JP6015116B2 - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロピオン酸系NSAIDsを含有する錠剤に関するものである。
イブプロフェン等のプロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(以下、プロピオン酸系NSAIDs)は、優れた消炎、鎮痛、解熱作用を有し、鎮痛・解熱剤及び感冒薬の成分として広く使用されている。プロピオン酸系NSAIDsの副作用は比較的少ないといわれているが、服用者によっては胃障害を引き起こすことがある。そのため、胃障害抑制のため制酸剤が配合されることがある。また、上記プロピオン酸系NSAIDsは、酸性領域において難溶性の薬物であることから、その溶出性改善のため塩基性成分とともに製剤化されることもある。
特開2011−116744号公報
上記プロピオン酸系NSAIDsは、制酸剤又は塩基性成分と反応し長期保存によりその有効性を低下させる。本発明者らは、この問題について種々検討を行った結果、プロピオン酸系NSAIDsをアルミニウム配合無機金属塩等のアルミニウム配合系の制酸剤と共に製剤化した場合に、錠剤保存後の(A)成分の溶出性が低下し、その結果、保存後の有効性が顕著に減少することを見出した。これはアセトアミノフェン等の他の薬物では見られないもので、プロピオン酸系NSAIDsと、アルミニウム配合無機金属塩等のアルミニウム配合系の制酸剤とを併用することにより生じる課題である。
このような課題に対しては、制酸剤又は塩基性無機金属塩を、製剤化に先立ち造粒する方法、プロピオン酸系NSAIDsと制酸剤(あるいは塩基性無機金属塩)とを隔離した積層錠とする方法等が知られている。しかしながら、造粒を行なった場合は、製造コストが上昇する上に、プロピオン酸系NSAIDsの種類によっては打錠時の付着等のトラブルを生じることがある。また、積層錠とする場合も、特殊な製造設備を必要とするうえに、プロピオン酸系NSAIDsの種類によっては、層間剥離、崩壊遅延、打錠時の付着等のトラブルを生じることがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、プロピオン酸系NSAIDs及びアルミニウム配合無機金属塩等のアルミニウム配合系の制酸剤を含有する錠剤中における、錠剤保存後のプロピオン酸系NSAIDsの溶出性を、簡便にかつ製造時のトラブルを回避して、向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(A)プロピオン酸系NSAIDsと、(B)特定の制酸剤を配合する組成に、(C)金属イオンで置換されていないカルボキシル基を有する高分子化合物を、(B)成分に対して一定の割合で添加することで、錠剤保存後の(A)成分の溶出性の低下を改善できることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記錠剤及び製造方法を提供する。
[1].(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、(B)乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びアルミニウムグリシネートから選ばれる1種以上、(C)カルボキシメチルセルロースを含有し、1層又は2層以上の錠剤であって、(C)/(B)で表される含有質量比が0.4〜3であり、(A)、(B)及び(C)成分が同じ層に存在する錠剤(但し、上記(A)〜(C)成分は造粒物として配合されてもよいが、(A)及び(B)成分が同じ造粒物中に含まれるものを除く。)。
[2].(A)成分が、イブプロフェン、ケトプロフェン及びナプロキセンから選ばれる1種以上であることを特徴とする[1]記載の錠剤。
[3].(B)/(A)で表される含有質量比が0.1〜2である[1]又は[2]記載の錠剤。
[4].(A)成分がイブプロフェンであり、(B)成分が乾燥水酸化アルミニウムゲル又はアルミニウムグリシネートであり、(C)成分がカルボキシメチルセルロースであり、(C)/(B)で表される含有質量比が0.6〜3であり、(B)/(A)で表される含有質量比が0.2〜1.5である[1]〜[]のいずれかに記載の錠剤。
[5].[1]〜[]のいずれかに記載の錠剤の製造方法であって、(B)及び(C)成分を含有する造粒粒子を調製し、この造粒粒子と、(A)成分とを混合して、得られた混合粉体を打錠する工程を含む製造方法。
[6].[1]〜[]のいずれかに記載の錠剤の製造方法であって、(A)、(B)及び(C)成分を含有する混合粉体を打錠する工程を含む製造方法。
本発明によれば、プロピオン酸系NSAIDs及び制酸剤を含有する錠剤中における、プロピオン酸系NSAIDsの安定性を、簡便にかつ製造時のトラブルを回避して、達成することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とはプロピオン酸基を有するものをいい、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。(A)成分としては特に限定されないが、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ロキソプロフェン等が挙げられ、イブプロフェン、ケトプロフェン及びナプロキセンが好ましく、イブプロフェンがより好ましい。なお、(A)成分はコーティングしてもよいが、速溶性の点から、水溶性コーティングやpH2以下の酸性で溶解するpH感応コーティングとすることが好ましい。
(B)アルミニウム配合無機金属塩
(B)成分は、アルミニウム配合制酸剤であれば特に限定されないが、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びアルミニウムグリシネート等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。中でも、乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネートが好ましく、乾燥水酸化アルミニウムゲルがより好ましい。
(C)金属イオンで置換されていないカルボキシル基を有する高分子化合物
(C)成分としては、カルボキシル基を有する高分子化合物であれば特に限定されないが、カルメロース(カルボキシメチルセルロース)、カルボキシビニルポリマーが好ましく、カルメロースがより好ましい。なお、カルボキシル基を有する高分子化合物であっても、ナトリウムやカルシウム塩を用いた場合は、(B)成分が原因である(A)成分の保存後の溶出性の低下は抑制できない。
錠剤中の(A)成分の含有量は、製造性に問題が無い範囲で任意に設定できるが、製造性の観点から10〜80質量%の範囲が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましい。1錠中の(A)成分の比率が10質量%未満だと、(A)成分の保存後の溶出低下の抑制効果は得られるものの、錠剤が大型化し服用性に影響がある場合がある。また、1錠中の(A)成分の含有量が80質量%を超えると、相対的に(C)成分の1錠中の配合割合が低下し、(C)成分による錠剤保存後の(A)成分溶出性低下の改善効果が不十分となるおそれがある。
(C)/(B)で表される、(B)成分、(C)成分の含有質量比は0.3〜3であり、この範囲とすることで本発明の効果をより得ることができる。この比率は、0.4以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、0.6以上が特に好ましい。(C)成分の配合比率が高まるほど、錠剤保存後の(A)成分の溶出低下の改善効果は高まるものの、3を超えて配合した場合には、錠剤硬度の低下や、(C)成分の種類によっては打錠時の付着等のトラブルを生じやすくなる。
また、(B)/(A)で表される、(A)成分、(B)成分の含有質量比は0.1〜2であり、この範囲とすることで本発明の効果をより得ることができる。0.2〜1.5がより好ましく、0.3〜1.0がさらに好ましい。(B)成分の配合比率が0.1未満であっても(C)成分添加による(A)成分の保存後溶出低下の抑制効果は得られるものの、そもそも(B)成分による(A)成分の保存後溶出の低下自体が起こりにくい。
なお、本発明の効果については上記比率の方が重要であるが、錠剤中の(B)成分の含有量は、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。(C)成分の含有量は、1〜70質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましい。
(A)〜(C)以外の成分としては錠剤の物性、保存安定性を損なわない範囲で任意に、その他の生理活性成分や添加剤を、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
生理活性成分としては、例えば、(A)成分以外の解熱鎮痛成分(例えば、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、アセトアミノフェン、エテンザミド、スルピリン等)、鎮静催眠成分(例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(例えば、塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(例えば、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl−メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等)、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネート等)、ビタミン成分(例えば、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)等が挙げられる。
添加剤の例としては、結合剤、賦形剤、崩壊剤、香料、色素、滑沢剤、甘味剤、酸味料等が挙げられる。具体的には、結合剤としては、澱粉、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン等が挙げられる。賦形剤としては、結晶セルロース、乳糖、コーンスターチ、粉糖、マンニトール、L−システイン等が挙げられる。崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、部分α化デンプン等が挙げられる。滑沢剤としてはステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。香料としては、メントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)等が挙げられる。甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロース等が挙げられる。酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸又はそれらの塩等を用いることができる。これらの添加剤の中でも、特に結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム等が好ましい。錠剤中の結合剤の含有量は0.1〜30質量%、賦形剤は0.1〜30質量%、崩壊剤は0.1〜30質量%、滑沢剤は0.01〜3質量%が好ましい。
本発明の錠剤は、1層又は2層以上の錠剤であって、別途コーティング層等を有していてもよく特に限定されず、(A)〜(C)成分から選ばれる1種以上を含有する造粒物を配合してもよいが、(A)〜(C)は同じ層に存在する。本発明においては、(A)〜((C)成分が同じ層に存在することにより、(A)及び(B)成分を併用することによる、保存後の(A)成分の顕著な溶出低下抑制効果を得ることができる。
錠剤の製造方法としては、(A)〜(C)成分が同じ層に存在し、これらの成分は造粒物として配合されてもよいが、(A)及び(B)成分が同じ造粒物中に含まれるものでなければ特に限定されないが、下記方法等が挙げられる。(A)及び(B)成分が同じ造粒物に含まれているものを配合すると、保存後の(A)成分の溶出性が低下し、本発明の効果を得ることができない。
(i)(A)、(B)及び(C)成分、ならびに必要に応じて任意成分を含有する混合粉体を、打錠する方法。
(ii)錠剤化(打錠)に先立ち、(B)及び(C)成分を含有する造粒粒子を調製し、この造粒粒子と、(A)成分と、必要に応じて任意成分とを混合して、得られた混合粉体を打錠する方法。
(iii)錠剤化(打錠)に先立ち、(B)成分を含有する造粒粒子、(C)成分を含有する造粒粒子をそれぞれ調製し、これらの乾式造粒粒子と、(A)成分と、必要に応じて任意成分とを混合して、得られた混合粉体を打錠する方法。
中でも、錠剤保存後の(A)成分の溶出性の向上の点から、(ii)又は(iii)の製造方法が好ましい。乾式混合方法としては特に限定されないが、V型混合器、ボーレコンテナミキサー等の容器回転型の混合方法、リボンミキサーのように機械的撹拌力により混合する方法、流動層のように気流により撹拌混合する方法等が挙げられるが、特に容器回転型の混合方法が好ましい。造粒粒子の粒径は50〜1000μmが好ましい。測定方法はレーザー回折式粒度分布測定装置(BECKMAN COULTER社製 LS13 320)にて測定し、個数%により割合を算出した。打錠圧は目的とする錠剤(口腔内崩壊錠、胃内崩壊性錠剤)により、適宜選定されるが、本発明は胃内崩壊性錠剤とすることが好ましい。
錠剤の寸法は特に限定されず、(A)成分の配合量及び用量等を考慮して適宜決定することができるが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から錠剤の径として5〜14mmφが好ましく、7〜12mmφがより好ましい。また1錠あたりの錠剤質量としては150〜600mg程度が適切である。
得られた錠剤は、必要に応じてコーティング剤によりコーティング処理を施してもよい。かかるコーティング剤としては、本発明が目的とする崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、中でも水溶性高分子化合物、可塑剤が好ましい。具体的には、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、クロスポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等が挙げられる。可塑剤としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン等の日本薬局方(広川書店)及び医薬品添加物規格((株)薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。コーティング剤には(C)成分で示されるカルメロースを配合してもよいが、コーティング剤に含まれるカルメロースは本発明の効果に対して影響はなく、錠剤中の(C)成分によって目的とする効果が得られる。コーティング剤の使用量は、錠剤全体に対して0.5〜1.5質量%程度とするとよい。
本発明の積層錠は、解熱鎮痛薬や風邪薬として用いることができ、飲みやすさ、有効性発揮の点から、胃の中で崩壊する胃内崩壊性錠剤であることが好ましい。
以下、実施例、比較例、参考例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。
下記表に記載の錠剤を以下の方法で調製し、下記評価を行った。結果を表中に併記する。なお、各錠剤は70〜100Nの錠剤硬度となるように、打錠圧を調整した。
<溶出性>
日本薬局方に収載される溶出試験パドル法に準じて行った。溶出試験液のpHは1.2、パドル回転数は50rpmとした。評価は3回行った。結果は初期と、50℃・75%RHの条件下で6週間保存した後の溶出率の平均値の結果から、下記評価基で示す。
[溶出性評価基準]
◎:保存後の(A)成分の溶出率(溶出時間10分後)が初期の75%以上
○:保存後の(A)成分の溶出率(溶出時間10分後)が初期の60%以上75%未満
×:保存後の(A)成分の溶出率(溶出時間10分後)が初期の60%未満
[実施例1〜5、参考例1,2]
(A)、(B)、(C)成分、及びその他成分を選択し、下記表に記載の比率で混合し、打錠して錠剤(単層錠)を調製した。得られた錠剤をPTP包装(VSL:塩化ビニルフィルム)からなるブリスターに入れ、アルミニウム箔でシールした。
Figure 0006015116
いずれの(A)、(B)及び(C)成分の組み合わせにおいても、保存後の(A)成分の溶出性が優れていた。特に(A)成分としてイブプロフェン、(B)成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル、アルミニウムグリシネート、(C)成分としてカルメロースを用いたときに特に保存後の溶出性が優れていた。
[比較例1]
下記表に記載の錠剤を上記実施例1と同様の方法で調製した。
(C)成分を含まない比較例1の錠剤は、保存後の(A)成分の溶出性が顕著に減少した。このことから(C)成分は、保存後の(A)成分の溶出性の低下抑制効果が優れているといえる。
Figure 0006015116
[比較例2]
(A)成分と(B)成分を造粒し、(A)成分及び(B)成分を含有する造粒粒子(顆粒)を得た。得られた粒子(顆粒)とその他成分を混合し打錠して、下記表に記載の錠剤を調製した。
比較例2の錠剤は、保存後の(A)成分の溶出性が顕著に減少し、(C)成分による保存後の溶出低下抑制効果は見られなかった。
Figure 0006015116
[参考例、比較例3,4]
下記表に示す比率で、本願実施例1と同様の方法で錠剤を調製した。本発明の(A)成分以外の活性成分としてアセトアミノフェンを用いたときには、(B)成分による(A)成分の保存後の溶出性の低下が生じず(参考例)、(C)成分添加による効果は評価できなかった。また、(C)成分のカルメロースの塩であるカルメロースナトリウムやカルメロースカルシウムを用いた場合には(比較例3,4)、(B)成分が原因である(A)成分の保存後の溶出性の低下は抑制できなかった。
Figure 0006015116
[実施例12
下記表に示す比率で、本願実施例1と同様の方法で錠剤を調製した。
Figure 0006015116
[実施例13
(A)成分としてイブプロフェンを選択し、イブプロフェン975g、アセトアミノフェン975g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース375g、ヒドロキシプロピルセルロース75gをボーレコンテナミキサー(20L型:寿工業社製)で混合した。得られた混合粉体をローラーコンパクター(ターボ工業社製)で圧縮造粒し、乾式造粒粒子(顆粒)を得た。一方(B)成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル、(C)成分としてカルメロースを選択し、乾燥水酸化アルミニウムゲル350g、カルメロース400gをボーレコンテナミキサーで30分間混合した。その後上記乾式造粒粒子(顆粒)1600g、結晶セルロース150g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5gを添加し、さらに20分間混合した。その後ステアリン酸マグネシウムを10g添加し、さらに5分間混合した。得られた混合粉体をロータリー打錠機(リブラ2:菊水製作所製)で打錠し、下記表に示す組成の錠剤を得た。得られた錠剤をPTP包装(VSL:塩化ビニルフィルム)からなるブリスターに入れ、アルミニウム箔でシールした。50℃75%RH・6週間保存後も、(A)成分は優れた溶出性を示した。
Figure 0006015116
[実施例1
(A)成分としてイブプロフェンを選択し、イブプロフェン975g、アセトアミノフェン975g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース375g、ショ糖脂肪酸エステル75g、(C)成分としてカルメロース450gをボーレコンテナミキサー(20L型:寿工業社製)で混合した。得られた混合粉体をローラーコンパクター(ターボ工業社製)で圧縮造粒し、乾式造粒粒子(顆粒)を得た。その後、(B)成分として乾燥水酸化アルミニウムゲルを選択し、上記乾式造粒顆粒1900g、乾燥水酸化アルミニウムゲル350g、無水カフェイン400g、結晶セルロース150g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース5gを添加し、20分間混合した。その後ステアリン酸マグネシウムを10g添加し、さらに5分間混合した。得られた混合粉体をロータリー打錠機(リブラ2:菊水製作所製)で打錠し、下記表に示す組成の錠剤を得た。得られた錠剤をPTP包装(VSL:塩化ビニルフィルム)からなるブリスターに入れ、アルミニウム箔でシールした。50℃75%RH・6週間保存後も、(A)成分は優れた溶出性を示した。
Figure 0006015116
[実施例1
(A)成分としてイブプロフェンを選択し、イブプロフェン1350g、ブロムヘキシン塩酸塩36g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース675gを流動層造粒機(スパイラーフロー:フロイント産業製)内に投入し、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液を上記混合粉体に対し75gとなるように噴霧し、流動層造粒を行った。一方(B)成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル、(C)成分としてカルメロースを選択し、乾燥水酸化アルミニウムゲル630g、カルメロース630gをボーレコンテナミキサーで30分間混合した。その後上記造粒顆粒1482g、無水カフェイン150g、デキストロメトルファン臭化水素酸塩96g、結晶セルロース2700g、軽質無水ケイ酸81g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース90gを添加し、20分間混合した。その後ステアリン酸マグネシウムを18g添加し、さらに5分間混合した。得られた混合粉体をロータリー打錠機(リブラ2:菊水製作所製)で打錠し、下記表に示す組成の錠剤を得た。得られた錠剤をPTP包装(VSL:塩化ビニルフィルム)からなるブリスターに入れ、アルミニウム箔でシールした。50℃75%RH・6週間保存後も、(A)成分は優れた溶出性を示した。
Figure 0006015116

Claims (6)

  1. (A)プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、(B)乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及びアルミニウムグリシネートから選ばれる1種以上、(C)カルボキシメチルセルロースを含有し、1層又は2層以上の錠剤であって、(C)/(B)で表される含有質量比が0.4〜3であり、(A)、(B)及び(C)成分が同じ層に存在する錠剤(但し、上記(A)〜(C)成分は造粒物として配合されてもよいが、(A)及び(B)成分が同じ造粒物中に含まれるものを除く。)。
  2. (A)成分が、イブプロフェン、ケトプロフェン及びナプロキセンから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1記載の錠剤。
  3. (B)/(A)で表される含有質量比が0.1〜2である請求項1又は2記載の錠剤。
  4. (A)成分がイブプロフェンであり、(B)成分が乾燥水酸化アルミニウムゲル又はアルミニウムグリシネートであり、(C)成分がカルボキシメチルセルロースであり、(C)/(B)で表される含有質量比が0.6〜3であり、(B)/(A)で表される含有質量比が0.2〜1.5である請求項1〜のいずれか1項記載の錠剤。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の錠剤の製造方法であって、(B)及び(C)成分を含有する造粒粒子を調製し、この造粒粒子と、(A)成分とを混合して、得られた混合粉体を打錠する工程を含む製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の錠剤の製造方法であって、(A)、(B)及び(C)成分を含有する混合粉体を打錠する工程を含む製造方法。
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