JP6031396B2 - 両面フレキシブル金属張積層板の製造方法 - Google Patents

両面フレキシブル金属張積層板の製造方法 Download PDF

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本発明は、両面フレキシブル金属張積層板の製造方法に関し、特には、絶縁層がポリイミド樹脂からなり、可撓性を有する両面フレキシブル金属張積層板の製造方法に関するものである。
フレキシブル金属張積層板は、スマートフォンやタブレット型パソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーター、ハードディスク等、小型化や薄型化、軽量化が要求される電子機器の電気配線用基板材料として広く用いられている。近年、電子機器の更なる高機能化や軽薄短小化に伴いフレキシブルプリント基板の電気配線の高密度化が進んでおり、この要求への対応として、ポリイミド層の両表面に導体である金属層が形成されている、いわゆる両面金属張積層板に対するニーズが高まっている。加えて、前記高密度化に伴いフレキシブルプリント基板の配線間隔のファインピッチ化も進んでおり、この要求を満足するため金属層をより薄くしたフレキシブル金属張積層板に対するニーズも高まっている。一方で、フレキシブルプリント基板の加工工程においては、その加工温度等によっては金属張積層板の寸法変化が生じるため、その大きさや不安定さによって高密度配線プリント基板の安定生産に支障が生じてしまうことがある。従って、より寸法変化が小さく、寸法安定性に優れる両面フレキシブル金属張積層板が求められている。
金属層が薄いフレキシブル金属張積層板の要求に対しては、ポリイミドフィルム上にスパッタリング法や電解めっき法等によって金属層を形成するスパッタめっき法によりフレキシブル金属張積層を製造する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、表面粗度を0.5〜5nmに改質したポリイミドフィルム上にスパッタリング法により3〜35nmの金属酸化物層を形成させ、当該金属酸化物層上に金属層を形成させたポリイミド−金属積層体を用いることで高密度配線プリント基板の製造が容易となることが提案されている。また、当該文献によればポリイミド層の両表面に金属層を設けることも可能であり、高密度両面フレキシブルプリント基板の製造が可能となる。
しかしながら、特許文献2が示すように、一般的にスパッタめっき法に用いられるポリイミドフィルム自体は主に化学イミド化によって製造されており、この方法では、ドラム状にワニスを塗布し、乾燥後、ゲル状フィルムになった状態で延伸しながら溶剤を蒸発させるため、一方向への配向が進む。このような方法によって得られたポリイミドフィルムは、長手方向と幅方向の線熱膨張係数に大きな差が生じ易く、また、その線熱膨張係数のバラつきが生じ易いためにフィルム内の寸法安定性が低下し、高密度配線プリント基板の安定生産が困難になる。
上記に対して回路配線となる金属箔上に直接ポリイミド樹脂又はその前駆体を溶液状態で塗工形成する、いわゆるキャスティング法よる寸法安定性に優れたフレキシブル金属張積層板の製造方法が種々提案されている。
例えば、特許文献3によれば、導体層にポリイミド前駆体の樹脂溶液を直接塗布した後に150℃以下で乾燥を行い、続く硬化工程前のポリイミド前駆体の樹脂層のイミド化率を12〜18%の範囲に制御することによって寸法変化率が小さいフレキシブル金属張積層板を提供することが可能となる。また、特許文献4によれば、導体層に塗工するポリイミド前駆体の樹脂溶液の原料であるテトラカルボン酸又はその酸無水物とジアミノ化合物のモル比を一定の範囲に調整し、更には前記原料として特定の一般式で示される化合物を用いることで寸法安定性に優れたフレキシブル金属張積層板を提供することが可能となる。当該文献によれば加熱圧着などの公知の方法を適用してポリイミド層の両表面に金属層を設けることも可能であり、寸法安定性が優れる両面金属張積層板の製造が可能となる。なお、本明細書中でキャスティング法という場合、ポリイミド層となるポリイミド前駆体またはポリイミドの樹脂溶液を金属箔等の支持体に塗布後、乾燥又は乾燥およびイミド化のための熱処理によって金属箔上にポリイミド層を形成する方法をいう。
ところで、キャスティング法によるフレキシブル金属張積層板の製造方法においては、金属箔が薄くなった場合は、金属箔の剛性が不足することにより、塗工・乾燥工程にて、塗工溶液中の溶媒揮発等に起因したポリイミド層の収縮により片面フレキシブル金属張積層板の幅方向端部の折れ込みが生じ易くなる。そして、金属箔が薄く、かつポリイミド層が厚いほどこの折れ込みは生じ易くなり、この場合においては、フレキシブル金属張積層板の安定生産自体が困難になる。つまりは金属層が薄く寸法安定性が優れる両面フレキシブル金属張積層板を得ることはできない。
一方、金属層が薄くともポリイミド層も併せて薄い場合においては、前記折れ込みが生じ難く、片面及び両面フレキシブル金属張積層板の安定生産は可能となるが、フレキシブル金属張積層板全体の厚みが薄くなることでその剛性が不足し、フレキシブルプリント基板へと加工する工程において当該基板にシワや破れが生じ易くなり、前記基板の安定生産が困難になる。
キャスティング法により得た片面フレキシブル金属張積層板から両面フレキシブル金属張積層板を得る方法としては種々提案されてはいるが、いずれも薄い金属層と厚いポリイミド層から構成される両面フレキシブル金属張積層板の提供に貢献するものではなかった。
例えば、特許文献5によれば、金属箔等の基材上に、ポリイミドワニスを直接塗布し、溶媒除去および/または基材上にあらかじめ塗布されていたポリアミック酸のイミド化反応を完結させることによりオールポリイミドの片面フレキシブル金属積層板を得、このポリイミド層に、金属箔又は上記方法で得られた別のオールポリイミドフレキシブル片面金属積層板のポリイミド層同士を加熱加圧して積層することによって両面フレキシブル金属張積層板を提供する方法が提案されている。そして、この特許文献には、適用できる金属箔として4〜105μmと広い範囲で適用し得る記載はあるが、当該金属箔の厚みに対して折れ込みが生じないポリイミド層の厚み範囲についての記載はない。
特開平11−268183号公報 特開2006−278371号公報 特開2005−277036号公報 特許第4577833号公報 特開平6−112610号公報
本発明は、高密度配線加工を可能とする薄い金属層を有し、更にはポリイミド層が配線加工工程における基板のシワや破れを抑制可能な厚みを有するにも関わらず、寸法変化率が小さく、寸法安定性に優れる両面フレキシブル金属張積層板の製造方法を提供することを目的とする。すなわち、本発明の課題は高密度配線を有した両面フレキシブルプリント基板の安定生産を可能とする両面フレキシブル金属張積層板の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、キャスティング法により形成した2つの片面フレキシブル金属張積層板を用い、片面フレキシブル金属張積層板の各々の最外層のポリイミド層同士を加熱圧着して両面フレキシブル金属張積層板を製造する方法において、金属層の厚みとポリイミド層の厚みが一定の関係性を満足することで上記課題を解決し得ること見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ポリイミド層の片面に金属層を有する2つの片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド面同士を加熱圧着により積層して、両面に金属層を有する両面フレキシブル金属張積層板を製造する方法において、
前記片面フレキシブル金属張積層板が、長尺状の金属箔の一方の表面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工し、熱処理してポリイミド前駆体樹脂をイミド化することによって得られたものであり、
前記2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層の表面が熱可塑性ポリイミドによって構成されており、
また、前記2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、金属層の厚み(T1)は3〜10μmであり、その金属層の厚み(T1)とポリイミド層の厚み(T2)との関係が、(T1)/(T2)≧14であることを特徴とする両面フレキシブル金属張積層板の製造方法である。
本発明においては、2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層が2層以上の複数のポリイミド層からなると共に、最外層にはガラス転移点温度が350℃以下の熱可塑性ポリイミドが配されているのが良い。
また、本発明においては、熱可塑性ポリイミドが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを50モル%以上含有するジアミノ化合物と、テトラカルボン酸化合物とを反応させ得られたポリイミド前駆体樹脂を経由して得られるものであるのが良い。
また、本発明においては、2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層が総厚50μm以下であると共に、線熱膨張係数が15×10−6〜35×10−6(1/K)の範囲であるのが良い。
更に、本発明においては、2つの片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド面同士を加熱圧着する積層工程における加熱圧着温度が、少なくともいずれか一方の片面フレキシブル金属張積層板が有する加熱圧着面の熱可塑性ポリイミド層のガラス転移点温度以上の温度であるのが良い。
更にまた、本発明においては、2つの片面フレキシブル金属張積層板の積層工程が、1対の加熱ロールの加圧によって行われるのが良い。
本発明によれば、薄い金属層を有し、更にはポリイミド層が配線加工工程における基板のシワや破れを抑制可能な厚みを有するにも関わらず、寸法変化率が小さく、寸法安定性に優れる両面フレキシブル金属張積層板を提供することができる。また、本発明によって製造された両面フレキシブル金属張積層板は、近年要求されている高密度配線を有した両面フレキシブルプリント基板の安定生産を可能とするため、その工業的有用性は極めて高いものである。
第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板の断面図である。 第2の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板の断面図である。 第3の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板の断面図である。 第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板を製造するための中間体である片面フレキシブル金属張積層板の断面図である。 第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法を示すフロー図である。 第2の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施の形態について図1を用いて説明する。第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板10は、図1に示すように、熱可塑性ポリイミド層2,2’と低熱膨張性ポリイミド層3,3’からなる積層構造の複数のポリイミド層の両表面に、金属層1,1’を備えた構造をしている。金属層1,1’に直接接着している熱可塑性ポリイミド層2,2’、これと接着している低熱膨張性ポリイミド層3,3’、さらにこれと接着している熱可塑性ポリイミド層2,2’はキャスティング法により形成されている。熱可塑性ポリイミド層2,2’は、後述するが、貼り合わされて熱可塑性ポリイミド貼り合わせ層2aを形成している。図1の4が示す破線は、その部分で貼り合わされていることを示す(図2および3も同じ)。
本発明において製造される両面フレキシブル金属張積層板は、ポリイミド層と金属層とを有する片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド面同士を加熱圧着して製造され、片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド層は2層以上の複数層のポリイミド層からなるものであってもよい。片面フレキシブル金属張積層板におけるポリイミド層が複数層からなる場合には、上記したように熱可塑性ポリイミド層と低熱膨張性ポリイミド層からなることができるが、本発明で熱可塑性ポリイミド層という場合、本発明での加熱圧着における積層温度で他のポリイミド層との接着性を担保するのに必要な熱可塑性を有しているものをいう。また、本発明で低熱膨張性ポリイミド層という場合、線熱膨張係数が30×10−6(1/K)以下、好ましくは1×10−6〜25×10−6(1/K)の範囲であるのポリイミド層をいう。
本発明の第2の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板11は、図2に示すように金属層1,1’に直接接着している低熱膨張性ポリイミド層3,3’、これと接着している熱可塑性ポリイミド層2,2’がキャスティング法により形成されている。そして、最内層の熱可塑性ポリイミド層2,2’が貼り合わされて熱可塑性ポリイミド貼り合わせ層2aを形成している。
本発明において、金属層1,1’にキャスティング法で形成される熱可塑性ポリイミド層および低熱膨張性ポリイミド層は同種のポリイミド層であってもよく、異種のポリイミド層であってもよく、更には、ポリイミド層の層構成については第1および第2の実施の形態と異なる別の形態でもよい。別の形態としては、図3に示す第3の実施の形態が例示される。すなわち、図3の両面フレキシブル金属張積層板12は、一方の金属層1には熱可塑性ポリイミド層2、低熱膨張性ポリイミド層3、熱可塑性ポリイミド層2が、他方の金属層1’には熱可塑性ポリイミド層2’、低熱膨張性ポリイミド層3’が順にキャスティング法により形成されており、それらの最外層のポリイミド層が貼り合わされている。図1−図3のポリイミド層は3層および5層(同種のポリイミド層を貼り合わせた層は1層と数える)構造であるが、本発明においてポリイミド層はこれに限らず、その他の構造を採用することができる。ただし、両面フレキシブル金属張積層板とした場合の反り、フレキシブルプリント基板の加工工程での加熱等に伴う反り等の観点から貼り合わせ線4を中心に両側が同じ線熱膨張係数となるような層構成にすることが好ましい。このような層構成として好ましい態様としては、第1の実施の形態において貼り合わされる2つの片面フレキシブル金属張積層板の各熱可塑性ポリイミド層(図1における2と2’)、各低熱膨張性ポリイミド層(図1における3と3’)とを同じ種類と厚みとしたものが挙げられる。
第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板10の製造方法は、図5に示すように、まず、金属箔等の金属層1,1’に、熱可塑性ポリイミド層2,2’となるポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の樹脂溶液を連続的に塗布乾燥する(S1)。続いて、低熱膨張性ポリイミド層3,3’となるポリアミド酸の樹脂溶液を連続的に塗布乾燥して積層し(S2)、続いてさらに、熱可塑性ポリイミド層2,2’となるポリアミド酸の樹脂溶液を連続的に塗布乾燥して積層する(S3)。
次に、塗布して乾燥させた各ポリアミド酸を熱処理によってイミド化し(S4)、それぞれ金属層1,1’と熱可塑性ポリイミド層2,2’とを接着させると共に、低熱膨張性ポリイミド層3、3’と熱可塑性ポリイミド層2,2’とが一体化した積層構造を形成させる。以上のようにしてポリイミド層の表面が熱可塑性ポリイミドによって構成されている2つの片面フレキシブル金属張積層板20を形成する。
次に、上記で得られた2つの片面フレキシブル金属張積層板20(20aおよび20b)の熱可塑性ポリイミド層2と2’同士を加熱圧着して、両面フレキシブル金属張積層板10を形成する(S5)。
第2の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板11の製造方法は、基本的に第1の実施の形態の両面フレキシブル金属張積層板10と同じである。異なる点は、図6に示すように金属箔等の金属層1,1’に、熱可塑性ポリイミド層2,2’となるポリアミド酸の樹脂溶液を直接塗布乾燥するステップ(S1)が除かれている点のみである。従って、金属箔等の金属層1,1’に、低熱膨張性ポリイミド層3,3’となるポリアミド酸の樹脂溶液の塗布乾燥(S11)、熱可塑性ポリイミド層2,2’となるポリアミド酸の樹脂溶液の塗布乾燥(S12)、熱処理によるポリアミド酸のイミド化(S13)を順次行い、最後に形成した2つの片面フレキシブル金属張積層板の熱可塑性ポリイミド層同士を加熱圧着して、両面フレキシブル金属張積層板11を形成する(S14)。なお、S11〜S14は第1の実施の形態のS2〜S5に対応する。
なお、図3の両面フレキシブル金属張積層板12のような形態とするため、2つの片面フレキシブル金属張積層板20a,20bのポリイミド層の積層構造は異なっていてもよく、さらには金属層の厚みや材質も異なっていてもよい。ただし、少なくともいずれか一方の片面フレキシブル金属張積層板の表面に位置するポリイミド層は熱可塑性ポリイミド層でなければならない。
2つの片面フレキシブル金属張積層板の加熱圧着に際し、少なくともいずれか一方の片面フレキシブル金属張積層板の表面に位置するポリイミド層を熱可塑性ポリイミド層とする理由は、2つの片面フレキシブル金属張積層板の加熱圧着面の接着力を両面フレキシブル金属張積層板の実用において耐えられるものにする必要があるためである。
図4は、上記のようにして形成される片面フレキシブル金属張積層板20の断面図の一例を示したものであり、図4のように2つの片面フレキシブル金属張積層板20a,20bの熱可塑性ポリイミド層2,2’が加熱圧着されるように準備する。図4は、図1の両面フレキシブル金属張積層板10を形成する場合の例示であるが、上記したように本発明は当該実施の形態に限られるものではない。
以上の工程において、上記では逐次的に複数のポリアミド酸の樹脂層を形成した後に一括してポリイミド層2,2’,3,3’とする方法を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、多層ダイ等により複数のポリアミド酸の樹脂層を一括して塗布し、これを乾燥した後に一括して熱処理によるイミド化を行うことで複数のポリイミド層を形成してもよいし、あるいは、複数のポリアミド酸の樹脂層を逐次的に塗布した後に一括して乾燥、イミド化を行ってもよい。また、複数のポリアミド酸の樹脂溶液の塗布乾燥からイミド化までを逐次的に行うことで1層ずつポリイミド層を形成してもよい。複数のポリイミド層を形成するに当たって、これらの各処理は任意に組み合わせることができる。なお、詳細な製造方法については後述する。
本発明の金属層1,1’は接着性の観点からは金属箔を用いることが好ましく、当該金属箔の金属として、銅、アルミニウム、ステンレス、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、ジルコニウム、金、コバルト、チタン、タンタル、亜鉛、鉛、錫、シリコン、ビスマス、インジウム又はこれらの合金などから選択される金属を挙げることができる。導電性の点で特に好ましいものは銅箔である。なお、本発明は厚み3〜10μmの金属箔に適用することができるが、厚み5〜7μmがより好適である。金属箔の厚みが3μmに満たないと、ポリアミド酸の樹脂溶液を連続的に塗工乾燥する工程において、金属箔単体の搬送段階においてシワ等の問題が生じ易くなる。一方、厚みが10μmを超えると近年要求されているフレキシブルプリント基板の高密度配線化への対応に不利となる。なお、本発明はフレキシブル金属張積層板を連続的に生産する場合に好ましく適用し得るものなので、金属箔は上記所定の厚さのものがロール状に巻き取られた長尺状の金属箔が用いられる。
また、金属層1,1’のポリイミド層と直接接する面の表面粗さは、Rzで0.5〜4μmであることが好ましい。この範囲であれば、ポリイミド層との接着力がより良好となるためである。さらにはRzが0.5〜2.5μmであれば、好適な接着力と高密度配線形成時に求められる良好なエッチング性との両立を図ることができるため、より好ましい。ここで、Rzは、JIS B 0601(1994)に規定される十点平均粗さを示す。
本発明でポリイミドという場合、ポリイミドの他、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリシロキサンイミド、ポリベンズイミダゾールイミドなど、分子構造中にイミド基を有するポリマーからなる樹脂を意味する。
本発明では加熱圧着に供される2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方、好ましくは両方の最外層(最表面)に位置する熱可塑性ポリイミド層2,2’を構成するポリイミドは、ガラス転移点温度が350℃以下であることが好ましく、さらには250〜330℃の範囲にあることがより好適である。250℃に満たないと耐熱性が不足し、フレキシブルプリント基板の製造工程におけるはんだリフロー処理等においてポリイミド層の膨れ等の問題が生じ易くなる。一方、330℃を超えると加熱圧着時の温度を高くする必要性が生じ、高温加熱圧着によるフレキシブル金属張積層板の劣化等の不具合が生じ易くなる。
前記熱可塑性ポリイミド層2,2’を構成するポリイミドとしては、ジアミノ化合物として、下記一般式(1)で表される2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を50モル%以上含有するジアミノ化合物を用い、これとテトラカルボン酸化合物と反応させて得られたものが好ましい。BAPPを50モル%以上含有するものとすることで、望ましいガラス転移点温度の範囲を達成するに有利である。BAPPのより好ましい含有量は70〜100モル%の範囲である。
Figure 0006031396
ジアミノ化合物のうちBAPP以外のものとしては、NH−Ar1−NHで表される芳香族ジアミノ化合物が好適なものとして挙げられる。ここで、Ar1は下記式(2)で表される基から選択されるものであり、アミノ基の置換位置は任意であるが、p,p’位が好ましい。Ar1は置換基を有することもできるが、好ましくは有しないか、有する場合にはその置換基は炭素数1〜6の低級アルキルまたは低級アルコキシ基であるのがよい。これらの芳香族ジアミノ化合物は1種のみを使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
Figure 0006031396
ジアミノ化合物と反応させるテトラカルボン酸化合物としては、芳香族テトラカルボン酸およびその酸無水物、エステル化物、ハロゲン化物などが挙げられるが、芳香族テトラカルボン酸化合物が好適であり、ポリアミド酸の合成の容易さの点で、その酸無水物が好ましい。なお、芳香族テトラカルボン酸化合物としては、O(CO)Ar2(CO)Oで表される化合物が好適なものとして挙げられる。ここで、Ar2は、下記式(3)で表される4価の芳香族基であることが好ましく、酸無水物基[(CO)O]の置換位置は任意であるが、対称の位置が好ましい。Ar2は、置換基を有することもできるが、好ましくは有しないか、有する場合にはその置換基は炭素数1〜6の低級アルキル基であるのがよい。より好ましい芳香族テトラカルボン酸化合物は、ビフェニルテトラカルボン酸無水物(BPDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、および4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)又はこれらの組合せであるのがよい。これらのテトラカルボン酸化合物は1種のみを使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
Figure 0006031396
本発明において低熱膨張性ポリイミド層3,3’を構成するポリイミドは、上記した熱可塑性ポリイミド層2,2’を構成するポリイミドの場合と同様に、NH−Ar1−NHで表される芳香族ジアミノ化合物とテトラカルボン酸化合物と反応させて得られたものが好ましい。ただし、本発明では、加熱圧着に供される2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方のポリイミド層について、線熱膨張係数を15×10−6〜35×10−6(1/K)の範囲とするのがよく、この条件を達成する上で好適な芳香族ジアミノ化合物を選択することが好ましい。例えば、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(m-TB)を50モル%以上含有するジアミノ化合物をテトラカルボン酸化合物と反応させて得られたものが好適なものとして挙げられ、さらには70モル%以上含有するジアミノ化合物を選択することがより好ましい。
ジアミノ化合物と反応させるテトラカルボン酸化合物としては、上記した熱可塑性ポリイミド層2,2’を構成するポリイミドの場合と同様の化合物を使用することができる。線熱膨張係数を15×10−6〜35×10−6(1/K)の範囲とする上でより好ましい芳香族テトラカルボン酸化合物は、ビフェニルテトラカルボン酸無水物(BPDA)、ピロメリット酸無水物(PMDA)又はこれらの組合せである。
加熱圧着に供される2つの片面フレキシブル金属張積層のポリイミド層の線熱膨張係数については、好ましくは両方の片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド層が15×10−6〜35×10−6(1/K)の範囲であり、さらには16×10−6〜33×10−6(1/K)の範囲であることがより好適である。線熱膨張係数が前記範囲外である場合、片面フレキシブル金属張積層板20を得る工程において前記積層板の幅方向端部のカールが大きくなり、安定生産に支障が生じ易くなる。さらには2つの片面フレキシブル金属張積層を加熱圧着して両面フレキシブル金属張積層を得る工程においても、幅方向端部のカールが内側に折れ込み易くなり、安定生産に支障が生じてしまうおそれがある。
熱可塑性ポリイミド層2,2’と低熱膨張性ポリイミド層3,3’を構成するポリイミドは、例えば次のような方法により製造することができる。すなわち、溶媒中で、上記のジアミノ化合物およびテトラカルボン酸二無水物をほぼ等モルの割合で混合し、反応温度0〜200℃の範囲で、好ましくは0〜100℃の範囲で反応させて、ポリアミド酸の樹脂溶液を得て、さらに、これをイミド化することによりポリイミドを得る方法がある。
溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルフォラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライムなどが挙げられる。
通常、ポリアミド酸の合成は、金属層1,1’への塗布前に、反応容器等の中で行われる。そして、ポリアミド酸の樹脂溶液を金属層1,1’上に塗布乾燥してポリアミド酸層を形成し、続く熱処理によってポリアミド酸層をイミド化することでポリイミド層を得る。当然、すでに形成されているポリアミド酸層上あるいはポリイミド層上に塗布してもよい。
次に、本発明の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法について、図5,6を参照してより詳細に説明する。本発明の両面フレキシブル金属張積層板を製造するには、まず、金属層1,1’にポリアミド酸層を形成する(S1,S11)。金属層には長尺状の銅箔等が好適に使用される。ポリイミド層が3層以上の積層構造である両面フレキシブル金属張積層板を製造する場合には、少なくとも一方の片面フレキシブル金属張積層板に、複数のポリイミド層を形成する必要があるため、さらに別のポリアミド酸層を形成して積層体とする(S2,S12)。このとき、図5,6に示すように、金属層上に形成するポリアミド酸層は熱可塑性ポリイミド層2,2’となるもの、低熱膨張性ポリイミド層3,3’となるもののいずれであってもよい。また、複数のポリイミド層を形成するための塗工方法は任意の方法を選択できるが、好ましくは塗工精度の点により以下の3方法が望ましい。
1)多層ダイにより2種以上のポリアミド酸樹脂を同時に金属層上に塗布乾燥する。
2)任意の方法でポリアミド酸層を塗布乾燥により形成した後、さらにその層上にナイフコート方式やダイ方式等にて別のポリアミド層を塗布乾燥して形成する。
3)任意の方法でポリアミド酸樹脂を塗布後、その未乾燥塗布面上にナイフコート方式やダイ方式等によりさらに別のポリアミド酸樹脂を塗布し、乾燥する。
なお、ここで言うナイフコート方式とは、バー、スキージ、ナイフ等により樹脂溶液をならして塗布する方式である。
乾燥および加熱イミド化処理の方法としては、任意の方法を選択可能である。例えば、ポリアミド酸の樹脂溶液を長尺状の金属箔に塗布した後、イミド化していない状態でその積層体をロール状に巻き取り、所定の温度に設定可能な熱風乾燥炉の中に一定時間静置し、最終的に200℃以上の高温にて熱処理することでイミド化を完了させるいわゆるバッチ処理方式や、あるいは、ポリアミド酸の樹脂溶液を長尺状の金属箔に塗布した後、乾燥炉内を連続移動させて所定の熱処理時間を確保させた上で、最終的に200℃以上の高温にて熱処理を行う連続処理方式を挙げることができる。
これらは、生産性や歩留り等の観点からいずれの方法を選択してもよいが、金属層の1,1’の酸化を防ぐことを目的として、200℃以上の高温における熱処理は減圧環境下、還元性気体雰囲気化あるいは還元性気体雰囲気化かつ減圧環境下にて行うことが好ましい。
なお、乾燥およびイミド化処理工程における加熱によってポリアミド酸樹脂の溶媒が除去され、イミド化されるわけであるが、この際、高温で急激に熱処理を行うと樹脂表面にスキン層が生成して溶媒が蒸発しづらくなったり、発砲が生じたりするため、低温から段階的に高温まで上昇させながら熱処理を行うことが好ましい。なお、加熱イミド化工程においては最終的に300〜400℃の温度で熱処理することが好ましい。
金属層1,1’に塗布するポリアミド酸の樹脂溶液の濃度は、ポリマーであるポリアミド酸の重合度にもよるが、5〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜20重量%である。ポリマー濃度が5重量%以上であれば1回の塗布で十分な膜厚が得られ、30重量%以下であれば当該樹脂溶液の粘度が高くなり過ぎず、均一かつ平滑に塗布することができるためである。
片面フレキシブル金属張積層板20において金属層1,1’上に形成されるポリイミド層の厚みは、熱可塑性ポリイミド層2,2’については熱圧着における接着性を発現させるため、0.5〜5μmが好ましく、さらに好適には1〜3μmである。0.5μm未満であると均一かつ平滑に塗布することが困難になり、5μmを超えると線熱膨張係数を所定の範囲に制御することが困難になるためである。また、低熱膨張性ポリイミド層3,3’の厚みは絶縁層であるポリイミド層全体の耐熱性維持、線熱膨張係数の制御による寸法変化の制御の観点から3〜50μmが好ましく、さらには6〜40μmが好適である。また、片面フレキシブル金属張積層板20における熱可塑性ポリイミド層2,2’と低熱膨張性ポリイミド層3,3’からなる複数層のポリイミド層全体の総厚は50μm以下であることが好ましく、さらには6〜50μmの範囲が好適である。6μm未満であると剛性の不足によりフレキシブルプリント基板の加工工程においてシワや破れといった不具合が生じ易くなる。50μmを超えると熱処理によってポリアミド酸の樹脂溶液を乾燥、イミド化する工程にて、片面フレキシブル金属張積層板の幅方向端部に樹脂の収縮による折れ込みが生じ易くなる。また、ポリアミド酸樹脂の乾燥やイミド化に要する時間も長くなるため、生産性の観点からも好ましくない。
ただし、本発明では加熱圧着される2つの片面フレキシブル金属張積層板20a,20bのいずれか一方において、金属層の厚み(T1)と全ポリイミド層の厚み(T2)において、(T1)/(T2)≧14の関係が成立している必要がある。(T1)/(T2)の値が14に満たないと、片面フレキシブル金属張積層板とする際の熱処理によって幅方向端部に樹脂の収縮による折れ込みが生じる。(T1)/(T2)の値は16以上で37以下であることが好ましい。(T1)/(T2)の値が16未満であると熱処理によってポリアミド酸の樹脂溶液を乾燥、イミド化する工程にて、片面フレキシブル金属張積層板の幅方向端部に樹脂の収縮による折れ込みを抑制する際のプロセスマージンが狭くなり、片面フレキシブル金属張積層板の安定生産に支障が生じる場合がある。一方、(T1)/(T2)の値が37を超えると2つの片面フレキシブル金属張積層板20a,20bを加熱圧着することで得られた両面フレキシブル金属張積層板のポリイミド厚みを、片面フレキシブル金属張積層板の製造の段階で形成し易くなるため、本発明の効果が低減してしまう。また、2つの片面フレキシブル金属張積層板20a,20bの両方において前記関係を満たしていることがより好ましいが、金属層の厚みが10μmを超える範囲の場合においてはその限りではない。
以上のようにして形成される片面フレキシブル金属張積層板20は、熱可塑性ポリイミド層2,2’および低熱膨張性ポリイミド層3,3’の積層構造において、2層以上の熱可塑性ポリイミド層2,2’や低熱膨張性ポリイミド3,3’が連続して積層される部分があってもよい。しかし、熱可塑性ポリイミド層2,2’と低熱膨張性ポリイミド層3,3’の線熱膨張係数が大きく異なる場合は、片面フレキシブル金属張積層板においてカールが大きくなり易いため、交互に積層されている方が好ましい。また、どちらかが1層のみであってもよい。
以上の工程により、図4に例示する片面フレキシブル金属張積層板20を形成することができる。次に2つの片面フレキシブル金属張積層板20のポリイミド層同士を加熱圧着して、図1,2に例示する両面フレキシブル金属張積層板10,11を形成する。このとき、2つの片面フレキシブル金属張積層板20のポリイミド層の積層構造および金属層の厚みと材質は異なっていてもよく、その例示が図3の両面フレキシブル金属張積層板12である。なお、加熱圧着される面のポリイミド層のいずれか一方は熱可塑性ポリイミドでなくてもよいが、加熱圧着するポリイミド層同士の接着性において、十分な強度が得られる点で、最外層が熱可塑性ポリイミド層2,2’である2つの片面フレキシブル金属張積層板20を貼り合わせることがより好適である。
2つの片面フレキシブル金属張積層板20のポリイミド層同士を貼り合わせるときの加熱圧着は、例えば次のような方法を選択することができる。すなわち、ハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータなどを使用することができる。このうち生産性に優れる点から、一対の加熱ロールを用いて加圧を行う連続式熱ラミネータがより好適な加熱圧着方法である。
加熱圧着時の加熱圧着温度(熱プレス温度)については、特に限定されるものではないが、片面フレキシブル金属張積層板20の最外層に位置する熱可塑性ポリイミドのガラス転移点温度以上であることが望ましい。また、熱プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、0.1〜50MPa(1〜500kg/cm2)が適当である。加熱圧着時のプレス温度が高くなりすぎると金属層およびポリイミド層の劣化等の不具合が発生する懸念があるため、この点においてもガラス転移点温度が比較的低い熱可塑性ポリイミド層同士を貼り合わせる方が好ましい。
以上説明した両面フレキシブル金属張積層板の製造方法によれば、薄い金属層を有し、更にはポリイミド層が配線加工工程における基板のシワや破れを抑制可能な厚みを有するにも関わらず、寸法変化率が小さく、寸法安定性に優れる両面フレキシブル金属張積層板を製造することができ、その両面フレキシブル金属張積層板は、近年要求されている高密度配線両面フレキシブルプリント基板の安定生産を可能にする。
すなわち、本発明の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法は、金属層が薄い場合においてもポリイミド層を厚くできるため、製造された両面フレキシブル金属張積層板は(1)フレキシブルプリント基板の高密度配線形成を容易にし、また、ポリイミド層がキャスティング法にて形成されているため、(2)寸法変化が小さく、寸法安定性に優れる両面フレキシブル金属張積層板となる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態についてより具体的に説明する。また、比較例を示すことにより、本実施の形態の優位性を明らかにする。
1.金属箔
金属層として、膜厚が6μmおよび9μmの銅箔を使用した。
2.各種物性測定および性能試験方法
[ガラス転移点温度の測定]
銅箔をエッチングしフィルム状態となったポリイミドを、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製の動的粘弾性測定装置(RSA−III)を用い、引張りモードにて1.0Hzの温度分散測定したtanδのピークトップをガラス転移点温度とした。
[線熱膨張係数]
銅箔をエッチングしフィルム状態となったポリイミドを、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツル株式会社製)を用い、260℃まで昇温し、さらにその温度で10分間保持した後、5℃/分の速度で冷却して250℃から100℃までの平均熱膨張率(線熱膨張係数)を求めた。
3.ポリアミド酸樹脂の合成
合成例1:
熱電対および攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、302gのN,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン30.99g(0.076モル)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、16.96g(0.078モル)のピロメリット酸二無水物を加えた。その後、3時間撹拌を続け、溶液粘度2,960mPa・sのポリアミド酸の樹脂溶液aを得た。なお、溶液粘度は、E型粘度計による25℃でのみかけ粘度の値である(以下、同様)。このポリアミド酸から得られたポリイミド(TPI(A))の線熱膨張係数は56×10−6(1/K)であった。
合成例2:
熱電対および攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、334gのN,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン29.24g(0.072モル)および3.81g(0.018モル)の4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニルを容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、20.00g(0.092モル)のピロメリット酸二無水物を加えた。その後、3時間撹拌を続け、ポリアミド酸の樹脂溶液bを得た。ポリアミド酸の樹脂溶液bの溶液粘度は3,140mPa・sであった。このポリアミド酸から得られたポリイミド(TPI(B))の線熱膨張係数は54×10−6(1/K)であった。
合成例3:
熱電対および攪拌機を備えると共に窒素導入が可能な反応容器に、3.076kgのN,N−ジメチルアセトアミドを入れた。この反応容器に4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル225.73g(1.063モル)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に、61.96g(0.211モル)の3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物および183.73g(0.842モル)のピロメリット酸二無水物(PMDA)を加えた。その後、3時間撹拌を続け、溶液粘度20,000mPa・sのポリアミド酸の樹脂溶液cを得た。このポリアミド酸から得られたポリイミド(低αPI)の線熱膨張係数は7×10−6(1/K)であった。
各合成例の合成条件、および得られた各ポリアミド酸をイミド化してポリイミド樹脂としたときのそれぞれの樹脂物性をまとめて表1に示す。
Figure 0006031396
実施例1
厚さ9μm、幅1080mm、Rz=1.8μmでロールから巻き出した長尺状の電解銅箔上に、合成例1で調製したポリアミド酸の樹脂溶液aを連続的に塗布乾燥し、更にその上に合成例3で調整したポリアミド酸の樹脂溶液cと樹脂溶液aを順次塗布し、120℃で約3分間乾燥した。その後、最終的に300℃以上、約2分間の熱処理を行い、ポリイミド層の全膜厚が25μmの長尺状の片面フレキシブル銅張積層板を得た。このとき、(T1)/(T2)=29.2であり、ポリアミド酸の樹脂溶液の溶媒揮発に起因したポリアミド樹脂層の収縮による銅箔幅方向端部の折れ込みは生じなかった。また、前記片面フレキシブル銅張積層板のポリイミド層の線熱膨張係数は25×10−6(1/K)であった。続いてこの片面フレキシブル銅張積層板2つ(片面フレキシブル銅張積層板Aと片面フレキシブル銅張積層板B)を、そのポリイミド層面同士で貼り合わせ、同時に一対の加熱ロール間に1m/分の速度で連続的に供給して加熱加圧することで積層し、ポリイミド層の全膜厚が50μmの長尺状の両面フレキシブル銅張積層板を得た。このときロール表面温度は380℃であり、ロール間の線圧は134kN/mであった。なお、ポリイミド樹脂層のうち、ポリアミド酸の樹脂溶液cから得られた層とポリアミド酸の樹脂溶液aから得られた層の比率は4:1であった。加熱加圧により積層したポリイミド層は相互に剥がれることはなく、強固に接着していた。結果を表2に示す。
実施例2
銅箔に、厚さ9μm、幅1080mm、Rz=0.8μmでロールから巻き出した長尺状の電解銅箔を用い、銅箔上のポリイミド層の層構成を表2に示すものに変更したこと以外は実施例1と同様に行いポリイミド層の全膜厚が80μmの長尺状両面フレキシブル銅張積層板を得た。表2には、2つの片面フレキシブル銅張積層板A、Bについて、それぞれの(T1)/(T2)及びポリイミド層の線熱膨張係数を示した。また、得られた両面フレキシブル銅張積層板の接着性と、各片面フレキシブル銅張積層板を得る際の銅箔幅方向端部の折れ込みの評価について、あわせて示している(以下の実施例等についても同様)。
実施例3
銅箔に、厚さ6μm、幅1080mm、Rz=1.3μmでロールから巻き出した長尺状の電解銅箔を用い、銅箔上のポリイミド層の層構成を表2に示すものに変更したこと以外は実施例1と同様に行い、ポリイミド層の全膜厚が26μmの長尺状両面フレキシブル銅張積層板を得た。
実施例4
銅箔上に塗布した樹脂溶液を順に樹脂溶液b/樹脂溶液c/樹脂溶液bとした点以外は全て実施例3と同様にしてポリイミド層の全膜厚が26μmの長尺状両面フレキシブル銅張積層板を得た。
実施例5
樹脂溶液cから形成されるポリイミド層の厚みを薄くすることでポリイミド層の全膜厚を20μmとした点以外は全て実施例3と同様にして長尺状両面フレキシブル銅張積層板を得た。
実施例6
樹脂溶液cから形成されるポリイミド層の厚みを厚くすることでポリイミド層の全膜厚を30μmとした点以外は全て実施例3と同様にして長尺状両面フレキシブル銅張積層板を得た。
実施例7
実施例3と同様にして得たポリイミド層の全膜厚が13μmの片面フレキシブル銅張積層板と、銅箔上に塗布した樹脂溶液を順に樹脂溶液a/樹脂溶液cとした点以外は全て実施例2と同様にして得た片面フレキシブル銅張積層板を用い、実施例1と同様にしてそれぞれのポリイミド層面同士を接着させることでポリイミド層の全膜厚が53μmの両面フレキシブル銅張積層板を得た。
比較例1
実施例1と同様にして銅箔上に順次、樹脂溶液a/樹脂溶液c/樹脂溶液aを塗布乾燥し、最終的に300℃以上約2分間の熱処理を行うことで、ポリイミド樹脂層の厚みが55μmであり、ポリアミド酸の樹脂溶液cから得られた層とポリアミド酸の樹脂溶液aから得られた層の比率が10:1のフレキシブル片面銅張積層板を得ることを試みたが、ポリアミド酸の樹脂溶液の塗布乾燥段階において溶媒揮発によりポリアミド樹脂層が大きく収縮することで銅箔幅方向端部に折れ込みが生じて長尺状の片面フレキシブル銅張積層板を得ることができなかった。なお、このとき、(T1)/(T2)=13.3であった。
比較例2
厚さ6μm、幅1080mm、Rz=1.3μmでロールから巻き出した長尺状の電解銅箔を金属層として用い、実施例1と同様にして銅箔上に順次、樹脂溶液a/樹脂溶液c/樹脂溶液aを塗布乾燥し、最終的に300℃以上約2分間の熱処理を行うことで、ポリイミド樹脂層の厚みが25μmであり、ポリアミド酸の樹脂溶液cから得られた層とポリアミド酸の樹脂溶液aから得られた層の比率が4:1の片面フレキシブル銅張積層板を得ることを試みたが、ポリアミド酸の樹脂溶液の塗布乾燥段階において溶媒揮発によりポリアミド樹脂層が大きく収縮することで銅箔幅方向端部に折れ込みが生じて長尺状の片面フレキシブル銅張積層板を得ることができなかった。なお、このとき、(T1)/(T2)=8.6であった。
比較例3
銅箔上に塗布した樹脂溶液を順に樹脂溶液a/樹脂溶液cとした点以外は全て実施例2と同様にしてポリイミド層の全膜厚が80μmの両面フレキシブル銅張積層板を得ることを試みたが、加熱加圧により積層したポリイミド層はその接着面から容易に相互に分離してしまい、両面フレキシブル銅張積層板を得ることはできなかった。
Figure 0006031396
1,1’ 金属層(金属箔)、 2,2’,2a 熱可塑性ポリイミド層、 3,3’ 低熱膨張性ポリイミド層、 4 片面フレキシブル金属張積層板の接着面、 10,11,12 両面フレキシブル金属張積層板、 20,20a,20b 片面フレキシブル金属張積層板

Claims (5)

  1. ポリイミド層の片面に金属層を有する2つの片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド面同士を加熱圧着により積層して、両面に金属層を有する両面フレキシブル金属張積層板を製造する方法において、
    前記片面フレキシブル金属張積層板が、長尺状の金属箔の一方の表面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工し、熱処理してポリイミド前駆体樹脂をイミド化することによって得られたものであり、
    前記2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層の表面が熱可塑性ポリイミドによって構成され、前記熱可塑性ポリイミドが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを50モル%以上含有するジアミノ化合物と、テトラカルボン酸化合物とを反応させ得られたポリイミド前駆体樹脂を経由して得られるものであり、
    また、前記2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、金属層の厚み(T1)は3〜10μmであり、その金属層の厚み(T1)とポリイミド層の厚み(T2)との関係が、(T1)/(T2)≧14であることを特徴とする両面フレキシブル金属張積層板の製造方法。
  2. 2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層が2層以上の複数のポリイミド層からなると共に、最外層にはガラス転移点温度が350℃以下の熱可塑性ポリイミドが配されている請求項1に記載の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法。
  3. 2つの片面フレキシブル金属張積層板の少なくともいずれか一方は、ポリイミド層が総厚50μm以下であると共に、線熱膨張係数が15×10−6〜35×10−6(1/K)の範囲である請求項1又は2に記載の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法。
  4. 2つの片面フレキシブル金属張積層板のポリイミド面同士を加熱圧着する積層工程における加熱圧着温度が、少なくともいずれか一方の片面フレキシブル金属張積層板が有する加熱圧着面の熱可塑性ポリイミド層のガラス転移点温度以上の温度である請求項1〜のいずれか1項に記載の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法。
  5. 2つの片面フレキシブル金属張積層板の積層工程が、1対の加熱ロールの加圧によって行われる請求項1〜のいずれか1項に記載の両面フレキシブル金属張積層板の製造方法。
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