JP6041761B2 - トランス−ジアミノシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents
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Description
(原料基質)
ジアミノシクロヘキサンとしては、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。ジアミノシクロヘキサンは、特に、1,4−ジアミノシクロヘキサンであってもよい。
異性化工程(加熱加圧処理工程)は、通常、触媒の存在下で行ってもよい。触媒としては、少なくとも金属触媒を用いることができる。
異性化工程は、塩基の存在下で行ってもよい。塩基(塩基性化合物)としては、例えば、無機塩基[例えば、金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物など)、金属酸化物(又は塩基性酸化物、例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウムなどのアルカリ金属酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウムなどのアルカリ土類金属酸化物)、金属炭酸塩(例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸塩)、金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸水素塩)、アンモニアなど]、有機塩基[例えば、カルボン酸金属塩(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムなどのカルボン酸アルカリ又はアルカリ土類金属塩)、アルコキシド(又は金属アルコキシド、例えば、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド(例えば、C1−10アルコキシド、好ましくはC1−6アルコキシド、さらに好ましくはC1−4アルコキシド)、有機金属化合物(例えば、ブチルリチウム、フェニルリチウム、イソプロピルマグネシウムクロリド、シクロヘキシルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムブロミド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミドなど)、アミン類など]などが挙げられる。
反応は、溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類)、エーテル類[例えば、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジブチルエーテルなどのジアルキルエーテル類;1,3−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールジアルキルエーテル類((ポリ)アルキレングリコールジアルキルエーテル類など);メトキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールモノアルキルエーテル類((ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエステル類((ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類など);テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル類など)など]、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルカノン類;シクロヘキサノンなどのシクロアルカノン類)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アミド類(例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのN−モノ又はジC1−4アルキルホルムアミド;N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのN−モノ又はジC1−4アルキルアセトアミド;N−メチルピロリドンなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)などの有機溶媒が挙げられる。溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
本発明は、異性化工程を不活性ガス中で行うことに特徴がある。不活性ガスとしては、ジアミノシクロヘキサンに対して不活性であれば特に限定されないが、例えば、窒素ガス、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴンなど)、二酸化炭素ガスなどが挙げられる。不活性ガスは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。これらの不活性ガスの中でも、窒素ガスを好適に用いることができる。
異性化工程を経て得られた内容物(反応物)からのトランス体(又はトランス体の割合が増大した異性体混合物)の回収は、慣用の方法を利用でき、特に限定されないが、シス体が常温で液体、トランス体が常温で固体であるため、晶析を利用すると、効率よくトランス体を回収できる。
500mLのオートクレーブに、1,4−ジアミノシクロヘキサン(シス体/トランス体=80/20、東京化成工業(株)製)100g、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)100g、Ru触媒(エヌ・イーケムキャット(株)製、「AA−4501」、5%Ruアルミナ粉末)7.5g、およびナトリウムメトキシド(東京化成工業(株)製)0.63gを投入したのち、窒素(N2)ガス(10kgf/cm3)封入を3回繰り返し、系内を窒素ガスで置換した。攪拌速度300rpmで攪拌しつつ、温度200℃、圧力(N2ガスの圧力)12MPaの条件下で、2時間保持し、反応させた。反応後、室温まで冷却し、0.2μmのメンブレンフィルターを用いて加圧ろ過することで、触媒を除去し、ろ液を得た。得られたろ液をガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)にて分析したところ、シス体の割合が63.37面積%、トランス体の割合が34.7面積%、その他の成分(4−アミノシクロヘキサノールなどの副生物)が1.93面積%であり、シス体/トランス体=65/35であった。
実施例1において、窒素ガスを水素(H2)ガスに、圧力12MPaを水素ガスの圧力で12MPaに、それぞれ替えたこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液を得た。
実施例1において、1,4−ジアミノシクロヘキサンを、シス体/トランス体=80/20の1,4−ジアミノシクロヘキサン(東京化成工業(株)製)に、窒素ガスを水素(H2)ガスに、温度を200℃から180℃に、圧力12MPaを水素ガスの圧力で8MPaに、それぞれ替えたこと以外は、実施例1と同様にして、ろ液を得た。
Claims (6)
- 金属触媒、塩基性化合物及び溶媒の存在下、ジアミノシクロヘキサンのシス体を異性化してジアミノシクロヘキサンのトランス体を得る工程であって、前記金属触媒がルテニウムを含み、前記塩基性化合物が金属アルコキシドを含み、前記溶媒がエーテル類を含み、かつ窒素ガス、希ガス及び二酸化炭素ガスから選択される少なくとも1種の不活性ガス中で、シス体を温度120〜300℃および前記不活性ガスの圧力5〜30MPaで加熱および加圧処理する異性化工程を経て、トランス体を製造する方法。
- ジアミノシクロヘキサンが、1,4−ジアミノシクロヘキサンである請求項1記載の製造方法。
- 異性化工程において、シス体およびトランス体を含む異性体混合物を加熱および加圧処理し、トランス体の割合を増大させる請求項1又は2記載の製造方法。
- 不活性ガスが窒素ガスである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 加熱処理温度が150〜250℃、不活性ガスの圧力が7〜20MPaである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 異性化工程において、水素ガスの圧力が0.1MPa以下である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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