JP6024595B2 - ガスフィルターのライフ管理方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハに対する処理が行われるチャンバー内に供給するガス中の不純物を除去するフィルターのライフを管理する方法に関する。
シリコンエピタキシャルウェーハは、気相成長装置のチャンバー内にシリコン単結晶基板を投入して、そのシリコン単結晶基板上にシリコン単結晶薄膜を気相成長させることで、得られる。その気相成長装置を用いてシリコンエピタキシャルウェーハの製造を繰り返すと、次第にチャンバー内にシリコン由来の副生成物が堆積し、この堆積物がパーティクル等の発生原因となってしまう。そのため、定期的にチャンバー内に堆積した堆積物を除去する必要がある。そのシリコン堆積物の除去方法として、チャンバー内に塩化水素ガス(HClガス)を流して、その塩化水素ガスでチャンバー内をエッチング(ドライクリーニング)する方法が知られている(特許文献1参照)。
上記塩化水素ガスなどチャンバー内に供給されるガスのガスラインには通常ガス中の水分や金属不純物を除去するフィルターが設けられる。このフィルターには活性炭などのように不純物を除去できる容量が決まっており、使用していくと「破か」するものがある。フィルターのライフエンド(寿命)は目で見ることはできず、従来では、供給するガス中に含まれる不純物量や流量などから計算することによりフィルターのライフエンドを予測している。
また、フィルターのライフエンド予測に関し、特許文献2では、フィルターの一部に汚染除去容量が残余の部分よりも低い部位を設け、その部位の下流側に設けられた汚染物質検知手段が検知した汚染物質量に基づきフィルターの交換時期を判断する方法を提案している。
特開2004−87920号公報 特開平8−306599号公報
しかしながら、チャンバーに供給するガス中の不純物量やガス流量などからフィルターのライフエンドを予測する手法では、ガス中の不純物量やガス流量などは一定ではなく変動しているため、正確なライフエンドを予測することができないという問題点がある。また、特許文献2の手法では、汚染除去容量が残余の部分よりも低くなるようにフィルターの一部を加工しなければならないという問題点がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フィルターのライフを管理するための新たな方法を導入し、フィルターを加工しなくてもそのフィルターの正確なライフエンドを判断できる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ウェーハに対する処理が行われるチャンバー内に供給するガスが流れるガスラインに設けられた前記ガス中の不純物を除去するフィルターのライフを管理する方法であって、
前記ガスラインから前記チャンバー内に前記ガスを供給した後に前記チャンバー内にてウェーハを熱処理する熱処理工程と、
その熱処理工程で熱処理したウェーハの、前記フィルターが除去対象とする不純物による汚染量を測定する測定工程と、
その測定工程で得られた汚染量に基づき前記フィルターのライフエンドが到来したか否かを判断する判断工程と、
を実施することを特徴とする。
本発明によれば、熱処理工程において、チャンバー内にガスを供給した後にチャンバー内にてウェーハを熱処理するので、チャンバー内に残留したガス中の不純物をウェーハに故意汚染することができる。この不純物の汚染量はフィルターの不純物除去能力に応じて変化し、具体的には、フィルターの不純物除去能力が低下するほどフィルターを通過する不純物量が多くなるので、ウェーハの汚染量も多くなる。そして、本発明では、測定工程において、熱処理したウェーハの汚染量を測定し、判断工程において、測定した汚染量に基づきフィルターのライフエンドが到来したか否かを判断するので、特許文献2のようにフィルターの下流側に汚染物質検知手段を設けなくてもフィルターのライフエンドを判断できる。また、フィルターを加工しなくてもフィルターのライフエンドを判断できる。さらに、ライフエンドの判断に、チャンバーに供給するガス中の不純物量やガス流量を用いていないので、正確なライフエンドを判断できる。また、本発明では、熱処理工程において熱処理によりウェーハに不純物を故意汚染しているので、熱処理を行わない場合に比べて汚染量を多くでき、短時間で故意汚染することができる。よって、短時間で感度良くフィルターのライフエンドが到来したか否かを判断できる。
また、本発明において、前記ガスは前記チャンバー内に堆積した堆積物をエッチングするガスであり、
前記熱処理工程は、前記チャンバー内に前記ガスを供給して前記チャンバー内をエッチングするエッチング工程を実施した後に、前記チャンバー内にてウェーハを熱処理する工程とすることができる。
これによれば、熱処理工程はエッチング工程の後に実施されるので、エッチング工程の際に流したガス中の、フィルターを通過した不純物をウェーハに故意汚染できる。その故意汚染した不純物の汚染量をみることで、エッチングガス用のフィルターのライフエンドを判断できる。
また、本発明において、前記エッチング工程及び前記熱処理工程を複数回繰り返すとともに、前記熱処理工程では各回同じウェーハを熱処理し、
前記エッチング工程及び前記熱処理工程を複数回繰り返した後に前記測定工程を実施するのが好ましい。
これによれば、エッチング工程及び熱処理工程が複数回繰り返されるので、ウェーハの不純物の汚染量を増幅できる。測定工程では、エッチング工程及び熱処理工程を複数回繰り返した後にウェーハの汚染量を測定するので、増幅した汚染量を得ることができる。その増幅した汚染量に基づきフィルターのライフエンドを判断するので、感度良くその判断をすることができる。
また、本発明において、前記ガスは塩化水素ガスであり、前記フィルターは、塩化水素ガス中の不純物を除去する塩化水素ガス用フィルターとすることができる。これによって、塩化水素ガスを用いることでチャンバー内をエッチングすることができるとともに、塩化水素ガス用フィルターのライフエンドを判断できる。
また、本発明において、前記塩化水素ガス用フィルターは、塩化水素ガス中の水分及び金属塩化物を除去するフィルターとすることができる。これによれば、塩化水素ガス中の水分及び金属塩化物を除去するフィルターのライフエンドを判断するので、その判断に基づきフィルターを交換することで、チャンバー内に塩化水素ガス中の水分や金属塩化物が持ち込まれてしまうのを抑制できる。
また、本発明において、前記測定工程は、前記熱処理工程で熱処理したウェーハのTi濃度を測定する工程とするのが好ましい。本発明者は、塩化水素ガス中にはTi(Tiの塩化物)の量が他の不純物に比べて多く、また、塩化水素ガス用フィルターはTiの除去能力が高いという知見を持っている。その知見に鑑みて本発明では、ウェーハのTi濃度に基づきフィルターのライフエンドを判断するので、他の不純物でライフエンドを判断する場合に比べて正確にその判断をすることができる。
また、本発明において、前記判断工程は、前記測定工程で得られたTi濃度が1×10atoms/cm以上となった場合に前記フィルターのライフエンドが到来したと判断する工程とするのが好ましい。本発明者は、フィルターが有るときと無いときとで熱処理後のウェーハのTi濃度を比較すると、ライフエンドが未だ到来していないフィルターが有るときではTi濃度は1×10atoms/cm未満となるのに対し、フィルター無しのときではTi濃度は1×10atoms/cm以上となるという知見を得ている。つまり、フィルターが有る場合であっても、Ti濃度が1×10atoms/cm以上の場合にはフィルターが機能していない、つまりフィルターのライフエンドが到来したと判断できる。
また、本発明において、前記チャンバーは、シリコン単結晶基板上に単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置のチャンバーとすることができる。これによれば、気相成長装置に設けられたガスフィルターのライフエンドを判断できる。
枚葉式の気相成長装置の概観図である。 フィルターのライフエンドを判断する手順を示したフローチャートである。 HCl暴露テスト後にWSA法により測定した金属不純物の濃度を示した図である。 HClフィルターがあるときとないときとでウェーハに汚染されたTi濃度を比較した図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明によりライフ管理されるフィルターを備えた枚葉式の気相成長装置の概観図を示している。図1の気相成長装置1は、シリコン単結晶基板の主表面上にシリコン単結晶薄膜を気相成長させる装置、つまりシリコンエピタキシャルウェーハを製造する装置である。
図1の気相成長装置1は、透明石英部材等から構成された2つのチャンバー2、3を備えている。各チャンバー2、3内にはシリコン単結晶基板W(以下単にウェーハという場合がある)を水平に支持するサセプタ4、5が設けられている。サセプタ4、5の上面には、平面視でウェーハWよりも若干径が大きい円状で、側面視で凹形状のザグリが形成されており、ウェーハWはそのザグリ内に載置される。サセプタ4、5は、回転駆動部(図示外)に接続されて、ウェーハW上に薄膜を気相成長させる際には、その回転駆動部によりサセプタ4、5の中心軸周りに回転する。これにより、気相成長ガスがウェーハWの主表面に均一に供給されるようになっている。
各チャンバー2、3の周囲(例えば、チャンバー2、3の上下)には、気相成長時にウェーハWをエピタキシャル成長温度(例えば900〜1200℃)に加熱するハロゲンランプなどのランプ18が設けられている。
また、各チャンバー2、3には、チャンバー2、3内に原料ガス(例えばトリクロロシラン)及び原料ガスを希釈するためのキャリアガス(例えば水素)を含む気相成長ガスを、サセプタ4、5の上側領域に導入してサセプタ4、5に載置されたウェーハWの主表面上に供給する第1のガス供給管15が接続されている。
また、各チャンバー2、3には、シリコンエピタキシャルウェーハの製造(気相成長)の繰り返しによりチャンバー2、3内に堆積したシリコン堆積物をエッチングにより除去するための塩化水素ガス(HClガス)が流れる第2のガス供給管16が接続されている。チャンバークリーニングの際には第2のガス供給管16からチャンバー2、3内に塩化水素ガスが供給され、その塩化水素ガスによりシリコン堆積物のエッチングが行われる。
なお、第1のガス供給管15、第2のガス供給管16は、チャンバー2、3の水平方向における一端側に接続されている。また、各チャンバー2、3には、ガス供給管15、16が設けられた側と反対側にチャンバー2、3内のガスを排出するガス排出管(図示外)が接続されている。
第2のガス供給管16には、その第2のガス供給管16を流れる塩化水素ガス中の不純物を除去するフィルター17が設けられている。そのフィルター17は、図1に示すように、例えばチャンバー2、3の直前に設けられている。フィルター17は、塩化水素ガス用のフィルターであり、詳細には、塩化水素ガス中に含まれる水分及び金属不純物(金属塩化物や、金属そのもの)を除去する能力を有する。フィルター17としては例えばピュリファイヤーが採用される。このピュリファイヤーは、例えば、フィルター入口側に活性炭上にNiベースの表面処理が施された吸着剤が配置され、フィルター出口側にも不純物を物理的に除去するフィルターが配置された構造を有している。この吸着剤により、塩化水素ガス中に含まれた水分や金属塩化物を除去できる。フィルター17として例えばインテグリス社製のピュリファイヤーである「ゲートキーパー」のHClガス用を採用することができる。
チャンバークリーニングにおいては、塩化水素ガスはフィルター17を通過してチャンバー2、3内に供給されるので、塩化水素ガス中に含まれた水分や金属不純物がチャンバー2、3内に持ち込まれるのを抑制できる。これにより、チャンバークリーニング後のチャンバー2、3内の清浄度を高くでき、高品質なシリコンエピタキシャルウェーハを得ることができる。
なお、第1のガス供給管15にもガス中の不純物を除去するフィルター(図示外)が設けられている。ただし、このフィルターには、除去対象とする不純物や除去能力、容量等がフィルター17とは異なるものが用いられる。
以上に示した構成の他に、気相成長装置1は2つのロードロック室10、11、搬送室7、搬送ロボット6及びクーリングチャンバー室14を備えている。搬送ロボット6は搬送室7に設けられ、各室にウェーハWを投入したり、各室からウェーハWを搬出したりするロボットである。ロードロック室10、11、クーリングチャンバー室14は搬送室7に隣接している。
ロードロック室10、11内にはそれぞれ、複数のウェーハWを収容したカセット8、9が設けられている。一方のロードロック室10内に設けられたカセット8には、気相成長前のウェーハW、つまりシリコン単結晶基板が収容される。他方のロードロック室11内に設けられたカセット9には、気相成長後のウェーハW、つまりシリコンエピタキシャルウェーハが収容される。
気相成長を行う際には、搬送ロボット6は、カセット8からウェーハWを1枚取り出して、取り出したウェーハWをチャンバー2、3のいずれかに投入する。その後、チャンバー2、3内にてウェーハW上にエピタキシャル膜の気相成長が行われる。気相成長が終了すると、搬送ロボット6はチャンバー2、3外にシリコンエピタキシャルウェーハWを搬出し、そのシリコンエピタキシャルウェーハWをクーリングチャンバー室14に投入する。クーリングチャンバー室14でシリコンエピタキシャルウェーハWを所定時間保持する。これにより、シリコンエピタキシャルウェーハWは冷却される。その後、搬送ロボット6は、クーリングチャンバー室14からウェーハWを搬出し、そのウェーハWをロードロック室11のカセット9に収容する。
次に、本発明の特徴である、フィルター17のライフエンドを判断する方法を説明する。フィルター17は、不純物を除去できる容量が決まっており、使用していくと「破か」、つまり不純物の除去能力が無くなる。そのため、フィルター17のライフを管理して適切な時期に新しいフィルターと交換する必要がある。そこで本実施形態では、図2に示す手順によりフィルター17のライフエンドが到来したか否かを判断する。なお、以下では、2つのチャンバー2、3のうちチャンバー2に着目して、図2の手順を説明する。
先ず、チャンバー2内にウェーハWが投入されていない状態で、第2のガス供給管16からチャンバー2内に塩化水素ガスを供給して、その塩化水素ガスによりチャンバー2内をエッチングする(S1)。このとき、ランプ18によりチャンバー2内を所定温度(例えば1000℃程度)にする。このエッチングはどの段階で行ったとしても良いが、例えばチャンバークリーニングをする必要がある段階、すなわち、チャンバー2を用いてシリコンエピタキシャルウェーハの製造を繰り返して、チャンバー2内のシリコン堆積物が多くなった段階で、エッチングを行う。また、塩化水素ガスの流量や、エッチング時間などのエッチングの条件は、例えば実際のチャンバークリーニングのときと同一条件、つまり、堆積したシリコン堆積物の量に応じて設定すれば良い。
このとき、フィルター17で除去しきれなかった不純物がチャンバー2内に持ち込まれ、持ち込まれた不純物の一部はガス排出管からチャンバー2外に排出されるが、一部はチャンバー2内に残留する。
なお、S1の工程と次のS2の工程の間に、第1のガス供給管15からチャンバー2内にトリクロロシラン等のSi系のガスを供給して、チャンバー2内(チャンバー2の内壁やサセプタ4など)を薄いSi膜でコーティングしても良い。このようにすることで、次のS2の熱処理工程でチャンバー2内が金属不純物で汚染されるのを抑制できる。
次に、ウェーハ(例えばシリコン単結晶基板)を1枚用意し、そのウェーハをチャンバー2内に投入後、第1のガス供給管15から水素をチャンバー2内に供給してチャンバー2内を水素雰囲気にした状態で、ランプ18によりウェーハの熱処理を行う(S2)。これにより、ウェーハの表面に酸化膜が形成するのを防止でき、ウェーハの表面を、S1の工程で持ち込まれた塩化水素ガス中の金属不純物で故意汚染させることができる。なお、熱処理時のチャンバー2内の温度(以下、熱処理温度という)が高く、熱処理時間が長いほうがウェーハへの汚染量が多くなると考えられるが、例えば、熱処理温度は800℃以上、熱処理時間は1分以上とする。
これらS1の工程、S2の工程を所定回数繰り返し行う。つまり、S2の工程を実施した後に、S1の工程及びS2の工程の繰り返し回数が所定回数に達したか否かを判断する(S3)。繰り返し回数が所定回数に未だ達していない場合には(S3:No)、S1の工程に戻って、再度、チャンバー2内を塩化水素ガスによりエッチングする。この際、チャンバー2からウェーハをあらかじめ取り出しておく。1回目のエッチングによってチャンバー2内に堆積した堆積物は除去されているので、2回目以降のエッチングは、堆積物の除去というよりも、フィルター17に塩化水素ガスを通過させて、フィルター17の除去能力に応じて変化する塩化水素ガス中の不純物をチャンバー2内に持ち込むためである。
S2の工程も所定回数繰り返し行うが、各回同じウェーハを用いて熱処理を行う。これにより、ウェーハの表層に、フィルター17を通過した金属不純物の汚染量を増幅(濃縮)できる。
S1の工程及びS2の工程の繰り返し回数は、後述のS4の工程で高感度に金属汚染量を測定できるのであれば何回でも良いが、2回以上とするのが好ましい。つまり、S1の工程及びS2の工程を複数回実施することで、1回だけの場合に比べてウェーハの表層に取り込まれる金属汚染量を増幅でき、後述のS4の工程で高感度に金属汚染量を測定できる。
S1の工程及びS2の工程を所定回数行った場合には(S3:Yes)、熱処理後のウェーハ表層に含まれた金属不純物の濃度を測定する(S4)。S4の工程で測定する金属不純物の濃度としてTi濃度を測定するのが好ましい。本発明者の知見によると、Tiは他の金属不純物に比べて塩化水素ガス中に多く含まれ、フィルター17による除去率が高い。塩化水素ガス中にTiが多い理由を考察すると、塩化水素ガスは塩酸から作られ、その塩酸は食塩水の電気分解により作成される。この電気分解で使用する電極にTiが使用されるために、塩化水素ガス中におけるTiの混入量が多くなってしまうと考えられる。よって、ウェーハ表層のTi濃度を測定することで、フィルター17の除去能力の低下度合いを判断するための指標、言い換えるとフィルター17のライフエンドを判断するための指標を得ることができる。つまり、フィルター17の除去能力の低下度合いが大きいほど、ウェーハ表層のTi濃度が高くなる。
S4の工程では、具体的には、例えばWSA(Wafer Surface Analysis)法でウェーハ表面にHF等の薬液を滴下しウェーハ表面を走査しながら(ころがしならが)、表層の汚染を液滴とともに回収する。回収した液滴をICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry、ICP質量分析法)にかけて、液滴に含まれたTi濃度を測定する。なお、薬液の走査範囲をウェーハ表面の全範囲(全面)とした場合にはウェーハ全面のTi濃度(各部のTi濃度の平均値)が得られる。また、薬液の走査範囲をウェーハの一部範囲とした場合には、その一部範囲のTi濃度が得られる。薬液の走査範囲はウェーハ全面であっても一部範囲であっても良い。
ここで、図3は、Tiは他の金属不純物に比べて塩化水素ガス中に多く含まれ、フィルター17による除去率が高いことを説明するための実験データを示している。詳細には図3の実験では、フィルター17があるチャンバー、フィルター17がないチャンバーをそれぞれ複数用意して、各チャンバーごとに、ウェーハを塩化水素ガス雰囲気に暴露させ(HCl暴露テスト)、その後、WSA法でウェーハ表層の各種金属不純物の濃度を測定した。ここでは、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Sn、Mgの濃度を測定した。HCl暴露テストでは、ウェーハをチャンバーに投入した状態で、流量30slmの塩化水素ガスを1時間、チャンバー内に供給し続けた。このとき、チャンバー内の温度は昇温させないで、室温のままとした。
また、図3の実験では、フィルター17として、インテグリス社製のガスピュリファイヤーの一つである「ゲートキーパー CE500KFC4R−HCl」を用いた。すなわち、インテグリス社製のゲートキーパーのうち、最高使用流量が60slmで、除粒子サイズが0.003μmで、HClガス用のゲートキーパーを用いた。なお、図3の横軸の番号(337A、337B、340A・・・)はチャンバーの識別番号を示している。また、図3の縦軸は、WSAによる金属不純物の濃度を示している。
図3のフィルターがない場合の実験結果を見ると、Ti濃度が最も高くなっているのがわかる。また、フィルターの有無で金属不純物の濃度がどの程度変わるのかを金属不純物間で比較すると、チャンバー間で多少のばらつきはあるものの、フィルターを使うことでTi、Cu、Znの濃度が大きく低減されていることがわかる。以上より、Tiは他の金属不純物に比べて塩化水素ガス中に多く含まれ、フィルターによる除去率が高いと言える。
次に、S4の工程で測定したTi濃度に基づいてフィルター17のライフエンドが到来したか否かを判断する(S5)。具体的には、Ti濃度が所定値未満の場合にはフィルター17のライフエンドは未だ到来していないと判断する一方で、Ti濃度が所定値以上の場合にはフィルター17のライフエンドが到来したと判断する。上記所定値は、使用するフィルター17の種類(フィルター17の容量やフィルター17に使用される吸着剤の仕様など)や、S1の工程の条件(塩化水素ガスの流量や、エッチング時間など)や、S2の工程の条件(熱処理温度や熱処理時間など)や、S1の工程及びS2の工程繰り返し回数などに応じて、設定する。ここでは、例えばTi濃度が1×10atoms/cm以上の場合にフィルター17のライフエンドが到来したと判断する。
そして、フィルター17のライフエンドが到来したと判断した場合には、そのフィルター17を新しいフィルターに交換する。これによって、以降、チャンバークリーニングを実施した際に塩化水素ガス中の不純物がチャンバー2内に持ち込まれるのを抑制でき、結果、高品質なシリコンエピタキシャルウェーハを製造できる。
以上が、本実施形態にかかるフィルターのライフ管理方法である。このように、本実施形態によれば、フィルターが除去対象とする金属不純物をウェーハに故意汚染させて、その汚染量に基づいてフィルターのライフエンドが到来したか否かを判断するので、塩化水素ガス中の不純物量やガス流量からライフエンドを予測する方法に比べて正確にライフエンドを判断できる。また、フィルターの下流側に不純物を検知するセンサを設けなくても、フィルターのライフエンドを判断できる。
なお、チャンバークリーニングの際に気相成長装置内の汚染源と塩化水素ガスとの反応により発生した汚染物質(Moなど)が、チャンバークリーニング後しばらくの間、チャンバー内に残留し、その結果、シリコンエピタキシャルウェーハの品質が低下することがある。そこで、図2のS4の工程では、Ti濃度の他に、Moなどの汚染物質の濃度を測定することで、フィルターのライフエンドに加えて、チャンバークリーニング後の気相成長装置の清浄度も判断することができる。
本発明の効果を確認するために以下に示す実験を行った。
複数の気相成長装置のチャンバーを用意して、用意した複数のチャンバーのうちの一部は塩化水素ガス用フィルター(以下、HClフィルターという)ありとし、残りはHClフィルターなしとした。HClフィルターは、図3の実験と同じフィルター、つまり、インテグリス社製の「ゲートキーパー CE500KFC4R−HCl」を用いた。なお、用いたHClフィルターは比較的新しいフィルター、つまり未だライフエンドが到来していないフィルターである。そして、各チャンバーごとに、図2の手順に従ってシリコン単結晶ウェーハ表層のTi濃度を測定した。このとき、S1の工程におけるエッチングの条件は、チャンバー温度を1190℃、塩化水素ガスの流量を30slm、エッチング時間を240秒とした。S2の工程における熱処理の条件は、チャンバー温度を1130℃、水素流量を45slm、熱処理時間を60秒とした。エッチング及び熱処理の繰り返し回数は4回とした。なお、エッチングと熱処理の間に、チャンバー内にトリクロロシラン(TCS)を流して、そのTCSでチャンバー内を2.5μmのSi膜でコーティングした。S4の工程におけるTi濃度の測定はWSA法を用いた。
図4はその実験結果を示している。なお、図3と同様に、図4の横軸の番号はチャンバーの識別番号を示している。なお、同一の識別番号は同一のチャンバーであることを示している(つまり、同一のチャンバーを用いて複数回実験したことを示している)。図4に示すように、チャンバー間で多少のばらつきはあるものの、HClフィルターの有無の違いでウェーハのTi濃度が大きく変わる。具体的には、HClフィルターなしの場合には、一つのチャンバーを除きTi濃度は1×10atoms/cm以上となっているのに対し、HClフィルターありの場合には「323B」のチャンバーを除きTi濃度が1×10atoms/cm未満となっている。なお、図4には、Ti濃度=1×10atoms/cmとなるライン100を示している。このように、本発明では、チャンバー内に持ち込まれた塩化水素ガス中のTiを感度良く捉えることができる。
また、図4のHClフィルターなしの結果は、ライフエンドが到来したHClフィルターを用いた場合の結果に相当する。したがって、図4は、Ti濃度が1×10atoms/cm以上か否かを判断することで、HClフィルターのライフエンドが到来したか否かを正確に判断できることを示している。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。例えば、気相成長装置は枚葉式にかぎられず、縦型(パンケーキ型)、バレル側(シリンダー型)など各種気相成長装置に設けられたフィルターのライフ管理に本発明を適用できる。また、シリコンエピタキシャルウェーハ以外の半導体エピタキシャルウェーハ(例えばGaP等の化合物半導体ウェーハ)を製造する気相成長装置に設けられたフィルターのライフ管理に本発明を適用しても良い。また、HClフィルター以外のガスフィルターのライフ管理に本発明を適用しても良い。また、図2のS4の工程では、WSA法以外のウェーハ表面分析法、例えば全反射蛍光X線分析法(TXRF:Total Reflection X−Ray Fluorescence)でTi濃度を測定しても良い。
1 気相成長装置
2、3 チャンバー
16 第2のガス供給管(塩化水素ガスのガスライン)
17 フィルター
18 ランプ

Claims (8)

  1. ウェーハに対する処理が行われるチャンバー内に供給するガスが流れるガスラインに設けられた前記ガス中の不純物を除去するフィルターのライフを管理する方法であって、
    前記ガスラインから前記チャンバー内に前記ガスを供給した後に前記チャンバー内にてウェーハを熱処理する熱処理工程と、
    その熱処理工程で熱処理したウェーハの、前記フィルターが除去対象とする不純物による汚染量を測定する測定工程と、
    その測定工程で得られた汚染量に基づき前記フィルターのライフエンドが到来したか否かを判断する判断工程と、
    を実施することを特徴とするガスフィルターのライフ管理方法。
  2. 前記ガスは前記チャンバー内に堆積した堆積物をエッチングするガスであり、
    前記熱処理工程は、前記チャンバー内に前記ガスを供給して前記チャンバー内をエッチングするエッチング工程を実施した後に、前記チャンバー内にてウェーハを熱処理する工程であることを特徴とする請求項1に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  3. 前記エッチング工程及び前記熱処理工程を複数回繰り返すとともに、前記熱処理工程では各回同じウェーハを熱処理し、
    前記エッチング工程及び前記熱処理工程を複数回繰り返した後に前記測定工程を実施することを特徴とする請求項2に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  4. 前記ガスは塩化水素ガスであり、
    前記フィルターは、塩化水素ガス中の不純物を除去する塩化水素ガス用フィルターであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  5. 前記塩化水素ガス用フィルターは、塩化水素ガス中の水分及び金属塩化物を除去するフィルターであることを特徴とする請求項4に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  6. 前記測定工程は、前記熱処理工程で熱処理したウェーハのTi濃度を測定する工程であることを特徴とする請求項4又は5に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  7. 前記判断工程は、前記測定工程で得られたTi濃度が1×10atoms/cm以上となった場合に前記フィルターのライフエンドが到来したと判断する工程であることを特徴とする請求項6に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
  8. 前記チャンバーは、シリコン単結晶基板上に単結晶薄膜を気相成長させる気相成長装置のチャンバーであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のガスフィルターのライフ管理方法。
JP2013109891A 2013-05-24 2013-05-24 ガスフィルターのライフ管理方法 Active JP6024595B2 (ja)

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