JP6024243B2 - コイル部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコイル部品及びその製造方法に関し、特に、電解めっきによりプリント基板上に形成した平面スパイラル導体を有するコイル部品及びその製造方法に関する。
民生用又は産業用の電子機器分野では、電源用のインダクタとして表面実装型のコイル部品を用いることが多くなっている。表面実装型のコイル部品は、小型・薄型で電気的絶縁性に優れ、しかも低コストで製造できるためである。
表面実装型のコイル部品の具体的構造のひとつに、プリント回路基板技術を応用した平面コイル構造がある。製造工程の観点からこの構造を簡単に説明すると、まずプリント回路基板上に平面スパイラル形状のシードレイヤ(下地膜)を形成する。そして、めっき液中に浸してシードレイヤに直流電流(以下、「めっき電流」という)を流すことにより、めっき液中の金属イオンをシードレイヤ上に電着させる。これにより平面スパイラル導体が形成され、その後、形成した平面スパイラル導体を覆う絶縁樹脂層と、保護層及び磁路としての金属磁性粉含有樹脂層とを順次形成し、コイル部品が完成する。この構造によれば、寸法及び位置の精度を非常に高い値に維持でき、また、小型化及び薄型化が可能になる。特許文献1には、このような平面コイル構造を有する平面コイル素子が開示されている。
特開2006−66830号公報
ところで、導体の形成に上記のような電解めっきを用いるのは、平面スパイラル導体の導体厚をできるだけ大きくするためである。そのために、出願人は、出願人が「HAP(ハイアスペクトプレーティング)めっき」と呼ぶ特殊なめっきを行うことで、導体厚をより大きくできるようにしている。
HAPめっきでは、電解めっきの際の電流を従来より大きくして、電着した金属イオンによって構成されるめっき層を高速成長させる。これにより、めっき層の厚みを従来より大きく確保することが可能になるので、平面スパイラル導体の導体厚を従来より厚くすることが可能になる。
しかしながら、HAPめっきを行う場合、平面スパイラル導体の最外周に相当する部分のめっき層が横方向に異常成長してしまう場合がある。つまり、HAPめっきでは、めっき電流が大きいためにめっき層が横方向にも成長しようとするが、隣接して他のシードレイヤがある箇所では、他のシードレイヤ上に成長するめっき層の存在によって、横方向への成長が抑制される。これに対し、平面スパイラル導体の最外周のように隣接する他のシードレイヤがない箇所では、横方向への成長を抑制するものがない。このため、最外周の線幅が過度に太くなり、所望のスパイラルパターンを形成できないという問題がある。このようなパターンコイル部品の特性劣化の原因となるため、特に防止する必要がある。
さらに最近は、高密度実装に対応するため、チップの底面だけに電極面を形成する外部電極構造の採用が増えてきている。チップの側面の電極面を省略して半田フィレットが形成されないようにすることにより、チップ部品の占有面積を縮小することができる。コイル部品において底面電極だけの電極構造とする場合、スパイラル導体の端部をチップの側面側に引き出さず、チップ部品の底面側に引き出して外部電極と接続する必要があり、電極構造の工夫が求められている。特に、表面実装時に接合強度が得られるよう、底面電極の面積を十分に確保する必要がある。
したがって、本発明の目的は、平面スパイラル導体の最外周の形状が大きく変形することを防止でき、かつチップの底面だけに外部電極を形成することができるコイル部品及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明によるコイル部品は、基板と、電解めっきによって前記基板の表面に形成された平面スパイラル導体と、前記基板の表面に形成され、前記平面スパイラル導体の外周端に接続された引出導体と、前記基板の前記表面のうち、前記平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されないダミー引出導体と、前記基板の前記表面と平行に設けられた外部電極と、電解めっきによって前記引出導体の表面に形成され、前記引出導体と前記外部電極とを接続するバンプ電極とを備え、前記外部電極の面積は前記バンプ電極よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、平面スパイラル導体の最外周と基板の端部との間にダミー引出導体が設けられているので、電解めっき工程において平面スパイラル導体の最外周を構成するめっき層が横方向へ成長することを抑制できる。したがって、平面スパイラル導体の最外周の線幅が極端に太くなることを防止することができる。さらに、本発明によれば、バンプ電極を介してスパイラル導体と外部電極とを接続でき、バンプ電極よりも大きな面積を有する外部電極を用いることによって表面実装時に所望の実装強度を確保することができる。
本発明において、前記平面スパイラル導体は円形スパイラル形状を有し、前記平面スパイラル導体と対向する前記ダミー引出導体の側面は、前記平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲していることが好ましい。ダミー引出導体の側面をこのような湾曲形状とした場合には、平面スパイラル導体の最外周を構成するめっき層の横方向への成長を確実に抑制することができる。したがって、高精度なパターンを形成することができ、最外周の線幅をそれよりも内側の線幅と等しくすることが可能である。
本発明によるコイル部品は、前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体を覆う絶縁樹脂層と、前記絶縁樹脂層の上から前記基板の前記表面を覆う金属磁性粉含有樹脂層とをさらに備え、前記外部電極は、前記金属磁性粉含有樹脂層の側面に形成されることなく主面に選択的に形成され、前記バンプ電極は、前記絶縁樹脂層及び前記金属磁性粉含有樹脂層を貫通して前記外部電極に接続されていることが好ましい。この構成によれば、直流重畳特性に優れた電源用チョークコイルを提供することが可能になる。さらに、チップ側面に半田フィレットを形成しない底面電極のみの電極構造とすることができ、近年の高密度実装の要求に対応することができる。
本発明によるコイル部品は、前記金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなる第1及び第2のスルーホール磁性体をさらに備え、前記第1のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体に囲まれた中央部において前記基板を貫通しており、前記第2のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通していることが好ましい。この構成によれば、コイルの直流重畳特性をさらに高めることができる。
本発明において、前記基板は矩形状であり、前記平面スパイラル導体は楕円スパイラル形状を有し、前記第2のスルーホール磁性体は前記基板の四隅に対応してそれぞれ設けられていることが好ましい。この構成によれば、限られた寸法内でコイルの形成領域をできるだけ大きくしながら、スルーホール磁性体の形成領域を確保することができる。したがって、コイルのインダクタンスと直流重畳特性の両方を向上させることができる。
本発明において、前記基板は、互いに平行な第1及び第2の辺と、前記第1及び第2の辺と直交する互いに平行な第3及び第4の辺とを有し、前記引出導体は前記第1の辺に沿って延設されており、前記ダミー引出導体は前記第2の辺に沿って延設されており、第2のスルーホール磁性体は、前記第3及び第4の辺に設けられていることが好ましい。この構成によれば、引出導体及びダミー引出導体の形成領域が第2のスルーホール磁性体によって制限されないので、引出導体を第1の辺の端から端まで延設することができ、またダミー引出導体を第2の辺の端から端まで延設することができる。
本発明において、前記バンプ電極は、前記引出導体と共に前記第1の辺に沿って延設されていることが好ましい。この構成によれば、バンプ電極の形成歩留りを向上させることができ、めっき成長の時短化を図ることができる。
本発明の他の側面によるコイル部品は、基板と、電解めっきによって前記基板のおもて面に形成された第1の平面スパイラル導体と、電解めっきによって前記基板のうら面に形成された第2の平面スパイラル導体と、前記基板を貫通し、前記第1の平面スパイラル導体の内周端と前記第2の平面スパイラル導体の内周端とを接続する第1のスルーホール導体と、前記基板のおもて面のうち、前記第1の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されない第1のダミー引出導体と、前記基板のうら面のうち、前記第2の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されない第2のダミー引出導体と、前記基板のおもて面のうち平面視で前記第2のダミー引出導体と重なる位置に形成され、前記第1の平面スパイラル導体の外周端に接続する第1の引出導体と、前記基板のうら面のうち平面視で前記第1のダミー引出導体と重なる位置に形成され、前記第2の平面スパイラル導体の外周端に接続する第2の引出導体と、前記基板を貫通し、前記第1のダミー引出導体と前記第2の引出導体とを接続する第2のスルーホール導体と、前記基板の前記表面と平行に設けられ、前記第1及び第2の平面スパイラル導体とそれぞれ電気的に接続される第1及び第2の外部電極と、電解めっきによって前記第1の引出導体の表面に形成され、当該第1の引出導体と前記第1の外部電極とを接続する第1のバンプ電極と、電解めっきによって前記第1のダミー引出導体の表面に形成され、当該第1のダミー引出導体と前記第2の外部電極とを接続する第2のバンプ電極とを備え、前記第1の外部電極の面積は、前記第1のバンプ電極よりも大きく、前記第2の外部電極の面積は、前記第2のバンプ電極よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、第1及び第2の平面スパイラル導体の最外周と基板の端部との間に第1及び第2のダミー引出導体がそれぞれ設けられているので、電解めっき工程において第1及び第2の平面スパイラル導体の最外周を構成するめっき層が横方向へ成長することを抑制できる。したがって、第1及び第2の平面スパイラル導体の最外周の線幅が極端に太くなることを防止することができる。さらに、本発明によれば、第1のバンプ電極を介して第1の平面スパイラル導体と第1の外部電極とを接続でき、また第2のバンプ電極を介して第2の平面スパイラル導体と第2の外部電極とを接続でき、第1及び第2のバンプ電極よりも大きな面積を有する第1及び第2の外部電極を用いることによって表面実装時に所望の実装強度を確保することができる。
本発明において、前記第1及び第2の平面スパイラル導体は円形スパイラル形状を有し、前記第1の平面スパイラル導体と対向する前記第1のダミー引出導体の側面は、前記第1の平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲しており、前記第2の平面スパイラル導体と対向する前記第2のダミー引出導体の側面は、前記第2の平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲していることが好ましい。第1及び第2のダミー引出導体の側面をこのような湾曲形状とした場合には、第1及び第2の平面スパイラル導体の最外周を構成するめっき層の横方向への成長を確実に抑制することができる。したがって、高精度なパターンを形成することができ、最外周のライン幅を内側のラインと等幅にすることが可能である。
本発明によるコイル部品は、前記基板のおもて面側に設けられた第1の金属磁性粉含有樹脂層と、前記基板のうら面側に設けられた第2の金属磁性粉含有樹脂層とを備え、前記第1及び第2の外部電極は、前記第1の金属磁性粉含有樹脂層の側面に形成されることなく主面に選択的に形成され、前記第1及び第2のバンプ電極は、前記第1の金属磁性粉含有樹脂層を貫通して前記第1及び第2の外部電極にそれぞれ接続されていることが好ましい。この構成によれば、直流重畳特性に優れた電源用チョークコイルを提供することが可能となる。さらに、チップ側面に半田フィレットを形成させない底面電極のみの電極構造とすることができ、近年の高密度実装の要求に対応することができる。
本発明によるコイル部品は、前記第1及び第2の金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなり、前記基板を貫通して前記第1の金属磁性粉含有樹脂層と前記第2の金属磁性粉含有樹脂層とを接続する第1及び第2のスルーホール磁性体をさらに備え、前記第1のスルーホール磁性体は、前記第1及び第2の平面スパイラル導体に囲まれた中央部において前記基板を貫通しており、第2のスルーホール磁性体は、前記第1及び第2の平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通していることが好ましい。これによれば、コイルの直流重畳特性をさらに高めることができる。
本発明において、前記基板は矩形状であり、前記第1及び第2の平面スパイラル導体は楕円スパイラル形状を有し、前記第2のスルーホール磁性体は前記基板の四隅に対応してそれぞれ設けられていることが好ましい。この構成によれば、限られた寸法内でコイルの形成領域をできるだけ大きくしながら、スルーホール磁性体の形成領域を確保することができる。したがって、コイルのインダクタンスと直流重畳特性の両方を向上させることができる。
本発明によるコイル部品の製造方法は、基板の表面に、平面スパイラル導体、前記平面スパイラル導体の外周端に接続された引出導体、及び前記平面スパイラル導体と前記基板の端部との間に設けられ、かつ少なくとも同一平面内で他の導体に接続されないダミー引出導体を形成する第1めっき工程と、前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体に金属イオンを電着させる第2めっき工程と、少なくとも前記引出導体の表面の一部にバンプ電極を形成する第3めっき工程と、前記平面スパイラル導体、前記引出導体、前記ダミー引出導体及び前記バンプ電極を覆う絶縁樹脂層を形成する絶縁樹脂層形成工程と、前記絶縁樹脂層を覆う金属磁性粉含有樹脂層を形成する金属磁性粉含有樹脂層形成工程と、前記バンプ電極の先端部が露出するように前記金属磁性粉含有樹脂層の主面を研磨する研磨工程と、前記金属磁性粉含有樹脂層の主面に、前記バンプ電極の先端部よりも広い面積を有しかつ当該先端部に接続された外部電極を形成する外部電極形成工程とを備えることを特徴とする。
本発明において、前記第1めっき工程は、前記基板のおもて面に、第1の平面スパイラル導体、前記第1の平面スパイラル導体の外周端に接続された第1の引出導体、及び、前記第1の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間の領域に形成され、前記第1のスパイラル導体に接続されない第1のダミー引出導体を形成する工程と、前記基板のうら面に、第2の平面スパイラル導体、前記第2の平面スパイラル導体の外周端に接続された第2の引出導体、及び、前記第2の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間の領域に形成され、前記第2のスパイラル導体に接続されない第2のダミー引出導体を形成する工程と、前記基板を貫通して前記第1の平面スパイラル導体の内周端と前記第2の平面スパイラル導体の内周端とを接続する第1のスルーホール導体を形成する工程と、前記基板を貫通して前記第1のダミー引出導体と前記第2の引出導体とを接続する第2のスルーホール導体を形成する工程とを含み、前記第3めっき工程は、前記第1の引出導体に接続された第1のバンプ電極と、前記第1のダミー引出導体に接続された第2のバンプ電極とを形成する工程を含み、前記外部電極形成工程は、前記第1のバンプ電極に接続された第1の外部電極と、前記第2のバンプ電極に接続された第2の外部電極とを形成する工程とを含み、前記第1のダミー引出導体は、平面視で前記第2の引出導体と重なる位置に配置され、前記第2のダミー引出導体は、平面視で前記第1の引出導体と重なる位置に配置されることが好ましい。
本発明において、前記金属磁性粉含有樹脂層形成工程は、前記金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなる第1及び第2のスルーホール磁性体を形成する工程を含み、前記第1のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体に囲まれた中心部において前記基板を貫通しており、前記第2のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通していることが好ましい。これによれば、直流重畳特性に優れた電源用チョークコイルを提供することが可能になる。
本発明において、前記第3めっき工程は、前記第1及び第2のバンプ電極の形成位置に開口を有するマスクパターンを形成する工程と、前記開口から露出する下地導体の露出部分を選択的にめっき成長させる工程とを含むことが好ましい。これによれば、引出導体またはダミー引出導体の表面に任意の形状のバンプ電極を容易に形成することができる。
本発明によれば、平面スパイラル導体の最外周と基板の端部との間に形成されたダミー引出導体によって、電解めっき工程において平面スパイラル導体の最外周を構成するめっき層の横方向への成長を抑制することができる。また、コイル部品の底面だけに電極面を有する外部電極を採用することができ、コイル形成領域及び磁性体形成領域を減らすことなく、外部電極の所望の面積を確保することができる。
本発明の第1の実施の形態によるコイル部品の分解斜視図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 実際にHAPめっきを行って形成した平面スパイラル導体の断面電子顕微鏡写真のトレースである。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図であって、(a)は、切断前の基板をおもて面側から見た平面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。 量産工程の途中における、個片化後の本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図である。 量産工程の途中における、個片化後の本発明の第1の実施の形態によるコイル部品を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態によるコイル部品1の分解斜視図である。同図に示すように、コイル部品1は略矩形の基板2を有している。「略矩形」とは、完全な矩形の他、一部の角が欠けている矩形を含む意である。本明細書では矩形の「角部」という用語を用いるが、一部の角が欠けている矩形についての「角部」とは、欠けがないとした場合に得られる完全な矩形の角部を意味する。
基板2の材料には、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた一般的なプリント基板を用いることが好ましい。また、例えばBTレジン基材、FR4基材、FR5基材を用いてもよい。
基板2のおもて面2tの中央部には、平面スパイラル導体10a(第1の平面スパイラル導体)が形成される。同様に、うら面2bの中央部には、平面スパイラル導体10b(第2の平面スパイラル導体)が形成される。また、基板2には導体埋込用のスルーホール12aが設けられ、その内部にスルーホール導体12(第1のスルーホール導体)が埋め込まれている。平面スパイラル導体10aの内周端と平面スパイラル導体10bの内周端とは、スルーホール導体12によって互いに接続される。
平面スパイラル導体10a,10bは楕円スパイラル形状を有することが好ましい。楕円スパイラルによれば、基板の矩形形状に合わせてできる限り大きなループサイズを確保することが可能である。また、詳細は後述するが、基板2の四隅であって角部よりも幅方向の中央寄りにスルーホール磁性体22dを形成する場合、長円スパイラルよりもその形成領域を確保しやすいからである。
平面スパイラル導体10aと平面スパイラル導体10bとは、互いに反対向きに巻回されている。つまり、おもて面2tの側から見た平面スパイラル導体10aは、内周端から外周端に向かって反時計回りに巻回されているのに対し、おもて面2tの側から見た平面スパイラル導体10bは、内周端から外周端に向かって時計回りに巻回されている。このような巻回方法を採用したことにより、コイル部品1では、平面スパイラル導体10aの外周端と平面スパイラル導体10bの外周端との間に電流を流した場合に、両平面スパイラル導体が互いに同一方向の磁場を発生して強め合う。したがって、コイル部品1は、1つのインダクタとして機能する。
基板2のおもて面2tとうら面2bには、引出導体11a,11bがそれぞれ形成されている。引出導体11a(第1の引出導体)は、基板2の側面2Xに沿って形成される。一方、引出導体11b(第2の引出導体)は、側面2Xと対向する側面2Xに沿って形成される。引出導体11aは平面スパイラル導体10aの外周端と接続され、引出導体11bは平面スパイラル導体10bの外周端と接続される。
基板2のおもて面2tには、平面スパイラル導体10aの最外周と基板2の端部との間の領域に、ダミー引出導体15a(第1のダミー引出導体)が形成される。より具体的に説明すると、ダミー引出導体15aは引出導体11bとほぼ同じ平面形状を有しており、平面的に見て引出導体11bと重なる位置に配置される。つまり、ダミー引出導体15aは、基板2の側面2Xと平面スパイラル導体10aの最外周との間に形成されている。ダミー引出導体15aは、同一平面内で他の導体と接続されていないが、基板2を貫通するスルーホール導体17(第2のスルーホール導体)を介して引出導体11bと接続されている。基板2には導体埋込用のスルーホール17aが設けられ、その内部にスルーホール導体17が埋め込まれている。
同様に、基板2のうら面2bには、平面スパイラル導体10bの最外周と基板2の端部との間の領域に、ダミー引出導体15b(第2のダミー引出導体)が形成される。より具体的に説明すると、ダミー引出導体15bは引出導体11aと同じ平面形状を有しており、平面的に見て引出導体11aと重なる位置に配置される。つまり、ダミー引出導体15bは、基板2の側面2Xと平面スパイラル導体10bの最外周との間に形成されている。ダミー引出導体15bは、ダミー引出導体15aと同様、同一平面内で他の導体と接続されていないが、基板2を貫通するスルーホール導体16(第3のスルーホール導体)を介して引出導体11aと接続されている。基板2には導体埋込用のスルーホール16aが設けられ、その内部にスルーホール導体16が埋め込まれている。
平面スパイラル導体10aの最外周と対向するダミー引出導体15aの側面は、平面スパイラル導体10aの最外周の形状に合わせて湾曲している。平面スパイラル導体10bの対向するダミー引出導体15bの側面もまた、平面スパイラル導体10bの最外周に沿って湾曲している。ダミー引出導体15a,15bの側面をこのような湾曲形状とした場合には、後述する平面スパイラル導体10a,10bを構成するめっき層の横方向への成長を確実に抑制することができ、高精度なパターンを形成することができる。平面スパイラル導体とダミー引出導体の間のスペース幅は、平面スパイラル導体のピッチ幅とほぼ等しく設定されていることが好ましい。このようにした場合には、最外周のライン幅を内側のラインと等幅にすることができるので、より高精度な特性の制御が可能である。
以上の平面スパイラル導体10a,10b、引出導体11a,11b、ダミー引出導体15a,15bはいずれも、無電解めっき工程によって下地層を形成した後、2度の電解めっき工程を経て形成される。下地層の材料及び2度の電解めっき工程で形成されるめっき層の材料は、いずれもCuとすることが好適である。2度目の電解めっき工程は、上述したHAPめっき工程となる。製造工程の詳細については後ほど詳しく説明するが、HAPめっき工程においては、上述したように、隣接する他のシードレイヤがない箇所ではめっき層が横方向に大きく成長するおそれがある。これに対し、本実施の形態ではダミー引出導体15a,15bを設けているので、平面スパイラル導体10a,10bの最外周が極端に太くなるおそれはなく、所望の配線形状を維持することができる。
基板2のおもて面2t側に設けられた平面スパイラル導体10a、引出導体11a、及びダミー引出導体15aは、絶縁樹脂層21aに覆われている。この絶縁樹脂層21aは、各導体と金属磁性粉含有樹脂層22aとの電気的導通を防止するために設けられているものである。同様に、基板2のうら面2bに設けられた平面スパイラル導体10b、引出導体11b、及びダミー引出導体15bは、絶縁樹脂層21bに覆われている。この絶縁樹脂層21bは、各導体と金属磁性粉含有樹脂層22bとの電気的導通を防止するために設けられているものである。
基板のおもて面2t及びうら面2bは、絶縁樹脂層21a,21bの上からさらに、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bにそれぞれ覆われている。金属磁性粉含有樹脂層22a,22bは、樹脂に金属磁性粉を混入して作られる磁性材料(金属磁性粉含有樹脂)によって構成される。金属磁性粉としては、パーマロイ系材料を用いることが好適である。具体的には、例えば、平均粒径が20〜50μmであるPb−Ni−Co合金と、平均粒径が3〜10μmであるカルボニル鉄とを所定の比率、例えば70:30〜80:20の重量比、好ましくは75:25の重量比で含む金属磁性粉を用いることが好ましい。金属磁性粉含有樹脂層22a,22bにおける金属磁性粉の含有率は90〜97重量%であることができる。
一方、樹脂としては、液状又は粉体のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bにおける樹脂の含有率は3〜10重量%であることが好ましい。樹脂は絶縁性結着材として機能する。以上の構成を有する金属磁性粉含有樹脂層22a,22bは、樹脂に対して金属磁性粉の量が少ないほど飽和磁束密度が小さくなり、逆に金属磁性粉の量が多いほど飽和磁束密度が大きくなるという性質を有している。
本実施の形態において、金属磁性粉含有樹脂は、平均粒径が異なる3種類の金属粉を含有するものであることが好ましい。このような金属粉を用いる場合には、金属磁性粉含有樹脂層の透磁率を維持したままコア損失を低減することができる。
金属磁性粉含有樹脂の透磁率は主に金属粉の粒径とその充填密度(嵩密度)に依存する。透磁率を高めるために金属粉の粒径を大きくすると、金属粉間の隙間が大きくなる。そのため、金属粉間の隙間を埋めるように粒径の小さな金属粉を加えることが効果的である。ところが、細密充填が進んで金属粉間の距離が近くなりすぎるとコア損失が大きくなってしまう。そこで、大径粉と小径粉との中間の大きさの中径粉を加えることで、透磁率を下げることなくコア損失を低減することができる。中径粉を加えた場合、金属粉の充填密度は大径粉と小径粉との組み合わせよりも少し下がると思われるが、粒径が大きくなるので、透磁率を維持することが可能である。
大径の金属粉は、平均粒径が15〜100μm、好ましくは25〜70μm、さらに好ましくは28〜32μmのパーマアロイ系材料であることが好ましい。中径の金属粉は、平均粒径が4μmのカルボニル鉄であることが好ましい。小径の金属粉は、平均粒径が1μmのカルボニル鉄であることが好ましい。これらの重量比の一例をあげると、エポキシ樹脂、大径粉、中径粉、小径粉の比は、74.5:12.15:12.15:3.0とすることが好ましい。このような金属磁性粉含有樹脂中の金属粉の粒度分布は、大径粉、中径粉及び小径粉の平均粒径の位置にピークを持ち、3つのピークがはっきりと現れるものである。
基板2には、図1に示すように、基板2のうち平面スパイラル導体10a,10bに囲まれた中央部(中空部)を貫通するスルーホール14aと、平面スパイラル導体10a,10bの外側を貫通する4つのスルーホール14bが形成されている。4つのスルーホール14bは基板2の側面2Y,2Yに設けられた半円形状の開口であり、基板2の四隅に対応してそれぞれ設けられている。金属磁性粉含有樹脂はこの磁路形成用スルーホール14a,14b内にも埋め込まれており、埋め込まれた金属磁性粉含有樹脂は、図1に示すように、スルーホール磁性体22c,22dをそれぞれ構成している。スルーホール磁性体22c,22dはコイル部品1に完全な閉磁路を形成するためのものである。
なお、図1には示していないが、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bの表面には薄い絶縁層が形成される。この絶縁層の形成は、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bの表面をリン酸塩で処理することによって行う。この絶縁層を設けたことにより、外部電極26aと金属磁性粉含有樹脂層22a,22bとの電気的導通が防止される。
本実施の形態によるコイル部品1は、引出導体11aの上面にバンプ電極25a(第1のバンプ電極)が、ダミー引出導体15aの上面にバンプ電極25b(第2のバンプ電極)が、それぞれ形成されている。バンプ電極25a,25bは、引出導体11aの上面及びダミー引出導体15aの上面のみを露出させるレジストパターンを形成し、各導体をシードレイヤとして、さらに電解めっきを行うことにより形成される。絶縁樹脂層21a,21bを形成する工程並びに金属磁性粉含有樹脂層22a,22bを形成する工程は、バンプ電極25a,25bの形成後に実施される。
バンプ電極25a,25bの平面形状は、引出導体やダミー引出導体の形状と同等か、それよりもひと回り小さな形状であり、引出導体やダミー引出導体の長手方向に延設されていることが好ましい。この構成によれば、バンプ電極の形成歩留りを向上させることができ、めっき成長の時短化を図ることができる。なお、本明細書において「バンプ電極」とは、フリップチップボンダーを用いてCu,Au等の金属ボールを熱圧着することにより形成されるものとは異なり、めっき処理により形成された厚膜めっき電極を意味する。バンプ電極の厚さは、金属磁性粉含有樹脂層の厚さと同等かそれ以上であり、0.1〜0.4mm程度とすることができる。すなわち、バンプ電極の厚さは平面スパイラル導体等の導体パターンよりも厚く、特に、平面スパイラル導体の5倍以上の厚さを有している。
コイル部品1の底面であって金属磁性粉含有樹脂層22aの主面には、一対の外部電極26a,26b(第1及び第2の外部電極)が形成されている。なお、図1は、コイル部品1の底面(実装面)が上向きの状態を示している。外部電極26a,26bは、上記のバンプ電極25a,25bを介して引出導体11a,11bにそれぞれ接続されている。外部電極26a,26bは、図示しない実装基板上に形成されたランドに半田実装される。これにより、実装基板上に形成された配線を通じて、平面スパイラル導体10aの外周端と平面スパイラル導体10bの外周端との間に電流を流すことができる。
外部電極26a,26bは矩形パターンであり、バンプ電極25a,25bよりも広い面積を有しているが、その理由は以下の通りである。コイルのインダクタンスを大きくするためには、コイル形成領域をできるだけ大きくしなければならない。コイル形成領域を決められた寸法内でできる限り大きく設計するためには、コイルの外側に配置される引出導体やダミー引出導体はできるかぎり小さいほうがよい。しかし、引出導体やダミー引出導体を利用してバンプ電極を形成し、その露出面を外部電極とする場合において、引出導体やダミー引出導体の面積を小さくすると、その上に形成されるバンプ電極の面積も小さくなり、実装強度を保てない。そこで本実施の形態では、バンプ電極よりも大きな面積の外部電極(スパッタ電極)を設けて実装強度を確保している。
本実施の形態において、外部電極26a,26bは金属磁性粉含有樹脂層22aの主面に選択的に形成されている。すなわち、コイル部品1の底面だけに形成されており、側面や上面には形成されていない。外部電極をコイル部品1の側面にも形成した場合、表面実装時に半田フィレットが形成されるので、チップの実装状態を目視にて確認でき、確実な実装が可能であるが、半田フィレットの分だけコイル部品の実装マージンを広くとらなければならない。また、コイル部品の上面に外部電極が形成されていると、実装基板の上方が金属カバーで覆われている場合に、コイル部品の外部電極と金属カバーとの接触が問題となる。しかしながら、外部電極26a,26bがコイル部品1の底面だけに形成されている場合には、上記問題を回避することができ、半田フィレットの省略による高密度実装を実現することができる。
次に、コイル部品1の量産工程を説明しながら、ダミー引出導体15a,15bの役割についてより詳しく説明する。
図2〜図4、図6〜図11は、コイル部品1の量産工程の途中におけるコイル部品1を示す図である。このうち図10及び図11を除く各図の(a)は、切断前の基板2をおもて面2t側から見た平面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。なお、図10及び図11を除く各図の(a)に示す破線は、ダイシング工程における切断線を示している。この切断線で囲まれた1つ1つの矩形領域(以下、単に「矩形領域」という)が、個々のコイル部品1となる。以下では、図2(a)中央の矩形領域に着目して説明することとし、この矩形領域の4辺を、図2(a)に示すように時計回りに辺A1〜辺A4と称する。図10及び図11は、ダイシング工程を経て個片化されたコイル部品1の断面図である。同図に示す断面は、図9のB−B線に対応している。
初めに、図2に示すように、基板2に導体埋込用のスルーホール12a,16a,17aと磁路形成用のスルーホール14a,14bとを設ける。スルーホール12a,14a,16a,17aは、矩形領域ごとに1つずつ設けられる。なお、中心の矩形領域のパターン形状に対して、その上下左右の矩形領域のパターン形状は2回対称であり、そのためスルーホールの形成位置も異なっている。
各スルーホール14bは円形パターンであり、Y方向に延びる切断線A2,A4上にそれぞれ設けられており、切断線の両側のコイル部品に対して共通するものである。1つの矩形領域には4つのスルーホール14bが関与している。基板2を切断線で切断すると、半円形状の切り欠きが得られ、これらは基板2の長手方向に延びる2つの側面2Y,2Y(第3及び第4の辺)にそれぞれ設けられている。
各スルーホール14bの形成位置は、基板2の矩形領域の厳密な角部ではなく、角部よりもY方向の切断線A1,A3(側面2Y,2Y)の少し中央寄りに設けられている。基板2の側面2X,2Xに沿った領域は、引出導体11a,11b及びダミー引出導体15a,15bの形成領域として使用されるからである。そのため、後述するように、スルーホール14bに邪魔されることなく、引出導体11a,11b及びダミー引出導体15a,15bを側面2X,2X方向の端から端まで延在させることができる。これはすなわち、基板2をダイシングする前において、X方向に隣接する矩形領域内の引出導体どうし(あるいは引出導体とダミー引出導体)を連結できることを意味している。このような引出導体及びダミー引出導体の連結構造は、後述するHAPめっき工程で、y方向のみならずx方向にもめっき電流が流れるようにするためのものである。
次に、図3に示すように、基板2のおもて面2tに関して、矩形領域ごとに、内周端がスルーホール12aを覆う平面スパイラル導体10aを形成する。また、矩形領域の辺A1(第1の辺)に沿って引出導体11aを形成するとともに、辺A3(第2の辺)に沿ってダミー引出導体15aを形成する。引出導体11aは、辺A1を挟んで隣接する他の矩形領域と共通であり、それぞれに形成される平面スパイラル導体10aの各外周端と接続するように形成される。ダミー引出導体15aは、辺A3を挟んで隣接する他の矩形領域と共通であるが、それぞれに形成される平面スパイラル導体10aのいずれとも接続しない。
基板2のうら面2bに関しても同様に、矩形領域ごとに、内周端がスルーホール12aを覆う平面スパイラル導体10bを形成する。また、矩形領域の辺A3に沿って引出導体11bを形成するとともに、辺A1に沿ってダミー引出導体15b(図3には示されていない)を形成する。引出導体11bは、辺A3を挟んで隣接する他の矩形領域と共通であり、それぞれに形成される平面スパイラル導体10bの各外周端と接続するように形成される。ダミー引出導体15bは、辺A1を挟んで隣接する他の矩形領域と共通であるが、それぞれに形成される平面スパイラル導体10bのいずれとも接続しない。
図3の段階における平面スパイラル導体10a,10b等の具体的な形成方法は、次のとおりである。すなわち、まず基板2の両面に無電解めっきによってCuの下地層を形成し、この下地層の表面にフォトレジスト層を形成する。なお、この下地層はスルーホール12a内にも形成され、スルーホール導体12を構成する。フォトレジスト層は、例えばシートレジストの貼り付けによって形成することができる。続いて、このフォトレジスト層に、片面ずつのフォトリソグラフィ法によって、平面スパイラル導体10a,10b、引出導体11a,11b、及びダミー引出導体15a,15bの形状の開口パターン(ネガパターン)を設ける。そして、電解めっきによって開口パターン内にめっき層を形成し、フォトレジスト層を除去した後、めっき層が形成された部分以外の下地層をエッチングにより除去する。ここでの電解めっき工程は、1度目の電解めっき工程(第1めっき工程)に相当する。ここでは、下地層はパターニングされていない平面導体であるので、めっき電流の流れる方向に関する問題は生じない。以上の工程により、それぞれ下地層とめっき層からなる平面スパイラル導体10a,10b、引出導体11a,11b、及びダミー引出導体15a,15bが完成する。
ここまでの工程で基板2のおもて面2t及びうら面2bに形成した各導体は、後述するHAPめっき工程(第2めっき工程)におけるシードレイヤとなる。このシードレイヤは、引出導体11a,11b、ダミー引出導体15a,15b及びスルーホール導体12を通じてx方向とy方向の両方につながっているため、HAPめっき工程では、x方向とy方向の両方にめっき電流を流すことが可能になる。
続いて、図4に示すように、HAPめっき処理を行う。具体的には、切断前の基板2の端部からシードレイヤとしての上記各導体に、0.05〜0.3A/mm程度の、めっき電流としては大きな電流を流しながら、基板2をめっき液に浸す。この際、上述したようにシードレイヤがx方向とy方向の両方につながっていることから、めっき電流はx方向とy方向の両方に流れる。これにより、平面スパイラル導体10a,10b等に金属イオンが均一に電着し、均一な膜厚のめっき層20が形成される。
めっき層20の形成により、図4(b)に示すように、各導体の膜厚を大幅に増大させることが可能になる。このようにして大きな膜厚を確保するのは、本実施の形態によるコイル部品1が電源用のインダクタであり、極めて小さな直流抵抗を実現する必要があるためである。
しかし一方で、HAPめっき処理を行うと、上述したように、隣接する他のシードレイヤがない箇所では、めっき層20が横方向に大きく成長する。図5は、実際にHAPめっき処理を行って形成した平面スパイラル導体10a,10bの断面電子顕微鏡写真のトレースである。ただし、同図には、平面スパイラル導体10a,10bを単独で形成した例(ダミー引出導体15a,15bを含む他の導体が形成されていない例)を示している。同図に示すように、平面スパイラル導体10aの最内周10a−1,最外周10a−2及び平面スパイラル導体10bの最内周10b−1,最外周10b−2はいずれも、その他の部分に比べて横方向に張り出している。これは、めっき層20が横方向に大きく成長した結果である。
本実施の形態では、例えばおもて面2tにダミー引出導体15aを設けたので、図4(b)に示すように、平面スパイラル導体10aの最外周とダミー引出導体15aとの間に、距離Dの間隙が確保される。これは、平面スパイラル導体10aの最外周を構成するめっき層20の横方向への成長が、ダミー引出導体15aを構成するめっき層20によって阻害された結果である。これらのことは、うら面2bでも同様である。このように、本実施の形態によれば、平面スパイラル導体10a,10bの最外周に成長するめっき層20の横方向への成長がダミー引出導体15a,15bによって抑制され、平面スパイラル導体10a,10bの最外周が極端に太くなることを防止することができる。
次に、図6に示すように、引出導体11a,11b及びダミー引出導体15a,15bの上面を選択的にめっき成長させ、これによりバンプ電極25a,25bを形成する。バンプ電極25a,25bの形成では、基板の全面にフォトレジスト層を形成し、このフォトレジスト層のバンプ電極25a,25bの形成位置にフォトリソグラフィ法によって開口パターン(ネガパターン)を設ける。そして、3度目の電解めっき工程(第3めっき工程)によって開口パターン内にめっき層を形成し、フォトレジスト層を除去する。以上の工程により、めっき層からなるバンプ電極25a,25bが形成される。バンプ電極25a,25bは、後述の金属磁性粉含有樹脂層22aよりも高くなるようにめっき成長させる必要がある。
その後、図7に示すように、基板2の両面に絶縁樹脂を成膜し、各導体を絶縁樹脂層21a,21bで覆う。このとき、バンプ電極も絶縁樹脂層で覆われることになる。また、スルーホール14a,14bの側壁も絶縁樹脂に覆われるが、スルーホール14a,14bの全域が絶縁樹脂によって埋め尽くされることのないようにする必要がある。
次に、図8に示すように、基板2の両面を金属磁性粉含有樹脂層22a,22bでそれぞれ覆う。具体的な形成方法について説明すると、まず基板2の反りを抑制するためのUVテープ(不図示)を基板2のうら面2bに貼り、おもて面2tに金属磁性粉含有樹脂ペーストをスクリーン印刷する。UVテープの代わりに熱剥離テープを用いてもよい。また、スクリーン印刷の後には加熱してペーストを硬化させる。続いて、UVテープを剥がし、うら面2bに金属磁性粉含有樹脂ペーストをスクリーン印刷する。また、スクリーン印刷の後には加熱してペーストを硬化させる。以上の処理により、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bが完成する。
以上の工程において、金属磁性粉含有樹脂層22a又は22bはスルーホール14a,14bにも埋め込まれる。これにより、スルーホール14a,14b内に、図1に示したスルーホール磁性体22c,22dがそれぞれ形成される。
次に、図9に示すように、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bの表面を研磨してその厚さを調整すると共に、金属磁性粉含有樹脂層22aの主面からバンプ電極25a,25bの先端部を露出させる。
次に、図10に示すように、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bの表面に絶縁層23を形成する。絶縁層23の形成は、金属磁性粉含有樹脂層22a,22bの表面をリン酸塩で化成処理することによって行う。
次に、図11に示すように、金属磁性粉含有樹脂層22aの表面に一対の外部電極26a,26bを形成する。外部電極26a,26bは、バンプ電極25a,25bの先端部の露出位置を覆い、バンプ電極25a,25bと電気的に接続されるように形成される。外部電極は、スパッタリングにより形成することが好ましいが、スクリーン印刷により形成してもよい。
その後、ダイサーを用い、切断線A1〜A4に沿って基板2を切断する。これにより矩形領域ごとに個々のコイル部品1が得られる。最後に外部電極26a,26bの電極面を平滑にするため、最終のメッキ処理を行う。以上により、本実施の形態によるコイル部品1が完成する。
以上説明したように、本実施の形態によるコイル部品の製造方法は、平面スパイラル導体10a,10bの最外周と基板2の端部との間にそれぞれ形成されたダミー引出導体15a,15bが、HAPめっき工程において平面スパイラル導体10a,10bの最外周に成長するめっき層20が横方向へ成長することを抑制する。したがって、平面スパイラル導体10a,10bの最外周の線幅が極端に太くなることを防止することができる。
また、ダミー引出導体15aを平面スパイラル導体10aの最外周と外部電極26aとの間に形成し、ダミー引出導体15bを平面スパイラル導体10bの最外周と外部電極26bとの間に形成したので、平面スパイラル導体10a,10bの最外周と外部電極26a,26bとが意図しない位置(引出導体11a,11b以外の位置)で短絡してしまうことを防止できる。
また、基板2(切断後の基板2)の各角部と、平面スパイラル導体10a,10bの中央部に対応する部分とにスルーホール磁性体を形成するので、これらを形成しない場合に比べ、コイル部品のインダクタンスを向上できる。
また、磁性基板ではなく金属磁性粉含有樹脂層22a,22bによって磁路を形成することから、直流重畳特性に優れた電源用チョークコイルを得ることが可能になる。
電源用チョークコイルにおいては、平面スパイラル導体の直流抵抗を低減するため、その厚さをできるだけ厚くしている。そのため、HAPめっき工程を実施している。HAPめっき工程では、X方向とY方向の両方に大電流を流す必要があるので、一枚の基板からコイル部品を多数個取りする場合には、基板上のシードレイヤがX方向にもつながっている必要がある。平面スパイラル導体の途中に短絡線を設けて平面スパイラル導体の最外周どうしを接続する方法も考えられるが、この場合、平面スパイラル導体が変形することになり、コイル特性が低下し、見栄えもよくない。引出導体やダミー引出導体がX方向につながっている場合には、そのような問題が生じず好適である。
引出導体やダミー引出導体は基板の短辺に実質的に接して設けられているので、磁路形成用スルーホールを基板の完全な角部に設けてしまうと、X方向への導体の連続性を断絶してしまうことになる。しかしながら、半円形状の開口(切り欠き)からなるスルーホールが基板の角部よりも少し中央部寄りに設けられている場合には、引出導体やダミー引出導体のX方向への連続性を邪魔することがなく、平面スパイラル導体の特性や見栄えの悪化を回避することができる。さらに、本実施形態においては、平面スパイラル導体が楕円スパイラル形状であることから、半円形状の磁路形成用スルーホールを上記の位置に形成しながら、十分なループサイズを確保することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態においては、基板の両面に平面スパイラル導体が形成されているが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、基板の一方の面だけに平面スパイラル導体が形成されたものであってもよい。
また、上記実施の形態において、バンプ電極の平面形状は、引出導体やダミー引出導体の形状をひと回り小さくしたものとしているが、本発明において、バンプ電極の形状は特に限定されず、例えば少なくとも1本のスルーホール導体によって構成されてもよい。
また、上記実施の形態において、平面スパイラル導体は楕円スパイラル形状であるが、本発明による平面スパイラル導体は長円スパイラルや真円スパイラルなどの他の円形スパイラル形状であってもかまわない。
1 コイル部品
2 基板
2X,2X 基板の側面
2Y,2Y 基板の側面
2b 基板のうら面
2t 基板のおもて面
10a 平面スパイラル導体
10a 平面スパイラル導体の最内周
10a 平面スパイラル導体の最外周
10b 平面スパイラル導体
10b 平面スパイラル導体の最内周
10b 平面スパイラル導体の最外周
11a,11b 引出導体
12 スルーホール導体
12a スルーホール
12a,14a,16a,17a スルーホール
14a,14b スルーホール
15a,15b ダミー引出導体
16 スルーホール導体
16a スルーホール
17 スルーホール導体
17a スルーホール
20 めっき層
21a,21b 絶縁樹脂層
22a,22b 金属磁性粉含有樹脂層
22c,22d スルーホール磁性体
23 絶縁層
25a,25b バンプ電極
26a,26b 外部電極

Claims (16)

  1. 基板と、
    電解めっきによって前記基板の表面に形成された平面スパイラル導体と、
    前記基板の表面に形成され、前記平面スパイラル導体の外周端に接続された引出導体と、
    前記基板の前記表面のうち、前記平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されないダミー引出導体と、
    前記基板の前記表面と平行に設けられた外部電極と、
    前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体を覆う金属磁性粉含有樹脂層と、
    電解めっきによって前記引出導体の表面に形成され、前記金属磁性粉含有樹脂層を貫通して前記引出導体と前記外部電極とを接続するバンプ電極とを備え、
    前記バンプ電極の面積は、前記引出導体よりも小さく、
    前記外部電極は、前記金属磁性粉含有樹脂層の側面に形成されることなく主面に選択的に形成され、
    前記外部電極の面積は、前記バンプ電極よりも大きいことを特徴とするコイル部品。
  2. 前記平面スパイラル導体は円形スパイラル形状を有し、
    前記平面スパイラル導体と対向する前記ダミー引出導体の側面は、前記平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲しており、
    前記平面スパイラル導体の最外周と前記ダミー引出導体との間のスペース幅は、前記平面スパイラル導体のピッチ幅と等しい、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体を覆う絶縁樹脂層をさらに備え、
    前記金属磁性粉含有樹脂は、前記絶縁樹脂層の上から前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体を覆っており、
    前記バンプ電極は、前記絶縁樹脂層及び前記金属磁性粉含有樹脂層を貫通して前記外部電極に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコイル部品。
  4. 前記金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなる第1及び第2のスルーホール磁性体をさらに備え、
    前記第1のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体に囲まれた中央部において前記基板を貫通しており、
    前記第2のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通している、請求項3に記載のコイル部品。
  5. 前記基板は矩形状であり、
    前記平面スパイラル導体は楕円スパイラル形状を有し、
    前記第2のスルーホール磁性体は前記基板の四隅に対応してそれぞれ設けられている、請求項4に記載のコイル部品。
  6. 前記基板は、互いに平行な第1及び第2の辺と、前記第1及び第2の辺と直交する互いに平行な第3及び第4の辺とを有し、
    前記引出導体は前記第1の辺に沿って延設されており、
    前記ダミー引出導体は前記第2の辺に沿って延設されており、
    前記第2のスルーホール磁性体は、前記第3及び第4の辺に設けられている、請求項5に記載のコイル部品。
  7. 前記バンプ電極は、前記引出導体と共に前記第1の辺に沿って延設されている、請求項6に記載のコイル部品。
  8. 基板と、
    電解めっきによって前記基板のおもて面に形成された第1の平面スパイラル導体と、
    電解めっきによって前記基板のうら面に形成された第2の平面スパイラル導体と、
    前記基板を貫通し、前記第1の平面スパイラル導体の内周端と前記第2の平面スパイラル導体の内周端とを接続する第1のスルーホール導体と、
    前記基板のおもて面のうち、前記第1の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されない第1のダミー引出導体と、
    前記基板のうら面のうち、前記第2の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間に形成され、かつ少なくとも同一平面内で他の導体と接続されない第2のダミー引出導体と、
    前記基板のおもて面のうち平面視で前記第2のダミー引出導体と重なる位置に形成され、前記第1の平面スパイラル導体の外周端に接続する第1の引出導体と、
    前記基板のうら面のうち平面視で前記第1のダミー引出導体と重なる位置に形成され、前記第2の平面スパイラル導体の外周端に接続する第2の引出導体と、
    前記基板を貫通し、前記第1のダミー引出導体と前記第2の引出導体とを接続する第2のスルーホール導体と、
    前記基板の前記おもて面と平行に設けられ、前記第1及び第2の平面スパイラル導体とそれぞれ電気的に接続される第1及び第2の外部電極と、
    前記基板のおもて面側に設けられた第1の金属磁性粉含有樹脂層と、
    前記基板のうら面側に設けられた第2の金属磁性粉含有樹脂層と、
    電解めっきによって前記第1の引出導体の表面に形成され、前記第1の金属磁性粉含有樹脂層を貫通して当該第1の引出導体と前記第1の外部電極とを接続する第1のバンプ電極と、
    電解めっきによって前記第1のダミー引出導体の表面に形成され、前記第1の金属磁性粉含有樹脂層を貫通して当該第1のダミー引出導体と前記第2の外部電極とを接続する第2のバンプ電極とを備え、
    前記第1のバンプ電極の面積は、前記第1の引出導体よりも小さく、
    前記第2のバンプ電極の面積は、前記第1のダミー引出導体よりも小さく、
    前記第1及び第2の外部電極は、前記第1の金属磁性粉含有樹脂層の側面に形成されることなく主面に選択的に形成され、
    前記第1の外部電極の面積は、前記第1のバンプ電極よりも大きく、
    前記第2の外部電極の面積は、前記第2のバンプ電極よりも大きいことを特徴とするコイル部品。
  9. 前記第1及び第2の平面スパイラル導体は円形スパイラル形状を有し、
    前記第1の平面スパイラル導体と対向する前記第1のダミー引出導体の側面は、前記第1の平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲しており、
    前記第2の平面スパイラル導体と対向する前記第2のダミー引出導体の側面は、前記第2の平面スパイラル導体の最外周に沿って湾曲しており、
    前記第1の平面スパイラル導体の最外周と前記第1のダミー引出導体との間のスペース幅は、前記第1の平面スパイラル導体のピッチ幅と等しく、
    前記第2の平面スパイラル導体の最外周と前記第2のダミー引出導体との間のスペース幅は、前記第2の平面スパイラル導体のピッチ幅と等しい、請求項8に記載のコイル部品。
  10. 前記第1の平面スパイラル導体、前記第1の引出導体及び前記第1のダミー引出導体を覆う第1の絶縁樹脂層と、
    前記第2の平面スパイラル導体、前記第2の引出導体及び前記第2のダミー引出導体を覆う第2の絶縁樹脂層とをさらに備え、
    前記第1の金属磁性粉含有樹脂層は、前記第1の絶縁樹脂層の上から前記第1の平面スパイラル導体、前記第1の引出導体及び前記第1のダミー引出導体を覆っており、
    前記第2の金属磁性粉含有樹脂層は、前記第2の絶縁樹脂層の上から前記第2の平面スパイラル導体、前記第2の引出導体及び前記第2のダミー引出導体を覆っていることを特徴とする請求項9に記載のコイル部品。
  11. 前記第1及び第2の金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなり、前記基板を貫通して前記第1の金属磁性粉含有樹脂層と前記第2の金属磁性粉含有樹脂層とを接続する第1及び第2のスルーホール磁性体をさらに備え、
    前記第1のスルーホール磁性体は、前記第1及び第2の平面スパイラル導体に囲まれた中央部において前記基板を貫通しており、
    第2のスルーホール磁性体は、前記第1及び第2の平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通している、請求項10に記載のコイル部品。
  12. 前記基板は矩形状であり、
    前記第1及び第2の平面スパイラル導体は楕円スパイラル形状を有し、
    前記第2のスルーホール磁性体は前記基板の四隅に対応してそれぞれ設けられている、請求項11に記載のコイル部品。
  13. 基板の表面に、平面スパイラル導体、前記平面スパイラル導体の外周端に接続された引出導体、及び前記平面スパイラル導体と前記基板の端部との間に設けられ、かつ少なくとも同一平面内で他の導体に接続されないダミー引出導体を形成する第1めっき工程と、
    前記平面スパイラル導体、前記引出導体及び前記ダミー引出導体に金属イオンを電着させる第2めっき工程と、
    少なくとも前記引出導体の表面の一部に当該引出導体よりも小さな面積のバンプ電極を形成する第3めっき工程と、
    前記平面スパイラル導体、前記引出導体、前記ダミー引出導体及び前記バンプ電極を覆う絶縁樹脂層を形成する絶縁樹脂層形成工程と、
    前記絶縁樹脂層を覆う金属磁性粉含有樹脂層を形成する金属磁性粉含有樹脂層形成工程と、
    前記バンプ電極の先端部が露出するように前記金属磁性粉含有樹脂層の主面を研磨する研磨工程と、
    前記金属磁性粉含有樹脂層の主面に、前記バンプ電極の先端部よりも広い面積を有しかつ当該先端部に接続された外部電極を形成する外部電極形成工程とを備えることを特徴とするコイル部品の製造方法。
  14. 前記第1めっき工程は、
    前記基板のおもて面に、第1の平面スパイラル導体、前記第1の平面スパイラル導体の外周端に接続された第1の引出導体、及び、前記第1の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間の領域に形成され、前記第1のスパイラル導体に接続されない第1のダミー引出導体を形成する工程と、
    前記基板のうら面に、第2の平面スパイラル導体、前記第2の平面スパイラル導体の外周端に接続された第2の引出導体、及び、前記第2の平面スパイラル導体の最外周と前記基板の端部との間の領域に形成され、前記第2のスパイラル導体に接続されない第2のダミー引出導体を形成する工程と、
    前記基板を貫通して前記第1の平面スパイラル導体の内周端と前記第2の平面スパイラル導体の内周端とを接続する第1のスルーホール導体を形成する工程と、
    前記基板を貫通して前記第1のダミー引出導体と前記第2の引出導体とを接続する第2のスルーホール導体を形成する工程とを含み、
    前記第3めっき工程は、
    前記第1の引出導体に接続された第1のバンプ電極と、前記第1のダミー引出導体に接続された第2のバンプ電極とを形成する工程を含み、
    前記外部電極形成工程は、
    前記第1のバンプ電極に接続された第1の外部電極と、前記第2のバンプ電極に接続された第2の外部電極とを形成する工程とを含み、
    前記第1のダミー引出導体は、平面視で前記第2の引出導体と重なる位置に配置され、
    前記第2のダミー引出導体は、平面視で前記第1の引出導体と重なる位置に配置される、請求項13に記載のコイル部品の製造方法。
  15. 前記金属磁性粉含有樹脂層形成工程は、
    前記金属磁性粉含有樹脂層と同一材料からなる第1及び第2のスルーホール磁性体を形成する工程を含み、
    前記第1のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体に囲まれた中心部において前記基板を貫通しており、
    前記第2のスルーホール磁性体は、前記平面スパイラル導体の外側において前記基板を貫通している、請求項14に記載のコイル部品の製造方法。
  16. 前記第3めっき工程は、
    前記第1及び第2のバンプ電極の形成位置に開口を有するマスクパターンを形成する工程と、
    前記第1及び第2のバンプ電極の露出部分を選択的にめっき成長させる工程とを含む、請求項15に記載のコイル部品の製造方法。
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