JP6022628B2 - 伝動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ケースの内部の潤滑構造を改良した伝動装置に関する。
伝動装置のなかには、動力を伝達する円盤状回転体(例えば平歯車)を含む伝動機構が、ケースの内部に収納されている構成のものがある。このような構成の伝動装置は、例えば特許文献1から知られている。
特許文献1で知られている伝動装置は、作業機の一種である管理機の、トランスミッションに採用されている。動力を伝達する平歯車、つまり円盤状回転体を含む伝動機構は、後上方へ傾いた上下に細長いケース本体に収納されている。該ケース本体の上端部は開放しており、一般にはリッドによって覆われる。該平歯車やスプロケットは、水平な軸と該軸を支持する軸受とによって、ケース本体に回転可能に支持されている。
このような伝動装置では、ケース本体の底部に潤滑油が貯留されることが多い。しかし、ケース本体は上下に細長い、このため、ケース本体の上部に位置している平歯車の一部は、潤滑油から完全に露出することも有り得る。潤滑油から露出した平歯車を支持する軸受に、潤滑油を効率よく供給するための配慮が必要である。これに対し、ケース本体に貯留されている潤滑油を、該軸受に導くための油路を設けることが考えられる。このような構成の伝動装置は、特許文献2から知られている。
特許文献2で知られている伝動装置は、車両のトランスミッションに採用されている。動力を伝達する複数の歯車(円盤状回転体)を含む伝動機構は、ケース本体に収納されている。該複数の歯車は、水平な軸と該軸を支持する軸受とによって、ケース本体に回転可能に支持されている。該ケース本体は、水平方向の両端部が別部材によって取り外し可能に塞がれている。ケース本体の底部には、潤滑油が貯留されている。該複数の歯車のなかの、大径の歯車の一部は潤滑油に浸されている。該大径の歯車が回転することにより、潤滑油はケース本体の内部に描き上げられて飛散する。ケース本体の内部には、該ケース本体とは別部材からなるレシーバ(油受け部)が設けられている。該レシーバは、飛散した潤滑油を捕集して潤滑箇所に導く。
しかしながら、一般に、伝動装置を始動した初期には、ケースに貯留している潤滑油の温度は常温程度であり、運転中よりも低い。このため、始動初期における潤滑油の粘度は大きい。運転中に比べて潤滑油の流動性は下がる。流動性が低い潤滑油を飛散させても、潤滑が必要な箇所に必要量の潤滑油を効率よく供給するには、課題が残る。従って、この場合であっても、軸受に潤滑油を効率よく供給するための配慮が必要である。伝動装置を使用する環境温度が低い場合も同様である。
特開昭63−82827号公報 特開2011−7208号公報
本発明は、始動初期の低温時や環境温度が低いときに、円盤状回転体を支持する軸受に、潤滑油を効率よく供給することができる技術を、提供することを課題とする。
本発明によれば、動力を伝達する円盤状回転体を含む伝動機構が、ケースの内部に収納され、該ケースの底部に潤滑油が貯留され、前記円盤状回転体は、軸と該軸を支持する軸受とによって前記ケースに回転可能に支持されている伝動装置において、前記ケースの側壁の内面と前記円盤状回転体の側面との間には、間隙と、該間隙の大きさを拡大した間隙拡大部とを有し、前記間隙は、前記円盤状回転体が回転することによって、前記ケースの側壁の内面と前記円盤状回転体の側面との間から前記潤滑油をせり上げることが可能な大きさに設定され、前記間隙拡大部は、前記伝動装置が使用状態の姿勢のときに、前記ケースに貯留されている前記潤滑油の油面よりも上位に位置するとともに、油路に連通していることを特徴とする伝動装置が提供される。
このため、始動初期の低温時や環境温度が低いことによって、潤滑油の粘度が大きく、流動性が低い潤滑油は、円盤状回転体が回転することによって、ケースの側壁の内面と円盤状回転体の側面との間の間隙から、せり上げられる(すり上げられる)。該せり上げられた潤滑油は、間隙拡大部に入るので、これ以上せり上げられることはない。該せり上げられた潤滑油は、間隙拡大部から油路へ流れて軸受に導かれる。このため、ケース本体に貯留されている潤滑油を、円盤状回転体を支持する軸受に、効率よく供給することができる。しかも、間隙の大きさを最適なものに設定するだけなので、潤滑油を供給する構成を簡単にできるとともに、新たな部材を必要としない。
好ましくは、前記ケースは、上端面が開放されたケース本体と、前記上端面を覆うリッドとからなる。前記間隙拡大部は、前記リッドに形成されている。間隙拡大部をリッドに形成するだけなので、潤滑油を供給する構成を簡単にできるとともに、新たな部材を必要としない。
好ましくは、前記円盤状回転体は、前記伝動装置が使用状態の姿勢のときに、前記ケースに貯留されている前記潤滑油の油面よりも上位に位置する上位のギヤによって構成されている。前記ケース内には、前記上位のギヤよりも下位に位置して該上位のギヤに噛み合う下位のギヤが収納されている。該下位のギヤは、前記ケースに貯留されている前記潤滑油に少なくとも一部の歯が浸っている。
このため、ケースに貯留されている潤滑油を、下位のギヤの歯によって掻き上げることができる。掻き上げられた潤滑油の一部は歯溝に残る。残った潤滑油は、上下のギヤの歯同士が噛み合うことによって、下位のギヤの歯溝から上位のギヤの歯溝に受け渡すことができる。上位のギヤの歯溝に受け渡された潤滑油の一部は、歯幅方向へ流れることによって、ケースの側壁の内面と上位のギヤの歯の側面との間の間隙に流出する。該間隙に流れた潤滑油は、上位のギヤが回転することによって、せり上げられる(すり上げられる)。このようにして、ケースに貯留されている潤滑油を、軸受に効率よく供給することができる。
好ましくは、前記油路は、上が開放されている。前記間隙拡大部は、前記油路の真上に位置している。このため、せり上げられて間隙拡大部に入った潤滑油を、間隙拡大部の真下にある油路によって、確実に効率よく受けることができる。
本発明では、始動初期の低温時や環境温度が低いときに、円盤状回転体を支持する軸受に、潤滑油を効率よく供給することができる。
本発明に係る作業機の側面図である。 図1に示される伝動装置の断面図である。 図1に示される動力伝達系統とケースを作業機の背面から見た模式図である。 図2に示される伝動装置を背面から見た断面図である。 図2の5矢視線方向の図である。 図5に示されるケース本体の上端部とリッドとを分解した斜視図である。 図6に示されるケース本体の上端面を上から見た図である。 図4に示される第4ギヤ周りを拡大した図である。 図8の9−9線に沿った断面図である。 図4に示される伝動装置をリッドを省略して後上方からにた斜視図である。 図6に示されるリッドの底面図である。 図10に示される伝動装置の作用図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例に係る伝動装置について図面に基づき説明する。以下、伝動装置を搭載した装置の一例として、作業機について説明する。該作業機は、例えば歩行型耕耘機によって構成される。なお、耕耘機の「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は耕耘機を操縦している作業者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側を示す。
図1に示されるように、耕耘機10(作業機10)は、機体11と、該機体11の前上部に取り付けられた動力源12と、該機体11の後部に取り付けられた伝動装置13と、該伝動装置13の下部に取り付けられた作業部14と、該該伝動装置13から後上方へ延びた操作ハンドル15とを含む。機体11の後部には、該伝動装置13の高さ方向の中央部が取り付けられている。
図1及び図2に示されるように、該伝動装置13は、上端部から前下方へ傾斜して、細長く構成されている。つまり、図1に示されるように、耕耘機10の使用状態において、伝動装置13は、上端部から前下方へ傾斜している。
図1及び図3に示されるように、該動力源12は、例えばエンジンや電動モータによって構成される。動力源12が発生した動力は、ベルト伝動機構20によって伝動装置13に伝えられ、さらに、該伝動装置13から作業部14へ伝えられる。
該ベルト伝動機構20は、動力源12の出力軸12aに取り付けられた駆動プーリ21と、伝動装置13の入力軸31(第1の軸31)に取り付けられた従動プーリ22と、各プ−リ21,22間に掛けられたベルト23とからなる。該動力源12の出力軸12aは、動力源12から左又は右へ水平に延びている。該入力軸31は、機体11の幅方向に水平に延びている。該入力軸31のなかの、従動プーリ22が設けられる一方の端部31aは、動力源12の出力軸12aと同じ方向を向いている。該ベルト伝動機構20は、カバー24によって覆われている。さらに、該ベルト伝動機構20には、ベルトテンショナ式クラッチ25が設けられている。該ベルトテンショナ式クラッチ25は、操作ハンドル15に設けられたクラッチレバー26によって操作される。
該作業部14は、伝動装置13の出力軸33(耕耘軸33)に設けられた複数の耕耘爪14aからなる、いわゆる耕耘作業部である。該出力軸33は、機体11の幅方向に水平に延びている。このような構成の耕耘機10は、複数の耕耘爪14aの回転により農地などの土壌を耕耘し、さらに複数の耕耘爪14aにより走行する形式の、歩行型自走式耕耘機である。
図2〜図4に示されるように、該伝動装置13は、伝動機構30がケース70に収納された構成である。該ケース70は、ケース本体71とリッド91とからなる。該ケース本体71は、上端から前下方へ傾斜した細長い有底の鋳造品である。該ケース本体71は、基本的には各種の軸が貫通する部分を除いて、上端面72のみが開放されている。該上端面72は、リッド91によって覆われている。
該伝動機構30は、入力軸31(第1の軸31)と、カウンタ軸32(第2の軸32)と、出力軸33(第3の軸33、耕耘軸33)と、小径の第1ギヤ41(入力ギヤ41)と、大径の第2ギヤ42と、小径の第3ギヤ43(カウンタギヤ43)と、大径の第4ギヤ44と、小径のスプロケット45(駆動スプロケット45)と、大径のスプロケット46(従動スプロケット46)とからなる。
第1ギヤ41の外径は、第2ギヤ42の外径よりも小さく、第3ギヤ43の外径よりも大きい。第2ギヤ42の外径は、第3ギヤ43の外径よりも大きく、第4ギヤ44の外径よりも小さい。
該入力軸31は、ケース本体71の内部の前上部、つまりケース本体71の前の側壁73寄り(図2参照)に位置している。該入力軸31の両端部は、左右の軸受51,52によってケース本体71の左右の側壁74,75に回転可能に支持されている。該左の側壁74に位置している軸受51を第1軸用第1軸受51という。該右の側壁75に位置している軸受52を第1軸用第2軸受52という。第1軸用第1軸受51と第1軸用第2軸受52のなかの、それぞれ軸方向内側の端面は、ケース本体71の内部に面している。
該入力軸31のなかの、従動プーリ22(図3参照)が設けられる一方の端部31aは、ケース本体71の左の側壁74を貫通して機体11の幅方向外側へ延びている。該入力軸31のなかの、左の側壁74を貫通した部分は、シール部材53によってシールされている。該入力軸31に対して、カウンタ軸32と出力軸33とは平行である。
該カウンタ軸32は、ケース本体71の内部の後上部、つまり入力軸31の後下方に位置している。言い換えると、該カウンタ軸32は、ケース本体71の後の側壁76寄り(図2参照)に位置している。該カウンタ軸32の両端部は、左右の軸受54,55によってケース本体71の左右の側壁74,75に回転可能に支持されている。該左の側壁74に位置している軸受54を第2軸用第1軸受54という。該右の側壁75に位置している軸受55を第2軸用第2軸受55という。第2軸用第1軸受54と第2軸用第2軸受55のなかの、それぞれ軸方向内側の端面は、ケース本体71の内部に面している。
以上の説明から明らかなように、入力軸31は、カウンタ軸32よりも上位に位置している。以下、適宜、入力軸31のことを「上位の軸31」といい、カウンタ軸32のことを「下位の軸32」という。
図4に示されるように、該左右の側壁74,75のなかの、カウンタ軸32をケース本体71内に挿通する方には、貫通孔75bが形成されている。該貫通孔75bは、カウンタ軸32がケース本体71内に挿入された後に、キャップ56によって塞がれる。
図2〜図4に示されるように、該出力軸33は、ケース本体71の内部の下部に位置している。該出力軸33は、左右の軸受57,58によってケース本体71の左右の側壁74,75に回転可能に支持されるとともに、該左右の側壁74,75から機体11の幅方向外側へ延びている。該出力軸33のなかの、左右の側壁74,75を貫通した部分は、シール部材(図示せず)によってシールされている。
該各ギヤ41〜44の種類は、互いに平行な軸31,32間で動力の伝達を行うことが可能な種類であればよい。例えば、該各ギヤ41〜44は平歯車によって構成される。各ギヤ41〜44と各スプロケット45,46は、概ね円盤状の回転する部材であるから、円盤状回転体の一種である。つまり、該伝動機構30は、動力を伝達する円盤状回転体41〜46を含む。従って、該各円盤状回転体41〜46は、軸31〜33と該軸31〜33を支持する各軸受51,52,54,55,57,58とによって、ケース本体71に回転可能に支持されている。該各軸受51,52,54,55,57,58は、ボールベアリング等の転がり軸受によって構成される。
第1ギヤ41は、第1の軸31にセレーションによって結合されている。該第1ギヤ41に噛み合う第2ギヤ42は、第2の軸32にセレーションによって結合されている。第3ギヤ43は、第2の軸32に一体形成、つまり該第2の軸32に固定されている。該第3ギヤ43に噛み合う第4ギヤ44は、第1の軸31にニードルベアリング61によって相対回転可能に支持されている。
駆動スプロケット45は、該第4ギヤ44と一体に回転可能に構成されるとともに、第1の軸31にニードルベアリング62によって相対回転可能に支持されている。つまり、駆動スプロケット45は、第4ギヤ44に一体に形成されている。
従動スプロケット46は、第3の軸33に結合されている。駆動スプロケット45と従動スプロケット46との間は、チェーン47によって繋がれている。
図1及び図2に示されるように、作業部14と第3の軸33と従動スプロケット46は、前進方向Ruf(耕耘機10を左側方から見て反時計回り)に回転する。このため、第1の軸31、第1ギヤ41、第4ギヤ44及び駆動スプロケット45は、正転方向R1、つまり従動スプロケット46と同じ方向に回転する。一方、第2の軸32、第2ギヤ42及び第3ギヤ43は、逆転方向R2(第1の軸31に対して逆方向R2)に回転する。第1ギヤ41と第2ギヤ42とは、互いに下から上に向かって噛み合う。また、第3ギヤ43と第4ギヤ44とは、互いに下から上に向かって噛み合う。
図4に示されるように、第1の軸31に対する、第1ギヤ41と第4ギヤ44と駆動スプロケット45の配列は、次の通りである。該第1ギヤ41は、ケース本体71のなかの、入力軸31の一方の端部31a寄りの左の側壁74の内面に隣接し、且つ第1軸用第1軸受51の内輪の側面に接している。該第4ギヤ44は、ケース本体71のなかの、右の側壁75の内面75aに隣接し、且つ第1軸用第2軸受52の内輪の側面に隣接している。
該第4ギヤ44の側面44aと、第1軸用第2軸受52の内輪の側面との間には、スペーサ63が介在している。このため、第4ギヤ44の側面44aと、ケース本体71のなかの右の側壁75の内面75aとの間には、間隙77を有する。該右の側壁75のことを、以下、適宜「露出軸受側の側壁75」という。
該駆動スプロケット45は、第1ギヤ41と第4ギヤ44との間、つまりケース本体71の幅方向の略中央に位置している。第1ギヤ41と駆動スプロケット45との間には、スペーサ64が介在している。
図2及び図4に示されるように、第4ギヤ44の外周面は、ケース本体71の上端面72から上方へ突出している。一方、第1ギヤ41と駆動スプロケット45とチェーン47とは、ケース本体71の上端面72から上方へ突出することはない。第2ギヤ42の外周面は、ケース本体71の上端面72よりも若干下がっている。
以上の説明から明らかなように、耕耘機10(図1参照)の使用状態において、つまり伝動装置13が使用状態の姿勢のときに、入力軸31は、カウンタ軸32よりも上位に位置している。以下、適宜、入力軸31のことを「上位の軸31」といい、カウンタ軸32のことを「下位の軸32」という。
また、上位の軸31に固定されている第1ギヤ41のことを、適宜「上位のギヤ41」という。第1ギヤ41よりも下位に位置して該第1ギヤ41に噛み合う第2ギヤ42のことを、適宜「下位のギヤ42」という。上位の軸31に支持されている第4ギヤ44のことを、適宜「上位のギヤ44」という。第4ギヤ44よりも下位に位置して該第4ギヤ44に噛み合う第3ギヤ42のことを、適宜「下位のギヤ43」という。このように、ケース70内には、各ギヤ41〜44が収納されている。
図2及び図4に示されるように、該ケース本体71の底部には潤滑油66が貯留されている。該潤滑油66の油面66aの上限レベルLu、つまり貯留上限レベルLuは、予め設定された一定のレベルである。該貯留上限レベルLuは、伝動装置13の停止状態において、小径の第3ギヤ43(カウンタギヤ43)の下部が潤滑油66に若干浸る程度、例えば、第2の軸32が潤滑油66から若干露出する程度に設定されることが好ましい。該貯留上限レベルLuが高過ぎると、伝動装置13が作動した場合に回転抵抗が過大になるからである。
詳しく述べると、第1及び第4ギヤ41,44(上位のギヤ41,44)は、伝動装置13が使用状態の姿勢のときに、ケース70に貯留されている潤滑油66の油面66aよりも上位に位置する。一方、第2及び第3ギヤ42,43(下位のギヤ42,43)は、ケース70に貯留されている潤滑油66に少なくとも一部の歯が浸っている。
このように該貯留上限レベルLuを設定すれば、第2軸用第1軸受54と第2軸用第2軸受55の潤滑は十分である。また、第1及び第2ギヤ41,42の歯面同士の潤滑、第3及び第4ギヤ43,44の歯面同士の潤滑、各スプロケット45,46とチェーン47の潤滑も十分である。
しかし、第1の軸31、及び、第1の軸31に配列されている該第1ギヤ41と第4ギヤ44と駆動スプロケット45は、潤滑油66の貯留上限レベルLuよりも上位に位置、つまり潤滑油66から完全に露出することになった。第1ギヤ41の外径を、第1軸用第1軸受51の外輪の内径よりも小さく設定することによって、該第1軸用第1軸受51のの潤滑は十分である。ところが、第1軸用第2軸受52を十分に潤滑するには、更なる改良の余地がある。
これに対し、本発明では、第1軸用第2軸受52を十分に潤滑するために、ケース70の内部の潤滑構造を改良した。以下、ケース70について詳しく説明する。
図2、図5及び図6に示されるように、ケース本体71は、平面視で前後方向に細長い略矩形断面に形成されており、前の側壁73と左の側壁74と右の側壁75と後の側壁76とからなる。該ケース本体71の上端面72は、該ケース本体71の上下方向の中心線CLに対して直交する平坦な面である。上述のように、ケース本体71が、上端から前下方へ傾斜しているので、上端面72は、前端から後下方へ傾斜している。
該ケース本体71の上端面72は開放されている。該ケース本体71の上端面72の開口78の周縁部には、全周にわたってフランジ79が一体に形成されている。
図6〜図9に示されるように、ケース70の上端面、つまりケース本体71の上端面72の開口78の周縁部には、油路81を有する。該油路81は、開口78の周縁部に直接に形成されている。図10に示されるように、該油路81は円盤状回転体41,42、つまり第1ギヤ41と第2ギヤ42によって跳ね上げられて飛散した飛散潤滑油66bを受け取り可能に、上が開放されている。
詳しく述べると、図6及び図7に示されるように、該油路81は、開口78の周縁部のなかの、前の側壁73の上端面と、右の側壁75の上端面とに連続して、平面視略L字状に形成されている。ケース本体71の上端面72のなかの、ケース本体71の内部と該油路81との間は、一段低い段差面82に形成されている。このため、飛散潤滑油66bは、ケース本体71の内部から該油路81へ入りやすい。
図7〜図9に示されるように、該油路81は、耕耘機10の使用状態(図1の状態)において、受け取った飛散潤滑油66bを潤滑部分52(図8に示される第1軸用第2軸受52)へ導びくように常に下向きに傾斜している。つまり、該油路81の上流端81aは、左の側壁74の上端面と前の側壁73の上端面とのコーナに位置している。該油路81の下流端81bは、右の側壁75(露出軸受側の側壁75)の上端面のなかの、第1軸用第2軸受52の真上に位置している。このため、該油路81は上流端81aから下流端81bへ向かって、下がり勾配に形成される。このため、耕耘機10の使用状態において、飛散潤滑油66bを油路81から潤滑部分52へ、容易に供給することができる。
さらに、図8及び図9に示されるように、右の側壁75には、該油路81の下流端81bの下方に、油溜部83と油孔84が形成されている。該油溜部83は、第1軸用第2軸受52のなかの、軸方向の外面52aに隣接している。該油孔84は、下流端81bと油溜部83とを連通している。この結果油路81は、油溜部83に連通している。
図6、図8、図9及び図11に示されるように、該リッド91は、開口78を覆うカバー部92と、該カバー部92の周縁に形成されたフランジ93とからなる、鋼板のプレス成型品である。該カバー部92は、下端を開放するとともに、上方へ膨出した有底カップ状に形成されている。該フランジ93は、該開口78の周縁部に重ねられて、ケース本体71のフランジ79にボルト止めされる。
リッド91は、油路81の上の開放状態を維持しつつ、ケース本体71の上端面72を覆っている。さらに、リッド91は、カバー部92とフランジ93との境界の、少なくとも一部は、油路81の真上に位置している。
該カバー部92の天板94は、左端から右端へ向かって傾斜した概ね平板状に形成されている。このため、該天板94の下面に付着した潤滑油を油路81へ向かって導くことができる。
図4、図6、図8及び図9に示されるように、ケース70のなかの、ケース本体74の右の側壁75の内面75aと第4ギヤ44の側面44aとの間には、間隙77の大きさを拡大した間隙拡大部95を有する。間隙拡大部95は、伝動装置13が使用状態の姿勢のときに、ケース70に貯留されている潤滑油66の油面66aよりも上位に位置するとともに、油路81に連通している。
該間隙拡大部95は、油路81の真上に位置しており、リッド91に一体に形成されている。このため、潤滑油66を供給する構成を簡単にできるとともに、新たな部材を必要としない。
詳しく述べると、該間隙拡大部95は、第4ギヤ44の右側の側面44aのなかの、上端部に隣接するとともに、間隙77の上端に連通している。図6〜図8に示されるように、該間隙拡大部95は、リッド91の天板94の右端からフランジ93へ向かって傾斜した斜片部96によって構成されている。該斜片部96は、油路81の下流端81bの上に空間部、つまり間隙拡大部95を形成するように位置している。つまり、該斜片部96は、間隙拡大部95に入った潤滑油66cを油路81へ案内するように、傾斜している。このため、第4ギヤ44が回転することによって、間隙77から、せり上げられた(すり上げられた潤滑油66cは、間隙拡大部95に入り、傾斜した斜片部96の内面を伝わって、油路81の下流端81bに流下し得る。
図8に示されるように、該間隙77は、第4ギヤ44が回転することによって、右の側壁75の内面75aと第4ギヤ44の側面44aとの間から潤滑油66cをせり上げることが可能な大きさに設定されている。
以上の説明をまとめると、次の通りである。図4及び図10に示されるように、ケース本体71の上端面72の開口78の周縁部には、上が開放された油路81を有する。図10に示されるように、第2ギヤ42によって跳ね上げられて飛散した飛散潤滑油66bは、油路81へ届く。該油路81は、該飛散潤滑油66bを受け取り可能である。図8及び図9に示されるように、該飛散潤滑油66bは、油路81から油孔84を通って油溜部83へ流れる。該油溜部83に溜まった飛散潤滑油66bは、第1軸用第2軸受52へ供給される。従って、該飛散潤滑油66bを、該油路81から第1軸用第2軸受52へ容易に導くことができる。
さらには、図4、図9及び図10に示されるように、リッド91は、油路81の上の開放状態を維持しつつ、ケース本体71の上端面72を覆っている。このため、ケース本体71に貯留されている潤滑油66から露出した、第4ギヤ44を支持する第1軸用第2軸受52に、少ない潤滑油66を効率よく供給することができる。
さらには、該油路81は、開口78の周縁部に直接に形成されている。このため、ケース本体71に対して油路81を別部材によって構成する必要はない。ケース本体71に対して油路81を別部材によって構成する場合に較べて、油路81を簡単な構成にできる。油路81を備えたケース本体71の部品数を低減することができる。しかも、ケース本体71の開口78の周縁部に、該油路81を直接に形成するだけであるから、該油路81の配置の自由度を高めることができる。このように改良した構成の伝動装置13を作業機10(図1参照)等の機械、いわゆる実機に搭載するのであるから、該実機の重量、重量配分、関連部品とに及ぼす影響を極力軽減することができる。
さらには、ケース本体71には、第1軸用第2軸受52のなかの、軸方向の外面52aに隣接した油溜部83が形成されている。油路81は、油溜部83に連通している。このため、飛散潤滑油66bは油路81から油溜部83へ導かれる。該油溜部83に溜まった飛散潤滑油66bによって、第1軸用第2軸受52を容易に且つ効率よく潤滑することができる。
さらには、リッド91において、カバー部92とフランジ93との境界の、少なくとも一部は、油路81の真上に位置している。このため、第2ギヤ42によって跳ね上げられた飛散潤滑油66bの一部が、該カバー部92に付いても、カバー部92を伝わって、フランジ93との境界から油路81へ、流れ落ちる。従って、油路81によって、飛散潤滑油66bをより一層効率よく回収することができる。
一方、伝動装置13を始動する始動初期の低温時や、該伝動装置13をを使用する環境温度が低いことによって、潤滑油66の粘度が大きく、流動性が低い場合が有り得る。この場合には、流動性が低い潤滑油66は、図4、図8及び図12に示されるように、第4ギヤ44が回転することによって、ケース70の側壁75の内面75aと第4ギヤ44の側面44aとの間の間隙77から、せり上げられる(すり上げられる)。該せり上げられた潤滑油66cは、間隙拡大部95に入るので、これ以上せり上げられることはない。該せり上げられた潤滑油66cは、間隙拡大部95から油路81へ流れ、油孔84と油溜部83とを通って、第1軸用第2軸受52に導かれる。このため、ケース本体71に貯留されている潤滑油66を、第1軸用第2軸受52に効率よく供給することができる。しかも、間隙77の大きさを最適なものに設定するだけなので、潤滑油66を供給する構成を簡単にできるとともに、新たな部材を必要としない。
より詳しく述べると、ケース70に貯留されている潤滑油66を、第3ギヤ43の歯によって掻き上げることができる。掻き上げられた潤滑油66の一部66cは歯溝に残る。残った潤滑油66cは、上下の第3及び第4ギヤ43,44の歯同士が噛み合うことによって、第3ギヤ43の歯溝から第4ギヤ44の歯溝に受け渡すことができる。該第4ギヤ44の歯溝に受け渡された潤滑油の一部66cは、歯幅方向へ流れることによって、ケース70の右の側壁75の内面75aと第4ギヤ44の歯の側面44aとの間の間隙77に流出する。該間隙77に流れた潤滑油66cは、第4ギヤ44が回転することによって、せり上げられる(すり上げられる)。該せり上げられた潤滑油66cは、間隙拡大部95から油路81へ流れ、油孔84と油溜部83とを通って、第1軸用第2軸受52に導かれる。このようにして、ケース70に貯留されている潤滑油66cを、第1軸用第2軸受52に効率よく供給することができる。
さらには、油路81は、上が開放されている。間隙拡大部95は、油路81の真上に位置している。このため、せり上げられて間隙拡大部95に入った潤滑油66を、間隙拡大部95の真下にある油路81によって、確実に効率よく受けることができる。
本発明の伝動装置13は、歩行型耕耘機に搭載するのに好適である。
10 作業機(耕耘機)
13 伝動装置
14 作業部
30 伝動機構
31 第1の軸
43 第3ギヤ(下位のギヤ)
44 円盤状回転体(下位のギヤ、第4ギヤ)
44a 円盤状回転体の側面(第4ギヤの側面)
52 軸受(第1軸用第2軸受、潤滑部分)
66 潤滑油
66a 油面
70 ケース
71 ケース本体
72 上端面
75a ケースの側壁の内面
77 間隙
81 油路
83 油溜部
84 油孔
91 リッド
92 カバー部
93 フランジ
95 間隙拡大部

Claims (4)

  1. 動力を伝達する円盤状回転体を含む伝動機構が、ケースの内部に収納され、
    該ケースの底部に潤滑油が貯留され、
    前記円盤状回転体は、軸と該軸を支持する軸受とによって前記ケースに回転可能に支持されている伝動装置において、
    前記ケースの側壁の内面と前記円盤状回転体の側面との間には、間隙と、該間隙の大きさを拡大した間隙拡大部とを有し、
    前記間隙は、前記円盤状回転体が回転することによって、前記ケースの側壁の内面と前記円盤状回転体の側面との間から前記潤滑油をせり上げることが可能な大きさに設定され、
    前記間隙拡大部は、前記伝動装置が使用状態の姿勢のときに、前記ケースに貯留されている前記潤滑油の油面よりも上位に位置するとともに、油路に連通していることを特徴とする伝動装置。
  2. 前記ケースは、上端面が開放されたケース本体と、前記上端面を覆うリッドとからなり、
    前記間隙拡大部は、前記リッドに形成されていることを特徴とする請求項1記載の伝動装置。
  3. 前記円盤状回転体は、前記伝動装置が使用状態の姿勢のときに、前記ケースに貯留されている前記潤滑油の油面よりも上位に位置する上位のギヤによって構成され、
    前記ケース内には、前記上位のギヤよりも下位に位置して該上位のギヤに噛み合う下位のギヤが収納されており、
    該下位のギヤは、前記ケースに貯留されている前記潤滑油に少なくとも一部の歯が浸っていることを特徴とする請求項1記載の伝動装置。
  4. 前記油路は、上が開放されており、
    前記間隙拡大部は、前記油路の真上に位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の伝動装置。
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