JP2016023141A - ブタジエンの製造方法 - Google Patents

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春奈 堀川
史晃 西浦
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史晃 西浦
岳史 塩野
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岳史 塩野
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Abstract

【課題】エタノールからブタジエンに一段階で変換するに際して、再利用できない副生成物を低減しつつ、高い原料転化率を達成する。【解決手段】(A)成分:第11族及び第10族からなる群から選択される金属と、(B)成分:第12族及び第3族ランタノイドからなる群から選択される金属と、(C)成分:第4族から選択される金属とを担体に担持してなる固体触媒であって、前記(A)成分1質量部に対して、前記(B)成分の含有量が3〜33質量部で、前記(C)成分の含有量が5〜33質量部である触媒の存在下で、エタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物からブタジエンを生成させる工程を含む、ブタジエンの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、ブタジエンの製造方法に関するものである。
従来、1,3−ブタジエン(以下、「ブタジエン」と略記することがある)は、モノマーとしてブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムの原料として使用されており、主として、ナフサをエチレンクラッカー(ナフサクラッカー)により熱分解してエチレンやプロピレンを生成させる際の副生成物として得られている。しかしながら、近年の原料のライトフィード化により、ブタジエンの生成量が減少してきている。そこで、石化代替原料として、バイオマス(トウモロコシやサトウキビ)を発酵させ、ブタンジオール、ブタノール、ブテン又はエタノールを経由してブタジエンを製造するプロセスが研究されている。
一方、エタノールからブタジエンを1ステップ法で製造する方法としては、1940年代に、米国やソビエト連邦(現ロシア)で実用化されていたレベデフ法が知られている。例えば、下記非特許文献1には、ZrとZnをシリカに担持してなる触媒や、CuとZrとZnをシリカに担持してなる触媒などにエタノールを接触させることで、エタノールの転化率が高くなり、また、生成物中のブタジエンの選択率が高くなることが開示されている。
Matthew D. Jones et. al, "Investigations into the conversion of ethanol into 1,3-butadiene", Catalysis Science & Technology, 2011, 1, 267-272
上述したエタノールからブタジエンを生成させる反応では、ブタジエンの他に、エテン(エチレン)、アセトアルデヒド、ジエチルエーテル、1−ブテン等が副生するが、この内、アセトアルデヒドは、原料として再利用することができる。しかしながら、上記非特許文献1に開示の触媒では、エテン等のアセトアルデヒド以外の副生成物の割合が高く、副生成物の再利用可能率が低いという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、エタノールからブタジエンに一段階で変換するに際して、再利用できない副生成物を低減しつつ、高い原料転化率を達成することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の金属を特定の割合で担体に担持してなる固体触媒に、原料のエタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物を接触させることで、再利用できない副生成物の選択率を低減でき、また、原料の転化率も高くできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のブタジエンの製造方法は、触媒の存在下で、エタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物からブタジエンを生成させる工程を含み、
前記触媒が、(A)成分:第11族及び第10族からなる群から選択される金属と、(B)成分:第12族及び第3族ランタノイドからなる群から選択される金属と、(C)成分:第4族から選択される金属とを担体に担持してなる固体触媒であって、前記(A)成分1質量部に対して、前記(B)成分の含有量が3〜33質量部で、前記(C)成分の含有量が5〜33質量部である
ことを特徴とする。
本発明のブタジエンの製造方法によれば、再利用できない副生成物の選択率を低減しつつ、原料のエタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物の転化率を向上させることができる。
本発明のブタジエンの製造方法の好適例においては、前記触媒の担体がシリカである。
この場合、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減でき、ブタジエン及びアセトアルデヒドの選択性が更に向上する。
本発明のブタジエンの製造方法の他の好適例においては、前記(A)成分が銅及びニッケルからなる群から選択される。
この場合、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減できる。
本発明のブタジエンの製造方法の他の好適例においては、前記(B)成分が亜鉛及びランタンからなる群から選択される。
この場合も、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減できる。
本発明のブタジエンの製造方法の他の好適例においては、前記(C)成分がジルコニウムである。
この場合も、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減できる。
本発明のブタジエンの製造方法においては、大気圧の気相条件下、反応温度が400℃より高く且つ600℃以下で、重量空間速度が0.1〜15g/g−cat・hの条件下で前記ブタジエンを生成させる工程を実施することが好ましい。
本発明のブタジエンの製造方法に用いる触媒は、耐熱性が高いため、前記のような高温、高フィード条件下にも適用でき、また、高温、高フィード条件下でブタジエンの生成工程を実施することで、単位時間当たりのブタジエンの生成量を向上させることができる。
本発明によれば、再利用できない副生成物の選択率を低減しつつ、原料のエタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物の転化率を向上させることが可能なブタジエンの製造方法を提供できる。
以下に、本発明のブタジエンの製造方法を、その実施形態に基づき、詳細に説明する。
本発明のブタジエンの製造方法は、触媒の存在下で、エタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物からブタジエンを生成させる工程を含む。なお、本発明のブタジエンの製造方法は、ブタジエンの生成工程以外に、必要に応じて任意の工程を含むことができ、例えば、原料の予熱工程(例えば、原料を加熱して気化させる工程)、生成物の分離工程(例えば、生成物を蒸留分離する工程)、生成物のリサイクル工程(例えば、生成物中のアセトアルデヒドを原料にリサイクルする工程)等を含むことができる。
また、本発明において、ブタジエンとは、1,3−ブタジエンを指す。
<触媒>
本発明で用いる触媒は、(A)成分:第11族及び第10族からなる群から選択される金属と、(B)成分:第12族及び第3族ランタノイドからなる群から選択される金属と、(C)成分:第4族から選択される金属とを担体に担持してなる固体触媒である。なお、本発明で用いる触媒は、耐熱性が高いため、高温、高フィード条件に適用できる。また、本発明で用いる触媒において、(A)成分、(B)成分、(C)成分は、担体上に金属として存在していてもよいし、金属酸化物等の化合物として存在していてもよい。
前記(A)成分は、周期表の第11族及び第10族からなる群から選択される金属である。ここで、第11族の金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)が例示でき、第10族の金属としては、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)が例示できる。これらの中でも、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減する観点から、(A)成分としては、銅及びニッケルが好ましい。なお、これら(A)成分の金属は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記(A)成分の原料は、特に限定されるものではないが、例えば、前記金属の硝酸塩、酢酸塩やそれらの水和物、より具体的には、Cu(NO32、Cu(OCOCH32、Cu(OCOCH32・H2O、Ni(NO32、Ni(NO32・6H2O、Ni(OCOCH32等を使用することができる。
なお、前記(A)成分の担体に対する含有率(担体の質量に対する(A)成分の質量の百分率)は、特に限定されるものではないが、金属元素として、0.01〜2質量%の範囲が好ましく、0.02〜0.5質量%の範囲が更に好ましい。ここで、本発明において、各金属元素の含有率・含有量は、例えば、ICPまたは蛍光X線等により測定することができる。
前記(B)成分は、周期表の第12族及び第3族ランタノイドからなる群から選択される金属である。ここで、第12族の金属としては、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(Hg)が例示でき、第3族ランタノイドとしては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が例示できる。これらの中でも、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減する観点から、(B)成分としては、亜鉛及びランタンが好ましい。なお、これら(B)成分の金属は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記(B)成分の原料は、特に限定されるものではないが、例えば、前記金属の硝酸塩、酢酸塩やそれらの水和物、より具体的には、Zn(NO32、Zn(NO32・6H2O、Zn(OCOCH32、La(NO33・6H2O、La(OCOCH33・nH2O、La(OCOCH33等を使用することができる。
本発明で用いる触媒において、前記(B)成分の含有量は、前記(A)成分1質量部に対して3〜33質量部の範囲であり、好ましくは3〜10質量部の範囲である。ここで、(B)成分の含有量とは、金属元素としての(A)成分1質量部に対する金属元素としての(B)成分の含有量である。(B)成分の含有量が前記範囲内であれば、生成物中のブタジエン及びアセトアルデヒドの選択率が高くなり、エテンの選択率が低くなる。
なお、前記(B)成分の担体に対する含有率(担体の質量に対する(B)成分の質量の百分率)は、特に限定されるものではないが、金属元素として、0.1〜8質量%の範囲が好ましく、0.4〜8質量%の範囲が更に好ましい。
前記(C)成分は、周期表の第4族から選択される金属である。ここで、第4族の金属としては、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)が例示できる。これらの中でも、原料の転化率を更に向上させつつ、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減する観点から、(C)成分としては、ジルコニウムが好ましい。なお、これら(C)成分の金属は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記(C)成分の原料は、特に限定されるものではないが、例えば、前記金属の硝酸塩、オキシ硝酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩やそれらの水和物等、より具体的には、ZrO(NO32、ZrO(NO32・2H2O、ZrO(OCOCH32等を使用することができる。
本発明で用いる触媒において、前記(C)成分の含有量は、前記(A)成分1質量部に対して5〜33質量部の範囲であり、好ましくは5〜20質量部の範囲である。ここで、(C)成分の含有量とは、金属元素としての(A)成分1質量部に対する金属元素としての(C)成分の含有量である。(C)成分の含有量が前記範囲内であれば、生成物中のブタジエン及びアセトアルデヒドの選択率が高くなり、エテンの選択率が低くなる。
なお、前記(C)成分の担体に対する含有率(担体の質量に対する(C)成分の質量の百分率)は、特に限定されるものではないが、0.2〜4質量%の範囲が好ましく、1〜3質量%の範囲が更に好ましい。
前記担体は、前記(A)成分、(B)成分、(C)成分を担持できればよく、例えば、シリカ、アルミナ、マグネシア等が挙げられる。これらの中でも、再利用不能な副生成物の選択率を更に低減でき、ブタジエン及びアセトアルデヒドの選択性を更に向上させる観点から、触媒の担体としては、シリカが好ましい。なお、これら担体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記担体の細孔径は、特に限定されるものではないが、50〜300Åの範囲が好ましく、100〜200Åの範囲が更に好ましい。
また、前記担体の表面積は、特に限定されるものではないが、窒素吸着比表面積として、100〜1000m2/gの範囲が好ましく、200〜500m2/gの範囲が更に好ましい。
前記触媒の調製方法としては、公知の方法を採用でき、例えば、含浸法、ゾルゲル法等が挙げられるが、これらの中でも、得られる触媒の活性及び選択性が高く、また、簡便であることから、含浸法が好ましい。
前記触媒は、例えば、(A)成分、(B)成分、(C)成分の原料となる金属の硝酸塩、酢酸塩等を水に溶解させ、得られた水溶液を担体に含浸し、好ましく60〜80℃で減圧乾燥し、更に、好ましくは200〜600℃、より好ましく300〜500℃で焼成することで調製でき、乾燥時間や焼成時間は、適宜調整できる。また、調製した触媒は、使用前に、必要に応じて、成型、整粒などを施してもよい。
エタノールの反応としては、エタノールからアセトアルデヒドが生成し、該アセトアルデヒドから、アセトアルドール、クロトンアルデヒド、クロチルアルコールを経てブタジエンが生成する反応ルートや、前記アセトアルデヒドから、3−ヒドロキシブタノールを経てブタジエンが生成する反応ルートが提案させており、その一方、エテンの生成等の副反応も知られている。理論に拘束されることを望むものではないが、上述した本発明で用いる触媒は、エテンを生成する反応ルートよりも、ブタジエンやアセトアルデヒドを生成する反応ルートに基質をより多く引き込むことができるため、反応生成物中のブタジエン及びアセトアルデヒドの選択率を向上させることができる。また、本発明で用いる触媒は、活性自体も高いため、原料の転化率を向上させることができ、そのため、該触媒を用いることで、ブタジエンを高い収率で製造することが可能になる。
また、エタノールとアセトアルデヒドとの混合物を原料としても、アセトアルデヒドはエタノールからブタジエンを生成する反応ルートにおける中間体に当たるため、本発明で用いる触媒によれば、エタノールを原料とする場合と同様に、ブタジエンを高い収率で製造することが可能になる。
<原料>
本発明のブタジエンの製造方法では、目的生成物のブタジエンの原料として、エタノール、或いは、エタノールとアセトアルデヒドとの混合物を使用する。なお、これらの原料は、適宜希釈して、触媒に接触させてもよく、希釈媒体としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスが挙げられる。また、触媒に接触させる原料混合物は、エタノール、アセトアルデヒド、希釈媒体以外の不純物等を含んでいてもよい。
また、原料として、エタノールとアセトアルデヒドとの混合物を使用する場合、エタノールとアセトアルデヒドの質量比(エタノール:アセトアルデヒド)は、特に限定されるものではないが、例えば、19:1〜10:10の範囲が好ましく、4:1〜7:3の範囲が更に好ましい。
なお、本発明のブタジエンの製造方法によれば、生成物中のアセトアルデヒドの選択率を向上させることができるが、該アセトアルデヒドは、ブタジエンの原料として、再利用できる。そして、アセトアルデヒド等の再利用可能な副生成物を原料にリサイクルすることで、プロセス全体の原料の利用効率を向上させ、プロセスの経済性を更に向上させることもできる。
<反応条件等>
本発明のブタジエンの製造方法は、公知の反応形式で実施でき、流通式でも、バッチ式でも、その他でもよいが、生産性の観点から、流通式で実施することが好ましい。また、流通式で実施する場合、触媒は、固定床でも、流動床でも、その他でもよい。また、本発明のブタジエンの製造方法は、気相で行っても、液相で行ってもよいが、高い反応温度を適用でき、原料の転化率が向上する観点から、気相条件下で行うことが好ましい。
また、所望により、反応開始前に、触媒を還元してもよく、例えば、水素気流中、200〜500℃で、触媒を還元した後、原料と接触させて、ブタジエンの生成工程を実施してもよい。
本発明のブタジエンの製造方法は、上記の固体触媒を使用してエタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物からブタジエンを生成させる限り特に限定されない。なお、本発明のブタジエンの製造方法において、反応圧力は0.01〜1MPaの範囲が好ましく、大気圧下(例えば、0.09〜0.11MPa)が更に好ましく、反応温度は200〜600℃の範囲が好ましく、300℃より高く且つ600℃以下の範囲が更に好ましく、重量空間速度(WHSV)は0.1〜15g/g−cat・hの範囲が好ましく、1〜10g/g−cat・hの範囲が更に好ましい。
なお、本発明のブタジエンの製造方法に用いる触媒は、耐熱性が高いため、大気圧の気相条件下、反応温度が300℃より高く且つ600℃以下で、重量空間速度が0.1〜15g/g−cat・hの条件下にも適用でき、かかる高温、高フィード条件下で実施することで、単位時間当たりのブタジエンの生成量を向上させることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.137g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.098gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、CuとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Aを調製した。固体触媒A中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
得られた固体触媒A 0.5gを固定床流通式反応器に充填し、N2ガスを10〜15ml/minで流し、更に、エタノールを0.05ml/minの割合で、N2ガス流に添加し、反応温度500℃、大気圧下において、原料のエタノールを重量空間速度(WHSV)4.73g/g−cat・hの条件で流通させた。反応を2時間行い、得られた生成物をガスクロマトグラフ(アジリエント社製)を用いて分析した。また、以下の式に従って、原料の転化率と各生成物の選択率を算出した。
原料の転化率=(原料投入量−未反応原料の留出量)/(原料投入量)×100(%)
各生成物の選択率=(各生成物の生成量)/(原料投入量−未反応原料の留出量)×100(%)
原料エタノールの転化率と、各生成物の選択率を表1に示す。
(実施例2)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.137g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.294gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、CuとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Bを調製した。固体触媒B中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Bを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(比較例1)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.137g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.049gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、CuとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Cを調製した。固体触媒C中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Cを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(実施例3)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.069g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.294gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、CuとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Dを調製した。固体触媒D中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Dを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(実施例4)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、La(OCOCH33・1.5H2O(La塩)0.632g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.294gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、CuとLaとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Eを調製した。固体触媒E中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Eを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(実施例5)
Ni(NO32・6H2O(Ni塩)0.0053g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.069g、ZrO(NO32・2H2O(Zr塩)0.098gを水10mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(シグマアルドリッヂ社製Grade646、35−60mesh、pore 150Å)に含浸し、80℃で8時間乾燥し、500℃で2時間焼成して、NiとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Fを調製した。固体触媒F中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Fを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(比較例2)
Cu(OCOCH32・H2O(Cu塩)0.022g、Zn(NO32・6H2O(Zn塩)0.022g、ZrO(NO32・6H2O(Zr塩)0.022gを水200mlに溶解させて水溶液を調製し、該水溶液をシリカ(アルドリッヂ社製Davisil grade 645、35〜60mesh)に含浸し、80℃で3時間乾燥し、300〜500℃で5時間焼成してCuとZnとZrがシリカに担持されてなる固体触媒Gを調製した。固体触媒G中の担体に対する各金属元素の含有率、及び各金属元素の質量比を表1に示す。
また、得られた固体触媒Gを使用して、実施例1と同じ条件で、反応を実施した結果も表1に示す。
(実施例6)
エタノールを0.1ml/minの割合でN2ガス流に添加する代わりに、エタノールを0.1ml/min、アセトアルデヒドを0.1ml/minの割合でN2ガス流に添加する以外は、実施例1と同様にして、反応を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2016023141
表1に示す結果から、本発明に従う実施例1〜5は、ブタジエンの選択率が高いことに加えて、原料として再利用が可能なアセトアルデヒドの選択率も高いことが分かる。
一方、(A)成分に対する(B)成分及び(C)成分の含有量が本発明で規定の範囲を外れる比較例1は、ブタジエンの選択率が非常に低く、また、比較例2は、ブタジエンの選択率が高いものの、原料として再利用できないエテンの選択率が高く、また、原料として再利用が可能なアセトアルデヒドの選択率が低いことが分かる。
また、実施例6の結果から、原料としてエタノールとアセトアルデヒドとの混合物を使用しても、高い選択率でブタジエンを生成させられることが分かる。
本発明の方法で製造されるブタジエンは、モノマーとしてブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムの原料として使用できる。

Claims (6)

  1. 触媒の存在下で、エタノール又はエタノールとアセトアルデヒドとの混合物からブタジエンを生成させる工程を含む、ブタジエンの製造方法であって、
    前記触媒が、(A)成分:第11族及び第10族からなる群から選択される金属と、(B)成分:第12族及び第3族ランタノイドからなる群から選択される金属と、(C)成分:第4族から選択される金属とを担体に担持してなる固体触媒であって、前記(A)成分1質量部に対して、前記(B)成分の含有量が3〜33質量部で、前記(C)成分の含有量が5〜33質量部である
    ことを特徴とする、ブタジエンの製造方法。
  2. 前記触媒の担体がシリカであることを特徴とする、請求項1に記載のブタジエンの製造方法。
  3. 前記(A)成分が銅及びニッケルからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブタジエンの製造方法。
  4. 前記(B)成分が亜鉛及びランタンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブタジエンの製造方法。
  5. 前記(C)成分がジルコニウムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブタジエンの製造方法。
  6. 大気圧の気相条件下、反応温度が300℃より高く且つ600℃以下で、重量空間速度が0.1〜15g/g−cat・hの条件下で前記ブタジエンを生成させる工程を実施することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブタジエンの製造方法。
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