JP6022293B2 - 複合ベーカリー生地 - Google Patents

複合ベーカリー生地 Download PDF

Info

Publication number
JP6022293B2
JP6022293B2 JP2012226802A JP2012226802A JP6022293B2 JP 6022293 B2 JP6022293 B2 JP 6022293B2 JP 2012226802 A JP2012226802 A JP 2012226802A JP 2012226802 A JP2012226802 A JP 2012226802A JP 6022293 B2 JP6022293 B2 JP 6022293B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dough
mass
parts
composite bakery
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012226802A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014076028A (ja
Inventor
土屋 修
修 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2012226802A priority Critical patent/JP6022293B2/ja
Publication of JP2014076028A publication Critical patent/JP2014076028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6022293B2 publication Critical patent/JP6022293B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

本発明は、上掛け生地と内生地との間に中間層として薄板状の餅様生地を配置することを特徴とする、複合ベーカリー生地、さらに該生地を焼成して得られる複合ベーカリー製品に関する。
ビスケット生地やタルト生地等のベーカリー用上掛け生地を、菓子パン生地やデニッシュ生地等の内生地の上に積載してなる複合ベーカリー生地、あるいはベーカリー用上掛け生地で内生地を包餡してなる複合ベーカリー生地を焼成したパンは、メロンパンと称されている。メロンパンの上掛け生地部分はカリカリとした硬い食感である一方、内生地部分はしっとりしてソフトな食感となっており、これらの2種の異なる食感を同時に楽しめることから、古くから人気の高い菓子パンの一つである。
なかでも、上掛け生地にショートペーストを使用したメロンパンは、生地水分が少ないため、表面に割れ目を生じ、そのひび状の割れ目が外観上極めて特徴的であり、その食感も特にカリカリ感に優れることから古来から親しまれている。
しかし、上掛け生地にショートペーストを使用したメロンパンは、上掛け生地部分と内生地部分との間に大きな水分含量の差があるため、内生地部分から上掛け生地部分への水分移行が焼成直後から始まり、上掛け生地部分は、経日的にカリカリした食感が消失し、べたついた食感になってしまう。
また、ショートペーストを使用して得られた上掛け生地部分は割れ目があることに加え、内生地との結着性が低いため、極めて剥れやすく、そのため食する際にこぼれ落ちて食べにくく、また、複合ベーカリー食品の保存中にちょっとしたショックで剥れ落ちるなどして商品価値を大きく損ねてしまうという問題があった。
これらの問題を回避するために、例えば、20℃における固体脂含量が40%以上であり且つ35℃における固体脂含量が10%以下である油脂を上掛け生地に練り込む方法(例えば特許文献1参照)、内生地と上掛け生地の間にチョコレートのコーティングをする方法(例えば特許文献2参照)、内生地に油脂を対粉15〜50質量%練り込む方法(例えば特許文献3参照)、グルコマンナンを用いた食品素材を内生地に練り込む方法(例えば特許文献4参照)等の改良の試みが行なわれてきた。
しかし、特許文献1の方法では、硬い油脂を使用するため、上掛け生地部分の食感が硬くなりすぎてしまう問題に加え、使用する油脂のクリーミング性が低い問題や、上掛け生地の物性が硬くて伸展性が悪いため、包餡操作時に生地が割れやすいなどの問題があった。また、特許文献2に記載の方法では、内生地成形時に溶解したチョコレートを塗布した後、上掛け生地を積載するためズレが生じ易いうえ、焼成後に剥れやすく、さらにチョコレートを焼成するため苦味が生じ、本来とは異なる風味になってしまうという問題があった。内生地に改良成分を使用する特許文献3や特許文献4の方法は、内生地部分から上掛け生地部分への水分移行を十分には防止することができず、上掛け生地のカリカリ感の消失を抑制できるものではなかった。
特開2006−149220号公報 特開2006−081448号公報 特開2002−306055号公報 特開2003−235474号公報
従って、本発明の目的は、ショートペーストを上掛け生地とし、パン生地を内生地とする複合ベーカリー生地を焼成して得られる複合ベーカリー製品において、経日的な内生地からの水分移行を抑制し、カリカリした食感を保つことができ、さらに、保存中の上掛け生地部分の剥れを防止することができる複合ベーカリー食品を提供することにある。
本発明者等は、上記目的を達成すべく種々検討した結果、上掛け生地と内生地との間に中間層として薄板状の餅様生地を配置することで、上掛け生地や内生地の配合の自由度を損なうことなく、焼成後に経日的に生じる水分移行を大きく抑制できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、ショートペーストを上掛け生地とし、パン生地を内生地とする複合ベーカリー生地であって、上掛け生地と内生地との間に中間層として薄板状の餅様生地を配置することを特徴とする、複合ベーカリー生地、及び該生地を焼成してなる複合ベーカリー製品を提供するものである。
本発明によれば、ショートペーストを上掛け生地とし、パン生地を内生地として得られる複合ベーカリー製品において、上掛け生地部分の経日的なべたつきが防止され、カリカリした食感を長期間にわたり保つことができる。さらに、保存中の上掛け生地部分の剥れを防止することができる。
以下、本発明の複合ベーカリー生地について好ましい実施形態に基づき詳述する。
先ず、本発明で使用する薄板状の餅様生地について述べる。
本発明でいう餅様生地とは、餅や求肥に代表される、穀類と水分とを必須成分として用いて得られた粘弾性に富む生地を広く指す。
上記穀類としては、米、小麦、とうもろこし、大麦、粟、タピオカ、じゃがいも、甘藷、サゴ、大豆等が挙げられ、これらの穀類そのものをはじめ、該穀類から得られる穀粉や、該穀類から得られる澱粉や化工澱粉を使用することができる。これらの穀類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明では、上記穀類としてアミロペクチン含量の高い穀類を、穀類中の50質量%以上、特に70〜100質量%となるように使用することが、離型性に優れることに加え、表面が均質且つ平滑で艶があり、透明感に優れた外観とすることができる点で好ましい。このような穀類としては、餅米、ワキシーコーン、餅大麦、タピオカ等が挙げられ、これらの穀類そのものをはじめ、該穀類から得られる穀粉や、該穀類から得られる澱粉や化工澱粉を使用することができる。これらの穀類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明では、上記穀類として、米、米粉、米澱粉のうちの1種又は2種以上を穀類の50質量%以上、特に70〜100質量%となるように使用することが、本発明の効果がより発揮できる点で好ましい。米粉にはその原料とする米の種類や製粉方法により様々な名称のものがあるが、餅米粉としてはもち粉や白玉粉等、うるち米粉としては上新粉や上用粉等が、粒度が細かく餅様生地の製造が容易である点で好ましく使用される。
上記餅様生地に使用される上記水分としては、水を使用することができるほか、後述のその他の原材料として挙げるもののうち、例えば、牛乳、クリーム、果汁等の水分を多く含有する原材料を使用することもできる。これらの水分は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記水分の使用量は、最終的に粘弾性に富む餅様生地を得ることができる量であれば特に制限されるものではないが、上記穀類100質量部に対して70〜300質量部が好ましい。
上記餅様生地には、糖類を含有させること、すなわち求肥生地(糖類含有餅様生地)であることが、ソフトで柔軟性があり扱いやすいこと、及び上掛け生地と内生地の接着性に優れること、ソフトでしっとりした食感が得られることから好ましい。
上記糖類としては、例えば上白糖、グラニュー糖、粉糖、液糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、酸糖化水飴、水あめ、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖等が挙げられる。これらの糖類は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記糖類の添加量は、穀類100質量部に対し、固形分として好ましくは30〜500質量部、より好ましくは70〜300質量部、さらに好ましくは100〜300質量部である。
このように、本発明では上記餅様生地として、穀類としてアミロペクチン含量の高い穀類であって米由来の穀類を多く使用し、且つ、糖類を添加した餅様生地、すなわち求肥生地を使用することが好ましい。中でも、糖類を添加してから更に加熱して練り上げ、水分をとばした求肥生地を使用することがさらに好ましい。
上記餅様生地には、上記穀類、水分、糖類以外にも、通常餅や求肥に使用することができるその他の原材料を使用することができる。該その他の原材料としては、例えば、グアーガム・ローカストビーンガム・カラギーナン・アラビアガム・アルギン酸類・ペクチン・キサンタンガム・プルラン・タマリンドシードガム・サイリウムシードガム・結晶セルロース・CMC・メチルセルロース・寒天・グルコマンナン・ゼラチン等の増粘安定剤、生乳・牛乳・特別牛乳・生山羊乳・殺菌山羊乳・生めん羊乳・部分脱脂乳・脱脂乳・加工乳・クリーム・チーズ・濃縮ホエイ・濃縮乳・脱脂濃縮乳・無糖練乳・無糖脱脂練乳・加糖練乳・加糖脱脂練乳・全粉乳・脱脂粉乳・クリームパウダー・ホエイパウダー・蛋白質濃縮ホエイパウダー・バターミルクパウダー・加糖粉乳・調製粉乳・発酵乳・乳酸菌飲料・乳飲料等の乳や乳製品、カゼインカルシウム・カゼインナトリウム・ホエープロテインコンセートレート等の乳蛋白、卵及び各種卵加工品、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、アミラーゼ・ヘミセルラーゼ・プロテアーゼ・アミログルコシダーゼ・プルラナーゼ・ペントサナーゼ・セルラーゼ・リパーゼ・ホスフォリパーゼ・カタラーゼ・リポキシゲナーゼ・アスコルビン酸オキシダーゼ・スルフィドリルオキシダーゼ・ヘキソースオキシダーゼ・グルコースオキシダーゼ等の酵素、トコフェロール・茶抽出物等の酸化防止剤、β―カロチン・カラメル・紅麹色素等の着色料類、酢酸・乳酸・グルコン酸等の酸味料、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、シナモン等の香辛料、カカオマス、ココアパウダー、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、着香料等が挙げられる。上記その他の原材料を使用する場合、その使用量は合計で、上記穀類100質量部に対し100質量部以下とすることが好ましい。
上記餅様生地の製造方法について以下に述べる。
上記餅様生地の製造方法は、通常の餅や求肥の製造方法と同一でよく、例えば、穀類に水分を添加してなる混合物を加熱して糊化させた後、練り合わせることによって得ることができる。加熱方法としては、炊く、蒸す、茹でる等の餅や求肥の製造方法で一般的に用いられる加熱方法と同一の方法を採ることができる。なお、穀類として糊化済みの穀粉や澱粉を使用した場合は特に加熱する必要はない。
上記餅様生地が糖類を含有する場合、すなわち求肥生地である場合は、糊化させた後に糖類を添加する方法であっても、糊化前の混合物に糖類を添加する方法であってもよい。
また、糖類を添加してから更に加熱して練り上げ、水分をとばした求肥生地を製造する場合は、混合物に糖類を添加して加熱しながら練り上げる方法であっても、混合物を糊化させた後に糖類を添加して更に加熱して練り上げる方法であってもよい。すなわち、水練り法、茹で練り法、蒸し練り法のいずれの方法であってもよい。
なお、本発明では、上記餅様生地製造のために、上述の原材料を適宜配合済みのミックス粉を使用することももちろん可能である。
本発明においては、上掛け生地と内生地の中間に餅様生地を配置することで水分の移行を抑えるため、上記餅様生地は薄板状である必要がある。本発明でいう薄板状とは、厚さ0.2mm程度の薄膜状のものから、5mm程度のものまで広く指すものとし、好ましくは厚さ0.3〜3.5mm、より好ましくは0.4〜1.5mm、最も好ましくは0.5〜1.2mmである。
餅様生地が0.2mmよりも薄いと焼成時に破断してしまう可能性があるうえ、十分な水分移行抑制効果が得られないことがあるため好ましくない。また、餅様生地が5mmよりも厚いと、火抜けが悪くなり、食感に影響するため好ましくない。
上記薄板状の餅様生地を得る方法としては、一般に成形されて市販されている薄板状の餅様生地を使用する方法の他、上記原材料を配合して得られた餅様生地を薄板状に成形する方法、市販されている餅様生地を任意の厚さに成形する方法等、任意の方法を選択することができる。
上記市販の餅様生地としては、例えば、ぎゅうひクレープ(株式会社タヌマ製)や、生八ツ橋(株式会社おたべ製)等を挙げることができる。
次に、本発明において上掛け生地に使用するショートペーストについて述べる。
ショートペーストとは、製菓用の生地分類の一種であり、さくさくした食感(ショートネス)をもつ焼菓子を得るための生地のことであり、小麦粉類と油脂類と水性原料を必須成分とし、常温で流動性がない生地である。このようなショートペーストとしては、例えば、クッキー生地、ガレット生地、練パイ生地、タルト生地などが挙げられる。
上記ショートペーストで使用する小麦粉類の例としては、強力粉、薄力粉、フランス粉、全粒粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができ、上記ショートペーストで使用する油脂類としては、バター、マーガリン、ショートニング等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができ、上記ショートペーストで使用する水性原料としては、水、あるいは、牛乳、全卵、卵黄、卵白、部分脱脂乳、脱脂乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料、加工乳、果汁、コーヒー、紅茶等の、水を多く含む食品や食品素材等が挙げられ, これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記ショートペーストにおいて、小麦粉類の含有量は、好ましくは35〜60質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
本発明においては、上記ショートペーストの油分含量が好ましくは5〜20質量%、より好ましくは9〜15質量%である。
また、上記ショートペーストにおける好ましい水分含量は5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。水分含量が5質量%未満であると、ポロついた食感で、また、保存中に剥れやすく、30質量%を超えると焼成直後からべたついた食感になってしまうおそれがある。
なお、ここで言う上記油分含量とは、油脂類中の純油分をはじめ、ショートペーストに使用する全原料中に含まれる純油分の合計であり、また、水分含量とは、水性原料中の純水分をはじめ、ショートペーストに使用する全原料中に含まれる純水分の合計である。
また、上記ショートペーストは、さらにカリカリした良好な食感を得る上で、糖類を15〜35質量%、特に20〜30質量%含有することが好ましい。糖類の含有量が15質量%未満であると、上掛け生地部分が焼成当初からぽろついた食感になりカリカリした食感が得られないおそれがあることに加え、内生地から上掛け生地部分が剥離しやすくなるおそれもある。また、糖類の含有量が35質量%を超えると、保存時に空中から吸湿しやすく、べたついた食感になり、カリカリした食感が得られないおそれがある。
本発明で用いる上記糖類としては、特に制限されるものではないが、例えば、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、蔗糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、蔗糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、ソルビトール、還元乳糖、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、ステビア、アスパルテーム等が挙げられる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上の糖類を用いることができる。これらの中でも、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、麦芽糖が好ましく用いられる。
さらに、上記ショートペーストには、必要に応じて、その他の原料として、イースト、甘味料、でんぷん、増粘安定剤、着色料、酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・脱脂粉乳等の乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ等のチーズ類、アルコール類、グリセリン脂肪酸エステルレシチン等の乳化剤、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類等の食品素材、コンソメ・ブイヨン等の植物及び動物エキス、各種フリーズドライ食品、各種スプレードライ食品、食品添加物等、ショートペーストに一般的に使用可能な材料を用いてもよい。これらのその他の原料は、本発明の目的を損なわない限り、任意に使用することができるが、好ましくは、ショートペースト中、合計で20質量%以下となる範囲で使用する。
上記ショートペーストの製造方法はとくに限定されず、公知の方法によって得ることができる。
例えば、ショートペーストがクッキー生地の場合は、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法など公知の方法で得ることが可能であり、練りパイ生地やタルト生地の場合は、ロールイン用油脂を含む全原料を混合するオールインミックス法でも、ロールイン油脂以外の成分でいったん生地を製造後、小片状のロールイン油脂を生地中に分散させる方法でももちろん得ることが可能である。
次に、内生地に使用するパン生地について述べる。
本発明で使用するパン生地としては、一般にメロンパン等に使用されるパン生地であれば問題なく使用することができ、例えば、食パン生地、菓子パン生地、バラエティブレッド生地、デニッシュ生地、ドーナツ生地、クラッカー生地、ワッフル生地などを使用することができる。
中でも、ソフト性が良好である点において、菓子パン生地やデニッシュ生地などを使用することが好ましい。
なお、上記パン生地の好ましい油分含量は、5〜35質量%、より好ましくは5〜20質量%である。5質量%未満であると、経日的にぱさついた食感となってしまう。また、35質量%を超えると、油性感が強く油っぽい食感となることに加え、上掛け生地部分が保存中に剥れやすくなってしまうおそれもある。
なお上記パン生地の製造方法はとくに限定されず、公知の方法によって得ることができる。
次に、本発明の複合ベーカリー生地について説明する。
本発明の複合ベーカリー生地は、ショートペーストを上掛け生地、パン生地を内生地とし、上掛け生地と内生地の間に中間層として薄板状の餅様生地を配置したものである。
ここで、上掛け生地と内生地、及び餅様生地を複合ベーカリー生地とする方法は、特に限定されるものではなく、例えば、薄板状に成形した餅様生地を、成型した内生地上に積置し、さらにその上へ板状に成形した上掛け生地を積置する方法、板状に成形した後いったん冷凍した上掛け生地を、成型した餅様生地上に積置し、さらに内生地上に積置する方法、手成形又は自動包餡機により、餅様生地、及び上掛け生地で内生地を順番に包餡する方法等が挙げられる。なお、上記複合ベーカリー生地における、上掛け生地、餅様生地、及び内生地の比は、内生地100質量部に対して、餅様生地を好ましくは4〜35質量部、より好ましくは4〜16質量部とし、上掛け生地を好ましくは25〜140質量部、より好ましくは50〜120質量部とする。餅様生地が4質量部未満であると、水分移行の効果を十分に抑えることができないことがあり、35質量部を超えると、餅様生地の食感が強く出てしまうことがある。また、上掛け生地が25質量部未満であると、内生地を被う際に上掛け生地部分が薄くなりすぎ、本発明の製造方法によっても、カリカリした食感が消失しやすくなってしまう。また、上掛け生地が140質量部を超えると、上掛け生地部分が厚くなりすぎ、焼成後の複合ベーカリー製品の食感のバランスが崩れてしまうことがある。
次に、本発明の複合ベーカリー製品について述べる。
本発明の複合ベーカリー製品は、上記複合ベーカリー生地を、必要に応じ圧延、成形、ホイロ、ラックタイムをとった後、焼成して得られるものである。
上記複合ベーカリー生地を焼成する場合、ホイロについては、複合ベーカリー生地としてイーストを含まない生地を使用する場合は必要なく、イーストを配合した場合のみ必要であり、体積の大きく、層剥れの少ない複合ベーカリー製品を得るためには、好ましくは温度25〜40℃、相対湿度50〜80%で20〜90分、さらに好ましくは32℃〜38℃、相対湿度50〜80%で30〜60分である。
焼成は、通常のベーカリー製品同様、160℃〜250℃、好ましくは170℃〜220℃で行なうのが好ましい。焼成温度が160℃未満であると火どおりが悪く、また良好な食感が得られない。また、焼成温度が250℃を超えると焦げを生じ、食味が悪くなる。
本発明の複合ベーカリー製品は冷凍保存することが可能であり、冷凍保存した該ベーカリー製品は、電子レンジで解凍調理することが可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例4及び5は参考例1及び2である。
<薄板状の餅様生地の製造>
〔製造例1〕
白玉粉120質量部に上白糖100質量部及び水100質量部を添加し、蒸練機を用いて90℃にて混練した。更に、上白糖40質量部及び水40質量部を加えて、粘弾性を呈するまで混練し、30℃に冷却して、求肥生地を得た。この求肥生地を、厚さ0.5mmとなるように延展し、直径60mmの円形にうちぬき成形を行ない、求肥生地である薄板状の餅様生地aを得た。
〔製造例2〕
白玉粉120質量部に上白糖100質量部及び水100質量部を添加し、蒸練機を用いて90℃にて混練した。更に、上白糖40質量部及び水40質量部を加えて、粘弾性を呈するまで混練し、30℃に冷却して、求肥生地を得た。この求肥生地を、厚さ1mmとなるように延展し、直径60mmの円形にうちぬき成形を行ない、求肥生地である薄板状の餅様生地bを得た。
〔製造例3〕
「冷凍ぎゅうひクレープ(白)12cm角」(株式会社タヌマ製)(35g/1枚・厚さ実測値=1.5mm)を、常温(20℃)で2時間解凍し、薄板状の餅様生地cとした。
〔製造例4〕
白玉粉120質量部に上白糖100質量部及び水100質量部を添加し、蒸練機を用いて90℃にて混練した。更に、上白糖40質量部及び水40質量部を加えて、粘弾性を呈するまで混練し、30℃に冷却して、求肥生地を得た。この求肥生地を、厚さ2mmとなるように延展し、直径60mmの円形にうちぬき成形を行ない、求肥生地である薄板状の餅様生地dを得た。
〔製造例5〕
白玉粉120質量部に上白糖100質量部及び水100質量部を添加し、蒸練機を用いて90℃にて混練した。更に、上白糖40質量部及び水40質量部を加えて、粘弾性を呈するまで混練し、30℃に冷却して、求肥生地を得た。この求肥生地を、厚さ3mmとなるように延展し、直径60mmの円形にうちぬき成形を行ない、求肥生地である薄板状の餅様生地eを得た。
<ベーカリー生地の製造>
(上掛け生地の製造)
上白糖55質量部及び全卵(正味)30質量部を、ビーターを使用して混合し、これに、いったん60℃で加熱溶解した後40℃まで放冷した油脂(プレミアムショートCF、株式会社ADEKA製)25質量部を添加混合し、次いで、薄力粉100質量部及びベーキングパウダー1質量部を添加混合し、ショートペーストを得た。
(内生地の製造)
強力粉70質量部、イースト3質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖3質量部及び水40質量部をミキサーボウルに投入して縦型ミキサーにセットし、フックを使用して低速で3分、中速で2分ミキシングして中種生地を得た。この中種生地を醗酵室で28℃にて2時間中種発酵させた。次いで、この生地に、さらに強力粉10質量部、薄力粉20質量部、上白糖20質量部、食塩1.3質量部、脱脂粉乳3質量部、全卵(正味)12質量部及び水9質量部を添加し、低速で4分、中速で4分ミキシングした。ここで、練込用マーガリン(プレミアムショートCF、株式会社ADEKA製)10質量部を投入し、低速で4分、中速で4分ミキシングして菓子パン生地を得た(捏ね上げ温度28℃)。
[実施例1]
上記菓子パン生地を、フロアタイム30分をとった後に45gに分割し、さらにベンチタイム20分をとった後、これを内生地とし、続いて上記薄板状の餅様生地a2.5gを積置した。次に手成形にて、上記ショートペーストを35gに分割し、これを上掛け生地とし、包餡成形し、本発明の複合ベーカリー生地A’を得た。
得られた複合ベーカリー生地A’を、温度38℃、相対湿度70%で50分ホイロをとった後、固定窯にて180℃で13分焼成し、本発明の複合ベーカリー製品Aを得た。
得られた複合ベーカリー製品Aの焼成1時間後、1日後、3日後のショートペースト由来部分及び菓子パン部分の食感、さらに焼成3日後のショートペースト由来部分の密着性について、下記評価基準で評価を行い、結果を[表1]に示した。
評価基準
・焼成したショートペースト部分の食感
◎:カリカリした食感が極めて良好である。
○:カリカリした食感である。
△:歯切れが悪く又はねちゃつき感があり、カリカリ感に乏しい。
×:べとつき感があり、カリカリした食感が感じられない。

・焼成した菓子パン生地部分の食感
◎:しっとりとしたソフトな食感が極めて良好である。
○:しっとりとしたソフトな食感が良好である。
△:ややぱさついた食感である。
×:非常にぱさついた食感である。

・ 焼成3日後の密着性
◎:剥れ落ちが全くなかった。
○:剥れ落ちがほとんどなかった。
△:少量の剥れ落ちがあった。
×:剥れ落ちが多かった。
[実施例2]
薄板状の餅様生地aに代えて薄板状の餅様生地bを5gとした以外は実施例1と同様にして本発明の複合ベーカリー生地B’、及び複合ベーカリー製品Bを得た。得られた複合ベーカリー製品Bについて、実施例1と同様に評価し、結果を[表1]に示した。
[実施例3]
薄板状の餅様生地aに代えて薄板状の餅様生地cを7.5gとした以外は実施例1と同様にして本発明の複合ベーカリー生地C’、及び複合ベーカリー製品Cを得た。得られた複合ベーカリー製品Cについて、実施例1と同様に評価し、結果を[表1]に示した。
[実施例4]
薄板状の餅様生地aに代えて薄板状の餅様生地dを10gとした以外は実施例1と同様にして本発明の複合ベーカリー生地D’、及び複合ベーカリー製品Dを得た。得られた複合ベーカリー製品Dについて、実施例1と同様に評価し、結果を[表1]に示した。
[実施例5]
薄板状の餅様生地aに代えて薄板状の餅様生地eを15gとした以外は実施例1と同様にして本発明の複合ベーカリー生地E’、及び複合ベーカリー製品Eを得た。得られた複合ベーカリー製品Eについて、実施例1と同様に評価し、結果を[表1]に示した。
[比較例]
上記菓子パン生地を、フロアタイム30分をとった後に45gに分割し、さらにベンチタイム20分をとった後、これを内生地とし、次に手成形にて、上記ショートペーストを35gに分割し、これを上掛け生地とし、包餡成形し、複合ベーカリー生地F’を得た。得られた複合ベーカリー生地を、温度38℃、相対湿度70%で50分ホイロをとった後、固定窯にて180℃で13分焼成し、複合ベーカリー製品Fを得た。得られた複合ベーカリー製品Fについて、実施例1と同様に評価し、結果を[表1]に示した。
Figure 0006022293

Claims (5)

  1. ショートペーストを上掛け生地とし、パン生地を内生地とする複合ベーカリー生地であって、上掛け生地と内生地との間に中間層として薄板状の餅様生地を配置しており、
    上記餅様生地が求肥生地であり、
    上記餅様生地は厚さが0.4〜1.5mmである、複合ベーカリー生地。
  2. 上記求肥生地は穀類及び糖類を含有し、
    上記糖類の含有量は、上記穀類100質量部に対し、固形分として、70〜500質量部である請求項1に記載の複合ベーカリー生地。
  3. 請求項1又は2記載の複合ベーカリー生地を焼成してなる複合ベーカリー製品。
  4. ショートペーストである上掛け生地とパン生地である内生地の間に中間層として薄板状の餅様生地を配置し、焼成することを特徴とする複合ベーカリー製品の製造方法であって、
    上記餅様生地が求肥生地であり、
    上記餅様生地は厚さが0.4〜1.5mmである複合ベーカリー製品の製造方法
  5. 上記求肥生地は穀類及び糖類を含有し、
    上記糖類の含有量は、上記穀類100質量部に対し、固形分として、70〜500質量部である、請求項4に記載の複合ベーカリー製品の製造方法
JP2012226802A 2012-10-12 2012-10-12 複合ベーカリー生地 Active JP6022293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012226802A JP6022293B2 (ja) 2012-10-12 2012-10-12 複合ベーカリー生地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012226802A JP6022293B2 (ja) 2012-10-12 2012-10-12 複合ベーカリー生地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014076028A JP2014076028A (ja) 2014-05-01
JP6022293B2 true JP6022293B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=50781932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012226802A Active JP6022293B2 (ja) 2012-10-12 2012-10-12 複合ベーカリー生地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6022293B2 (ja)

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5712945A (en) * 1980-06-27 1982-01-22 Masao Kimoto Rice cake bread
JP2000300160A (ja) * 1999-04-21 2000-10-31 Takada Package:Kk パンおよびその製造方法
JP2002095418A (ja) * 2000-09-22 2002-04-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 生菓子の製造方法
JP2004215502A (ja) * 2002-11-21 2004-08-05 Ogawa Sangyo Kk 冷菓子とこれに用いる冷菓子用コーン及び冷菓子用コーン入りの包装用容器
JP2004201656A (ja) * 2002-12-20 2004-07-22 Tsukishima Shokuhin Kogyo Kk ベーカリー製品の製造方法
JP2006081448A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Kaneka Corp メロンパンの製造方法
JP4878956B2 (ja) * 2006-08-11 2012-02-15 レオン自動機株式会社 シート状食品生地の折り畳み方法及びその装置
JP2008086211A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Adeka Corp 複合ベーカリー食品の製造方法
JP4930244B2 (ja) * 2007-07-24 2012-05-16 不二製油株式会社 ビンガム流動組成物
US20110189351A1 (en) * 2010-02-01 2011-08-04 Kraft Foods Global Brands Llc Fat bloom inhibiting food compositions and methods
JP2012100587A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Adeka Corp 型焼きベーカリー食品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014076028A (ja) 2014-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5955883B2 (ja) ベーカリー食品用ミックス
JP2011055786A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP2017131168A (ja) 圧縮成形菓子の製造方法
JP4578429B2 (ja) 焼菓子生地
JP2010075138A (ja) パン生地
JP6557073B2 (ja) チルドパンとその製造方法
JP2015073474A (ja) ベーカリー上掛け用バッター生地
JP6022293B2 (ja) 複合ベーカリー生地
JP2013215173A (ja) 複合パン生地、複合ベーカリー製品及びその製造方法
JP5188951B2 (ja) 複合菓子生地
JP2012100587A (ja) 型焼きベーカリー食品の製造方法
JP5858604B2 (ja) 複合菓子生地
JP2007252202A (ja) 練りパイ生地の製造方法
JP2019058117A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP2008086211A (ja) 複合ベーカリー食品の製造方法
JP5248391B2 (ja) 焼き菓子生地の製造方法
JP2005341902A (ja) 菓子生地の製造方法
JP2022120881A (ja) ベーカリー用上掛け生地
JP2017212888A (ja) 複合ベーカリー生地及び複合ベーカリー製品
JP2006115755A (ja) 型焼き中空焼菓子
JP2019187274A (ja) 複合ベーカリー生地、複合ベーカリー製品及び該複合ベーカリー製品の製造方法。
JP2016086742A (ja) シューケースの製造方法
JP2024006626A (ja) パン生地
JP2016086741A (ja) ベーカリー製品の製造方法
JP2013215172A (ja) ベーカリー食品内水分移行抑制剤、ベーカリー用上掛け生地及びベーカリー食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150805

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160524

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161005

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6022293

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151