JP2018170320A - コイル部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法を提供する。【解決手段】 コイル部品10においては、磁性基板11に近い方の第1のコイル層C1の内径D1が、磁性基板11から遠い方の第2のコイル層C2の内径D2よりも大きいため、コイル12の磁束回りの改善が図られて、磁性基板11側のコイル部Cの内周縁において磁気飽和が生じる事態が抑制される。また、磁気飽和の抑制に伴い、コイル部品10の定格電流特性が向上するとともに、定格電流特性に関連する直流重畳特性の低下も抑制され得る。【選択図】図4

Description

本発明は、コイル部品およびその製造方法に関する。
従来のコイル部品として、たとえば特許文献1には、磁性基板上にコイルおよび該コイルを覆う磁性体層を設けたコイル部品が開示されている。
特開2005−93547号公報
上述した特許文献1のコイル部品のような構成のコイル部品では、一般に、コイル内径を広くするほど磁束が回りやすくなることが知られている。また、コイルを覆う磁性体層よりも磁性基板のほうが、飽和磁束密度(Bs)が低いことも知られている。
発明者らは、磁束回りを阻害する構成について研究を重ねた末、磁性基板側のコイルの内周縁において磁束回りが阻害され、この箇所における磁気飽和がコイル部品の直流重畳特性を低下させるとの知見を得た。
そこで、本発明は、直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るコイル部品は、主面を有する磁性基板と、磁性基板の主面上に配置され、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを含むコイル部と、磁性基板の主面上に設けられ、該主面側からコイル部を覆う磁性樹脂層とを備え、コイル部が、コイルの一部を構成する第1の平面コイルを含む環状の第1のコイル層と、コイルの一部を構成する第2の平面コイルを含む環状の第2のコイル層を有し、磁性基板に近い方から第1のコイル層、第2のコイル層の順に並んでおり、かつ、第1のコイル層の内径が第2のコイル層の内径より大きい。
上記コイル部品においては、磁性基板に近い方の第1のコイル層の内径が、磁性基板から遠い方の第2のコイル層の内径よりも大きいため、コイルの磁束回りの改善が図られており、磁性基板側のコイルの内周縁において磁気飽和が生じる事態が抑制され、それにより、コイル部品の直流重畳特性の低下が抑制されている。
本発明の他の側面に係るコイル部品では、第1の平面コイルの巻回部の幅が、第2の平面コイルの巻回部の幅より狭い。この場合、第1の平面コイルの巻回部の幅を狭めることで、第1のコイル層の内径の拡大が実現される。
本発明の他の側面に係るコイル部品では、第1の平面コイルの巻回数が第2の平面コイルの巻回数より少ない。この場合、第1の平面コイルの巻回数を減らすことで、第1のコイル層の内径の拡大が実現される。
本発明の他の側面に係るコイル部品では、磁性基板の透磁率が、磁性樹脂層の透磁率より高い。
本発明の一側面に係るコイル部品の製造方法は、磁性基板の主面上に、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを含み、かつ、コイルの一部を構成する第1の平面コイルを含む環状の第1のコイル層と、コイルの一部を構成する第2の平面コイルを含む環状の第2のコイル層とを有するコイル部を、磁性基板に近い方から第1のコイル層、第2のコイル層の順に並ぶように配置する工程と、磁性基板の主面上に、該主面側からコイル部を覆う磁性樹脂層を形成する工程とを含み、第1のコイル層の内径が第2のコイル層の内径より大きい。
上記コイル部品の製造方法では、磁性基板に近い方の第1のコイル層の内径が磁性基板から遠い方の第2のコイル層の内径よりも大きいコイル部品が得られ、得られたコイル部品においては、コイルの磁束回りの改善が図られており、磁性基板側のコイルの内周縁において磁気飽和が生じる事態が抑制され、それにより、コイル部品の直流重畳特性の低下が抑制される。
本発明によれば、直流重畳特性の低下が抑制されたコイル部品およびその製造方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る電源回路ユニットを示す斜視図である。 図1の電源回路ユニットの等価回路を示す図である。 本発明の一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 コイル部品の分解斜視図である。 コイル部品の製造工程を説明する図である。 コイル部品の製造工程を説明する図である。 コイル部品の製造工程を説明する図である。 実施例に係るコイル部品の構成を示した図である。 実施例に係るコイル部品のシミュレーション結果を示した図である。 実施例に係るコイル部品の実験結果を示した表である。 異なる態様のコイル部品を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、一実施形態に係る電源回路ユニット1の全体的な構成を説明する。本実施形態で説明する電源回路ユニットは、例えば、直流電圧の電圧変換(降圧)をおこなうスイッチング電源回路ユニット等である。図1及び図2に示されるように、電源回路ユニット1は、回路基板2と、電子部品3、4、5、6、10とを備えている。具体的には、回路基板2上に、電源IC3、ダイオード4、コンデンサ5、スイッチング素子6、及びコイル部品10が搭載された構成となっている。
図3〜図5を参照して、コイル部品10の構成について説明する。図3は、コイル部品10の斜視図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図5は、コイル部品の分解斜視図である。図5の分解斜視図では、図3の磁性樹脂層18の図示を省略している。
図3に示されるように、コイル部品10は、後述するコイル12が内部に設けられた素体7(磁性素体)と、素体7の主面7a上に設けられた絶縁層30とを備えている。素体7は、直方体形状の外形を有している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体7は、主面7aを有しており、主面7aは長辺および短辺を有する矩形状をなしている。矩形状には、角部が丸められている矩形が含まれる。
主面7aには、絶縁層30を介して端子電極20A、20Bが設けられている。端子電極20Aは、主面7aにおける一方の短辺に沿っており、端子電極20Bは、主面7aにおける他方の短辺に沿っている。端子電極20A、20Bは、主面7aにおける長辺に沿った方向に互いに離間している。
素体7は、例えば磁性材料で構成されている。具体的には、素体7は、磁性基板11と、磁性樹脂層18とで構成されている。
磁性基板11は、磁性材料で構成された略平板状の基板である(図5参照)。磁性基板11は、素体7の、主面7aとは反対側に位置している。磁性基板11の主面11a上に、磁性樹脂層18および後述するコイル12が設けられている。磁性基板11は、具体的には、フェライト材料(たとえば、Ni−Zn系フェライト材料など)で構成されている。本実施形態では、磁性基板11を構成するフェライト材料は、主材料としてF2O、NiOおよびZnOを含み、添加物としてTiO、CoO、Bi、Caを含んでいる。磁性基板11の透磁率は20〜1000(一例として、200)である。
磁性樹脂層18は、磁性基板11上に形成されており、後述するコイル12(図4及び図5参照)を内部に備えている。磁性樹脂層18の磁性基板11側の面18bとは反対側の面18aは、素体7の主面7aを構成している。磁性樹脂層18は、磁性粉とバインダ樹脂との混合物であり、磁性粉の構成材料は例えば鉄、カルボニル鉄、ケイ素、コバルト、クロム、ニッケル、又はホウ素等であり、バインダ樹脂の構成材料は例えばエポキシ樹脂である。磁性樹脂層18の全体の90%以上が、例えば磁性粉で構成されていてもよい。磁性樹脂層18の透磁率は10〜100(一例として、35)であり、磁性基板11の透磁率よりも低い。なお、磁性基板11の飽和磁束密度(Bs)は0.5(T)であり、磁性樹脂層18の飽和磁束密度よりも低い。
素体7の主面7aに設けられた一対の端子電極20A、20Bはいずれも、膜状であり、平面視で略長方形形状を呈している。端子電極20A、20B各面積は、略同じである。端子電極20A、20Bは、例えばCu等の導電性材料によって構成されている。端子電極20A、20Bは、めっき形成により形成されためっき電極である。端子電極20A、20Bは、単層構造でも複数層構造でもよい。
図4及び図5に示されるように、コイル部品10の素体7は、内部に、(具体的には、磁性樹脂層18内)において、コイル12、被覆部17、引出導体19A、19Bを有する。
コイル12は、平面視において矩形状に巻回されている。コイル12は、例えばCu等の金属材料で構成されており、その軸心(コイル軸)が磁性基板11の主面11aおよび素体7の主面7aの法線方向(主面11aおよび素体7の主面7aに直交する方向)に沿って延びている。コイル12は、二層のコイル導体層で構成されており、下コイル部13(第1の平面コイル)及び上コイル部14(第2の平面コイル)を備えると共に連結部15、16を備える。下コイル部13と上コイル部14とは、主面7aに直交する方向(コイル12の軸心方向)に並んでおり、下コイル部13が上コイル部14よりも磁性基板11側に位置している。下コイル部13と上コイル部14とは、巻回方向が同じである。連結部15は、下コイル部13と上コイル部14との間に介在して、下コイル部13の最も内側の巻回部分と上コイル部14の最も内側の巻回部分とを連結している。連結部16は、下コイル部13から主面7a側に延び、下コイル部13と引出導体19Bとを連結している。
被覆部17は、絶縁性を有し、絶縁性樹脂で構成されている。被覆部17に用いられる絶縁性樹脂としては、例えばポリイミド、又はポリエチレンテレフタレートが挙げられる。被覆部17は、素体7内において、コイル12の下コイル部13及び上コイル部14を一体的に覆っている。被覆部17は、積層構造を有し、本実施形態では五層の絶縁性樹脂層17a、17b、17c、17d、17eで構成されている(図5参照)。絶縁性樹脂層17aは、下コイル部13の下側(磁性基板11側)に位置し、平面視におけるコイル12の形成領域と略同じ領域に形成されている。絶縁性樹脂層17bは、下コイル部13の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めており、コイル12の内径に対応する領域は開いている。絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11に直交する方向に沿って延びている。絶縁性樹脂層17cは、下コイル部13と上コイル部14との間に挟まれる位置にあり、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17dは、上コイル部14の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めており、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17eは、上コイル部14の上側(主面7a側)に位置し、コイル12の内径に対応する領域が開いている。
本実施形態では、上述したコイル12と被覆部17とにより、コイル部Cが構成されている。また、コイル部Cは、コイル12の下コイル部13と、下コイル部13の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めている絶縁性樹脂層17bとを含む環状の第1のコイル層C1を有している。さらに、コイル部Cは、コイル12の上コイル部14と、上コイル部14の同一層内の周囲及び巻回部分の間を埋めている絶縁性樹脂層17dとを含む環状の第2のコイル層C2を有している。
図4に示すように、第1のコイル層C1と第2のコイル層C2とは、略同一の外径となるように設計されているが、内径が異なるように設計されている。すなわち、磁性基板11に近い方の第1のコイル層C1の内径D1が、磁性基板11から遠い方の第2のコイル層C2の内径D2よりも大きくなっている(D1>D2)。
一対の引出導体19A、19Bは、例えばCuで構成されており、コイル12の両端部E1、E2それぞれから主面7aに直交する方向に沿って延びている。
引出導体19Aは、上コイル部14の最外の巻回部分に設けられたコイル12の一方の端部E1に接続されている。引出導体19Aは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E1から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Aの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Aが設けられている。引出導体19Aは、絶縁層30の貫通孔31a内の導体部31によって、端子電極20Aに接続されている。これにより、引出導体19A及び導体部31を介して、コイル12の端部E1と端子電極20Aとが電気的に接続されている。
引出導体19Bは、下コイル部13の最外の巻回部分に設けられたコイル12の他方の端部E2に接続されている。引出導体19Bは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E2から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Bの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Bが設けられている。引出導体19Bは、絶縁層30の貫通孔32a内の導体部32によって、端子電極20Bに接続されている。これにより、引出導体19B及び導体部32を介して、コイル12の端部E2と端子電極20Bとが電気的に接続されている。
素体7の主面7a上に設けられた絶縁層30は、主面7a上の一対の端子電極20A、20Bの間に介在している。本実施形態では、絶縁層30は、一対の引出導体19A、19Bを露出させているように、主面7aの全領域を覆うように設けられていると共に、長辺方向(一対の端子電極20A、20Bが隣り合っている方向)に交差する方向に延びて主面7aを横断する部分を含む。絶縁層30は、引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32a(孔)を有している。貫通孔31a、32a内には、Cu等の導電性材料によって構成された導体部31、32が設けられている。絶縁層30は、絶縁性材料により構成されており、例えばポリイミド、エポキシ等の絶縁性樹脂で構成されている。
次に、図6〜図8を参照して、コイル部品10の製造方法について説明する。図6〜図8は、コイル部品10の製造工程を説明する図である。
まず、図6の(a)に示されるように、上述した磁性基板11を準備し、準備した磁性基板11の上に絶縁性樹脂ペーストパターンを塗布して、被覆部17の絶縁性樹脂層17aを形成する。続いて、図6の(b)に示されるように、絶縁性樹脂層17aの上に、下コイル部13をめっき形成するためのシード部22を形成する。シード部22は、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により形成することができる。続いて、図6の(c)に示されるように、被覆部17の絶縁性樹脂層17bを形成する。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11の全面に絶縁性樹脂ペーストを塗布した後、シード部22に対応する部分を除去することで得ることができる。すなわち、絶縁性樹脂層17bは、シード部22を露出させる機能を有する。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11上に立設された壁状の部分であり、下コイル部13形成される領域を画成する。続いて、図6の(d)に示されるように、絶縁性樹脂層17bの間においてシード部22を用いて、めっき層24を形成する。このとき、絶縁性樹脂層17bの間に画成された領域を充たすように成長するめっきが、下コイル部13となる。その結果、下コイル部13の巻回部分が隣り合う絶縁性樹脂層17bの間に位置するようになる。それにより、上述したコイル部Cの第1のコイル層C1が形成される。
続いて、図7の(a)に示されるように、絶縁性樹脂ペーストパターンを下コイル部13の上に塗布することにより、被覆部17の絶縁性樹脂層17cを形成する。その際、絶縁性樹脂層17cに、連結部15、16を形成するための開口部15’、16’を形成する。続いて、図7の(b)に示されるように、絶縁性樹脂層17cの開口部15’、16’に、連結部15、16をめっき形成する。
続いて、図7の(c)に示されるように、上述した工程と同様にして、絶縁性樹脂層17cの上に、上コイル部14および被覆部17の絶縁性樹脂層17d、17eを形成する。具体的には、図6の(b)〜(d)に示す手順と同様に、上コイル部14をめっき形成するためのシード部を形成し、上コイル部14が形成される領域を画成する絶縁性樹脂層17dを形成し、絶縁性樹脂層17dの間において上コイル部14をめっき形成する。それにより、上述したコイル部Cの第2のコイル層C2が形成される。
そして、絶縁性樹脂ペーストパターンを上コイル部14の上に塗布することにより、被覆部17の絶縁性樹脂層17eを形成する。その際、絶縁性樹脂層17eに、引出導体19A、19Bを形成するための開口部19A’、19B’を形成する。以上のように、被覆部17は、複数の絶縁性樹脂層17a〜17eを含む積層構造を有し、これらの絶縁性樹脂層17a〜17eによって、下コイル部13及び上コイル部14が取り囲まれる。
続いて、図7の(d)に示されるように、めっき層24のうち、下コイル部13及び上コイル部14を構成していない部分(下コイル部13及び上コイル部14の内径部及び外周部に対応する部分)をエッチング処理によって除去する。換言すると、図7の(c)の被覆部17に覆われていないめっき層24除去する。続いて、図8の(a)に示されるように、絶縁性樹脂層17eの開口部19A’に対応する位置に引出導体19Aを形成すると共に、開口部19B’に対応する位置に引出導体19Bを形成する。具体的には、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、開口部19A’、19B’上に引出導体19A、19Bのためのシード部を形成し、当該シード部を用いて引出導体19A、19Bをめっき形成する。
続いて、図8の(b)に示されるように、磁性基板11の全面に磁性樹脂を塗布すると共に所定の硬化処理をおこない、磁性樹脂層18を形成する。それにより、被覆部17及び引出導体19A、19Bの周りが磁性樹脂層18で覆われる。このとき、コイル12の内径部分に磁性樹脂層18が充填される。続いて、図8の(c)に示されるように、引出導体19A、19Bが磁性樹脂層18から露出するように研磨する。
上記工程により、素体7の主面7aから引出導体19A、19Bが露出する素体7が得られ、素体7を準備する工程が終了する。
続いて、図8の(d)に示されるように、端子電極20A、20Bをめっき形成する前に、主面7a上に絶縁性樹脂ペースト等の絶縁性材料を塗布することにより、絶縁層30を形成する。絶縁層30を形成する際、主面7aの全体を覆うと共に、一対の引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32aを形成し、絶縁層30から一対の引出導体19A、19Bを露出させる。具体的には、一旦、主面7aの全領域に絶縁性材料を塗布し、その後、引出導体19A、19Bに対応する箇所の絶縁層30を除去する。
そして、絶縁層30上に、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、端子電極20A、20Bに対応する領域にシード部(図示せず)を形成する。シード部は、絶縁層30の貫通孔31a、32aから露出する引出導体19A、19B上にも形成される。続いて、当該シード部を用いて、端子電極20A、20Bを、無電解めっきにより形成する。このとき、めっきは、絶縁層30の貫通孔31a、32aを埋めるように成長して導体部31、32を形成すると共に、絶縁層30上の端子電極20A、20Bを形成する。以上によって、コイル部品10が形成される。
発明者らは、上述したコイル部品10の構成における磁束回りについて研究を重ねた末、磁性基板11側のコイル部Cの内周縁において磁束回りが阻害され、この箇所における磁気飽和がコイル部品10の直流重畳特性を低下させるとの知見を得た。そこで、発明者らは、以下に示す実験をおこない、コイル部Cの形状と直流重畳特性の関係を確認した。
実験では、図9に示すように、コイル部Cの形状が異なる4種類のコイル部品を準備し、それぞれについて、インダクタンス(L)および定格電流(Isat)を求めた。実験結果は、図10および図11に示すとおりであった。
準備したコイル部品は、実施例として第1のコイル層C1の内径D1が第2のコイル層C2の内径D2より大きいコイル部品(図9(a)参照)、比較例1として第1のコイル層C1の内径D1が第2のコイル層C2の内径D2より小さいコイル部品(図9(b)参照)、比較例2として第1のコイル層C1の内径D1および第2のコイル層C2の内径D2がいずれも小さいコイル部品(図9(c)参照)、比較例3として第1のコイル層C1の内径D1および第2のコイル層C2の内径D2がいずれも大きいコイル部品(図9(d)参照)の4種類である。なお、実験に用いた各コイル部品において、内径が小さいコイル層には幅80μmのコイル巻回部を採用し、内径が大きいコイル層には幅100μmのコイル巻回部を採用した。また、実験に用いた各コイル部品において、内径が小さいコイル層のコア面積は0.61mmとし、内径が大きいコイル層のコア面積は0.85mmとした。
図10のシミュレーション結果では、磁束回りが阻害されている箇所が濃色で示されている。実施例に係るコイル部品のシミュレーション結果(図10(a))では、比較例1〜3に係るコイル部品のシミュレーション結果(図10(b)〜(d))に比べて、磁性基板11側のコイル部Cの内周縁(図10(a)の符号Sの部分)における磁束回りが良好であった。
また、図11に示した表から、実施例に係るコイル部品の定格電流(Isat)は2.7Aであり、比較例1〜3に係るコイル部品のいずれの定格電流よりも高い値が得られた。
以上の実験結果から、上述したコイル部品10のように、磁性基板11に近い方の第1のコイル層C1の内径D1が、磁性基板11から遠い方の第2のコイル層C2の内径D2よりも大きくすることで、コイル12の磁束回りの改善が図られて、磁性基板11側のコイル部Cの内周縁において磁気飽和が生じる事態が抑制されることが確認された。また、磁気飽和の抑制に伴い、コイル部品10の定格電流特性が向上するとともに、定格電流特性に関連する直流重畳特性の低下も抑制され得る。
なお、上記実施例で示したとおり、第1の平面コイル(下コイル部)13の巻回部の幅を、第2の平面コイル(上コイル部)14の巻回部の幅より狭くすることで、第1のコイル層C1の内径D1の拡大が実現される。また、第1の平面コイル13の巻回数を、第2の平面コイル14の巻回数より少なくすることでも、第1のコイル層C1の内径D1の拡大が実現される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
たとえば、コイル部Cは3層以上のコイル層を有していてもよく、図12に示すように、第1のコイル層C1および第2のコイル層C2の上に、第3のコイル層C3を設けた態様であってもよい。この場合、磁性基板11に近い方から第1のコイル層C1、第2のコイル層C2、第3のコイル層C3の順に並ぶ。第3のコイル層C3の内径は、図12(a)に示すように第2のコイル層C2の内径と同一に設計することができ、図12(b)に示すように第2のコイル層C2の内径より小さく設計することもできる。いずれの場合であっても、第1のコイル層C1の内径D1が第2のコイル層C2の内径D2よりも大きいため、上述したコイル部品10と同一または同等の効果を奏する。ただし、第3のコイル層C3の内径を第2のコイル層C2の内径より小さく設計した場合のほうが、コイル部品10の定格電流特性がさらに向上し、直流重畳特性の低下もさらに抑制され得る。
1…電源回路ユニット、7…素体、10…コイル部品、11…磁性基板、11a…主面、12…コイル、13…下コイル部、14…上コイル部、18…磁性樹脂層、C…コイル部、C1…第1のコイル層、C2…第2のコイル層、C3…第3のコイル層。

Claims (5)

  1. 主面を有する磁性基板と、
    前記磁性基板の主面上に配置され、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを含むコイル部と、
    前記磁性基板の主面上に設けられ、該主面側から前記コイル部を覆う磁性樹脂層と
    を備え、
    前記コイル部が、前記コイルの一部を構成する第1の平面コイルを含む環状の第1のコイル層と、前記コイルの一部を構成する第2の平面コイルを含む環状の第2のコイル層を有し、
    前記磁性基板に近い方から前記第1のコイル層、前記第2のコイル層の順に並んでおり、かつ、前記第1のコイル層の内径が前記第2のコイル層の内径より大きい、コイル部品。
  2. 前記第1の平面コイルの巻回部の幅が、前記第2の平面コイルの巻回部の幅より狭い、請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記第1の平面コイルの巻回数が前記第2の平面コイルの巻回数より少ない、請求項1または2に記載のコイル部品。
  4. 前記磁性基板の透磁率が、前記磁性樹脂層の透磁率より高い、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  5. 磁性基板の主面上に、該主面の法線方向に沿うコイル軸を有するコイルを含み、かつ、前記コイルの一部を構成する第1の平面コイルを含む環状の第1のコイル層と、前記コイルの一部を構成する第2の平面コイルを含む環状の第2のコイル層とを有するコイル部を、前記磁性基板に近い方から前記第1のコイル層、前記第2のコイル層の順に並ぶように配置する工程と、
    前記磁性基板の主面上に、該主面側から前記コイル部を覆う磁性樹脂層を形成する工程と
    を含み、
    前記第1のコイル層の内径が前記第2のコイル層の内径より大きい、コイル部品の製造方法。
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