既存のアナログ放送の周波数に隣接して同じ番組(コンテンツ)のデジタル放送の周波数を配するMCS(Multi-Channel Simulcast)が規定されている。
短波帯域や中波帯域を利用してAM変調されたアナログ放送及びデジタル放送の双方が受信可能なラジオ受信装置において、同じ放送局からの同じ番組のアナログ放送とデジタル放送とを隣接した周波数によって受信されることを考慮して、利用者にとってより好ましいシーク動作が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、デジタル放送及びアナログ放送の双方の受信が可能なラジオ受信装置において、利用者にとってより好ましいシーク動作を可能にするものである。
本発明に係るラジオ受信装置は、所定周波数帯域でのデジタル放送及びアナログ放送の受信が可能であって、同調周波数を順次変えて受信される放送番組を探すシーク動作を実行し、該シーク動作によって受信される放送番組の音声出力とともに該放送番組についての所定事項を表す放送情報を表示部に表示するラジオ受信装置であって、受信されているアナログ放送の番組についての放送情報が前記表示部に表示された状態で、前記受信されているアナログ放送の同調周波数から開始される前記シーク動作により最初に受信される放送番組が、前記アナログ放送の番組と同一の放送局からのデジタル放送による同一の番組である場合、前記受信されたデジタル放送の番組に基づいた放送情報の表示に係る処理を行うことなく、前記表示部に表示された放送情報を維持させる第1表示制御手段を有する構成となる。
このような構成により、受信されているアナログ放送の番組についての放送情報が前記表示部に表示された状態で、その受信されているアナログ放送の同調周波数から開始される前記シーク動作により最初に受信される放送番組が、前記アナログ放送の番組と同一の放送局からのデジタル放送による同一の番組である場合、新たに受信されたデジタル放送の番組に基づいた放送情報の表示に係る処理がなされることなく、表示部に表示された放送情報が維持される。
本発明に係るラジオ受信装置において、前記第1表示制御手段は、前記放送情報の表示が維持される前記表示部に、前記アナログ放送から前記デジタル放送に切り替わったことを表す第1放送切替情報を表示させる構成とすることができる。
このような構成により、受信されているアナログ放送の番組についての放送情報が表示部に表示された状態で、その受信されているアナログ放送の同調周波数から開始されるシーク動作により最初に前記アナログ放送の番組と同一の放送局からの同一番組のデジタル放送が受信された場合、放送番組の音声出力が変わらず、また、前記表示部に表示される放送情報が維持されていても、前記表示部に第1放送切替情報が表示されるので、利用者は、番組自体は同じであっても、その第1放送切替情報によって受信される放送がアナログ放送からデジタル放送に変わったことを知ることができる。
また、本発明に係るラジオ受信装置において、受信されているデジタル放送の番組についての放送情報が前記表示部に表示された状態で、前記受信されているデジタル放送の同調周波数から前記シーク動作を開始する際に、前記デジタル放送の受信品質が所定品質より良好であるか否かを判定する受信品質判定手段と、該受信品質判定手段にて前記デジタル放送の受信品質が前記所定品質より良好ではないと判定されたときに、前記シーク動作により最初に受信される放送番組が、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からのアナログ放送による同一の番組である場合、前記受信されたアナログ放送の番組に基づいた放送情報の表示に係る処理を行うことなく、前記表示部に表示された放送情報を維持させる第2表示制御手段を有する構成とすることができる。
このような構成により、受信されているデジタル放送の番組についての放送情報が表示部に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数からシーク動作が開始される際に、そのデジタル放送の受信品質が所定品質より良好でない場合に、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からのアナログ放送による同一の番組であれば、新たに受信されたそのアナログ放送の番組に基づいた放送情報の表示に係る処理がなされることなく、表示部に表示された放送情報が維持される。
また、本発明に係るラジオ受信装置において、前記第2表示制御手段は、前記放送情報の表示が維持される前記表示部に、前記デジタル放送から前記アナログ放送に切り替わったことを表す第2放送切替情報を表示させる構成とすることができる。
このような構成により、受信品質が所定品質より良好でないデジタル放送の番組についての放送情報が表示部に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数から開始されるシーク動作により最初に前記デジタル放送の番組と同一の放送局からの同一番組のアナログ放送が受信された場合、放送番組の音声出力が変わらず、また、前記表示部に表示される放送情報が維持されていても、前記表示部に第2放送切替情報が表示されるので、利用者は、番組自体は同じであっても、その第2放送切替情報によって受信される放送がデジタル放送からアナログ放送に変わったことを知ることができる。
更に、本発明に係るラジオ受信装置において、前記受信品質判定手段により前記デジタル放送の受信品質が前記所定品質より良好であると判定されたときには、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からの同一のアナログ放送の番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理を行うことなく、前記シーク動作を継続させる手段を有する構成とすることができる。
このような構成により、受信されているデジタル放送番組についての放送情報が表示部に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数からシーク動作が開始される際に、そのデジタル放送の受信品質が所定品質より良好である場合には、該デジタル放送と同一放送局からの同一の番組のアナログ放送が受信されたとしても、そのアナログ放送の番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理がなされることなく、前記シーク動作が継続される。従って、受信品質が良好なデジタル放送の番組を変えるとの利用者の意思によって始められたシーク動作において、該デジタル放送と同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送が受信されたとしても、そのアナログ放送の番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示がなされないので、利用者が希望しないであろう無駄な番組の音声出力や表示に係る処理を省くことができる。
また、本発明に係るラジオ受信装置において、同一の放送局からの同一の番組の放送が所定の周波数間隔をあけてアナログ放送とデジタル放送とでなされている状況において、前記同調周波数を前記所定の周波数間隔でステップ的に変えて前記シーク動作を行う構成とすることができる。
このような構成により、シーク動作において、同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送とデジタル放送の同調周波数の間隔である所定の周波数間隔でステップ的に同調周波数が変えられるので、アナログ放送(デジタル放送)の番組を受信している状態で同調周波数を1ステップ(所定の周波数間隔)分変えたときに、同一の放送局からの同一の番組のデジタル放送(アナログ放送)を受信することができるとの予想のもとに、シーク動作を行うことができる。
また、本発明に係るラジオ受信装置において、同一の放送局からの同一の番組の放送が所定の周波数間隔をあけてアナログ放送とデジタル放送とでなされる状況において、前記受信されるデジタル放送の同調周波数から前記所定の周波数間隔でステップ的に当該同調周波数を変えるシーク動作を開始させる際に、前記受信品質判定手段により前記デジタル放送の受信品質が前記所定品質より良好であると判定されたときには、前記所定の周波数間隔をあけた次の同調周波数での受信番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理をスキップさせる手段を有する構成とすることができる。
このような構成により、シーク動作において、同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送とデジタル放送の同調周波数の間隔である所定の周波数間隔でステップ的に同調周波数が変えられるので、デジタル放送の番組を受信している状態で同調周波数を1ステップ(所定の周波数間隔)分変えたときに、同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送を受信することができるとの予想のもとに、シーク動作を行うことができる。このようなシーク動作において、受信品質が所定品質より良好なデジタル放送の番組を受信している状態で同調周波数が1ステップ(所定の周波数間隔)分変えられたときに、同一放送局からの同一の番組のアナログ放送が受信されたとしても、受信番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理がなされることなく、当該シーク動作が継続される。
本発明に係るラジオ受信装置は、所定周波数帯域でのデジタル放送及びアナログ放送の受信が可能であって、同調周波数を順次変えて受信される放送番組を探すシーク動作を実行し、該シーク動作によって受信される放送番組の音声出力とともに該放送番組についての所定事項を表す放送情報を表示部に表示するラジオ受信装置であって、受信されているデジタル放送の番組についての放送情報が前記表示部に表示された状態で、前記受信されているデジタル放送の同調周波数から前記シーク動作を開始する際に、前記デジタル放送の受信品質が所定品質より良好であるか否かを判定する受信品質判定手段と、該受信品質判定手段にて前記デジタル放送の受信品質が前記所定品質より良好ではないと判定されたときに、前記シーク動作により最初に受信される放送番組が、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からのアナログ放送による同一の番組である場合、前記受信されたアナログ放送の番組に基づいた放送情報の表示に係る処理を行うことなく、前記表示部に表示された放送情報を維持させる表示制御手段を有する構成となる。
また、本発明に係るラジオ受信装置において、前記受信品質判定手段により前記デジタル放送の受信品質が前記所定品質より良好であると判定されたときには、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からの同一のアナログ放送の番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理を行うことなく、前記シーク動作を継続させる手段を有する構成とすることができる。
更に、本発明に係るラジオ受信装置において、前記放送番組についての所定事項を表す放送情報は、放送局名及び番組名の少なくともいずれかを含む構成とすることができる。
このような構成により、受信されているアナログ放送の番組についての放送局及び番組名が前記表示部に表示された状態で、その受信されているアナログ放送の同調周波数から開始される前記シーク動作により最初に受信される放送番組が、前記アナログ放送の番組と同一の放送局からのデジタル放送による同一の番組である場合、新たに受信されたデジタル放送の番組に基づいた放送局名及び番組名の表示に係る処理がなされることなく、表示部に表示された前記放送局及び番組名が維持される。
また、受信されているデジタル放送の番組についての放送局名及び番組名が表示部に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数からシーク動作が開始される際に、そのデジタル放送の受信品質が所定品質より良好でない場合に、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からのアナログ放送による同一の番組であれば、新たに受信されたそのアナログ放送の番組に基づいた放送局名及び番組名の表示に係る処理がなされることなく、表示部に表示された前記放送局名及び番組名が維持される。
本発明に係るラジオ受信装置によれば、シーク動作の過程でアナログ放送と同一の放送局からの同一の番組となるデジタル放送を受信した際に、前記アナログ放送の番組についての放送情報の表示部での表示が維持されて、その同一放送局からのデジタル放送での同一の番組についての放送情報の表示に係る処理がなされないので、該表示に係る処理に起因した表示部での表示内容に対する影響がない。従って、その表示に係る処理に起因した表示内容に対する影響がない等、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能になる。
また、本願発明に係るラジオ受信装置によれば、シーク動作の過程で受信品質が所定品質より良好でないデジタル放送と同一の放送局からの同一の番組となるアナログ放送を受信した際に、前記デジタル放送の番組についての放送情報の表示部での表示が維持されて、その同一放送局からのアナログ放送での同一の番組についての放送情報の表示に係る処理がなされないので、該表示に係る処理に起因した表示部での表示内容に対する影響がない。従って、その表示に係る処理に起因した表示内容に対する影響がない等、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能になる。
本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本発明の実施の一形態に係るラジオ受信装置は図1に示すように構成される。このラジオ受信装置100は、中波帯域でのAM変調のアナログ放送の受信と、DRMによる同じ中波帯域のAM変調のデジタル放送の受信とが可能である。前記アナログ放送とDRMによるデジタル放送とは、例えば、図2に示す周波数にてなされているものと仮定する。
図2において、ABC局から周波数fiでアナログ放送A1がなされ、同じABC局から前記周波数fiから所定周波数間隔Δf(例えば、9kHz)だけ高い周波数fi+1で前記アナログ放送A1と同じ番組のデジタル放送D1がなされている。DEF局から周波数fjでデジタル放送D2がなされ、同じDEF局から前記周波数fjから所定周波数間隔Δfだけ高い周波数fj+1で前記デジタル放送D2と同じ番組のアナログ放送A2がなされている。また、XYZ局から周波数fkでデジタル放送D3がなされ、UVW局から前記周波数fkから周波数間隔4Δfだけ高い周波数fk+4でアナログ放送A3がなされている。更に、GHI局から周波数fmでアナログ放送A4がなされ、同じGHI局から前記周波数fmから所定周波数間隔Δfだけ高い周波数fm+1で前記アナログ放送A4と同じ番組のデジタル放送D4がなされている。
図1に戻って、ラジオ受信装置100は、AMチューナ11、復調回路12、デジタル放送処理ユニット13、アナログ放送処理ユニット14、出力回路15及びスピーカ16を有している。このラジオ受信装置100は、更に、制御ユニット20、操作ユニット21、表示ユニット22及び放送情報抽出ユニット23を有している。
AMチューナ11が、中波帯域においてAM変調された同調周波数の放送信号を受信し、その放送信号が復調回路12で復調されて実質的な放送内容を表す受信信号が生成される。デジタル放送処理ユニット13は、復調回路12から出力されるデジタル放送についての受信信号を処理して音声信号を生成して出力する。アナログ放送処理ユニット14は、復調回路12から出力されるアナログ放送についての受信信号を処理して音声信号を生成して出力する。出力回路15は、デジタル放送処理ユニット13またはアナログ放送処理ユニット14からの音声信号に対して増幅などの処理を施し、その処理された音声信号に従ってスピーカ16を駆動する。それにより、スピーカ16から前記音声信号に基づいた音が発せられる。
制御ユニット20には、操作ユニット21、表示ユニット22及び放送情報抽出ユニット23が接続されている。制御ユニット20は、操作ユニット21での操作に従って種々の制御処理を実行する。AMチューナ11、デジタル放送処理ユニット13及びアナログ放送処理ユニット14に対する制御ユニット20の制御により、アナログ放送及びデジタル放送の受信及び音声出力、また、後述するようなシーク動作がなされる。放送情報抽出ユニット23は、制御ユニット20の制御のもと、復調回路12から出力される受信信号から放送局名及び番組名を含む放送番組についての所定事項を表す放送情報を抽出し、制御ユニット20に提供する。また、制御ユニット20は、種々の制御処理にて得られた情報を表示ユニット22に表示させることができる。
制御ユニット20の制御のもと、図3に示す手順に従ってシーク動作がなされる。
当初、制御ユニット20の制御(S11)のもと、AMチューナ11にて、例えば、同調周波数f=fiのアナログ放送A1(図2参照)が受信され、復調回路12及びアナログ放送処理ユニット14での処理に従って、スピーカ16からそのアナログ放送A1の番組の音声出力がなされており、また、放送情報抽出ユニット23によって抽出される前記アナログ放送A1についての放送情報が表示ユニット22に表示される。この場合、表示ユニット22には、例えば、図4Aに示すように、アナログ放送A1の放送局名「ABC局」及び番組名「aaaaa」の放送情報とともに、アナログ放送を受信していることを表すマーク「A」が表示される。
この状態で、制御ユニット20は、デジタル放送が受信されているか否かを判定する(S12)。この場合、アナログ放送A1が受信されているので(S12でNO)、制御ユニット20は、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くなるように変化させる(S13)。これにより、同調周波数fは、f+Δf=fi+1になる(図2参照)。そして、制御ユニット20は、その変化後の同調周波数fi+1で、前記アナログ放送A1と同じ放送局からの同じ番組のデジタル放送が受信されるか否かを、放送情報抽出ユニット23にて抽出される放送情報に基づいて判定する(S14)。
この場合、同調周波数fi+1にて、前記アナログ放送A1と同じ放送局「放送局名:ABC局」からの同じ番組「番組名:aaaaa」のデジタル放送D1が受信されるので(S14でYES)、制御ユニット20は、放送情報抽出ユニット23にて抽出された前記デジタル放送D1の番組についての放送情報の表示に係る処理を行うことなく、例えば、図4Bに示すように、図4Aに示す表示ユニット22における放送情報(放送局名「ABC局」、番組名「aaaaa」)の表示を維持させる(S15)。その際、制御ユニット20は、アナログ放送A1からデジタル放送D1に切り替えられたことを表すAD切替マーク「A→D」(第1放送切替情報)を表示ユニット22に追加的に表示させる(S15)。そして、制御ユニット20の制御(S24)のもと、アナログ放送処理ユニット14での処理からデジタル放送処理ユニット13での処理に切り替えられ、前述したアナログ放送A1の番組の音声出力から、前記デジタル放送D1の同じ番組(番組名「aaaaa」)の音声出力に切り替えられる。
これにより、利用者は、表示ユニット22に表示が維持された放送情報により、現在受信されている放送番組が、シーク動作前と同じ「ABC局」からの「aaaaa」という番組であること、及び表示ユニット22に追加的に表示されたAD切替マーク「A→D」によりシーク動作によってアナログ放送からデジタル放送に切り替わったこと、を知ることができ、その番組をデジタル放送の音質にて聴くことができる。
ここで、利用者が、更に希望する番組を探すために、操作ユニット21にてシーク動作についての操作を行うと、制御ユニット20は、前記デジタル放送D1(同調周波数f=fi+1)の番組の音声出力をさせ、また、表示ユニット22に図4Bに示すように放送局名「ABC局」及び番組名「aaaaa」を表示させた(S11)状態で、現在受信されている番組がデジタル放送であるか否かを判定する(S12)。この場合、デジタル放送D1を受信しているので(S12でYES)、制御ユニット20は、デジタル放送処理ユニット13にて処理される受信信号のエラーレート等に基づいて、現在受信されている前記デジタル放送D1の受信品質が所定品質より良好であるか否かを判定する(S16)。
前記デジタル放送D1の受信品質が所定品質より良好であると(S16でYES)、制御ユニット20は、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くし(S20)、受信される放送番組の有無にかかわらず、更に、その同調周波数fをΔfだけ高くして(S21)、放送番組が受信されるか否かを判定する(S22)。このように、受信品質が良好なデジタル放送の同調周波数から、そのデジタル放送と同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送が存在し得る所定周波数間隔Δf(例えば、9kHz)だけ離れた同調周波数での放送番組の有無を確認しない(S20→S21)ことは、受信品質の良好なデジタル放送の番組に代えて、利用者が同じ番組のアナログ放送を聴くということは無いということ、及び所定周波数間隔Δfでは、混信等を防止するため、異なる放送局からの放送がなされていないということを前提としている。
受信される放送番組が無い状態では、制御ユニット20は、放送番組が受信されないことを確認しつつ(S22でNO)、AMチューナ11での同調周波数fをΔfずつステップ的に順次あげていく(S21)。前記デジタル放送D1の番組を受信した状態から、同調周波数fをΔfずつステップ的に上昇させていく過程で、例えば、図2に示す同調周波数fjにてデジタル放送D2の番組を受信すると(S22でYES)、制御ユニット20は、その際に放送情報抽出ユニット23にて抽出される放送情報に基づいて、デジタル放送D2の番組についての放送情報(放送局名「DEF」及び番組名「bbbbb」)と、デジタル放送を受信していることを表すマーク「D」とを、例えば、図5Aに示すように、表示ユニット21に表示させる(S23)。そして、制御ユニット20の制御(S24)のもと、デジタル放送処理ユニット13での処理に従って前記デジタル放送D2の番組(番組名「bbbbb」)の音声出力がなされる。
これにより、利用者は、表示ユニット22に表示された放送情報及びマーク「D」により、現在受信されている放送番組が「EDF局」からデジタル放送される「bbbbb」という番組であることを知ることができ、また、その番組を聴くことができる。
例えば、上記のようにして受信された前記デジタル放送D2の受信品質が良好ではなく、利用者が、更に操作ユニット21にてシーク動作についての操作を行うと、制御ユニット20は、前記デジタル放送D2(同調周波数f=fj)の番組の音声出力をさせ、また、表示ユニット22に図5Aに示すように放送局名「DEF局」及び番組名「bbbbb」を表示させた(S11)状態で、現在受信されている番組がデジタル放送であるか否かを判定する(S12)。この場合、デジタル放送D2を受信しているので(S12でYES)、制御ユニット20は、現在受信されている前記デジタル放送D2の受信品質が所定品質より良好であるか否かを判定する(S16)。
制御ユニット20は、現在受信されているデジタル放送D2の受信品質が所定品質より良好ではないと判定すると(S16でNO)、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くなるように変化させる(S17)。これにより、同調周波数fは、f+Δf=fj+1になる(図2参照)。そして、制御ユニット20は、その変化後の同調周波数fj+1で、前記デジタル放送D2と同じ放送局からの同じ番組のアナログ放送が受信されるか否かを、放送情報抽出ユニット23にて抽出される放送情報に基づいて判定する(S18)。
この場合、同調周波数fj+1にて、前記デジタル放送D2と同じ放送局「放送局名:DEF」からの同じ番組「番組名:bbbbb」のアナログ放送A2が受信されるので(D18でYES)、制御ユニット20は、放送情報抽出ユニット23にて抽出された前記アナログ放送A2の番組についての放送情報の表示に係る処理を行うことなく、例えば、図5Bに示すように、図5Aに示す表示ユニット22における放送情報(放送局名「DEF局」、番組名「bbbbb」)の表示を維持させる(S19)。その際、制御ユニット20は、デジタル放送D2からアナログ放送A2に切り替えられたことを表すDA切替マーク「A←D」(第2放送切替情報)を表示ユニット22に追加的に表示させる(S19)。そして、制御ユニット20の制御(S24)のもと、デジタル放送処理ユニット13での処理からアナログ放送処理ユニット14での処理に切り替えられ、前述したデジタル放送D2の番組の音声出力から、前記アナログ放送A2の同じ番組(番組名「bbbbb」)の音声出力に切り替えられる。
これにより、利用者は、表示ユニット22に表示が維持された放送情報により、現在受信されている放送番組が、シーク動作前と同じ「DEF局」からの「bbbbb」という番組であること、及び表示ユニット22に追加的に表示されたDA切替マーク「A←D」によりシーク動作によってデジタル放送からアナログ放送に切り替わったこと、を知ることができる。また、利用者は、受信品質が良好ではなくデジタル放送特有の途切れ途切れとなって聴き取り難いデジタル放送D2の番組と同じアナログ放送A2の番組を、たとえ、背景雑音レベルが高く、受信品質は良好ではなくても、途切れ途切れになることなく聴くことができる。
利用者が、更に希望する番組を探すために、操作ユニット21にてシーク動作についての操作を行うと、制御ユニット20は、前記アナログ放送A2(同調周波数f=fj+1)の番組の音声出力をさせ、また、表示ユニット22に図5Bに示すように放送局名「DEF局」及び番組名「bbbbb」を表示させた(S11)状態で、現在受信されている番組がデジタル放送であるか否かを判定する(S12)。この場合、アナログ放送A2を受信しているので(S12でNO)、制御ユニット20は、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くなるように変化させる(S13)。これにより、同調周波数fは、fj+1+Δfになる(図2参照)。そして、制御ユニット20は、その変化後の同調周波数fj+1+Δfでは、デジタル放送の番組が受信されないことを確認し(S14でNO)、その後、放送番組が受信されるか否かを判定しつつ(S22)、同調周波数fをΔfずつ順次ステップ的にあげていく(S21)。
その過程で、例えば、図2に示す同調周波数fkにてデジタル放送D3の番組が受信されると(S22でYES)、制御ユニット20は、その際に放送情報抽出ユニット23にて抽出される放送情報に基づいて、デジタル放送D3の番組についての放送情報(放送局名「XYZ」及び番組名「ccccc」)と、デジタル放送を受信していることを表すマーク「D」とを、例えば、図6に示すように、表示ユニット21に表示させる(S23)。そして、制御ユニット20の制御(S24)のもと、デジタル放送処理ユニット13での処理に従って前記デジタル放送D3の番組(番組名「ccccc」)の音声出力がなされる。
これにより、利用者は、表示ユニット22に表示された放送情報及びマーク「D」により、現在受信されている放送番組が「XYZ局」からデジタル放送される「ccccc」という番組であることを知ることができ、また、その番組を聴くことができる。
利用者が、更に好みの番組を探すために、操作ユニット21にてシーク動作についての操作を行うと、制御ユニット20は、前記デジタル放送D3(同調周波数f=fk)の番組の音声出力をさせ、また、表示ユニット22に図6に示すように放送局名「XYZ局」及び番組名「ccccc」を表示させた(S11)状態で、現在受信されている番組がデジタル放送であるか否かを判定する(S12)。この場合、デジタル放送D3を受信しているので(S12でYES)、制御ユニット20は、現在受信されている前記デジタル放送D3の受信品質が所定品質より良好であるか否かを判定する(S16)。
制御ユニット20は、前記デジタル放送D3の受信品質が所定品質より良好な場合(S16でYES)、前述したのと同様に、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くし(S20)、受信される放送番組の有無にかかわらず、更に、その同調周波数fをΔfだけ高くして(S21)、放送番組が受信されるか否かを判定する(S22)。一方、でデジタル放送D3の受信品質が所定品質より良好でない場合(S16でNO)、制御ユニット20は、前述したのと同様に、AMチューナ11での同調周波数fをΔfだけ高くし(S20)、当該デジタル放送D3と同じ放送局からの同じ番組のアナログ放送が受信されるか否かを判定する(S18)。この場合、そのようなアナログ放送が受信されない(S18でNO)ので、制御ユニット20は、更に、その同調周波数fをΔfだけ高くして(S21)、放送番組が受信されるか否かを判定する(S22)。
以後、前記デジタル放送D3の受信品質が所定品質より良好な場合(S16でYES、S20、S21、S22)、及び良好でない場合(S16でNO、S17、S18でNO、S21、S22)のいずれの場合も、受信される放送番組があるか否かを確認しつつ(S22)、同調周波数fをΔfずつ順次ステップ的にあげていく(S21)。その過程で、例えば、図2に示す同調周波数fk+4にてアナログ放送A3の番組が受信されると(S22でYES)、制御ユニット20は、その際に放送情報抽出ユニット23にて抽出される放送情報に基づいて、アナログ放送A3の番組についての放送情報(放送局名「UVW」及び番組名「ddddd」)と、アナログ放送を受信していることを表すマーク「A」とを、例えば、図7に示すように、表示ユニット21に表示させる(S23)。そして、制御ユニット20の制御(S24)のもと、アナログ放送処理ユニット14での処理に従って前記アナログ放送A3の番組(番組名「ddddd」)の音声出力がなされる。
これにより、利用者は、表示ユニット22に表示された放送情報及びマーク「A」により、現在受信されている放送番組が「UVW局」からアナログ放送される「ddddd」という番組であることを知ることができ、また、その番組を聴くことができる。
以後、利用者が操作ユニット21にてシーク動作についての操作を行う毎に、AMチューナ11での同調周波数fが順次Δfずつあげられ、その際に受信される放送番組(アナログ放送またはデジタル放送の番組)の音声出力がなされるとともに、その放送番組についての放送情報(放送局名及び番組名)が表示ユニット22に表示される。このようなシーク動作は、中波帯域の所定の上限周波数までなされ得る。
上述したようなシーク動作を行うラジオ受信装置100では、受信されているアナログ放送の番組についての放送局名及び番組名が表示ユニット22に表示された状態で、その受信されているアナログ放送の同調周波数から開始されるシーク動作により最初に受信される放送番組が、前記アナログ放送の番組と同一の放送局からのデジタル放送による同一の番組である場合(S11、S12でNO、S13、S14でYES)、新たに受信されたデジタル放送の番組に基づいた放送局名及び番組名の表示に係る処理がなされることなく、表示ユニット22に表示された放送局名及び番組名が維持される(S15)。このため、アナログ放送の番組が受信されている状態から、そのアナログ放送と同じ放送局からの同じ番組のデジタル放送が受信される状態に変化したときに、変化後のデジタル放送の番組に係る放送局名及び番組名の表示に係る処理に起因した表示ユニット22の表示内容に対する影響、例えば、同じ放送局名及び番組名での画面切り替えがない。従って、その表示に係る処理に起因した表示内容に対する影響(表示の切り替え時におけるちらつき等)がない、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能になる。
また、上述したラジオ受信装置100では、受信されているデジタル放送の番組についての放送局名及び番組名が表示ユニット22に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数からシーク動作が開始される際に、そのデジタル放送の受信品質が所定品質より良好でない場合に(S11、S12でYES、S16でNO)、前記デジタル放送の番組と同一の放送局からのアナログ放送による同一の番組であれば(S17、S18でYES)、新たに受信されたそのアナログ放送の番組に基づいた放送局名及び番組名の表示に係る処理がなされることなく、表示ユニット22に表示された前記放送局名及び番組名が維持される(S15)。このため、デジタル放送の番組が受信されている状態から、そのデジタル放送と同じ放送局からの同じ番組のアナログ放送が受信される状態に変化したときに、変化後のアナログ放送の番組に係る放送局名及び番組名の表示に係る処理に起因した表示ユニット22の表示内容に対する影響、例えば、同じ放送局名及び番組名での画面切り替えがない。従って、その表示に係る処理に起因した表示内容に対する影響(表示の切り替え時におけるちらつき等)がない、利用者にとってより好ましいシーク動作が可能になる。
更に、上述したラジオ受信装置100では、受信されているデジタル放送番組についての放送局名及び番組名が表示ユニット22に表示された状態で、その受信されているデジタル放送の同調周波数からシーク動作が開始される際に、そのデジタル放送の受信品質が所定品質より良好である場合には(S11、S12でYES、S16でYES)、該デジタル放送と同一放送局からの同一の番組のアナログ放送が受信されたとしても、そのアナログ放送の番組に基づいた音声出力及び放送情報の表示に係る処理がなされることなく、前記シーク動作が継続される(S20、S21、S22)。従って、受信品質が良好なデジタル放送の番組を変えるとの利用者の意思によって始められたシーク動作において、該デジタル放送と同一の放送局からの同一の番組のアナログ放送が受信されたとしても、そのアナログ放送の番組に基づいた音声出力や放送局名及び番組名の表示がなされないので、利用者が希望しないであろう無駄な番組の音声出力や表示に係る処理を省くことができる。
前述したラジオ受信装置100でのシーク動作は、同調周波数を順次上昇させていくものであったが、順次下降させていくものであっても勿論よい。
前記シーク動作では、同調周波数を、同一の放送局からの同一の番組についてのアナログ放送とデジタル放送との周波数間隔Δfずつ順次ステップ的に変化させるものであったが、同調周波数を変化させるその周波数間隔は、放送局からなされる放送の最小の周波数間隔以下であれば特に限定されない。
表示ユニット22に表示される放送情報は、放送局名及び番組名だけに限られず、放送番組についての事項であれば、例えば、その放送内容の説明、放送時間帯等、他の事項を含めるものであっても、当該他の事項だけであってもよい。