JP4173221B2 - 離着座補助装置及び椅子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離着座時の負担を軽減することができる離着座補助装置及び椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高齢者や身障者の離着座を補助する際には、図12に示すような補助座椅子101が用いられていた(特開平9−206160号公報参照)。
【0003】
この補助座椅子101は、椅子の座面に載置され使用されるものであり、前記座面に載置される基板105と、該基板105の前端部の幅方向に沿って配設されたナイトハルトゴムばね106と、該ナイトハルトゴムばね106を介して支持された座板107とにより構成されている。前記ナイトハルトゴムばね107は、前記基板105に固定される金属製の外殻筒108と、該外殻筒108内に収容された芯軸109とにより構成されており、前記外殻筒108内の四隅には、円柱形ゴム材110が圧入されている。そして、前記座板107の裏面には、ストパー111が設けられており、該ストッパー111が前記基板105に当接することにより、前記座板107への荷重を支持できるように構成されている。
【0004】
これにより、前記座板107には、前記ナイトハルトゴムばね106の弾発許容範囲で、前記基板105に対する傾斜揺動性と減衰性が付与されるように構成されており、着座時には臀部を安定的に導くとともに、離座時には臀部の持ち上げを補助できるように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記補助座椅子101にあっては、臀部の離着座を補助する補助力を、ナイトハルトゴムばね106のばね力に依存している。このため、該ナイトハルトゴムばね106内の円柱形ゴム110,・・・が経時的な劣化によりへたると、前記ばね力が低下してしまい、離着座時の補助性能が低下してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、離着座時の補助効果を長期にわたり保持することができる離着座補助装置及び椅子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の離着座補助装置にあっては、着座用の座板が支持部材に支持された離着座補助装置において、互いに対向した一方の部材に平面が形成され、他方の部材に前記平面側へ膨出する曲面が形成されるとともに、前記平面に前記曲面が接触された状態で、前記一方の部材に対する前記他方の部材の傾斜角度が変更自在な傾動機構を形成し、該傾動機構により前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成した。
【0008】
すなわち、本発明の離着座補助装置を、例えば、通常の椅子で使用する際には、該椅子の座面に前記離着座補助装置を載置し、該離着座補助装置の座板に腰を下ろす。このとき、初期段階において、着座者の臀部は、傾斜した状態で座板に当接するが、該座板は、傾動機構により前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成できる。このため、当該座板が前記傾斜状態となることにより、臀部との密着性が確保される。
【0009】
そして、前記傾動機構は、互いに対向した一方の部材に形成された平面と、他方の部材に形成された曲面との接触状態により、前記一方の部材に対する前記他方の部材の角度を可変させる構造を有しており、前記座板は、前記両部材の支持関係が維持された状態で、その傾角が可変される。これにより、着座時において、体重移動することにより、前記座板の傾角が可変される。
【0010】
一方、着座状態から立ち上がる際には、前記座板上にて体重を前方へ移動する。すると、前記座板は、後縁部が前端部より高い傾斜状態となるので、着座者は、その臀部が、前記座板に密着した状態で押し上げられるとともに、前方へ押圧される。
【0011】
また、請求項2の椅子にあっては、フレームを形成する椅子本体に着座用の座板が設けられ、該座板の後部側に背凭れが設けられた椅子において、互いに対向した一方の部材に平面が形成され、他方の部材に前記平面側へ膨出する曲面が形成されるとともに、前記平面に前記曲面が接触された状態で、前記一方の部材に対する前記他方の部材の傾斜角度が変更自在な傾動機構を形成し、該傾動機構により前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成した。
【0012】
すなわち、本発明の椅子の座板に腰を下ろす際には、初期段階において、着座者の臀部は、傾斜した状態で座板に当接するが、該座板は、傾動機構により前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成できる。このため、当該座板が前記傾斜状態となることにより、臀部との密着性が確保される。
【0013】
そして、前記傾動機構は、互いに対向した一方の部材に形成された平面と、他方の部材に形成された曲面との接触状態により、前記一方の部材に対する前記他方の部材の角度を可変させる構造を有しており、前記座板は、前記両部材の支持関係が維持された状態で、その傾角が可変される。これにより、着座時において、体重移動することにより、前記座板の傾角が可変される。
【0014】
一方、着座状態から立ち上がる際には、前記座板上にて体重を前方へ移動する。すると、前記座板は、後縁部が前端部より高い傾斜状態となるので、着座者は、その臀部が、前記座板に密着した状態で押し上げられるとともに、前方へ押圧される。
【0015】
さらに、請求項3の椅子にあっては、フレームを形成する椅子本体に着座用の座板が設けられ、該座板の後部側に背凭れが設けられた椅子において、前記椅子本体に、前端部が下方へ屈曲した屈曲面が上面に形成された支持部材を設けるとともに、前記座板を、前記支持部材の前記上面に接触させた状態で揺動自在に支持し、前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成した。
【0016】
すなわち、本発明の椅子の座板に腰を下ろす際には、初期段階において、着座者の臀部は、傾斜した状態で座板に当接するが、前記座板は、その前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成できる。このため、当該座板が前記傾斜状態となることにより、臀部との密着性が確保される。
【0017】
そして、この座板は、椅子本体に設けられるとともに、前端部が下方へ屈曲した屈曲面が上面に形成された支持部材の前記上面に接触した状態で揺動自在に支持されており、前記座板は、前記支持部材との支持関係が維持された状態で、その傾角が可変される。これにより、着座時において、体重移動することにより、前記座板の傾角が可変される。
【0018】
一方、着座状態から立ち上がる際には、前記座板上にて体重を前方へ移動する。すると、前記座板は、下方へ屈曲する屈曲面が形成された前記支持部材の前端部に位置した状態で、後縁部が前端部より高い傾斜状態となるので、着座者は、その臀部が、前記座板に密着した状態で押し上げられるとともに、前方へ押圧される。
【0019】
また、請求項4の椅子においては、前記椅子本体は、前部を支持する前脚部及び後部を支持する後脚部を備え、前記支持部材を、前記前脚部と前記後脚部とを連結して前記椅子本体を形成する本体構成部材により構成した。
【0020】
すなわち、前記支持部材を、前脚部と後脚部とを連結して椅子本体を形成する本体構成部材により構成することにより、前記座板を傾斜させる前記支持部材と本体構成部材との共有化が図られる。
【0021】
さらに、請求項5の椅子では、前記座板の両脇に位置するアームレストを前記椅子本体に設けた。
【0022】
すなわち、アームレストは、前記座板の両脇に配置されているので、着座時の補助として利用される。また、前記アームレストは、前記椅子本体に設けられているので、前記座板の傾動に伴う変位が防止される。
【0023】
加えて、請求項6の椅子にあっては、前記座板の裏面に、当該座板の重心位置を変更するバランサーを設けた。
【0024】
これにより、バランサーにより座板の重心位置が可変されることにより、無荷重時における座板の傾角が調整される。
【0025】
【実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面にしたがって説明する。図1は、本実施の形態にかかる木製の椅子1を示す図であり、離着座補助装置を構成する部分が分解された状態が示されている。
【0026】
この椅子1のフレームを形成する椅子本体5は、木製の左及び右前足6,7と左及び右後足8,9とを備えている。前記左前足6と右前足7とは、中途部が前貫10によって連結されており、椅子本体5の前部を支持する前脚部11が形成されている。前記左後足8と右後足9とは、中途部が後貫12によって連結されており、椅子本体5の後部を支持する後脚部13が形成されている。
【0027】
前記左前足6の上端部は、左折曲部21を介して後方へ向けて延出するとともに、前記左後足8の上部に固定されており、左アームレスト22を形成している。また、前記右前足7の上端部も、右折曲部23を介して後方へ向けて延出するとともに、前記右後足9の上部に固定されており、右アームレスト24を形成している。さらに、前記左右後足8,9は、前記左右アームレスト22,24が固定された部位より斜め後方へ延出しており、これら左右延出部25,26には、後方へ突出した湾曲板からなる背板27が固定され、背凭れ28が形成されている。そして、前記前脚部11を形成する前貫10と前記後脚部13を形成する後貫12との間には、図2にも示すように、椅子本体5の構成部材を成す支持部材としての左右側貫30,31が架橋されており、両側貫30,31によって着座用の座板32が支持されている。
【0028】
該座板32は、図3にも示すように、矩形状に形成された板材により形成されており、表面はカバーにより覆われているとともに、裏面42は平面を形成している。該裏面42には、左右の部位にゴム製の左右ブラケット43,44がネジ止めされており、両ブラケット43,44には、左右に貫通するとともに円弧状に形成された長穴45,45が設けられている(図1及び図2参照)。また、前記座板32の裏面42には、前記両ブラケット43,44の中間部位に、バランサー46が設けられている。
【0029】
該バランサー46は、当該バランサー46を前記座面32に固定する固定部51と、該固定部51より突出したネジが挿通されるスリット52を有するとともに、蝶ナット53によって固定された長尺状のアーム54と、該アーム54の一端部に設けられた重り55とにより構成されている。これにより、前記アーム54をスライドさせ、前記重り55の位置を移動させることにより、前記座板32の重心位置を可変できるように構成されている。
【0030】
また、前記左右側貫30,31は、図2に示したように、木製の角材からなり、その前端部には、下方へ向けて屈曲した屈曲部61,61が形成されている。両屈曲部61,61には、左右へ貫通した貫通穴62,62が設けられており、両貫通穴62,62は、図1に示したように、前記両側貫30,31の内側に配置される前記両ブラケット43,44の長穴45,45と合致する位置に設定されている。これにより、先端部にネジ山が形成されたボルト65を、前記左側貫側30より挿通させるとともに、前記右側貫31より貫通させた状態でナット66を締結することにより、前記座板32を、前記左右側貫30,31の上面67,67に接触させた状態で揺動自在に支持できるように構成されている。
【0031】
そして、前記左右側貫30,31には、図4(左側貫30のみ図示)にも示すように、前記屈曲部61と、該屈曲部61を境にした前方側の前方部71と、後方側の後方部72とが形成され、左右側貫30,31の上面67には、前記前方部71上の前部平滑面75、前記屈曲部61上の屈曲面76、及び前記後方部72上の後部平滑面77が形成されている。この左右側貫30,31は、前記後部平滑面77が後方へ向かうに従って下方へ傾斜する状態で固定されている。
【0032】
これにより、前記座板32は、その裏面42が前記前部平滑面75に面接し、前縁部が後縁部より低くなるように傾斜した離着座状態81(図4中実線にて図示)と、前記後部平滑面77に面接し、後端部が前端部より低くなるように傾斜した後傾状態82(図4中二点鎖線で図示)とを形成可能に構成されている。さらに、前記座板32は、その裏面42が前記屈曲面76に面接し、前記離着座状態81と前記後傾状態82との間に位置する状態、具体的には、水平を保持された水平状態83(図4中一点鎖線で図示)や、着座者の背筋が伸びるような角度で傾斜した前傾状態84(図4中破線で図示)を形成可能に構成されている。このように、前記座板32の裏面42と前記各側貫30,31の上面67,67とによって、座板32を傾動する傾動機構85が形成されている。
【0033】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記椅子1を使用する際には、座板32の裏面42に設けられたバランサー46により座板32の重心位置を調整して、非着座時において前記座板32が、図4にて実線で示した離着座状態81となるように調整する。これにより、着座時の初期段階において、図5に示すように、傾斜した状態となる着座者101の臀部102と前記座板32との距離を接近させることができるので、着座時における不安を解消することができる。
【0034】
また、前記椅子1は、前記座板32の両脇に左右アームレスト22,24を備えており、着座者101は、これらアームレスト22,24に手を掛けて着座することができる。このとき、各アームレスト22,24は、椅子本体5を構成する左右前足6,7により形成されているので、着座時に、アームレスト22,24が座板32と共に傾動してしまうロッキングチェアと比較して、着座の容易性を高めることができる。
【0035】
そして、この椅子1に腰を下ろす際には、着座者101の臀部102と傾斜された前記座板32との密着性を確保することができるので、座面が水平に保たれた通常の椅子へ腰を下ろす場合と比較して、着座者101を安定的に着座状態へ導くことができる。一方、着座状態から立ち上がる際には、前記座板32上にて体重を前方へ移動することにより、前記座板32を、図4にて実線で示した離着座状態81を容易に形成することができる。これにより、着座者101の臀部102を、前記座板32に密着した状態で押し上げることができるとともに、前方へ押し出す働きをも得ることができる。したがって、座板32の傾角を可変する機構がナイトハルトゴムばねにより構成され、該ナイトハルトゴムばねに内蔵された円柱形ゴムの経時的な劣化等により、離着座時の臀部102への補助効果が低下してしまう従来と比較して、離着座時の補助効果を長期にわたり保持することができる。
【0036】
また、この座板32は、椅子本体5に設けられるとともに、下方へ屈曲した屈曲面76が前端部に形成された左右側貫30,31の上面67に接触した状態で揺動自在に支持されており、前記座板32は、両側貫30,31との支持関係が維持された状態で、その傾角が可変される。このため、座板32が傾倒して座板32の裏面に設けられたストッパーが当接した際のみに、当該座板32が支持される従来と比較して、体重移動により前記座板32を任意の角度に維持することができる。
【0037】
具体的には、体重を後方へ移動して前記座板32を、図4中で二点鎖線で示した後傾状態82にすることにより、図6に示すように、背凭れ28に寄り掛かった休息性の高い姿勢に保つことができる。また、体重をやや前方へ移動して座板32を、図4中で一点鎖線で示した水平状態83にすることにより、図7に示すように、着座者101の体をテーブル側へ寄せて食事をする等、作業性の高い姿勢に保つことができる。加えて、体重をさらに前方へ移動して座板32を、図4中で破線で示した前傾状態84にすることにより、図8に示すように、パソコンのキーボードを操作する等、着座者101の背筋が自然に伸びるような姿勢に保つことができる。
【0038】
一方、前記座板32の傾動機構85を構成する前記各側貫30,31は、図1に示したように、前記椅子本体5を構成する一部材なので、本体構成部材との共有化を図ることができる。これにより、製造コストを押さえることができる。
【0039】
なお、本実施の形態にあっては、座板32の裏面42を平面とするとともに、左右側貫30,31の上面67,67に屈曲面76,76を形成した場合を例に挙げて説明したが、座板32の裏面42に曲面を形成し、かつ前記側貫30,31の上面67,67を平面としても良い。
【0040】
(第2の実施の形態)
図9及び図10は、第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と異なる部分のみについて説明する。
【0041】
すなわち、左右側貫30,31の内側面111には、外側面112へ貫通しない凹部113が設けられており、該凹部113には、短ロッド114及びカバー115からなるジョインター116が突出した状態で挿入されている。
【0042】
これにより、前記各側貫30,31の外側面112の外観品質を高めることができる。
【0043】
(第3の実施の形態)
図11は、第3の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と異なる部分のみについて説明する。
【0044】
すなわち、座板32の裏面42には、内側へ後退する取付部121が形成されており、該取付部121は、外面側の小径部122と、内側の大径部123とにより形成されている。この取付部121には、第1の実施の形態における左右ブラケット43,44に相当する鋼材あるいは樹脂により形成されたクリップ124が取り付けられている。該クリップ124は弾性を有し、両足部125,126を挟持して前記取付部121の小径部122より大径部123内へ挿入した後、手を離すことによって、両足部125,126が広がるとともに、両足125,126先端のフランジ127,127が、前記小径部122と前記大径部123との段差128に係止されるように構成されている。
【0045】
このため、前記座板32への前記クリップ124の取付が容易となり、組み立てやすい椅子1となる。また、前記クリップ124は、取り外しも容易なので、座板に設けられたカバーの洗濯など容易となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1の着座補助装置にあっては、着座時において、傾動機構によって座板を前縁部が後縁部より低い傾斜状態にすることができるので、着座時の初期段階において、傾斜した状態で座板に当接する着座者の臀部と前記座板との密着性を確保することができる。このため、座面が水平に保たれた通常の椅子へ腰を下ろす場合と比較して、前記座板を着座者の臀部に近づけることができるとともに、着座者を、安定的に着座状態へ導くことができる。また、着座状態から立ち上がる際には、前記座板上にて体重を前方へ移動することにより、前記座板の後縁部が前端部より高い傾斜状態を形成することができる。このため、着座者の臀部を、前記座板に密着した状態で押し上げることができるとともに、前方へ押し出す働きをも得ることができる。したがって、座板の傾角を可変する機構がナイトハルトゴムばねにより構成され、該ナイトハルトゴムばねに内蔵された円柱形ゴムの経時的な劣化等により、離着座時の臀部への補助効果が低下してしまう従来と比較して、離着座時の補助効果を長期にわたり保持することができる。
【0047】
そして、前記傾動機構は、互いに対向した一方の部材に形成された平面と、他方の部材に形成された曲面との接触状態により、前記一方の部材に対する前記他方の部材の角度を可変させる構造を有しており、前記座板は、前記両部材の支持関係が常に維持された状態で傾角が可変される。このため、座板が傾倒して座板の裏面に設けられたストッパーが当接した際のみに、前記座板が支持される従来と比較して、体重移動により前記座板を任意の角度に維持することができる。
【0048】
また、請求項2の椅子にあっても前述の傾動機構を用いることにより、請求項1を同様に、着座時において、着座者を安定的に着座状態へ導くことができるとともに、着座状態から立ち上がる際には、着座者の臀部を押し上げ、かつ前方へ押し出す効果を奏することができ、離着座時の補助効果を長期にわたり保持することができる。
【0049】
そして、前記座板は、請求項1と同様に、前記傾動機構における互いに対向した一方の部材に形成された平面と、他方の部材に形成された曲面との支持関係が常に維持された状態で傾角が可変されることから、体重移動により前記座板を任意の角度に維持することができる。
【0050】
さらに、請求項3の椅子にあっては、着座時において、座板を、その前縁部が後縁部より低い傾斜状態に形成できるので、着座時の初期段階において、傾斜した状態で座板に当接する着座者の臀部と前記座板との密着性を確保することができる。このため、座面が水平に保たれた通常の椅子へ腰を下ろす場合と比較して、前記座板を着座者の臀部に近づけることができるとともに、着座者を、安定的に着座状態へ導くことができる。また、着座状態から立ち上がる際には、前記座板上にて体重を前方へ移動することにより、前記座板を、下方へ屈曲する屈曲面が形成された前記支持部材の前端部にて、後縁部が前端部より高い傾斜状態をすることができるので、着座者の臀部を、前記座板に密着した状態で押し上げることができるとともに、前方へ押し出す働きをも得ることができる。
【0051】
したがって、請求項1の場合と同様に、座板の傾角を可変する機構がナイトハルトゴムばねにより構成され、該ナイトハルトゴムばねに内蔵された円柱形ゴムの経時的な劣化等により、離着座時の臀部への補助効果が低下してしまう従来と比較して、離着座時の補助効果を長期にわたり保持することができる。
【0052】
そして、この座板は、椅子本体に設けられるとともに、下方へ屈曲した屈曲面が前端部に形成された支持部材の上面に接触した状態で揺動自在に支持されており、前記座板は、前記支持部材との支持関係が維持された状態で、その傾角が可変される。このため、座板が傾倒して座板の裏面に設けられたストッパーが当接した際のみに、前記座板が支持される従来と比較して、体重移動により前記座板を任意の角度に維持することができる。
【0053】
また、請求項4の椅子においては、前記支持部材を、前脚部と後脚部とを連結して椅子本体を形成する本体構成部材により構成することにより、前記座板を傾斜させる前記支持部材と本体構成部材との共有化を図ることができる。これにより、製造コストを押さえることができる。
【0054】
さらに、請求項5の椅子では、座板の両脇に配置されたアームレストを、着座時の補助として利用することができる。そして、このアームレストは、前記椅子本体に設けられているので、前記座板の傾動に伴う変位が防止される。よって、着座する際にアームレストも傾動してしまうロッキングチェアと比較して、着座の容易性を高めることができる。
【0055】
加えて、請求項6の椅子にあっては、座板裏面のバランサーにより座板の重心位置を可変することにより、無荷重時における座板の傾角を調整することができる。これにより、非着座時において、予め前記座板を、その前縁部が後縁部より低い傾斜状態に維持しておくことが可能となり、着座時の不安解消効果をさらに高めることができる。
【0056】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の要部を分解した状態を示す斜視図である。
【図2】図1の要部を示す拡大図である。
【図3】同実施の形態の座板を示す底面図である。
【図4】同実施の形態の座板の傾動状態を示す側面図である。
【図5】同実施の形態の座板が離着座状態に維持された状態を示す斜視図である。
【図6】同実施の形態の座板が後傾状態に維持された状態を示す斜視図である。
【図7】同実施の形態の座板が水平状態に維持された状態を示す斜視図である。
【図8】同実施の形態の座板が前傾状態に維持された状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】同実施の形態の要部を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。
【図12】従来の補助座椅子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 椅子
5 椅子本体
11 前脚部
13 後脚部
22 左アームレスト
24 右アームレスト
28 背凭れ
30 左側貫(支持部材)
31 右側貫(支持部材)
32 座板
42 裏面
46 バランサー
61 屈曲部
67 上面
76 屈曲面
81 着座状態
85 傾動機構

Claims (6)

  1. 着座用の座板が支持部材に支持された離着座補助装置において、
    互いに対向した一方の部材に平面が形成され、他方の部材に前記平面側へ膨出する曲面が形成されるとともに、前記平面に前記曲面が接触された状態で、前記一方の部材に対する前記他方の部材の傾斜角度が変更自在な傾動機構を形成し、該傾動機構により前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成したことを特徴とする離着座補助装置。
  2. フレームを形成する椅子本体に着座用の座板が設けられ、該座板の後部側に背凭れが設けられた椅子において、
    互いに対向した一方の部材に平面が形成され、他方の部材に前記平面側へ膨出する曲面が形成されるとともに、前記平面に前記曲面が接触された状態で、前記一方の部材に対する前記他方の部材の傾斜角度が変更自在な傾動機構を形成し、該傾動機構により前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成したことを特徴とする椅子。
  3. フレームを形成する椅子本体に着座用の座板が設けられ、該座板の後部側に背凭れが設けられた椅子において、
    前記椅子本体に、前端部が下方へ屈曲した屈曲面が上面に形成された支持部材を設けるとともに、前記座板を、前記支持部材の前記上面に接触させた状態で揺動自在に支持し、前記座板の前縁部が後縁部より低い傾斜状態を形成可能に構成したことを特徴とする椅子。
  4. 前記椅子本体は、前部を支持する前脚部及び後部を支持する後脚部を備え、前記支持部材を、前記前脚部と前記後脚部とを連結して前記椅子本体を形成する本体構成部材により構成したことを特徴とする請求項3記載の椅子。
  5. 前記座板の両脇に位置するアームレストを前記椅子本体に設けたことを特徴とする請求項3または4記載の椅子。
  6. 前記座板の裏面に、当該座板の重心位置を変更するバランサーを設けたことを特徴とする請求項3、4または5記載の椅子。
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