JP6066858B2 - 1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法 - Google Patents

1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法 Download PDF

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Description

本発明は、1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法に関する。
周知の通り、高炉等から出銑された溶銑は、混銑車や溶銑鍋に装入され溶銑の処理を行う処理工場(処理設備)に運搬される。処理工場では、例えば、溶銑の脱硫処理、脱りん処理、脱炭処理などが行われている。脱硫処理、脱りん処理、脱炭処理などは、それぞれ異なる場所で行われるため、各処理間では、溶銑鍋に溶銑を装入して運搬されるのが一般的である。溶銑鍋の運搬効率を向上させる技術として特許文献1に示すものがある。
特許文献1では、転炉から受銑した溶銑鍋を吊上げて別の転炉まで搬送するクレーンを1基と、溶銑を受銑する溶銑鍋とを配備し、転炉の下方に運搬台車専用の走行レールを敷設して、溶銑鍋を所定の場所に運搬すると共に、空の溶銑鍋をクレーンから受け取って運搬台車に搭載するものが開示されている。
特開2002−256321号公報
さて、近年、生産量を向上させたり、生産コストを低減させるという要望が一層高まってきており、これらに対応するため、設備の増設が必要となってきている。例えば、脱りん処理を行う脱りん炉を備えた溶銑処理工場と、主に溶鋼の処理を行う転炉工場とを別々の建屋で建設して生産性を向上させようという試みがなされている。このような場合、転炉工場で脱りん処理した溶銑が装入された溶銑鍋を別棟の転炉工場に運搬することが必要になる。
特許文献1に示すように同一棟での溶銑鍋の運搬方法はあるものの、別棟に溶銑鍋を効率よく運搬する方法は未だ確立されておらず、新たに溶銑の運搬方法を構築する必要がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、脱りん炉を備えた溶銑処理工場と転炉工場が別棟の建屋にある場合でも溶銑鍋の運搬の効率を向上させて脱りん炉の生産阻害を発生させることが無いようにする1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明にかかる1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法では、1基の脱りん炉が配備された溶銑処理工場と、転炉が配備された転炉工場とが別棟とされた製鋼工場であって、
前記溶銑処理工場は、脱りん処理後の溶銑を出湯する出湯ステーションと、少なくとも溶銑が装入された実鍋の受け渡しを行う受け渡しステーションと、前記溶銑処理工場と前記転炉工場との間を移動する運搬台車が発着する第1発着ステーションと、前記出湯ステーションと受け渡しステーションとの間を移動可能な受湯台車と、前記受け渡しステーションと前記第1発着ステーションとの間を移動可能な脱りん炉出湯側クレーンとを備え、
前記転炉工場は、転炉に溶銑を装入する装入ステーションと、前記運搬台車が発着する第2発着ステーションと、前記装入ステーションと第2発着ステーションとの間を移動可能な脱炭炉側クレーンとを備えるものとし、
前記溶銑処理工場での処理として、
前記脱りん処理後、実鍋を搭載した受湯台車を出湯ステーションから受け渡しステーションに向けて移動するステップと、
前記受湯台車が受け渡しステーションに到着後、受湯台車に搭載された実鍋を受け渡しステーションに位置する脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げるステップと、
前記実鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンを前記受け渡しステーションから第1発着ステーションに移動するステップと、
前記脱りん炉出湯側クレーンが第1発着ステーションに到着後、脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げた実鍋を前記第1発着ステーションに到着している運搬台車に前記第1発着ステーションにて据え付けるステップと、
前記実鍋を運搬台車に据え付け後、当該運搬台車に搭載した空鍋を脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げるステップと、
前記空鍋を吊り上げ後、前記運搬台車を前記第2発着ステーションに向けて移動するステップと、
前記空鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンを第1発着ステーションから受け渡しステーションに向けて移動するステップと、
前記空鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンが受け渡しステーションに到着後、脱りん炉出湯側クレーンによって空鍋を受湯台車に据え付けるステップと、
前記空鍋を搭載した受湯台車を受け渡しステーションから出湯ステーションに移動するステップと、
前記空鍋を搭載した受湯台車が到着後、空鍋に脱りん炉で脱りん処理された溶銑を出湯するステップと、
を備えていて、
前記転炉工場での処理として、
前記装入ステーションにて溶銑を装入することで空になった空鍋を吊り上げた脱炭炉側クレーンを、当該装入ステーションから第2発着ステーションに移動するステップと、
前記運搬台車及び脱炭炉側クレーンが前記第2発着ステーションに到着後、吊り上げた空鍋を運搬台車に据え付けるステップと、
前記空鍋を運搬台車に据え付け後、当該運搬台車に搭載した実鍋を脱炭炉側クレーンによって吊り上げるステップと、
前記脱炭炉側クレーンが実鍋を吊り上げ後、当該脱炭炉側クレーンを前記装入ステーションに向けて移動するステップと、
前記脱炭炉側クレーンが実鍋を吊り上げ後、前記運搬台車を前記第1発着ステーションに向けて移動するステップと、
前記脱炭炉側クレーンが前記装入ステーションに到着後、実鍋内の溶銑を転炉に装入するステップと、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、脱りん炉を備えた溶銑処理工場と転炉工場が別棟の工場にある場合でも溶銑鍋の運搬の効率を向上させて脱りん炉の生産阻害を発生させることが無く、生産性を維持しつつ効率良く運搬することができる。
製鋼工場の模式図である。 溶銑処理工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である(その1)。 溶銑処理工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である(その2)。 溶銑処理工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である(その3)。 溶銑処理工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である(その4)。 溶銑処理工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である(その5)。 転炉工場における脱りん炉の炉裏側の操業を示す図である。 実施例1のガントチャートを示す図である。 比較例1のガントチャートを示す図である。 実施例2のガントチャートを示す図である。 比較例2のガントチャートを示す図である。 実施例3のガントチャートを示す図である。 比較例3のガントチャートを示す図である。 実施例4のガントチャートを示す図である。 比較例4のガントチャートを示す図である。 実施例5のガントチャートを示す図である。 比較例5のガントチャートを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法について図面に基づき説明する。以下の説明において、説明の便宜上、溶銑が装入された溶銑鍋のことを「実鍋」といい、溶銑が装入されていない空の溶銑鍋のことを「空鍋」という。
まず、溶銑処理工場と転炉工場とを備えた製鋼工場について説明する。
図1に示すように、製鋼工場は、主に溶銑の処理を行う溶銑処理工場1と、主に溶鋼の処理を行う転炉工場2とを備えている。溶銑処理工場1と転炉工場2とは別々の棟(別々の建屋)から構成され、溶銑処理工場1と転炉工場2とは互いに離れた場所に設置されている。溶銑処理工場1と転炉工場2との間には両工場を繋ぐ軌道3が敷設され、軌道3上を溶銑鍋等を運搬する運搬台車4が走行(移動)することができるようになっている。
溶銑処理工場1には、脱りん処理を行う転炉型の脱りん炉10が配備され、転炉工場2には、脱炭処理を行う転炉11が配備されている。
つまり、本発明では、脱りん炉10が配備された溶銑処理工場1と、転炉11が配備された転炉工場2とが別棟(別建屋)であることが前提とし、溶銑処理工場1で処理した溶銑を、運搬台車4を介して転炉工場2に運搬することとされている。
なお、一般的に、脱りん炉と転炉とが同一棟(同一建屋)の場合があるが、敷地面積等の制約で、脱りん炉や転炉を同一棟に建設できない場合がある。本発明は、このような場合でも、溶銑処理工場1と転炉工場2との間における溶銑や溶鋼の運搬効率を低下させないような、工場レイアウト及び操業に特徴がある。
以下、溶銑処理工場1及び転炉工場2の構成について詳しく説明する。
[溶銑処理工場]
溶銑処理工場1には、脱りん炉10の炉前側(溶銑装入側)に、複数の払い出しステーション12と、複数の脱硫ステーション13とが配備されている。なお、溶銑処理工場1には、溶銑上のスラグ等を除滓する除滓ステーション(図示省略)が配備さている。
払い出しステーション12は、例えば、高炉から出銑した溶銑を運搬する混銑車14内の溶銑を、溶銑鍋15に装入する場所であって、この実施形態では、2つの払い出しステーション12が配備されている。払い出しステーション12には、高炉から延設された軌道26が敷設されており、当該払い出しステーション12には、高炉側から移動してきた混銑車14が到着する。
脱硫ステーション13は、払い出しステーション12で溶銑鍋15に払い出された溶銑に対して脱硫処理を行う場所であって、この実施形態では、払い出しステーション12の下流側に2つ設置されている。脱硫ステーション13では、例えば、溶銑が装入された溶銑鍋15内に、溶銑を撹拌するインペラを挿入し、インペラを回転させて溶銑を撹拌しながら脱硫材を当該溶銑に供給することにより、溶銑の脱硫を行うことができる(KR脱硫処理)。
また、溶銑処理工場1には、脱りん炉10の溶銑装入側から払い出しステーション12等に亘って移動可能な脱りん装入側クレーン17と、スクラップヤード18と脱りん炉10の溶銑装入側に亘って移動可能なスクラップ装入クレーン19とが配備されている。
これによれば、混銑車14内の溶銑を払い出しステーション12にて溶銑鍋15に払い出した後、溶銑鍋15を脱硫ステーション13や除滓ステーションに移動して溶銑の脱硫処理や除滓処理を行うことができる。また、脱硫処理及び除滓処理後の溶銑が装入された溶銑鍋15を脱りん装入側クレーン17にて脱りん炉10の炉前に移動させ、脱りん炉10に溶銑鍋15内の溶銑を装入することにより脱りん処理を行うことができる。
なお、スクラップ装入クレーン19によってスクラップヤード18に置かれたスクラップを脱りん炉10の炉前に運搬することにより、当該スクラップを脱りん炉10に装入することもできる。
さて、図1〜6に示すように、脱りん炉10の炉裏(溶銑出湯側)には、脱りん処理後の溶銑を出湯する出湯ステーション20が配備されている。出湯ステーション20では、当該出湯ステーション20に空鍋15Aを搭載した受湯台車21を停止させ、この受湯台車21上の空鍋15Aに受湯することにより、脱りん処理後の溶銑を払い出す場所である。ここで、溶銑の払い出し後、受湯台車21を転炉11(転炉工場2)まで移動させるとした場合、転炉11に向かった受湯台車21が出湯ステーション20に帰ってくるまで溶銑を出湯することができず、運搬効率(物流効率)が低下する。
そこで、本発明では、出湯ステーション20とは別に、受け渡しステーション22と、第1発着ステーション23とを配備したうえで、受け渡しステーション22と第1発着ステーション23との間に移動可能な脱りん炉出湯側クレーン24を配備すると共に、第1発着ステーション23に運搬台車4を発着できるようにすることで、溶銑の物流効率を向上させ、操業効率が低下することを防止している。
詳しくは、出湯ステーション20と受け渡しステーション22との間には、軌道16が敷設され、軌道16上を受湯台車21が走行(移動)する。この受湯台車21は、1つの溶銑鍋15(例えば、1つの実鍋或いは1つの空鍋15A)を搭載するもので、出湯ステーション20の実鍋15Bを受け渡しステーション22に運搬したり、受け渡しステーション22で受け取った空鍋15Aを出湯ステーション20に運搬する。
なお、転炉型の脱りん炉10では出湯孔が炉体の側面にあり、出湯ステーション20では、炉体を傾動して炉体内の溶銑を溶銑鍋15に出湯することになる。ここで、出湯開始時の脱りん炉10の傾動角度と、出湯終了時の脱りん炉10の傾動角度は異なり、溶銑を溶銑鍋15に装入することは大変である。受湯台車21に溶銑鍋15を搭載しておけば、出湯中の脱りん炉10の傾動角度に合わせて溶銑鍋15の位置を変えることができるため、受湯台車21上の溶銑鍋15で溶銑を受湯することが有効である。
受け渡しステーション22は、当該受け渡しステーション22に位置する脱りん炉出湯側クレーン24と脱りん炉10とが干渉しない程度に、脱りん炉10(出湯ステーション20)から離れて設置されている。この受け渡しステーション22は、受湯台車21に搭載された実鍋15Bを脱りん炉出湯側クレーン24に受け渡したり、脱りん炉出湯側クレーン24が吊っている空鍋15Aを受湯台車21に据え付ける場所である。即ち、受け渡しステーション22は、少なくとも溶銑が装入された実鍋15Bの受け渡しを行う場所である。
また、図1に示す如く、第1発着ステーション23は、受け渡しステーション22と並列していて、受け渡しステーション22よりも転炉工場2に近い側に設置されている。この実施形態では、脱りん炉10の炉裏であって出湯ステーション20のより手前側(例えば、南側)に受け渡しステーション22が設置され、受け渡しステーション22の右側(例えば、東側)に第1発着ステーション23が設置されている。
脱りん炉出湯側クレーン24は、受け渡しステーション22と第1発着ステーション23との間で実鍋15B或いは空鍋15Aを運搬するものである。ここで、脱りん炉出湯側クレーン24の設置基数を多くすると受け渡しステーション22と第1発着ステーション23との間での物流量を増加させることができるものの、この場合、溶銑処理工場1の基礎を強固にする必要があると共に、脱りん炉出湯側クレーン24の設置コストかかってしまう。また、脱りん炉出湯側クレーン24の設置基数を多くした場合、脱りん炉出湯側クレーン24を操作するオペレータ(運転手)が複数人必要になることから、この実施形態では、脱りん炉出湯側クレーン24は1基としている。また、1基の脱りん炉出湯側クレーン24では、1つの溶銑鍋15(1つの実鍋15B或いは1つの空鍋15A)を吊り上げたり、1つの溶銑鍋15を吊った状態で運搬することができる。
受け渡しステーション22は、受湯台車21に搭載された実鍋15Bを脱りん炉出湯側クレーン24に受け渡したり、脱りん炉出湯側クレーン24が吊っている空鍋15Aを受湯台車21に据え付ける場所である。即ち、受け渡しステーション22では、少なくとも溶銑が装入された実鍋15Bの受け渡しを行うことができる。
第1発着ステーション23は、溶銑処理工場1と溶銑処理工場1との間を移動する運搬台車4が発着する場所である。運搬台車4は、少なくとも2つの溶銑鍋15を搭載することができるもので、例えば、1つの実鍋15Bと1つの空鍋15Aを搭載することができる。運搬台車4は、機関車によって牽引されるものであっても、走行装置が搭載されて自力で移動するものであってもよい。このように、運搬台車4で運搬できる溶銑鍋15を2つにすることによって溶銑処理工場1と転炉工場2との間の溶銑鍋15の運搬におけるサイクルタイムを短縮することができる。
[転炉工場]
一方、転炉工場2には、溶銑の脱炭処理を行う転炉11が配備されている。溶銑処理工場1における転炉11の基数は、例えば、溶銑処理工場1から持ち込まれる溶銑量等によって定められている。例えば、脱りん炉10での吹錬時間(脱りん処理時間)に対して転炉11での吹錬時間(脱炭処理時間)が長く、脱りん炉10での生産に阻害を与える(例えば、生産性が低下するなど)場合は、転炉11の基数は2基とすることが望ましい。
また、脱りん炉10での脱りん処理時間に対して転炉11での脱炭処理時間が短く、脱りん炉10での生産に阻害を与えない場合は、転炉11の基数は1基でもよい。この実施形態では、稼働可能な転炉11の基数を2基とし、転炉11の炉修等も考慮してさらに転炉11の基数を1基加えて、合計3基としている。即ち、転炉工場2には、3基の転炉11が並列して設置されている。
各転炉11の炉前(溶銑装入側)には、溶銑を転炉11に装入するための装入ステーション30が配備されている。この実施形態には、それぞれの転炉11に対応して3つの装入ステーション30が設けられている。装入ステーション30に沿ってクレーンレール(図示省略)が設置され、クレーンレールに沿って脱炭炉側クレーン31(脱炭炉装入側クレーン)が移動することができるようになっている。
転炉工場2において、溶銑処理工場1に近い側には、運搬台車4が発着する第2発着ステーション32が配備されている。この第2発着ステーション32上には、上述したクレーンレールが延設されていて、第2発着ステーション32と各装入ステーション30との間を脱炭炉側クレーン31が移動することができるようになっている。ここで、脱炭炉側クレーン31の設置基数を多くすると物流量を増加させることができるが、転炉工場2の基礎を強固にする必要があると共に、脱炭炉側クレーン31の設置コストかかってしまう。また、脱炭炉側クレーン31の設置基数を多くした場合、脱炭炉側クレーン31を操作するオペレータが複数人必要になることから、この実施形態では、脱炭炉側クレーン31は1基としている。
また、1基の脱炭炉側クレーン31では、1つの溶銑鍋15(1つの実鍋15B或いは1つの空鍋15A)を吊り上げたり、1つの溶銑鍋15を吊った状態で運搬することができる。なお、溶銑処理工場1において、除滓処理を行ったり、第2発着ステーション32とは別のルートから溶銑を受け入れる場合等は、脱炭炉側クレーン31を2基としてもよい。
以上のように、溶銑処理工場1及び転炉工場2を構成することによって、溶銑処理工場1に配備した1基の脱りん炉10で脱りん処理した溶銑を、転炉工場2に運搬して当該転炉工場2にて脱炭処理を行うことができる。特に、本発明では、受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24、運搬台車4、脱炭炉側クレーン31を効率よく動かすことによって、溶銑の物流を向上させている。
[溶銑処理工場の操業]
次に、受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24、運搬台車4及び脱炭炉側クレーン31の動きを中心に溶銑処理工場1及び転炉工場2の操業について説明する。
図2〜6は、溶銑処理工場1における受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24及び運搬台車4の動作をまとめたものである。
図2(a)に示すように、脱りん処理が終了する直前では、空鍋15Aを搭載した受湯台車21が出湯ステーション20に位置しており、脱りん炉10からの溶銑を受湯する状態にある。脱りん炉10における脱りん処理が終了すると、出湯ステーション20に位置する受湯台車21の空鍋15Aに脱りん炉10の溶銑を払い出す。
そうすると、図2(b)に示すように、出湯ステーション20の空鍋15Aは実鍋15Bとなり、この実鍋15Bを搭載した受湯台車21は、出湯ステーション20から受け渡しステーション22に向けて移動する。即ち、溶銑の出湯後は、実鍋15Bを脱りん炉出湯側クレーン24で吊り上げる場所まで移動させる。そして、実鍋15Bを搭載した受湯台車21が受け渡しステーション22に向けて移動している頃、受け渡しステーション22には脱りん炉出湯側クレーン24が到着している。
図3(c)に示すように、実鍋15Bを搭載した受湯台車21が受け渡しステーション22に到着後、受湯台車21上の実鍋15Bを、受け渡しステーション22に位置している脱りん炉出湯側クレーン24によって吊り上げる。受湯台車21上の実鍋15Bを吊り上げた後は、当該受湯台車21上は空きスペース9となり、当該空きスペース9には空鍋15A等を搭載できるようになる。この受湯台車21は受け渡しステーション22に停止させたままにしておく。
図3(d)に示すように、実鍋15Bを吊り上げた後、実鍋15Bを吊った脱りん炉出湯側クレーン24を受け渡しステーション22から第1発着ステーション23に移動する。即ち、実鍋15Bを吊った脱りん炉出湯側クレーン24を、第1発着ステーション23に移動させる。なお、脱りん炉出湯側クレーン24が第1発着ステーション23に到着する頃までには、第1発着ステーション23には、空鍋15Aを搭載した運搬台車4が到着している。この運搬台車4には、後述するように実鍋を搭載するための空きスペース7がある。
図4(e)に示すように、脱りん炉出湯側クレーン24が第1発着ステーション23に到着後、脱りん炉出湯側クレーン24によって吊り上げた実鍋15Bを運搬台車4に据え付ける。即ち、脱りん炉出湯側クレーン24が、運搬台車4の空きスペース(溶銑鍋15が搭載されていない台車上)7上に到着した後、当該運搬台車4の空きスペース7に吊っていた実鍋15Bを据え付ける。
図4(f)に示すように、脱りん炉出湯側クレーン24によって実鍋15Bを運搬台車4に据え付け後、当該運搬台車4に搭載した空鍋15Aを脱りん炉出湯側クレーン24によって吊り上げる。即ち、実鍋15Bを運搬台車4の空きスペース7に据え付け後、脱りん炉出湯側クレーン24を空きスペース7に隣接する運搬台車4の空鍋搭載スペース8に移動させ、運搬台車4の空鍋搭載スペース8にある空鍋15Aを脱りん炉出湯側クレーン24によって吊り上げる。
図5(g)に示すように、脱りん炉出湯側クレーン24によって空鍋15Aを吊り上げ後、第1発着ステーション23に停車していた運搬台車4は、第2発着ステーション32に向けて移動する。また、脱りん炉出湯側クレーン24によって空鍋15Aを吊り上げ後、空鍋15Aを吊った脱りん炉出湯側クレーン24は第1発着ステーション23から受け渡しステーション22に向けて移動する。
図5(h)に示すように、空鍋15Aを吊り上げた脱りん炉出湯側クレーン24が受け渡しステーション22に到着後、脱りん炉出湯側クレーン24によって空鍋15Aを受湯台車21に据え付ける。即ち、図3(c)又は(d)の時点で受け渡しステーション22に停止させている受湯台車21において、当該受湯台車21の空きスペース9に、第1発着ステーション23(運搬台車4)から移動してきた空鍋15Aを脱りん炉出湯側クレーン24によって据え付ける。
図6(i)に示すように、空鍋15Aを受湯台車21に据え付け後、当該空鍋15Aを搭載した受湯台車21を受け渡しステーション22から出湯ステーション20に移動する。また、空鍋15Aを受湯台車21に据え付け後、受け渡しステーション22の脱りん炉出湯側クレーン24は停止させたままとする。
図6(j)に示すように、空鍋15Aを搭載した受湯台車21が出湯ステーション20に到着する頃、第1発着ステーション23を出発した運搬台車4は、転炉工場2にて空鍋15Aを搭載して再び第1発着ステーション23に戻ってきている。図6(j)は、図6(a)と同じ状態である。即ち、図6(a)〜図6(i)までが、受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24及び運搬台車4の溶銑処理工場1における1サイクルの操業であり、当該溶銑処理工場1では、上述した動作を受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24及び運搬台車4が繰り返し行う。
なお、溶銑処理工場1において、出湯ステーション20に位置する受湯台車21の空鍋15Aに脱りん炉10の溶銑を払い出している間に、第1発着ステーション23を出発した運搬台車4が、転炉工場2にて空鍋15Aを搭載して再び第1発着ステーション23に戻って来るようにしてもよい。
[転炉工場の操業]
図7は、転炉工場2における脱炭炉側クレーン31及び運搬台車4の動作をまとめたものである。
前述の図2〜図5の手順を踏むことで実鍋15Bが搭載された運搬台車4は、その後、軌道3上を移動して、溶銑処理工場1の第1発着ステーション23から転炉工場2の第2発着ステーション32へと移動する。
転炉工場2では、第2発着ステーション32に到着した運搬台車4上の実鍋15Bを吊り上げ後、実鍋15Bを第2発着ステーション32から装入ステーション30に移動させ、装入ステーション30で実鍋15B内の溶鋼を脱炭炉に装入する操業を行う。
図7(a)に示すように、実鍋15Bを搭載した運搬台車4が第2発着ステーション32に到着する頃、装入ステーション30に位置する脱炭炉側クレーン31は実鍋15Bの溶鋼を装入することが完了していて、当該装入ステーション30にて溶銑を装入することで空になった空鍋15Aを吊り上げた状況にある。脱炭炉側クレーン31は、吊っている実鍋15Bが空鍋15Aになると、運搬台車4が第2発着ステーション32に到着するのと同時、或いは、運搬台車4が第2発着ステーション32に到着する前に、装入ステーション30から第2発着ステーション32に移動する。
図7(b)に示すように、運搬台車4及び脱炭炉側クレーン31が第2発着ステーション32に到着後、吊り上げた空鍋15Aを運搬台車4に据え付ける。即ち、脱炭炉側クレーン31は、運搬台車4の空きスペース(溶銑鍋15が搭載されていない台車上)上に吊っていた空鍋15Aを据え付ける。
図7(c)に示すように、脱炭炉側クレーン31が空鍋15Aを運搬台車4に据え付け後、運搬台車4に搭載した実鍋15Bを吊り上げる。即ち、実鍋15Bを運搬台車4の空きスペースに据え付け後、脱炭炉側クレーン31を空きスペースに隣接する運搬台車4の実鍋15B搭載スペースに移動させ、運搬台車4の実鍋15B搭載スペースにある実鍋15Bを脱炭炉側クレーン31によって吊り上げる。
図7(d)に示すように、脱炭炉側クレーン31によって実鍋15Bを吊り上げ後は、実鍋15Bを吊った脱炭炉側クレーン31を第2発着ステーション32から装入ステーション30に向けて移動する。また、脱炭炉側クレーン31によって実鍋15Bを吊り上げ後は、運搬台車4は、第2発着ステーション32から第1発着ステーション23に向けて出発する。
図7(e)に示すように、実鍋15Bを吊った脱炭炉側クレーン31が装入ステーション30に到着後、実鍋15B内の溶銑を転炉11に装入する。図7(e)は、図7(a)の状況になる直前の状態であり、図7(a)〜図7(e)までが、脱炭炉側クレーン31及び運搬台車4の溶銑処理工場1における1サイクルの操業であり、当該溶銑処理工場1では、上述した動作を受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24及び運搬台車4が繰り返し行う。
以上によれば、実鍋15Bと空鍋15Aとの2本の溶銑鍋15を運搬台車4に搭載できるようにすることで、脱りん炉10から出湯した溶銑を受湯した実鍋15Bを運搬台車4に据付後、そのまま同じ脱りん炉出湯側クレーン24を使用して運搬台車4に積載された空鍋15Aを吊上げ、受湯台車21に据付けることが可能となる。その結果、次のチャージの脱りん炉10の出湯までの間に、出湯ステーション20に溶銑を受けるための空鍋15Aを準備する時間が短縮できる。
また、脱りん炉10の出湯ステーション20から下流側を、受け渡しステーション22と第1発着ステーション23との2つのステーションに分け、出湯ステーション20と受け渡しステーション22との間を受湯台車21で移動(走行)させ、受け渡しステーション22と第1発着ステーション23との間を脱りん炉出湯側クレーン24で移動させ、第1発着ステーション23では運搬台車4を移動させることとしている。それゆえ、受湯台車21、脱りん炉出湯側クレーン24、運搬台車4の連携による溶銑鍋15(実鍋15Bや空鍋15A)の物流をスムーズに実施することができ、物流効率を向上させることができる。例えば、受湯台車21や運搬台車4は、天井クレーン(脱りん炉出湯側クレーン24)による吊り上げや据え付け時に待機するだけでよいため、待機時間を出来る限り少なくすることが可能となる。
また、転炉工場2では、装入完了後の空鍋15Aは、運搬台車4が到着後に速やかに据付ることができ、空鍋15Aを据え付け後、運搬台車4の実鍋15Bを吊り上げて転炉11に運搬することができるため、転炉工場2における空鍋15Aや実鍋15Bの物流効率を向上させることができる。
一方、例えば、運搬台車4に1本の溶銑鍋15しか搭載できない場合は、転炉工場2で転炉11に装入が完了した空鍋15Aを積載した運搬台車4が溶銑処理工場1に帰ってくるまで、出湯ステーション20に溶銑を受けるための空鍋15Aを準備することができず、脱りん炉10は空鍋15Aの到着待ちのため出湯が開始できず、脱りん炉10の生産が阻害されることになる。また、運搬台車4に1本の溶銑鍋15しか搭載できない場合は、運搬台車4に積載された空鍋15Aを脱りん炉出湯側クレーン24で吊上げた後、脱りん炉出湯側クレーン24を運搬台車4上から退避させ、脱りん炉10で溶銑を受湯した実鍋15Bを別の脱りん炉出湯側クレーン24を使用して運搬台車4に据付けることによって、溶銑鍋15の運搬時間を短縮することができるものの、脱りん炉出湯側クレーン24が退避する時間が必要なことに加え、操業スケジュールが非常に過密となり、生産性を向上させることが難しくなる。また、脱りん炉出湯側クレーン24が2基必要になるため、溶銑処理工場1の基礎を強固にする必要があると共に、脱りん炉出湯側クレーンの設置コストがかかる、さらに、脱りん炉出湯側クレーン24を操作するオペレータが2名必要になることから、脱りん炉出湯側クレーン24は1基であることが望ましい。
[ガントチャート]
図8〜17は、本発明である「1基の脱りん炉10を備えた溶銑処理工場1及び転炉工場2における溶銑の運搬方法」で操業を行った実施例のガントチャートと、本発明とは異なる方法で操業を行った比較例のガントチャートとを示したものである。
図8〜15のガントチャートは、運搬台車4には2本の溶銑鍋15を搭載できるようにしたうえで脱りん炉の炉裏には1基の脱りん炉出湯側クレーン25を設置した場合の結果を示したものである。図16及び17のガントチャートは、運搬台車4には2本の溶銑鍋15を搭載できるようにしたうえで脱りん炉の炉裏には2基の脱りん炉出湯側クレーン25を設置した場合の結果を示したものである。
また、実施例及び比較例の実施条件は以下の通りである。
溶銑処理工場1は、脱りん炉10を1基保有するものとした。なお、溶銑処理工場1内に混銑車14で運搬してきた溶銑を溶銑鍋15に払出す払出設備や脱硫処理設備、スラグを除さい可能な除滓設備などがあってもよいが、脱炭処理を行う転炉11は存在しない。
転炉工場2は、脱炭処理を行う転炉11を有するものとした。溶銑処理工場1には、溶鋼処理設備などの設備があってもよいが、脱りん処理を行う脱りん炉10は存在しない。
脱りん炉10は、転炉型の脱りん炉10であり、その溶銑量は220ton〜272tonである。脱りん処理における溶銑配合率は88〜100%、上吹き酸素流量は100〜500Nm/min、底吹きガス流量は、20〜60Nm/min、スクラップ装入量は5〜30ton、副原料として石灰、鉄鉱石、スケール等の一般的なものを使用した。
脱りん炉10に装入する溶銑成分は、脱りん炉10までの前工程でサンプリングを行い、蛍光X線分析法で測定した。溶銑の装入時における[Si]は、0.10〜0.80質量%、高炉から出銑したときの[Si]が0.80質量%より高い場合は、鋳床脱珪処理や混銑車での脱珪処理を実施し、装入時の[Si]を0.80質量%以下に低下させる。装入時の[P]は0.100〜0.150質量%とした。
脱りん炉10の装入時の溶銑温度は、熱電対を併せ持つサンプラーを用いて前工程におけるサンプル採取時に測定し、測定した温度に基づいて求めた。ここで、溶銑をサンプリングしてから前工程から脱りん炉10の装入までの時間があるため、装入までの溶銑温度の降下量(℃)を計算し、脱りん炉の装入時の溶銑温度を計算で算出する。脱りん炉の装入時の溶銑温度は、1280〜1350℃とした。
脱りん10の吹錬後の溶銑成分は、脱りん炉の吹錬終了後、溶銑を溶銑鍋に出湯時に溶銑のサンプリングを行い、蛍光X線分析法で測定した。脱りん10の吹錬後の[Si]は、0.01〜0.03質量%、[P]は、0.010〜0.035質量%とした。
脱りん処理後の溶銑温度は、溶銑を溶銑鍋に出湯時に測定した。脱りん処理後の溶銑温度は、1280〜1320℃とした。
転炉11の溶銑量は220ton〜272tonである。脱炭処理における88〜100%、上吹き酸素流量は400〜900Nm/min、底吹きガス流量は、6.0〜23.0Nm/min、スクラップ装入量は0〜30ton、副原料として石灰、鉄鉱石、スケール等の一般的なものを使用した。
転炉の装入する溶銑成分は、脱りん10の吹錬後の溶銑成分と同じものを使用した。転炉の装入時の溶銑温度は、脱りん処理後の溶銑温度に、出湯後から転炉に装入されるまでの時間の溶銑温度降下量を計算して算出した。転炉の装入時の溶銑温度は、1260〜1310℃とした。転炉の吹錬後の溶鋼成分は、製造する鋼種別の規格目標となるように調整する。溶鋼のうち[C]は、サブランスを使用して測定し、[P]、Si、Mnは、スパーク放電発光分析法(カントバック法)で測定した。転炉での吹錬後の[C]は、0.001〜1.1質量%とした。
受湯台車21は、富士車輌製の380ton受鋼台車であり、溶銑鍋15を積載し走行可能な台車である。脱りん炉10の出湯ステーション20から受け渡しステーション22まで走行するもので、台車走行時の停止は停止リミットスイッチによって自動的に停止する。脱りん炉10での出湯時は、炉体の傾動角度に合わせて溶銑鍋15の位置を合わすことが可能なようにインチング操作を行った。
脱りん炉出湯側クレーン24は、溶銑鍋15を吊上げることができるように溶銑処理工場1の建屋に設置された天井クレーンで、主巻きはフック式で、溶銑鍋15のトラニオンにフックをかけて溶銑鍋15を吊上げるものである。クレーン定格加重は360ton、停止位置でランプを点灯することにより走行時間を毎回ほぼ同じにする。
運搬台車4は、溶銑処理工場1と転炉工場2間の溶銑鍋15を積載して運搬するもので、台車の定格加重は360ton、台車は連結が可能である。また、運搬台車4は、機関車により牽引されて溶銑処理工場1と溶銑処理工場1を移動する。なお、運搬台車4及び機関車は有人でも無人でもよい。走行時間は略一定である。
脱炭炉側クレーン31は、溶銑鍋15を吊上げることができるように転炉工場2の建屋に設置された天井クレーンで、主巻きはフック式で、溶銑鍋15のトラニオンにフックをかけて溶銑鍋15を吊上げるものである。クレーン定格加重は340ton以上、停止位置でランプを点灯することにより走行時間を毎回ほぼ同じにする。
次にガントチャートにおける各項目について説明する。
まず、脱りん炉10(脱りん処理)に関するガントチャートの項目について説明する。
脱りん炉サイクルタイムは、脱りん処理の1チャージ当たりの処理時間のことであり、スクラップ装入(SC)、溶銑装入(装入)、脱りん吹錬(吹錬)、出湯前作業(前作)、出湯、排さい処理(除滓)の一連の時間合計である。脱りん炉サイクルタイムにおいて平均サイクルタイムは24min、最小サイクルタイムは22min、最大サイクルタイムは31minであった。
また、脱りん炉10におけるチャージとは、スクラップ装入開始から排さい処理までの連続した時間のことであり、スクラップ装入、溶銑装入、脱りん吹錬、調質、出湯、排さいの各工程の間のクレーンの移動時間等を含んだ一連の時間のことである。
スクラップ装入とは、脱りん炉10にスクラップ・銑鉄などを装入することで、脱りん炉10に近接するスクラップピットに備蓄されたスクラップをリフティングマグネットクレーンを使用してスクラップシュートに積み込み、スクラップシュート内のスクラップをスクラップ装入クレーン19を使用して脱りん炉10内に装入する。製鉄所では、製鉄所内で発生したスクラップや地金を転炉11もしくは、脱りん炉10で使用することは一般的である。製造する鋼種によっては、スクラップを投入しない場合も稀にあるが、実施例では、脱りん炉10でスクラップを使用する場合を規定する。スクラップ装入時間は2minであった。スクラップ装入とは、スクラップシュートを傾動させて炉内にスクラップを装入する作業であり、それに要する時間であるスクラップ装入時間は、大きな変動は無い。つまり、使用するスクラップ量の大小にかかわらず、スクラップシュートを炉内に入れる作業は一緒のため、スクラップ装入時間はほぼ一定である。
溶銑装入とは、脱りん炉10に溶銑を装入することで、溶銑鍋15内の溶銑を脱りん装入側クレーン17を使用して脱りん炉10の炉内に装入する。溶銑装入の最小時間及び平均時間は4min、最大時間は5minであった。使用する溶銑が多くなると、脱りん炉10に溶銑を装入する時間が延長するため、溶銑装入時間が延長する。また、溶銑鍋のカラス口に地金が付着している場合などは、溶銑装入中に発塵が発生するため、溶銑装入速度を低下し、溶銑装入時間が長くなる場合がある。
脱りん吹錬とは、脱りん処理のことで、上吹き酸素ランスを使用して気体酸素を溶銑浴面に吹付け、脱りん炉10の底からは攪拌用に底吹きガスを溶銑内に吹き込む。脱りん吹錬の最小時間は8min、平均時間は9min、最大時間は13minであった。
脱りん処理前の溶銑中Si濃度[Si]や溶銑中のP濃度[P]が高い場合、或いは、溶銑温度が低い場合や溶銑量が多い場合は、脱りん吹錬に必要な酸素量が増加するため、脱りん吹錬の時間が延長する。脱りん吹錬中に大規模なスラグフォーミングが発生する場合は、脱りん吹錬を一時中断するため、脱りん吹錬の時間が長くなる場合がある。
出湯前作業(前作)とは、脱りん吹錬終了から出湯開始までに行う作業のことで、脱りん吹錬終了時はスラグがフォーミング(発泡)しており、この状態で脱りん炉10を傾動すると、脱りん炉10の炉口からスラグがこぼれる懸念がある。そこで、脱りん吹錬終了後にフォーミング抑制剤を投入し、スラグのフォーミングを鎮静させる。フォーミング抑制剤は一般的に脱りん炉10・転炉11で使用するものであれば何でもよい。
出湯前作業の最小時間、最大時間、平均時間は2minであった。出湯作業中にスラグが炉口からこぼれてしまうと操業に支障をきたすため、フォーミング抑制材を投入する。フォーミング抑制材は毎チャージ同一量を投入するため、出湯前作業の時間は一定である。
出湯とは、脱りん吹錬が終了した溶銑を受湯台車21上の溶銑鍋15内に排出することで、脱りん炉10を傾動させ、脱りん炉10の炉腹部の出湯孔から溶銑を排出する。炉体の傾動角度に併せて、受湯台車21を走行させて溶銑鍋15の位置を調整する。
出湯の最小時間は4min、平均時間は5min、最大時間は7minであった。出湯する溶銑量が少ないほど、出湯時間が短くなる。また、脱りん炉の出湯孔スリーブの使用回数が多くなると出湯スリーブの孔径が溶銑の影響により大きくなるため、出湯時間が短縮される。
排滓とは、出湯終了後に脱りん炉10内に残留した脱りんスラグをスラグポットに排出することで、出湯の位置とは逆方向に脱りん炉10を傾動させてスラグを排出する。脱りんスラグは残留すると、次チャージ時に脱りん処理で複りんするため、毎回排滓を実施する。
排滓の最小時間、最大時間、平均時間は2minであった。脱りん炉では、チャージで発生したスラグは全て排滓する。排滓は常に同一作業のため、その時間は一定である。
溶銑鍋運搬サイクルタイムとは、溶銑鍋15を脱りん炉10に供給するサイクルタイムのことで、当該チャージの溶銑が入った溶銑鍋15を脱りん炉10の出湯位置(出湯ステーション20)に運搬完了後から、次のチャージの溶銑鍋15を脱りん炉10の出湯位置(出湯ステーション20)に運搬するまでの時間のことである。
次に、脱炭炉(脱炭処理)に関するガントチャートの項目について説明する。
転炉サイクルタイムとは、転炉11での1チャージ当たりの処理時間のことで、スクラップ装入(SC)、溶銑装入(装入)、脱炭吹錬(吹錬)、調質、出鋼、排滓、スラグコーティングの一連の連続した時間合計のことである。転炉サイクルタイムの平均サイクルタイムは30min、最小サイクルタイムは22min、最大サイクルタイムは46minであった。
脱炭炉におけるチャージとは、スクラップ装入開始から当該チャージのスラグコーティング終了までの時間のことであり、スクラップ装入、溶銑装入、脱炭吹錬、調質、出鋼、排滓、スラグコーティングの各工程の間の天井クレーンの移動時間などを含んだ連続した時間のことである。スラグコーティングを省略する場合は、排滓終了までの時間のことである。
スクラップ装入とは、転炉11にスクラップ・銑鉄などを装入することで、転炉11に近接するスクラップピットに備蓄されたスクラップをリフティングマグネットクレーンを使用してスクラップシュートに積み込み、スクラップシュート内のスクラップをスクラップ装入クレーン19を使用して転炉11内に装入する。脱炭炉におけるスクラップ装入は処理前の溶銑温度や製造する鋼種などの影響で省略する場合がある。
スクラップ装入の平均時間は2min、最小時間は0min(スクラップ装入を行っていないとき)、最大時間は3minであった。転炉は脱りん炉と比較して、比較的厚板やクロップなど、厚いスクラップを装入する場合がある。厚いスクラップを転炉に装入する場合、転炉の耐火物が剥離することを防止するために、装入速度を低減させる場合があり、最大時間は3minとなる場合がある。
溶銑装入とは、転炉11に溶銑を装入することで、溶銑鍋15内の溶銑を脱炭炉側クレーン31を使用して転炉11内に装入する。溶銑装入の平均時間は3min、最小時間は3min、最大時間は4minであった。使用する溶銑が多くなると、転炉に溶銑を装入する時間が延長するため、溶銑装入時間が延長する。また、溶銑鍋のカラス口に地金が付着している場合などは、溶銑装入中に発塵が発生するため、溶銑装入速度を低下させるなどするため、溶銑装入時間が延長する。転炉は脱りん炉と比較して、建屋周りの集塵風量が低く、発塵が発生しやすいため、脱りん炉の溶銑装入時間より約1min長くしている。
脱炭吹錬とは、転炉11で行う脱炭処理のことで、上吹き酸素ランスを使用して気体酸素を溶銑浴面に吹付け、転炉11の底からは攪拌用に底吹きガスを吹き込む。脱炭処理の処理目標の成分・温度は、製造鋼種や次工程の溶鋼処理設備によって変更する。脱炭吹錬の最小時間は13min、平均時間は12min、最大時間は20分であった。脱炭処理の溶銑中P濃度が高い場合や溶銑温度が低い場合、或いは、溶銑量が多い場合は、脱炭吹錬に必要な酸素量が増加するため、脱炭吹錬時間が延長する。また、処理によっては、脱炭処理時の送酸速度を著しく低下する場合があるため、最大の脱炭吹錬時間が長くなる場合がある。
調質とは、脱炭吹錬後の出鋼判定を行うために、成分・温度などを測定することで、サブランスを使用して測温する。この他に、転炉11を傾動させて転炉11炉前から測温したり、その他の方法がある。調質の最小時間は0min、平均時間は2min、最大時間は6minであった。迅速に出鋼を行う場合は、一連のサイクルタイムに影響を与えないため、調質は行わず、0minである。転炉を炉前側に傾動させて、測温、サンプリングを実施する場合は、転炉の傾動時間が発生するため、最大6min必要となる場合がある。
出鋼とは、脱炭吹錬が終了した溶銑を受鋼台車上の取鍋内に排出することで、脱炭炉を傾動させ、転炉11の炉腹部の出湯孔から溶銑を排出する。出鋼時には、脱炭スラグが取鍋内に混入することを防止するために、ダーツやスラグストッパーなどを用いてもよい。転炉11の傾動角度に併せて、受鋼台車に積載した溶銑鍋15の位置を調整してもよい。出鋼の最小時間は4min、平均時間は5min、最大時間は7minであった。出鋼する溶銑量が少ないほど、出湯時間が短くなる。また、転炉の出鋼孔スリーブの使用回数が多くなると出湯スリーブの孔径が溶銑により大きくなるため、出頭時間が短縮する。
排滓とは、出鋼終了後に転炉11内に残留した脱炭スラグをスラグパンに排出することで、出湯の位置とは逆方向に転炉11を傾動させてスラグを排出する。脱炭スラグは一部残留させ、転炉11の耐火物保護(スラグコーティング)に使用する場合や次のチャージの脱炭吹錬鋼種によって脱炭スラグを全て排出する場合などがある。排滓の最小時間は2min、平均時間は2min、最大時間は3minであった。脱炭スラグを一部残してスラグコーティングる場合は、転炉の傾動速度を調整して転炉から排出するスラグ量を調整するため、排滓時間が延長する。特に、製造した鋼種によってスラグ量が異なるため、スラグ量が多い場合には、残留スラグ量の調整に時間がかかるため、時間が長くなる場合がある。
スラグコーティングとは、残留したスラグを利用して転炉11の耐火物をコーティングすることで、転炉11の耐火物の保護を目的に行う。残留したスラグ以外に焼石灰・生石灰や軽焼ドロマイトを添加する。スラグコーティングの最小時間は0min(スラグコーティングが不要な場合)、平均時間は2min、最大時間は2minであった。スラグコーティングは、毎回同じ作業のため、一定の時間となる。
溶銑鍋の運搬において、受湯台車21が出湯ステーションと受け渡しステーションとの間を走行する最小時間、平均時間、最大時間は1minであった。出湯ステーションと受け渡しステーションとの距離及び受湯台車21の速度が一定のため、運搬時間は同じとなる。なお、受湯台車が出湯ステーションから受け渡しステーションに至るまでの間で、測温やサンプリングを行う場合は、出湯ステーションから受け渡しステーションまでの最小時間、平均時間、最大時間は3minとなる。
転炉工場において、運搬台車(第2発着ステーション)から転炉までの間で溶銑鍋を運搬する時間は、第1転炉(1LD)までは一定の2min、第2転炉(2LD)及び第3転炉(3LD)までは一定の3minとなる。なお、第2発着ステーションから第1転炉第1転炉まではクレーンの走行距離が短いため、2minとなる。
次に、図8〜17のガントチャートに示した文字や記号について説明する。
「実据付」とは、脱りん炉出湯側クレーン25等のクレーンを用いて受湯台車21や運搬台車4に実鍋の据え付けることを示している。「空吊上」とは、脱りん炉出湯側クレーン25等のクレーンを用いて受湯台車21や運搬台車4に据え付けている空鍋を吊り上げることを示している。
また、「実吊上」とは、脱りん炉出湯側クレーン25等のクレーンを用いて受湯台車21や運搬台車4に据え付けている実鍋を吊り上げることを示している。「空据付」とは、脱りん炉出湯側クレーン25等のクレーンを用いて受湯台車21や運搬台車4に空鍋の据え付けることを示している。「走」とは受湯台車21が走行したことを示している。
実施例1及び比較例1は、脱りん炉のサイクル、溶銑鍋運搬サイクル及び転炉サイクルが平均的なパターンを示したもので、実施例2及び比較例2は、脱りん炉のサイクル、溶銑鍋運搬サイクル及び転炉サイクルが最短のパターンを示したもので、実施例3、4及び比較例3及び4は、実操業において脱りん炉のサイクル、溶銑鍋運搬サイクル及び転炉サイクルが最長のパターンを示したものである。
実施例1では、脱りん炉サイクルが24分、溶銑鍋運搬サイクルは19分であった。 実施例2では、脱りん炉サイクルが22分、溶銑鍋運搬サイクルは18分であった。実施例3及び実施例4では、脱りん炉サイクルが31分、溶銑鍋運搬サイクルは21分であった。実施例1〜4では、いずれも脱りん炉サイクルが溶銑鍋運搬サイクルよりも大きくなっており、脱りん炉の生産が阻害されることはなかった。
一方、比較例1では、脱りん炉サイクルが24分、溶銑鍋運搬サイクルは44分であった。比較例2では、脱りん炉サイクルが22分、溶銑鍋運搬サイクルは42分であった。比較例3では、脱りん炉サイクルが31分、溶銑鍋運搬サイクルは46分であった。比較例4では、脱りん炉サイクルが31分、溶銑鍋運搬サイクルは44分であった。比較例1〜4では、いずれも溶銑鍋運搬サイクルが脱りん炉サイクルよりも大きくなっており、脱りん炉の生産が阻害された。
比較例5及び6は、脱りん炉出湯側クレーン25を2基使用したため、脱りん炉サイクルが溶銑鍋運搬サイクルよりも大きくでき、脱りん炉の生産が阻害されることはなかったものの、脱りん炉出湯側クレーン25の設置基数が多いと、脱りん炉出湯側クレーン25設置基数分だけ建屋や基礎の強度が必要になる。また、脱りん炉出湯側クレーン25の基数が増加する分の設置コストが増加する。また、脱りん炉出湯側クレーン25を運転する運転手が増加するなどの欠点がある。また、脱りん炉出湯側クレーン25が2基の場合は、運搬台車4から溶銑鍋15を一方のクレーンで吊上げ、実鍋を他方のクレーンで据付ける必要があるが、これらは同一のレールで走行させることになるため、どちらか一方を退避させる必要があり、建屋を延長(増設)する必要がある。即ち、建屋が大きくなってしまう。
以上述べたように、本願発明の「1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法」を採用することで、溶銑処理工場と転炉工場が別棟の工場にある場合であっても、溶銑鍋の運搬の効率を向上させて脱りん炉の生産阻害を発生させることが無く、生産性を維持しつつ効率のよい溶鋼生産を行うことが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 溶銑処理工場
2 転炉工場
3 軌道
4 運搬台車
10 脱りん炉
11 転炉
12 払い出しステーション
13 脱硫ステーション
14 混銑車
15 溶銑鍋
15A 空鍋
15B 実鍋
16 軌道
17 装入側クレーン
18 スクラップヤード
19 スクラップ装入クレーン
20 出湯ステーション
21 受湯台車
22 受け渡しステーション
23 第1発着ステーション
24 脱りん炉出湯側クレーン
25 運搬台車
30 装入ステーション
31 脱炭炉側クレーン
32 第2発着ステーション

Claims (1)

  1. 1基の脱りん炉が配備された溶銑処理工場と、転炉が配備された転炉工場とが別棟とされた製鋼工場であって、
    前記溶銑処理工場は、脱りん処理後の溶銑を出湯する出湯ステーションと、少なくとも溶銑が装入された実鍋の受け渡しを行う受け渡しステーションと、前記溶銑処理工場と前記転炉工場との間を移動する運搬台車が発着する第1発着ステーションと、前記出湯ステーションと受け渡しステーションとの間を移動可能な受湯台車と、前記受け渡しステーションと前記第1発着ステーションとの間を移動可能な脱りん炉出湯側クレーンとを備え、
    前記転炉工場は、転炉に溶銑を装入する装入ステーションと、前記運搬台車が発着する第2発着ステーションと、前記装入ステーションと第2発着ステーションとの間を移動可能な脱炭炉側クレーンとを備えるものとし、
    前記溶銑処理工場での処理として、
    前記脱りん処理後、実鍋を搭載した受湯台車を出湯ステーションから受け渡しステーションに向けて移動するステップと、
    前記受湯台車が受け渡しステーションに到着後、受湯台車に搭載された実鍋を受け渡しステーションに位置する脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げるステップと、
    前記実鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンを前記受け渡しステーションから第1発着ステーションに移動するステップと、
    前記脱りん炉出湯側クレーンが第1発着ステーションに到着後、脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げた実鍋を前記第1発着ステーションに到着している運搬台車に前記第1発着ステーションにて据え付けるステップと、
    前記実鍋を運搬台車に据え付け後、当該運搬台車に搭載した空鍋を脱りん炉出湯側クレーンによって吊り上げるステップと、
    前記空鍋を吊り上げ後、前記運搬台車を前記第2発着ステーションに向けて移動するステップと、
    前記空鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンを第1発着ステーションから受け渡しステーションに向けて移動するステップと、
    前記空鍋を吊り上げた脱りん炉出湯側クレーンが受け渡しステーションに到着後、脱りん炉出湯側クレーンによって空鍋を受湯台車に据え付けるステップと、
    前記空鍋を搭載した受湯台車を受け渡しステーションから出湯ステーションに移動するステップと、
    前記空鍋を搭載した受湯台車が到着後、空鍋に脱りん炉で脱りん処理された溶銑を出湯するステップと、
    を備えていて、
    前記転炉工場での処理として、
    前記装入ステーションにて溶銑を装入することで空になった空鍋を吊り上げた脱炭炉側クレーンを、当該装入ステーションから第2発着ステーションに移動するステップと、
    前記運搬台車及び脱炭炉側クレーンが前記第2発着ステーションに到着後、吊り上げた空鍋を運搬台車に据え付けるステップと、
    前記空鍋を運搬台車に据え付け後、当該運搬台車に搭載した実鍋を脱炭炉側クレーンによって吊り上げるステップと、
    前記脱炭炉側クレーンが実鍋を吊り上げ後、当該脱炭炉側クレーンを前記装入ステーションに向けて移動するステップと、
    前記脱炭炉側クレーンが実鍋を吊り上げ後、前記運搬台車を前記第1発着ステーションに向けて移動するステップと、
    前記脱炭炉側クレーンが前記装入ステーションに到着後、実鍋内の溶銑を転炉に装入するステップと、
    を備えている
    ことを特徴とする1基の脱りん炉を備えた溶銑処理工場及び転炉工場における溶銑の運搬方法。
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