JP6037921B2 - 溶銑処理工場の操業方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明にかかる溶銑処理工場の操業方法では、溶銑鍋に溶銑の払い出しを行う払い出しステーションと、前記払い出しステーションで払い出された溶銑に対して脱硫処理を行う脱硫ステーションと、前記脱硫ステーションで脱硫処理を施された後の溶銑に対してスラグ除去処理を行うN個の除滓ステーションと、前記除滓ステーションでスラグ除滓処理後の溶銑の脱りん処理を行う脱りん炉と、を備えた溶銑処理工場で操業を行うに際しては、第1番目の除滓ステーション〜第N番目の除滓ステーションを順次使用することとし、第N番目の除滓ステーションにてスラグ除去処理された溶銑鍋を前記脱りん炉とは別の場所に配備された処理炉に搬送する操業を行う場合、第1番目の除滓ステーションには、前記N個の除滓ステーションで除滓処理が行われる溶銑の中で最もスラグ除去処理時間が短くなる溶銑が装入された溶銑鍋を搬送することを特徴とする。
前記脱りん炉から最も離れた位置に第N番目の除滓ステーションが配備され、前記脱りん炉から最も近い位置に第1番目の除滓ステーションが配備されていて、第N番目の除滓ステーションで、前記処理炉に搬送する溶銑に対してスラグ除去処理を行い、第1番目の除滓ステーションで、前記N個の除滓ステーションで除滓処理が行われる溶銑の中で最もスラグ除去処理時間が短くなる溶銑に対するスラグ除去処理を行うことを特徴とする。
[溶銑処理工場のレイアウト]
図1に示すように、溶銑処理工場1は、2つの建屋(複数の立屋)から構成され、西側に位置する1つ目の建屋(第1建屋という)1Aと、東側に位置する2つ目の建屋(第2建屋という)1Bとからなる。第1建屋1Aと第2建屋1Bとは、互いに離れていて、それぞれの第1建屋1A、第2建屋1Bに、高炉から出銑された溶銑に対して様々な処理等を行う設備が配備されている。
払い出しステーション2は、例えば、高炉から出銑した溶銑を搬送する混銑車10内の溶銑を、溶銑鍋11に装入する箇所であって、この実施形態では、第1建屋の北側に並ぶように2つ設置されている。第1の払い出しステーション(第1払い出しステーションという)2Aと、第2の払い出しステーション(第2払い出しステーション)2Bは、東西方向(図1における左右方向)に並べられていて、第1払い出しステーション2A及び第2払い出しステーション2Bには、溶銑を受けるための溶銑鍋11を置く払い出しピット12が設けられている。第1払い出しステーション2Aと第2払い出しステーション2Bと高炉との3者間には、これらを結ぶための軌道(例えば、レール)13が敷設されている。したがって、高炉から出銑された溶銑が装入された混銑車をレール13上で移動させることにより、溶銑を高炉から払い出しステーション2に搬送することができる。
除滓ステーション4は、溶銑上のスラグ等を除滓する除滓処理を行う箇所であって、この実施形態では、4つ設置されている。詳しくは、第1脱硫ステーション3Aを中心として西側(左側)に、第1の除滓ステーション(第1除滓ステーション)4Aが設置され、東側(右側)に、第2の除滓ステーション(第2除滓ステーション)4Bが設置されている。また、第2脱硫ステーション3Bを中心として西側(左側)に、第3の除滓ステーシ
ョン(第1除滓ステーション)4Cが設置され、東側(右側)に、第4の除滓ステーション(第4除滓ステーション)4Dが設置されている。即ち、第1建屋1A内を見ると、西側から東側にかけて順に、第1除滓ステーション4A、第1脱硫ステーション3A、第2除滓ステーション4B、第3除滓ステーション4C、第2脱硫ステーション3B、第4除滓ステーション4Dが設置されている。後述する脱りん炉5から見ると、第1除滓ステーション4Aが最も脱りん炉5に近く、第4除滓ステーション4Dが脱りん炉5から最も遠いものとなっている。
具体的には、第1搬送手段は、脱りん炉5の炉前(北側)、第1除滓ステーション4A、第1脱硫ステーション3A、第2除滓ステーション4B、第3除滓ステーション4C、第2脱硫ステーション3B及び第4除滓ステーション4D上を移動する第1搬送クレーン14を備えている。また、第1搬送手段は、第1払い出しステーション2Aから第1搬送クレーン14の移動軌道に向けて敷設された軌道(レール)16aと、このレール16a上を移動して溶銑鍋11を搬送する搬送台車16bと、第2払い出しステーション2Bから第1搬送クレーン14の移動軌道に向けて敷設された軌道(レール)16cと、このレール16c上を移動して溶銑鍋11を搬送する搬送台車16dとを備えている。
具体的には、第2搬送手段は、第1搬送クレーン14とは別に第4除滓ステーション4D上を通過可能で第1建屋1Aの東側(脱りん炉5と反対側)に向けて移動する第2搬送クレーン17を備えている。また、第2搬送手段は、第1建屋1Aの東側であって第2搬送クレーン17の移動軌道上から第2建屋1Bに向けて敷設された軌道(レール)18と、このレール18上を移動して溶銑鍋11を搬送する搬送台車19とを備えている。なお、搬送台車19は、レール18上を移動する機関車によって牽引されるようになっている。
送することができる。
また、溶銑処理工場には、脱りん炉5で脱りん処理を行った溶銑が装入された溶銑鍋11を、脱りん炉5から第2建屋1Bへ搬送する第3の搬送手段(第3搬送手段)が設けられている。具体的には、第3搬送手段は、第1建屋1Aの南側であって脱りん炉の炉裏から第2建屋1Bに向けて敷設された軌道(レール)20と、このレール20上を移動して溶銑鍋11を搬送する搬送台車21と、脱りん炉の炉裏のレール上20に沿って移動可能な第3搬送クレーン22とから構成されている。なお、搬送台車21は、レール20上を移動する機関車によって牽引されるようになっている。
さて、第2建屋1Bには、西側から順に、脱りん処理を行う第1の処理炉(脱りん炉)6aが配備され、脱炭処理を行う第2の処理炉(脱炭炉)6bが配備され、脱炭処理を行う第3の処理炉(脱炭炉)6cが配備されている。また、第2建屋1Bには、溶銑鍋11の移動をさせるための第4の搬送手段(第4搬送手段)が設けられている。
[溶銑処理工場の操業方法]
次に、溶銑処理工場の操業方法について説明する。
は、脱りん炉5の生産性に比べて4/3倍能力がある。
そこで、本発明の操業方法では、まず、4基の除滓ステーション4で除滓処理を行うことにしたうえで、少なくとも1基の除滓ステーション4で除滓処理後の溶銑は、第1建屋1Aの脱りん炉5ではなく、第2建屋1Bの処理炉(例えば、脱りん炉6a)に搬送することとし、溶銑処理工場の稼働率を向上させている。
なお、図2において、「No1PIT」は、第1払い出しステーション2aを示し、「No2PIT」は、第2払い出しステーション2bを示し、「No1KR」は、第1脱硫ステーション3Aを示し、「No2KR」は、第2脱硫ステーション3Bを示し、「No1SD」は、第1除滓ステーション4Aを示し、「No2SD」は、第2除滓ステーション4Bを示し、「No3SD」は、第3除滓ステーション4Cを示し、「No4SD」は、第4除滓ステーション4Dを示している。また、「炉前クレーン」は、第1搬送クレーン14の動きを示し、「南クレーン」は、第2搬送クレーン17の動きを示し、「炉裏クレーン」は、第3搬送クレーン22を示している。
図2の矢印Bに示すように、No3SDにて後除滓が終了すると、後除滓処理された溶銑が装入された溶銑鍋11は、炉前クレーンによって吊り上げられた後(荷鍋吊上)、脱りん炉5に搬送されて溶銑が装入される(装入)。
れた脱りん炉6aに搬送する操業を行う場合、No4の次に処理を行うNo1SD(第1番目の除滓ステーション4A)には、除滓処理の処理時間が短くなる溶銑が装入された溶銑鍋11を搬送することとしている。言い換えれば、第1建屋1A内において、除滓処理(除滓ステーション4)から脱りん処理(脱りん炉5)へ進まない工程が、1/N回の頻度で発生する場合、脱りん炉5へ溶銑を供給(搬送)しない処理(実施例では、No4SDの処理)の次の処理(No1SDの処理)では、処理時間の短いものを行うこととしている。特に、No1SD〜No4SDで行う除滓処理のうち、最も短いチャージを、No1SDでの除滓処理に割り当てている。なお、No1SDに最も短いチャージを割り当てるに際しては、例えば、まず、4つの除滓ステーション(No1SD〜No4SD)と脱りん炉5との間で、溶銑の除滓処理から溶銑の搬送までの流れをシミュレーションし、その中で、除滓処理の終了後から脱りん炉へ溶銑を装入するまでの待ち時間が、最も短かった除滓ステーションと、No1SD(1番目の除滓ステーション)とを入れ替えて、操業を行うことが好ましい。様々なシミュレーションの結果、例えば、No3SDでの待ち時間が最も短かった場合、このNo3SDの処理と、No1SDでの処理とを入れ替えて、操業を行う。
[変形例]
次に、本発明の溶銑処理工場の操業方法の変形例を述べることとする。
図3のような溶銑処理工場1では、図1に示す溶銑処理工場に比べて、除滓ステーション4の数が少ないもの(N=2個)となっている。言い換えれば、Mチャージに1回、別の場所に配備された処理炉6に溶銑を搬送する操業において、操業のサイクル数に除滓ステーション4の数が合致しない(M>N)場合である。
具体的には、図4のガントチャートに示すように、3チャージに2回は脱りん炉5に装入し、残りの1チャージは台車24に据え付けて、第2建屋1Bの脱炭炉6へ搬送する。したがって、チャージの周期的には、3チャージに1チャージが、脱硫ステーション3におけるKR脱硫後のノロカキに時間的な余裕が無い事になる。しかし、KR脱硫前後の除滓ステーション4は、2カ所であるため、いずれかのステーションで除滓するチャージに除滓時間の短い鋼種を割り当てる、言い換えれば、払いだす順序の3回に1回、除滓時間の短い鋼種を、2カ所ある除滓ステーション4のいずれかに割り当てるようにしている。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能
な事項を採用している。
1A 第1建屋
1B 第2建屋
2 払い出しステーション
2A 第1払い出しステーション
2B 第2払い出しステーション
3 脱硫ステーション
3A 第1脱硫ステーション
3B 第2脱硫ステーション
4 除滓ステーション
4A 第1除滓ステーション
4B 第2除滓ステーション
4C 第3除滓ステーション
4D 第4除滓ステーション
5 脱りん炉
6 処理炉
6a 脱りん炉
6b 脱炭炉
6c 脱炭炉
10 混銑車
11 溶銑鍋
13 軌道(レール)
14 第1搬送クレーン
16a 軌道(レール)
16b 搬送台車
16c 軌道(レール)
16d 搬送台車
17 第2搬送クレーン
18 軌道(レール)
19 搬送台車
20 軌道(レール)
21 搬送台車
22 第3搬送クレーン
23 第4搬送クレーン
Claims (4)
- 溶銑鍋に溶銑の払い出しを行う払い出しステーションと、前記払い出しステーションで払い出された溶銑に対して脱硫処理を行う脱硫ステーションと、前記脱硫ステーションで脱硫処理を施された後の溶銑に対してスラグ除去処理を行うN個の除滓ステーションと、前記除滓ステーションでスラグ除滓処理後の溶銑の脱りん処理を行う脱りん炉と、を備えた溶銑処理工場で操業を行うに際しては、
第1番目の除滓ステーション〜第N番目の除滓ステーションを順次使用することとし、
第N番目の除滓ステーションにてスラグ除去処理された溶銑鍋を前記脱りん炉とは別の場所に配備された処理炉に搬送する操業を行う場合、第1番目の除滓ステーションには、前記N個の除滓ステーションで除滓処理が行われる溶銑の中で最もスラグ除去処理時間が短くなる溶銑が装入された溶銑鍋を搬送することを特徴とする溶銑処理工場の操業方法。 - スラグ除去処理の最も短いチャージを、第1番目の除滓ステーションでのスラグ除去処理に割り当てることを特徴とする請求項1に記載の溶銑処理工場の操業方法。
- 前記脱りん炉から最も離れた位置に第N番目の除滓ステーションが配備され、前記脱りん炉から最も近い位置に第1番目の除滓ステーションが配備されていて、
第N番目の除滓ステーションで、前記処理炉に搬送する溶銑に対してスラグ除去処理を行い、第1番目の除滓ステーションで、前記N個の除滓ステーションで除滓処理が行われる溶銑の中で最もスラグ除去処理時間が短くなる溶銑に対するスラグ除去処理を行うことを特徴とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑処理工場の操業方法。 - 操業のサイクル数Mが除滓ステーションの数Nより大きい操業であって、前記N個の除滓ステーションに、溶銑払い出し順に番号が付された溶銑鍋を配置すると共に、M回(M>N)に1回、前記脱りん炉とは別の場所に配備された処理炉に溶銑鍋を搬送する操業を行うに際しては、
前記別の場所に配備された処理炉に搬送する溶銑鍋に付された番号の次の番号が付された溶銑鍋には、除滓ステーションでの除滓時間が短くなる溶銑を装入することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶銑処理工場の操業方法。
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