JP6030310B2 - 椅子 - Google Patents

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Description

本発明は、着座した状態から立ち上がる際に立上り動作が容易となる椅子に関する。
脳からの指令が筋肉に伝わり難い病気としてパーキンソン病がある。このパーキンソン病は、脳内のドーパミンの不足により運動に障害が現れる神経変性疾患であり、このパーキンソン病の有効な治療方法の一つとして薬物療法がある。薬物療法においては、薬を服用してドーパミンの不足を補ったり、ドーパミンの生成を促したりするものであり、適正な薬を服用することによって、日常生活に支障のないようにするとともに、パーキンソン病の進行を抑えている。
このパーキンソン病の特徴である「無動・寡動」という症状により、立上り動作(起立動作)、着座動作をうまく行うことができない。このようなことから、立上り動作が容易となる椅子として、接地台部に後下がりの傾斜を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この椅子では、座部の片側から下方に延びる一対の脚部の下端部間に第1接地台部が設けられ、この座部の他側から下方に延びる一対の脚部の下端部間に第2接地台部が設けられ、第1及び第2接地台部の前端部に後下がりの傾斜面が設けられている。また、座部の両側に手摺りが設けられ、これら手摺りにより、座部が前下がりになったときの前への倒れ込みを防止している。
この椅子においては、立ち上がりに際し、着座状態において少し前かがみになって前側に重心移動させると、後下がりの傾斜面により、座部を含む椅子全体が前側に傾動し、これによって、座部に着座した使用者の臀部が幾分上方に持ち上げられて楽に立ち上がることができ、身障者、高齢者などであっても椅子から容易に立ち上がることができる。
特開2003−381号公報
しかしながら、このような椅子では、第1及び第2接地台部の傾斜面が短く、それ故に、椅子全体を前側に傾動させた状態、即ち傾斜面が接地した状態で安定的に保持することが難しくなる。例えばパーキンソン病患者などでは立上り動作が遅くなるときがあり、前傾した状態で不安定になるということは使用者に不安感を抱かせるようになり、従って、パーキンソン病患者などにとっては使い勝手が良いとはいうことができない。また、座部の両側に手摺りが設けられているが、これら手摺りは座部の前端部のみに設けられているために、立上り動作中に失敗したときなどにおいては、かかる手摺りを素速く掴むことができない。例えばパーキンソン病患者などにおいては、このようなことは使用に際しての不安感となり、使い勝手のよいものとはいえない。
このような椅子からの立ち上がりは、足腰の弱った高齢者などにも同様の問題があり、このような高齢者にも安心して使用することができる椅子の実現が望まれていた。
本発明の目的は、着座姿勢からの立ち上がりを容易にすることができる椅子を提供することである。
本発明の他の目的は、パーキンソン病患者などが安心して使用することができる椅子を提供することである。
本発明の請求項1に記載の椅子は、着座するための座部と、前記座部の左側から下方に延びる左側脚部と、前記座部の右側から下方に延びる右側脚部と、前記左側脚部の下端部に設けられた左側接地台部と、前記右側脚部の下端部に設けられた右側接地台部と、前記座部の後端部から上方に延びる背もたれ部と、前記座部の両側上方に配設された肘掛け部と、を備え、
前記左側及び右側接地台部は、水平方向に延びる後部と、前記後部の前側に位置し前方に向けて上方に直線状に傾斜して延びる前部と、を有し、前記左側及び右側接地台部の前記前部の長さ(L)が30〜70cmであり、通常使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記後部が床面に接地し、立上り使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記前部が床面に接地され、床面に対する前記左側及び右側接地台部の前記前部の傾斜角度(α)が10〜18度であることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に記載の椅子では、通常使用状態においては、前記座部に通常の姿勢で着座した使用者の体重心が前記左側及び右側接地台部の前記後部側に位置して前記後部が床面に接地し、この状態から立上り姿勢になると、前記左側及び右側接地台部の前記前部と前記後部との接続部を支点として前方に傾動し、この傾動に伴って、前記座部に立上り姿勢で着座した使用者の体重心が前記左側及び右側接地台部の前記前部側に移動して前記前部が床面に接地することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の椅子では、前記背もたれ部は、前記座部から上方に、前記座部に着座した使用者の腰よりも上方まで延びていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の椅子では、前記座部に対する前記背もたれ部の傾斜角度(β)が95〜110度であることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載の椅子では、前記肘掛け部の前端は、前記座部の前端を基準にして−10cm〜10cmの範囲に位置していることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載の椅子は、着座するための座部と、前記座部の左側から下方に延びる左側脚部と、前記座部の右側から下方に延びる右側脚部と、前記左側脚部の下端部に設けられた左側接地台部と、前記右側脚部の下端部に設けられた右側接地台部と、前記座部の後端部から上方に延びる背もたれ部と、前記座部の両側上方に配設された肘掛け部と、を備え、前記左側及び右側接地台部は、水平方向に延びる後部と、前記後部の前側に位置し前方に向けて上方へ多段に傾斜して延びる前部と、を有し、前記左側及び右側接地台部の前記前部の長さ(L)が30〜70cmであり、前記左側及び右側接地台部の前記前部は、前方に向けて第1傾斜角度で直線状に傾斜して延びる第1傾斜前部と、前記第1傾斜前部の先端部から前方に向けて上方に第2傾斜角度で直線状に傾斜して延びる第2傾斜前部とを有し、通常使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記後部が床面に接地し、立上り使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記第2傾斜前部が床面に接地され、床面に対する前記左側及び右側接地台部の前記第2傾斜前部の前記第2傾斜角度(α2)が10〜18度であることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の椅子によれば、椅子の前記左側及び右側接地台部は、水平方向に延びる後部と、後部の前側に位置し前方に向けて上方に直線状に傾斜して延びる前部と、を有するので、通常の姿勢で座部に着座した通常使用状態においては、水平に延びる左側及び右側接地台部の後部が床面に接地し、安定した状態で着座姿勢を保つことができ、また立ち上がる際(起立動作の際)に体の上半身を前側に倒すと、椅子が前側に傾動して左側及び右側接地台部の前部が床面に接地し、このような状態から両側の肘掛け部を後側に押し出すようにすると、その反動でもって容易に立ち上がることができ、例えばパーキンソン病患者であっても安心して立ち上がることができる。また、左側及び右側接地台部の前部の長さが30〜70cmであるので、立上り使用状態における左側及び右側接地台部の前部と床面との接地長さが長く、立上り使用状態においても非常に安定した状態に保つことができ、例えばパーキンソン病患者であっても安定してこの状態を保つことができる。
また、床面に対する左側及び右側接地台部の前部の傾斜角度(α)が10〜18度であるので、立上り使用状態(即ち、左側及び右側接地台部の前部が床面に接地する状態)における椅子の前側への傾動角度が適切な状態となり、立ち上がり易く且つ使用者に不安感を抱かせない程度の状態に保つことができる。また、このような傾動状態において、使用者が肘掛け部から両手を離して体の上半身を元の状態に戻すと、椅子は後側に傾動して元の状態(即ち、左側及び右側接地台部の後部が床面に接地する状態)となり、例えばパーキンソン病患者であっても非常に安心して使用することができる。
また、本発明の請求項2に記載の椅子によれば、通常使用状態においては、座部に通常の姿勢で着座した使用者の体重心が左側及び右側接地台部の後部側に位置するので、この体重心を利用してこれらの後部を床面に接地させた状態に安定的に保つことができる。また、この状態から立上り姿勢になると、左側及び右側接地台部の接続部を支点として前方に傾動し、この傾動に伴って、座部に立上り姿勢で着座した使用者の体重心が左側及び右側接地台部の前部側に移動するので、使用者の体重心を利用してこれらの前部を床面に接地させた状態に安定的に保つことができる。
また、本発明の請求項3に記載の椅子によれば、背もたれ部は座部から上方に、座部に着座した使用者の腰よりも上方まで延びているので、座部に着座した状態において体を安定して支えることができ、立上り使用状態から後側に姿勢を戻して通常使用状態にしたときにも安定して体を支えることができる。また、着座した状態で上半身を後側に倒すと背もたれ部に当たるようになり、例えばパーキンソン病患者であっても安心して着座姿勢を取ることができる。
また、本発明の請求項4に記載の椅子によれば、座部に対する背もたれ部の傾斜角度(β)が95〜110度であるので、座部に着座した状態において体を非常に安定して支えることができ、例えばパーキンソン病患者であっても安心して使用することができる。
また、本発明の請求項5に記載の椅子によれば、肘掛け部の前端は、座部の前端を基準にして−10cm〜10cmの範囲に位置しているので、立上り使用状態(椅子が前側に傾動した状態)においてこの肘掛け部の前端部を後方に容易に押し出すことができ、例えばパーキンソン病患者であっても、肘掛け部を後方に押し出すという動作を加えることによって椅子に着座した状態から容易に立ち上がることができる。また、このような肘掛け部を設けることによって、座るときにも安心して着座することができ、更に立ち上がりに失敗したときにも肘掛け部を持つことによって安心して着座姿勢に戻ることができる。
また、本発明の請求項6に記載の椅子によれば、左側及び右側接地台部の前部は、前方に向けて多段に傾斜して延びているので、立ち上がりの際の椅子の前側への傾動が段階的なものとなり、前側への傾動を安心して行うことができる。
本発明に従う椅子の第1の実施形態を示す側面図。 図1の椅子の正面図。 図1の椅子の一部を拡大して通常使用状態の状態で示す部分拡大図。 図1の椅子の一部を拡大して立上り使用状態の状態で示す部分拡大図。 本発明に従う椅子の第2の実施形態の一部を示す側面図。 本発明に従う椅子の第3の実施形態の一部を示す側面図。 本発明に従う椅子の第4の実施形態の一部を示す側面図。 本発明に従う椅子の第5の実施形態の一部を示す側面図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う椅子の各種実施形態について説明する。
〔第1の実施形態〕
まず、図1〜図4を参照して、第1の実施形態の椅子について説明する。図1及び図2において、図示の椅子は、床面2に接地して使用される椅子本体4を備え、この椅子本体4は、使用者が着座する座部6と、この座部6の後端部から上方に傾斜して延びる背もたれ部8と、座部6の両側上方に配設された一対の肘掛け部10,12(左肘掛け部10及び右肘掛け部12)とを備えている。この形態では、座部6は矩形状であり、この座部6の前端部両側に一対の支持脚部14,16(左支持脚部14及び右支持脚部16)が設けられ、またこの座部6の後端部両側に一対の支持壁部18,20(左支持壁部18及び右支持壁部20)が設けられている。
また、左支持脚部14及び左支持壁部18間には、一方の側壁部22(左側壁部22)が設けられ、更に右支持壁部16及び右支持壁部20間には、左側の左側壁部22と同様に、他方の側壁部(右側壁部)(図示せず)が設けられ、これら左右側壁部22は、座部6の両側をこの座部6より幾分上方に突出している。このように構成されているので、座部6の片側(左側)は、左支持脚部14、左側壁部22及び左支持壁部18によって規定され、また座部6の他側(右側)は、右支持脚部16、右側壁部及び右支持壁部20によって規定されている。
この実施形態では、左右支持脚部14,16は、座部6から上下方向に延び、左右支持脚部14,16の座部6の前側部から下方に延びる部位14a、16aが脚部として機能し、その前側部から上方に延びる部位14b,16bが支持部として機能する。左右肘掛け部10,12は、左右支持脚部14,16の上端部と左右支持壁部18,20との間に設けられ、この形態では、左右肘掛け部10,12は、左右支持壁部18,20から実質上水平に直線状に前方に延びている。左右肘掛け部10,12の高さ(H)(図1参照)は、15〜25cmであるのが好ましく、このような高さ(H)で座部6の先端部から背もたれ部8の近くまで設けるのが好ましい。尚、左右肘掛け部10,12は、前方(図1において左側、図2において紙面垂直な方向表側)に向けて幾分上方に傾斜するようにしてもよい。
この形態では、左右支持壁部18,20の下端部には左右脚部24(図1において、左脚部24のみ示す)が設けられ、これら左右脚部24が、左右支持壁部18,20の下端部から下方に延びている。椅子本体4の片側(左側)においては、左支持脚部14の部位14a及び左脚部24が、一対の第1脚部として機能し、かかる一対の第1脚部の下端部に第1接地台部26が設けられ、また椅子本体4の他側(右側)においては、右支持脚部16の部位16a及び右脚部(図示せず)が、一対の第2脚部として機能し、かかる一対の第2脚部の下端部に第2接地台部28が設けられている。
第1及び第2接地台部26,28は、実質上同一の構成であり、以下、その一方、即ち第1接地台部26について説明する。第1接地台部26(第2接地台部28)は、椅子本体4の後側に位置する後部30と、その前側に位置する前部32とを有し、後部30と前部32とが接続部34にて接続され、かかる接続部34が後述する如く椅子本体4が傾動する際の支点として機能する。この形態では、左支持脚部14の部位14aが第1接地台部26の前部32の中間部に接続され、左脚部24が第1接地台部26の後部30の後端部に接続されている。また、右支持脚部16の部位16aが第2接地台部28の前部32の中間部に接続され、右脚部(図示せず)が第2接地台部28の後部30の後端部に接続されている。
第1接地台部26(第2接地台部28)の後部30は水平方向に延び、この後部30が床面2に接地した状態では、図1〜図3に示すように、座部6が水平状態に保たれ、通常使用状態においては、この後部30が床面2に接地される。また、第1接地台部26(第2接地台部28)の前部32は、接続部34から前方に向けて上方に直線状に傾斜して延び、この前部32が床面2に接地した状態では、図4に示すように、座部6が前方に向けて下方に傾斜した状態に保たれ、立上り使用状態においては、後述するように、この前部32が床面に接地される。
この椅子本体4では、補強のために各種補強部材36,38,40,42が設けられている。補強部材36は左右支持壁部18,20の下部間に設けられ、補強部材38は左右支持壁部18,20の上端部間に設けられ、また補強部材40は左右側壁部22の下部間に設けられ、更に補強部材42は第1及び第2接地台部26,28の後部30間に接続されている。
この椅子本体4においては、各種構成要素を次のように構成するのが好ましい。第1及び第2接地台部26,28については、前部32の長さ(L)(図3参照)が30〜70cmであるのが好ましく、35〜50cmであるのが更に好ましい。前部32の長さ(L)が30cmより短くなると、前部32と床面2との接触長さが短くなり、立上り使用状態での保持が不安定となり、特にパーキンソン病患者が使用する場合においては不安感を抱くようになり、また前部32の長さ(L)が70cmより長くなると、前部32が座部6より前方に大きく突出するようになり、取り扱い性、デザイン性などが悪くなる。
また、この前部32の床面2に対する傾斜角度(α)(図4参照)は、10〜18度であるのが好ましく、12〜16度であるのが更に好ましい。この傾斜角度(α)が10度より小さくなると、立上り使用状態における椅子本体4の前方への傾斜角度(換言すると、座部6の下方への傾斜角度)が小さくなり、この椅子を用いた立上り容易性の効果があまり期待できず、またこの傾斜角度(α)が18度より大きくなると、立上り使用状態における椅子本体4の前方への傾斜角度が大きくなり、立上り使用状態において使用者が前に大きく傾くようになり、この立上り使用状態における使用者の姿勢が不安定になり、また大きく前に傾くために肘掛け部10,12から手を離したときに元に戻り難くなり、特にパーキンソン病患者が使用する場合においては不安感を抱かせるようになる。
第1及び第2接地台部26,28の接続部34(揺動支点)と座部6に着座した使用者の体重心P(図3及び図4参照)との関係は、図3及び図4に示すように構成するのが望ましい。即ち、通常使用状態(第1及び第2接地台部26,28の後部30が接地する状態)においては、座部6に通常の姿勢で着座した使用者Qの体重心Pが第1及び第2接地台部26,28の後部30側に位置する(即ち、接続部34より後側)に位置するように構成するのが好ましく、このように構成することによって、使用者Qの体重心Pを利用して椅子本体4をこの通常使用状態に保持することができる。また、立上り使用状態(第1及び第2接地台部26,28の前部32が接地する状態)においては、図4に示すように、座部6に立上り姿勢で着座した使用者Qの体重心Pが第1及び第2接地台部26,28の前部32側に位置する(即ち、接続部34より前側)に位置するように構成するのが好ましく、このように構成することによって、使用者Qの体重心Pを利用して椅子本体4をこの立上り使用状態に保持することができる。
また、背もたれ部8に関しては、次のように構成するのが好ましい。この背もたれ部8の座部6に対する傾斜角度(β)(図1参照)は、95〜110度であるのが好ましい。この傾斜角度(β)が95度より小さいと、座部6に着座した着座姿勢が真っ直ぐに近い姿勢となり、ゆったりとくつろいで着座することが難しくなり、またこの傾斜角度(β)が110度より大きくなると、この着座姿勢が後側に大きく傾いた姿勢となり、安定的な姿勢を保つことが難しくなる。
また、この背もたれ部8は、着座した使用者Qの背中まで伸び、使用者Qの腰から背中までにわたって支持するように構成されているが、使用者Qの腰又は腰より上方まで支持するように構成することによって所望の効果が得られる。即ち、このように構成することによって、座部6に着座した使用者Qが後方にもたれても体を安定して支持することができ、例えばパーキンソン病患者であっても安心して着座姿勢を取ることができる。
更に、左右肘掛け部10,12に関連して、左右肘掛け部10,12の前端は、座部6の前端を基準にして−10〜10cmの範囲(換言すると、座部6の前端から10cm後側に引っ込む位置から座部6の前端から10cm前側に突出する位置までの範囲)に位置するように構成するのが好ましい。左右肘掛け部10,12の前端が座部6の前端から10cmを越えて後側に引っ込むと、立上りの際に左右肘掛け部10,12の前端を後方に押し出してその反動を利用することが難しくなるとともに、着座するときにも左右肘掛け部10,12を見つけ難くなり、例えばパーキンソン病患者では着座する際の不安感の一つとなり、また左右肘掛け部10,12の前端が座部6の前端から10cmを越えて前側に突出すると、立上りの際に左右肘掛け部10,12の前端を掴むことが難しく、これら前端を利用して立ち上がることが難しくなる。
このような椅子を用いた立上り動作(起立動作)は、次のように行われる。主として図3及び図4を参照して、椅子本体4の座部6に着座するときには、例えば、前を向いた状態でもって第1及び第2接地台部26,28間に位置し(このとき、椅子本体4は自重によって通常使用状態に保持されている)、そして、左右肘掛け部10,12を左右の手でもって体を支え、このような状態で腰を座部6に載せるようにゆっくり下げればよく、例えばパーキンソン病患者、足腰の弱い高齢者などであっても安心して座部6に着座することができる。
このような着座状態から立ち上がるには、例えば、両足を床面2に接地させた後に左右肘掛け部10,12の先端部を左右の手で掴み、上半身を前に傾けて立ち上がる姿勢を取る。そして、この状態にて左右肘掛け部10,12を後方に押し出すようにして立ち上がればよい。着座した通常使用状態(図3に示す状態)において、両足を床面2に接地させた状態にて左右肘掛け部10,12を掴んで上半身を前に傾けると、図4に示すように、体重移動によって、椅子本体4が第1及び第2接地台部26,28の接続部34を支点として前側に傾動し、この傾動に伴って、使用者Qの体重心Pが第1及び第2接地台部26,28の接続部34より前側に(即ち、前部32側)に移動し、この体重心Pによって、椅子本体4は、第1及び第2接地台部26,28の前部32が床面2に接地する立上り使用状態に保持される。
そして、このような立上り使用状態にて左右肘掛け部10,12を後方に押し出すようにすると、その反動でもって体が前側に押し出され、左右肘掛け部10,12を押す反動を利用して容易に立ち上がることができる。このように椅子本体4を前傾させて立上り使用状態に保持して使用者Qの体重を前側に移動させ、その後左右肘掛け部10,12を後方に押し出す反動を利用して立ち上がるので、例えばパーキンソン病患者、足腰の弱い高齢者であっても容易に且つ安心して立ち上がることができる。
〔第2の実施形態〕
次に、図5を参照して、第2の実施形態の椅子について説明する。この第2の実施形態においては、左右支持壁部並びに第1及び第2接地台部に修正が施されている。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図5において、この第2の実施形態では、椅子本体4Aが通常使用状態に確実に戻るように、椅子本体4Aの後底部に錘部材52が設けられている。この形態では、左支持壁部18Aの下端部が第1接地台部26の後部30の後端部まで延びて接続され、左支持壁部18Aの下部が第1脚部として機能する。また、図示していないが、椅子本体4Aの左側の構成と同様に、右支持壁部の下端部が第2接地台部の後部の後端部まで延びて接続され、右支持壁部の下部が第2脚部として機能する。錘部材52は、左支持壁部18A及び右支持壁部(図示せず)の底部間に取り付けられ、第1及び第2接地台部26の接続部34を支点として図5において時計方向の力を付与し、椅子本体4Aを通常使用状態(第1及び第2接地台部26の後部30が床面2に接地する状態)に保持する。尚、この錘部材52としては、例えば金属製の棒状又はパイプ状部材を用いることができる。
また、第1及び第2接地台部26の後部30の後端部に緩衝部材54が設けられている。この緩衝部材54は、合成ゴムなどから形成することができ、床面2に当接したときに幾分弾性変形して衝撃を吸収する。このような緩衝部材54を設けることによって、椅子本体4Aが通常使用状態に戻って第1及び第2接地台部26の後部30が床面2に当接する際の衝撃を緩衝する。第2の実施形態の椅子のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一でよい。
この第2の実施形態の椅子も、その基本的形態の構成が第1の実施形態と実質上同一であるので、上述したと同様の作用効果を達成することができる。
〔第3の実施形態〕
次に、図6を参照して、第3の実施形態の椅子について説明する。この第3の実施形態においては、第1及び第2接地台部に修正が施されている。
図6において、この形態の椅子では、椅子本体4Bの第1及び第2接地台部26B(図6において第1接地台部26Bのみを示す)の前部32に角度調整部材62が取り付けられている。例えば、第1及び第2接地台部26Bの前部32の所定部位に、例えばねじ穴(又は圧入用凹部など)(図示せず)を設け、一方角度調整部材62にねじ軸(又は圧入用軸部など)(図示せず)を設け、角度調整部材62のねじ軸(又は圧入用軸部)を第1及び第2接地台部26Bのねじ穴(又は圧入用凹部)に螺着(又は圧入)することによって、角度調整部材62を第1及び第2接地台部26Bに取り付けることができる。このような角度調整部材62は、合成樹脂、硬質合成ゴム、木などから形成することができる。
この角度調整部材62は、長さの異なる複数種類のものから適切なものを選択して立上り使用状態における椅子本体4Bの前傾角度を使用者に合った角度に設定することができる。即ち、長さの長い(又は短い)角度調整部材62を取り付けた場合、この角度調整部材62が床面2に当接することによって、第1及び第2接地台部26Bの前部32と床面2との間に比較的大きな(又は比較的小さな)隙間が生じ、これによって、第1及び第2接地台部26Bの前部32の床面2に対する傾斜角度が小さくなる(又は大きくなる)ように調整され、立上り使用状態(即ち、第1及び第2接地台部26Bの前部32が床面2に接地した状態)における椅子本体4Bの前傾角度を小さく(又は大きく)保つことができる。この実施形態のその他の構成は、上述した第2の実施形態と実質上同一でよい。
〔第4の実施形態〕
次に、図7を参照して、第4の実施形態の椅子について説明する。この第4の実施形態では、椅子本体の第1及び第2接地台部に修正が施されている。
図7において、この形態の椅子では、第1及び第2接地台部26C(図7において第1接地台部26Cのみ示す)の前部32Cが前方に向けて2段に傾斜している。即ち、前部32Cは、第1及び第2接地台部26Cの接続部34から前方(図7において左方)に向けて上方に第1傾斜角度(α1)で直線状に傾斜して延びる第1傾斜前部72と、この第1傾斜前部72の先端部から前方に向けて上方に第2傾斜角度(α2)で直線状に傾斜して延びる第2傾斜前部74とから構成されている。この場合、第1傾斜角度(α1)は、例えば3〜9度に設定することができ、また第2傾斜角度(α2)は、立上り使用状態における椅子本体4Cの前傾角度を考慮して例えば10〜18度に設定することができる。また、第2傾斜前部74の長さ(L2)は、立上り使用状態における安定性を確保するために、第1傾斜前部72の長さ(L1)よりも長くするのが好ましい。この第4の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一でよい。
この形態の椅子においては、第1及び第2接地台部32Cが2段に構成されているので、立上り使用状態に移行する際に、第1傾斜前部72が床面2に接地した後に第2傾斜前部74が床面2に接地して立上り使用状態に保たれ、従って、その移行が2段階となって安定して行うことができる。
この第4の実施形態では、第1及び第2接地台部26Cの前部32Cが前方に向けて2段に傾斜しているが、このような構成に限定されず、かかる前部32Cを前方に向けて3段以上の多段に傾斜させるようにしてもよい。
〔第5の実施形態〕
次に、図8を参照して、第5の実施形態の椅子について説明する。この第5の実施形態では、椅子本体の第1及び第2接地台部に修正が施されている。
図8において、この形態の椅子では、第1及び第2接地台部26D(図8において第1接地台部のみ示す)の前部32Dが前方に向けて円弧状に延びている。即ち、前部32Dは、第1及び第2接地台部26Dの接続部34から前方(図8において左方)に向けて円弧状に上方に延びており、この場合においても、この前部32Dの長さ(L3)は、30〜70cmに設定するのが望ましい。この第5の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一でよい。
この第5の実施形態では、第1及び第2接地台部26Dの前部32Dが前方に向けて円弧状に延びているので、着座した状態で前側に体重移動させると、椅子本体4Dが前側に傾動して使用者の体重心とのバランスでもって立上り使用状態に保持され、このように構成しても上述したと同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明に従う椅子の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が「可能である。
例えば、上述した実施形態では、一対の第1及び第2脚部を設けているが、このような構成に限定されず、第1及び第2脚部をプレート状又は柱状の一つのものから構成してもよく、或いは3つ以上のものから構成するようにしてもよい。
2 床面
4,4A,4B,4C,4D 椅子本体
6 座部
8 背もたれ部
10,12 肘掛け部
14,16 支持脚部
18,18A,20 支持壁部
26,26B,26C,26D 第1接地台部
28 第2接地台部
30 後部
32,32C,32D 前部
34 接続部
P 体重心
Q 使用者



Claims (6)

  1. 着座するための座部と、前記座部の左側から下方に延びる左側脚部と、前記座部の右側から下方に延びる右側脚部と、前記左側脚部の下端部に設けられた左側接地台部と、前記右側脚部の下端部に設けられた右側接地台部と、前記座部の後端部から上方に延びる背もたれ部と、前記座部の両側上方に配設された肘掛け部と、を備え、
    前記左側及び右側接地台部は、水平方向に延びる後部と、前記後部の前側に位置し前方に向けて上方に直線状に傾斜して延びる前部と、を有し、前記左側及び右側接地台部の前記前部の長さ(L)が30〜70cmであり、通常使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記後部が床面に接地し、立上り使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記前部が床面に接地され、
    床面に対する前記左側及び右側接地台部の前記前部の傾斜角度(α)が10〜18度であることを特徴とする椅子。
  2. 通常使用状態においては、前記座部に通常の姿勢で着座した使用者の体重心が前記左側及び右側接地台部の前記後部側に位置して前記後部が床面に接地し、この状態から立上り姿勢になると、前記左側及び右側接地台部の前記前部と前記後部との接続部を支点として前方に傾動し、この傾動に伴って、前記座部に立上り姿勢で着座した使用者の体重心が前記左側及び右側接地台部の前記前部側に移動して前記前部が床面に接地することを特徴とする請求項1に記載の椅子。
  3. 前記背もたれ部は、前記座部から上方に、前記座部に着座した使用者の腰よりも上方まで延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子。
  4. 前記座部に対する前記背もたれ部の傾斜角度(β)が95〜110度であることを特徴とする請求項3に記載の椅子。
  5. 前記肘掛け部の前端は、前記座部の前端を基準にして−10cm〜10cmの範囲に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の椅子。
  6. 着座するための座部と、前記座部の左側から下方に延びる左側脚部と、前記座部の右側から下方に延びる右側脚部と、前記左側脚部の下端部に設けられた左側接地台部と、前記右側脚部の下端部に設けられた右側接地台部と、前記座部の後端部から上方に延びる背もたれ部と、前記座部の両側上方に配設された肘掛け部と、を備え、
    前記左側及び右側接地台部は、水平方向に延びる後部と、前記後部の前側に位置し前方に向けて上方へ多段に傾斜して延びる前部と、を有し、前記左側及び右側接地台部の前記前部の長さ(L)が30〜70cmであり、
    前記左側及び右側接地台部の前記前部は、前方に向けて第1傾斜角度で直線状に傾斜して延びる第1傾斜前部と、前記第1傾斜前部の先端部から前方に向けて上方に第2傾斜角度で直線状に傾斜して延びる第2傾斜前部とを有し、
    通常使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記後部が床面に接地し、立上り使用状態においては、前記左側及び右側接地台部の前記第2傾斜前部が床面に接地され、
    床面に対する前記左側及び右側接地台部の前記第2傾斜前部の前記第2傾斜角度(α2)が10〜18度であることを特徴とする椅子。
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