JP2007214448A - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Tomokazu Ito
知一 伊藤
Takeshi Okumura
武史 奥村
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Abstract

【課題】 高周波特性を向上させることができるコモンモードチョークコイルを提供する。
【解決手段】 コモンモードチョークコイル1の積層体5は、絶縁層11を介して上下に積層された導体層10,12を備えている。導体層10は、長円形の螺旋状に形成されたコイル部20と、このコイル部20と接続されたL字状の引出し部21とを有している。引出し部21は、絶縁層9の一縁部に向けて延びる直線重なり部分を有している。導体層12は、長円形の螺旋状に形成されたコイル部23と、このコイル部23と接続されたL字状の引出し部24とを有している。コイル部21,23同士は、各内側端部分を除いて、絶縁層11を介して上下に重なり合っている。引出し部24は、絶縁層11の一縁部に向けて延びる直線重なり部分を有している。引出し部21,24の直線重なり部分同士は、絶縁層11を介して上下に重なり合っている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器等に用いられるコモンモードチョークコイルに関するものである。
従来のコモンモードチョークコイルとしては、例えば特許文献1に記載されているように、2つの四角形状のコイル導体が絶縁体層を介して積層されていると共に、各コイル導体と電気的に接続される2つの引出し電極が絶縁体層を介してコイル導体に積層されているものが知られている。
特開平8−203737号公報
ところで、近年では、データ伝送の高速化が強く求められている。データ伝送の高速化を実現する一つの方法としては、伝送周波数を高周波にすることが挙げられる。この方法を採用する場合には、伝送周波数が高周波であっても正常に動作する、即ち高周波特性が良好なコモンモードチョークコイルが必要となる。
本発明の目的は、高周波特性を向上させることができるコモンモードチョークコイルを提供することである。
コモンモードチョークコイルを所望の伝送周波数で正常に動作させるためには、ディファレンシャルモードノイズに対するカットオフ周波数を伝送周波数の約3〜5倍の値となるようにすれば良いことが知られている。従って、コモンモードチョークコイルの高周波特性を向上させるためには、コモンモードチョークコイルのカットオフ周波数をより高周波にする必要がある。そこで、本発明者等は鋭意検討を重ねたところ、カットオフ周波数を高くするための一つの方法として、コイル導体を形成する導体パターンの線長を短くするのが好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、第1導体層と第2導体層とを有する積層体を備えたコモンモードチョークコイルであって、第1導体層は、円形または長円形の螺旋状に形成された第1コイル部と、積層体の側面に引き出されるように第1コイル部に接続された第1引出し部とを有し、第2導体層は、円形または長円形の螺旋状に形成された第2コイル部と、積層体の側面に引き出されるように第2コイル部に接続された第2引出し部とを有し、第1導体層と第2導体層とは第1絶縁層を介して積層されていることを特徴とするものである。
このように本発明においては、第1導体層の第1コイル部と第2導体層の第2コイル部を円形または長円形に形成したので、上記の特許文献1のように導体層のコイル部を四角形状に形成した場合と比較すると、導体パターンの直線部分が無くなる分だけ導体パターン長が全体的に短くなる。これにより、コモンモードチョークコイルのカットオフ周波数が高くなるため、コモンモードチョークコイルの高周波特性が向上する。
ここで、第1コイル部及び第2コイル部は螺旋状に連続的に形成されるものである為、第1コイル部及び第2コイル部を形成する導体パターンの全ての部分を完全な円形にするのは不可能である。従って、ここでいう「円形」とは、第1コイル部及び第2コイル部を形成する導体パターンの一部が例えば直線となっている略円形も含むこととする。また、ここでいう「長円形」とは、直線部分の存在しない楕円形も含むこととする。
好ましくは、第1コイル部と第2コイル部とは、積層体の積層方向に対して重なり合っており、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部とは、積層体の積層方向に対して重なり合っている。
第1引出し部及び第2引出し部は、螺旋状に形成された第1コイル部及び第2コイル部と比較すると磁気的結合が低く、高速信号伝送時に信号の減衰に影響を与える可能性が高い部分である。そのような第1引出し部の一部と第2引出し部の一部とを積層方向に対して重なり合うように構成することで、コモンモードチョークコイルの磁気的結合が高くなる。これにより、コモンモードチョークコイルのカットオフ周波数が更に高くなるため、コモンモードチョークコイルの高周波特性が一層向上する。
このとき、第1コイル部及び第2コイル部は、長円形の螺旋状に形成されており、第1コイル部及び第2コイル部の内径の長径をR、第1コイル部及び第2コイル部の内径の短径をR、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さをPとしたときに、R−R≧Pであることが好ましい。
コモンモードチョークコイルの磁気的結合は、第1引出し部及び第2引出し部の長さが短くなるほど高くなる。ここで、第1コイル部及び第2コイル部の螺旋形状を長円形とすることにより、第1引出し部及び第2引出し部が第1コイル部及び第2コイル部の内径の長径方向に沿って引き出される場合に、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さPを短くすることができる。このとき、上記式を満たすように構成すれば、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さPが十分短くなるため、コモンモードチョークコイルの磁気的結合を十分高くすることが可能となる。
また、好ましくは、第1コイル部に電気的に接続されると共に積層体の側面に引き出された第3引出し部を有する第3導体層と、第2コイル部に電気的に接続されると共に積層体の側面に引き出された第4引出し部を有する第4導体層とを更に備え、第1導体層と第3導体層とは第2絶縁層を介して積層されており、第2導体層と第4導体層とは第3絶縁層を介して積層されており、第3引出し部の一部と第4引出し部の一部とは、積層体の積層方向に対して重なり合っている。
第1引出し部及び第2引出し部に加えて、第3引出し部及び第4引出し部を設けることにより、第1コイル部及び第2コイル部にそれぞれ電気的に接続される複数(4つ)の端子電極を積層体の側面に容易に形成することができる。また、第3引出し部の一部と第4引出し部の一部とを積層方向に対して重なり合うように構成することにより、コモンモードチョークコイルの磁気的結合を更に高くすることができる。
さらに、好ましくは、積層体は、長方形状の上下面を有し、第1引出し部及び第2引出し部は、積層体における上下面の短辺側の側面に引き出されるように構成されている。
積層体の上下面の形状を長方形とすることにより、部品(コモンモードチョークコイル)の方向性が明確になるため、例えば部品の組立時、部品の特性測定時、実装基板への部品の実装時において部品の方向を容易に知ることができる。また、第1引出し部及び第2引出し部を、積層体における上下面の短辺側の側面に引き出すことにより、例えば第1コイル部及び第2コイル部の内径の長径方向が積層体の上下面の長手方向に一致するように第1コイル部及び第2コイル部を長円形の螺旋状に形成した場合に、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さを短くすることができる。これにより、コモンモードチョークコイルの磁気的結合を更に高くすることが可能となる。
このとき、上下面の長辺をH、上下面の短辺をH、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さをPとしたときに、H−H≧Pであることが好ましい。
これにより、例えば第1コイル部及び第2コイル部の内径の長径方向が積層体の上下面の長手方向に一致するように第1コイル部及び第2コイル部を長円形の螺旋状に形成した場合に、第1引出し部の一部と第2引出し部の一部との重なり長さを十分に且つ確実に短くすることができる。
本発明によれば、コモンモードチョークコイルの高周波特性を向上させることができる。これにより、高速データ伝送に十分対処することが可能となる。
以下、本発明に係わるコモンモードチョークコイルの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるコモンモードチョークコイルの一実施形態を示す斜視図である。同図において、本実施形態のコモンモードチョークコイル1は、下部磁性基板2、層構造体3及び上部磁性基板4からなる直方体状の積層体5を備えている。層構造体3は、下部磁性基板2と上部磁性基板4との間に配置されている。下部磁性基板2及び上部磁性基板4は、焼結フェライト、複合フェライト(粉状のフェライトを含有した樹脂)等の磁性材料からなる基板である。
積層体5は、積層方向に対して交差する長方形状の上面5a及び下面5b(以下、まとめて上下面)を有している。このように積層体5の上下面の形状を長方形とし、当該上下面の縦横長を異なるようにしたのは、コモンモードチョークコイル1を作る際における素子方向の明確化のためである。なお、積層体5の上下面のサイズは、例えば2.0mm×1.25mmまたは1.2mm×1.0mmである。積層体5の上下面短辺側の一方の側面5cには端子電極6A,6Bが設けられ、積層体5の上下面短辺側の他方の側面5dには端子電極6C,6Dが設けられている。
図2は、積層体5の分解斜視図である。同図において、積層体5の層構造体3は、下から順に絶縁層7、導体層8、絶縁層9、導体層10、絶縁層11、導体層12、絶縁層13、導体層14、絶縁層15、磁性層16及び接着層17が積層されて成るものである。絶縁層7,9,11,13,15、磁性層16及び接着層17の主面(表面及び裏面)の形状は、積層体5の上下面に対応して長方形となっている。絶縁層7,9,11,13,15は、ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂等といった電気的及び磁気的な絶縁性に優れ、加工性の良い樹脂材料で形成されている。導体層8,10,12,14は、導電性及び加工性等に優れたCuやAl等の金属材料で形成されている。
図3は、絶縁層7上に形成された導体層8、絶縁層9上に形成された導体層10、絶縁層11上に形成された導体層12、絶縁層13上に形成された導体層14をそれぞれ示す平面図である。図4は、これらの導体層8,10,12,14の重なり状態を示す図であり、導体層12を基準として示したものである。
図2〜図4において、最下層の絶縁層7は、下部磁性基板2の上面に凹凸があっても、導体層8との密着性を良好にするための層である。
導体層8は、L字状の引出し部18と、この引出し部18と接続された引出し電極19とを有している。引出し部18は、絶縁層7の主面短辺側の一縁部に向けて延びる直線重なり部分18aを有している。引出し電極19は、絶縁層7の上下面短辺側の一縁部に形成されていると共に、上記の端子電極6Cと電気的に接続される。
導体層10は、コイル部20と、このコイル部20と接続されたL字状の引出し部21と、この引出し部21と接続された引出し電極22とを有している。
コイル部20は、長円形の螺旋状に形成されている。なお、ここでいう長円形は、コイル部20を形成する導体パターンの一部が直線である完全長円形(図3及び図4参照)だけに限らず、導体パターンに直線部分の無い楕円形も含んでいる。コイル部20の内径の長径方向(長軸内径方向)は、絶縁層9の主面長辺の対向方向(長手方向)に一致し、コイル部20の内径の短径方向(短軸内径方向)は、絶縁層9の主面短辺の対向方向に一致している。また、コイル部20の内側端と上記導体層8の引出し部18とは、絶縁層9に形成されたコンタクトホール(図示せず)を介して電気的に接続されている。
引出し部21の一端は、コイル部20の外側端と接続され、引出し部21の他端は、引出し電極22と接続されている。引出し部21は、絶縁層9における上記の引出し電極19とは反対側の縁部に向けて延びる直線重なり部分21aを有している。引出し電極22は、絶縁層9における引出し電極19とは反対側の縁部に形成されていると共に、上記の端子電極6Aと電気的に接続される。
導体層12は、コイル部23と、このコイル部23と接続されたL字状の引出し部24と、この引出し部24と接続された引出し電極25とを有している。
コイル部23は、導体層10のコイル部20と同様に、長円形の螺旋状に形成されている。コイル部23の内径の長径方向は、絶縁層11の主面長辺の対向方向に一致し、コイル部23の内径の短径方向は、絶縁層11の主面短辺の対向方向に一致している。そして、コイル部23は、内側端部分を除いて、絶縁層11を介してコイル部20と上下に重なり合っている。
引出し部24の一端は、コイル部23の外側端と接続され、引出し部24の他端は、引出し電極25と接続されている。引出し部24は、絶縁層11における上記の引出し電極22と同じ側の縁部に向けて延びる直線重なり部分24aを有している。この直線重なり部分24aは、絶縁層11を介して上記の引出し部21の直線重なり部分21aと上下に重なり合っている。
このとき、コイル部20,23の内径の長径(最大内径)をR、コイル部20,23の内径の短径(最小内径)をR、積層体5の上下面の長辺をH、積層体5の上下面の短辺をH、直線重なり部分21a,24aの長さ(引出し部21,24同士の重なり長さ)をPとしたときに、
−R≧P
−H≧P
であることが好ましい。これにより、引出し部21,24同士の重なり長さPを短くすることができる。
引出し電極25は、絶縁層11における引出し電極22と同じ側の縁部において、直線重なり部分24aを挟んで引出し電極22の反対側の領域に形成されていると共に、端子電極6Bと電気的に接続される。
導体層14は、L字状の引出し部26と、この引出し部26と接続された引出し電極27とを有している。引出し部26と上記のコイル部23の内側端とは、絶縁層13に形成されたコンタクトホール(図示せず)を介して電気的に接続されている。引出し部26は、絶縁層13における上記の引出し電極19と同じ側の縁部に向けて延びる直線重なり部分26aを有している。この直線重なり部分26aは、絶縁層9,11,13を介して上記の引出し部18の直線重なり部分18aと上下に重なり合っている。
このとき、直線重なり部分18a,26aの長さ(引出し部18,26同士の重なり長さ)をQとしたときに、
−R≧Q
−H≧Q
であることが好ましい。なお、パラメータR、R、H、Hについては、前述してある。これにより、引出し部18,26同士の重なり長さQを短くすることができる。
引出し電極27は、絶縁層13における引出し電極19と同じ側の縁部において、直線重なり部分26aを挟んで引出し電極19の反対側の領域に形成されていると共に、端子電極6Dと電気的に接続される。
このような導体層14上には絶縁層15が形成され、この絶縁層15上には磁性層16が形成されている。磁性層16は、コモンモードチョークコイル1に閉磁路を形成するための層であり、例えば粉状のフェライトを含有した樹脂(磁粉含有樹脂)等の磁性材料により形成されている。
磁性層16上には、接着層17が形成されている。接着層17は、磁性層16と上部磁性基板4とを接合する層であり、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びポリアミド樹脂等の接着剤により形成されている。
また、絶縁層9,11,13,15におけるコイル部20,23の内側領域に対応する部位には、閉磁路形成用の内側絶縁除去部28が設けられている。この内側絶縁除去部28は、絶縁層9,11,13,15に貫通穴を形成し、磁性層16を形成する磁性材料と同じ磁性材料を貫通穴に埋め込むことにより構成されている。
内側絶縁除去部28(貫通穴)の形状としては、コイル部20,23の螺旋形状(長円形)に対応して、断面長円形状とするのが望ましい。この場合には、コイル部20,23の内側領域のスペースを閉磁路として十分活用することができる。
また、絶縁層9,11,13,15におけるコイル部20,23の外側領域に対応する部位には、閉磁路形成用の外側絶縁除去部29が2つずつ設けられている。この外側絶縁除去部29は、絶縁層9,11,13,15の主面長辺側の縁部に形成されている。外側絶縁除去部29は、絶縁層9,11,13,15に切り欠きを形成し、磁性材料を切り欠きに埋め込むことにより構成されている。
外側絶縁除去部29は、絶縁層9,11,13,15の主面長手方向に延びるように形成されている。コイル部20,23の外側領域のスペースを閉磁路として十分活用すべく、各外側絶縁除去部29の両端部には、突出部分29aがコイル部20,23の曲線部分に沿うように形成されている。
次に、以上のように構成したコモンモードチョークコイル1を製造する手順について説明する。まず、積層体5を以下のようにして作製する。
即ち、例えばスピンコート法、ディップ法、スプレー法等により上記の樹脂材料を下部磁性基板2上に塗布して硬化させることにより、絶縁層7を形成する。続いて、例えば絶縁層7上に導体薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法により引出し部18及び引出し電極19のパターンを形成することにより、導体層8を形成する。
続いて、絶縁層7の形成方法と同様にして、導体層8の上に絶縁層9を形成する。そして、例えばエッチングにより、引出し部18とコイル部20とを電気的に接続するためのコンタクトホールを絶縁層9に形成する。このとき、コンタクトホールの形成と同時に、絶縁層9の中央部の樹脂を除去して貫通穴を形成すると共に、絶縁層9の縁部の一部樹脂を除去して2つの切り欠きを形成する。
続いて、導体層8の形成方法と同様の方法により、絶縁層9上にコイル部20、引出し部21及び引出し電極22のパターンを形成することにより、導体層10を形成する。そして、絶縁層7,9の形成方法と同様にして、導体層10の上に絶縁層11を形成し、更に絶縁層11に貫通穴と2つの切り欠きとを形成する。
続いて、導体層8の形成方法と同様の方法により、絶縁層11上にコイル部23、引出し部24及び引出し電極25のパターンを形成することにより、導体層12を形成する。そして、絶縁層7,9の形成方法と同様にして、導体層12の上に絶縁層13を形成し、更に絶縁層13にコンタクトホールと貫通穴と2つの切り欠きとを形成する。
続いて、導体層8の形成方法と同様の方法により、絶縁層13上に引出し部26及び引出し電極27のパターンを形成することにより、導体層14を形成する。そして、絶縁層7,9の形成方法と同様にして、導体層14の上に絶縁層15を形成し、更に絶縁層15に貫通穴と2つの切り欠きとを形成する。
これにより、図5(a)に示すように、下部磁性基板2上には、コイル部20,23等が内蔵された層構造中間体30が形成されることになる。この層構造中間体30には、最下層の絶縁層7を残して、絶縁層9,11,13,15の貫通穴による凹部31と絶縁層9,11,13,15の切り欠きによる2つの切り欠き部32とが形成されている。
続いて、図5(b)に示すように、磁粉含有樹脂を凹部31及び各切り欠き部32に埋め込むと共に、磁粉含有樹脂を層構造中間体30の上面に塗布した状態で、磁粉含有樹脂を硬化させる。これにより、層構造中間体30に内側絶縁除去部28及び外側絶縁除去部29が形成されると共に、層構造中間体30の上に磁性層16が形成される。そして、磁性層16の上面を研磨して平坦化させる。
続いて、図5(c)に示すように、磁性層16の上にエポキシ樹脂等の接着剤を塗布して、接着層17を形成する。そして、接着層17の上面に上部磁性基板4を貼り付ける。これにより、上記の積層体5が得られる。
その後、積層体5の側面5cに端子電極6A,6Bを形成し、積層体5の側面5dに端子電極6C,6Dを形成する。具体的には、例えばマスクスパッタ法により積層体5の側面5c,5dにCr/Cu膜またはTi/Cu膜を成膜した後、Ni/Snを用いて電気めっきを施すことにより、端子電極6A〜6Dを形成する。以上により、上記のコモンモードチョークコイル1が完成する。
以上のように本実施形態にあっては、導体層10のコイル部20及び導体層12のコイル部23を長円形の螺旋状に形成したので、コイル部の螺旋形状を四角形状とした場合に比べて、直線部分が大幅に少なくなる分だけ、コイル部20,23を形成する導体パターンの長さを全体的に短くすることができる。このようにコイル部20,23を形成する導体パターン長が短くなると、ディファレンシャルモードのカットオフ周波数が高周波側にのびるようになる。
また、コイル部20,23の螺旋形状を長円形状とすることで、上述したように積層体5の上下面形状を長方形とした場合でも、引出し部18の直線重なり部分18a、引出し部21の直線重なり部分21a、引出し部24の直線重なり部分24a、引出し部26の直線重なり部分26aの各長さを短くすることができる。このように直線重なり部分18a,21a,24a,26aが短くなると、コモンモードチョークコイル1の磁気結合が高くなる。これに加え、直線重なり部分21a,24a同士は積層体5の積層方向に対して重なり合い、直線重なり部分18a,26a同士は積層体5の積層方向に対して重なり合っているので、この点においてもコモンモードチョークコイル1の磁気結合が高くなる。従って、ディファレンシャルモードのカットオフ周波数が更に高周波側にのびるようになる。
このようにコモンモードチョークコイル1のカットオフ周波数を十分高く(例えば5GHz以上)することが可能となるので、高周波特性の良好なコモンモードチョークコイル1を得ることができる。その結果、例えば高速データ伝送を行う際に、高い伝送特性を確保することが可能となる。
また、絶縁層9,11,13,15に閉磁路形成用の内側絶縁除去部28及び外側絶縁除去部29を設けることで、積層体5におけるコイル部20,23の内側領域及び外側領域に好適な閉磁路構造を形成したので、高インピーダンスのコモンモードチョークコイル1を得ることができる。これにより、漏れ磁束によるノイズの発生を抑制することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、コイル部20,23を長円形の螺旋状に形成するようにしたが、図6に示すように、コイル部20,23を円形の螺旋状に形成しても良い。この場合にも、コイル部20,23の螺旋形状を四角形状とした場合に比べて、コイル部20,23を形成する導体パターンの長さを全体的に短くできるため、コモンモードチョークコイル1のカットオフ周波数を高くすることができる。
このとき、コイル部20,23は螺旋状に連続的に形成されるため、コイル部20,23を形成する導体パターンの全ての部分が完全な円形になることは無く、コイル部20,23の螺旋形状は厳密には略円形となる。また、積層体5におけるコイル部20,23の内側領域に対応する部位に形成される閉磁路形成用の内側絶縁除去部28(貫通穴)の形状としては、コイル部20,23の螺旋形状に対応して断面円形状とするのが望ましい。
また、上記実施形態では、積層体5の上下面形状を長方形とし、引出し部21,24を積層体5の上下面短辺側の側面5cに延びるように形成し、引出し部19,26を積層体5の上下面短辺側の側面5dに延びるように形成したが、本発明は、これらの引出し部を積層体5の上下面長辺側の側面に延びるように形成したものにも適用可能である。また、本発明は、積層体5の上下面形状を正方形等としたものにも適用可能である。
本発明に係わるコモンモードチョークコイルの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す積層体の分解斜視図である。 図2に示す各層の絶縁層及び導体層を示す平面図である。 図3に示す各層の絶縁層及び導体層の重なり状態を示す図である。 図2に示す積層体を作製する工程を示す断面図である。 図1に示すコモンモードチョークコイルの変形例において各層の絶縁層及び導体層の重なり状態を示す図である。
符号の説明
1…コモンモードチョークコイル、5…積層体、5a…上面、5b…下面、5c,5d…側面、8…導体層(第3導体層)、9…絶縁層(第2絶縁層)、10…導体層(第1導体層)、11…絶縁層(第1絶縁層)、12…導体層(第2導体層)、13…絶縁層(第3絶縁層)、14…導体層(第4導体層)、18…引出し部(第3引出し部)、18a…直線重なり部分、20…コイル部(第1コイル部)、21…引出し部(第1引出し部)、21a…直線重なり部分、23…コイル部(第2コイル部)、24…引出し部(第2引出し部)、24a…直線重なり部分、26…引出し部(第4引出し部)、26a…直線重なり部分。

Claims (6)

  1. 第1導体層と第2導体層とを有する積層体を備えたコモンモードチョークコイルであって、
    前記第1導体層は、円形または長円形の螺旋状に形成された第1コイル部と、前記積層体の側面に引き出されるように前記第1コイル部に接続された第1引出し部とを有し、
    前記第2導体層は、円形または長円形の螺旋状に形成された第2コイル部と、前記積層体の側面に引き出されるように前記第2コイル部に接続された第2引出し部とを有し、
    前記第1導体層と前記第2導体層とは第1絶縁層を介して積層されていることを特徴とするコモンモードチョークコイル。
  2. 前記第1コイル部と前記第2コイル部とは、前記積層体の積層方向に対して重なり合っており、
    前記第1引出し部の一部と前記第2引出し部の一部とは、前記積層体の積層方向に対して重なり合っていることを特徴とする請求項1記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第1コイル部及び前記第2コイル部は、長円形の螺旋状に形成されており、
    前記第1コイル部及び前記第2コイル部の内径の長径をR、前記第1コイル部及び前記第2コイル部の内径の短径をR、前記第1引出し部の一部と前記第2引出し部の一部との重なり長さをPとしたときに、R−R≧Pであることを特徴とする請求項2記載のコモンモードチョークコイル。
  4. 前記第1コイル部に電気的に接続されると共に前記積層体の側面に引き出された第3引出し部を有する第3導体層と、
    前記第2コイル部に電気的に接続されると共に前記積層体の側面に引き出された第4引出し部を有する第4導体層とを更に備え、
    前記第1導体層と前記第3導体層とは第2絶縁層を介して積層されており、
    前記第2導体層と前記第4導体層とは第3絶縁層を介して積層されており、
    前記第3引出し部の一部と前記第4引出し部の一部とは、前記積層体の積層方向に対して重なり合っていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のコモンモードチョークコイル。
  5. 前記積層体は、長方形状の上下面を有し、
    前記第1引出し部及び前記第2引出し部は、前記積層体における前記上下面の短辺側の側面に引き出されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のコモンモードチョークコイル。
  6. 前記上下面の長辺をH、前記上下面の短辺をH、前記第1引出し部の一部と前記第2引出し部の一部との重なり長さをPとしたときに、H−H≧Pであることを特徴とする請求項5記載のコモンモードチョークコイル。
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