JP4831101B2 - 積層トランス部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は積層トランス部品及びその製造方法に関し、特に透磁率の高い材料を用いて好適に構成された積層トランス部品及びその製造方法に関する。
従来、コイル部品はトロイダルコア等に導線を巻回することにより実現されてきた(例えば特許文献1のコモンモードチョークトランス。)が、近年は膜上にパターニングしたスパイラル導体を用いて実現されることも多くなっている。
図17には、膜上に印刷したスパイラル導体を用いて構成されたトランス部品(積層トランス部品)のひとつの例として、コモンモードフィルタ100を示している。
コモンモードフィルタ100は上下に磁性体基板101,102を有しており、その間に絶縁層111〜115により構成される絶縁性樹脂体層110、磁性体シート103、及び接着剤層121を有している。また、コモンモードフィルタ100の左側面には2つの端子電極141,142が、右側面には2つの端子電極143,144が、それぞれ配置されている。
絶縁層112,113にはそれぞれスパイラル導体151,152が印刷されている。スパイラル導体151の外周端は引出電極161を介して端子電極141と、スパイラル導体152の外周端は引出電極162を介して端子電極142とそれぞれ接続している。一方、スパイラル導体151の内周端はスルーホールを介して絶縁層111に印刷された引出電極163と接続し、引出電極163は端子電極143と接続している。同様に、スパイラル導体152の内周端はスルーホールを介して絶縁層114に印刷された引出電極164と接続し、引出電極164は端子電極144と接続している。以上の構成により、スパイラル導体151,152がコモンモードチョークコイルとして機能する。
また、絶縁層111〜115の中央部には磁性体シート103を構成する磁性体と同じ磁性体が充填されており、コモンモードチョークコイルの磁脚を構成する。
また、特許文献2には、膜上に印刷したスパイラル導体を用いて構成されたインダクタの例が開示されている。この例では、コイル導体パターンが形成された複数の磁性体シートを積層し、かつその上下にコイル導体が形成されていない磁性体シートを1枚ずつ積層してなるインダクタ部を、コイル導体が形成されていない複数の磁性体シートを積層してなる2つのマージン部により挟持している。そして、マージン部の各シートを比較的透磁率の高いMn−Zn系フェライトで構成し、インダクタ部の各シートを比較的透磁率の低いNi−Zn系フェライトで構成している。
特許文献2に開示される技術がこのように二種類のフェライトを用いているのは次の理由による。すなわち、透磁率が高いほど磁束効率がよいため、可能であれば全シートを透磁率の高いMn−Zn系フェライトで構成することが好ましい。しかしながら、Mn−Zn系フェライトは固有抵抗が低いためコイル導体と接触させられない(特許文献2の第0032段落参照。)。そこで、コイル導体と接触するシート、すなわちインダクタ部の各シートのみ、ある程度の透磁率を持ちつつ固有抵抗が高いNi−Zn系フェライトで構成している。
特開平11−135330号公報 特開平6−196332号公報
積層トランス部品においても、特許文献2のインダクタと同様に、磁路を構成する部材の材料を透磁率の高い材料で構成すると良い特性が得られる。例えば図17に示したコモンモードフィルタ100では、磁性体基板101,102や磁性体シート103を透磁率の高い材料で構成すると、カットオフ周波数を下げることができる。
しかしながら、図17に示したコモンモードフィルタ100において磁性体基板101,102や磁性体シート103を透磁率の高い材料で構成することにすると、これらの各シートの固有抵抗が低くなり、側面の端子電極との間で導通してしまうという問題が生ずる。このような問題はコモンモードフィルタに限って発生するものではなく、積層トランス部品全般において広く同様に発生する。
したがって、本発明の課題のひとつは、透磁率の高い材料を用いて好適に構成された積層トランス部品及びその製造方法を提供することにある。
本発明による積層トランス部品は、導電性磁性体基板とコイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層とが積層された積層体と、前記積層体の側面に配置され、前記引出電極導体に接続される端子電極と、前記導電性磁性体基板と前記端子電極との間に配置された絶縁領域とを有することを特徴とする。
本発明によれば、絶縁領域が導電性磁性体基板と端子電極との間での導通を妨げるので、透磁率の高い材料を用いて好適に構成された積層トランス部品を提供できる。
また、上記積層トランス部品において、前記導電性磁性体基板の側面は、少なくとも前記端子電極に対向する部分において前記積層体の側面から後退しており、前記絶縁領域は前記後退によって前記導電性磁性体基板の側面と前記端子電極との間に生ずる空間内に設けられることとしてもよい。これによれば、上記空間を利用して絶縁領域を設けることができる。
また、この積層トランス部品において、前記空間内には前記絶縁性樹脂体層が積層され、前記絶縁領域は前記空間内に積層した前記絶縁性樹脂体層によって構成されることとしてもよいし、前記積層体には絶縁性磁性体基板も積層され、前記導電性磁性体基板の一方面及び他方面はそれぞれ前記絶縁性磁性体基板及び前記絶縁性樹脂体層に接着し、前記絶縁性磁性体基板は前記空間内に張り出した凸部を有することとしてもよい。前者によれば、絶縁性樹脂体層の一部を絶縁領域として用いることができ、後者によれば、絶縁性磁性体基板の凸部を絶縁領域として用いることができる。
また、上記積層トランス部品において、前記絶縁領域は前記積層体側面の一部に施された絶縁体コーティングによって構成されることとしてもよい。これによれば、絶縁体コーティングにより絶縁領域を形成できる。
また、この積層トランス部品において、前記コイル導体は第1スパイラル導体と第2スパイラル導体とを含み、前記第1スパイラル導体と前記第2スパイラル導体とは互いに磁気結合するよう配置されていることとしてもよい。
さらに、この積層トランス部品において、前記引出電極導体は前記各スパイラル導体の間に配置されることとしてもよい。これによれば、絶縁体コーティングの面積を広くすることができる。
また、上記各積層トランス部品において、各スパイラル導体の中央部分を貫通する導電性磁脚を有することとしてもよい。これによれば、積層トランス部品の特性を向上できる。一例を挙げると、積層トランス部品によりコモンモードフィルタを構成した場合のカットオフ周波数を下げることができる。
また、本発明による製造方法は、端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、第1の絶縁性磁性体基板上に、前記端子電極に対向する側面が前記側面から後退している第1の導電性磁性体基板を形成する第1工程と、前記第1工程により得られた積層体上に、コイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第2工程と、前記絶縁性樹脂体層上に、前記端子電極に対向する側面が前記側面から後退している第2の導電性磁性体基板を形成する第3工程と、前記第3工程により得られた積層体上に第2の絶縁性磁性体基板を接着する第4工程と、前記第4工程により得られた積層体の側面に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第5工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、導電性磁性体基板と端子電極との間の空間に絶縁性樹脂体層を充填でき、充填した絶縁性樹脂体層を導電性磁性体基板と端子電極との間での導通を防ぐための絶縁領域とすることができる。
なお、上記製造方法において、前記第2工程は、スピンコート法を用いて、前記第1工程により得られた積層体上に前記絶縁性樹脂体層を形成することとしてもよいし、前記第2工程は、前記絶縁性樹脂体層を形成し、形成した前記絶縁性樹脂体層を前記第1工程により得られた積層体上に接着することとしてもよい。
また、本発明の他の一側面による製造方法は、端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、少なくとも前記端子電極に対向する部分に凸部を有する第1の絶縁性磁性体基板に、第1の導電性磁性体基板を嵌合させて第1のベース基板を生成する第1工程と、少なくとも前記端子電極に対向する部分に凸部を有する第2の絶縁性磁性体基板に、第2の導電性磁性体基板を嵌合させて第2のベース基板を生成する第2工程と、前記第1のベース基板の前記第1の導電性磁性体基板側の面上にコイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第3工程と、前記第2のベース基板を、前記第2の導電性磁性体基板側の面を前記絶縁性樹脂体層に向けて該絶縁性樹脂体層に接着する第4工程と、前記第4工程により得られた積層体の側面に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第5工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、導電性磁性体基板と端子電極との間の空間に絶縁体(絶縁性磁性体基板)をはめ込み、はめ込んだ絶縁体を導電性磁性体基板と端子電極との間での導通を防ぐための絶縁領域とすることができる。
また、本発明のさらに他の一側面による製造方法は、端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、第1の絶縁性磁性体基板と第1の導電性磁性体とを接着して第1のベース基板を生成する第1工程と、第2の絶縁性磁性体基板と第2の導電性磁性体とを接着して第2のベース基板を生成する第2工程と、前記第1のベース基板の前記第1の導電性磁性体側の面上にコイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第3工程と、前記第2のベース基板を、前記第2の導電性磁性体側の面を前記絶縁性樹脂体層に向けて該絶縁性樹脂体層に接着する第4工程と、前記第4工程によって得られる積層体側面の前記第1及び前記第2の導電性磁性体が露出した部分のうち少なくとも前記端子電極と対向する部分に絶縁体コーティングを施す第5工程と、前記第5工程により得られた積層体の側面に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第6工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁体コーティングを導電性磁性体基板と端子電極との間での導通を防ぐための絶縁領域とすることができる。
なお、上記製造方法において、前記第5工程は、スパッタリング法又はCVD(Chemical Vapor Deposition,化学気相成長)法を用いて前記絶縁体コーティングを施すこととしてもよい。こうすれば、必要最小限の材料で、かつ従来の薄膜積層工法の延長線上で簡単に絶縁体コーティングを施すことができる。
このように、本発明によれば、透磁率の高い材料を用いて好適に構成された積層トランス部品を提供できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の好ましい第1の実施形態によるコモンモードフィルタ1aの外形及び構造を示す略分解斜視図である。また、図2は、図1に示したコモンモードフィルタ1aのA−A'線断面図である。以下、これらの図を参照しながら、コモンモードフィルタ1aの構成について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態によるコモンモードフィルタ1aは、絶縁性磁性体基板11a、導電性磁性体基板13a、絶縁性樹脂体層20a、導電性磁性体基板14a、及び絶縁性磁性体基板12aがこの順で積層された積層体(以下、コモンモードフィルタ積層体という。)と、側面に配置された4つの端子電極41a〜44aとを備えている。なお、実際には基板等を互いに接着するための接着剤層があるが、図1及び以下の各図においては省略している。
絶縁性磁性体基板11a,12aの材料には、固有抵抗が比較的高く絶縁体とみなせる材料で、かつある程度の透磁率を有する材料、例えばNi−Cu−Zn系フェライトを用いる。
一方、導電性磁性体基板13a,14aの材料には、より高い透磁率を有する材料を用いる。これは、導電性磁性体基板13a,14aの材料としてできるだけ高い透磁率の材料を用いることにより、コモンモードフィルタとして本来求められる磁気特性が高められるからである。なお一般に、透磁率の高い材料は固有抵抗が低い。このような材料の具体的な例としては、例えばMn−Zn系フェライトなどが挙げられる。
絶縁性樹脂体層20aは5つの絶縁層21a〜25aがこの順に積層された積層体である。所定の絶縁層には導体パターンが形成されており、コイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体が形成されている。絶縁層25aは導体パターンと導電性磁性体基板14aとを絶縁分離するために設けられているものである。絶縁層21a〜25aの材料については特に限定されないが、ポリイミド樹脂などを用いることが好ましい。
以下、初めに絶縁性樹脂体層20aの内部構成について詳細に説明し、その後、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間での導通を防止するための構成について説明する。
図1に示すように、絶縁層に形成された導体パターンは、絶縁層22a,23aの表面にそれぞれ形成されたスパイラル状のコイル導体(スパイラル導体)51,52及び引出電極導体61,62と、絶縁層21a,22aの表面にそれぞれ形成された引出電極導体63,64とを含んでいる。スパイラル導体51,52は、いずれも基板11a,12aの主面に対して平行な平面状コイルである。
スパイラル導体51,52は、絶縁層23aを介して向かい合うように配置されており、このため、両者は互いに磁気結合している。
スパイラル導体51の外周端は同一層内で引出電極導体61を介して端子電極41aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体63を介して端子電極43aに接続されている。また、スパイラル導体52の外周端は同一層内で引出電極導体62を介して端子電極42aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体64を介して端子電極44aに接続されている。そして、図1の図面上方からみて、スパイラル導体51,52は、いずれも外周端から内周端に向かっていずれも左回り(反時計回り)に巻回されている。したがって、端子電極41a,42aを一対の入力端子とすれば、スパイラル導体51,52は、互いに同方向に磁気結合することになる。ここで、「互いに同方向に磁気結合」とは、同相成分に対しては互いに磁束を強め合い、差動成分に対しては互いに磁束を打ち消し合うように磁気結合していることを言う。これにより、本実施形態によるコモンモードフィルタ1aは、コモンモードフィルタとして機能することになる。
絶縁層21a〜25aは中央部分を貫通するスルーホール71を有している。スルーホール71内には導電性磁性体基板13a,14aの構成材料と同様の導電性及び磁性を有する材料(例えば、Mn−Zn系フェライトに樹脂を混ぜて流動性をもたせたもの)が充填されており、スパイラル導体51,52によって構成されるコモンモードチョークコイルの(導電性)磁脚を構成している。この磁脚を設けたことにより、磁脚を設けない場合に比べ、スパイラル導体51,52によって構成されるコモンモードチョークコイルのカットオフ周波数を下げることが可能になっている。
ここから、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間での導通を防止するための構成について説明する。
導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aの間には絶縁領域が配置される。本実施形態では、導電性磁性体基板13a,14aの側面は、端子電極41a〜44aと対向する部分(端子電極41a〜44aが配置される側面)においてコモンモードフィルタ積層体の側面から後退しており、絶縁領域は、この後退によって導電性磁性体基板13a,14aの側面と端子電極41a〜44aとの間に生ずる空間内に設けられる。図1では、この空間を符号S1,S2で示している。
空間S1内には絶縁性樹脂体層20aが積層しており、導電性磁性体基板13aと端子電極41a〜44aの間の絶縁領域を構成する。図1では絶縁層21aに下方に張り出した凸部T1を示しており、この凸部T1が空間S1内にはめ込まれて上記絶縁層を構成する。
空間S2内には絶縁性の接着剤26が充填され、導電性磁性体基板14aと端子電極41a〜44aの間の絶縁領域を構成する。この接着剤26は、後述する製造工程において導電性磁性体基板14aと絶縁性磁性体基板12aとを接着するときに用いるものであってよい。
次に、コモンモードフィルタ1aの製造方法について説明する。
図3,図4はコモンモードフィルタ1aの製造方法の説明図である。図3の(a)〜(g)は1つの円形絶縁性磁性体基板上に多数のコモンモードフィルタ1aを製造する際の工程を順に示しており、図4の(a)〜(g)は図3の(a)〜(g)からコモンモードフィルタ1つ分を抜き出して記載したものである。図4(h)は最終的に製造されるコモンモードフィルタ1aを示している。以下、これらの図を参照しながら、コモンモードフィルタ1aの製造方法について説明する。
まず、円形の絶縁性磁性体基板11aを用意し(図3(a),図4(a))、その上に、端子電極41a〜44aに対向する側面が個々のコモンモードフィルタ積層体の側面から後退している導電性磁性体基板13aを形成する(図3(b),図4(b))。図3(b)に示されるように、円形の絶縁性磁性体基板11a上では短冊状の導電性磁性体基板13aを形成することになり、導電性磁性体基板13a間の隙間が空間S1を構成することになる。短冊状の導電性磁性体基板13aの形成は、絶縁性磁性体基板11a上に接着した円形状の導電性磁性体基板13aを、ダイサーを用いて切削すること(ダイシング)により行うことが好適である。以下では、ここまでの工程により得られた積層体を第1のベース基板ということにする。
次に、第1のベース基板上に、コイル導体及びコイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層20aを形成する。図3(c)及び図4(c)は絶縁性樹脂体層20aのうち絶縁層21a,22aが形成された状態を示し、図3(d)及び図4(d)は絶縁層22a上にスパイラル導体51が形成された状態を示し、図3(e)及び図4(e)は絶縁性樹脂体層20a全体が形成された状態を示している。
絶縁性樹脂体層20aを構成する各絶縁層の形成は、ポリイミド樹脂を原料溶液とするスピンコートによって行うことが好適である。この場合、空間S1にポリイミド樹脂が充分に行き渡るようにする必要がある。また、コイル導体や引出電極導体とするための導体パターンは、絶縁層上に、スパッタリング法、蒸着法、メッキ法などのいわゆる薄膜プロセスによって形成することが好適である。
また、各スルーホールはフォトリソグラフィ及びエッチングにより形成することが好適である。スルーホール71内への導電性磁性体の充填は、流動性のある導電性磁性体材料を流し込むことによって行う。また、コイル導体と引出電極導体間のスルーホールには、導体パターン形成時に導体を埋め込む。
なお、ここでは第1のベース基板上に順次各絶縁層を積層していく例を示しているが、後述する第5の実施形態で説明する製造方法と同様に、絶縁性樹脂体層20aを別体として形成し、第1のベース基板に接着することにより絶縁性樹脂体層20aを形成してもよい。この場合、接着に用いる接着剤を空間S1にも充填し、絶縁領域の構成材料とすることが好適である。
次に、絶縁性樹脂体層20a上に、端子電極41a〜44aに対向する側面が個々のコモンモードフィルタ積層体の側面から後退している導電性磁性体基板14aを形成する(図3(f),図4(f))。図3(f)に示されるように、導電性磁性体基板14aは導電性磁性体基板13aと同様の短冊状となる。また、導電性磁性体基板14a間の隙間が空間S2を構成する。短冊状の導電性磁性体基板14aの形成も、導電性磁性体基板13aと同様のダイシングにより行うことが好適である。
続いて、ここまでの工程により得られた積層体上に絶縁性磁性体基板12aを接着する(図3(g),図4(g))。このときに用いる接着剤は接着剤26として空間S2にも充填され、絶縁領域を構成する。
ここまでの工程が完了したら次に、ダイシングによって個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出す作業を行う。図4(g)に示される積層体はこうして切り出されたコモンモードフィルタ積層体である。そして、図4(h)に示すように、各コモンモードフィルタ積層体の側面に、引出電極導体と接続するよう端子電極41a〜44aを形成する。端子電極41a〜44aの形成は、スパッタリング法又はCVD法及びエッチングを用いて行うことが好適である。
以上説明したように、本実施形態によれば、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間に絶縁領域を設け、その絶縁領域が導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間での導通を妨げるので、透磁率の高い材料を用いて好適に構成されたコモンモードフィルタを提供できる。
また、本実施形態によれば、導電性磁性体基板の側面をコモンモードフィルタ積層体の側面から後退させていることによって生じた空間を利用して、絶縁領域を設けることができる。絶縁領域の具体的な構成材料としては、絶縁性樹脂体層20aと同一の材料か、若しくは接着剤26を用いることができる。これらは絶縁領域を構成しないとしても使用する材料であるため、絶縁領域を構成するために材料点数や製造工程が増加してしまうといったデメリットを回避することが実現されている。
また、コモンモードフィルタは焼成によって生成することもあるが、コモンモードフィルタ1aのようにNi−Cu−Zn系フェライトとMn−Zn系フェライトが混在している場合、焼成雰囲気が互いに異なるため焼成によって生成することができない。すなわち、Ni−Cu−Zn系フェライトは大気雰囲気焼成であるが、Mn−Zn系フェライトは窒素雰囲気焼成であるため、これらを同時に焼成することはできない。しかしながら本実施形態によれば、薄膜工法を用い焼成を行わないため、焼成雰囲気が異なっていても問題なくコモンモードフィルタ1aを生成することができる。
[第2の実施形態]
図5は、本発明の好ましい第2の実施形態によるコモンモードフィルタ1bの外形及び構造を示す略分解斜視図である。また、図6は、図5に示したコモンモードフィルタ1bのB−B'線断面図である。なお、図5及び図6において、第1の実施形態で説明したものと同一の構成要素には図1及び図2と同一の符号を付している。以下、これらの図を参照しながら、コモンモードフィルタ1bの構成について説明する。
コモンモードフィルタ1bは、導電性磁性体基板13a,14aの側面をコモンモードフィルタ積層体の側面から後退させることによって空間を形成し、その空間に絶縁領域を形成する点でコモンモードフィルタ1aと一致するが、絶縁領域の構成材料として絶縁性磁性体基板を用いる点がコモンモードフィルタ1aと異なる。以下、相違点を中心に説明する。
図5及び図6に示すように、コモンモードフィルタ1bは、コモンモードフィルタ1aにおいて絶縁性磁性体基板11a,12aをそれぞれ絶縁性磁性体基板11b,12bで置き換え、絶縁性樹脂体層20aを絶縁性樹脂体層20bで置き換えた構成を有している。
絶縁性樹脂体層20bは、絶縁性樹脂体層20aにおいて絶縁層21aを絶縁層21bで置き換えた構成を有している。絶縁層21bは、絶縁層21aから凸部T1を取り去った構成を有しており、その他の点は絶縁層21aと同一である。
絶縁性磁性体基板11bは端子電極41a〜44aに対向する部分に凸部T2を有している点が絶縁性磁性体基板11aと異なっている。この凸部T2は、絶縁性磁性体基板11bと導電性磁性体基板13aとを貼り合わせた際ちょうど空間S1に張り出すことになるよう、絶縁性磁性体基板11b上に配置される。
絶縁性磁性体基板12bも端子電極41a〜44aに対向する部分に凸部T3を有している点が絶縁性磁性体基板12aと異なっている。この凸部T3は、絶縁性磁性体基板12bと導電性磁性体基板14aとを貼り合わせた際ちょうど空間S2に張り出すことになるよう、絶縁性磁性体基板12b上に配置される。
以上より、凸部T2,T3はそれぞれ、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間での導通を防ぐための絶縁領域を構成することになる。
次に、コモンモードフィルタ1bの製造方法について説明する。
図7はコモンモードフィルタ1bの製造方法の説明図である。図7の(a)〜(d)は1つの円形絶縁性磁性体基板上に多数のコモンモードフィルタ1bを製造する際の工程を順に示している。以下、図7を参照しながら、コモンモードフィルタ1bの製造方法について説明する。
まず、円形の絶縁性磁性体基板11bを用意する(図7(a))。そして、絶縁性磁性体基板11bの上半分を、ダイサーを用いて短冊状に切削する(図7(b))。こうして得られる短冊部分は凸部T2を構成する。この凸部T2の間隙に導電性磁性体基板13aを嵌合させ、第1のベース基板を生成する(図7(c))。
また、図示していないが、ここまでの工程と同様に、円形の絶縁性磁性体基板12bを用意して上半分を短冊状に切削し、得られる凸部T3の間隙に導電性磁性体基板14aを嵌合させて第2のベース基板を生成する。
次に、第1のベース基板上に、コイル導体及びコイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層20bを形成する(図7(d))。絶縁性樹脂体層20bの具体的な形成方法は絶縁性樹脂体層20aと同様である。
続いて、第2のベース基板を、導電性磁性体基板14a側の面を絶縁性樹脂体層20bに向けて該絶縁性樹脂体層20bに接着する(図7(e))。
ここまでの工程が完了したら、第1の実施形態で説明した工程と同様に、ダイシングによって個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出す作業を行う。そして、各コモンモードフィルタ積層体の側面に、引出電極導体と接続するよう端子電極41a〜44aを形成する。
以上説明したように、本実施形態によっても、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間に絶縁領域を設け、その絶縁領域が導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41a〜44aとの間での導通を妨げるので、透磁率の高い材料を用いて好適に構成されたコモンモードフィルタを提供できる。
また、本実施形態によっても、導電性磁性体基板の側面をコモンモードフィルタ積層体の側面から後退させていることによって生じた空間を利用して、絶縁領域を設けることができる。絶縁領域の具体的な構成材料としては、絶縁性磁性体基板11b,12bを用いることができる。これらは絶縁領域を構成しないとしても使用する材料であるため、絶縁領域を構成するために材料点数や製造工程が増加してしまうといったデメリットを回避することが実現されている。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の好ましい第3の実施形態によるコモンモードフィルタ1cの外形及び構造を示す略分解斜視図である。また、図9は、図8に示したコモンモードフィルタ1cのC−C'線断面図である。なお、図8及び図9において、第1の実施形態で説明したものと同一の構成要素には図1及び図2と同一の符号を付している。以下、これらの図を参照しながら、コモンモードフィルタ1cの構成について説明する。
コモンモードフィルタ1cでは、コモンモードフィルタ積層体の側面に絶縁体をコーティングし、導電性磁性体基板と端子電極との間での導通を防ぐための絶縁領域とする。以下、コモンモードフィルタ1a,1bとの相違点を中心に説明する。
図8及び図9に示すように、コモンモードフィルタ1cは、コモンモードフィルタ1aにおいて導電性磁性体基板13a,14aをそれぞれ導電性磁性体基板13c,14cで置き換え、絶縁性樹脂体層20aを絶縁性樹脂体層20cで置き換えた構成を有している。
絶縁性樹脂体層20cは4つの絶縁層21c〜24cがこの順に積層された積層体である。絶縁層21cの表面にはスパイラル導体51及び引出電極導体61が形成される。絶縁層22cの表面には引出電極導体63,64が形成される。絶縁層23cの表面にはスパイラル導体52及び引出電極導体62が形成される。つまり引出電極導体63,64は2つのスパイラル導体の間に配置されている。なお、絶縁層24cは導体パターンと導電性磁性体基板14cとを絶縁分離するために設けられているものである。
スパイラル導体51の外周端は同一層内で引出電極導体61を介して端子電極41aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体63を介して端子電極43aに接続されている。また、スパイラル導体52の外周端は同一層内で引出電極導体62を介して端子電極42aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体64を介して端子電極44aに接続されている。
以上のような導体パターンを形成することにより、コモンモードフィルタ1cでは、コモンモードフィルタ積層体側面における引出電極導体63,64の露出領域と導電性磁性体基板13c,14cとの距離が、コモンモードフィルタ1a,1bに比べて長くなっている。
導電性磁性体基板13c,14cの主面のサイズは絶縁性磁性体基板11a,12aと同一である。したがって、導電性磁性体基板13c,14cの側面はコモンモードフィルタ積層体の側面と面一になっている。
コモンモードフィルタ積層体側面の一部には、絶縁体コーティング81,82が施される。このうち絶縁体コーティング81は、導電性磁性体基板13cの側面のうち各端子電極に対向する部分を覆うように設けられる。同様に、絶縁体コーティング82は、導電性磁性体基板14cの側面のうち各端子電極に対向する部分を覆うように設けられる。したがって、絶縁体コーティング81,82はそれぞれ、導電性磁性体基板13c,14cと端子電極41a〜44aとの間での導通を防ぐための絶縁領域を構成することになる。
なお、絶縁体コーティング81,82は、引出電極導体61〜64の露出領域を覆わないように設けられる必要がある。この点、本実施形態では引出電極導体63,64の露出領域と導電性磁性体基板13c,14cとの距離が長くなるようにしているので、端子電極43a,44a側の側面において、露出領域を覆わないように絶縁体コーティング81,82を設けることが比較的容易になっている。
次に、コモンモードフィルタ1cの製造方法について説明する。
図10はコモンモードフィルタ1cの製造方法の説明図である。図10の(a)〜(d)は1つの円形絶縁性磁性体基板上に多数のコモンモードフィルタ1cを製造する際の工程を順に示している。図10の(e)〜(g)は個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出した後の工程を順に示している。以下、図10を参照しながら、コモンモードフィルタ1cの製造方法について説明する。
まず、円形の絶縁性磁性体基板11aを用意し(図10(a))、その上に同形の導電性磁性体基板13cを接着し、第1のベース基板を生成する(図10(b))。
また、図示していないが、ここまでの工程と同様に、円形の絶縁性磁性体基板12aを用意し、その上に同形の導電性磁性体基板14cを接着し、第2のベース基板を生成する。
次に、第1のベース基板上に、コイル導体及びコイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層20cを形成する(図10(c))。絶縁性樹脂体層20cの具体的な形成方法は絶縁性樹脂体層20aと同様である。
続いて、第2のベース基板を、導電性磁性体基板14c側の面を絶縁性樹脂体層20cに向けて該絶縁性樹脂体層20cに接着する(図10(d))。
ここまでの工程が完了したら、第1の実施形態で説明した工程と同様に、ダイシングによって個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出す作業を行う。図10(e)に示される積層体はこうして切り出されたコモンモードフィルタ積層体である。
次に、個々のコモンモードフィルタ積層体の側面の一部に絶縁体コーティング81,82を施す(図10(f))。コーティング処理はスパッタリング法又はCVD法のいずれかを用いて行うことが好適である。コーティングした後、導電性磁性体基板の側面のうち各端子電極に対向する部分を覆う部分のみを残してエッチングを行う。
最後に、各コモンモードフィルタ積層体の側面に、引出電極導体と接続するよう端子電極41a〜44aを形成する(図10(g))。絶縁体コーティング81,82が存在する部分では、端子電極41a〜44aは絶縁体コーティング81,82の上に形成されることになる。
以上説明したように、本実施形態によっても、導電性磁性体基板13c,14cと端子電極41a〜44aとの間に絶縁領域を設け、その絶縁領域が導電性磁性体基板13c,14cと端子電極41a〜44aとの間での導通を妨げるので、透磁率の高い材料を用いて好適に構成されたコモンモードフィルタを提供できる。
また、本実施形態では、コモンモードフィルタ積層体側面に施した絶縁体コーティングを絶縁領域の具体的な構成材料として用いることができる。これにより、第1及び第2の実施形態のように導電性磁性体基板を加工する必要がなくなるため、積層構造及び工法を単純化できるという効果も有している。
また、コモンモードフィルタ1dでは、コモンモードフィルタ1a,1bに比べると絶縁層が1層減っているので、低背化及び1層分の工程削減が実現されている。
ここで、コモンモードフィルタ1cのさらなる変形例について説明する。
図11は、コモンモードフィルタ1cの変形例であるコモンモードフィルタ1dの外形及び構造を示す略分解斜視図である。同図に示すように、コモンモードフィルタ1dは、コモンモードフィルタ1cにおいて絶縁性樹脂体層20cを絶縁性樹脂体層20dで置き換えた構成を有している。
絶縁性樹脂体層20dは4つの絶縁層21d,22d,23d,24cがこの順に積層された積層体である。スパイラル導体51,52はそれぞれ絶縁層21d,23dの表面に形成されるが、引出電極導体61〜64はすべて絶縁層22dの表面に形成される。
スパイラル導体51の外周端はスルーホール及び引出電極導体61を介して端子電極41aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体63を介して端子電極43aに接続されている。また、スパイラル導体52の外周端はスルーホール及び引出電極導体62を介して端子電極42aに接続されており、内周端はスルーホール及び引出電極導体64を介して端子電極44aに接続されている。
このようにすることで、コモンモードフィルタ1dでは、コモンモードフィルタ積層体側面における引出電極導体61〜64すべての露出領域と導電性磁性体基板13c,14cとの距離が、コモンモードフィルタ1a,1bに比べて長くなっている。したがって、端子電極43a,44a側の側面だけでなく端子電極41a,42a側の側面においても、露出領域を覆わないように絶縁体コーティング81,82を設けることが比較的容易になっている。
[第4の実施形態]
図12は、本発明の好ましい第4の実施形態によるコモンモードフィルタ1eの外形及び構造を示す略分解斜視図である。また、図13は、図12に示したコモンモードフィルタ1eのD−D'線断面図である。なお、図12及び図13において、第1の実施形態で説明したものと同一の構成要素には図1及び図2と同一の符号を付している。
コモンモードフィルタ1eは、コモンモードフィルタ1aにおいて絶縁性樹脂体層20aを絶縁性樹脂体層20eで置き換えた構成を有している。絶縁性樹脂体層20eは絶縁層21e〜25eがこの順に積層された積層体である。
絶縁層21e〜25eはスルーホール71を有しない点が絶縁性樹脂体層20aの絶縁層21a〜25aと異なっている。このため、絶縁性樹脂体層20eはスパイラル導体51,52によって構成されるコモンモードチョークコイルの磁脚を有せず、該コモンモードチョークコイルのカットオフ周波数の磁脚による低減効果を有しないが、求められる性能によってはこのような構成でも構わない。
なお、スルーホール71を設けないことによって各スパイラル導体の中央部に空きスペースができるので、このスペースを利用して各スパイラル導体の巻き数を増加させてもよい。そうすることで、カットオフ周波数をある程度下げることが可能になる。
[第5の実施形態]
図14は、本発明の好ましい第5の実施形態によるコモンモードフィルタ1fの外形及び構造を示す略分解斜視図である。また、図15は、図14に示したコモンモードフィルタ1fのE−E'線断面図である。なお、図14及び図15において、第4の実施形態で説明したものと同一の構成要素には図12,図13と同一の符号を付している。
コモンモードフィルタ1fは、導電性磁性体基板13a,14aの側面をコモンモードフィルタ積層体の側面から後退させることによって空間S1,S2を形成し、その空間S1,S2に絶縁領域を形成する点でコモンモードフィルタ1eと一致するが、絶縁領域の構成物質として空間に充満する空気を用いる点がコモンモードフィルタ1eと異なる。以下、具体的に説明する。
図14及び図15に示すように、コモンモードフィルタ1fは、コモンモードフィルタ1eにおいて空間S2に充填していた接着剤26を取り去り、かつ絶縁性樹脂体層20eを絶縁性樹脂体層20fで置き換えた構成を有している。絶縁性樹脂体層20fは、凸部T1を有していた絶縁層21eに代えて凸部T1を有さない絶縁層21fを用いた点が絶縁性樹脂体層20eと異なっている。
したがって、導電性磁性体基板13a,14aの側面の後退によって生まれる空間S1,S2には空気以外の物質は充填されず、空気が、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極との間での導通を防ぐための絶縁領域を構成することになる。
また、コモンモードフィルタ1fは、端子電極41a〜44aに代えて端子電極41f〜44fを備えている。端子電極41a〜44aと端子電極41f〜44fとの違いについては、コモンモードフィルタ1fの製造方法の説明の中で説明することにする。
以下、コモンモードフィルタ1fの製造方法について説明する。
図16はコモンモードフィルタ1fの製造方法の説明図である。図16の(a)〜(d)は1つの円形絶縁性磁性体基板上に多数のコモンモードフィルタ1fを製造する際の工程を順に示している。。図16の(e)(f)は個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出した後の工程を順に示している。以下、図16を参照しながら、コモンモードフィルタ1fの製造方法について説明する。
まず、円形の絶縁性磁性体基板11aを用意し(図16(a))、その上に、端子電極41f〜44fに対向する側面が個々のコモンモードフィルタ積層体の側面から後退している導電性磁性体基板13aを形成し(図16(b))、第1のベース基板とする。この工程は第1の実施形態で説明したものと同様である。
また、図示していないが、ここまでの工程と同様に、円形の絶縁性磁性体基板12aを用意し、その上に、端子電極41f〜44fに対向する側面が個々のコモンモードフィルタ積層体の側面から後退している導電性磁性体基板14aを形成し、第2のベース基板とする。
さらに、絶縁性樹脂体層20fを形成する(図16(c))。この形成は、別途基板を用意し、その上に絶縁層及び導体パターンを形成していくことによって行う。形成後には基板から絶縁性樹脂体層20fを切り離しておく。
次に、絶縁性樹脂体層20fを第1のベース基板及び第2のベース基板で挟み込んで接着する。なお、第1のベース基板は、導電性磁性体基板13a側の面を絶縁性樹脂体層20fに向けて絶縁性樹脂体層20fに接着する。同様に、第2のベース基板は、導電性磁性体基板14a側の面を絶縁性樹脂体層20fに向けて絶縁性樹脂体層20fに接着する。
ここまでの工程が完了したら、第1の実施形態で説明した工程と同様に、ダイシングによって個々のコモンモードフィルタ積層体を切り出す作業を行う。図16(e)に示される積層体はこうして切り出されたコモンモードフィルタ積層体である。
次に各コモンモードフィルタ積層体の側面に端子電極を形成するのであるが、図16(e)に示されるように、本実施形態で得られるコモンモードフィルタ積層体の側面には凹凸がある。したがって、スパッタリング法又はCVD法を用いて端子電極を形成することはできない。そこで、端子電極41f〜44fにはコの字型(直線を2箇所で直角に同方向に折り曲げた形状)の金具を用いる。図16(f)にはこのような端子電極41f〜44fを装着したコモンモードフィルタ積層体を示している。
以上説明したように、本実施形態によれば、導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41f〜44fとの間に絶縁領域を設け、その絶縁領域が導電性磁性体基板13a,14aと端子電極41f〜44fとの間での導通を妨げるので、透磁率の高い材料を用いて好適に構成されたコモンモードフィルタを提供できる。
また、本実施形態によれば、導電性磁性体基板の側面をコモンモードフィルタ積層体の側面から後退させていることによって生じた空間を利用して、絶縁領域を設けることができる。絶縁領域の具体的な構成材料としては、空気を用いることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態ではコモンモードフィルタを取り上げたが、本発明はコモンモードフィルタに限って適用され得るものではなく、積層トランス部品に広く適用可能である。
本発明の好ましい第1の実施形態によるコモンモードフィルタの外形及び構造を示す略分解斜視図である。 図1に示したコモンモードフィルタのA−A'線断面図である。 本発明の好ましい第1の実施形態によるコモンモードフィルタの製造方法の説明図である。 本発明の好ましい第1の実施形態によるコモンモードフィルタの製造方法の説明図である。 本発明の好ましい第2の実施形態によるコモンモードフィルタの外形及び構造を示す略分解斜視図である。 図5に示したコモンモードフィルタのB−B'線断面図である。 本発明の好ましい第2の実施形態によるコモンモードフィルタの製造方法の説明図である。 本発明の好ましい第3の実施形態によるコモンモードフィルタの外形及び構造を示す略分解斜視図である。 図8に示したコモンモードフィルタのC−C'線断面図である。 本発明の好ましい第3の実施形態によるコモンモードフィルタの製造方法の説明図である。 本発明の好ましい第3の実施形態によるコモンモードフィルタの変形例の外形及び構造を示す略分解斜視図である。 本発明の好ましい第4の実施形態によるコモンモードフィルタの外形及び構造を示す略分解斜視図である。 図12に示したコモンモードフィルタのD−D'線断面図である。 本発明の好ましい第5の実施形態によるコモンモードフィルタの外形及び構造を示す略分解斜視図である。 図14に示したコモンモードフィルタのE−E'線断面図である。 本発明の好ましい第5の実施形態によるコモンモードフィルタの製造方法の説明図である。 本発明の背景技術によるコモンモードフィルタ100の外形及び構造を示す略分解斜視図である。
符号の説明
1a〜1f コモンモードフィルタ
11a,11b,12a,12b 絶縁性磁性体基板
13a,13c,14a,14c 導電性磁性体基板
20a〜20f 絶縁性樹脂体層
21a〜25a,21b,21c〜24c,21e〜25e,21f 絶縁層
26 接着剤
41a〜44a,41f〜44f 端子電極
51,52 スパイラル導体
61〜64 引出電極導体
71 スルーホール
81,82 絶縁体コーティング
S1,S2 空間
T1〜T3 凸部

Claims (13)

  1. 第1の絶縁性磁性体基板、第1の導電性磁性体基板、コイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層、第2の導電性磁性体基板、及び第2の絶縁性磁性体基板がこの順で積層された積層体と、
    記積層体の側面に形成され、前記引出電極導体に接続される端子電極と、
    前記第1の導電性磁性体基板と前記端子電極との間に配置された第1の絶縁領域と、
    前記第2の導電性磁性体基板と前記端子電極との間に配置された第2の絶縁領域とを有し、
    前記端子電極と前記第1の導電性磁性体基板とは、前記第1の絶縁領域によって絶縁され、
    前記端子電極と前記第2の導電性磁性体基板とは、前記第2の絶縁領域によって絶縁される
    することを特徴とする積層トランス部品。
  2. 前記第1及び第2の導電性磁性体基板の側面は、少なくとも前記端子電極に対向する部分において前記積層体の側面から後退しており、
    前記第1の絶縁領域は前記後退によって前記第1の導電性磁性体基板の側面と前記端子電極との間に生ずる第1の空間内に設けられ、
    前記第2の絶縁領域は前記後退によって前記第2の導電性磁性体基板の側面と前記端子電極との間に生ずる第2の空間内に設けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層トランス部品。
  3. 前記第1の絶縁性磁性体基板は前記第1の空間内に張り出した凸部を有し、
    前記第2の絶縁性磁性体基板は前記第2の空間内に張り出した凸部を有し、
    前記第1の絶縁領域は前記第1の絶縁性磁性体基板の前記凸部によって構成され、
    前記第2の絶縁領域は前記第2の絶縁性磁性体基板の前記凸部によって構成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の積層トランス部品。
  4. 前記第1及び第2の絶縁領域は前記積層体側面の一部に施された絶縁体コーティングによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の積層トランス部品。
  5. 前記コイル導体は第1スパイラル導体と第2スパイラル導体とを含み、
    前記第1スパイラル導体と前記第2スパイラル導体とは互いに磁気結合するよう配置されていることを特徴とする請求項に記載の積層トランス部品。
  6. 前記引出電極導体は前記各スパイラル導体の間に配置されることを特徴とする請求項に記載の積層トランス部品。
  7. 前記各スパイラル導体の中央部分を貫通する導電性磁脚を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の積層トランス部品。
  8. 端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、
    第1の絶縁性磁性体基板上に、前記端子電極に対向する第1の側面が前記側面から後退している第1の導電性磁性体基板を形成する第1工程と、
    前記第1工程により得られた積層体上に、コイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第2工程と、
    前記絶縁性樹脂体層上に、前記端子電極に対向する第2の側面が前記側面から後退している第2の導電性磁性体基板を形成する第3工程と、
    前記第3工程により得られた積層体上に第2の絶縁性磁性体基板を接着する第4工程と、
    前記第4工程により得られた積層体の側に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第5工程とを備え、
    前記端子電極と前記第1の導電性磁性体基板とは、前記第1の側面の前記後退によって生ずる空間によって絶縁され、
    前記端子電極と前記第2の導電性磁性体基板とは、前記第2の側面の前記後退によって生ずる空間によって絶縁される
    ことを特徴とする積層トランス部品の製造方法。
  9. 前記第2工程は、スピンコート法を用いて、前記第1工程により得られた積層体上に前記絶縁性樹脂体層を形成することを特徴とする請求項に記載の積層トランス部品の製造方法。
  10. 前記第2工程は、前記絶縁性樹脂体層を形成し、形成した前記絶縁性樹脂体層を前記第1工程により得られた積層体上に接着することを特徴とする請求項に記載の積層トランス部品の製造方法。
  11. 端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、
    少なくとも前記端子電極に対向する部分に凸部を有する第1の絶縁性磁性体基板に、第1の導電性磁性体基板を嵌合させて第1のベース基板を生成する第1工程と、
    少なくとも前記端子電極に対向する部分に凸部を有する第2の絶縁性磁性体基板に、第2の導電性磁性体基板を嵌合させて第2のベース基板を生成する第2工程と、
    前記第1のベース基板の前記第1の導電性磁性体基板側の面上にコイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第3工程と、
    前記第2のベース基板を、前記第2の導電性磁性体基板側の面を前記絶縁性樹脂体層に向けて該絶縁性樹脂体層に接着する第4工程と、
    前記第4工程により得られた積層体の側に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第5工程とを備え、
    前記端子電極と前記第1の導電性磁性体基板とは、前記第1の絶縁性磁性体基板の前記凸部によって絶縁され、
    前記端子電極と前記第2の導電性磁性体基板とは、前記第2の絶縁性磁性体基板の前記凸部によって絶縁される
    ことを特徴とする積層トランス部品の製造方法。
  12. 端子電極が側面に配置される積層トランス部品の製造方法であって、
    第1の絶縁性磁性体基板と第1の導電性磁性体とを接着して第1のベース基板を生成する第1工程と、
    第2の絶縁性磁性体基板と第2の導電性磁性体とを接着して第2のベース基板を生成する第2工程と、
    前記第1のベース基板の前記第1の導電性磁性体側の面上にコイル導体及び該コイル導体に接続する引出電極導体を有する絶縁性樹脂体層を形成する第3工程と、
    前記第2のベース基板を、前記第2の導電性磁性体側の面を前記絶縁性樹脂体層に向けて該絶縁性樹脂体層に接着する第4工程と、
    前記第4工程によって得られる積層体側面の前記第1及び前記第2の導電性磁性体が露出した部分のうち少なくとも前記端子電極と対向する部分に絶縁体コーティングを施す第5工程と、
    前記第5工程により得られた積層体の側に、前記引出電極導体と接続するよう前記端子電極を形成する第6工程とを備え、
    前記端子電極と前記第1及び第2の導電性磁性体のそれぞれとは、前記絶縁体コーティングによって絶縁される
    ことを特徴とする積層トランス部品の製造方法。
  13. 前記第5工程は、スパッタリング法又はCVD法を用いて前記絶縁体コーティングを施すことを特徴とする請求項12に記載の積層トランス部品の製造方法。
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