JP2013242005A - デファレンシャル装置 - Google Patents

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浩 頼田
Ryoji Koi
良治 小井
正徳 ▲高▼橋
Masanori Takahashi
Kotaro Hiraga
光太郎 平賀
Hitoshi Azuma
均 東
Koichi Muto
幸一 武藤
Koji Ando
孝司 安藤
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Abstract

【課題】ドライブピニオンギアとリングギアの噛み合い部に潤滑油を効果的に供給する。
【解決手段】ドライブシャフト11により回転されるドライブピニオンギア3と、このドライブピニオンギア3と互いの軸線が交差するように噛み合うリングギア4と、このリングギア4に固定され、内部に一対のサイドギア504、504とこれらと噛み合うピニオンギア502,502を含む差動機構5を収容する差動機構ケースと、前記ドライブピニオンギア3と、前記リングギア4及び前記差動機構5とを回転自在に収容するハウジングと、を含み、ドライブピニオンギア3の回転によって掻き上げられた潤滑油をドライブピニオンギア3下側領域703に維持させる潤滑油規制部材を設ける。潤滑油規制部材は、例えば第1仕切り板701、第2仕切り板702である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドライブピニオンギアと、リングギアと、差動機構とを含むデファレンシャル装置、特に潤滑油の循環に関する。
自動車のデファレンシャル装置は、ドライブシャフトの回転力を左右車輪の回転力に伝達するための装置であり、伝達する駆動力が大きく、十分な潤滑油をギアの噛み合い部および差動機構に供給する必要がある。
例えば、特許文献1では、ドライブピニオンギアや、差動機構を収容するハウジングの上部に潤滑油を溜める油溜まりを設けることを提案している。これによって、リングギアの回転によって上方に飛ばされる潤滑油を捕集して差動機構に滴下させ差動機構への潤滑油の供給を改善している。
特開平08−054052号公報 特開2011−163538号公報 特開2010−242832号公報
ここで、車速の上昇によって、リングギアの回転数が大きくなると、リングギアによって掻き上げられる潤滑油の量が増加し、ハウジングの底部に溜まる油面が低下する。そのため、リングギアによる潤滑油の掻き上げ量が低下して、差動機構への潤滑油の供給が十分に行えない場合も生じる。
本発明は、ドライブシャフトにより回転されるドライブピニオンギアと、このドライブピニオンギアと互いの軸線が交差するように噛み合うリングギアと、このリングギアに固定され、内部に一対のサイドギアとこれらと噛み合うピニオンギアを含む差動機構を収容する差動機構ケースと、前記ドライブピニオンギアと、前記リングギア及び前記差動機構とを回転自在に収容するハウジングと、を含み、前記ドライブピニオンギアの回転によって掻き上げられた潤滑油を前記ドライブピニオンギアの下側領域に維持させる潤滑油規制部材または潤滑油案内部材を有することを特徴とする。
また、前記潤滑油規制部材は、ドライブピニオンギアの側方においてドライブピニオンギアの軸方向に延びる第1仕切り板を含むことが好適である。
また、前記潤滑油案内部材は、前記ドライブピニオンギアの先端より先の位置において、前記ハウジングの底部から突出し、前記ドライブピニオンギアの下方の領域の潤滑油が他の領域に流れ出るのを邪魔する第2仕切り板を含むことが好適である。
また、前記潤滑油案内部材は、前記リングギアおよびドライブピニオンギアの下方の潤滑油溜まりを、リングギア側の部分と、ドライブピニオンギア側とに仕切る第3の仕切り板であることが好適である。
また、前記潤滑油案内部材は、リングギアの歯面および/またはリングギアの外周面に近接して配置され、リングギアに付着して掻き上げられる潤滑油を剥離させるオイルスクレーパであることが好適である。
また、前記オイルスクレーパは、移動可能であって、低回転数時と、高回転数時とで、リングギアとの相対位置が変更されることが好適である。
前記オイルスクレーパは、リングギアの外方において、一端が回動可能にカバーに取り付けられており、回転数に応じてリングギアへ近接する位置が変更されることが好適である。
前記オイルスクレーパは、潤滑油面に位置するフロートに接続されており、フロートの位置によって移動されることが好適である。
本発明によれば、潤滑油規制部材が、潤滑油をドライブピニオンギアの下側領域に維持させるため、ドライブピニオンギアとリングギアの噛み合い部分に潤滑油を十分供給できる。また、ドライブピニオンギアとリングギアの噛み合いによって差動機構へ潤滑油が飛散されることで、差動機構へ十分な潤滑油供給がなされる。
第1実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す横断面図である。 後方からみた仕切り板701,702の構成を説明する側面図である。 潤滑油の流れを説明する図である。 潤滑油の流れを説明する図である。 回転数に対する潤滑油の油面高さを示す図である。 回転数に対する潤滑油の付着厚さを示す図である。 回転数に対する潤滑油の撹拌トルクを示す図である。 第2実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す横断面図である。 後方からみたデファレンシャル装置の構成を説明する側面図である。 潤滑油面の状態を説明する図である。 潤滑油面の状態を説明する図である。 回転数に対する潤滑油の付着厚さを示す図である。 回転数に対する潤滑油の付着厚さを示す図である。 回転数に対する潤滑油の撹拌トルクを示す図である。 第3実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す平面断面図である。 第3実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す横断面図である。 第4実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す平面断面図である。 第4実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す横断面図である。 オイルスクレーパ7の動きおよび潤滑油面の動きを説明する図である。 オイルスクレーパ7の動きおよび潤滑油面の動きを説明する図である。 第4実施形態の変形例に係るデファレンシャル装置の構成を示す横断面図である。 ドライブピニオンギア3による潤滑油面掻き上げ状態を説明する図である。 第4実施形態におけるオイルスクレーパ7の設置範囲を示す横断面図である。 回転数に対する潤滑油の付着厚さを示す図である。 回転数に対する潤滑油の付着厚さを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係るデファレンシャル装置の構成を示す図である。デファレンシャル装置は、自動車の駆動輪への動力伝達経路に設けられ、エンジン等の出力によって回転されるドライブシャフトの回転力を左右車輪に分配して伝達する。
エンジン等により回転駆動されるドライブシャフト11は、車両後方側の先端部がドライブピニオン軸受け6に支持されている。このドライブピニオン軸受け6は、差動機構(デファレンシャルギア)を収容するハウジングの車両前方側を構成するキャリアケース1の内側に設けられている。ドライブシャフト11の先端には、ドライブピニオンギア3が設けられている。キャリアケース1の後方側には、リアカバー2が取り付けられて、ハウジングの後方端が閉じられている。キャリアケース1とリアカバー2でハウジングが形成されている。
ドライブピニオンギア3には、リングギア4が噛み合わされている。ドライブピニオンギア3およびリングギア4は、ハイポイドギアや傘歯車などで構成されている。ドライブピニオンギア3とリングギア4のギア比によって、ドライブシャフト11の回転力が減速されて、リングギア4に伝達される。なお、リングギア4の回転軸の方向は、ドライブシャフト11の方向と直交している。
リングギア4は、差動機構5に固定されており、差動機構5はリングギア4とともに回転する。差動機構5は、中空で周囲に開口が設けられたデフケース501を有し、このデフケース501の内部に一対のサイドギア504と、一対のピニオンギア502が回転可能に収容されている。サイドギア504と、ピニオンギア502は、傘歯車などで形成され、これらの回転軸は互いに直交している。対向する一対のサイドギア504の間には、一対のピニオンギア502が配置されており、各ピニオンギア502は、両側に位置する一対のサイドギア504と噛み合っている。すなわち、左右のサイドギア504の前後方向の両端部に一対のピニオンギア502がそれぞれ噛み合っている。デフケース501には、その回転中心軸方向において、左右ドライブシャフトが両側から挿入されその先端が一対のサイドギア504にそれぞれ接続されている。また、一対のピニオンギア502は、デフケース501に支持されたピニオンシャフト503に回転自在に軸支されている。なお、デフケース501には、比較的大きな開口部が設けられている。このデフケース501が差動機構ケースである。
従って、デフケース501がリングギア4と一緒に回転し、ピニオンギア502、ピニオンシャフト503がリングギア4と一緒に回転する。一方、一対のサイドギア504は、その回転軸がデフケース501の回転軸方向と一致しており、デフケース501と一緒には回転しない。そして、ピニオンギア502はピニオンシャフトに回転可能に支持されているためピニオンギア502の旋回がこれと噛み合う一対のサイドギア504の回転として伝達され、一対のサイドギア504の回転数の平均値がリングギア4の回転数と等しくなる。このようにして、ドライブシャフト11から駆動力が一対のサイドギア504に分配される。
そして、本第1実施形態では、ドライブシャフト11の軸と平行でドライブピニオンギア3の側方で、リングギア4の位置とは反対の側に、第1仕切り板701が配置されている。この第1仕切り板701は、平板でリングギア4の側方において、キャリアケース1の側壁内面に取り付けられている。図2に示されるように、ドライブピニオンギア3の周面から離れて配置されている。なお、図において、第1仕切り板701は、長方形の平板としたが、ドライブピニオンギア3のギア面との間隙が一定の距離となるように車両後方側に向けて徐々に幅が広がるようにすることも好適である。
第1仕切り板701は、ドライブピニオンギア3の軸方向において、ドライブピニオンギア3の軸方向長さより長く、ドライブピニオンギア3のドライブシャフト側端面よりドライブシャフト側に延びている。また、第1仕切り板701は、ドライブピニオンギア3の車両後方側の先端側端面より先にまで延びている。
また、ドライブピニオンギア3の先端側(車両後方側)であって、ドライブピニオンギア3の先端面から若干離れた位置には、キャリアケース1の底面102から起立して第2仕切り板702が設けられている。
この第2仕切り板702は、図2に示すように、キャリアケース1の底面102から、ドライブピニオンギア3の最低部における歯面より少し高い位置まで延びるもので、リングギア4にぶつからないところまで延びている。図2においては、リングギア4側の端部は、垂直方向にまっすぐになっているが、リングギア4の歯面からの間隙が一定になるようにしてもよい。
また、第2仕切り板702の図2における右側部分の下部には、底面102との間には隙間があってもよいが、隙間は十分小さくすることが好適である。
このように、第1および第2仕切り板701,702を設けた場合の潤滑油の流れについて、図3,4に基づいて説明する。
キャリアケース1の底部には、ある程度の潤滑油が溜まっている。従って、リングギア4の下に位置する部分は潤滑油に浸かっており、リングギア4によって潤滑油が掻き上げられる。また、ドライブピニオンギア3の下に位置する部分も潤滑油に浸かっており、ドライブピニオンギア3によっても潤滑油が掻き上げられる。
リングギア4、ドライブピニオンギア3によって掻き上げられた潤滑油は、キャリアケース1の内側壁面101に沿ってドライブピニオン軸受け6のドライブピニオンギア3とは反対側(前方側)の空間601に向けて流れる(1)。そして、空間601からドライブピニオン軸受け6を通過してドライブピニオンギア3の背面(車両前方側の面)に供給され(2)、ここから半径方向に飛ばされる(3)。
ここで、本第1実施形態では、空間703の潤滑油はドライブピニオンギア3によって掻き上げられるが(4)、第1仕切り板701が設けられているので、ドライブピニオンギア3の表面から側方に飛んだものは第1仕切り板701において受け止められ、下方に落ちる(5)。従って、ドライブピニオンギア3によって掻き上げられた潤滑油は第1および第2仕切り板701,702で囲まれた空間703に維持される。
また、ドライブピニオンギア3によって掻き上げられた潤滑油は、リングギア4との噛み合い部に至り(6)、ここでリングギア4との噛み合いによって、差動機構5に向けて噴射され(7)る。従って、ピニオンギア502、ピニオンシャフト503に供給された潤滑油が、ピニオンギア502とサイドギア504の噛み合い部にも供給される。
また、ドライブピニオン軸受け6からドライブピニオンギア3の背面に供給された潤滑油の一部も第1仕切り板701により上方へ移動するのが阻止され、空間703に維持されて下方に落下する。
このようにして、ドライブピニオンギア3の下部が浸漬される空間703内の底部に潤滑油を維持することができ、空間703内の潤滑油面を高く維持して、ドライブピニオンギア3への潤滑油供給を改善することができる。
また、本第1実施形態では、第2仕切り板702によって、ドライブピニオンギア3の下方のキャリアケース1の底部に溜まる潤滑油がリアカバー2の方向に流れるのを邪魔している。キャリアケース1の底面はリアカバー2に向けて低くなっているのでキャリアケース1の底部に溜められる潤滑油はリアカバー2側(後方側)に向けて流れる。しかし、本第1実施形態では、第2仕切り板702によってこの流れが抑制され、ドライブピニオンギア3の下部が存在する空間703の潤滑油面が高くなる。これによって、ドライブピニオンギア3によって掻き上げられる潤滑油の量を維持することが可能になる。
このように、第1及び第2仕切り板701,702を設けることによって、空間703内に維持される潤滑油の量を多く維持できる。
特に、ドライブピニオンギア3の回転数が大きくなると、掻き上げられる潤滑油の量が大きくなるが、それだけ第1仕切り板701によって受け止められる潤滑油の量も多くなる。従って、回転数が大きくなっても、ドライブピニオンギア3の下部における潤滑油溜まりの油面を十分なものに維持することが可能になる。
なお、ドライブピニオンギア3によって掻き上げられる潤滑油量が大きくなり、これに起因する撹拌損失が大きくなるが、リングギア4によって掻き上げられる潤滑油量が減少するため、合計の撹拌損失が大きく増加することはない。
図5には、ドライブピニオンギア3の回転数と、空間703の潤滑油面の関係を示す図である。回転数が高くなると、潤滑油はリングギア4、ドライブピニオンギア3によって書き上がられる量が増え、キャリアケースの内側壁面101を流れる量が増加するため、その分だけ潤滑油面が低くなる。従来は、回転数が600rpmを超えると、潤滑油面がドライブピニオンギア3の下端部よりも低くなり、ドライブピニオンギア3は潤滑油を掻き上げることができなくなっていた。本第1実施形態では、第1および第2仕切り板701,702を設け、空間703に潤滑油を維持することで、回転数上昇による空間703の油面の低下を抑えることができ、高回転時にも空間703の油面をドライブピニオンギア3の下端より高く維持して、ドライブピニオンギア3によって潤滑油を掻き上げることができる。このように、第1および第2仕切り板701,702を設けることによってドライブピニオンギア3の下方の潤滑油面高さを高く維持し、ドライブピニオンギア3とリングギア4の噛み合い部へ潤滑油を供給して、差動機構5にも潤滑油を供給することができる。
図6は、回転数と、ピニオンシャフト503の付着油厚さの関係を示す図である。このように、第1および第2仕切り板701,702を設けることによって、400rpm以上において付着油厚さが大きくできていることがわかる。
図7は、回転数と、撹拌トルク(撹拌損失)の関係を示す図である。このように、第1および第2の仕切り板701,702の装着によって撹拌トルクは大きく変わることはない。800,1000rpmでは、撹拌トルクは小さくなる。これは、リングギア4による潤滑油掻き上げ量が減少するためと考えられる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。図8は、デファレンシャル装置の側方から見た要部を示す一部断面図であり、図9は、デファレンシャル装置の車両後方から見た要部を示す断面図である。
本実施形態では、第3仕切り板705がキャリアケースの底面102から起立して設けられている。この第3仕切り板705は後方側がリアカバー2に取り付けられ、そこから車両前方に向けて伸びドライブピニオンギア3の手前で終端している。すなわち、第3仕切り板705は、ドライブピニオンギア3の回転軸と同じ方向に伸びる。第3仕切り板705の上端は直線状でほぼ水平であり、ドライブピニオンギア3に対向する終端部分は、ほぼ垂直である。そして、図9に示すように、キャリアケース1の底部の潤滑油溜まり部分のほぼ中央部分(リングギア4の歯面より中央側)に位置し、潤滑油溜まり部分を左右2つの部分に分割している。第3仕切り板705の上端は、ドライブピニオンギア3の回転軸より下であって、ドライブピニオンギア3およびリングギア4の最下端部分からギアの歯の部分の幅程度の上に至った位置に存在している。従って、第3仕切り板705によって、キャリアケース1の底部の潤滑油溜まり部分がリングギア4側の部分と、ドライブピニオンギア3側の部分に仕切られる。
次に、本実施形態の動作について、図10,11に基づいて説明する。
(i)リングギア4の回転により、キャリアケース1の底面102上に溜まっている潤滑油が掻き上げられる。従って、リングギア4側の部分の潤滑油面31が低くなる。
(ii)ここで、第3仕切り板705によって、潤滑油溜まり部が仕切られているので、ドライブピニオンギア3側の部分の潤滑油面32は高いままに維持される。
(iii)従って、ドライブピニオンギア3の下部は、潤滑油に浸かっており、ドライブピニオンギア3によって、潤滑油が掻き上げられる。
(iv)ドライブピニオンギア3によって掻き上げられた潤滑油は、リングギア4との噛み合いによって、差動機構5に向かって噴射され、差動機構5のピニオンギア501、ピニオンシャフト502に潤滑油が供給される。
このように、本実施形態によれば、第3仕切り板705によって、キャリアケース1の底部における潤滑油溜まり部が仕切られており、ドライブピニオンギア3側の部分の潤滑油面32は高いままに維持される。従って、高回転時においても、ドライブピニオンギア3により掻き上げられた潤滑油がドライブピニオンギア3とリングギア4との噛み合い部を経て差動機構5に供給され、差動機構5への潤滑油供給を確保することができる。
図12〜図14には、第3仕切り板705を設けた実施例と、第3仕切り板を設けない従来例との比較実験の結果が示されている。図12には、ドライブピニオンギア3の回転数とピニオンシャフト502の潤滑油付着厚さの関係を示してある。図13は、図12の一部の拡大図である。また、図14には、ドライブピニオンギア3の回転数と撹拌トルクの関係を示してある。このように、本実施形態において、差動機構5への潤滑油供給量を大きく維持することができ、また潤滑油撹拌トルクの増加による損失を抑制できることがわかる。なお、第1実施形態における第2仕切り板702と、本実施形態における第3仕切り板705は、ともにキャリアケース1の底部の潤滑油溜まりにおける潤滑油の溜まり方を制御するものである。これらを比較すると、第3仕切り板705では、リングギア4の下部の潤滑油面の低下が大きいので、潤滑油撹拌トルクが比較的高くなる。一方、第2仕切り板702では、ドライブピニオンギア3の下部の潤滑油面の上昇が大きいので、差動機構5に対する潤滑油の供給量を大きくすることが可能になる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。図15は、デファレンシャル装置の平面的構成を示した要部断面図であり、図における上方が車両前方である。また、図16は、デファレンシャル装置の車両側方から見た一部断面図であり、図における右が車両前方である。
本実施形態では、オイルスクレーパ7を有している。このオイルスクレーパ7は、板状であって、リアカバー2から前方側に突出するように形成されており、リングギア4の外側および歯面に近接して位置している。すなわち、オイルスクレーパ7は、ドライブピニオンギア3の先端に対し差動機構5を挟んで対向するように配置されている。
オイルスクレーパ7は、リングギア4の歯面および外周面に近接して配置されており、リングギア4の歯面上に乗って連れ回る潤滑油と、遠心力でリングギア4から外方へ飛ばされる潤滑油を同時に掻き落とす。このために、オイルスクレーパ7は、リングギア4の歯面垂直方向21に垂直な部分と、リングギア4の放射方向22に垂直な部分を有している。リングギア4との隙間は、各々2mm程度が好適である。なお、オイルスクレーパ7は、上述するリングギア4に付着する潤滑油の適量を掻き落とす機能があれば、どのような形状でもよく、例えば板状でなくてもよい。
一般的に、低中回転域では、図16に示すように、キャリアケース1の底部に貯留している潤滑油面41は高いため、リングギア4だけでなくドライブピニオンギア3も潤滑油に浸かっている。このため、図22に示すように、ドライブピニオンギア3の回転によって、潤滑油がその飛散方向45に掻き上げられる(目視によって確認)。これによって、潤滑油がドライブピニオンギア3とリングギア4の噛み合い部に供給され、噛み合い時のポンプ作用で、潤滑油が噛み合い部から差動機構5に供給される。これによって、差動機構5への十分な潤滑油の供給が行える。
ところが、高回転域では、リングギア4による潤滑油の掻き上げ量が多い。このため、図3において矢印(1)で示すように、キャリアケース1の上部の内側壁面101に沿って、ドライブピニオン軸受け6の背部(前方側)の空間601に供給される流量が過剰になり、ここに滞留する潤滑油量が大きくなる。そこで、図23に示すように、キャリアケース1内の潤滑油面41が低下する。これにより、ドライブピニオンギア3による潤滑油の掻き上げがなくなるので、噛み合い時のポンプ作用による差動機構5に対する潤滑油の供給が減少する。
また、図23には、オイルスクレーパ7が潤滑油剥離効果を発揮するための有効と考えられる、オイルスクレーパ7の設置範囲30も示してある。潤滑油剥離効果が最も大きいのは、潤滑油面41からリングギア4の歯面が露出した直後の位置なので、これを設置の下限とする。一方、水平面より45度を超えると効果が小さくなるので、上限はリングギア4の回転軸(中心)を通る水平方向から45度上の位置とするとよい。
一方、図15,16に示されるように、本実施形態によれば、リングギア4の横(歯面および外周近傍)に近接する位置に板状のオイルスクレーパ7が設けられ、このオイルスクレーパ7によって、リングギア4に付着する潤滑油の一部が剥離される。このオイルスクレーパ7は、潤滑油が冷却や潤滑に必要な量だけドライブピニオン軸受け6の背部の空間に供給されるように、間隙、形状などを設定することができる。本実施形態では、リングギア4の歯面上に載って連れ回る潤滑油とリングギア4の遠心力で外周へ飛ばされる潤滑油を掻き落とせる形状になっている。
このようにして、本実施形態に寄れば、オイルスクレーパ7が、高回転時にリングギア4で掻き上げた余剰の潤滑油を図16において、矢印44で示すように、掻き落とす。これによって、キャリアケース1の底部の潤滑油面41がドライブピニオンギア3の下方になってしまうことを防止できる。これによって、リングギア4の高回転時であっても、ドライブピニオンギア3とリングギア4の噛み合い部へ潤滑油を供給して、ここにおけるポンプ作用によって、図において矢印43で示したように、潤滑油を差動機構5に向けて噴射することができる。
<第4実施形態>
図17,18,19には、第4実施形態の構成が示してある。図17は平面断面図、図18は高回転時の状態を示す側方から見た一部断面図、図19は低回転時の状態を示す側方からみた一部断面図である。
第3実施形態において説明したように、オイルスクレーパ7の形状や、リングギア4との間隙の大きさは、高回転時におけるリングギア4による潤滑油掻き上げ量を重視して決定される。このため、低回転時において、オイルスクレーパ7によりリングギア4による掻き上げ量が制限されると、ドライブピニオン軸受け6への潤滑油の供給量が不足する可能性もある。
そこで、本実施形態においては、オイルスクレーパ7を回動変位可能な状態で取り付けるとともに、フロート8a、連結棒8b、ガイド8c、ストッパ8dを含んで構成される回動変位制御手段8を設けている。すなわち、オイルスクレーパ7は、一端がリアカバー2に回動自在に取り付けられている。また、オイルスクレーパ7の取り付け端より車両前方側(自由端側)に所定距離離れた場所において、連結棒8bの上端が取り付けられている。この連結棒8bは、その移動方向が上下方向に規制されるように、リアカバー2に固定されたガイド8c内に移動方向が上下方向(垂直方向)に規制されて摺動自在に保持されている。そして、連結棒8bの下端にフロート8aが取り付けられ、このフロート8aがキャリアケース1の底部の潤滑油面に保持されている。また、リアカバー2からはオイルスクレーパ7の下方向への移動を制限するストッパ8dが突出形成されている。このストッパ8dがオイルスクレーパ7に下面と係合することで、連結棒8bの下方向への移動が阻止され、この例ではオイルスクレーパ7は水平位置より下には回動しないようになっている。
このような構成により、低回転時は、リングギア4による潤滑油掻き上げ量が少ないことから、潤滑油面41が高くなる。これによって、フロート8aの位置は高くなり、これによって、連結棒8bが上方向に移動して、オイルスクレーパ7を上方向に押し上げる(図19参照)。これによって、リングギア4の回転による潤滑油の掻き上げ方向42とオイルスクレーパ7との隙間が広がり、図19に軌跡44で示すように、潤滑油がオイルスクレーパ7の横を通過してドライブピニオン軸受け6への潤滑油供給を維持する。
ここで、ストッパ8dは、潤滑油の掻き上げ量が多い高回転時に潤滑油面41が大幅に低下してもオイルスクレーパ7が所定位置より下方に移動しすぎないように動きを規制するものであり、図18の例では、オイルスクレーパ7が水平方向より下方に移動しないようにしている。しかし、この構成に限定されるわけではない。
例えば、図19の例では、ストッパ8dによって、オイルスクレーパ7が所定位置より上方に移動するのを阻止している。
このように、オイルスクレーパ7を潤滑油面41に応じて回動させて、リングギア4により掻き上げた潤滑油の移動を制御することで、各部への潤滑油の供給を適切なものに制御できる。この際、オイルスクレーパ7の形状や、リングギア4との間隙などを各構成の目的によって、適切に設定するとよい。
また、図20に示すように、オイルスクレーパ7を斜め上方に向くような位置でオイルスクレーパ7停止するように、上端位置を規制するストッパ8dを設けることもできる。これによって、軌跡44で示したように、リングギア4によって掻き上げられた潤滑油をオイルスクレーパ7によって跳ね返し、車両後方側から差動機構5に供給することができる。
図21は、変形例についての側方から見た一部断面図である。この例では、2枚のオイルスクレーパ7,7’を設けている。これによって、2枚のオイルスクレーパ7,7’によりそれぞれ独立して、リングギア4からの潤滑油の剥離が行える。図示の例では、2段階で潤滑油の下方へ戻すことができる。オイルスクレーパ7は、2枚以上でもよく、それぞれ可動、固定でもかまわない。図20に示すような低回転時における潤滑油の差動機構5への供給用のオイルスクレーパ7と、図16のような高回転時における潤滑油の掻き落とし用のオイルスクレーパ7を設けることも好適である。
図24,25に、オイルスクレーパ7についての実験結果を示す。図25は、図24の一部の拡大図である。ピニオンシャフト503に付着した油膜厚さを計測し、本実施形態のオイルスクレーパ7のありなしで比較した実験結果である。この実験は、オイルスクレーパ7は、図16に示したような固定とした。図の横軸は、リングギア4の回転数を示している。このように、オイルスクレーパ7を設置することで、高回転域(800〜1000rpm)でピニオンシャフト503への付着油膜厚さが20%前後増えている。また、低中回転域でも付着油膜厚さが増えている。
1 キャリアケース、2 リアカバー、3 ドライブピニオンギア、4 リングギア、5 差動機構、6 ドライブピニオン軸受け、7 オイルスクレーパ、8 回動変位制御手段、11 ドライブシャフト、101 内側壁面、102 底面、501 デフケース、502 ピニオンギア、503 ピニオンシャフト、504 サイドギア、601,703 空間、701 第1仕切り板、702 第2仕切り板。

Claims (1)

  1. ドライブシャフトにより回転されるドライブピニオンギアと、
    このドライブピニオンギアと互いの軸線が交差するように噛み合うリングギアと、
    このリングギアに固定され、内部に一対のサイドギアとこれらと噛み合うピニオンギアを含む差動機構を収容する差動機構ケースと、
    前記ドライブピニオンギアと、前記リングギア及び前記差動機構とを回転自在に収容するハウジングと、
    を含み、
    前記ドライブピニオンギアの回転によって掻き上げられた潤滑油を前記ドライブピニオンギアの下側領域に維持させる潤滑油規制部材または潤滑油案内部材を有することを特徴とするデファレンシャル装置。
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