JP4848775B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源の駆動力を駆動対象物に伝達する動力伝達装置に関するものである。
従来から、例えば、エンジン(駆動源)の出力軸と油圧ポンプ(駆動対象物)の入力軸とを連結して、エンジンの駆動力を油圧ポンプに伝達する動力伝達装置が知られている。
前記動力伝達装置は、前記出力軸にスプライン軸を介して連結される入力歯車と、この入力歯車に噛合するとともに前記入力軸に連結される出力歯車と、出力軸及び入力軸をそれぞれ回転可能に挿通しながら両歯車を収納するハウジングと、このハウジング内に溜められて両歯車の間を潤滑する潤滑油とを備えている。
この種の動力伝達装置には、ハウジング内の潤滑油を利用して、出力軸及び入力歯車とスプライン軸との間をも潤滑するようにしたものも知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の動力伝達装置では、図11に示すような駆動軸(スプライン軸)101を備え、この駆動軸101は、両端末にそれぞれスプライン部101a、101bが形成されており、これらの端末が主歯車(入力歯車)102とカップリング(出力軸)103とにそれぞれ嵌入されることにより、主歯車102とカップリング103とが相互一体に回転するように連結されている。
駆動軸101は、その基端部がカップリング103の基端側を塞ぐフライホイール(入力軸)104に到達する位置まで挿入されている一方、その先端部が主歯車102に形成された肩部102aに到達する位置まで挿入され、当該主歯車102には、前記肩部102aから先端側に貫通する孔102bが形成されている。
そして、特許文献1の動力伝達装置では、主歯車102及び駆動軸101が回転駆動している状態で、第1通路105を通してカップリング103の先端側から孔102bにハウジング内の潤滑油を導入することにより、当該潤滑油が、前記回転駆動の遠心力に応じて孔102bの内側面に密着しながら、矢印Y1で示すように駆動軸101の油溝106を介して当該駆動軸101の外周面と主歯車102の内周面との間に導かれるようになっている。
特開平10−205318号公報
しかしながら、特許文献1の動力伝達装置では、駆動軸101と主歯車102との間のスプライン部101aに潤滑油を流すことができるものの、駆動軸101とカップリング103との間のスプライン部101bに潤滑油を流すのが困難だった。
すなわち、スプライン部101aとスプライン部101bとは、主歯車102とカップリング103との間の間隙S1によって分断されているため、矢印Y1のように進行する潤滑油は、主歯車102等の回転駆動による遠心力によって、矢印Y2に示すように前記間隙S1から外側へ流出してしまう。
したがって、前記特許文献1の動力伝達装置では、駆動軸101とカップリング103との間(前記スプライン部101b)に充分な量の潤滑油を流すことができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スプライン軸と出力軸との間に充分な量の潤滑油を流すことができる動力伝達装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、駆動源の駆動力を駆動対象物に伝達する動力伝達装置であって、両端末に第一スプライン部及び第二スプライン部が設けられ、前記第一スプライン部が前記駆動源の出力軸に形成された軸受け孔の底部に到達するまで嵌入されることにより前記出力軸に対しスプライン結合されるスプライン軸と、有底の嵌入穴が形成され、この嵌入穴の底部に到達するまで前記第二スプライン部が嵌入されることにより、前記スプライン軸に対しスプライン結合される入力歯車と、この入力歯車と噛合するとともに前記駆動対象物の入力軸に連結される出力歯車と、前記出力軸及び入力軸が略水平な姿勢で回転可能に挿通されるとともに、前記両歯車及びこれらの歯車を潤滑する潤滑油を収容するハウジングと、前記ハウジング内の潤滑油を予め設定された注入対象箇所に流し込む注入手段とを備え、前記入力歯車には、前記嵌入穴の底部から当該嵌入穴よりも小さな開口面積で前記スプライン軸の嵌入方向に入力歯車を貫通する貫通孔と、この貫通孔の内側面を延出するように前記嵌入穴の底部から当該嵌入穴内に突出する突出部とが形成され、前記スプライン軸には、前記貫通孔よりも大きな開口面積でスプライン軸をその軸線方向に貫通して前記突出部を内包する案内孔が形成され、前記出力軸とスプライン軸との間には、前記軸受け孔の底部と前記第一スプライン部の端面との間、及び前記第一スプライン部の外側面と軸受け孔の内側面との間に、それぞれ潤滑油を導くことが可能な間隙が形成され、前記ハウジングは、前記出力軸が回転可能に挿通される駆動源側壁及びこれと対向する対向壁を備え、前記注入手段は、前記両歯車の噛合によって飛散して前記対向壁の内側面に沿って流下する前記潤滑油を集めて前記貫通孔内に流し込む注入部を備えていることを特徴とする動力伝達装置を提供する。
本発明によれば、注入手段によって入力歯車の貫通孔内に流し込まれた潤滑油を、当該貫通孔、スプライン軸の案内孔、及び軸受け孔の底部と第一スプライン部との間の間隙を通して、第一スプライン部と軸受け孔の内側面との間の間隙まで導くことができる。
具体的に、本発明では、貫通孔よりも案内孔の開口面積が大きく設定されているとともに貫通孔から案内孔の内側に突出部が突出して形成されている、つまり、スプライン軸の軸線方向において案内孔の内側面と突出部とがオーバーラップして形成されているため、注入手段により貫通孔内に流し込まれた潤滑油は、当該貫通孔を通って突出部の内側面まで導かれ、入力歯車の回転駆動に伴う遠心力によってスプライン軸の案内孔の内側面に導かれることになる。
したがって、本発明によれば、図11に示す従来の動力伝達装置のように入力歯車の内径寸法D1がスプライン軸の内径寸法D2よりも大きく設定されて、入力歯車内の潤滑油が遠心力により矢印Y1に示すようにスプライン軸と入力歯車との間に導かれる場合と異なり、入力歯車の貫通孔からスプライン軸の案内孔へ潤滑油を確実に導くことができる。
そして、案内孔内の潤滑油は、当該案内孔に沿って第一スプライン部まで導かれ、軸受け孔の底部と第一スプライン部との間の間隙を通して、前記第一スプライン部と軸受け孔の内側面との間に導かれる。
したがって、本発明によれば、スプライン軸と出力軸との間に充分な量の潤滑油を流すことができる。
さらに、本発明によれば、両歯車の噛合によって対向壁の内側面に飛散する潤滑油を前記貫通孔に流し込むことができるので、油圧ポンプ等の特別の動力を要することなく、第一スプライン部と軸受け孔の内側面との間に潤滑油を流すことができる。
前記動力伝達装置において、前記注入手段は、前記駆動源側壁に飛散した潤滑油を前記注入部に導く第一案内手段を備えていることが好ましい。
前記動力伝達装置において、前記入力歯車には、前記貫通孔の内側面から突出して、前記注入部から流し込まれた潤滑油が前記入力歯車の対向壁側の端面から流出するのを規制する堰部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、前記注入部から流し込まれた潤滑油が堰部によって入力歯車の対向壁側の端面から流出するのを規制して、当該潤滑油を確実にスプライン軸側に導くことができる。
前記動力伝達装置において、前記入力歯車は、歯車本体と、この歯車本体に嵌入される円筒部材とを備え、この円筒部材の内腔部が前記貫通孔とされているとともに、当該円筒部材には、前記突出部が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、入力歯車を歯車本体と円筒部材との2部品で構成することができるので、歯の形成等の多数の工程が施される歯車本体の製造工程と、円筒部材の製造工程とを別々にすることができ、入力歯車に直接突出部を形成する場合と比較して、入力歯車の加工を容易に行うことができる。
特に、前記構成では、歯車本体に断面円形の孔を形成して、後から円筒部材を嵌入することにより、歯車本体に突出部を付加することができるので、突出部が入力歯車に直接形成されている場合と異なり、入力歯車の加工過程で、前記断面円形の孔の開口部をアーバー等の保持具による保持箇所として利用することができる。
前記動力伝達装置において、前記案内孔の内側面は、少なくとも一部が前記第一スプライン部側の端末へ向けて広がるテーパ面とされていることが好ましい。
この構成によれば、案内孔の内側面に導かれた潤滑油を、前記遠心力によってスプライン軸の軸線と直交する方向へ押し出しつつ、確実に第一スプライン部側の端末へ導くことができる。
前記動力伝達装置において、前記第二スプライン部の端面と前記嵌入穴の底部との間及び、当該第二スプライン部の外側面と嵌入穴の内側面との間には、前記入力歯車からスプライン軸に導かれる潤滑油の一部を導くことが可能な間隙が形成されているとともに、前記注入手段により貫通孔の内側面に導かれた潤滑油の少なくとも一部を第二スプライン部側の端末に導く第二案内手段をさらに備え、前記第二案内手段は、前記案内孔の内側面のうち前記突出部から前記入力歯車の回転に伴う遠心力により潤滑油が飛散する範囲の少なくとも一部に形成されているとともに前記スプライン軸の軸線を中心とする円柱面を備え、この円柱面は、前記遠心力によって飛散した潤滑油の少なくとも一部を前記第二スプライン部側の端末に流すように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、第二案内手段によって第二スプライン部と嵌入穴の内側面との間にも潤滑油を流すことができる。
さらに、前記構成によれば、案内孔の内側面(円柱面)に飛散した潤滑油の一部を利用することにより、当該スプライン軸と入力歯車との間も潤滑することができる。
前記動力伝達装置において、前記円柱面は、案内孔の内側面のうち当該円柱面以外の範囲よりもスプライン軸の軸線に近い位置に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、円柱面と円柱面以外の範囲との間に、当該円柱面を頂点とする落差を形成することができるので、円柱面から円柱面以外の範囲に導かれた潤滑油が円柱面に逆流するのを抑制することができる。
前記動力伝達装置において、前記円柱面と前記円柱面以外の範囲とが、前記案内孔の内側面に略垂直な立直面により連結されていることが好ましい。
この構成によれば、立直面によって円柱面以外の範囲に導かれた潤滑油が円柱面に逆流するのを確実に阻止することができる。
前記動力伝達装置において、前記スプライン軸は、軸本体と、この軸本体に嵌入される円筒部材とを備え、この円筒部材の内腔部が前記案内孔とされているとともに、当該円筒部材には、前記円柱面が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、スプライン軸を軸本体と円筒部材との2部品で構成することができるので、歯の形成等の多数の工程が施される軸本体の製造工程と、円筒部材の製造工程とを別々にすることができ、円柱面及びこの円柱面に伴う落差(以下、円柱面等と称す)をスプライン軸に直接形成する場合と比較して、スプライン軸の加工を容易に行うことができる。
前記動力伝達装置において、前記第二案内手段は、前記突出部に形成されているとともに当該突出部をスプライン軸の軸線と直交する方向に貫く貫通部を通して、突出部の内側面まで導かれた潤滑油の一部を前記遠心力によって第二スプライン部側の端末に導くことが好ましい。
前記動力伝達装置において、前記第二スプライン部の端面と前記嵌入穴の底部との間及び、当該第二スプライン部の外側面と嵌入穴の内側面との間には、前記入力歯車からスプライン軸に導かれる潤滑油の一部を導くことが可能な間隙が形成されているとともに、前記注入手段により貫通孔の内側面に導かれた潤滑油の少なくとも一部を第二スプライン部側の端末に導く第二案内手段をさらに備え、前記第二案内手段は、前記突出部に形成されているとともに当該突出部をスプライン軸の軸線と直交する方向に貫く貫通部を通して、突出部の内側面まで導かれた潤滑油を前記入力歯車の回転に伴う遠心力によって第二スプライン部側の端末に導くことが好ましい。
この構成によれば、貫通部を通過した潤滑油によって、スプライン軸と入力軸との間にも潤滑油を流すことができる。
本発明によれば、スプライン軸と出力軸との間に充分な量の潤滑油を流すことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る動力伝達装置の一部を省略して示す背面図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図3は、図2の一部を拡大して示す側面一部略図である。
各図を参照して、本実施形態に係る動力伝達装置1は、作業機械のエンジンと油圧ポンプ(駆動対象物)2との間に設けられ、エンジンの動力を3台の油圧ポンプ2(図2では2台示している)に伝達するようになっている。
具体的に、動力伝達装置1は、エンジンの出力軸3に連結される入力歯車5と、この入力歯車5に噛合するとともに各油圧ポンプ2の入力軸4にそれぞれ連結される3つの出力歯車6と、前記出力軸3及び入力軸4が略水平な姿勢で回転自在に挿通されるとともに各歯車4、5を収納するハウジング7とを備えている。なお、出力軸3の軸線方向の先端部側(油圧ポンプ2が配設されている側)を、以下後方として説明する。
エンジンの出力軸3は、軸本体3aと、この軸本体3aの先端部に順に連結されたフライホイール8及びカップリング9とを備え、このカップリング9と入力歯車5とがスプライン軸10によって連結されている。
フライホイール8は、その前端面が軸本体3aに同軸に固定されている一方、その後面がスペーサ11に対しボルトB1によって固定されている。
カップリング9は、軸受け孔12が形成されたカップリング本体14と、前記軸受け孔12に前方から嵌入される蓋体(軸受け孔12の底部)15とを備えている。
また、カップリング9は、カップリング本体14の前端部に形成されたフランジ部14aが前記スペーサ11に対しボルトB2によって固定されている。これにより、前記軸受け孔12の軸線が前後方向に沿って配置されるとともに、カップリング9が軸本体3aに対し同軸に連結される。
カップリング本体14には、軸受け孔12の内側面の後側の範囲に、前記スプライン軸10の前端部10aの第一スプライン部N1に噛合する内歯(図示せず)が形成されている。
蓋体15は、軸受け孔12の内側面に対し液密状態で嵌入されるフランジ部16と、このフランジ部16から前方へ突出する受け部17とを備えている。この受け部17の前端面には、上下及び左右方向に延びるとともに前方へ開く逃がし溝17a(図4参照)が形成されている。
図4は、図3のスプライン軸を拡大して示す側面断面図である。
図4を参照して、スプライン軸10は、その前端部10aが前記軸受け孔12に後方から嵌入されることにより、その第一スプライン部N1と軸受け孔12の内歯とが噛合するようになっており、この噛合時には、第一スプライン部N1と軸受け孔12の内側面との間に微小の間隙が形成される。
また、スプライン軸10には、その軸線を中心とする円形断面の案内孔18が形成されている。
案内孔18は、スプライン軸10の軸線方向の前側から順に、収容面19、この収容面19に対し支持面20を介して同軸に連接された第一テーパ面21、この第一テーパ面21に対し第一傾斜面22を介して同軸に連接された第二テーパ面23、及び、この第二テーパ面23に対し第二傾斜面24を介して同軸に連接された円柱面(第二案内手段の一例)25によって取り囲まれた孔である。
収容面19は、その内側に前記蓋体15の受け部17を受け入れるようになっており、この蓋体15と支持面20とが当接するところまでスプライン軸10がカップリング9に嵌入されている。したがって、この支持面20と受け部17との間には、蓋体15の逃がし溝17aの深さ寸法の分だけ間隙が形成される。
第一テーパ面21及び第二テーパ面23は、前向きに広がるテーパ面とされ、これらテーパ面21、23の連接部は、第一傾斜面22の分だけ第一テーパ面21の方が大きな内径寸法とされている。
第二傾斜面24は、第二テーパ面23から円柱面25までを緩やかな傾斜で結ぶように形成されている。
円柱面25は、図5の(b)に示すように、スプライン軸10の軸線を中心とする内側面であり、第二傾斜面24の分だけ第一テーパ面21の後端部よりも小さな内径寸法とされている。すなわち、案内孔18の内側面のうち円柱面25が最もスプライン軸10の軸線に寄って配置されている。
さらに、スプライン軸10の後端面には、その軸線と直交する方向に延びるとともに後方へ開く逃がし溝26が形成されている。
再び図2及び図3を参照して、入力歯車5は、歯車本体27と、この歯車本体27に後方から嵌入されたスリーブ(円筒部材)28とを備えている。
歯車本体27には、前方へ開く嵌入穴29と、この嵌入穴29の底部29aから後方に貫通する孔30とが形成されている。前記スプライン軸10の後端部10bは、嵌入穴29に対し底部29aに到達する位置まで嵌入されている。したがって、スプライン軸10の後端部10bと底部29aとの間には、前記逃がし溝26の深さ寸法の分だけ間隙が形成される。
嵌入穴29の内側面には、前記スプライン軸10の後端部10bの第二スプライン部N2に噛合する内歯(図示せず)が形成されている。
そして、この嵌入穴29に前記スプライン軸10の後端部10bが前方から嵌入されると、スプライン軸10の第二スプライン部N2と嵌入穴29の内歯(図示せず)とが噛合し、この噛合時には、第二スプライン部N2と嵌入穴29の内側面との間に微小の間隙が形成される。
さらに、スプライン軸10の前端部10aがカップリング本体14の受け部17まで嵌入されるとともに、スプライン軸10の後端部10bが入力歯車5の底部29aまで嵌入された状態においては、カップリング本体14と入力歯車5との間に間隙S2が形成される。
スリーブ28は、断面円形の貫通孔31が形成された円筒状の部材である。このスリーブ28の前端部には、図5の(b)に示すように、貫通孔31の内側面を前記円柱面25の内側まで延出するように突出部32が形成されている。一方、スリーブ28の後端部には、図5の(a)に示すように、貫通孔31の内側面から内側へ突出する堰部33が形成されている。
図1〜図3を参照して、ハウジング7は、前記各歯車5、6を前後に挟んで対向する駆動源側壁34及び対向壁35と、各歯車5、6を上下に挟んで対向する天壁36及び底壁37と、各歯車5、6を左右に挟む右壁38及び左壁39とを備えた箱状に形成されている。このハウジング7内には、その下部に油溜め部40が設けられ、この油溜め部40には、前記出力歯車6の下部が浸漬される潤滑油41が溜められている。
駆動源側壁34には、シール部材R1が設けられ、このシール部材R1を介して前記出力軸3のカップリング9が回転可能に挿通されている。
また、駆動源側壁34及び対向壁35には、入力歯車5又は出力歯車6のそれぞれに対応して前後に対をなす軸受けR2、R3又は軸受けR4、R5が設けられ、これら軸受けR2〜R5によって、両歯車5、6が両壁34、35に対し出力軸3又は入力軸4回りに回転可能に支持されている。
さらに、前記ハウジング7には、前記駆動源側壁34及び対向壁35に飛散した潤滑油41を集めて、入力歯車5及びカップリング9とスプライン軸10との間に流し込む回収供給手段(注入手段)42が設けられている。
回収供給手段42は、前記対向壁35に設けられた注入部43と、前記駆動源側壁34に飛散した潤滑油41を注入部43に導く案内手段(第一案内手段)44とを備えている。
図5の(a)を参照して、注入部43は、対向壁35の内側面35aから前方へ突出した収集壁45と、この収集壁45の谷部45aから前方へ突出した突起部46とを備えている。
収集壁45は、正面視で上方へ開くV字型に形成され(図1参照)、前記対向壁35の内側面35aに沿って流下する潤滑油41をその谷部45aに集めるようになっている。
突起部46は、前記入力歯車5に形成された堰部33の頂点位置よりも前方まで延びて形成されている。また、この突起部46は、その上面に形成された溝46aに沿って前記収集壁45の谷部45aに集められた潤滑油41を前方へ導き、前記貫通孔31内に流し込むようになっている。
また、突起部46の上方位置には、対向壁35を前後に貫通する導入孔35bが形成され、この導入孔35b内に案内手段44からの潤滑油41が導かれるようになっている。
図6は、図1のVI−VI線断面図である。図7は、図6のVII−VII線断面図である。図8は、図7のVIII−VIII線断面図である。
図3及び図6〜図8を参照して、案内手段44は、駆動源側壁34の内側面34aから対向壁35の内側面35aまでを連結する連結部材47と、この連結部材47から前記導入孔35bまでをつなぐ外側通路48とを備えている。
連結部材47は、駆動源側壁34の内側面34aに沿って流下する潤滑油41を集める収集部49と、この収集部49により収集された潤滑油41を対向壁35まで導く連結部50とを一体に備えている。
収集部49は、正面視で上方へ開くV字型に形成され、駆動源側壁34の内側面34aに沿って流下する潤滑油41をその谷部49aに集めるようになっている。一方、連結部50は、前記谷部49aに連通する凹溝50aが形成された樋状とされている。この凹溝50aは、谷部49aから後方へ向けて下方に傾斜して形成されている。
したがって、前記収集部49により収集された潤滑油41は、その自重で収集部49の谷部49a及び連結部50の凹溝50aを通って対向壁35まで導かれる。
そして、前記対向壁35には、図6に詳しく示すように、内側面35aからハウジング7の外側へ貫通する導出孔35cが前記凹溝50aよりも下方に形成されている。したがって、凹溝50aを通って導かれた潤滑油41は、導出孔35cを通ってハウジング7の外側へ導出されて、外側通路48内に導入される。
外側通路48は、連結チューブ51と、この連結チューブ51の両端末に接続されたニップル52及びニップル53とを備えている。
具体的に、連結チューブ51は、一方のニップル52を介して前記対向壁35の導出孔35cに連通しているとともに、他方のニップル53を介して対向壁35の導入孔35bに連通し、これらニップル52、53間の途中部が導出孔35cから導入孔35bに向けて下り傾斜又は略水平となるように配設されている(図2参照)。
次に、前記動力伝達装置1の動作時における潤滑油の流動について説明する。
まず、前記出力軸3が回転駆動を開始すると、入力歯車5及びこの入力歯車5と噛合する出力歯車6が回転駆動を開始する。この駆動に応じて、油溜め部40内の潤滑油は、出力歯車6によって掻き上げられて入力歯車5との噛合位置まで導かれ、両歯車5、6間を潤滑する。
この噛合時には、潤滑油41が両歯車5、6間に挟み込まれ、当該両歯車5、6の噛合位置から駆動源側壁34又は対向壁35側に飛散する。
駆動源側壁34に飛散した潤滑油41は、図6に示すように、駆動源側壁34の内側面34aに沿って流下する途中で、その一部が収集部49に収集されて、連結部50の凹溝50aを通じて外側通路48まで導かれる。
そして、外側通路48により導かれた潤滑油41は、図5の(a)の矢印Y3に示すように、注入部43自体で集められた潤滑油41と合流した上で、注入部43の溝46aを通して入力歯車5の貫通孔31内に流し込まれる。
ここで、図5の(a)に示すように、注入部43の突起部46は堰部33よりも前方まで延びて形成されているので、この突起部46から滴下される潤滑油41は、入力歯車5の堰部33よりも前方に流し込まれて、堰部33によって後方への流れが規制される。
そして、貫通孔31内に導かれた潤滑油41は、出力軸3(入力歯車5)の回転駆動に伴う遠心力によって貫通孔31の内側面に張り付きながら、図5の(b)に示すように、当該内側面に沿って前記突出部32の前端部まで導かれ、前記遠心力によって、突出部32の前端部から矢印Y4に示すように前記案内孔18の円柱面25に飛散する。
前記円柱面25は入力歯車5の軸線を中心として形成されているので、当該円柱面25に飛散した潤滑油41は、図5の(b)の矢印Y5及び矢印Y6に示すように、前記遠心力によって円柱面25上で前後各方向に略均等に分散して、二股に分かれて流れることになる。
そして、矢印Y5のように前方へ流れる潤滑油41は、前記遠心力によって前記第二傾斜面24に沿って第二テーパ面23へ流れ、さらに図4の矢印Y7に示すように、第一傾斜面22及び第一テーパ面21を介して受け部17の後端面まで導かれる。
第一テーパ面21に沿って流れる潤滑油41は、矢印Y8に示すように、スプライン軸10の支持面20と受け部17の逃がし溝17aとの間を通って、スプライン軸10の前方へ導出される。
前記カップリング本体14の前方開口部は、前記蓋体15によって閉塞されているため(図3参照)、スプライン軸10の前方へ導出された潤滑油41は、図4の矢印Y9に示すように、スプライン軸10の第一スプライン部N1と軸受け孔12の内側面との間隙を通って後方へ導かれ、前記カップリング本体14と入力歯車5との間の間隙S2からハウジング7内に導出される。
一方、図5の(b)の矢印Y6のように円柱面25から後方へ導かれた潤滑油41は、矢印Y10に示すように、スプライン軸10の逃がし溝26と入力歯車5の底部29aとの間を通って、スプライン軸10の第二スプライン部N2と嵌入穴29の内側面との間に導かれ、前記カップリング本体14と入力歯車5との間の間隙S2を介してハウジング7内に導出される。
以上説明したように、前記動力伝達装置1によれば、回収供給手段(注入手段)42によって入力歯車5の貫通孔31内に流し込まれた潤滑油41を、当該貫通孔31、スプライン軸10の案内孔18、及び受け部(軸受け孔12の底部)17と第一スプライン部N1との間の間隙(逃がし溝17aの深さに対応する間隙)を通して、第一スプライン部N1と軸受け孔12の内側面との間の間隙まで導くことができる。
具体的に、本発明では、貫通孔31よりも案内孔18の開口面積が大きく設定されているとともに貫通孔31から案内孔18の内側に突出部32が突出して形成されている、つまり、スプライン軸10の軸線方向(前後方向)において案内孔18の内側面と突出部32とがオーバーラップして形成されているため、回収供給手段42により貫通孔31内に流し込まれた潤滑油41は、図5の(b)の矢印Y4に示すように、貫通孔31を通って突出部32の内側面まで導かれ、入力歯車5の回転駆動に伴う遠心力によってスプライン軸10の案内孔18の内側面に導かれることになる。
したがって、前記動力伝達装置1によれば、図11に示す従来の動力伝達装置のように入力歯車の内径寸法D1がスプライン軸の内径寸法D2よりも大きく設定されて、入力歯車内の潤滑油が遠心力により矢印Y1に示すようにスプライン軸と入力歯車との間に導かれる場合と異なり、入力歯車5の貫通孔31からスプライン軸10の案内孔18へ潤滑油41を確実に導くことができる。
そして、案内孔18内の潤滑油は、図4の矢印Y7に示すように、案内孔18に沿って第一スプライン部N1まで導かれるとともに、矢印Y8に示すように逃がし溝17aを通って、矢印Y9に示すように第一スプライン部N1と軸受け孔12の内側面との間に導かれる。
したがって、前記動力伝達装置1によれば、スプライン軸10と出力軸3との間に充分な量の潤滑油41を流すことができる。
前記実施形態のように注入部43を備えた構成によれば、両歯車5、6の噛合によって対向壁35に飛散する潤滑油41を貫通孔31に流し込むことができるので、油圧ポンプ等の特別の動力を要することなく、第一スプライン部N1と軸受け孔12の内側面との間に潤滑油41を流すことができる。
前記実施形態のように貫通孔31の内側面から突出する堰部33を備えた構成によれば、注入部43から流し込まれた潤滑油41が堰部33によって入力歯車5の後端面(対向壁35側の端面)から流出するのを抑制して、当該潤滑油41を確実にスプライン軸10側に導くことができる。
前記実施形態のように貫通孔31が形成されたスリーブ(円筒部材)28を歯車本体27に嵌入するようにした構成によれば、入力歯車5を歯車本体27とスリーブ28との2部品で構成することができるので、歯の形成等の多数の工程が施される歯車本体27の製造工程と、スリーブ28の製造工程とを別々にすることができ、入力歯車5に直接突出部32を形成する場合と比較して、入力歯車5の加工を容易に行うことができる。
特に、前記実施形態では、歯車本体27に断面円形の孔を形成して、後からスリーブ28を嵌入することにより、歯車本体27に突出部32を付加することができるので、突出部32が入力歯車5に直接形成されている場合と異なり、入力歯車5の加工過程で、前記断面円形の孔の開口部をアーバ等の保持具による保持箇所として利用することができる。
前記実施形態のように案内孔18の内側面が第一テーパ面21、第二テーパ面23とされた構成によれば、案内孔18の内側面に導かれた潤滑油41を、前記遠心力によってスプライン軸10の軸線と直交する方向へ押し出しつつ、確実に第一スプライン部N1側の端末へ導くことができる。
前記実施形態のように円柱面25を備えた構成によれば、図5の(b)の矢印Y6に示すように、注入部43により貫通孔31内に導かれた潤滑油41の一部を、第二スプライン部N2側の端末に流して、矢印Y10に示すように、第二スプライン部N2と嵌入穴29の内側面との間の間隙に導くことができるので、スプライン軸10と入力歯車5との間も潤滑することができる。
前記実施形態のように円柱面25が案内孔18の内側面の他の部分よりもスプライン軸10の軸線に近い位置に配置された構成によれば、円柱面25と円柱面25以外の範囲との間に、当該円柱面25を頂点とする落差を形成することができるので、円柱面25から円柱面25以外の範囲に導かれた潤滑油41が円柱面25に逆流するのを抑制することができる。
なお、前記実施形態では、スプライン軸10の円柱面25と第二テーパ面23とが第二傾斜面24によって緩やかな傾斜で結ばれた構成について説明しているが、図9の(a)に示すように、第二テーパ面23に対し略垂直な立直面54によって第二テーパ面23と円柱面25とが結ばれた構成としてもよい。
このように構成することにより、円柱面25から第二テーパ面23へ流れた潤滑油41が円柱面25側へ逆流するのを確実に阻止することができる。
さらに、図9の(b)に示すように、前記立直面54を前記スプライン軸10の軸本体58に嵌入されたスリーブ(円筒部材)55の外周面によって構成することもできる。この場合、スリーブ55の内側面を前記円柱面25(案内孔18)として利用することもできる。
この前記実施形態のように、スプライン軸10を軸本体58とスリーブ55との2部品に分けた構成によれば、刃の形成等の多数の工程が施される軸本体58の製造工程と、スリーブ55の製造工程とを別々にすることができ、円柱面25及び円柱面25に伴う落差をスプライン軸10に直接形成する場合と比較して、スプライン軸10の加工を容易に行うことができる。
また、前記実施形態では、図5の(b)の矢印Y5、Y6に示すように、突出部32から飛散した潤滑油41を円柱面25上で二股に分岐させて流すようにしているが、図9の(c)に示すように、前記突出部32に対し入力軸と直交する方向に貫通する貫通孔(貫通部:第二案内手段の一例)56を形成し、この貫通孔56を通して、矢印Y11に示すように、スプライン軸10の逃がし溝26と嵌入穴29の底部29aとの間に潤滑油41を流すようにしてもよい。
この実施形態のように、貫通孔56が形成された構成によれば、貫通孔56を通過した潤滑油41によって、スプライン軸10と出力軸3との間にも潤滑油を流すことができる。
さらに、前記実施形態では、出力軸3の回転駆動に伴う遠心力によって潤滑油41をスプライン軸10の前端側まで流すようにしているが、図10に示すように、前記対向壁35、入力歯車5及びスプライン軸10を貫く配管57と、この配管57内で潤滑油を圧送する油圧ポンプ(圧送手段:図示せず)とを設け、この配管57を通して前記油溜め部40から前記蓋体15の受け部17の後端面に対し潤滑油41を流すようにしてもよい。
この実施形態のように、配管57と油圧ポンプとを備えた構成によれば、配管57内の潤滑油41を油圧ポンプによって圧送することにより、スプライン軸10の前端部10aまで潤滑油41を流すことができる。
なお、図10の実施形態に前記回収供給手段42を加えた構成とすることにより、第一スプライン部N1と出力軸3との間だけでなく、第二スプライン部N2と出力歯車6との間にも潤滑油を導くようにすることも可能である。
一方、図10では、配管57が前記貫通孔31、案内孔18を通して配設された例について開示しているが、前記回収供給手段42を省略する場合、配管57を通すための孔は、貫通孔31や案内孔18のような軸線方向で開口面積の異なる形状にする必要はなく、少なくとも配管57をスプライン軸10の前端部10aまで挿通することができる開口面積とされた孔であればよい。
本発明の実施形態に係る動力伝達装置の一部を省略して示す背面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の一部を拡大して示す側面一部略図である。 図3のスプライン軸を拡大して示す側面断面図である。 図4の要部を拡大して示す側面断面図であり、(a)は出力歯車の後側、(b)は出力歯車の前側、をそれぞれ示している。 図1のVI−VI線断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 本発明の別の実施形態に係る動力伝達装置の図5の(b)相当図である。 本発明の別の実施形態に係る動力伝達装置の図2相当図である。 従来の動力伝達装置を示す側面断面図である。
N1 第一スプライン部
N2 第二スプライン部
1 動力伝達装置
2 油圧ポンプ(駆動対象物)
3 出力軸
4 入力軸
5 入力歯車
6 出力歯車
7 ハウジング
10 スプライン軸
12 軸受け孔
15 蓋体
18 案内孔
19 収容面
20 支持面
21 第一テーパ面
23 第二テーパ面
25 円柱面
27 歯車本体
28 スリーブ
29 嵌入穴
29a 底部
31 貫通孔
32 突出部
33 堰部
34 駆動源側壁
35 対向壁
41 潤滑油
42 回収供給手段
43 注入部
54 立直面
55 スリーブ
56 貫通孔
57 配管
58 軸本体

Claims (11)

  1. 駆動源の駆動力を駆動対象物に伝達する動力伝達装置であって、
    両端末に第一スプライン部及び第二スプライン部が設けられ、前記第一スプライン部が前記駆動源の出力軸に形成された軸受け孔の底部に到達するまで嵌入されることにより前記出力軸に対しスプライン結合されるスプライン軸と、
    有底の嵌入穴が形成され、この嵌入穴の底部に到達するまで前記第二スプライン部が嵌入されることにより、前記スプライン軸に対しスプライン結合される入力歯車と、
    この入力歯車と噛合するとともに前記駆動対象物の入力軸に連結される出力歯車と、
    前記出力軸及び入力軸が略水平な姿勢で回転可能に挿通されるとともに、前記両歯車及びこれらの歯車を潤滑する潤滑油を収容するハウジングと、
    前記ハウジング内の潤滑油を予め設定された注入対象箇所に流し込む注入手段とを備え、
    前記入力歯車には、前記嵌入穴の底部から当該嵌入穴よりも小さな開口面積で前記スプライン軸の嵌入方向に入力歯車を貫通する貫通孔と、この貫通孔の内側面を延出するように前記嵌入穴の底部から当該嵌入穴内に突出する突出部とが形成され、
    前記スプライン軸には、前記貫通孔よりも大きな開口面積でスプライン軸をその軸線方向に貫通して前記突出部を内包する案内孔が形成され、
    前記出力軸とスプライン軸との間には、前記軸受け孔の底部と前記第一スプライン部の端面との間、及び前記第一スプライン部の外側面と軸受け孔の内側面との間に、それぞれ潤滑油を導くことが可能な間隙が形成され、
    前記ハウジングは、前記出力軸が回転可能に挿通される駆動源側壁及びこれと対向する対向壁を備え、前記注入手段は、前記両歯車の噛合によって飛散して前記対向壁の内側面に沿って流下する前記潤滑油を集めて前記貫通孔内に流し込む注入部を備えていることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記注入手段は、前記駆動源側壁に飛散した潤滑油を前記注入部に導く第一案内手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記入力歯車には、前記貫通孔の内側面から突出して、前記注入部から流し込まれた潤滑油が前記入力歯車の対向壁側の端面から流出するのを規制する堰部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記入力歯車は、歯車本体と、この歯車本体に嵌入される円筒部材とを備え、この円筒部材の内腔部が前記貫通孔とされているとともに、当該円筒部材には、前記突出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記案内孔の内側面は、少なくとも一部が前記第一スプライン部側の端末へ向けて広がるテーパ面とされていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記第二スプライン部の端面と前記嵌入穴の底部との間及び、当該第二スプライン部の外側面と嵌入穴の内側面との間には、前記入力歯車からスプライン軸に導かれる潤滑油の一部を導くことが可能な間隙が形成されているとともに、前記注入手段により貫通孔の内側面に導かれた潤滑油の少なくとも一部を第二スプライン部側の端末に導く第二案内手段をさらに備え、
    前記第二案内手段は、前記案内孔の内側面のうち前記突出部から前記入力歯車の回転に伴う遠心力により潤滑油が飛散する範囲の少なくとも一部に形成されているとともに前記スプライン軸の軸線を中心とする円柱面を備え、この円柱面は、前記遠心力によって飛散した潤滑油の少なくとも一部を前記第二スプライン部側の端末に流すように構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  7. 前記円柱面は、案内孔の内側面のうち当該円柱面以外の範囲よりもスプライン軸の軸線に近い位置に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記円柱面と前記円柱面以外の範囲とが、前記案内孔の内側面に略垂直な立直面により連結されていることを特徴とする請求項7に記載の動力伝達装置。
  9. 前記スプライン軸は、軸本体と、この軸本体に嵌入される円筒部材とを備え、この円筒部材の内腔部が前記案内孔とされているとともに、当該円筒部材には、前記円柱面が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の動力伝達装置。
  10. 前記第二案内手段は、前記突出部に形成されているとともに当該突出部をスプライン軸の軸線と直交する方向に貫く貫通部を通して、突出部の内側面まで導かれた潤滑油の一部を前記遠心力によって第二スプライン部側の端末に導くことを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の動力伝達装置。
  11. 前記第二スプライン部の端面と前記嵌入穴の底部との間及び、当該第二スプライン部の外側面と嵌入穴の内側面との間には、前記入力歯車からスプライン軸に導かれる潤滑油の一部を導くことが可能な間隙が形成されているとともに、前記注入手段により貫通孔の内側面に導かれた潤滑油の少なくとも一部を第二スプライン部側の端末に導く第二案内手段をさらに備え、
    前記第二案内手段は、前記突出部に形成されているとともに当該突出部をスプライン軸の軸線と直交する方向に貫く貫通部を通して、突出部の内側面まで導かれた潤滑油を前記入力歯車の回転に伴う遠心力によって第二スプライン部側の端末に導くことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の動力伝達装置。
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