JP6094428B2 - シクロヘキサノンの製造方法及びその装置 - Google Patents

シクロヘキサノンの製造方法及びその装置 Download PDF

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Description

本発明はシクロヘキサノンの製造方法に関する。より詳細にはフェノールから一工程でシクロヘキサノンを製造する方法及びその装置に関する。
ナイロン原料であるカプロラクタムの原料となるシクロヘキサノンの製造方法として、フェノールの水素化法が知られている。
その具体的な方法としては、溶媒としてシクロヘキサンや水を用いる液相法と溶媒を用いない気相法がある。
液相法によるフェノールの水素化法としては、活性炭上にパラジウムを担持した触媒を用い、塩化アルミニウムの存在下で水素化する方法(非特許文献1)や、窒化カーボン上にパラジウムを担持した触媒を用い、溶媒として水を用いて水素化する方法(非特許文献2)などが知られている。
前者は、塩化アルミニウムを使用している為、その処理が問題であり、後者は触媒の調製法が煩雑であり工業的に実施するのに適していない。加えて、液相法は反応器の増大や溶媒分離コストの増加を招き工業的な製法としては適さない。
一方、気相法によるフェノールの水素化法としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属により処理されたAl2O3上にパラジウムを担持した触媒を使用し、水素とフェノールを反応させることによってシクロヘキサノンを得る方法が知られている(特許文献1、特許文献2)。
気相法は、液相法に比べ生産性が高く工業的に実施されている。
気相法によるフェノールの水素化後の反応液中には、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、その他の生成物及び未反応のフェノールが含まれる。通常、未反応のフェノールは分離され再度フェノールの水素化工程へ導入されるが、シクロヘキサノンと共沸組成を形成する為、フェノールの分離・循環には多くの設備コストとエネルギーが必要となる。また、生成したシクロヘキサノールは脱水素反応によりシクロヘキサノンへ誘導可能であるが、同反応は吸熱反応であるため反応を高温で行う必要があり、設備コストならびにエネルギーがかかる。加えて、その他の生成物として、触媒担体上でのアルドール反応により生成する2−シクロヘキシルシクロヘキサノンなどが挙げられるが、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンは、シクロヘキサノンへ誘導することが困難であり、燃料等として利用する他無く、炭素利用効率を低下させている。
気相法によるフェノールの水素化法において、未反応のフェノールが無く、副生物であるシクロヘキサノール及び2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの生成が少ないプロセスを見出すことが出来れば、設備コストおよび消費エネルギーの低減、炭素利用効率の向上につながり生産性の向上につながる。特に、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの生成は炭素利用効率の低下への影響が大きく、その生成を制御する改善が強く求められている。
国際公開第2000/067902号パンフレット 英国特許第1332211号明細書
H. Liu et. al., Science 326 (2009) 1250. Y. Wang et. al., J. Am. Chem. Soc. 133 (2011) 2362.
本発明が解決しようとする課題は、フェノールからの高転化率かつ高選択率のシクロヘキサノンの製造方法及びその装置を提供することにある。
本発明は、以下の事項に関する。
1.XPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体に白金族金属を担持した固体触媒の存在下、フェノールを気相水素化するシクロヘキサノンの製造方法。
2.XPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体が、窒化ケイ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素(Si2ON2)、窒化ホウ素(BN)及びポリアニリンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とする上記1記載の製造方法。
3.白金族金属が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とする上記2記載の製造方法。
4.XPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体に白金族金属を担持した固体触媒が充填された触媒層と、予熱層を有するフェノールを気相水素化しシクロヘキサノンを製造する装置。
本発明のシクロヘキサノンの製造方法及びその装置によれば、高転化率で、2−シクロヘキシルシクロヘキサノン、シクロヘキサノールなどの副生を抑制し、高選択的にフェノールからシクロヘキサノンを製造することができる。
反応管の模式図
本発明は、気相にてフェノ−ルをXPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体に白金族金属を担持した固体触媒の存在下、水素化するシクロヘキサノンの製造方法及びその装置に関する。
本発明によるシクロヘキサノンの製造は、XPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体に白金族金属を担持した固体触媒を充填した触媒層と、フェノール導入側に予熱層を有する反応管に、予熱層側より水素ガスを流通させ前処理還元を行った後、水素とフェノールを供給して行われる。
[装置]
本発明に使用される固体触媒は、XPS N1s /eVが397.3以上の窒素含有担体に白金族金属を担持した固体触媒である。
XPS N1s /eVとは、窒素(1S軌道)から放出される光電子エネルギースペクトルのピークトップのエネルギーであり、X線光電子分光測定により求められる。なお、各スペクトルは炭素(1S軌道)から放出される光電子エネルギースペクトルのピークトップのエネルギーを284.6 eVとして補正を行った。
フェノールの水素化反応は、フェノールが触媒担体に吸着し、水素化反応を受け、シクロヘキサノンとなった後、脱離する事で完結するが、発明者らは触媒担体が窒素含有担体の場合、そのXPS N1s /eVに最適値がある事を見出した。
窒素含有担体としては、窒化物及び酸窒化物が挙げられる。
ここで窒化物及び酸窒化物は、下記一般式(1)で表される物質である。、
Figure 0006094428
(式中、Aは、ホウ素、炭素、アルミニウム、ケイ素、ガリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、x,y,zは、任意の組成比を示す。)
窒化物及び酸窒化物の具体例としては、窒化ケイ素(Si3N4)、酸窒化ケイ素(Si2ON2)、窒化ホウ素(BN)、ポリアニリンが挙げられる。各種窒化物及び酸窒化物は市販のものを使用する事ができる。
白金族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金が挙げられるが、好ましくはパラジウムである。
本発明の固体触媒の具体例としては、Pd/Si3N4、Pd/Si2ON2、Pd/ポリアニリン、Pd/BNが挙げられる。
これらは、例えば、塩化パラジウムなどの白金族金属のハロゲン化物を定法に従い担体に担持させ、還元処理する事によって調製される。
触媒の形状としては、円柱型、押出し型、球状、粒状、粉末状、ハニカム状等と形態を問わず用いることが出来る。
反応管としては、直管が用いられる。材質としては、ステンレス鋼(SUS)、ガラス、石英等が挙げられるが、工業的な製法の見地からステンレス鋼(SUS)が好ましい。
反応管には固体触媒が充填されるが、反応管に固体触媒を支える通気性を有する皿、網又はパンチングメタル等を設置し、これに石英ウール等を敷き詰め、次いで固体触媒が充填される。これにより固体触媒の抜けが防止される。(図1 反応管の模式図 参照)
上記触媒層のフェノール導入側には、予熱層を有する。
予熱層は、反応管に充填された触媒のフェノール導入側(縦型の反応管の場合、充填された触媒の上部)に、例えばガラスビーズ、石英ウール、繊維状のステンレス鋼(SUS)を充填する事により形成する事ができる。また、反応管の予熱層部分を細くする、或いは、外径の細い管を予熱層部位として触媒層が形成された反応管に接続し、これにガラスビーズ、石英ウール、繊維状のステンレス鋼(SUS)を充填して、或いは、反応管を流通するフェノールや水素との熱交換が充分であれば、ガラスビーズ等の充填材を充填する事無く、予熱層とする事もできる。
ガラスビーズを使用する場合、ガラスビーズの粒径は、反応管の直径の1/10程度が目安であり、直径1mm又は2mmの球形のものを使用する事ができる。
予熱は、例えば予熱層の管外にヒーターを設置する等して外部加熱によって行われる。(図1 反応管の模式図 参照)
[シクロヘキサノンの製法方法]
上記装置の予熱層側からフェノールを供給する事でシクロヘキサノンが製造されるが、フェノール供給前に気相または液相で還元処理を行う。
気相還元処理としては、例えば、水素を還元剤として用いる方法が挙げられ、その際、触媒層の温度は50〜500℃、好ましくは100〜200℃であり、触媒中の白金族金属が充分還元されるだけの水素量、時間にて実施される。なお、水素ガス供給前には、窒素或いはアルゴン等の不活性ガスが導通され反応系内は置換される。
液相還元処理の方法としては、例えば、ギ酸、ギ酸のアルカリ金属塩、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の1〜20質量%の水溶液を用いて、同溶液中、室温〜100℃の温度で触媒中の白金族金属を還元する方法が挙げられる。
原料であるフェノールは50〜120℃に加熱し、液体状態とし、プランジャーポンプ等のポンプによって予熱層へ供給される。
フェノールの流速は、反応装置や製造規模にもよるが、0.5〜2cc/hである。
供給されたフェノールは、予熱層で気化し、同じく供給される水素と混合し、触媒層へ供給される。別法として、液体状のフェノール中に水素ガスを導通し、気化したフェノールを予熱層へ送る方法もある。
触媒層へ供給される水素ガスは、流速10〜50cc/minであり、予熱層にて加熱される。予熱層での好ましい温度は160〜200℃である。
フェノールと水素の混合物は、触媒層の温度が100〜220℃、好ましくは140〜160℃、圧力0〜1MPa(ケージ圧以下、G)、好ましくは0〜0.3MPa(G)で反応する。
水素のフェノールに対するモル比は2〜100、好ましくは4〜50である。
反応管からの反応生成物を冷却捕集し、得られた捕集液を、例えば、蒸留等により精製しシクロヘキサノンを得る事ができる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例に限
定されるものではない。
各成分の生成量は、得られた反応液を冷却し捕集した後、ガスクロマトグラフィー(島津製作所社製「GC‐2014」、GCカラム:TC−WAX、GC検出器:FID)を用いて分析を行った。内部標準としてジエチレングリコールモノエチルエーテルを用い各成分の生成量を求めた。
[実施例1](Pd/Si3N4によるフェノールの水素化)
Si3N4(和光純薬工業製、粉末状、XPS N1s /eV:397.5)に対し、1.5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させた。このように調製した 1.5wt%Pd/Si3N4 2 gを1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に充填し、その上部にガラスビーズ(直径1mm、球形)を10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(38 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0.15 MPa(G)にてフェノールを2cc/h、水素ガスを38 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は>99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は96.3%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は3.6%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.1%であった。
[実施例2](Pd/Si2NO2によるフェノールの水素化)
Si2ON2(宇部興産製、粉末状、XPS N1s /eV:397.3)に対し、1.5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させた。このように調製した 1.5wt%Pd/Si2ON2 0.5 gとSi2ON2(宇部興産製) 0.5 gの混合物を1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より200 ℃の水素ガス(20 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0.15 MPa(G)にてフェノールを1.2cc/h、水素ガスを20 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は>99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は94.2%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は5.6%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.1%であった。
[実施例3](Pd/BNによるフェノールの水素化)
BN(アルドリッチ製、粉末状、XPS N1s /eV:398.2)に対し、1.5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させた。このように調製した 1.5wt%Pd/BN 1.0 gを1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(38 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0.15 MPa(G)にてフェノールを2.0 cc/h、水素ガスを38 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.4%で
シクロヘキサノンの収率は95.2%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は4.7%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンは痕跡量であった。
[実施例4](1.5%Pd/ポリアニリンによるフェノールの水素化)
ポリアニリン(アルドリッチ製、粉末状、XPS N1s /eV:399.5)に対し、1.5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させた。このように調製した 1.5wt%Pd/ポリアニリン 1.0 gを1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(100 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、200 ℃、0.6 MPa(G)にてフェノールを0.8 cc/h、水素ガスを100 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.1%でシクロヘキサノンの収率は95.1%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は4.8%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの副生量は痕跡量であった。
[比較例1](Pd-Na/Al2O3によるフェノールの水素化1)
酸化アルミニウム(Al2O3:エヌ・イーケムキャット製、円柱状)を破砕し粉体としたものに対し、2wt%となるように酢酸ナトリウムを含浸担持させ、110℃で乾燥した後、500℃で3時間焼成し、2%Na/Al2O3を得た。その後、2%Na/Al2O3に対し、0.1wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させ0.1wt%Pd-2%Na/Al2O3を得た。1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に0.1wt%Pd-2%Na/Al2O3 0.2 gと2%Na/Al2O3 0.6 gの混合物を充填し、その上部にガラスビーズ10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(10 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0 MPa(G)にてフェノールを0.5cc/h、水素ガスを10 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.8%であり、
シクロヘキサノンの収率は96.3%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は3.0%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.7%であった。
[比較例2](Pd-Na/Al2O3によるフェノール水素化法2)
酸化アルミニウム(Al2O3:エヌ・イーケムキャット製、円柱状)を破砕し粉体としたものに対し、2wt%となるように酢酸ナトリウムを含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥した後、500℃で3時間焼成し、2%Na/Al2O3を得た。その後、2%Na/Al2O3に対し、0.1wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12h以上乾燥させ0.1wt%Pd-2%Na/Al2O3を得た。1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に0.1wt%Pd-2%Na/Al2O3 0.9 gを充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(25 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0 MPa(G)にてフェノールを1.5cc/h、水素ガスを25 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は>99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は87.9%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は11.9%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.2%であった。
[比較例3](0.5%Pd/TiNによるフェノール水素化法)
窒化チタン(TiN;和光純薬工業製、粉末状、XPS N1s /eV:396.8)に対し、1,5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12 h以上乾燥させた。このように調製した0.5%Pd/TiN1.0 gを1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の反応管に充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(20 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0.15 MPa(G)にてフェノールを1.0 cc/h、水素ガスを20 cc/minで供給した。
反応はほとんど進行せず閉塞した。
[比較例4](1.5%Pd/SiAlONによるフェノールの水素化)
サイアロン(SiAlON;宇部興産製、粉末状、XPS N1s /eV:397.2)に対し、1,5wt%となるように塩化パラジウム水溶液を含浸担持させ、110℃で12 h以上乾燥させた。このように調製した1.5%Pd/SiAlON 1.0 gを1/2インチのステンレス鋼(SUS)製の管に充填し、その上部にガラスビーズを10g入れて予熱層とした。触媒層を200 ℃に加熱し上部より水素ガス(20 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、160 ℃、0.15 MPa(G)にてフェノールを1.0 cc/h、水素ガスを20 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液を用いてガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は95.3%でシクロヘキサノンの収率は84.4%、副生成物であるシクロヘキサノールの収率は13.5%、2-シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.4%であった。

Claims (2)

  1. 窒化ケイ素(Si 3 N 4 )、酸窒化ケイ素(Si 2 ON 2 )、窒化ホウ素(BN)及びポリアニリンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とする担体にパラジウムを担持した固体触媒の存在下、フェノールを気相水素化するシクロヘキサノンの製造方法。
  2. 窒化ケイ素(Si 3 N 4 )、酸窒化ケイ素(Si 2 ON 2 )、窒化ホウ素(BN)及びポリアニリンからなる群より選ばれる少なくとも1種類を主成分とする担体にパラジウムを担持した固体触媒が充填された触媒層と、予熱層を有するフェノールを気相水素化しシクロヘキサノンを製造する装置。
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