JP6028640B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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本発明は可変圧縮比内燃機関に関する。
シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることにより機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、操作子と、操作子を移動させるための入力トルクを発生する入力アクチュエータと、入力アクチュエータから操作子に入力トルクを伝達すると共に操作子から入力アクチュエータへの逆入力トルクを遮断するために操作子と入力アクチュエータの出力軸との間に配置された逆入力遮断クラッチと、を備え、操作子が移動されることにより機械圧縮比が変更される、内燃機関が知られている。
また、固定部材と、入力アクチュエータに連結された入力部材と、操作子に連結された出力部材と、出力部材と固定部材との間でロック位置と非ロック位置との間を移動可能な楔部材と、を備え、楔部材がロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが阻止され、楔部材が非ロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが許容され、機械圧縮比を変更するために入力部材が逆入力トルクの作用方向に移動されると楔部材がロック位置から非ロック位置に移動され、入力部材が更に逆入力トルクの作用方向に移動されると入力部材が出力部材に係合して出力部材が操作子と共に移動されるようになっている、逆入力遮断クラッチも公知である(特許文献1参照)。
ところが、楔部材が非ロック位置にあるときに出力部材に比較的大きな逆入力トルクが作用して出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動されると、楔部材が再びロック位置に位置するおそれがある。更に、その後、楔部材が再び非ロック位置に移動されるおそれがある。その結果、楔部材がロック位置と非ロック位置との間で往復動するおそれがある。この場合、楔部材が非ロック位置及びロック位置に移動されるときに楔部材が固定部材、出力部材、又は入力部材に激しく衝突すると、好ましくない騒音及び振動が発生する。そこで、上述の特許文献1では、入力部材と出力部材との間に圧縮バネを配置し、これら入力部材及び出力部材間の相対移動を抑制するようにしている。
特開2004−019726号公報
しかしながら、特許文献1では、入力部材及び出力部材間の相対移動が常に抑制されることになる。このため、機械圧縮比を変更すべく出力部材を移動させるために、大きな入力トルクが必要になるおそれがある。また、逆入力遮断クラッチの応答性、即ち入力トルクの入力に対する出力部材の移動の応答性が悪化するおそれもある。
本発明によれば、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることにより機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、操作子と、操作子を移動させるための入力トルクを発生する入力アクチュエータと、入力アクチュエータから操作子に入力トルクを伝達すると共に操作子から入力アクチュエータへの逆入力トルクを遮断するために操作子と入力アクチュエータの出力軸との間に配置された逆入力遮断クラッチと、を備え、操作子が移動されることにより機械圧縮比が変更され、逆入力遮断クラッチは、固定部材と、入力アクチュエータに連結された入力部材と、操作子に連結された出力部材と、出力部材と固定部材との間でロック位置と非ロック位置との間を移動可能な楔部材と、を備え、楔部材がロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが阻止され、楔部材が非ロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが許容され、機械圧縮比を変更するために入力部材が逆入力トルクの作用方向に移動されると楔部材がロック位置から非ロック位置に移動され、入力部材が更に逆入力トルクの作用方向に移動されると入力部材が出力部材に係合して出力部材が操作子と共に移動されるようになっている可変圧縮比内燃機関であって、シリンダブロックとクランクケースとの間にこれらシリンダブロック及びクランクケース間の相対移動を抑制可能な相対移動抑制器を設け、相対移動抑制器の作動及び停止を選択的に切り換えるようにした、可変圧縮比内燃機関が提供される。
入力トルクを小さく維持しかつ逆入力遮断クラッチの応答性を高く維持しつつ、好ましくない騒音及び振動を抑制することができる。
火花点火式内燃機関の全体図である。 可変圧縮比機構の分解斜視図である。 図解的に表した内燃機関の側面断面図である。 可変圧縮比機構の部分拡大図である。 逆入力遮断クラッチの部分断面図である。 図5の線XI−XIに沿ってみた部分断面図である。 逆入力遮断クラッチの動作を説明する図である。 逆入力遮断クラッチの動作を説明する図である。 内燃機関の部分拡大断面図である。 楔部材の再ロックを説明する図である。 低負荷領域LLA、中負荷領域MLA、及び高負荷領域HLAを示す線図である。 領域Xを示す線図である。 リンク角を説明する図である。 相対移動抑制制御を行うためのフローチャートである。
図1は本発明を火花点火式内燃機関に適用した場合を示している。本発明を圧縮着火式内燃機関に適用することもできる。
図1を参照すると、1はクランクケース、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火栓、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、各吸気枝管11には夫々対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は各吸気枝管11に取付ける代りに各燃焼室5内に配置してもよい。
サージタンク12は吸気ダクト14を介してエアクリーナ15に連結され、吸気ダクト14内にはアクチュエータ16によって駆動されるスロットル弁17と例えば熱線を用いた吸入空気量検出器18とが配置される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19を介して例えば三元触媒を内蔵した触媒コンバータ20に連結され、排気マニホルド19内には空燃比センサ21が配置される。
一方、図1に示される実施例ではクランクケース1とシリンダブロック2との連結部にクランクケース1とシリンダブロック2のシリンダ軸線方向の相対位置を変化させることにより内燃機関の機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構Aが設けられている。なお、ピストンが圧縮上死点に位置するときの燃焼室の容積を燃焼室容積と称すると、機械圧縮比は圧縮行程時のピストンの行程容積と燃焼室容積のみから機械的に定まる値であって(燃焼室容積+行程容積)/燃焼室容積で表される。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。吸入空気量検出器18の出力信号および空燃比センサ21の出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。更にクランクケース1に対するシリンダブロック2の相対位置を検出する位置センサ43が設けられ、位置センサ43の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して点火栓6、燃料噴射弁13、スロットル弁駆動用アクチュエータ16、可変圧縮比機構Aに接続される。
図2は図1に示す可変圧縮比機構Aの分解斜視図を示しており、図3は図解的に表した内燃機関の側面断面図を示している。図2を参照すると、シリンダブロック2の両側壁の下方には互いに間隔を隔てた複数個の突出部50が形成されており、各突出部50内には夫々断面円形のカム挿入孔51が形成されている。一方、クランクケース1の上壁面上には互いに間隔を隔てて夫々対応する突出部50の間に嵌合せしめられる複数個の突出部52が形成されており、これらの各突出部52内にも夫々断面円形のカム挿入孔53が形成されている。
可変圧縮比機構Aは操作子を備える。図2に示される例では操作子は一対のカムシャフト54,55から構成され、各カムシャフト54,55上には一つおきに各カム挿入孔51内に回転可能に挿入される円形カム56が固定されている。これらの円形カム56は各カムシャフト54,55の回転軸線と共軸をなす。一方、各円形カム56間には図3においてハッチングで示すように各カムシャフト54,55の回転軸線に対して偏心配置された偏心軸57が延びており、この偏心軸57上に別の円形カム58が偏心して回転可能に取付けられている。図2に示されるようにこれら円形カム58は各円形カム56間に配置されており、これら円形カム58は対応する各カム挿入孔53内に回転可能に挿入されている。
図3(A)に示すような状態から各カムシャフト54,55上に固定された円形カム56を図3(A)において実線の矢印で示される如く互いに反対方向に回転させると偏心軸57が下方中央に向けて移動するために円形カム58がカム挿入孔53内において図3(A)の破線の矢印に示すように円形カム56とは反対方向に回転し、図3(B)に示されるように偏心軸57が下方中央まで移動すると円形カム58の中心が偏心軸57の下方へ移動する。
図3(A)と図3(B)とを比較するとわかるようにクランクケース1とシリンダブロック2の相対位置は円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離によって定まり、円形カム56の中心と円形カム58の中心との距離が大きくなるほどシリンダブロック2はクランクケース1から離れる。シリンダブロック2がクランクケース1から離れると燃焼室容積は増大し、従って各カムシャフト54,55を回転させることによって燃焼室容積ないし機械圧縮比を変更することができる。
図4に示されるようにカムシャフト54,55の端部には歯車59,60が夫々固定されている。可変圧縮比機構Aは更に、カムシャフト54,55を回転させるための入力トルクを発生する入力アクチュエータ61を備える。図4に示される実施例では入力アクチュエータ61は電動モータから構成される。入力アクチュエータ61の出力軸61iは逆入力遮断クラッチ62および歯車列63を介して歯車59に結合され、歯車59は歯車列64を介して歯車60に結合される。従って、入力アクチュエータ61が回転されると、カムシャフト54,55が夫々反対方向に回転される。この実施例では入力アクチュエータ61を駆動することによって燃焼室容積ないし機械圧縮比を広い範囲に亘って変更することができる。なお、図1から図4に示される可変圧縮比機構Aは一例を示すものであっていかなる形式の可変圧縮比機構でも用いることができる。なお、操作子が直線往復運動を行う可変圧縮比機構では、直線運動を回転運動に変換する機構を介して操作子が逆入力遮断クラッチに連結される。
逆入力遮断クラッチ62は入力アクチュエータ61からカムシャフト54,55に入力トルクを伝達すると共にカムシャフト54,55から入力アクチュエータ61への逆入力トルクを遮断するためのものである。
図5および図6に示されるように逆入力遮断クラッチ62は、例えば機関本体1に固定された円筒状の固定部材70と、固定部材70に対し軸線L回りに回転可能な入力部材71と、固定部材70に対し軸線L回りに回転可能な出力部材72と、を備える。なお、図5において、符号73はベアリングを示している。入力部材71は入力アクチュエータ61の出力軸61iに連結され、出力部材72は歯車列63,64を介してカムシャフト54,55に連結される。
固定部材70の内周面と出力部材72の外周面との間には環状のクリアランス74が形成され、クリアランス74内に楔部材75が周方向にロック位置LPと非ロック位置ULPとの間を移動可能に配置される。本発明による実施例では、楔部材75は一対の楔部材75L,75Rから構成され、クリアランス74内に周方向に等間隔に4対の楔部材が配置される。図5及び図6に示される実施例では各楔部材は円筒状コロから構成される。
図6に示されるように、固定部材70の内周面は円筒面から構成される。一方、出力部材72の外周面は、クリアランス74にロック位置LP及び非ロック位置ULPが周方向に交互に設けられるように形成される。即ち、ロック位置LPでは、出力部材72の外周面が固定部材70に向けて突出しており、クリアランス74の半径方向幅が楔部材75L,75Rの直径よりも小さくなっている。その結果、楔部材75Lがロック位置LPにあると楔部材75Lが出力部材72及び固定部材70の両方に当接し、出力部材72が方向DRに回転するのが阻止される。同様に、楔部材75Rがロック位置LPにあると楔部材75Rが出力部材72及び固定部材70の両方に当接し、出力部材72が方向DLに回転するのが阻止される。なお、楔部材75L,75R同士の間には圧縮バネ76が設けられ、この圧縮バネ76によって楔部材75L,75Rはそれぞれ対応するロック位置LPに向けて付勢されている。
これに対し、非ロック位置ULPでは出力部材72の外周面が固定部材70から離れており、クリアランス74の半径方向幅が楔部材75L,75Rの直径よりも大きくなっている。その結果、楔部材75Lが非ロック位置ULPにあると、出力部材72が方向DRに回転するのが許容される。同様に、楔部材75Rが非ロック位置ULPにあると出力部材72が方向DLに回転するのが許容される。なお、楔部材75Rがロック位置LPにあっても出力部材72が方向DRに回転するのが許容されており、楔部材75Lがロック位置LPにあっても出力部材72が方向DLに回転するのが許容されている。
更に、入力部材71には当接部分77が一体的に形成され、この当接部分77はクリアランス74内に位置している。その結果、入力部材71が回転されると当接部分77が楔部材75L,75Rに当接することができる。図6に示される中立状態において、楔部材75L,75Rと当接部分77との間には周方向の遊び78が設けられる。
また、入力部材71には凸状部分79が一体的に形成され、出力部材72には凹状部分80が一体的に形成され、凸状部分79が凹状部分80内に収容される。その結果、入力部材71が回転されると凸状部分78が別の実施例では、入力部材71に凹状部分が形成され、出力部材72に凸状部分が形成される。図6に示される中立状態において、凸状部分79と凹状部分80の内壁面との間には周方向の遊び81が設けられる。遊び81は遊び78よりも大きく設定される。
本発明による実施例では、出力部材72が方向DRに回転されると、シリンダブロック2がクランクケース1から離れる方向に移動され、従って機械圧縮比が低下される。また、出力部材72が方向DLに回転されると、シリンダブロック2がクランクケース1に近づく方向に移動され、従って機械圧縮比が増大される。一方、燃焼圧による逆入力トルクが方向DRに出力部材72に作用する。また、シリンダブロック2の自重による逆入力トルクが方向DLに出力部材72に作用する。
図6は機械圧縮比を維持すべき状態を示している。この状態では楔部材75L,75Rは圧縮バネ76によりそれぞれのロック位置LPに保持される。その結果、カムシャフト54,55から出力部材72に方向DRの逆入力トルクが作用したとしても、楔部材75Lによって出力部材72が回転するのが阻止され、従って入力部材71が方向DRに回転されるのが阻止される。また、出力部材72に方向DLの逆入力トルクが作用したとしても、楔部材75Rによって出力部材72が方向DLに回転するのが阻止され、従って入力部材71が回転されるのが阻止される。
機械圧縮比を低下させるべきときには、入力アクチュエータ61により入力部材71が方向DRに回転される。その結果、図7に示されるように、当接部分77が楔部材75Lに当接し、楔部材75Lがロック位置LPから非ロック位置ULPに移動される。なお、遊び81が遊び78よりも大きいので、このとき凸状部分79は凹状部分80に係合していない。
入力部材71が方向DRに更に回転されると、図8に示されるように凸状部分79が凹状部分80に係合する。その結果、入力部材71からの入力トルクが出力部材72に伝達され、従って出力部材72が方向DRに回転される。
次いで、入力アクチュエータ61が作動停止されると、圧縮バネ76により楔部材75Lがロック位置LPまで戻される。
機械圧縮比を増大させるべきときには、入力アクチュエータ61により入力部材71が方向DLに回転される。その結果、当接部分77が楔部材75Rに当接し、楔部材75Rがロック位置LPから非ロック位置ULPに移動される。入力部材71が方向DLに更に回転されると、凸状部分79が凹状部分80に係合する。その結果、入力部材71からの入力トルクが出力部材72に伝達され、従って出力部材72が方向DLに回転される。次いで、入力アクチュエータ61が作動停止されると、圧縮バネ76により楔部材75Rがロック位置LPまで戻される。
さて、本発明による実施例では更に、図9に示されるように、クランクケース1とシリンダブロック2との間にこれらクランクケース1及びシリンダブロック2間の相対移動を抑制可能な相対移動抑制器90が設けられる。
図9に示される実施例では、相対移動抑制器90は軸線方向に伸長可能な油圧アクチュエータから構成される。相対移動抑制器90が作動されると、即ち軸線方向に伸長されると、相対移動抑制器90とクランクケース1及びシリンダブロック2との間の摩擦力が増大され、従ってクランクケース1及びシリンダブロック2間の相対移動が抑制される。これに対し、相対移動抑制器90が作動停止されると、即ち軸線方向に収縮されると、相対移動抑制器90とクランクケース1及びシリンダブロック2との間の摩擦力が低減され、従ってクランクケース1及びシリンダブロック2間の相対移動が容易に行われる。この場合、相対移動抑制器90はシリンダブロック2をガイドする機能も有する。なお、図9において符号91はクランクケース1とシリンダブロック2との間に配置された圧縮バネを示している。
さて、図7及び図8に示されるように楔部材75Lが非ロック位置ULPにあるときには、出力部材72は燃焼圧による逆入力トルクの作用方向DRに回転可能になっている。このとき、出力部材72に逆入力トルクが方向DRに作用すると、図10に示されるように出力部材72が方向DRに回転し、楔部材75Lがロック位置LPに位置するおそれがある。次いで、当接部分77により楔部材75Lが非ロック位置ULPに移動されるおそれもある。その結果、楔部材75Lがロック位置LPと非ロック位置ULPとの間を往復動するおそれがある。この場合、楔部材75Lがロック位置LP及び非ロック位置ULPに移動されるときに固定部材70、入力部材71の当接部分77、又は出力部材72に激しく衝突すると、好ましくない騒音及び振動が発生するおそれがある。
そこで本発明による実施例では、楔部材75Lによる騒音又は振動が問題となるときに相対移動抑制器90を作動させ、クランクケース1及びシリンダブロック2間の相対移動を抑制している。その結果、燃焼圧による逆入力トルクがクランクケース1及びシリンダブロック2に作用しても、これらクランクケース1及びシリンダブロック2間の相対移動が抑制されるので、出力部材72が方向DRに回転するのが抑制される。従って、楔部材75Lが再びロック位置LPに位置するのが抑制され、あるいは、楔部材75Lが固定部材70、入力部材71の当接部分77、又は出力部材72に激しく衝突するのが阻止される。従って、好ましくない騒音及び振動を抑制することができる。
本発明による実施例では、図11に示されるように、機関負荷率KL及び機関回転数Neにより定まる機関運転状態が低負荷領域LLA、中負荷領域MLA、高負荷領域HLAに区画されている。低負荷領域LLAでは機関負荷率KLがあらかじめ定められた第1の設定負荷率KL1よりも低い。中負荷領域MLAでは機関負荷率KLが第1の設定負荷率KL1よりも高くかつあらかじめ定められた第2の設定負荷率KL2(>KL1)よりも低い。高負荷領域HLAでは機関負荷率KLが第2の設定負荷率KL2よりも高い。図11に示される例では、第1の設定負荷率KL1は機関回転数Neによらずほぼ一定であり、第2の設定負荷率KL2は機関回転数Neが高くなるにつれて低くなる。なお、機関負荷率KLは全負荷に対する機関負荷の割合をいう。
機関運転状態が低負荷領域LLA内にあるときには、燃焼圧による逆入力トルクが比較的小さいので、楔部材75Lにより発生しうる騒音及び振動は比較的小さい。また、機関運転状態が高負荷領域HLA内にあるときには機関運転による騒音及び振動に比べて楔部材75Lにより発生しうる騒音及び振動は比較的小さい。
一方、図12は、機関運転状態を維持しながら、カムシャフト54,55の円形カム56,58および偏心軸57により形成されるリンク(図2)のリンク角θを0度から180度まで増大させたときの、出力部材72に作用する逆入力トルクTQRの変化を示している。ここで、リンク角θは図13に示されるように円形カム56即ちシリンダブロック2の移動軸線と、円形カム56の回転軸線から偏心軸57に向かう線分とのなす角であり、θ=0のときにシリンダブロック2は最下位置にあり、θ=180のときにシリンダブロック2は最上位置にある。なお、位置センサ43(図1)により検出されるクランクケース1に対するシリンダブロック2の相対位置はリンク角θを表している。
図12に示されるように、リンク角θが領域X内にあると逆入力トルクTRQが許容上限TQRUよりも高くなる。これに対し、リンク角θが領域X外にあると逆入力トルクTRQが許容上限TQRUよりも低くなる。
そこで本発明による実施例では、機関運転状態が中負荷領域MLA内にありかつリンク角θが領域X内にあるときに相対移動抑制器90が作動される。その結果、楔部材75Lによる騒音及び振動を抑制することができる。
これに対し、機関運転状態が低負荷領域LLA内又は高負荷領域HLA内にあるとき、又は機関運転状態が中負荷領域MLA内にあってもリンク角θが領域X外にあるときには相対移動抑制器90が作動停止される。その結果、機械圧縮比を変更すべく出力部材72を移動させるために、大きな入力トルクを必要としない。また、逆入力遮断クラッチ62の応答性、即ち入力トルクの入力に対する出力部材72の移動の応答性が高く維持される。
このように、本発明による実施例では、相対移動抑制器90の作動及び停止が選択的に切り換えられ、即ち相対移動抑制器90が常時作動されない。
図14は相対移動抑制制御を実行するルーチンを示している。このルーチンは一定時間ごとの割り込みによって実行される。
図14を参照すると、ステップ101では機械圧縮比εを低下すべきか否かが判別される。機械圧縮比εを低下すべきときには次いでステップ102に進み、機関運転状態が図11に示される中負荷領域MLA内にあるか否かが判別される。機関運転状態が中負荷領域MLA内にあるときには次いでステップ103に進み、リンク角θが図12に示される領域X内にあるか否かが判別される。リンク角θが領域X内にあるときには次いでステップ104に進み、相対移動抑制器90が作動される。これに対し、ステップ101において機械圧縮比εを低下すべきでないとき、ステップ102において機関運転状態が中負荷領域MLA外にあるとき、又はステップ103においてリンク角θが領域X外にあるときには次いでステップ105に進み、相対移動抑制器90が作動停止される。
本発明による別の実施例では、図14のフローチャートにおけるステップ102が省略される。即ち、機関運転状態に関わらず、リンク角θが領域X内にあるときに相対移動抑制器90が作動される。本発明による更に別の実施例では、図14のフローチャートにおけるステップ103が省略される。即ち、リンク角θに関わらず、機関運転状態が中負荷領域MLA内にあるときに相対移動抑制器90が作動される。
更に、本発明による第1の変更例では、機関運転状態が低負荷領域LLA外にあるときに相対移動抑制器90が作動され、機関運転状態が低負荷領域LLA内にあるときに相対移動抑制器90が作動停止される。本発明による第2の変更例では、機関運転状態が高負荷領域HLA外にあるときに相対移動抑制器90が作動され、機関運転状態が高負荷領域HLA内にあるときに相対移動抑制器90が作動停止される。
これまでの説明では、機械圧縮比を変更するために出力部材72が方向DRに回転されるときに逆入力トルクが方向DRに作用する場合に相対移動抑制制御が行われる。しかしながら、機械圧縮比を変更するために出力部材72が方向DLに回転されるときに逆入力トルクが方向DLに作用する場合についても同様に相対移動抑制制御を行うことができる。
1 クランクケース
2 シリンダブロック
4 ピストン
5 燃焼室
A 可変圧縮比機構
61 入力アクチュエータ
62 逆入力遮断クラッチ
70 固定部材
71 入力部材
72 出力部材
74 クリアランス
75 楔部材
90 相対移動抑制器
LP ロック位置
ULP 非ロック位置

Claims (3)

  1. シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることにより機械圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備え、可変圧縮比機構は、操作子と、操作子を移動させるための入力トルクを発生する入力アクチュエータと、入力アクチュエータから操作子に入力トルクを伝達すると共に操作子から入力アクチュエータへの逆入力トルクを遮断するために操作子と入力アクチュエータの出力軸との間に配置された逆入力遮断クラッチと、を備え、操作子が移動されることにより機械圧縮比が変更され、逆入力遮断クラッチは、固定部材と、入力アクチュエータに連結された入力部材と、操作子に連結された出力部材と、出力部材と固定部材との間でロック位置と非ロック位置との間を移動可能な楔部材と、を備え、楔部材がロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが阻止され、楔部材が非ロック位置にあるときには出力部材が逆入力トルクの作用方向に移動するのが許容され、機械圧縮比を変更するために入力部材が逆入力トルクの作用方向に移動されると楔部材がロック位置から非ロック位置に移動され、入力部材が更に逆入力トルクの作用方向に移動されると入力部材が出力部材に係合して出力部材が操作子と共に移動されるようになっている可変圧縮比内燃機関であって、シリンダブロックとクランクケースとの間にこれらシリンダブロック及びクランクケース間の相対移動を抑制可能な相対移動抑制器を設け、相対移動抑制器の作動及び停止を選択的に切り換えるようにした、可変圧縮比内燃機関。
  2. 機関運転状態が中負荷領域内にあるときに相対移動抑制器が作動され、機関運転状態が中負荷領域外にあるときに相対移動抑制器が作動停止される、請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
  3. 逆入力トルクが許容上限値よりも高いときに相対移動抑制器が作動され、逆入力トルクが許容上限値よりも低いときに相対移動抑制器が作動停止される、請求項1に記載の可変圧縮比内燃機関。
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