JP6026164B2 - 口唇化粧料 - Google Patents

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本発明は口唇化粧料に関するものである。
従来、口唇化粧料の化粧効果の持続性を高めるために種々の検討が行われている。その中で、揮発性シリコーンや揮発性炭化水素油などの揮発性油分とシリコーン系樹脂などの樹脂を配合し、揮発油の揮発後に形成される樹脂皮膜によって化粧効果を持続させる方法が幅広く採用されている。しかしこの方法では、揮発油による唇の乾燥感や化粧塗膜の光沢の消失、樹脂皮膜による唇の違和感等を避けることが困難で、結果として口唇化粧料として総合的に満足できる品質を得ることはできていない。
特許文献1及び2には、特定の変性ポリシロキサンを利用することによって、上記のような揮発タイプの色持続口紅の欠点を避けつつ化粧効果の持続性を向上させる油性化粧料が提案されている。
特許第3477222号公報 特許第4584697号公報
しかしながら、これら特定の変性ポリシロキサンの利用によって化粧効果の持続性は高められたものの、カップなどへの耐色移り性や化粧塗膜の艶感に関しては十分満足できるレベルには達していなかった。
従って、本発明は、耐色移り性、化粧効果の持続性及び化粧塗膜の艶感に優れ、且つ、安定性も良好な口唇化粧料を提供することを課題とする。
そこで本発明者は、耐色移り性、化粧効果の持続性、化粧塗膜の艶感及び安定性を改善すべく検討した結果、従来化粧膜にツヤ感を付与するために使用されていたフェニル変性シリコーンを多量に配合し、これに特定の液状多分岐型イソステアリン酸エステル化合物、特定の変性ポリシロキサン、30℃における粘度が100mPa・s以下であり、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する油剤、及びワックスを組み合わせて配合すれば、全く意外にも、カップなどへの色移り性がほとんどなく、化粧効果の持続性及び化粧塗膜の艶感に優れるとともに、各成分が分離することなく経時安定性の良好な口唇化粧料が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記成分(A)〜(E)を含有することを特徴とする口唇化粧料を提供するものである。
(A)フェニル変性シリコーン 15〜80質量%
(B)次の式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル化合物
Figure 0006026164
(C)一般式(2)で表わされるアルキルグリセリルエーテル変性シリコーン
Figure 0006026164
〔式中、Qは炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、R1〜R9はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基、又はフェニル基を示し、R10及びR11は互いに同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を示し、同一分子内に存する複数個のR10、R11はそれぞれ異なるものであってもよい。pは1〜500の数を示し、qは1〜50の数を示す。〕
(D)30℃における粘度が100mPa・s以下であり、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する油剤
(E)ワックス
本発明により、耐色移り性、化粧効果の持続性、及び化粧塗膜の艶感に優れ、且つ、安定性も良好な口唇化粧料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の口唇化粧料において、成分(A)〜(D)は、成分(E)のワックス構造内の隙間に安定に保持されているが、この時、成分(A)は、成分(B)〜(D)と分離した状態で存在している。
通常、成分(A)フェニル変性シリコーンは、口唇化粧料に配合されているエステル油や炭化水素油と相溶性がないことが多く、成分(A)を相溶性のない油剤と混合した場合には、分離してしまい製剤として成り立たない。
一方、成分(A)が他の油剤と完全に相溶してしまう処方系においては、成分(A)由来の高い艶感は実現できるものの、耐色移り性は発揮されず、化粧効果の持続性に関しては、満足できるレベルとならない。
しかしながら、本発明においては、加熱製造時には成分(A)〜(E)を含む油相は均一に溶解しており、冷却後は、成分(A)は、成分(B)〜(D)から分離した状態で存在しているが、いずれの成分も成分(E)のワックス構造内の隙間に保持されているため製剤としては安定となる。この様な状態の本発明の口唇化粧料を塗布すると、ワックス構造内に保持されている成分(A)の粒子が合一化することにより油相から分離し、塗膜表面に露出することで耐色移り性が発現するとともに、高い艶感をもつ化粧塗膜が実現される。
本発明に用いられる成分(A)フェニル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン骨格を有し、少なくともメチル基の一部がフェニル基に置換したシリコーンであればよく、例えばジフェニルジメチコン、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、ビスフェニルプロピルジメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンなどが挙げられる。本発明においては、べたつき感を抑えるという観点から、25℃における粘度が1000mm2/s以下のフェニル変性シリコーンを用いるのが好ましい。市販品としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「TSF431」、「TSF433」、「TSF437」、「SilShine 151」、「SF1555」、東レ・ダウコーニング社製の「SH 556 Fluid」、「PH−1555」、信越化学工業社製の「KF−50−100CS」、「KF−50−1,000CS」、「KF−53」、「KF−54」、「KF−56A」、旭化成ワッカー社製の「PDM20」、「PDM350VP」、「PDM1000」などが例として挙げられる。
成分(A)フェニル変性シリコーンは、必要に応じて一種または二種以上を用いることができ、その含有量は、耐色移り性、化粧塗膜の艶感、及び口唇化粧料の経時安定性の観点から、口唇化粧料総量を基準として15質量%以上であり、20質量%以上が好ましく、また80質量%以下であり、70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。具体的な含有量は、15〜80質量%であり、20〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。15質量%未満の含有量では、艶感が不十分であり、且つ耐色移り性の効果が十分に発揮されず、また、80質量%を超えて含有すると、安定性に問題が生じるなど、好ましくない場合がある。
本発明に用いる成分(B)の多分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル化合物としては、前記式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸を多価アルコールでエステル化した液状化合物が好ましい。ここで液状とは、25℃において液状であることをいう。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の2〜6価の多価アルコールが好ましく、炭素数2〜12の2〜6価の多価アルコールがより好ましい。成分(B)の具体例としては、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチルなどが挙げられる。市販品としては、日清オイリオグループ社製の「サラコス3318」、「コスモール43N」、「サラコスDP−518N」などが挙げられる。
本発明においては、成分(B)として前記式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸の液状エステル化合物を使用することにより、(E)ワックス構造内の隙間に成分(A)をその他の油剤から分離した状態で存在させることが可能となり、通常のメチル分岐イソステアリン酸のエステルや多分岐型イソステアリルアルコールの脂肪酸エステルでは、かかる構造は形成されない。
本発明に用いられる成分(B)は、必要に応じて一種または二種以上を用いることができ、含有量は、発現する効果の程度と伸びなどの使用感の観点から、口唇化粧料総量を基準として5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、また60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量は、5〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。成分(B)の含有量がこの範囲にあると、化粧効果の持続性、及び塗布時の伸びが良好であり、また、成分(A)の分散状態が良好であるため、安定性が良好である。
本発明における成分(C)のアルキルグリセリルエーテル変性シリコーンは、油性成分として配合されるものである。従って、(C)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンは、油状物となるようなアルキルグリセリルエーテル変性度を有するもの、すなわち、アルキルグリセリルエーテル変性度の少ないものが好ましい。
かかる好ましいアルキルグリセリルエーテル変性シリコーンを具体的に示すと、以下の一般式(2)で表わされるものが挙げられる。
Figure 0006026164
〔式中、Qは炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、R1〜R9はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基、又はフェニル基を示し、R10及びR11は互いに同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を示し、同一分子内に存する複数個のR10、R11はそれぞれ異なるものであってもよい。pは1〜500の数を示し、qは1〜50の数を示す。なお、p及びqは分子中におけるアルキルグリセリルエーテル基;−Q−OCH2−CH(OR10)−CH2(OR11)の含有量が1〜50質量%となる数を示すのが好ましい。〕
前述の一般式(2)において、Qで示される炭素数3〜20の二価の炭化水素基としては、炭素数3〜20の直鎖又は分岐鎖アルキレン基が好ましい。より具体的には、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、テトラデカメチレン、ヘキサデカメチレン、オクタデカメチレン等の直鎖アルキレン基;プロピレン、2−メチルトリメチレン、2−メチルテトラメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン等の分岐鎖アルキレン基等が挙げられる。
また、R1〜R11の定義中、炭素数1〜32の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドエイコシル、テトラエイコシル、ヘキサエイコシル、オクタエイコシル、トリアコンチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、1−ヘプチルデシル等の分岐鎖アルキル基などが挙げられる。本発明において、R1〜R9は炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基(但し、一部が水素原子であってもよい)が好ましく、特に炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基(但し、一部が水素原子であってもよい)が好ましい。また、R10、R11は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、さらに水素原子が好ましい。
更に、p及びqはアルキルグリセリルエーテル基;−Q−OCH2−CH(OR10)−CH2(OR11)の含有量が1〜50質量%となる数が好ましく、原料となるオルガノポリシロキサンの入手のしやすさ、製造時の操作性などの点から0〜2000の範囲とするのが好ましい。また一般式(2)において、pは1〜500の範囲であり、さらに10〜30の範囲が好ましく、qは1〜50の範囲であり、さらに1〜30の範囲が好ましい。
本発明における成分(C)のアルキルグリセリルエーテル変性シリコーンは、良好な化粧持ちを得る点から、分子中におけるアルキルグリセリルエーテル基;−Q−OCH2−CH(OR10)−CH2(OR11)の含有量が1〜50質量%、さらに5〜40質量%、さらに10〜30質量%であることが好ましい。
かかる成分(C)のアルキルグリセリルエーテル変性シリコーンは、特開平4−134013号公報や特開2005−194523号公報記載の方法に従って、少なくとも1個のケイ素−水素結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンに、対応するアルケニルグリセリルエーテルを反応させることにより製造することができる。
本発明に用いる成分(C)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンの含有量は、化粧効果持続性、製剤安定性の観点から、口唇化粧料の総量を基準として1質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、また10質量%以下が好ましく、9質量%以下がより好ましく、8質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量は、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜9質量%であり、さらに好ましくは2〜8質量%である。
本発明に用いられる成分(D)30℃における粘度が100mPa・s以下であり、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する油剤は、加熱製造時に油相を均一に溶解させるために必要な成分であり、例えば、ヒドロキシ脂肪酸エステル、高級アルコールが挙げられる。ヒドロキシ脂肪酸エステルとしては、炭素数3〜24のヒドロキシ脂肪酸のC1−C24アルキルエステル、炭素数8〜24の高級アルコール等が挙げられる。具体的には、ヒドロキシステアリン酸オクチル、リシノレイン酸オクチルドデシル、乳酸オクチルドデシルなどのエステル油、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコールなどの高級アルコールを好適に用いることができる。
本発明で用いる成分(D)の油剤は、30℃における粘度が100mPa・s以下のものである。粘度は、測定適応範囲に応じたローターを用いたB型粘度計により、所定の回転速度で測定したときの値であり、例えば100mPa・s付近の粘度であれば、ローターNo.2、回転速度30rpmの条件で測定できる。
本発明に用いられる成分(D)の含有量は、加熱製造時に油剤を均一溶解させる観点から、口唇化粧料の総量を基準として、5質量%以上が好ましく、7.5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、また耐色移り性や化粧効果の持続性の観点から、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。具体的な含有量は、5〜40質量%が好ましく、7.5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。
本発明に用いられる成分(E)ワックスは、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ、カルナウバロウなどが挙げられ、これらを必要に応じて一種または二種以上を用いることができる。これらのワックスのうち、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス及びエチレンプロピレンコポリマーから選ばれる一種または二種以上を用いるのが、耐色移り性、化粧効果の持続性、及び安定性の点から、より好ましい。
成分(E)の含有量は、官能品質と口唇化粧料の経時安定性の観点から、口唇化粧料の総量を基準として3質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、また20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。具体的な含有量は、3〜20質量%が好ましく、4〜20質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。成分(E)の含有量がこの範囲にあると、油剤の保持能力が十分となり、安定性が良好になり、また、艶、潤い感に優れるなど、官能品質において良好となる。
本発明の口唇化粧料においては、前記の如く、成分(E)のワックス構造内の隙間に、成分(A)が、成分(B)〜(D)から分離した状態で保持されている点から、成分(A)と成分(B)〜(D)との含有質量比[A/(B+C+D)]は、0.1〜5が好ましく、さらに0.2〜3が好ましい。
本発明の口唇化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の必須成分以外にパルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、12−ヒドロキシステアリン酸、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ジブチルラウロイルグルタミド等の油性ゲル化剤;シリカ、シリル化処理無水ケイ酸、(スチレン/ブタジエン)コポリマー、(スチレン/イソプレン)コポリマー、(エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、(ブチレン/エチレン/スチレン)コポリマーなどの増粘剤;ワセリン、オレイン酸フィトステリル、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、テトラ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル/ベヘニル)等のペースト油;水添ポリイソブテン、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルポリシロキサン等の液状油性成分;酸化チタン、酸化鉄などの無機着色顔料;赤色202号、赤色223号、黄色4号等の有機色素及びそのレーキ化物;雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料;マイカ、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末等の粉体成分、紫外線吸収剤、防腐剤、香料、植物抽出物、抗酸化剤等を配合することができる。
本発明の口唇化粧料は、前記成分を用いて溶解、粉体分散、混合等通常の製法に従って半製品を製造した後、容器に充填することにより得ることができる。具体的な例としては口紅、リップグロス、及びリップクリームなどが挙げられる。
次に本発明の実施態様及び好ましい態様を示す。
<1>下記成分(A)〜(E)を含有することを特徴とする口唇化粧料。
(A)フェニル変性シリコーン 15〜80質量%
(B)次の式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル化合物
Figure 0006026164
(C)一般式(2)で表わされるアルキルグリセリルエーテル変性シリコーン
Figure 0006026164
〔式中、Qは炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、R1〜R9はそれぞれ同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基、又はフェニル基を示し、R10及びR11は互いに同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を示し、同一分子内に存する複数個のR10、R11はそれぞれ異なるものであってもよい。pは1〜500の数を示し、qは1〜50の数を示す。〕
(D)30℃における粘度が100mPa・s以下であり、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する油剤
(E)ワックス
<2>成分(A)が、ジメチルシロキサン骨格を有し、少なくともメチル基の一部がフェニル基に置換したシリコーンである<1>の口唇化粧料。
<3>成分(A)が、25℃における粘度が1000mm2/s以下のフェニル変性シリコーンである<1>又は<2>の口唇化粧料。
<4>成分(A)の含有量が、口唇化粧料総量を基準として15質量%以上、好ましくは20質量%以上であり、また80質量%以下、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である<1>〜<3>の口唇化粧料。
<5>成分(B)が、式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸を多価アルコールでエステル化した液状化合物である<1>〜<4>の口唇化粧料。
<6>成分(B)が、式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸を炭素数2〜12の2〜6価の多価アルコールでエステル化した液状化合物である<1>〜<5>の口唇化粧料。
<7>成分(B)の含有量が、口唇化粧料総量を基準として5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である<1>〜<6>の口唇化粧料。
<8>一般式(2)中、p及びqが、分子中におけるアルキルグリセリルエーテル基(−Q−OCH2−CH(OR10)−CH2(OR11))の含有量が1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%となる数である<1>〜<7>の口唇化粧料。
<9>一般式(2)中、pが1〜500の範囲であり、好ましくは10〜30の範囲であり、qは1〜50の範囲であり、好ましくは1〜30の範囲である<1>〜<8>の口唇化粧料。
<10>成分(C)の含有量が、口唇化粧料の総量を基準として1質量%以上、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2質量%以上であり、また10質量%以下、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下である<1>〜<9>の口唇化粧料。
<11>成分(D)が、ヒドロキシ脂肪酸エステル及び高級アルコールから選ばれる油剤である<1>〜<10>の口唇化粧料。
<12>成分(D)が、炭素数3〜24のヒドロキシ脂肪酸のC1−C24アルキルエステル及び炭素数8〜24の高級アルコールから選ばれる油剤である<1>〜<10>の口唇化粧料。
<13>成分(D)の含有量が、口唇化粧料の総量を基準として、5質量%以上、好ましくは7.5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、また、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である<1>〜<12>の口唇化粧料。
<14>成分(E)が、パラフィン、セレシン、合成炭化水素ワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、キャンデリラロウ、ミツロウ及びカルナウバロウから選ばれる一種又は二種以上である<1>〜<13>の口唇化粧料。
<15>成分(E)の含有量が、口唇化粧料の総量を基準として3質量%以上、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、また20質量%以下、好ましくは15質量%以下である<1>〜<14>の口唇化粧料。
<16>成分(A)を20〜70質量%、成分(B)を5〜50質量%、成分(C)を1〜10質量%、成分(D)を5〜40質量%、成分(E)を5〜15質量%含有する<1>〜<15>の口唇化粧料。
<17>成分(A)と成分(B)〜(D)との含有質量比[A/(B+C+D)]が0.1〜5、好ましくは0.2〜3である<1>〜<16>の口唇化粧料。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を詳細に説明する。本発明において使用した方法及び評価項目は下記の通りである。尚、実施例及び比較例に示す%とは質量%である。
(1)分散性評価方法
実施例、比較例を人工皮革上に塗布し、顕微鏡で成分(A)の分散状態を観察した。成分(A)が成分(B)〜(D)を含む油相に非相溶状態で存在している状態を「○」、成分(A)〜(D)を含む油相が均一に相溶している状態を「相溶×」とした。また、油剤を混合、加熱した時点で、均一に溶解しない場合を「分離×」とした。
(2)経時安定性評価方法
実施例、比較例を40℃の恒温槽に静置し、6ヶ月経過後の状態を観察した。問題がなかった場合を「○」、油の分離、発汗が観測された場合を「×」とした。
(3)使用特性評価試験方法
女性パネラー20名の唇に、実施例、比較例を塗布してもらい、以下の項目について5点から1点までの5段階評価をしてもらった。そして20名のつけた点数の平均をその実施例もしくは比較例の点数とした。
・艶感
・耐色移り性(カップへの色移りの無さ)
・3時間経過後の化粧効果持続性
<実施例1〜6、比較例1〜6(口紅)>
(製造方法)
成分1〜20を均一に溶解混合し、成分21〜26を加え、混練後再溶解する。これに成分27〜28を加え均一に分散混合し、脱気して金型に流し込み、冷却固化後容器に収納し口紅を得た。成分組成及び評価試験結果を表1に示す。
Figure 0006026164
※1及び※2は、上記式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる液状エステル化合物原料である。
※3は、特開2005-194523号公報 製造実施例1記載の製造方法により得られたものであり、一般式(2)において、R1及びR7が炭素数の最頻値が18であるアルキル基であり、R2〜R6及びR8〜R9がメチル基であり、Qが炭素数11の直鎖であるアルキレン基であり、R10〜R11が水素原子であり、p(平均値)が23であり、q(平均値)が4.0であり、重合タイプがランダム共重合のものである。
※4は、多分岐型イソステアリルアルコールをエステル化して得られる原料である。
※5は、メチル分岐型イソステアリン酸をエステル化して得られる原料である。
表1に示すように、本発明の実施例1〜6は、成分(B)〜(D)を含む油相に成分(A)が非相溶状態で存在しており、艶感、耐色移り性、化粧効果の持続性、及び、安定性において比較例1〜6のものより明らかに優れたものであった。成分(D)の代わりに分子内に水酸基を有さない油剤を用いたもの(比較例1)、成分(B)の代わりに、多分岐型でないイソステアリン酸エステルを用いたもの(比較例2)、成分(A)の代わりに、フェニル基を持たないシリコーン油を用いたもの(比較例4)は、油剤を混合、加熱した時点で均一に溶解せず、製剤として成り立たなかった。また、比較例5は、成分(A)と油性成分とが相溶してしまった結果、耐色移り性、化粧効果の持続性が悪かった。また、その他の比較例(比較例3、6)は、成分(A)の分散状態は良く、製剤としては成立したものの、何れも実施例のものよりは明らかに悪い評価であった。
<実施例7(口紅)>
以下に示す処方の口紅を製造し、前記評価項目について評価したところ、いずれの項目においても良好なものであった。
Figure 0006026164
※3及び※6は、表1で用いたものと同じ
※10は、コスモール43N(日清オイリオグループ社製)
(製造方法)
成分1〜12を均一に溶解混合し、成分13〜16を加え、混練後再溶解する。これに成分17〜18を加え均一に分散混合し、脱気して金型に流し込み、冷却固化後容器に収納し口紅を得た。
<実施例8(リップグロス)>
以下に示す処方のリップグロスを製造し、前記評価項目について評価したところ、いずれの項目においても良好なものであった。
Figure 0006026164
※1、※3及び※6は、表1で用いたものと同じ
(製造方法)
成分1〜9を均一に溶解混合し、成分10を加え、混練後再溶解する。これに成分11〜13を加え均一に分散混合し、脱気して金型に流し込み、冷却固化後容器に収納しリップグロスを得た。
以上のように本発明品により、耐色移り性、化粧効果の持続性、及び化粧塗膜の艶感に優れ、且つ、安定性も良好な口唇化粧料を提供できる。

Claims (2)

  1. 下記成分(A)〜(E)を含有することを特徴とする固形状口唇化粧料。
    (A)フェニル変性シリコーン 15〜80質量%
    (B)次の式(1)で示される多分岐型イソステアリン酸と、グリセリン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールから選ばれる多価アルコールとの液状エステル化合物
    Figure 0006026164
    (C)一般式(2)で表わされるアルキルグリセリルエーテル変性シリコーン
    Figure 0006026164
    〔式中、Qは炭素数3〜20の二価の炭化水素基を示し、R1〜R9はそれぞれ同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を示し、R10及びR11は互いに同一又は異なって、水素原子、又は炭素数1〜32の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基を示し、同一分子内に存する複数個のR10、R11はそれぞれ異なるものであってもよい。pは1〜500の数を示し、qは1〜50の数を示す。〕
    (D)30℃における粘度が100mPa・s以下であり、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する油剤
    (E)ワックス
  2. 成分(A)を20〜70質量%、成分(B)を5〜50質量%、成分(C)を1〜10質量%、成分(D)を5〜40質量%、成分(E)を5〜15質量%含有する請求項1記載の口唇化粧料。
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