JP6026394B2 - 生薬顆粒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生薬顆粒の製造方法に係り、特に高麗人参に由来する成分のみで構成される生薬顆粒の製造方法に関する。
古来より知られている生薬の一つとして高麗人参がある。高麗人参は、滋養強壮に用いられる主要な生薬のうちの一つとなっている。高麗人参を摂取する方法は様々なものがあるが、簡便でありかつ生薬成分を確実に摂取できる方法として、顆粒化した高麗人参を摂取する方法がある(例えば特許文献1参照)。
高麗人参を顆粒にする具体的方法について説明する。顆粒を製造するには、まず高麗人参の乾燥物である紅参を粉砕して紅参粉末が製造される。この紅参粉末は細かすぎるうえ、のどに絡みつく物性となっているので、飲用に適さない。この様な紅参粉末を飲みやすくするには、紅参粉末同士を結合してある程度の大きさまで成長させる顆粒化工程が必要となる。この顆粒化工程は、紅参粉末に結合剤を添加することで行われる。結合剤としては、生薬ではない外来の農作物由来のデンプンやセルロースなどの多糖類が一般に用いられる。顆粒化工程では、添加された結合剤により、紅参粉末同士がくっついて顆粒が形成される。
こうして製造された顆粒は、粒径が紅参粉末と比べて大きい上、バラツキも少なく流動性が優れ、のどに絡みつくこともなく飲用に適している。この場合の流動性とは、粉末塊が入った容器を傾けると、粉末塊が容易に崩壊して流れるような物性を言う。紅参顆粒は原料の紅参粉末に比べてサラサラしているのである。
特表2012−527233号公報
しかしながら従来構成によれば次のような問題点がある。
すなわち、従来の顆粒の製造方法によれば、外来の結合剤の添加なしに顆粒を製造することができない。
生薬の加工品の信頼性の指標として重要なものの一つは、加工品に含まれる生薬の純度である。紅参を粉砕して製造される紅参粉末は、高麗人参100%の加工品ということはできる。しかし、これを飲用に適するように再加工した顆粒は、高麗人参100%とは言えないのである。顆粒を製造するには、必ず外来の結合剤の添加が必要となるからである。この結合剤は、最終製品としての顆粒に含まれている。したがって、顆粒は、結合剤の分だけ純度が落ちた加工品であるということになる。
高麗人参顆粒の信頼性を担保するには、高麗人参のみを原料として顆粒を製造することが望ましい。しかし、顆粒を製造するにはそもそも外来の結合剤の添加が不可欠なわけである。したがって、従来の製造方法においては、生薬の純度を落として顆粒を製造するしかない。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は従来では考えられなかった高麗人参のみを原料とする顆粒を製造することにより、信頼性を高めた高麗人参顆粒を製造することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る生薬顆粒の製造方法は、高麗人参の乾燥物を粉砕して粉末を生成する粉末生成工程と、高麗人参の乾燥物の成分を溶液に抽出して抽出液を生成する抽出液生成工程と、粉末と抽出液との混合物中に含まれる抽出液の溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させる顆粒化工程とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明の製造方法によれば、高麗人参のみを原料とする顆粒を製造することにより、信頼性を高めた高麗人参顆粒が得られる。粉末を原料に顆粒を製造するには、粉末同士を結合させる結合剤が必要となる。この結合剤は、外来の成分が用いられるのが普通である。この技術常識に反し、発明者らは、高麗人参の抽出液が結合剤の役割を担うことに気が付いた。本発明はこの発想を具現化したものとなっている。すなわち、本発明においては、高麗人参粉末に高麗人参由来の抽出液の噴霧を行い、粉末に付着した抽出液に含まれる溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させるのである。この様な構成とすることにより、外来の添加物を用いることなく高麗人参のみを原料とする顆粒の製造が可能となる。
また、上述の生薬顆粒の製造方法において、抽出液生成工程で用いられる溶液は水であればより望ましい。
[作用・効果]上述の製造方法は、本発明の構成をより具体化したものとなっている。すなわち、抽出液生成工程で用いられる溶液が水であれば、高麗人参が有している結合剤として働く水溶性成分をより確実に高麗人参より抽出できる。
また、上述の生薬顆粒の製造方法において、抽出液生成工程で用いられる乾燥物は、破砕物であればより望ましい。
[作用・効果]上述の製造方法は、本発明の構成をより具体化したものとなっている。抽出液生成工程で用いられる乾燥物が破砕物であれば、高麗人参が有している成分をより確実に抽出できる。
また、上述の生薬顆粒の製造方法において、抽出液生成工程は、溶液を常温の状態または溶液を煮沸させた状態で行われればより望ましい。
[作用・効果]抽出液生成工程は、溶液を常温の状態または溶液を煮沸させた状態で行われれば、より確実に高麗人参に含まれる顆粒の結合に関する成分を抽出できる。
特に、抽出液生成工程を煮沸条件下で行うと、高麗人参から粉末の顆粒化に関係する成分をより効果的に抽出できると考えられる。従来より顆粒の製造に用いられている添加物は、デンプンやセルロースなどであり、いずれも糖鎖高分子である。この知見に従えば、高麗人参に含まれる糖鎖高分子が本発明における粉末の結合にある程度作用しているものと予想される。従って、高麗人参の成分抽出を煮沸条件下で行えば、高麗人参に含まれる糖鎖高分子が効率よく抽出でき、より結合性の優れた抽出液が得られるものと考えられる。
本発明の製造方法によれば、高麗人参のみを原料とする顆粒を製造することにより、信頼性を高めた高麗人参顆粒が得られる。すなわち、本発明においては、高麗人参粉末に高麗人参由来の抽出液の噴霧を行い、粉末に付着した抽出液に含まれる溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させるのである。この様な構成とすることにより、外来の添加物を用いることなく高麗人参のみを原料とする顆粒の製造が可能となる。
また、上述の生薬顆粒の製造方法において、顆粒化工程は、転動造粒により実現させることもできる。また、上述の顆粒化工程は、流動層造粒により実現させることもでき、押し出し造粒により実現させることもできる。
[作用・効果]上述の製造方法は、本発明の構成をより具体化したものとなっている。本発明においては、様々な造粒法で顆粒化工程が実現できる。
本発明に係る顆粒の製造方法を説明するフローチャートである。 本発明に係る抽出液生成工程を説明するフローチャートである。 本発明に係る顆粒化工程を説明するフローチャートである。 本発明に係る顆粒化工程を説明する断面図である。
続いて、本発明に係る高麗人参顆粒の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、図1に示すように、すなわち、本発明に係る生薬顆粒の製造方法は、高麗人参の乾燥物(紅参)を粉砕して粉末を生成する粉末生成工程S1と、高麗人参の乾燥物の成分を溶液に抽出して抽出液を生成する抽出液生成工程S2と、粉末に抽出液の噴霧を行い、粉末に付着した抽出液に含まれる溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させる顆粒化工程S3と、顆粒を乾燥させる乾燥工程S4と、顆粒の粒径を揃える分級工程S5とを備えている。以降、これらの工程の詳細について説明する。
<粉末生成工程S1>
粉末生成工程S1では、紅参を粉砕機で粉砕して紅参粉末を生成する。このとき調整される紅参粉末の粒の大きさは、飲用に適する0.2mm〜0.25mm径(80〜60メッシュ)程度の粒が最も多い。ではあるものの、粉砕機で粉砕された紅参粉末には、粒の大きさにバラツキがあるので、飲用に適さない小さな粒径の紅参粒も含まれている。この様な小さな粒径の紅参粒は、篩い分けで紅参粉末から取り除かれる。取り除かれた紅参粒の粒径のうち、0.15mm以下(100メッシュ以上)のものには、100メッシュは通過するが200メッシュは通過しない粒径0.075mm程度の粒が30%含まれ、200メッシュを通過する粒が70%含まれている。本発明は、この飲用に適さない粒径0.15mm以下の小さな粒径の紅参粒(残渣紅参粒)を原料として利用する。この粒径の上限については、適宜変更することができる。
<抽出液生成工程S2>
抽出液生成工程S2では、紅参の水抽出物を製造する。本工程は、具体的には、図2のような各工程を行うことで実行される。すなわち、紅参の水抽出物を得るには、まず、紅参から成分が溶け出しやすいように紅参を粗砕する(紅参粉砕工程S2a)。このとき生成される紅参チップは、5mm角程度の大きさである。紅参チップの代わりに粉末生成工程S1で説明した残渣紅参粒を用いることもできるが、紅参チップを用いるものとして以降の各工程を説明する。なお、抽出液生成工程S2で用いられる溶液は水であり、原料として用いられる高麗人参の乾燥物は、紅参の破砕物(紅参チップ)である。
紅参チップは、不織布袋に充填され、不織布袋の開口は紅参チップが飛び出して来ないように閉塞される(不織布袋充填工程S2b)。不織布袋は0.2mm以上の粒径のものは通過させない構造となっているので、紅参チップが不織布袋から抜け出してしまうことはない。このとき不織布袋に充填される紅参チップの量は例えば1kgである。この量については、適宜変更することができる。
袋詰めされた紅参チップは、水に浸され常温(室温)で放置される(常温浸漬工程S2c)。このようにすると、紅参に含まれている水溶性成分が時間とともに水に溶け出す。袋詰めされた紅参チップを浸す水の量は例えば4リットルであり、浸す時間は例えば20時間である。いずれの条件も状況に合わせて適宜変更することができる。
常温の浸漬が終了すると、袋詰めされた紅参チップを浸している水を加熱し、袋ごと煮沸させる(第一煮沸工程S2d)。この様にすると、紅参チップに残留している水溶性成分が水に溶け出す。煮沸温度は例えば95℃であり、煮沸時間は、例えば4時間である。いずれの条件も状況に合わせて適宜変更することができる。この様な過程を経ることで、常温浸漬工程S2cで加えられた水は、紅参の水溶性成分の抽出液へと変化する。この抽出液は、次の顆粒化工程S3で用いられる。
煮沸が終了すると、今度は、袋を抽出液から取り出し、再び水に浸される。そして、袋詰めされた紅参チップを浸している水を加熱し、袋ごと煮沸させる(第二煮沸工程S2e)。この様にすると、紅参チップに残留している水溶性成分が水に溶け出す。煮沸温度は例えば95℃であり、煮沸時間は、例えば1時間である。いずれの条件も状況に合わせて適宜変更することができる。この様な過程を経ることで、本工程で加えられた水は、紅参の水溶性成分の抽出液へと変化する。この抽出液も、次の顆粒化工程S3で用いられる。このように、抽出液生成工程S2は、溶液を常温の状態または溶液を煮沸させた状態で行われる。
第一煮沸工程S2dおよび第二煮沸工程S2eで生成された抽出液にエタノールを加えれば、抽出液が腐敗することなく保存が可能となる。このとき抽出液に加える95%エタノールの量は、例えば、1,000mlの抽出液に対し100mlとすることができる。こうして生成された抽出液は、紅参の破砕物などの固形物を含まない。したがって、破砕物が顆粒に混入してしまうことがなく、顆粒の飲用の際に飲み込みを妨げることがない。
<顆粒化工程S3>
顆粒化工程S3では、粉末生成工程S1で生成された紅参粉末と抽出液生成工程S2で生成された抽出液とを原料として、紅参顆粒が製造される。本工程は、具体的には、図3のような各工程を行うことで実行される。すなわち、紅参顆粒を得るには、まず、例えば20kgの紅参粉末を造粒機に投入する(造粒機投入工程S3a)。造粒機は、図4に示すように傾斜した椀状のパン1を有しており、この椀の内部に紅参粉末5が載置される。紅参粉末の投入量も適宜変更が可能である。パン1は、40°〜50°程度傾斜されており、この傾斜角度も適宜変更が可能である。
紅参粉末5が造粒機に投入されると、パン1の回転が開始される(回転開始工程S3b)。パン1は、回転軸を中心とした回転体のような形状をしており、パン1が回転されると、パン1の内部の紅参粉末5が攪拌される。回転速度は、例えば8rpm〜20rpmであり、この回転速度も適宜変更が可能である。
パン1の回転により紅参粉末5を攪拌させた状態のまま、上述の抽出液が噴霧される(抽出液噴霧工程S3c)。図4は、紅参粉末5にノズル2から抽出液6が噴霧されている様子を表している。このときの噴霧速度は、例えば40ml/minであり、噴霧時間は例えば2時間半である。いずれの条件も状況に合わせて適宜変更することができる。なお、噴霧される抽出液は、第一煮沸工程S2dと第二煮沸工程S2eとで得られた抽出液の混合液となっている。
抽出液噴霧工程S3cでは、紅参粉末同士が互いに結合し顆粒化していくのでこの様子について説明する。抽出液には、粉末同士を結合させる結合成分が含まれている。つまり、デンプンやセルロースなどの従来より知られる外来の結合剤の代わりに、紅参由来の抽出液を用いることができるのである。抽出液噴霧工程S3cは、このアイデアを具現化したものとなっている。すなわち、紅参粉末に噴霧された抽出液は、紅参粉末に降りかかり、そこで蒸発する。このとき、抽出液に含まれる結合成分が紅参粉末同士をくっつかせ、紅参粉末は、次第に顆粒へと成長していく。紅参粉末は、パン1内を転動しながら顆粒化していくのでこのような顆粒の製造法を転動造粒と呼ぶ。
<乾燥工程S4>
こうして生成された紅参顆粒は、湿ったものとなっている。したがって、顆粒の水分を十分に除くべく顆粒の乾燥が行われる。この乾燥は、棚式通風乾燥機又は流動層乾燥機又は真空乾燥機で行われる。加熱温度は通常、棚式通風乾燥機及び流動層乾燥機は50℃〜80℃、真空乾燥機は40℃〜50℃で行われる。いずれの条件も状況に合わせて適宜変更することができる。
<分級工程S5>
乾燥した顆粒は、品質を一定にするべく分級される。分級とは、顆粒を篩いにかけることで所望の粒径の顆粒を得る動作を言う。こうして、紅参より顆粒が製造される。
<製造された顆粒の純度>
製造された顆粒の純度について考える。顆粒を製造するのに必要なのは、紅参粉末と抽出液である。このうち紅参粉末は、高麗人参100%の素材である。一方、抽出液は、紅参に水とエタノールを加えて生成したものであるので、高麗人参100%とは言えるものではない。ところが、この抽出液中の水およびエタノールは、実は製造された顆粒には含まれていない。水およびエタノールは、顆粒化工程S3において、蒸発して顆粒から飛び去っているからである。結局、顆粒は、紅参粉末と抽出液由来の紅参抽出物の2つの成分から構成された高麗人参成分のみで製造されたものであるということになる。これは、紅参粉末に高麗人参に由来しない外来のデンプンやセルロースを加えて顆粒化させる従来方法とは大きく異なる点である。
<製造された顆粒の物性>
続いて本発明の方法で製造された顆粒の物性について説明する。紅参顆粒の粒径の分布について調べる目的で、紅参顆粒を複数の篩いに通す作業を行った。この作業は、前の粗いメッシュで通過した顆粒を次の細かいメッシュに通す動作を順に実行する要領で行ったものである。以下、結果を表に示す。
Figure 0006026394
上述の表では、例えば、30メッシュは通過するが42メッシュを通過しきれなかった顆粒は、全体の19%となっている。以上の結果から、全顆粒の80%が100メッシュを通過しきれない程度の粒径を有し、100メッシュは通過するが200メッシュは通過できない程度の粒径を有する顆粒は全体の18%に過ぎず、200メッシュを通過する程度の粒径を有する顆粒は全体の2%に過ぎないことが分かる。得られた顆粒のうち最も多い粒径は、60メッシュは通過するが83メッシュは通過できない程度であった。
また、紅参顆粒の特性の一つとしてかさ密度がある。製造された紅参顆粒のかさ密度は、0.43g/mlであった。このことから、紅参顆粒は、顆粒同士の隙間に十分量の空気を含んでいると言える。
紅参顆粒の特性の一つとして平衡吸湿率がある。平衡吸湿率とは関係湿度下の吸湿量の割合で0ならば顆粒は外気から水蒸気を吸収も吐き出しもしない状態であることを示す。平衡吸湿率がプラスなら顆粒は外気から水蒸気を吸収する状態であることを示す。製造された紅参顆粒の平衡吸湿率は、相対湿度51%の外気に対しては0%、相対湿度60%の外気に対しては+4%、相対湿度75%の外気に対しては+10%、相対湿度84%の外気に対しては+20%であった。
この顆粒に含まれる水分は、厳密には、高麗人参由来ではないので、顆粒に含まれる高麗人参成分の純度を下げているようにも思える。しかし、そもそも、高麗人参を乾燥させた原料紅参には、製造された顆粒に見られる程度の水分は含まれている。そして、この原料紅参に含まれる水分は常に外気の水分と交換している。この水分の交換があったところで、原料紅参の純度が低下したいうことにはならない。
この様な事情があるので、高麗人参の加工品の純度を評価する際に、水分の交換は許容されなくてはならない。本発明の方法で製造される顆粒の水分は、原料紅参に含まれていた水分が、外来の水分に置き換わっただけのものであり、原料の水分が単に交換されたものに過ぎない。したがって、本発明で製造される顆粒の純度は、水分の由来を理由として低下しているということはできないわけである。本発明の製造方法に係る顆粒は、添加物を含まず高麗人参に由来する成分のみで製造されたものであると言えるのである。
以上のように、本発明の製造方法によれば、高麗人参のみを原料とする顆粒を製造することにより、信頼性を高めた高麗人参顆粒が得られる。粉末を原料に顆粒を製造するには、粉末同士を結合させる結合剤が必要となる。この結合剤は、外来の成分が用いられるのが普通である。この技術常識に反し、発明者らは、高麗人参の抽出液が結合剤の役割を担うことに気が付いた。本発明はこの発想を具現化したものとなっている。すなわち、本発明においては、高麗人参粉末に高麗人参由来の抽出液の噴霧を行い、粉末に付着した抽出液に含まれる溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させるのである。この様な構成とすることにより、外来の添加物を用いることなく高麗人参のみを原料とする顆粒の製造が可能となる。
また、本発明のように抽出液生成工程S2を煮沸条件下で行うと、高麗人参から粉末の顆粒化に関係する成分をより効果的に抽出できると考えられる。従来より顆粒の製造に用いられている添加物は、デンプンやセルロースなどであり、いずれも糖鎖高分子である。この知見に従えば、高麗人参に含まれる糖鎖高分子が本発明における粉末の結合にある程度作用しているものと予想される。従って、高麗人参の成分抽出を煮沸条件下で行えば、高麗人参に含まれる糖鎖高分子が効率よく抽出でき、より結合性の優れた抽出液が得られるものと考えられる。
本発明は、以下のような構成に限られず下記のような変形実施が可能である。
(1)上述の実施例1における顆粒の原料となる高麗人参の乾燥物は紅参であったが、本発明はこの構成限られない。本発明は、白参など他の乾燥物を原料として実施することもできる。
(2)本発明の抽出液生成工程S2では、2回の煮沸により抽出を行っていたが、本発明はこの構成に限られない。抽出液生成工程S2の煮沸の回数は適宜増減することができる。また、抽出液生成工程S2を煮沸を行わないように構成することもできる。
(3)上述の実施例1における顆粒化工程S3は、転動造粒により実現されていたが、本発明はこの様な構成に限られない。実施例1の構成に代えて顆粒化工程S3を円筒型容器で紅参などの粉末を空気中に流動させ、そこに抽出液を噴霧することにより粉末と抽出液を混合し、抽出液の溶液成分を蒸発させることにより粉末同士を結合させる流動層造粒により実現されてもよい。
また、実施例1の構成に代えて顆粒化工程S3を撹拌装置内に紅参などの粉末と抽出液を加え撹拌し、この湿った混合物を回転するスクリュー部に供給し、加圧圧縮しながら強制的に前進させ、スクリュー部先端またはサイドに取り付けた金網の孔から混合物を押し出し、押し出された調整物に含まれる抽出液の溶液成分を蒸発させることにより粉末同士を結合させる押し出し造粒により実現されてもよい。
S1 粉末生成工程
S2 抽出液生成工程
S3 顆粒化工程

Claims (8)

  1. 高麗人参の乾燥物を粉砕して粉末を生成する粉末生成工程と、
    高麗人参の乾燥物の成分を溶液に抽出して抽出液を生成する抽出液生成工程と、
    前記粉末と前記抽出液との混合物中に含まれる前記抽出液の溶液成分を蒸発させることにより粉末同士が結合した顆粒を生成させる顆粒化工程とを備えることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  2. 請求項1に記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記抽出液生成工程で用いられる溶液は水であることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記抽出液生成工程で用いられる前記乾燥物は、破砕物であることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記抽出液生成工程で生成される前記抽出液は固形成分を含まないことを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記抽出液生成工程は、溶液を常温の状態または溶液を煮沸させた状態で行われることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記顆粒化工程は、転動造粒により実現されることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記顆粒化工程は、流動層造粒により実現されることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の生薬顆粒の製造方法において、
    前記顆粒化工程は、押し出し造粒により実現されることを特徴とする生薬顆粒の製造方法。
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