JP2013215172A - ベーカリー食品内水分移行抑制剤、ベーカリー用上掛け生地及びベーカリー食品 - Google Patents

ベーカリー食品内水分移行抑制剤、ベーカリー用上掛け生地及びベーカリー食品 Download PDF

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Abstract

【課題】口溶けや生地作業性を悪化させることなく、また、製造工程数を増加させることなく、少量の添加で、メロンパンなどの複合ベーカリー食品に発生する焼成後の水分移行を防止することができるベーカリー食品内水分移行抑制剤を提供すること。
【解決手段】水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を有効成分とするベーカリー食品内水分移行抑制剤。該食物繊維として、低置換度カルボキシメチルセルロースが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、メロンパンなどの複合ベーカリー食品に発生する焼成後の水分移行を抑制することができるベーカリー食品内水分移行抑制剤に関する。
ビスケット生地やタルト生地などのショートペースト生地、あるいはシュー生地やバターケーキ生地などのバッター生地を、ベーカリー用上掛け生地として、菓子パン生地やデニッシュ生地などの内生地の上に載せて焼成したベーカリー食品はメロンパンと称されている。
このメロンパンは、内生地焼成部分と上掛け生地焼成部分から構成されるものであるが、焼成直後から、内生地焼成部分から上掛け生地焼成部分への水分移行が始まるため、上掛け生地焼成部分の食感が経日的に変化してしまう。例えば、ベーカリー用上掛け生地としてショートペースト生地を使用したメロンパンは、焼成直後のカリカリとした食感が経日的に失われしっとりした食感に変化してしまうし、ベーカリー用上掛け生地としてバッター生地を使用したメロンパンは、焼成直後のしっとりとした食感が経日的に失われべたついた食感に変化してしまう。また、水分移行により水分含有量が増えた上掛け生地焼成部分は包装材料に付着してしまうという問題もある。
このような問題を解決するために、ベーカリー用上掛け生地に使用する原料や添加物について各種検討が行われている。
その方法としてまず考えられたのが、糊化澱粉や糊化穀粉を添加する方法(例えば特許文献1及び2参照)である。しかし、この方法では、良好な水分移行抑制効果を得るためには多量の添加が必要であり、その場合、生地の伸展性やスプレッド性が悪化する問題に加え、上掛け生地焼成部分の食感がぼそついたりねちゃついた感じになりやすいという問題があった。
次に考えられたのが、融点の高い油脂を使用する方法(例えば特許文献3〜6参照)である。
しかし、この方法によると、たしかに水分移行は抑制されるが、油脂はベーカリー生地の主要原料であるために大量の添加が必要であり、そのために上掛け生地焼成部分の食感、とくに口溶けが悪化してしまう問題があることに加え、さらに特許文献3の方法では上掛け生地の伸展性が悪化してしまう問題、特許文献4及び5の方法では工程数が増加してしまうという問題、特許文献6の方法では適度の生地物性とするために水分調整が必要であるなどの工程上の問題が多く発生してしまうという問題があった。
このように、口溶けや生地作業性を悪化させることなく、また、製造工程数を増加させることなく、少量の添加で、メロンパンなどの複合ベーカリー食品に発生する焼成後の水分移行を防止することができるベーカリー食品内水分移行抑制剤の開発が望まれている。
ところで、ベーカリー生地に限らず、食品の主要成分としては、上記澱粉類、油脂類以外に、タンパク質や食物繊維がある。とくに食物繊維は、その栄養学的な見地から低吸収性素材としてベーカリー食品に添加されることも多く、また、その吸水性が優れるという特徴を生かし、ベーカリー食品においては保水剤としての使用により、ソフトでしっとりした食感のパンを得るために使用されている。(例えば特許文献7参照)
しかし、ベーカリー食品における食物繊維のその他の機能については検討が行われておらず、そのため、食物繊維の種類それぞれに固有の機能についての研究もまた行われていなかった。
特開平07−099878号公報 特開2001−340048号公報 特開2006−149220号公報 特開2008−086211号公報 特開2009−039076号公報 特開2011−055786号公報 特開2011−097923号公報
従って、本発明の目的は、口溶けや生地作業性を悪化させることなく、また、製造工程数を増加させることなく、少量の添加で、メロンパンなどの複合ベーカリー食品に発生する焼成後の水分移行を防止することができるベーカリー食品内水分移行抑制剤を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の食物繊維を使用することで上記問題を解決可能であることを見出した。
すなわち、本発明は、水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を有効成分とするベーカリー食品内水分移行抑制剤を提供するものである。
本発明のベーカリー食品内水分移行抑制剤を使用することで、口溶けや生地作業性を悪化させることなく、また、製造工程数を増加させることなく、少量の添加で、メロンパンなどの複合ベーカリー食品に発生する焼成後の水分移行を防止することができ、そのため、上掛け生地焼成部分において焼成直後の食感を経日的に維持することが可能である。
まず、本発明で使用する「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」について述べる。
よく知られているように、食物繊維とは、栄養学的に「ヒトの消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義され、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分類される。水溶性食物繊維としては、ポリデキストロース、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、グルコマンナン、アガロース(寒天)、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、難消化性デキストリン等が代表的であり、また、不溶性食物繊維としては、小麦フスマ、セルロース、リグニン、キチン、キトサン、ヘミセルロース、穀物ファイバー、果実ファイバー等が代表的である。
食物繊維の食品における利用は、栄養学的なものを除くと、増粘剤やゲル化剤としての利用が主となっている。これは、食物繊維が一般的に分子量の多い多糖類であることによる。ここで、水溶性食物繊維は、溶解度の差により冷水可溶性と冷水不溶性に分類されることはあるものの、いずれも熱水には可溶であるため、その使用方法として特に難しい点はないが、不溶性食物繊維の場合は、その使用方法に若干のコツが必要になっている。
即ち、例えばセルロースのように、水に対する溶解性が極端に低い食物繊維の場合は、微細粉末として使用することが行われている。また、穀物ファイバー、果実ファイバーのように、一部水溶性食物繊維を含むものの不溶性食物繊維が主成分であるがために不溶性食物繊維に分類されている「複合型食物繊維」の場合は、水に対して完全に溶解はしないものの、膨潤により多量(2〜10倍)の水分を保持することが可能であることから、時間をかけて十分に膨潤させることにより増粘安定剤としての利用も行われている。
本発明で使用する「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」は、このような「複合型食物繊維」であり、具体的には、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、キャロットファイバー、トマトファイバー、バンブーファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大麦ファイバー、ライ麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロース、米ぬか、キチン、キトサン等を挙げることができる。これらの食物繊維は、単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いてもよい。
これらの中でも保水性が高いことに加え、水分含量の高い場合であっても、べとつきが少ないベーカリー生地とすることができる点で、アップルファイバー、シトラスファイバー、オレンジファイバー、シュガービートファイバー、コーンファイバー、小麦ファイバー、大豆ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロースのうちの一種又は二種以上を使用することが好ましく、保水性が特に高いことからシトラスファイバー、オレンジファイバー、小麦ファイバー、コンニャクファイバー、低置換度カルボキシメチルセルロースのうちの一種又は二種以上を使用することがより好ましく、シトラスファイバー及び/又は低置換度カルボキシメチルセルロースを使用することがさらに一層好ましい。最も好ましくは、乳化性を有することから、安定したベーカリー生地を製造可能なことに加え、特に水分移行抑制機能が優れている点で、低置換度カルボキシメチルセルロースを使用する。
上記低置換度カルボキシメチルセルロースは、セルロースに対しカルボキシメチルエーテル化法により、グルコース単位当たりのカルボキシメチルエーテル基置換度が0.01〜0.4、好ましくは0.03〜0.38となるようにカルボキシメチル基をエーテル結合して得られるものである。一般のカルボキシメチルセルロース(置換度が0.4超)が水溶性であるのに対し、この低置換度カルボキシメチルセルロースは、水不溶性でありながら膨潤性を有するという特徴を有する。
尚、水溶性食物繊維とセルロースのような膨潤性のない不溶性食物繊維を単に水相に配合して使用しても本発明の効果は得られない。これは、上記「水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維」においては、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とが複合体として存在しているためと考えられる。また、本発明において、カルボキシメチルセルロースにはカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を含むものとする。
次に、本発明のベーカリー用上掛け生地について述べる。
本発明のベーカリー用上掛け生地は、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を用いて得られたベーカリー生地であって上掛け用に使用するものである。
また、本発明のベーカリー用上掛け生地はショートペースト生地であっても、バッター生地であってもよいが、常温で固体であるショートペースト生地よりも常温でペースト状〜流動状であるバッター生地において、より焼成直後の上掛け生地焼成部分の食感、特に口溶けが良好であり、さらに、内生地焼成部分から上掛け生地焼成部分への水分移行抑制効果が高いため、本発明の上掛け生地はバッター生地であることが好ましい。
なお、上記ショートペースト生地(なお、単に「ショートペースト」ということもある)とは、製菓用の焼菓子生地分類の1種であり、サクサクした食感をもつ焼菓子を得るための生地のことであり、でんぷん類と油脂と水分を必須成分とし、常温で流動性がない生地をさし、例えば、サブレ生地、ビスケット生地、クッキー生地、ガレット生地、練パイ生地、タルト生地などが挙げられる。
また、上記バッター生地(なお、単に「バッター」ということもある)とは、同様に、製菓用の焼菓子生地分類の1種であり、でんぷん類と水分を必須成分とし、必要に応じて油脂を使用し、ショートペースト生地に比べて水分含有量が高く、常温で流動性を有する生地であり、例えば、スポンジケーキ生地やバターケーキ生地、マフィン生地などの各種ケーキ生地、ソフトクッキー生地、シュー生地、ベイクドチーズケーキ生地、ガトーショコラ生地、メレンゲ生地、マカロン生地などが挙げられる。
ここで、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維の添加量は、その生地の種類によっても異なるが、好ましくは0.005〜3.5質量部、より好ましくは0.01〜1.2質量部である。
本発明のベーカリー用上掛け生地は、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維以外は、必要に応じて、一般のベーカリー生地製造材料として使用することのできるその他の原料を使用することができる。該その他の原料としては、例えば、油脂、水、でんぷん類、卵類、乳化剤、糖類、増粘安定剤、イースト、ステビア・アスパルテーム・スクロース・アセスルファムカリウムなどの甘味料、β―カロチン・カラメル・紅麹色素などの着色料、トコフェロール・茶抽出物などの酸化防止剤、デキストリン、カゼイン・ホエー・クリーム・脱脂粉乳・発酵乳・牛乳・全粉乳・ヨーグルト・練乳・加糖練乳・全脂練乳・脱脂練乳・濃縮乳・純生クリーム・ホイップ用クリーム(コンパウンドクリーム)・植物性ホイップ用クリームなどの乳や乳製品、ナチュラルチーズ・プロセスチーズなどのチーズ類、原料アルコール、焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデーなどの蒸留酒、ワイン・日本酒・ビールなどの醸造酒、各種リキュール、膨張剤、無機塩類、食塩、ベーキングパウダー、イーストフード、生地改良剤、カカオ及びカカオ製品、コーヒー及びコーヒー製品、ハーブ、豆類、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、保存料、苦味料、酸味料、pH調整剤、日持ち向上剤、酵素、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、調味料、香辛料、香料、野菜類・肉類・魚介類などの食品素材、コンソメ・ブイヨンなどの植物及び動物エキス、食品添加物などを挙げることができる。
上記油脂としては、マーガリン、ショートニング、バターなどの可塑性油脂や、サラダ油、流動ショートニング、溶かしバターなどの流動性〜液体の形態の油脂などを挙げることができる。なお、その添加量はベーカリー用上掛け生地に使用するでんぷん類100質量部に対し好ましくは5〜150質量部、より好ましくは8〜120質量部である。
上記でんぷん類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、ヘーゼルナッツ粉、カシューナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカでんぷん、小麦でんぷん、甘藷でんぷん、サゴでんぷん、米でんぷん、もち米でんぷんなどのでんぷんや、α化処理、分解処理、エーテル処理、エステル処理、架橋処理、微細化、グラフト化処理などの中から選ばれた1種または2種以上の処理を施した加工でんぷんなどが挙げられるが、本発明では、でんぷん類中、好ましくは小麦粉類を50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは100質量%使用する。
上記卵類としては、全卵、卵黄、卵白、加塩全卵、加塩卵黄、加塩卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、凍結加糖全卵、凍結加糖卵黄、凍結加糖卵白、酵素処理全卵、酵素処理卵黄、酵素処理卵白などが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド、レシチン、リゾレシチンなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
上記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、粉糖、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖、酵素糖化水飴、還元でんぷん糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、還元糖ポリデキストロース、還元乳糖、還元水飴、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、はちみつなどが挙げられ、これらの中から選ばれた1種または2種以上を用いることができる。
次に本発明のベーカリー用上掛け生地の製造方法について述べる。
本発明のベーカリー用上掛け生地の製造方法は特に制限されるものではなく、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を練り込み使用する以外は一般的なショートペースト生地やバッター生地の製造法を適用することができる。ただし、生地中への分散性と食感を考慮し、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維は、該食物繊維を水相に含有する水中油型乳化物の形態で添加し、練りこむことが好ましい。
なお、該水中油型乳化物においては、上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水相中に水相基準で0.5〜5質量%、好ましくは1.2〜3.5質量%、さらに好ましくは1.5〜3質量%含有することが好ましい。
また、該水中油型乳化油脂組成物中の油分含有量は、好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは3〜40質量%、より好ましくは5〜40質量%であり、最も好ましくは5〜30質量%となる量である。
また、該水中油型乳化油脂組成物中の水分含量は、好ましくは20〜90質量%、さらに好ましくは30〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%であり、最も好ましくは50〜70質量%となる量である。
なお、本発明のベーカリー用上掛け生地は冷凍生地として好ましく使用できる。
次に、本発明のベーカリー食品について説明する。
本発明のベーカリー食品は、本発明のベーカリー用上掛け生地を、パン生地、練パイ生地、折りパイ生地、デニッシュ生地、シュー生地、ドーナツ生地、ケーキ生地、クラッカー生地、ワッフル生地などの内生地に上掛けし、焼成することにより、得られるものである。上掛けする方法は、特に限定されるものではなく、例えば、板状に成形した本発明のベーカリー用上掛け生地を内生地に積置する方法、板状に成形した後いったん冷凍した本発明のベーカリー用上掛け生地を内生地に積置する方法、内生地の上面に本発明のベーカリー用上掛け生地を絞る方法、手成形または自動包餡機により本発明のベーカリー用上掛け生地で内生地を包餡する方法などが挙げられる。本発明のベーカリー食品において、本発明のベーカリー用上掛け生地の使用量は、上記内生地100質量部に対して好ましくは25〜100質量部とする。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例等により制限されるものではない。
<<水中油型乳化油脂組成物の製造>>
〔製造例1〕
60℃に加温したパーム油8質量%にレシチン0.1質量%とグリセリン脂肪酸エステル0.1質量%を溶解した油相を用意した。一方、60℃に加温した水67質量%に乳糖8質量%、脱脂粉乳(蛋白質含量=36質量%)15質量%、リン酸塩0.2質量%、香料0.1質量%を溶解し、さらに低置換度カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名「サンローズSLD−FM」、置換度=0.2〜0.3)1.5質量%を添加・分散した水相を用意した。該油相と水相を65℃で混合し、攪拌して水中油型の予備乳化物を調製した。該予備乳化物をVTIS殺菌機(アルファラバル社製UHT殺菌機ステリラボ)で143℃にて5秒間殺菌し、10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却し、油分含量が8質量%、水分含量が67質量%である、水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水相に含有する水中油型乳化物Aを得た。
〔製造例2〕
製造例1で使用した低置換度カルボキシメチルセルロースを無添加とし、水を67質量%から68.5質量%に変更した以外は、製造例1の配合・製法と同様にして、水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を水相に含有しない水中油型乳化物Bを得た。
<<ベーカリー試験1>>
[実施例1]
<ベーカリー用上掛け生地の製造>
マーガリン23質量部、上白糖23質量部を縦型ミキサーでビーターを使用して低速1分、中速1分混合したのち、全卵(正味)32質量部を徐々に添加しながらさらに中速2分混合した。次に、あらかじめ混合しておいたココアパウダー8質量部、アーモンドプードル4質量部、低置換度カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル製、商品名「サンローズSLD−FM」、置換度=0.2〜0.3)0.1質量%の混合物を添加し、中速1分混合した。最後に薄力粉9.9質量部を添加し、低速1分混合することでバッターである本発明のチョコレートケーキ生地を得た。
<内生地(菓子パン生地)の製造>
強力粉70質量部、薄力粉30質量部、イースト4質量部、イーストフード0.1質量部、上白糖15質量部、食塩1.2質量部、脱脂粉乳2質量部、全卵(正味)10質量部、水52質量部をミキサーボウルに投入し、フックを使用して低速3分、中速2分混合した。ここに、練り込み油脂(マーガリン)12質量部を投入し、更に低速2分、中速2分、高速2分混合し、菓子パン生地を得た。(捏ね上げ温度:26℃)
<複合ベーカリー生地、及び、複合ベーカリー食品(メロンパン)の製造>
上記菓子パン生地をフロアタイム50分とった後、45gに分割、丸目を行ない、ベンチタイム20分とった後、コッペ型に成型して展板に並べ、38℃、湿度85%で50分ホイロをとった。この菓子パン生地上に、上記焼菓子生地を35g絞り、本発明の複合ベーカリー生地とした。この複合ベーカリー生地を、固定オーブンで180℃13分焼成し、本発明の複合ベーカリー食品(メロンパン)を得た。
<評価試験>
実施例1及び比較例1で得られたメロンパンを包装した後、28℃の恒温器に保管し、上掛け生地焼成部分の食感(カリカリした食感)を、焼成から1時間後、12時間後、24時間後及び48時間後それぞれにおいて、下記評価基準で評価した。その評価結果を表1に示した。
◎:ソフトでしっとりしていて、且つ、歯切れが良好である。
〇:ソフトでしっとりしている。
△:ややボソついた食感である。
×:ボソついた食感である。
〔比較例1〕
実施例1で使用した低置換度カルボキシメチルセルロースを無添加とし、薄力粉を10質量部に変更した以外は、実施例1と同様の配合・製法で、バッターである比較例1のチョコレートケーキ生地を得た。
該チョコレートケーキ生地を使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、複合ベーカリー生地、及び、複合ベーカリー食品を得た。
得られた複合ベーカリー食品は実施例1と同様の評価を行い、その評価結果を表1に記載した。
Figure 2013215172
<<ベーカリー試験2>>
〔実施例2〕
マーガリン40質量部、上白糖40質量部を縦型ミキサーでビーターを使用して低速1分、中速1分混合したのち、全卵(正味)5質量部を添加しながらさらに中速2分混合した。次に、上記水中油型乳化物A75質量部を数回に分けて添加し、中速1分混合した。最後に薄力粉100質量部及びベーキングパウダー1質量部の混合物を添加し、低速1分混合することで水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を0.43質量%含有するバッターであるケーキ生地を得た。
該ケーキ生地を使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、複合ベーカリー生地、及び、複合ベーカリー食品を得た。
得られた複合ベーカリー食品は実施例1と同様の評価を行い、その評価結果を表2に記載した。
〔比較例2〕
水中油型乳化物Aに代えて水中油型乳化物Bを使用した以外は実施例2と同様の配合・製法で、バッターである比較例2のケーキ生地を得た。
該ケーキ生地を使用した以外は実施例1と同様の配合・製法で、複合ベーカリー生地、及び、複合ベーカリー食品を得た。
得られた複合ベーカリー食品は実施例1と同様の評価を行い、その評価結果を表2に記載した。
Figure 2013215172

Claims (5)

  1. 水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維を有効成分とするベーカリー食品内水分移行抑制剤。
  2. 上記水不溶性且つ水膨潤性の食物繊維が、低置換度カルボキシメチルセルロースである請求項1に記載のベーカリー食品内水分移行抑制剤。
  3. 請求項1または2に記載のベーカリー食品内水分移行抑制剤を用いたベーカリー用上掛け生地。
  4. バッター生地であることを特徴とする請求項3に記載のベーカリー用上掛け生地。
  5. 請求項3または4に記載のベーカリー用上掛け生地を用いたベーカリー食品。
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