JP2016044144A - シクロヘキサノン製造方法とその触媒 - Google Patents

シクロヘキサノン製造方法とその触媒 Download PDF

Info

Publication number
JP2016044144A
JP2016044144A JP2014169240A JP2014169240A JP2016044144A JP 2016044144 A JP2016044144 A JP 2016044144A JP 2014169240 A JP2014169240 A JP 2014169240A JP 2014169240 A JP2014169240 A JP 2014169240A JP 2016044144 A JP2016044144 A JP 2016044144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
reaction
cyclohexanone
yield
alumina
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014169240A
Other languages
English (en)
Inventor
福田 行正
Yukimasa Fukuda
行正 福田
和也 徳安
Kazuya Tokuyasu
和也 徳安
山本 祥史
Yoshifumi Yamamoto
祥史 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2014169240A priority Critical patent/JP2016044144A/ja
Publication of JP2016044144A publication Critical patent/JP2016044144A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、フェノールの選択的水素化により高選択性、高収率および長い触媒寿命でシクロヘキサノンを製造する方法を提供することにある。【解決手段】アルミナとヘキサアルミネートを含む担体にパラジウムを担持した触媒の存在下、気相中で、フェノールを水素化するシクロヘキサノンの製造方法によって上記課題は解決される。本発明のシクロヘキサノンの製造方法によれば、高選択性、高収率および長い触媒寿命でシクロヘキサノンを製造することができる【選択図】 なし

Description

本発明はシクロヘキサノンの製造方法に関するものである。詳しくは、気相中で触媒の存在下にフェノールの水素化還元を行うことによりシクロヘキサノンを選択的に製造する方法に関する。
フェノールのシクロヘキサノンへの水素化反応は、シクロヘキサンの直接空気酸化によるシクロヘキサノンの製造方法に代わる効率的な反応として知られている。シクロヘキサンの直接空気酸化では、シクロヘキサノンおよびシクロヘキサノールへの選択性を高めるため低転化率で反応を行わなければならず、未反応のシクロヘキサンの回収だけでなく、シクロヘキサノールのシクロヘキサノンへの脱水素反応が必要となり効率的な反応ではない。フェノールのシクロヘキサノンへの水素化反応は、シクロヘキサンの直接空気酸化に比べて転化率および、シクロヘキサノンの選択性が高く効率の良い反応である。しかしながら、少量の未反応フェノールの回収工程や過還元によって生じたシクロヘキサノールのシクロヘキサノンへの脱水素工程が必要であるため、より転化率および選択性の高いフェノール還元触媒の開発が期待されている。
フェノールのシクロヘキサノンへの水素還元は、気相あるいは液相で行うことが可能であるが、気相反応は反応後に溶媒や触媒を反応混合物から取り除く必要がないため、製造プロセスを簡略化することが可能であり、工業的にはすべて気相反応で行われている。
ところで、気相でのフェノールのシクロヘキサノンへの水素還元に用いる触媒としては、種々、検討が行われている。例えば、アルカリ土類金属の水酸化物とγアルミナの混合物にパラジウムを担持した触媒が、気相反応において、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールをそれぞれ97%と3%の選択性で得られることが報告されている(特許文献1、特許文献2)。しかしながら、グラファイトなどのバインダーを加えて成型した触媒は、一般的に機械的強度が弱く、粉化により生じた触媒粉が圧力損失の増大や触媒活性成分のロスをもたらすといった問題がある。
触媒の機械的強度に関して、例えば、機械的強度の高いアルミナとしてαアルミナが知られているが、γアルミナに比べシクロヘキサノンの選択性が低い。特許文献3ではリチウム、マグネシウム、コバルト、マンガン、亜鉛などの一価または二価の金属とアルミナの反応から得られる機械的強度の高いアルミニウムスピネルを担体に用いるフェノール還元触媒が提案されている。しかし、上述したアルカリ土類金属の水酸化物とアルミナとの混合物を担体に用いた触媒に比べ、シクロヘキサノンとシクロヘキサノールの選択性が93%と6%と高い選択性を示すとは言えない。
副生成物であるシクロヘキサノールは脱水素反応によりシクロヘキサノンへ誘導可能であるが、同反応は吸熱反応であるため反応を高温で行う必要があり、設備コストならびにエネルギーがかかる。加えて、その他の副生物として、触媒担体上でのアルドール反応により2−シクロヘキシルシクロヘキサノンが生成する。2−シクロヘキシルシクロヘキサノンは、シクロヘキサノンへ誘導することが困難であり、燃料等として利用する他無く、炭素利用効率を低下させている。
英国特許第1063357号明細書 英国特許第1332211号明細書 米国特許第3932514号明細書
本発明が解決しようとする課題は、フェノールの選択的水素化により高選択性、高収率および長い触媒寿命でシクロヘキサノンを製造する方法を提供することにある。
アルミナとヘキサアルミネートを含む担体にパラジウムを担持した触媒の存在下、気相中で、フェノールを水素化するシクロヘキサノンの製造方法によって上記課題は解決される。
本発明のシクロヘキサノンの製造方法によれば、高選択性、高収率および長い触媒寿命でシクロヘキサノンを製造することができる。
実施例1−1 触媒(Pd−Sr/α−Al)の暗視野走査透過電子顕微鏡(DF−STEM)写真。 実施例1−1 触媒(Pd−Sr/α−Al)の限視野回折(SAD)パターン。
以下、本発明を詳細に説明する。
本反応で用いられる水素化触媒は、アルミナとヘキサアルミネートを構成成分とするものである。 アルミナとヘキサアルミネートを構成成分とする担体は、通常、Ca、Sr、およびBaからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属をアルミナに担持させた後、800℃以上の温度で加熱処理することにより調製される。ヘキサアルミネートは、通常Ca、Sr、およびBaから選ばれた少なくとも1種のアルカリ土類金属の化合物と水酸化アルミニウム及びベーマイトなどのアルミナの前駆体とを水の存在下で反応させ、その反応生成物を高温度で焼成することによって得られる。
更に詳しくは、本発明におけるアルミナとヘキサアルミネートを構成成分とする担体は、Ca、Sr、およびBaからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属の、炭酸塩、硝酸塩、アンモニウム塩、酢酸などの有機酸塩、水酸化物、塩化物或いはアルコキサイドの、水又は有機溶媒(アセトンなど)の溶液に、アルミナの前駆体を物理混合(混練)させた後、水又は有機溶媒を蒸発乾固させ、次いで焼成することによって調製される。その際の焼成温度は、好ましくは800℃以上、更に好ましくは800〜1100℃であり、圧力は特に制限されない。又、焼成雰囲気も特に限定されないが、好ましくは酸素の存在下(例えば、空気中)で行われる。
アルミナへの前記アルカリ土類金属の担持量としては、アルミナに対して好ましくは0.1〜10モル%、さらに好ましくは0.1〜4.0モル%である。またアルミナと担体を構成するヘキサアルミネートとしては、好ましくはストロンチウムヘキサアルミネートである。
アルミナの前駆体としては、800℃以上の熱処理によってAlで表されるアルミナとなるものであれば特に限定されずベーマイト、水酸化アルミニウム、γアルミナ、αアルミナあるいは、それら混合物が用いられる。またアルミナは熱処理の温度、時間、雰囲気によって相転移することが知られており、熱処理後のアルミナは、γアルミナ、δアルミナ、θアルミナ、αアルミナの少なくとも一種からなり、好ましくはαアルミナである。アルミナの形状としては、円柱型、押出し型、球状、粒状、粉末状、ハニカム状等と形態を問わず用いることが出来る。
本発明に使用される触媒は、上記で調製した担体に対して0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%のパラジウムを担持させ、室温〜500℃で焼成することで調製される。なお、焼成の際の圧力は特に制限されない。又、焼成雰囲気も特に限定されないが、好ましくは酸素の存在下(例えば、空気中)で行う。
パラジウムの担体への担持は、定法で行われるが、例えば、パラジウム化合物(塩化パラジウム等)の水溶液に担体を浸漬させる等、接触させて行われる。
本発明の触媒は、フェノールの水素化に使用する前に気相または液相で還元処理される(前処理)。気相での還元処理としては、例えば、水素を還元剤として用いる方法が挙げられ、その際、触媒層の温度は50〜500℃、好ましくは100〜200℃であり、触媒中のパラジウムが充分還元されるだけの水素量及び時間にて実施される。なお、水素ガス供給前には、窒素或いはアルゴン等の不活性ガスが導通され反応系内は置換される。液相での還元処理の方法としては、例えば、ギ酸、ギ酸のアルカリ金属塩、ホルマリン、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤の1〜20質量%の水溶液を用いて、同溶液中、室温〜100℃の温度で触媒中の白金族金属を還元する方法が挙げられる。
本発明のフェノールの水素化は、通常、上記触媒を充填した触媒層に水素ガスを流通させ前処理還元を行った後、水素とフェノール又はフェノールとシクロヘキサノンの混合物を触媒に供給して行われる。別法として、反応条件によっては液体状のフェノール中に水素ガスを導通し、気化したフェノールを触媒に供給する方法も適用できる。
触媒層へ供給されるフェノール又はフェノールとシクロヘキサノンの混合物の量は、触媒1Kgに対し、1時間当たり100〜1000g、好ましくは300〜1000gである。水素ガスの供給量は原料の供給量によって異なり、水素のフェノールに対するモル比が2〜100、好ましくは4〜50である。
反応温度は、触媒層の温度が100〜220℃、好ましくは130〜180℃で実施される。反応圧力は、0〜1MPa (ケージ圧以下、G)、好ましくは0〜0.3MPa(G)で実施される。反応温度が低すぎると、反応がほとんど進行しない。また、反応温度が高すぎると副反応が進行し、目的物のシクロヘキサノンの収率が減少し、好ましくない。
反応によって得られたシクロヘキサノンは、蒸留操作等により分離・精製される。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、フェノールの転化率およびシクロヘキサノンの収率は、内部標準法(テトラエチレンジメチルエーテルを内部標準に使用)により、反応液をFID検出器によるガスクロマトグラフィーを用いて分析し、算出した。
[実施例1−1]
(担体の調製:Sr/α−Al
100mlビーカーに硝酸ストロンチウム 0.37g (1.75 mmol)と精製水 14mlを加え、均一になるまで撹拌した。住友化学製α−Al (HA−12) 20.0g (196 mmol)をストロンチウム水溶液に加えて10分攪拌後、 室温で1時間静置した。その後、110℃に加熱した乾燥機内で一晩乾燥(脱水)した後、空気中1100℃ (5℃/min昇温)で3時間焼成を行い、目的の0.9mol%Sr/α−Al(1100)を得た(以下、括弧内は焼成温度を示す)。
(触媒の調製:Pd−Sr/α−Al
50mlビーカーに硝酸パラジウム(Pd:15wt%溶液) 46.7mg (0.066mmol、Pd金属7.0mg) と精製水 7.5mlの混合水溶液に担体[0.4mol%Sr/α−Al (1100)] 7.0gを加えて10分間混合後、室温で1時間静置した。一晩110℃で乾燥した触媒を450℃ (5℃/min昇温)で3時間、空気中で焼成を行い、続いて200℃(5℃/min昇温)で2時間、 水素ガス雰囲気で還元処理を行うことで0.1wt%Pd−0.4mol%Sr/α−Al (1100)を調製した。
Pd−Sr/α−Alの組成評価を行うため、暗視野走査透過電子顕微鏡(DF−STEM)観察(図1)および結晶系の評価を行うため限視野回折(SAD)パターン測定を行い、Srはストロンチウムヘキサアルミネートの構造を有していることが分かった(図2)。
[実施例1−2]
(担体の調製:Sr/γ−Al
アルミナにγアルミナを使用したSr/γ−Alの調製は、アルミナに住友化学製γ−Al (KHD−12)を使用した以外は実施例1−1の担体(Sr/α−Al)の調製方法と同様の操作で調製した。
[実施例1−3]
Srの担持量が異なるSr/α−Alの調製は、硝酸ストロンチウムの量を任意の量に変更した以外は、実施例1−1の触媒(Pd−Sr/α−Al)の調製方法と同様の操作で行った。
[実施例1−4]
焼成温度を変えたSr/α−Alも同様に、焼成時の温度を変更した以外は、実施例1−1の担体(Sr/α−Al)の調製方法と同様の操作で触媒の調製を行った。
[実施例1−5]
Pdの担持量が異なる触媒は、硝酸パラジウムの量を任意の量に変更した以外は、実施例1−1の担体(Sr/α−Al)の調製方法と同様の操作で調製した。
[実施例1−6]
(触媒の調製:Pd−Au−Sr/α−Al
100mlナスフラスコに酢酸パラジウム (Aldorich製) 42.4mgとアセトン 7mlを仕込み、超音波にて溶解させた(5min程度)。均一になったところで、担体 (α−AlまたはSr/α−Al)を10.0g添加し、10min程度混合した。室温で1.5h静置した後、減圧濃縮により溶媒(アセトン)を除去した。50mlビーカーで塩化金酸3水和物 20mgを水 4mlで溶解させた溶液を調製し、そこに減圧濃縮で得られた担体(Pd(OAc)/担体)を添加し、10min程度混合した。室温で1h静置した後、80℃乾燥器にて一晩乾燥した。乾燥した触媒を450℃ (5℃/min昇温)、3h焼成した後、200℃で水素還元処理を行った。
[実施例2−1]
SUS製反応管に触媒0.1wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al (1100)(α−Al: 住友化学製α−アルミナ、HA−12使用) 1.0gを仕込み、さらに石英ビーズ (1mm) 7.5ccを充填した。触媒層を140 ℃に加熱し上部より水素ガス(60 cc/min)を流通させ前処理還元を行った後、140 ℃、0 MPa(G)にてフェノール、シクロヘキサノンの混合物(モル比=1:1)を1.0 cc/h、水素ガスを12 cc/minで供給した。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.2%であり、シクロヘキサノンの収率は99.3%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は0.5%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.07%であった。
[実施例2−2]
実施例2−1において触媒を0.1wt%Pd−0.4mol%Sr/α−Al (1100)、水素ガス供給量を25 cc/minに変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は98.6%であり、シクロヘキサノンの収率は97.9%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.9%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.01%であった。
[実施例2−3]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−1.0mol%Sr/α−Al (1100)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は98.6%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.3%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.03%であった。
[実施例2−4]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−2.0mol%Sr/α−Al (800)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.7%であり、シクロヘキサノンの収率は98.0%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.6%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.02%であった。
[実施例2−5]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al (800)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.5%であり、シクロヘキサノンの収率は98.3%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.5%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.02%であった。
[実施例2−6]
実施例2−1において触媒を0.2wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al (1100)、フェノール、シクロヘキサノン混合物(モル比=1:1)の供給量を1.1 cc/h、水素ガス供給量を38 cc/minに変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は98.8%であり、シクロヘキサノンの収率は98.2%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.7%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.03%であった。
[実施例2−7]
実施例2−1において触媒を0.5wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al (1100)、フェノール、シクロヘキサノン混合物(モル比=1:1)の供給量を1.7cc/h、水素ガス供給量を61 cc/minに変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.8%であり、シクロヘキサノンの収率は97.6%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は2.3%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.02%であった。
[実施例2−8]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−4.0mol%Sr/γ−Al(800)(γ−Al:住友化学製γ−アルミナ、KHD−12使用)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は98.6%であり、シクロヘキサノンの収率は98.6%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は0.8%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.4%であった。
[実施例2−9]
実施例2−1において反応温度を150℃、水素ガス供給量を25 cc/minに変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は98.5%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.3%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.06%であった。
[実施例2−10]
実施例2−2において触媒を0.2wt%Pd−0.1wt%Au−2.0mol%Sr/α−Al(1100)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.7%であり、シクロヘキサノンの収率は99.0%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は0.7%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.08%であった。
[比較例1]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd/α−Alに変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は99.9%であり、シクロヘキサノンの収率は95.5%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は4.0%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.13%であった。
[比較例2]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−8.9mol%Sr/α−Al(1100)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は61.4%であり、シクロヘキサノンの収率は99.1%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は0.4%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.06%であった。
[比較例3]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al(400)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は91.0%であり、シクロヘキサノンの収率は96.5%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は3.3%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.07%であった。
[比較例4]
実施例2−2において触媒を0.1wt%Pd−0.9mol%Sr/α−Al(600)に変更した以外は、同様の方法で反応を行った。
反応開始から1時間の捕集液を切り捨て、その後の捕集液をガスクロマトグラフィーを用いて分析を行った結果、出発原料であるフェノールの転化率は96.7%であり、シクロヘキサノンの収率は98.2%、副生物であるシクロヘキサノールの収率は1.6%、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率は0.06%であった。
Figure 2016044144
表中、Aldol Totalは、2−シクロヘキシルシクロヘキサノンの収率を示す。

Claims (6)

  1. アルミナとヘキサアルミネートを含む担体にパラジウムを担持した触媒の存在下、気相中で、フェノールを水素化するシクロヘキサノンの製造方法。
  2. ヘキサアルミネートがCa、Sr、およびBaからなる群から選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属を含有するヘキサアルミネートである請求項1記載のシクロヘキサノンの製造方法。
  3. 800度以上の温度で熱処理したCa、Sr、およびBaの少なくとも一種のアルカリ土類金属を含有するアルミナにパラジウムを担持することを特徴とする請求項1または2記載のシクロヘキサノンの製造方法。
  4. アルミナがαアルミナであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシクロヘキサノンの製造方法。
  5. ヘキサアルミネートがストロンチウムヘキサアルミネートである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシクロヘキサノンの製造方法。
  6. アルミナとヘキサアルミネートを含む担体にパラジウムを担持した水素化触媒。
JP2014169240A 2014-08-22 2014-08-22 シクロヘキサノン製造方法とその触媒 Pending JP2016044144A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014169240A JP2016044144A (ja) 2014-08-22 2014-08-22 シクロヘキサノン製造方法とその触媒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014169240A JP2016044144A (ja) 2014-08-22 2014-08-22 シクロヘキサノン製造方法とその触媒

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016044144A true JP2016044144A (ja) 2016-04-04

Family

ID=55635028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014169240A Pending JP2016044144A (ja) 2014-08-22 2014-08-22 シクロヘキサノン製造方法とその触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016044144A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113351205A (zh) * 2020-03-04 2021-09-07 上海迅凯新材料科技有限公司 加氢催化剂、制备方法及在苯酚加氢制备环己酮的应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060178262A1 (en) * 2005-01-20 2006-08-10 Andrzej Rokicki Hydrogenation catalyst
JP2010524824A (ja) * 2007-04-18 2010-07-22 エアー・リキッド・プロセス・アンド・コンストラクション,インコーポレイテッド 水素製造方法
WO2011107515A2 (en) * 2010-03-05 2011-09-09 Basf Se Sterically hindered amines

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060178262A1 (en) * 2005-01-20 2006-08-10 Andrzej Rokicki Hydrogenation catalyst
JP2010524824A (ja) * 2007-04-18 2010-07-22 エアー・リキッド・プロセス・アンド・コンストラクション,インコーポレイテッド 水素製造方法
WO2011107515A2 (en) * 2010-03-05 2011-09-09 Basf Se Sterically hindered amines
JP2013528566A (ja) * 2010-03-05 2013-07-11 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 立体障害アミン

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113351205A (zh) * 2020-03-04 2021-09-07 上海迅凯新材料科技有限公司 加氢催化剂、制备方法及在苯酚加氢制备环己酮的应用
CN113351205B (zh) * 2020-03-04 2023-03-14 上海迅凯新材料科技有限公司 加氢催化剂、制备方法及在苯酚加氢制备环己酮的应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016518395A (ja) 1,3−ブタジエンを生産するためのプロセス
US8921616B2 (en) Method for producing glycol from polyhydric alcohol
JPH0217944A (ja) 触媒組成物、それらの調製方法及びこれらの組成物によるクロロフルオロアルケンの水素化方法
WO1984000749A1 (en) Catalytic process for the production of methanol
TWI624463B (zh) Method for producing tetrahydrofuran and use of ruthenium catalyst
WO2021068934A1 (zh) 一种环烷烃脱氢用催化剂及其制备和应用
JP3237365B2 (ja) フェノールの製造方法
WO2019200778A1 (zh) 一种用于合成气制吡啶碱的催化剂及制备方法和应用
JP2016044144A (ja) シクロヘキサノン製造方法とその触媒
CN109096029B (zh) 异丙苯的制备方法
JP2017165667A (ja) 共役ジエンの製造方法
JP2009090283A (ja) 触媒
JPH04360857A (ja) ジフエニルアミン類の製造方法
CN109092295B (zh) 异丙苯催化剂及其制备方法
WO2019017399A1 (ja) アンモニア合成触媒
US7230141B2 (en) Method for producing toluol derivatives
CN105642290A (zh) 一种甲烷二氧化碳重整制合成气催化剂的制备方法
JP6300280B2 (ja) 共役ジエンの製造方法
RU2190468C2 (ru) Катализатор для дегидрирования циклогексанола в циклогексанон и способ его получения
CN111036204B (zh) 一种甘油氢解方法
CN109092300B (zh) 用于加氢制备异丙苯的催化剂
JP4150771B2 (ja) シクロヘキサノール脱水素反応用触媒
JP6350122B2 (ja) シクロヘキサノンの製造方法及びその触媒
CN114733521B (zh) 一种双晶型载体的烷烃非氧化脱氢催化剂
JP4359447B2 (ja) モノヒドロキシアセトンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180925