JP2017218404A - 3,4−ジヒドロ−2h−ピランの製造方法 - Google Patents

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晋 野島
高志 外山
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高志 外山
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Yukihiro Sugiyama
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Abstract

【課題】固体触媒を用いた気相反応による原料テトラヒドロフルフリルアルコールからの3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造において、触媒活性を高く維持しながらも、原料転化率及び選択率よく3,4−ジヒドロ−2H−ピランを製造する方法を提供する。
【解決手段】水素ガスの存在下において、テトラヒドロフルフリルアルコールガスを触媒に接触させて3,4−ジヒドロ−2H−ピランを得る3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法であって、前記触媒は、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒であることを特徴とする3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法に関し、より詳しくは、テトラヒドロフルフリルアルコールを原料として使用し、これを気相状態で触媒に接触させる転位/脱水反応において、当該触媒として金属酸化物にルテニウムが担持された触媒を使用した新規な3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法に関するものである。
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(以下、これを「DHP」と記載する場合がある。)は、特に、アルコールのヒドロキシル基の保護試薬に利用され、工業的に有用である。これは、酸触媒下においてDHPとアルコールとの反応により生成するエーテルが、酸と水により容易に分解される一方で、塩基や求核剤や還元剤に対しては比較的良好な耐久性を示すためである。そして、このDHPの製造方法については、例えば、テトラヒドロフルフリルアルコール(以下、これを「THFA」と記載する場合がある。)をアルミナ上で300〜400℃に加熱する転位/脱水反応による方法が既に1943年には報告されている(非特許文献1)。しかしながら、この非特許文献1における方法においては、その反応の際にタールの生成により触媒活性が低下してしまうことが問題となっていた。この触媒活性の低下の問題を解決するため、様々な固体触媒の開発がなされており、これまでいくつか報告されている。
例えば、特許文献1には、原料THFAを用いた気相反応によりDHPの製造を行う上で、固体酸化物に酸化銅(II)又はロジウムが担持された触媒を用いることにより、触媒の単位体積当たりの生産速度を高めることができ、また、回収設備や反応設備を小型化でき効率的にDHPを製造する方法が開示されている。しかしながら、この特許文献1記載の方法では、その実施例から分かる通り、全ての実施例において、反応5時間後には原料THFAの転化率の低下が観測されており、DHP選択率の高い実施例3においても、5時間後のTHFA転化率は97.8%から91.9%へと低下している。
また、特許文献2には、固体酸化物系触媒を用いて原料THFAより気相反応にてDHPの製造を行う上で、所定の温度及び圧力条件とした管束反応器を用いることにより、等温的な操作を可能とし、触媒の耐用時間を長くして、収率及び純度高くDHPを製造できることが開示されている。この特許文献2に記載の方法において、固体酸化物系触媒としては、元素周期律表のIIa, IIIa, IIb, IIIb, IVb, Vb, Vib及びVIIb族の、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、プラセオジムの酸化物又はこれらの混合物が使用され、また、キャリアガスとしては窒素が用いられている。しかしながら、この特許文献2の方法では、供給するTHFAに対する生成DHPの収率を計算すると、例えば例2では80.2%(THFA毎時33gに対し、純度94%のDHPが毎時23.2g)に留まっており、DHP選択率としては89.8〜94.8%である。また、例3では、反応管が30本からなる循環ガス法によりDHP収率は87%まで向上しているが、一方でこの例1〜3の方法では触媒の単位体積当たりの生産速度が低く(0.09kg_DHP/L_触媒/h)、反応器が大型化してしまうという別の問題点もある。
また、特許文献3には、アルミナ上にバナジウム酸化物又はモリブデン酸化物を担持した触媒を用いて、所定の温度条件下、前記酸化物の含有量を所定の範囲として原料THFAより気相反応にてDHPの製造を行っている。この特許文献3に記載の方法によれば、上記の触媒を使用することにより、触媒活性の低下を抑制して収率高くDHPを製造できるとされているものの、供給するTHFAに対するDHP収率は、バナジウム系では最大で56%、モリブデン系では最大で76%に留まっている。
さらに、非特許文献2では、酸化物へ様々な遷移金属種を担持した触媒を用いて、原料THFAより気相反応にてDHPの合成を行う方法が開示されている。この非特許文献2において、前記酸化物としては特にアルミナが使用されており、そのアルミナ上に担持される金属種については、ロジウム、パラジウム、白金の他にコバルト酸化物、ニッケル酸化物、又は銅酸化物が用いられて、このうち特に、銅酸化物担持アルミナ触媒は、銅酸化物の担持量に従って転化率及び選択率を向上させることができることが記載されている。しかしながら、この非特許文献2に記載の方法においては、銅酸化物担持量が5%及び10%のもので比較的高い結果が示されているが、1時間後と5時間後の平均値でTHFA転化率がそれぞれ92.3%、88.7%に留まっており、また、DHP選択率がそれぞれ85.4%、86.4%に留まっている。
特開2012−056878号公報 特表2004−505962号公報 英国特許第1017313号
Organic Syntheses, Coll. Vol. 3, p276 (1955); Vol. 23, p25 (1943) Applied Catalysis A: General, 453(2013), 213-218.
このように、従来から、アルミナなどの酸化物に所定の触媒金属を担持させた触媒を用いて、原料であるTHFAから気相反応にてDHPを製造する方法が報告されてきたが、このような従来技術においては必ずしも原料転化性及び選択性良く目的物であるDHPを得ることができていなかった。また、触媒寿命も十分ではなく、目的物であるDHPの生産速度に関しても十分とは言えない状況であった。そこで、本発明者らは、このような従来技術の課題に関して鋭意検討した結果、水素ガスの存在下において、原料であるTHFAを用いて気相反応にてDHPを製造するに際し、意外なことには、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒を用いることで、触媒活性を高く維持しながらも、原料転化率及び選択率よく目的物であるDHPを製造することができることを見出して、本発明を完成させた。ルテニウムは、白金族に属する金属であり、白金、パラジウム、ロジウムなどの他の白金族金属と同様に水素添加反応における触媒として一般的に知られているものの、固体触媒を用いた気相反応による原料THFAからのDHPの製造に際して使用された例はこれまで報告されていない。
従って、本発明の目的は、貴金属として比較的低価格であるルテニウムを用いて、触媒活性を高く維持しながらも、原料転化率及び選択率よく目的物であるDHPを製造することができるDHPの製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の要旨は、水素ガスの存在下において、テトラヒドロフルフリルアルコールガスを触媒に接触させて3,4−ジヒドロ−2H−ピランを得る3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法であって、
前記触媒は、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒であることを特徴とする3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法である。
本発明の方法によれば、固体触媒を用いた気相反応による原料THFAからのDHPの製造において、触媒活性を高く維持しながらも、原料転化率及び選択率よく目的物であるDHPを製造することができる。なお、本発明の製造方法は、貴金属として比較的低価格であるルテニウムを用いるものであり、工業的な利用可能性の面においても非常に好ましい。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の方法によるDHPの製造は、後述する通り、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒を用い、水素ガスの存在下において、前記触媒と原料であるTHFAガスとを接触させる気相反応により実施される。
本発明の方法において、触媒としては、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒を用いる。このような触媒を用いることにより、触媒活性を高く維持しながらも、原料転化率及び選択率よく目的物であるDHPを製造することができる機序については十分に明らかにはできていないものの、本発明者らは以下のように推測している。
すなわち、ルテニウムを用いることにより、(i)水素ガスの存在下において、触媒表面におけるタールの生成を抑制して触媒の活性を保持できるか、又は、(ii)生成したタールを還元分解することによって触媒の活性を保持できるか、或いは、これら(i)及び(ii)の両方が作用していると推測している。更には、本発明における条件下において、ルテニウムは、前記の通りタールを還元分解することが推測されるものの、製造されたDHPを更に水素添加して副生成物となるテトラヒドロピラン(THP)まで変換する能力は殆ど無いと推測している。
ここで、前記金属酸化物としては、アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、セリア(CeO2)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マンガン(MnO2)又はこれらの混合物を用いることが好ましく、比較的安価で入手しやすいアルミナが好ましい。アルミナとしては、例えば、日本軽金属株式会社のγ―アルミナ造粒品を用いることができる。金属酸化物は流通系での圧力損失の観点より造粒品が好ましいが、これに限定されるものではない。例えば日本軽金属株式会社の遷移アルミナ(C10W)を造粒せずに焼成したγ―アルミナ紛体(C20)でも触媒性能としては同等の効果が期待できる。
また、本発明の方法に用いる触媒は、任意の公知の方法で調製することができる。操作の簡易性の観点から含浸法が望ましい手法であるが、共沈法や析出法、スパッタリング法といった公知の手法を適宜選択することができる。必要であるならばルテニウム含浸担持の際に用いる溶液のpH調整を行うことがよい。また、必要であるならばルテニウム担持後に洗浄処理、熱処理、還元処理等を適宜行ってもよい。金属酸化物にルテニウムを担持させる際には、通常、ルテニウムの金属塩又は金属錯体を用いる。このようなルテニウムの金属塩又は金属錯体としては、ルテニウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩、アセチルアセトナート錯体、又はその他有機金属錯体等が好適に用いられるが、好ましくは、アニオン由来物が触媒調製後に触媒表面に残存しにくい点から硝酸塩を用いることがよい。このような方法により、金属酸化物に金属ルテニウム(単体)が担持された触媒が得られる。
そして、このようにして得られた触媒におけるルテニウムの含有量については、触媒全体質量を基準とした質量百分率で、好ましくは0.001〜5.0wt%、更に好ましくは0.1〜1.0wt%のルテニウムを含有することがよい。なお、本発明の方法に用いる触媒については、本発明の目的の範囲内で、ルテニウム以外の他の金属や添加物を併用することができる。
本発明の方法において、原料として使用されるTHFAは、特に制限はなく、例えば、市販品としては、和光純薬工業株式会社品、キシダ化学株式会社品が挙げられ、また、バイオマス原料として注目されているトウモロコシの穂軸等から得られるフルフラールの水素化により製造されたTHFAを用いることもできる。本発明で使用する際には、気相反応を行うために、当該THFAをガス化したTHFAガスとして供給される必要がある。また、原料THFAは単離されたものである必要はなく、例えばフルフリルアルコールの水素化により製造されたTHFAを単離せずに用いることもできる。
本発明の方法においては、原料であるTHFAガスを前記触媒と接触する際には、水素ガスの存在下において行う。本発明はこれらの条件が満足されれば特に制限されないが、具体的な方法としては以下のように行うことができる。例えば、公知の気相反応用の反応器を用いて、当該装置内に前記の触媒を充填し、これに水素ガスを供給しながら反応容器の温度を調節し、反応容器内の温度が目的温度で安定したら、反応容器内に原料であるTHFAガスを供給して触媒と接触させる。この際、供給する原料THFAガスは、水素ガスと別の供給手段としてもよく、一方で、水素ガスと原料THFAガスとを予め混合した混合ガスを、前記の触媒が充填された反応容器に供給して行うことも可能である。なお、本発明の方法は、連続的方法でも非連続的方法でも実施することができるが、生産速度の観点から連続的方法とすることが好ましい。
水素ガスと原料THFAガスとを予め混合した混合ガスとして使用する場合には、混合ガス中の水素ガスの濃度は、混合ガス全体の体積を基準として、好ましくは30〜95体積(vol)%であることがよく、より好ましく50〜95体積(vol)%とすることがよい。
水素ガスと原料THFAガスとを別に供給して使用する場合には、水素ガスの体積比率を供給ガス全体の体積を基準として、好ましくは30〜95体積(vol)%とすることがよく、より好ましく50〜95体積(vol)%とすることがよい。
なお、本発明の方法においては、本発明の目的の範囲内において、他に不活性ガス成分を含んでいてもよく、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、水などを用いることができる。
本発明の方法における、触媒の単位体積当たりのTHFA供給速度は、好ましくは1〜8kg_THFA/L_触媒/hとすることがよく、より好ましくは2〜6kg_THFA/L_触媒/hとする。
本発明の方法を実施する際の温度は、通常200〜400℃であり、好ましくは250〜350℃である。
本発明の方法を実施する圧力に特に制限は無く、気相反応を実施できる限りにおいて様々な圧力で行うことができる。
前述の通りの方法により、水素ガス存在下において反応器に原料THFAガスを気相で供給して触媒と接触・反応させることにより、目的物であるDHPガスが生成する。この際、DHPガス(粗生成物)には原料THFAやその他副生成物が含まれていてもよい。粗生成物を回収する方法としては、冷却による方法が挙げられ、水、エチレングリコール、ドライアイス、液体窒素などによる冷却方法が挙げられるが、コストの観点から水冷により行われることが好ましい。粗生成物から目的物であるDHPを精製・回収する方法としては、蒸留により行われることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて説明するが、本発明がこれにより限定されて解釈されるものではない。
[実施例1]
<触媒の調製方法>
日本軽金属株式会社製擬ベーマイト(C10W)3kgに、120gのバインダー(信越化学工業株式会社製65SH−4000)と、75gの可塑剤(日油株式会社製セラミゾールC―08が37.5g、日油株式会社製ユニルーブ50MB−26が37.5g)と、705gの水とを加え混練機で混合し、押し出し機で約5mmφ×5mmLの円柱状に押し出し、マルメライザーで球形に造粒した。これを700℃で5時間焼成し冷却して、平均粒径5〜6mm、BET比表面積211m/g、平均細孔径9.1nmのγ―アルミナ造粒品を得た。調製したγ―アルミナ造粒品20gを入れたビーカーに、硝酸ルテニウム溶液(ルテニウム含有量:4.211wt%)2.376g及び純水を加え、2時間静置した後に温度60℃で蒸発乾固を行った。その後、これを一晩乾燥させた後に、500℃で2時間焼成して、γ−アルミナにルテニウムが担持された触媒を19.00g得た。この焼成後の触媒において、金属ルテニウム担持量は、全触媒質量の0.5質量%(計算値)である。
<DHPの製造方法>
内径が1インチ、全長600mmのステンレス(SUS316)反応管に前記で調製した触媒を10mL充填し、これを電気炉に取り付けた。触媒質量は4.4gであり、充填された触媒層の全長は25mmであった。次いで、水素ガスを流量400mL/minに調整して前記準備した反応管内に供給して、反応管内の水素ガス置換を行った。原料であるTHFA(液体)を液流量0.53g/minとして電気炉手前の予熱ヒーターに供給して昇温を行うと共に、気相状態として反応管内に導入した。THFAと水素ガスとを予熱ヒーター手前で混合し、予熱ヒーターにより混合ガスとし、この混合ガスを前記充填された触媒を通過させて反応を実施した。混合ガス中の水素ガス濃度は、77体積(vol)%であった。なお、反応管の温度は、反応管内に熱電対を挿入して300℃に制御した。そして、触媒を充填した層を通過した反応ガス(混合ガス)については水冷トラップにより粗生成物として回収を行った。回収液の交換は20分毎に行った。
反応開始後2時間の時点から2時間20分の時点までの回収液(2時間目の回収液)と、反応開始後8時間の時点から8時間20分の時点までの回収液(8時間目の回収液)とを回収し、ガスクロマトグラフィー(GC)分析(装置:株式会社島津製作所製、商品名GC−2014、GC−8A及びGC−14B)により、これらの回収液の液組成の定性・定量分析を行った。また同時に水冷トラップを通過後のラインから混合ガスの分取を行い、前記同様のGC分析によりガス組成の定性・定量分析を行った。原料THFAにおいて反応に関与したTHFAの転化率を求め、また、転化したTHFAモル量に対する回収DHPモル量をDHPの選択率として算出した。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は95.2%であり、DHP選択率は97.1%だった。また、副生成物としてテトラヒドロピラン(以下、THP)とδ‐バレロラクトン(以下、DVL)とがそれぞれ選択率1.9%、0.7%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は95.1%であり、DHP選択率は98.0%であり、それぞれに関して2時間目からの低下は観測されなかった。なお、この8時間目では、THPとDVLがそれぞれ選択率1.5%、0.6%で検出された。なお、それぞれについて、触媒当たりのDHP生成速度(kg_DHP/L_触媒/h)を算出した。
なお、GC分析に使用したカラム及び検出器については、分析成分毎に以下の通りである。
・C1〜C4ガス:Unibead A(GLサイエンス株式会社製)(検出器:FID)(GC-8A)
・C5〜C6ガス:InertCap 1(GLサイエンス株式会社製)(検出器:FID)(GC-14B)
・THPガス:TC-WAX(GLサイエンス株式会社製)(検出器:FID)(GC-2014)
・H2ガス:MS5A(GLサイエンス株式会社製)(検出器:TCD)(GC-8A)
・COガス:MS13X(GLサイエンス株式会社製)(検出器:TCD)(GC-8A)
・CO2ガス:PQ(GLサイエンス株式会社製)(検出器:TCD)(GC-8A)
・全液成分:TC-WAX(GLサイエンス株式会社製)(検出器:FID)(GC-2014)
[実施例2]
実施例1で調製した触媒を用い、THFAの液流量を0.18g/minとして混合ガス中の水素ガス濃度を91vol%としたほかは、実施例1と同様の操作で反応を実施した。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は99.0%であり、DHP選択率は81.8%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率1.2%、0.5%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は99.2%であり、DHP選択率は89.4%であり、それぞれに関して2時間目からの低下は観測されなかった。なお、この8時間目では、THPとDVLがそれぞれ選択率1.3%、0.5%で検出された。
[比較例1]
<触媒の調製方法>
実施例1で調製したγ―アルミナ造粒品20gを入れたビーカーに、硝酸白金溶液(白金含有量:15.289wt%)0.644g及び純水を加え、2時間静置した後に温度60℃で蒸発乾固を行った。その後、これを一晩乾燥させた後に、500℃で2時間焼成して、γ−アルミナに白金が担持された触媒を19.23g得た。焼成後の金属白金担持量は、全触媒質量の0.5質量%(計算値)である。
<DHPの製造方法>
実施例1と同様の操作で反応を実施し、同様に評価した。この比較例1では触媒質量は4.3gであり、触媒層の全長は実施例1と同様とした。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は99.7%であり、DHP選択率は13.9%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率31.0%、0.9%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は99.7%であり、DHP選択率は17.5%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率30.6%、0.9%で検出された。
[比較例2]
比較例1で調製した触媒を用い、THFA液流量を0.18g/minとして混合ガス中の水素ガス濃度を91vol%としたほかは、比較例1と同様の操作で反応を実施し、同様に評価した。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は99.6%であり、DHP選択率は1.9%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率40.6%、0.9%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は99.7%であり、DHP選択率は2.2%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率33.8%、0.9%で検出された。
[比較例3]
<触媒の調製方法>
実施例1で調製したγ―アルミナ造粒品20gを入れたビーカーに、硝酸パラジウム溶液(パラジウム含有量:8.301wt%)1.206g及び純水を加え、2時間静置した後に温度60℃で蒸発乾固を行った。その後、これを一晩乾燥させた後に、500℃で2時間焼成して、γ−アルミナにパラジウムが担持された触媒を19.11g得た。焼成後の金属パラジウム担持量は、全触媒質量の0.5質量%(計算値)である。
<DHPの製造方法>
実施例1と同様の操作で反応を実施し、同様に評価した。この比較例3では触媒質量は4.6gであり、触媒層の全長は実施例1と同様とした。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は97.2%であり、DHP選択率は83.0%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率11.3%、2.0%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は97.2%であり、DHP選択率は80.5%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率9.3%、2.5%で検出された。
[比較例4]
比較例3で調製した触媒を用い、THFA液流量を0.18g/minとして混合ガス中の水素ガス濃度を91vol%としたほかは、比較例3と同様の操作で反応を実施し、同様に評価した。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は98.2%であり、DHP選択率は21.0%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率41.1%、1.7%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は98.2%であり、DHP選択率は38.8%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率40.5%、1.8%で検出された。
[比較例5]
<触媒の調製方法>
実施例1で調製したγ―アルミナ造粒品20gを入れたビーカーに、硝酸銅三水和物10.746g及び純水を加え、2時間静置した後に温度60℃で蒸発乾固を行った。その後、これを一晩乾燥させた後に、500℃で2時間焼成して、γ−アルミナに酸化銅が担持された触媒を21.17g得た。焼成後の酸化銅担持量は、全触媒質量の15質量%(計算値)である。
<DHPの製造方法>
実施例1と同様の操作で反応を実施し、同様に評価した。この比較例5では触媒質量は5.8gであり、触媒層の全長は実施例1と同様とした。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は73.8%であり、DHP選択率は78.5%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率0.0%、5.3%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は74.1%であり、DHP選択率は80.5%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率0.0%、5.4%で検出された。
[比較例6]
比較例5で調製した触媒を用い、THFA液流量を0.18g/minとして混合ガス中の水素ガス濃度を91vol%としたほかは、比較例5と同様の操作で反応を実施した。
反応開始後2時間目におけるTHFA転化率は95.4%であり、DHP選択率は24.9%だった。また、THPとDVLがそれぞれ選択率4.4%、2.3%で検出された。また、反応開始後8時間目におけるTHFA転化率は97.0%であり、DHP選択率は42.0%だった。なお、THPとDVLがそれぞれ選択率4.6%、2.9%で検出された。
Figure 2017218404

Claims (6)

  1. 水素ガスの存在下において、テトラヒドロフルフリルアルコールガスを触媒に接触させて3,4−ジヒドロ−2H−ピランを得る3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法であって、
    前記触媒は、金属酸化物にルテニウムが担持された触媒であることを特徴とする3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  2. 水素ガスとテトラヒドロフルフリルアルコールガスとを予め混合した混合ガスを、触媒に接触させることを特徴とする請求項1に記載の3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  3. 水素ガスの濃度が、混合ガスの合計体積に対して30〜95体積%であることを特徴とする請求項2に記載の3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  4. ルテニウムの含有量が、触媒の全体質量に対して0.001〜5.0質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  5. 触媒は、ルテニウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、アセト酢酸塩又はアセチルアセトナート錯体を用いて調製されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
  6. 金属酸化物は、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、マグネシア、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化マンガン又はそれらの混合物のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の3,4−ジヒドロ−2H−ピランの製造方法。
JP2016113066A 2016-06-06 2016-06-06 3,4−ジヒドロ−2h−ピランの製造方法 Pending JP2017218404A (ja)

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