JP5164312B2 - 転炉設備のスクラップ装入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転炉に溶銑とスクラップとを装入してこれら溶銑とスクラップの混合物を吹錬する転炉設備の操業方法の内、特にスクラップ装入方法に関するものである。
従来、a.転炉にて吹錬される溶銑に対する吹錬処理後の溶鋼の増産b.スクラップのリサイクル化c.転炉に装入される溶銑の温度を下げる等の目的で、転炉に溶銑と共にスクラップを装入する転炉設備の操業方法が一般的に行われている。この種の転炉設備の操業方法においては、スクラップシュートにスクラップを積み込み、該スクラップシュートをスクラップ搬送クレーンによって吊り上げた後に転炉まで搬送し、該転炉の斜め上方にてスクラップシュートを転炉に向けて傾動させることにより、スクラップを転炉に装入するスクラップ装入方法が知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。
上述の如きスクラップ装入方法を採用可能な転炉設備として、例えば図8に示す転炉設備90が挙げられる。該転炉設備90は、並列配置された3基の転炉91a、91b、91cと、該3基の転炉91a〜91cの前方を一側から他側に向けて伸びるクレーンライン92とを備え、該クレーンライン92の一側には、溶銑予備処理工程を経た溶銑に前処理を施す2基の処理ステーション93a、93bが配備されると共に、クレーンライン92の他側には、スクラップを積み込むスクラップシュート94を載置しておく2基のシュートステーション95a、95bが配備されている。また、クレーンライン92は、溶銑を受ける取鍋96を搬送する2基の溶銑搬送クレーン97a、97bと、スクラップシュート94を搬送する1基のスクラップ搬送クレーン98とが同一クレーンライン92上を移動自在に配備されている。
該転炉設備90においては、スクラップ搬送クレーン98を操作することによって転炉91a〜91cの何れかにスクラップシュート94のスクラップを装入し、空になったスクラップシュート(以下、空シュートという)94をシュートステーション95aに載置し、該シュートステーション95aに隣接するシュートステーション95bにスクラップの積み込みを完了した状態で載置されているスクラップシュート(以下、実入りシュートという)94を吊り上げ、該スクラップシュート94を転炉91a〜91cまで搬送するサイクルを1スクラップ装入サイクルとし、転炉91a〜91cのいずれかにスクラップを装入した後に溶銑を装入し、吹錬、調質、出鋼、排滓工程を経て再び当該転炉がスクラップ及び溶銑受け入れ可能状態となるまでのサイクルを1転炉サイクルとする場合、1スクラップ装入サイクルが1転炉サイクルの略半分のサイクルタイムとなるように構成されており、これによって効率よく転炉を稼働させることができる。
特公昭58−57486号公報 特開平7−41816号公報
しかしながら、上述の如き転炉設備90において、2基91a、91bの転炉を最も効率よく稼働させるためには、一方の転炉91aを他方の転炉91bに先行して操業し、該一方の転炉91aの転炉サイクルを消化する間に、該一方の転炉にスクラップを装入した空シュート94を該一方の転炉91bからシュートステーション95aに搬送して実入りシュート94と取り替え、該実入りシュート94を他方の転炉91bに搬送して該転炉91bにスクラップを装入し、空シュート94をシュートステーション95bに搬送して実入りシュート94と取り替え、該実入りシュート94を再び一方の転炉前に位置させなければならない。即ち、先行して操業している転炉91aの1転炉サイクルの間に2スクラップ装入サイクルを完了させなければならないこととなる。上記転炉設備においては、かかる操業方法を行うことができるものの、転炉サイクルに対するスクラップ装入サイクルの余裕がない。
したがって、何らかの事情でスクラップ装入サイクルが伸びた場合や転炉の生産性が向上して転炉サイクルが短縮化された場合、2スクラップ装入サイクルが1転炉サイクルよりも長いものとなり、スクラップを転炉に装入する工程のために転炉の稼働率が低下してしまう問題があった。
かかる問題を解決すべく、スクラップ搬送クレーン98の基数を増加させることが考えられるが、この場合、クレーン設置コストが増大するばかりでなく、スクラップ搬送クレーン98どうしの交錯を避けるためにスクラップ搬送クレーン用の待避ステーションが必要となり、転炉設備90が大型化してしまう問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、複数の転炉を操業するに際し、各転炉の転炉サイクルにあわせて各転炉に遅滞なくスクラップを装入することができる転炉設備のスクラップ装入方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、スクラップシュートを載置しておくシュートステーションにスクラップを積み込んだスクラップシュートを載置し、該スクラップシュートをスクラップ搬送クレーンによって前記シュートステーションから複数の転炉まで搬送し、該複数の転炉の何れかにスクラップシュート内のスクラップを装入する転炉設備のスクラップ装入方法であって、
前記転炉設備として、互いに隣接した状態で配備される複数の転炉を有する転炉部と、前記転炉部の一側方に配備される溶銑予備処理部と、前記転炉部の他側方に配備されたスクラップ部と、前記転炉部の前上方を通過して前記溶銑予備処理部と前記スクラップ部の間を伸びるクレーンラインと、溶銑を装入可能な複数の取鍋と、スクラップを積み込み可能であって該スクラップを前記複数の転炉に装入するための複数のスクラップシュートと、を設けた上で、
前記スクラップ搬送クレーンによって一度に搬送可能な最大スクラップシュート搬送基数の少なくとも2倍の基数のスクラップシュートと、該スクラップシュートと少なくとも同基数のシュートステーションとを設け、
前記最大スクラップシュート搬送基数と同数のスクラップシュートをスクラップ搬送クレーンによって同時に搬送し、残りのスクラップシュートを前記シュートステーションに載置し、
各スクラップシュート内のスクラップをそれぞれ異なる転炉に装入することを特徴とする。
これによれば、スクラップ搬送クレーンによって複数の実入りシュートが一度に前記複数の転炉に搬送されているので、一の転炉に一の実入りシュートのスクラップを装入した後も、スクラップ搬送クレーンを一旦シュートステーションに引き戻すことなく、引き続き前記一の転炉とは異なる他の転炉に前記一の実入りシュートとは異なる実入りシュートのスクラップを装入することができるのである。
つまり、一の転炉にスクラップを装入した後に一旦シュートステーションに戻り、該シュートステーションにて空シュートと実入りシュートとを取り替え、該実入りシュートを他の転炉前に搬送する工程を省略することができるのである。
したがって、スクラップ搬送クレーンを複数の転炉前からシュートステーションに移動させ、再び複数の転炉前に移動させる1スクラップ装入サイクル内に、各実入りシュートのスクラップをそれぞれ異なる転炉に装入する工程がスクラップ搬送クレーンによって搬送された実入りシュート分だけ含まれることとなり、一の転炉へのスクラップ装入を完了するたびにシュートステーションに戻って空シュートと実入りシュートとを取り替える必要はなく、これによってスクラップシュート1基あたりのスクラップ装入サイクルが短縮化されるのである。
また、これによれば、シュートステーションにてスクラップ搬送クレーンに吊り下げられている複数の空シュートを同時に各シュートステーションに載置することができる。また、各シュートステーションに載置されている各実入りシュートを同時に吊り上げることができ、これら複数のスクラップシュートを吊り替える吊り替え作業時間の短縮化が図られるのである。
また、前記スクラップが装入される前記複数の転炉の内、少なくとも1基が脱りん炉であって、少なくとも1基が該脱りん炉から出銑された溶銑を装入する脱炭炉であることが好ましい。
これによれば、同一吹錬工程においては、脱りん炉が脱炭炉に先行して稼働することとなる。このため、脱りん炉及び脱炭炉を間断なく連続して稼働させるには、脱りん炉での現吹錬工程の脱りん処理と脱炭炉での前吹錬工程の脱炭処理とを並行して行うことが好ましい。
上述の如く転炉操業方法において、脱りん炉にてスクラップを装入し、空となったスクラップシュートをシュートステーションに搬送して空シュートと実入りシュートとを取り替え、該実入りシュートを脱炭炉に搬送するサイクルを1スクラップ装入サイクルとする場合、該スクラップ装入サイクルよりも上述の現吹錬工程の脱りん処理開始時刻に対する前吹錬工程の脱炭処理開始時刻の遅れが短いものとなると、脱炭炉へのスクラップの装入が遅れることとなる。つまり、脱炭炉にスクラップを装入するために脱炭処理開始時刻が遅れ、これによって脱りん炉及び脱炭炉を効率よく稼働させることができない。
このとき、本発明に係る転炉設備のスクラップ装入方法によれば、複数の実入りスクラップシュートを同時にこれら転炉前まで搬送しているので、複数のスクラップシュートの内、一の実入りシュートのスクラップを脱りん炉に装入した後、シュートステーションに戻ることなく引き続いて脱炭開始時刻よりも先に脱炭炉に前記一の実入りシュートとは異なる他の実入りシュートのスクラップを装入することができる。
したがって、現吹錬工程の脱りん炉の脱りん処理開始時刻に対する前吹錬工程の脱炭炉の処理開始時刻のずれが僅かなものであっても、これらの転炉の処理開始時刻を遅延させることなくスクラップを各転炉に装入することができる。
また、脱りん炉及び脱炭炉の処理条件に応じたスクラップを各炉に別々に装入することができ、これによって、予備処理工程を経た溶銑に対するスクラップ装入比率を確保しつつ、生産性良く低コストの溶鋼を得ることができる。
本発明によれば、複数の転炉を操業するに際し、各転炉の転炉サイクルにあわせて各転炉に遅滞なくスクラップを装入することができる。
以下、本発明を実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明していく。
図1及び図2に示す如く、本実施の形態の転炉設備1は、転炉部2と、該転炉部2の一側方に配備された溶銑予備処理部3と、該転炉部2の他側方に配備されたスクラップ部4と、これら転炉部2の前上方を通過して溶銑予備処理部3とスクラップ部4の間を伸びるクレーンライン5とを備えると共に、溶銑を装入可能な複数の取鍋bと、スクラップを積み込み可能であって該スクラップを後述の転炉に装入するための複数のスクラップシュートeとを備えている。
また、該転炉設備1には、図2に示す如く、高炉設備(図示省略)から溶銑予備処理部3まで溶銑搬送レール10が敷設されており、該溶銑搬送レール10上には、混銑車11が高炉設備と転炉設備1との間を往復自在に配備されている。
前記転炉部2は、3基の転炉が互いに隣接した状態で並列配備されている。本実施の形態においては、これら3基の転炉の内、最も溶銑処理部側に配備されている第1の転炉を脱りん炉Pとして使用し、該脱りん炉Pに隣接配備されている第2の転炉を脱炭炉Cとして使用する。また、脱炭炉Cに隣接配備されている第3の転炉Yは、予備用若しくは補修中の転炉として配備されており、通常は脱りん炉P及び脱炭炉Cの2基の転炉が稼働している。
また、転炉部2には、各転炉から出湯された溶鋼を搬送する搬送台車14のレールとなる溶湯搬送レール12が敷設されている。また、脱りん炉Pの溶湯搬送レール12には、該脱りん炉Pの下方を通過してクレーンライン5下まで延設された返送レール13が連結されている。前記搬送台車14は、転炉から払い出される溶鋼又は溶銑を受ける取鍋bを搭載可能に構成されている。
前記溶銑予備処理部3は、溶銑に予備処理を施す溶銑予備処理設備となる第1処理ステーション21と第2処理ステーション22とが互いに並列して配備されている。第1処理ステーション21は、溶銑を取鍋bに払い出す払出しピット23と、溶銑に脱硫処理を施す脱硫設備24と、溶銑のスラグを除去する除滓設備25とを備えている。
払出しピット23は、図1に示す如く、溶銑搬送レール10よりも低位となる位置に設けられており、取鍋bを載置可能な搬送台車26が溶銑搬送レール10の下方からクレーンライン5下まで往復移動自在に配備されている。
図2に示す如く、脱硫設備24は、払出しピット23の側上方に配備されており、取鍋bを載置可能なテーブル27を備えており、除滓設備25は、取鍋b内の溶銑上面に浮かんでいるスラグを掻き出すノロカキ(スラグドラッガー)28をテーブル27の側方に備えている。
なお、本実施の形態においては、第2処理ステーション22は第1処理ステーション21と同じ構造を有するので、ここでは説明を省略する。
前記スクラップ部4は、クレーンライン5下にスクラップシュートeを載置するためのステージ31と、スクラップを受け入れるスクラップヤード32とを備えており、該ステージ31とスクラップヤード32との間には1又は複数本(本実施の形態においては4本)のスクラップ搬送レール33が敷設されており、該スクラップ搬送レール33には、スクラップシュートeを載置可能な搬送台車34が移動自在に配備されている。
また、各スクラップ搬送レール33には、搬送台車34をステージ30上に停車させるシュートステーションSが配備されており、該シュートステーションSに搬送台車34を停車させることにより、スクラップシュートeがクレーンライン5下に位置することとなる。
また、スクラップヤード32には、該スクラップヤード32に搬送されたスクラップシュートeにスクラップを積み込むためのリフティングマグネット35が移動自在に配備されている。
クレーンライン5は、図1及び図2に示す如く、溶銑予備処理部3とスクラップ部4の間を直線状に配設されており、該クレーンライン5下に溶銑予備処理部3の第1及び第2ステーション21、22の払出しピット23が位置すると共に、スクラップ部4のステージ31のシュートステーションSが位置している。
また、クレーンライン5には、溶銑を搬送するための複数(本実施の形態においては2基)の溶銑搬送クレーン51、52と、スクラップを搬送するためのスクラップ搬送クレーン53とが移動自在に配備されており、これらのクレーンは、図中に示す如く、クレーンライン5の溶銑処理部側の端部からスクラップ部側の端部側にかけて第1溶銑搬送クレーン51、第2溶銑搬送クレーン52、スクラップ搬送クレーン53が並んで配備されている。
第1溶銑搬送クレーン51は、取鍋bをハンドリングすることによって溶銑を搬送するものであって、クレーンライン5上を移動するクレーン本体54と、該クレーン本体54に配備された吊下げ装置55とをそれぞれ備えている。これによって、溶銑搬送クレーン51に搬送される取鍋bは、吊下げ装置55のワイヤ56がクレーン本体54へ巻き取られることによって上方へ引き上げられ、クレーン本体54がクレーンライン5上を走行することによってクレーンライン5の両端部間を移動可能となっている。
第2溶銑搬送クレーン52は、第1溶銑搬送クレーン51と同様の構成を有するので説明を省略する。
スクラップ搬送クレーン53は、スクラップシュートeをハンドリングすることによってスクラップを搬送するものであって、図3に示す如く、クレーンライン5上を移動するクレーン本体57と、該クレーン本体57に配備された複数(本実施の形態においては2基)の吊下げ装置58とを備えており、同時に複数(本実施の形態においては2基)のスクラップシュートeを搬送可能に構成されている。該スクラップ搬送クレーン53に搬送される複数のスクラップシュートeは、吊下げ装置58のワイヤ59が巻上げモータM1、M2によって巻き取られることによってそれぞれ独立して昇降し、クレーン本体57がクレーンライン5上を走行することによってクレーンライン5の両端部間を同時に移動可能となっている。
なお、図2に示す如く、該転炉設備1は、スクラップ搬送クレーン53が搬送可能な最大スクラップシュート搬送基数の2倍のスクラップシュートe及びシュートステーションSを備えており、本実施の形態においては、4基のスクラップシュートe及び4基のシュートステーションSを備えている。
上記転炉設備1は、以上の構成からなるものであるが、次に、クレーンライン5に対する他の設備の配置を説明する。説明の便宜上、クレーンライン5を各クレーン1基を収容可能な互いに等しい幅を有する8つの区間(0区〜7区)とスクラップ部4のステージ31上の区間(S区)に区切り、7区〜S区までの区間は省略する。
第1溶銑搬送クレーン51は、クレーンライン5上を0区から6区まで移動可能であり、第2溶銑搬送クレーン52は、クレーンライン5上を1区から7区まで移動可能である。また、スクラップ搬送クレーン53は、クレーンライン5上を4区からS区まで移動可能である。
また、1区に第1処理ステーション21が配置されると共に、2区に第2処理ステーション22が配置されている。これら第1及び第2ステーション21、22は、クレーンライン5下に払出しピット23を配置していると共に、該払出しピット23にオーバラップしない位置にテーブル27を配置している。
また、4区、5区、6区に対応する位置には、転炉部2の脱りん炉P、脱炭炉C、予備の転炉Yがそれぞれ配置されている。
また、3区は第2ステーション22と脱りん炉Pの間に設けられた空きスパンである。
また、S区にはスクラップ部4のステージ31が配置しており、4基のシュートステーションSがクレーンライン5下に位置している。
続いて、本実施の形態の転炉設備1の操業方法について、図5のガントチャートに沿って説明する。
図5のガントチャートにおいては、1区の第1処理ステーション21の払出しピット(以下、第1ピットという)23及びテーブル(以下、第1テーブルという)27、2区の第2処理ステーション22の払出しピット(以下、第2ピットという)23及びテーブル(以下、第2テーブルという)27、3区の空きスパン、4区の脱りん炉前及び脱りん炉P、5区の脱炭炉C及びS区のスクラップ部4のステージ31の1分ごとのタイムスケジュールを示しており、各場所での作業工程は、当該作業工程に費やした時間を示すバーで示されている。
また、折線L1が第1溶銑搬送クレーン51の動きを示し、折線L2が第2溶銑搬送クレーン52の動きを示し、L3がスクラップ搬送クレーン53の動きを示している。また、矢印は各払出しピット23に払い出された溶銑の搬送ルートを示している。
また、当該転炉設備1に溶銑が搬送され、該溶銑とスクラップの混合物に脱りん処理及び脱炭処理を施して溶鋼を形成し、該溶銑を転炉設備1から搬送するまでの工程を1吹錬工程とし、本実施の形態のN回目の吹錬工程を現吹錬工程、該現吹錬工程の前の吹錬工程を前吹錬工程、前吹錬工程の前の吹錬工程を前々吹錬工程、前々吹錬工程の前の吹錬工程を前々々吹錬工程とする。
また、図中に示す如く、各転炉において、スクラップ装入→溶銑装入→吹錬→調質→出鋼→排滓までの工程を1転炉サイクルとする。ここで、脱りん炉の吹錬工程は脱りん処理工程であって、脱炭炉の吹錬工程は脱炭処理工程であり、脱りん炉の転炉サイクルを脱りんサイクルCPとし、脱炭炉の転炉サイクルを脱炭サイクルCCとする。
また、スクラップ搬送クレーン53の動きに着目し、脱りん炉P及び脱炭炉Cにスクラップを装入した後ステージ31に戻り、再び脱りん炉前に戻るまでの工程を1クレーンサイクルCSとする。
上記転炉設備1の操業を時点Aから追いかけていくと、先ず、第1ピット23に溶銑が装入された取鍋bが配置されており、該取鍋bを第1溶銑搬送クレーン51によって吊り上げ、第1テーブル27まで搬送する。その後、該取鍋bに装入された溶銑に脱硫処理に引き続いて除滓処理を施す一方、第1溶銑搬送クレーン51を第2処理ステーション22の第2テーブルに移動させ、脱硫処理及び除滓処理を完了した前吹錬工程の溶銑を装入した取鍋bを吊り上げる。
このころ、脱りん炉Pにて前々吹錬工程の溶銑の脱りん処理が終了しており、該脱りん炉P内の溶銑は取鍋bに出銑される。そして、該脱りん処理が終了するころ、スクラップシュートeを吊り下げたスクラップ搬送クレーン53をスクラップ部4から転炉部2に向けて移動させる。ここで、該スクラップ搬送クレーン53は、2基の吊下げ装置58の何れにもスクラップを積み込んだスクラップシュートeを吊り下げている。
そして、該スクラップ搬送クレーン53を脱りん炉P前に移動させて脱りん炉Pに一方のスクラップシュートeを対向させ、該スクラップシュートeを傾動させてスクラップを脱りん炉Pに装入する。このとき、該スクラップ搬送クレーン53との差し合いを回避すべく、第2溶銑搬送クレーン52は3区の空きスパンに移動している。
その後、脱りん炉Pにスクラップを装入したスクラップ搬送クレーン53を速やかに脱りん炉P前から脱炭炉Cよりもステージ側に移動させると共に、第2溶銑搬送クレーン52を脱炭炉Cまで移動させ、これによって脱りん炉P前の4区を空にする。
そして、該空になった脱りん炉P前に、予備処理を終えた前吹錬工程の溶銑を装入した取鍋bを第1溶銑搬送クレーン51によって搬送し、該溶銑を脱りん炉Pに装入する。これによって、脱りん炉Pに溶銑とスクラップとが装入されることとなり、脱りん炉Pにて前吹錬工程の脱りん処理が開始される。
このころ、脱りん炉Pから出銑されて搬送台車14上の取鍋bに装入された前々吹錬工程の溶銑は、図4に示す如く、該搬送台車14が返送レール13上を移動することにより脱りん炉P前に移動することとなる。
このとき、図5に示す如く、第1溶銑搬送クレーン51は空となった取鍋bを吊り下げた状態で第1ピット23まで移動し、該第1ピット23の搬送台車26上に該取鍋bを載置する。
また、このとき、第2溶銑搬送クレーン52を脱りん炉前の4区に移動させ、図4に示す如く、該第2溶銑搬送クレーン52によって前々吹錬工程の溶銑を装入している取鍋bを吊り上げる。
このころ、脱炭炉Cは、前々々吹錬工程の溶銑の脱炭処理を終了しており、該脱炭炉Cの溶鋼は取鍋bに出鋼され、該取鍋bは搬送台車14によって転炉設備1から搬出される。そして、該脱炭処理が終了する頃、スクラップ搬送クレーン53を脱炭炉Cに向かって移動させる。ここで、該スクラップ搬送クレーン53は、前記一方のスクラップシュートeは空シュートである一方、他方のスクラップシュートeにはスクラップが積み込まれており、該他方のスクラップシュートeを脱炭炉Cに向けて傾動させることにより、該スクラップシュートeのスクラップを脱炭炉Cに装入する。
その後、該スクラップ搬送クレーン53を速やかにステージ31に向けて移動させる。そして、該ステージ31にて空となった両スクラップシュートeを各シュートステーションSに載置し、その後にスクラップを積み込んだ状態でシュートステーションSに待機している2基のスクラップシュートeを吊り上げる。
ところで、シュートステーションSに待機している2基のスクラップシュートeへのスクラップの積み込みは、スクラップ搬送クレーン53が2基のスクラップシュートeを搬送してクレーンサイクルCSを消化してる間に行われており、図2に示す如く、シュートステーションSにて搬送台車34上に載置された空のスクラップシュートeは該搬送台車34によって速やかにステージ31からスクラップヤード32に移動し、該スクラップヤード32にてリフティングマグネット35によってスクラップがスクラップシュートeに積み込まれるのである。
そして、予定量だけスクラップが積み込まれた後、スクラップシュートeは再びスクラップヤード32からステージ31のシュートステーションSに移動する。このスクラップヤード32でのスクラップの積み込み工程の作業時間は、上述のクレーンサイクルCSよりも短い時間で行われることはもちろんである。
前記スクラップ搬送クレーン53を脱炭炉Cから退けた後、図4に示す如く、脱りん炉P前の4区にて取鍋bを吊り下げた第2溶銑搬送クレーン52を脱炭炉Cの5区まで移動させる。そして、該取鍋bを傾動させることにより、該取鍋b内の溶銑を脱炭炉Cに装入する。これによって、脱炭炉Cに溶銑とスクラップが装入されることとなり、脱炭炉C内にて前々吹錬工程の脱炭処理が開始されることとなる。
その後、空となった取鍋bを吊り下げた第2溶銑搬送クレーン52を速やかに脱りん炉前まで移動させ、該脱りん炉前にて搬送台車14上に取鍋bを載置する。この後、脱りん炉Pにて脱りん処理が施されている前吹錬工程の溶銑を該取鍋bによって受けるべく、該搬送台車14を返送レール13に沿って脱りん炉Pの出銑側まで移動させる。
このころ、第1ピット23の搬送台車26上に該取鍋bを載置した第1溶銑搬送クレーン51を第2処理ステーション22まで移動させ、該第1溶銑搬送クレーン51によって第2ピット23にて混銑車11からの溶銑が装入された取鍋bをテーブル27まで搬送する。
そのころ、前記第1処理ステーション21の第1テーブル27に載置された現吹錬工程の溶銑の脱硫処理及び除滓処理が完了することとなり、これに応じて第1溶銑搬送クレーン51を第1テーブルの1区に移動させ、第1溶銑搬送クレーン51によって現吹錬工程の溶銑が装入された取鍋bを脱りん炉Pまで搬送する。
この直前に、前吹錬工程の溶銑は脱りん炉Pにて脱りん処理が完了して取鍋bに出銑されており、空となった脱りん炉Pにスクラップ搬送クレーン53によって搬送されたスクラップシュートe内のスクラップを装入する等、その後の工程は上述の如くである。
本実施の形態においては、効率よく又効果的にスクラップを溶銑に配合すべく、脱りん炉Pと脱炭炉Cの両方にスクラップが装入される。
また、本実施の形態の吹錬工程においては、脱りん炉Pにて脱りん処理を終えた溶銑を脱炭炉Cに装入し、該脱炭炉Cにて該溶銑の脱炭処理が施されるため、脱りん炉Pから出銑された溶銑を脱炭炉Cに装入する時間だけ脱炭炉Cの処理開始時間が脱りん炉Pの処理開始時間よりも遅れて開始される。本実施の形態においては、同一吹錬工程の脱りん炉Pと脱炭炉Cの処理開始時間のずれは28分程度となっている。
このため、脱りん炉Pでの現吹錬工程の脱りん処理に並行して脱炭炉Cでは前吹錬工程の脱炭処理が施されることとなるのである。本実施の形態においては、図5に示す如く、現吹錬工程の脱りんサイクルCPよりも6分遅れて前吹錬工程の脱炭サイクルCSが開始されている。
ここで、脱りん炉Pを間断なく連続して稼働させると共に脱炭炉Cを間断なく連続して稼働させるには、現吹錬工程の脱りんサイクルCPを終える間に現吹錬工程の脱りんサイクルCPが始まる前の脱りん炉P及び前吹錬工程の脱炭サイクルCCが始まる前の脱炭炉Cにそれぞれスクラップを装入し、さらに次吹錬工程の脱りんサイクルCPが始まる前に新たなスクラップを積み込んだスクラップシュートeを脱りん炉前に位置させなければならない。
つまり、従来のスクラップ搬送クレーンによって1基のスクラップシュートのみを搬送するスクラップ装入方法によれば、1脱りんサイクルCPが終了する前に、スクラップ搬送クレーンを脱りん炉P→ステージ31→脱炭炉C→ステージ31→脱りん炉Pと移動させなければならず、スクラップ搬送クレーンが転炉部2とスクラップ部4の間を2往復することとなり、脱りん炉Pの脱りんサイクルCP及び脱炭炉Cの脱炭サイクルCCよりもクレーンサイクルCSが長くなってしまう虞がある。
これに対し、本実施の形態によれば、スクラップ搬送クレーン53は同時に2基のスクラップシュートeを搬送するので、脱りん炉Pに一方のスクラップシュートeのスクラップを装入した後、ステージ31に戻ることなく引き続き脱炭炉Cに他方のスクラップシュートeのスクラップを装入することができる。
即ち、該スクラップ搬送クレーン53においては、脱りん炉P→脱炭炉C→ステージ31→脱りん炉Pと移動すれば良く、1クレーンサイクルCS内でのスクラップ搬送クレーン53の移動距離の短小化が図られると共に、クレーンサイクルCSのサイクルタイムがステージ31転炉部2の間を1往復する分だけ短縮化されるのである。
この結果、脱りん炉Pにスクラップを装入する時間と脱炭炉Cにスクラップを装入する時間とが近接している場合にも余裕を持って脱りん炉P及び脱炭炉Cにスクラップを装入することができ、脱りんサイクルCPを間断なく繰り返す脱りん炉Pの連続稼働及び脱炭サイクルCCを間断なく繰り返しす脱炭炉Cの連続稼働がクレーンサイクルCSによって中断される又は遅延してしまう虞はなく、これら脱りん炉P及び脱炭炉Cを連続的に稼働させて溶鋼の生産性を向上させることができる。
一方、本実施の形態においては、脱炭炉Cにスクラップを装入した後、次に脱りん炉Pにスクラップを装入するまでには十分な時間(13分)が確保されることとなるので、スクラップ搬送クレーン53を転炉部2からスクラップ部4のステージ31まで移動し、2基の空のスクラップシュートeをスクラップが積み込まれた2基のスクラップシュートeに取り替え、これらスクラップシュートを転炉部2に搬送するまでの工程を余裕を持って行うことができ、かかる観点からみても、脱りん炉P及び脱炭炉Cの連続操業を中断させることなく、効率よくスクラップを転炉部2に向けて搬送することができる。
本実施の形態の有効性を確認すべく、本実施の形態と比較例の転炉サイクルとスクラップ装入サイクルとを計測し、その結果を図6に示している。
図6において、ケースIは比較例を、ケースIIは本実施の形態を示している。
比較例を示すケースIにおいては、図中の概念図の欄に示す如く、2基の転炉T1、T2と、2基のシュートステーションS1、S2と、2基のスクラップシュートe1、e2と、1基の溶銑搬送クレーン51と、1基のスクラップ搬送クレーン63とを備え、該スクラップ搬送クレーン63は、1度に1基のスクラップシュートのみを搬送可能に構成されている。
また、本実施の形態を示すケースIIにおいては、1基の脱りん炉Pと、1基の脱炭炉Cと、4基のシュートステーションS1〜S4と、4基のスクラップシュートe1〜e4と、1基の溶銑搬送クレーン51と、1基のスクラップ搬送クレーン53とを備え、該スクラップ搬送クレーン53は、1度に2基のスクラップシュートを搬送可能に構成されている。また、残りの2基のスクラップシュートは、各シュートステーションにてスクラップを積み込んだ状態で待機している。また、ケースIIにおいては、図5に示す如く、溶銑とスクラップの混合物は脱りん炉Pにて脱りん処理が施された後に脱炭炉Cに移し替えられ、該脱炭炉Cにて脱炭処理が施される。
なお、図6中の「転炉サイクル」とは、転炉1基の溶銑とスクラップの混合物を処理する工程及び該工程に要する時間とその合計時間を示している。また、「スクラップ装入サイクル」とは、スクラップ搬送クレーン1基によって搬送されるスクラップシュートによって2基の転炉にスクラップを装入する工程及び該工程に要する時間とその合計時間を示している。
図6に示す如く、ケースIにおいて、転炉T1又は転炉T2の1転炉サイクルは、スクラップ装入工程(2分)→溶銑装入工程(2分)→吹錬工程(11分)→調質工程(1分)→出鋼工程(5分)→排滓工程(1分)→その他(0分)の各工程を経ることによって完了し、その所要時間はそれぞれ22分である。
これに対し、ケースIにおいて、スクラップ装入サイクルは、スクラップ装入工程(2分)→転炉T1〜シュートステーションS1間のスクラップ搬送クレーン98移動工程(2分)→空シュートe1降ろし工程(1分)→空シュートe1を載置したシュートステーションS1上〜実入りシュートe2を載置したシュートステーションS2上への移動工程(1分)→実入りシュートe2吊上げ工程(2分)→シュートステーションS2〜転炉T2間のスクラップ搬送クレーン98移動工程(2分)の各工程を経ることによって完了し、その所要時間は11分である。
しかし、2基の転炉T1、T2それぞれにスクラップを装入するためには、2スクラップ装入サイクルを消化する必要があり、その所要時間は合計で22分となる。
すなわち、ケースIにおいては、1転炉サイクルと2スクラップ装入サイクルの所要時間が同じとなる。このため、他方の転炉T2の転炉サイクルを一方の転炉T1の転炉サイクルよりも11分(1転炉サイクルの半分)だけ遅らせ、一方の転炉T1の転炉サイクルが完了する間に2スクラップ装入サイクルを完了させることにより、2基の転炉T1、T2及び1基のスクラップ搬送クレーン53が互いの工程を待つことなく2基の転炉を連続稼働させることができる。しかし、例えば転炉T1、T2の生産性が向上して転炉サイクルが短くなると、転炉T1、T2の処理能力が向上するにも拘わらず、1転炉サイクルを消化する前に2スクラップ装入サイクルを消化させなければならないということが制約となり、これによって設備全体での生産性を向上させることができない。
一方、ケースIIにおいて、転炉の1転炉サイクルは、脱りん炉P及び脱炭炉C共にスクラップ装入工程(2分)→溶銑装入工程(2分)→吹錬工程(11分)→調質工程(1分)→出鋼工程(5分)→排滓工程(1分)→その他(0分)の各工程を経ることによって完了し、その所要時間は22分である。
ここで、本実施の形態においては、図5のガントチャートに示す如く、現吹錬工程の脱りんサイクルCPと前吹錬工程の脱炭サイクルCCとが6分ずれている。
これに対し、図6に示す如く、ケースIIのスクラップ装入サイクルは、脱りん炉Pへのスクラップ装入工程(2分)→脱りん炉P〜脱炭炉C間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(1分)→脱炭炉Cの処理開始時間待ち(4分)→脱炭炉Cへのスクラップ装入工程(2分)→脱炭炉C〜シュートステーションS1及びS2間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)→空シュートe1、e2降ろし工程(2分)→空シュートe1、e2を載置したシュートステーションS1、S2上〜実入りシュートe3、e4を載置したシュートステーションS3、S4上への移動工程(1分)→実入りシュートe3、e4吊上げ工程(2分)→シュートステーションS3、S4〜脱りん炉Pのスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)の各工程を経ることによって完了し、その所要時間は18分である。
これによれば、1スクラップ装入サイクルの間に2つの転炉にスクラップを装入することが可能であるばかりでなく、該1スクラップ装入サイクルが1転炉サイクルよりも短い。このため、図5の如く脱りん炉Pへのスクラップ装入工程と脱炭炉Cへのスクラップ装入工程との時間間隔が6分と短いものであっても、脱りん炉Pの脱りんサイクルCP及び脱炭炉Cの脱炭サイクルCCを遅延させることなく脱りん炉P及び脱炭炉Cにスクラップを装入することができる。
また、ケースIIにおいて、スクラップ装入サイクルは、脱炭炉Cの処理開始時間待ちの4分を含めて18分であるので、転炉の生産性が向上して転炉サイクルが短縮され、これによって脱りん炉Pへのスクラップ装入工程と脱炭炉Cへのスクラップ装入工程との時間間隔が6分よりもさらに短いものとなっても、各転炉の転炉サイクルを遅延させることなく確実に各転炉にスクラップを装入することができる。
即ち、ケースIIにおいては、脱りん炉Pと脱炭炉Cの2基の転炉にスクラップを装入するスクラップ装入サイクルが1転炉サイクルよりも短いものとなるため、各転炉にスクラップを装入するために各転炉の操業が待たされることはなく、各転炉を間断なく連続して稼働させることができる。したがって、転炉設備1の生産能力は、スクラップ装入能力ではなく転炉の処理能力を反映したものとなり、転炉の生産性の向上を図ることにより、転炉設備1全体の生産能力が図られ、各転炉へのスクラップの装入によって転炉設備1全体の生産能力が低下する虞はない。
なお、ケースIIにおいては、スクラップ搬送クレーン53が隣接する2基のシュートステーションS1、S2に同時にスクラップシュートe1、e2を載置することができると共に、隣接する2基のシュートステーションS3、S4に載置された2基のスクラップシュートe3、e4を同時に吊り上げることができるようにシュートステーションS1〜S4間のの間隔が構成されている。
そこで、ケースIIαは、ケースIIと同一の転炉設備において、スクラップ搬送クレーン53によってスクラップシュートeを1基ずつ吊り下げ又は吊り上げる場合について示している。
ケースIIαのスクラップ装入サイクルは、脱りん炉Pへのスクラップ装入工程(2分)→脱りん炉P〜脱炭炉C間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(1分)→脱炭炉Cの処理開始時間待ち(4分)→脱炭炉Cへのスクラップ装入工程(2分)→脱炭炉C〜シュートステーションS1間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)→空シュートe1降ろし工程(2分)→空シュートe1を載置したシュートステーションS1上〜シュートステーションS2上に移動し、空シュートe2を降ろす工程(2分)→空シュートe2を載置したシュートステーションS2上〜実入りシュートe3を載置したシュートステーションS3上への移動工程(1分)→実入りシュートe3吊上げ工程(2分)→シュートステーションS3上〜シュートステーションS4上に移動し、実入りシュートe4を吊上げる工程(2分)→シュートステーションS4〜脱りん炉Cのスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)の各工程を経ることによって完了し、その合計時間は22分である。
ケースIIαにおいても、該1スクラップ装入サイクルが1転炉サイクルよりもと同じであるが、1度に2基の実入りシュートを転炉に搬送しているため、脱りん炉Pへのスクラップ装入工程と脱炭炉Cへのスクラップ装入工程との時間間隔が短いものであっても、脱りん炉Pの脱りんサイクルCP及び脱炭炉Cの脱炭サイクルCCを遅延させることなく確実に各転炉にスクラップを装入することができる。
図7は、ケースIII、ケースIV及びケースIVαで示される本実施の他の形態のスクラップ装入サイクルを示している。
ケースIIIにおいては、概念図に示す如く、2基の転炉T1、T2と、3基のシュートステーションS1〜S3と、4基のスクラップシュートe1〜e4と、1基の溶銑搬送クレーン51と、1基のスクラップ搬送クレーン53とを備えており、該スクラップ装入クレーン53はケースIIのものと同一である。
該ケースIIIのスクラップ装入サイクルは、転炉T1へのスクラップ装入工程(2分)→転炉T1〜転炉T2間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(1分)→転炉T2へのスクラップ装入工程(2分)→転炉T2〜シュートステーションS1間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)→空シュートe1降ろし工程(2分)→空シュートe1を載置したシュートステーションS1〜実入りシュートe3を載置しているシュートステーションS2間への移動工程(1分)→実入りシュートe3吊上げ工程(2分)→空シュートe2を当該シュートステーションS2に対向させる工程(1分)→シュートステーションS2に空シュートe2を降ろす工程(2分)→シュートステーションS2上〜実入りシュートe4を載置しているシュートステーションS3上への移動工程(1分)→実入りシュートe4吊上げ工程(2分)→シュートステーションS3〜転炉T1間のスクラップ搬送クレーン53移動工程(2分)の各工程を経ることによって完了し、その合計時間は20分である。
したがって、ケースIIIにおいても、転炉の転炉サイクル(22分)を遅延させることなく各転炉にスクラップを装入することができる。
また、ケースIVにおいては、概念図に示す如く、2基の転炉T1、T2と、4基のシュートステーションS1〜S4と、4基のスクラップシュートe1〜e4と、1基の溶銑搬送クレーンと、ケースIIと同一の1基のスクラップ搬送クレーン53とを備えた構成を示している。
なお、ケースIVにおいては、スクラップ搬送クレーン53が隣接する2基のシュートステーションS1、S2に同時にスクラップシュートe1、e2を載置することができると共に、隣接する2基のシュートステーションS3、S4に載置された2基のスクラップシュートe3、e4を同時に吊り上げることができるように各シュートステーションS間の間隔が構成されている。
該ケースIVにおいても、図中に示す如くスクラップ装入サイクルは14分である。
また、ケースIVαは、ケースIVと同一の転炉設備において、スクラップ搬送クレーン53によってスクラップシュートSを1基ずつ吊り下げ又は吊り上げる場合について示しており、該ケースIVαにおいても、図中に示す如くスクラップ装入サイクルは18分である。
したがって、ケースIV及びケースIVαの場合においても、転炉の転炉サイクル(22分)を遅延させることなく確実に各転炉にスクラップを装入することができる。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば処理ステーションは、払出しピット23をのみを備えたものであっても良く、払出しピット23を脱硫設備24とを備えたものであっても、払出しピット23と除滓設備25とを備えたものであっても、除滓設備25と脱硫設備24とを備えたものであっても構わず、かかるステーションにて施すことのできない溶銑予備処理は、該ステーションに溶銑が搬送される以前に施されている。
また、溶銑搬送クレーン及び転炉の基数は、本実施の形態よりも多い基数を採用することも可能であり、それに伴ってスクラップシュートeの基数及びスクラップ搬送クレーン53の最大スクラップシュート搬送可能基数を増やした構成としても、本実施の形態と同様の効果を有する。
本実施の形態の転炉設備の正面図である。 転炉設備の平面図である。 スクラップ搬送クレーン及びスクラップシュートを示す図である。 溶銑の返送ルートを示す側面図である。 本実施の形態の転炉設備のガントチャートである。 本実施の形態と比較例の転炉サイクル及びスクラップ装入サイクルを示す表である。 他の本実施の形態の転炉サイクル及びスクラップ装入サイクルを示す表である。 従来の転炉設備の平面図である。
1 転炉設備
2 転炉部
3 溶銑予備処理部
4 スクラップ部
11 混銑車
21 第1ステーション
22 第2ステーション
23 払出しピット
24 脱硫設備
25 除滓設備
31 ステージ
32 スクラップヤード
51 第1溶銑搬送クレーン
52 第2溶銑搬送クレーン
53 スクラップ搬送クレーン
58 吊下げ装置
C 脱炭炉
P 脱りん炉
S シュートステーション
b 取鍋
e スクラップシュート

Claims (2)

  1. スクラップシュートを載置しておくシュートステーションにスクラップを積み込んだスクラップシュートを載置し、該スクラップシュートをスクラップ搬送クレーンによって前記シュートステーションから複数の転炉まで搬送し、該複数の転炉の何れかにスクラップシュート内のスクラップを装入する転炉設備のスクラップ装入方法であって、
    前記転炉設備として、互いに隣接した状態で配備される複数の転炉を有する転炉部と、前記転炉部の一側方に配備される溶銑予備処理部と、前記転炉部の他側方に配備されたスクラップ部と、前記転炉部の前上方を通過して前記溶銑予備処理部と前記スクラップ部の間を伸びるクレーンラインと、溶銑を装入可能な複数の取鍋と、スクラップを積み込み可能であって該スクラップを前記複数の転炉に装入するための複数のスクラップシュートと、を設けた上で、
    前記スクラップ搬送クレーンによって一度に搬送可能な最大スクラップシュート搬送基数の少なくとも2倍の基数のスクラップシュートと、該スクラップシュートと少なくとも同基数のシュートステーションとを設け、
    前記最大スクラップシュート搬送基数と同数のスクラップシュートをスクラップ搬送クレーンによって同時に搬送し、残りのスクラップシュートを前記シュートステーションに載置し、
    各スクラップシュート内のスクラップをそれぞれ異なる転炉に装入することを特徴とする転炉設備のスクラップ装入方法。
  2. 前記スクラップを装入する前記複数の転炉の内、少なくとも1基が脱りん炉であって、少なくとも他の1基が該脱りん炉から出銑された溶銑を装入する脱炭炉であることを特徴とする請求項1に記載の転炉設備のスクラップ装入方法。
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