JP4349208B2 - 可変圧縮比内燃機関 - Google Patents

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本発明は、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関に関する。
近年、内燃機関の燃費性能や出力性能を向上させることを目的として、内燃機関の圧縮比を変更可能にする技術が提案されている。例えば、内燃機関の燃焼室を構成する機関要素であるシリンダブロックとクランクケースに連結されている制御軸を回転駆動して、シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで、燃焼室の容積を変更して該内燃機関の圧縮比を変更する技術が公開されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2003−206771号公報 特開平7−26981号公報
シリンダブロックとクランクケースとを相対移動させて燃焼室の容積を変更することで内燃機関の圧縮比を変更する場合、燃焼室内で生じる燃焼圧によってシリンダブロックとクランクケースとが互いに離反する方向に力が作用する。また吸気行程においてはピストンによる吸気作用でシリンダブロックとクランクケースとが互いに近接する方向に力が作用する。その結果、シリンダブロックとクランクケースとが振動し、振動音が顕著となる虞がある。また、両者が振動することで、内燃機関の圧縮比が目標とする圧縮比に安定的に維持されず、エミッションの悪化や機関出力の低下等が生じ得る。
また、シリンダブロックとクランクケースとの振動を抑制するために、両者の間に弾性装置を介在させて両者に弾性力を作用させると、内燃機関の圧縮比を変更する際に弾性装置による弾性力に抗してシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させる必要がある。その結果、圧縮比の変更に要するエネルギー量が大きくなる。
本発明は、上記した問題に鑑み、シリンダブロックとクランクケースとを相対的に移動させることで圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとの振動を抑制するとともに円滑な圧縮比変更を維持することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明は、相対的に移動し得るシリンダブロックとクランクケースとの間に、弾性力を作用させる弾性装置と粘性力を作用させる減衰装置とを設けることとした。これにより、弾性装置による弾性力と減衰装置による粘性力とによって、シリンダブロックとクランクケースとの間に生じる振動を抑制することと、圧縮比変更のためのシリンダブロックとクランクケースとの円滑な相対的移動を維持することを両立することが可能となる。
即ち、本発明は、内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更可能とする可変圧縮比機構を有する可変圧縮比内燃機関であって、弾性力を作用させる弾性装置と粘性力を作用させる減衰装置とが前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に並列に設けられる。
上記の可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」ともいう)においては、可変圧縮比機構によってシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで、燃焼室容積を変化せしめて、以て圧縮比を変更する。ここで、圧縮比と内燃機関の運転状態とは密
接な関係があり、圧縮比が内燃機関の運転状態に適した圧縮比から外れると、燃費やエミッション等が悪化する虞がある。そこで、上記の内燃機関においては、圧縮比の変更は、内燃機関の運転状態に基づいて行われるようにしてもよい。内燃機関の運転状態に応じて圧縮比を変更することで、燃費性能や出力性能の向上を図る。
ここで、内燃機関の圧縮比の変更に際しては、シリンダブロックをその軸線方向に移動(スライド)させることで燃焼室の容積を増減させて圧縮比を変更してもよい。また、シリンダブロックを一の回転軸を中心に回転させることで、ピストンに対するシリンダブロックの相対位置を変更させ、以て燃焼室の容積を増減させて圧縮比を変更してもよい。
このように構成される内燃機関において、相対移動し得るシリンダブロックとクランクケースとによって圧縮比の変更が行われる一方で、燃焼室内に生じる周期的な燃焼圧とピストンの吸気動作によって生じる燃焼室内の周期的な負圧(以下、「吸気負圧」という)とによって、シリンダブロックとクランクケースとが振動する虞がある。そこで、シリンダブロックとクランクケースとの間に並列に弾性装置と減衰装置とを設けることで、シリンダブロックとクランクケースとに弾性力と粘性力を作用させて該振動を抑制し得る。
弾性装置による弾性力はシリンダブロックとクランクケースとの間の距離に比例した力である。また、減衰装置による粘性力はシリンダブロックとクランクケース間の両者の相対移動における移動速度に比例する。従って、上記の内燃機関においては、燃焼圧と吸気負圧によって生じるシリンダブロックとクランクケース間における比較的大きい移動速度に基づいて減衰装置によって粘性力を発生させることで、弾性装置による弾性力が比較的小さくてもシリンダブロックとクランクケース間の振動を抑制し得る。更には、弾性力が小さいことにより、圧縮比の変更の際にシリンダブロックおよび/またはクランクケースに作用させる駆動力を低く抑えることが可能となり、円滑な圧縮比変更動作が維持される。
更には、前記内燃機関での前記減衰装置における減衰係数は、前記可変圧縮比機構による圧縮比変更の際の前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対移動速度と、前記可変圧縮比内燃機関において周期的に生じる燃焼圧による前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対移動速度と、に基づいて決定されるようにすればよい。
即ち、減衰装置による振動の減衰に関する特性が、燃焼室内の燃焼圧と吸気負圧とによる振動がシリンダブロックとクランクケースとの間で抑制されるとともに、圧縮比変更のためのシリンダブロックとクランクケースとの相対移動を妨げることがないように、減衰装置における減衰係数が決定される。
ここで、燃焼室内の燃焼圧の周期(燃焼室内の吸気負圧の周期)は、内燃機関の機関回転速度に応じて変化する。そして、その周期が最も長い場合、例えば内燃機関がアイドリング状態にある場合であっても、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動速度は、圧縮比変更の際の両者の相対移動速度より大きい。そこで、減衰装置による振動の減衰に関する特性が、シリンダブロックとクランクケースとの相対移動速度が大きい振動である燃焼圧、吸気負圧による振動を遮断し、両者の相対移動速度が小さい圧縮比変更時のシリンダブロックとクランクケースの相対移動を阻害しない特性となるべく、減衰装置の減衰係数が決定される。これにより、内燃機関の振動をより効果的に抑制することが可能となる。
また、前記内燃機関において、前記弾性装置における弾性係数と前記減衰装置における減衰係数は、前記可変圧縮比内燃機関における前記シリンダブロック又は前記クランクケースの固有振動数が該可変圧縮比内燃機関において周期的に生じる燃焼圧の周波数の1/
√2倍より小さくなるべく設定されるようにしてもよい。
並列状態にある弾性装置と減衰装置とを介して接続されたシリンダブロック又はクランクケースにおいて、外部から振動力が周期的に伝えられることで該振動力が増幅され、振動力の周波数が上記固有振動数であるとき、振動力の振幅が極大となる。そして、固有振動数の√2倍以上の周波数の振動力がシリンダブロック又はクランクケースに伝達されると、物理的に振動力の増幅率(以下、「伝達率」という。)は1以下となる。そこで、弾性装置における弾性係数と減衰装置における減衰係数を上述のように設定することで、シリンダブロックとクランクケースの振動を抑制することが可能となる。
ここで、上述までの内燃機関において、前記減衰装置は、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に設けられた油圧室に前記可変圧縮比内燃機関の潤滑油が供給されることで構成されるようにしてもよい。即ち、内燃機関の潤滑油による粘性力を利用することで、シリンダブロックとクランクケースとに粘性力を作用させる。更に、前記油圧室内に供給された潤滑油は、前記可変圧縮比機構における摺動部に供給されるようにしてもよい。このように、減衰装置としての油圧室、可変圧縮比機構における摺動部に内燃機関の潤滑油を循環させることで、潤滑油を効率的に利用することが可能となる。また、可変圧縮比機構の摺動部において潤滑油の流れが維持されるため、該摺動部での潤滑油切れを可及的に回避することが可能である。
シリンダブロックとクランクケースとを相対的に移動させることで圧縮比を変更する可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックとクランクケースとの振動を抑制するとともに円滑な圧縮比変更を維持することが可能となる。
ここで、本発明に係る可変圧縮比内燃機関の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1は、圧縮比を可変とする可変圧縮比内燃機関(以下、単に「内燃機関」という)1の概略構成を表す図である。尚、本実施の形態においては、内燃機関1を簡潔に表示するため、一部の構成要素の表示を省略している。内燃機関1は、4本のシリンダ2を有する4サイクルエンジンである。そして、シリンダ2内の燃焼室には、シリンダヘッド10に設けられた吸気ポート18を介して吸気管19が接続されている。シリンダ2への吸気の流入は吸気弁5によって制御される。吸気弁5の開閉は、吸気側カム7の回転駆動によって制御される。また、シリンダヘッド10に設けられた排気ポート20を介して、排気管21が接続されている。シリンダ2外への排気の排出は排気弁6によって制御される。排気弁6の開閉は排気側カム8の回転駆動によって制御される。更に、吸気ポート18には燃料噴射弁17が、シリンダ2の頂部には、点火プラグ16が設けられている。そして、内燃機関1のクランクシャフト13にコンロッド14を介して連結されたピストン15が、シリンダ2内で往復運動を行う。
ここで、内燃機関1においては、可変圧縮比機構9によって、シリンダブロック3をクランクケース4に対してシリンダ2の軸線方向に相対移動させることで、内燃機関1の圧縮比が変更される。即ち、可変圧縮比機構9が、シリンダブロック3と共にシリンダヘッド10を、シリンダ2の軸線方向にクランクケース4に対して相対移動させることによって、シリンダブロック3、シリンダヘッド10およびピストン15によって構成される燃焼室の容積が変更され、その結果、内燃機関1の圧縮比が可変制御される。例えば、シリンダブロック3がクランクケース4から遠ざかる方向に相対移動されると、燃焼室容積が
増えて圧縮比が低下する。
可変圧縮比機構9は、軸部9aと、軸部9aの中心軸に対して偏心された状態で軸部9aに固定された正円形のカムプロフィールを有するカム部9bと、カム部9bと同一外形を有し軸部9aに対して回転可能且つカム部9bと同じように偏心状態で取り付けられた可動軸受部9cと、軸部9aと同心状に設けられたウォームホイール9dと、ウォームホイール9dと噛み合うウォーム9eと、ウォーム9eを回転駆動させるモータ9fによって構成される。そして、カム部9bはシリンダブロック3に設けられた収納孔内に設置され、可動軸受部9cはクランクケース4に設けられた収納孔内に設置され、また、モータ9fは、シリンダブロック3に固定されており、シリンダブロック3と一体的に移動する。ここで、モータ9fからの駆動力は、ウォーム9eとウォームホイール9dとを介して軸部9aに伝えられる。そして、偏心状態にあるカム部9b、可動軸受部9dが駆動されることで、シリンダブロック3がクランクケース4に対してシリンダ2の軸線方向に相対移動させられる。
また、内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」という)90が併設されている。このECU90は、CPUの他、各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
ここで、アクセル開度センサ92がECU90と電気的に接続されており、ECU90はアクセル開度に応じた信号を受け取り、それより内燃機関1に要求される機関負荷等を算出する。また、クランクポジションセンサ91がECU90と電気的に接続されており、ECU90は内燃機関1の出力軸の回転角に応じた信号を受け取り、内燃機関1の機関回転速度や、該機関回転速度とギア比等から内燃機関1が搭載されている車両の車両速度等を算出する。
更に、可変圧縮比機構9を構成するモータ9fがECU90と電気的に接続されている。そして、ECU90からの指令によりモータ9fが駆動されて、可変圧縮比機構9による内燃機関1の圧縮比の変更が行われる。この内燃機関1の圧縮比の変更は、内燃機関1の運転状態に基づいて行われる。例えば、低機関負荷から高機関負荷になるに従い又は低機関回転速度から高機関回転速度になるに従い、シリンダブロック3をクランクケース4から遠ざける方向にモータ9fを駆動して、内燃機関1の圧縮比を高圧縮比から低圧縮比へと移行させる。
次に、内燃機関1におけるシリンダブロック3とクランクケース4との振動を抑制する振動抑制機構30について、図2、図3および図4に基づいて説明する。図2は、振動抑制機構30の詳細な構成を示す図である。また、図3は、振動抑制機構30によって生じる粘性力の変化を示す図である。また、図4は、シリンダブロック3に加えられる振動力の周波数とその振動力の伝達率を示す図である。
シリンダ2内の燃焼によって生じる燃焼圧とピストン15の吸気動作によって生じる吸気負圧とが、周期的にシリンダブロック3に掛かる。そして、クランクケース4に対して相対移動可能に実装されているシリンダブロック3は、燃焼圧と吸気負圧が交互に作用することによって振動(尚、以下において、該振動を単に「燃焼圧による振動」とも称する。)する虞がある。そこで、本実施例の内燃機関1においては、図2に示す振動抑制機構30が設けられている。振動抑制機構30は、バネ30a、油圧室30b、オイルシール30c、30d、チェックバルブ30e、オイルホール30fとで構成される。
バネ30aは、クランクケース4とシリンダブロック3とを接続し、バネ30aによる
弾性力を作用させる。油圧室30bは、シリンダブロック3、クランクケース4、オイルシール30cおよびオイルシール30dによって構成される空間であり、オイルホール30fからチェックバルブ30eを経て供給される内燃機関1の潤滑油をその内部に確保する。尚、オイルホール30fは、図示されない潤滑油循環用ポンプによって内燃機関1の潤滑油を油圧室30bに供給し、チェックバルブ30eは油圧室30bからオイルホール30fへ潤滑油が逆流するのを防止する。
また、油圧室30bと、可変圧縮比機構9を構成するカム部9bおよび可動軸受部9cとを繋ぐ潤滑油供給路31が、シリンダブロック3内に設けられている。そのため、油圧室30b内の潤滑油がカム部9b、可動軸受部9cに供給される。その結果、カム部9bを収納するシリンダブロック3内の収納孔における摺動部と、可動軸受部9cを収納するクランクケース4内の収納孔における摺動部の摩耗が抑制される。
このように構成される内燃機関1においては、シリンダブロック3とクランクケース4とに、バネ30aによる弾性力と油圧室30b内の潤滑油による粘性力が作用する。即ち、シリンダブロック3とクランクケース4との間に弾性力と粘性力とが並列的に作用することになる。
ここで、内燃機関1の圧縮比の変更においては、機関負荷が上昇した際のノッキングをより確実に防止するために、高圧縮比の状態から低圧縮比の状態へ移行するのに要する時間を可及的に短縮するのが好ましい。そこで、内燃機関1においては、高圧縮比の状態から低圧縮比の状態への移行時間を0.1秒とし、その際のシリンダブロック3とクランクケースとの相対移動速度を図3に示すようにV1とする。一方で、低圧縮比の状態から高圧縮比の状態への移行時間は比較的長く0.5秒とし、その際のシリンダブロック3とクランクケースとの相対移動速度を図3に示すようにV2とする。従って、圧縮比の変更の際のシリンダブロック3とクランクケース4との相対移動は、図3中のR1で表される圧縮比変更時速度範囲に属する。
次に、4本のシリンダ2を有する4サイクルエンジンである内燃機関1のアイドル回転速度を600rpm、最高回転速度を6000rpmとするとき、燃焼圧による振動力の周波数は、以下の式に従いそれぞれ20Hz、200Hzとなる。
アイドル時:600/60×1/2×4=20(Hz)
最高回転時:6000/60×1/2×4=200(Hz)
燃焼圧によってシリンダブロック3がシリンダ2の軸線方向に移動させられる時間は、上記周波数に対応する周期の半分の時間であるから、アイドル時の移動時間は0.025秒、最高回転時の移動時間は0.0025秒となる。そして、アイドル時と最高回転時のシリンダブロック3とクランクケースとの相対移動速度は、図3に示すようにそれぞれV3、V4である。従って、内燃機関1での燃焼圧によってシリンダブロック3が振動する際のシリンダブロック3とクランクケース4との相対移動は、図3中のR2で表される燃焼圧対応速度範囲に属する。
このように、内燃機関1においては、ECU90からの指令に基づいて可変圧縮比機構9による圧縮比の変更が行われる際のシリンダブロック3とクランクケース4の相対移動速度と、燃焼圧による両者の相対移動速度とは大きく異なっている。即ち、可変圧縮比機構9による圧縮比の変更が行われているときの両者の相対移動速度は、燃焼圧による両者の相対移動速度より小さい。その結果、油圧室30b内の潤滑油による粘性力は、可変圧縮比機構9による圧縮比の変更が行われているときは小さく、燃焼圧によってシリンダブロック3が移動されるときは大きくなる。これにより、可変圧縮比機構9による圧縮比の変更を阻害せず、且つ燃焼圧によるシリンダブロック3の振動を効果的に抑制することが可能となる。尚、燃焼圧によるシリンダブロック3の振動を抑制するために作用する粘性
力は、油圧室30dの容積等を調整することで、変更することが可能である。
また、シリンダブロック3には、振動抑制機構30を構成するバネ30aによる弾性力と油圧室30b内の潤滑油による粘性力とが並列的に作用する。このような場合、物理的には図4に示すように、シリンダブロック3にシリンダブロック3と振動抑制機構30の共振周波数f0の振動力が作用すると、振動力の伝達率が極大となり、共振周波数f0の√2倍以上の周波数の振動力がシリンダブロック3に作用すると、振動力の伝達率は1以下となることが知られている。
そこで、内燃機関1においては、シリンダブロック3の共振周波数f0が、燃焼圧による振動力の周波数の1/√2倍より小さくなるべく、振動抑制機構30を設計する。具体的には、アイドル時の燃焼圧による振動力の周波数は上述したように20Hzであるから、シリンダブロック3の共振周波数f0を10√2Hzより小さくなるべく、バネ30aのバネ定数と油圧室30b内の潤滑油による粘性定数を設定する。尚、シリンダブロック3の共振周波数f0は、以下に示す式を満たすので、該式に従いバネ30aのバネ定数と油圧室30b内の潤滑油による粘性定数が決定される。
Figure 0004349208
以上のように構成された内燃機関1においては、主にバネ30aと油圧室30bとで構成される振動抑制機構30によって、シリンダブロック3の燃焼圧や吸気負圧によって生じる振動をより効果的に抑制するとともに、可変圧縮比機構9での圧縮比の変更が振動抑制機構30によって阻害され難くなる。
本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関における振動抑制機構の詳細を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関において、振動抑制機構による粘性力の推移を示す図である。 本発明の実施の形態に係る可変圧縮比内燃機関において、シリンダブロックに掛かる振動力の周波数と振動抑制機構による伝達率との関係を示す図である。
符号の説明
1・・・・可変圧縮比内燃機関(内燃機関)
2・・・・シリンダ
3・・・・シリンダブロック
4・・・・クランクケース
9・・・・可変圧縮比機構
9a・・・・軸部
9b・・・・カム部
9c・・・・可動軸受部
13・・・・クランクシャフト
15・・・・ピストン
30・・・・振動抑制機構
30a・・・・バネ
30b・・・・油圧室
31・・・・潤滑油供給路
90・・・・ECU
91・・・・アクセル開度センサ
92・・・・クランクポジションセンサ

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更可能とする可変圧縮比機構を有する可変圧縮比内燃機関であって、
    弾性力を作用させる弾性装置と粘性力を作用させる減衰装置とが前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に並列に設けられており、
    前記可変圧縮比機構は、前記可変圧縮比内燃機関において周期的に生じる燃焼圧による前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対移動速度よりも小さい相対移動速度で、圧縮比変更の際に前記シリンダブロックと前記クランクケースとを相対移動させることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  2. 内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更可能とする可変圧縮比機構を有する可変圧縮比内燃機関であって、
    弾性力を作用させる弾性装置と粘性力を作用させる減衰装置とが前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に並列に設けられており、
    前記減衰装置における減衰係数は、前記可変圧縮比機構による圧縮比変更の際の前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対移動速度と、前記可変圧縮比内燃機関において周期的に生じる燃焼圧による前記シリンダブロックと前記クランクケースとの相対移動速度と、に基づいて決定されることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  3. 内燃機関のシリンダブロックとクランクケースとを相対移動させることで圧縮比を変更可能とする可変圧縮比機構を有する可変圧縮比内燃機関であって、
    弾性力を作用させる弾性装置と粘性力を作用させる減衰装置とが前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に並列に設けられており、
    前記弾性装置における弾性係数と前記減衰装置における減衰係数は、前記可変圧縮比内燃機関における前記シリンダブロック又は前記クランクケースの固有振動数が該可変圧縮比内燃機関において周期的に生じる燃焼圧の周波数の1/√2倍より小さくなるべく設定されることを特徴とする可変圧縮比内燃機関。
  4. 前記可変圧縮比機構は、前記シリンダブロックを該シリンダブロックの軸線方向に移動させることで圧縮比を変更することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  5. 前記減衰装置は、前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間に設けられた油圧室に前記可変圧縮比内燃機関の潤滑油が供給されることで構成されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の可変圧縮比内燃機関。
  6. 前記油圧室内に供給された潤滑油は、更に前記可変圧縮比機構における摺動部に供給されることを特徴とする請求項5に記載の可変圧縮比内燃機関。
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