JP7274825B2 - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、錠剤及びその製造方法に関する。
非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)の中でもロキソプロフェン及びその塩(以下、これらをまとめて「ロキソプロフェン(塩)」ともいう。)は、優れた消炎、鎮痛、解熱作用を有し、副作用が比較的少ないことから解熱鎮痛剤の成分として広く使用されている。解熱鎮痛薬や感冒薬等の一般用医薬品には、種々の症状に対する幅広い薬理効果を期待して複数の有効成分が配合されており、ロキソプロフェン(塩)においても様々な薬剤と組み合せて用いることが検討されている。
例えば特許文献1には、カフェイン類、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、アセトアミノフェン類及びエテンザミドより選ばれる1種又は2種以上の薬剤と、ロキソプロフェンナトリウム二水和物とを含有する、経口投与用の医薬組成物が開示されている。
特開平11-139971号公報
しかしながら、ロキソプロフェン(塩)にアセトアミノフェンを組み合わせた場合、崩壊性や溶出性等の錠剤物性が低下することがあった。また、個々の錠剤において硬度や崩壊性にばらつきが生じることもあった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、ロキソプロフェン(塩)とアセトアミノフェンとを含有する錠剤において、錠剤物性に優れ、硬度や崩壊性のばらつきが小さい錠剤及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ロキソプロフェン(塩)とアセトアミノフェンとの組み合わせにおいて、特定の質量比で錠剤に配合することで、錠剤物性に優れ、硬度や崩壊性のばらつきが小さい錠剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記(A)成分及び(B)成分を含む薬物層を有する錠剤であって、(B)成分/(A)成分で表される質量比が4.75~10である、錠剤。
(A)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(B)成分:アセトアミノフェン
[2] 前記(A)成分を1錠当たり11~100mg含む、[1]に記載の錠剤。
[3] 前記薬物層中の水分率が、前記薬物層の総質量に対して1~8質量%である、[1]又は[2]に記載の錠剤。
[4] 前記薬物層中の前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有率が、前記薬物層の総質量に対して8~99質量%である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の錠剤。
[5] 前記薬物層は、下記(C)成分をさらに含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の錠剤。
(C)成分:下記(c1)成分及び(c2)成分より選ばれる少なくとも1種
(c1)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸水素カルシウムより選ばれる少なくとも1種
(c2)成分:アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインより選ばれる少なくとも1種
[6] 前記(C)成分は前記(c1)成分と前記(c2)成分とを含有する、[5]に記載の錠剤。
[7] (C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.01~3である、[5]又は[6]に記載の錠剤。
[8] 前記薬物層中の前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量が、前記薬物層の総質量に対して9~99質量%である、[5]~[7]のいずれか1つに記載の錠剤。
[9] 前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分以外の成分(任意成分)の1錠当たりの含有率が、錠剤の総質量に対して5~65質量%である、[5]~[8]のいずれか1つに記載の錠剤。
[10] 下記(A)成分及び(B)成分を含み、(B)成分/(A)成分で表される質量比が4.75~10である薬物含有粉体を打錠成形して薬物層を形成する工程を有する、錠剤の製造方法。
(A)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(B)成分:アセトアミノフェン
[11] 少なくとも前記(A)成分を造粒した造粒物を用いて前記薬物含有粉体を調製する、[10]に記載の錠剤の製造方法。
[12] 前記(A)成分の造粒物を乾燥して、前記薬物層中の水分率を1~8質量%に調整する、[11]に記載の錠剤の製造方法。
本発明によれば、ロキソプロフェン(塩)とアセトアミノフェンとを含有する錠剤において、錠剤物性に優れ、硬度や崩壊性のばらつきが小さい錠剤及びその製造方法を提供できる。
[錠剤]
本発明の錠剤は、以下に示す(A)成分及び(B)成分を含有する薬物層を有する。薬物層は、以下に示す(C)成分を含有することが好ましい。
<(A)成分>
(A)成分は、ロキソプロフェン及びその塩(ロキソプロフェン(塩))より選ばれる少なくとも1種である。
ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
ロキソプロフェン(塩)は、水和物の状態で存在していてもよい。水和物の状態のロキソプロフェン(塩)の好適例としては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物が挙げられる。ロキソプロフェンナトリウム二水和物の場合、原末の水分量は約12質量%である。
(A)成分としては、ロキソプロフェンの塩が好ましく、ロキソプロフェンナトリウムがより好ましく、ロキソプロフェンナトリウム二水和物がさらに好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1錠当たりの(A)成分の含有量は、11~100mgが好ましく、15~75mgがより好ましく、15~30mgがさらに好ましい。1錠当たりの(A)成分の含有量が、上記下限値以上であれば1回当たりの服用錠数を減らすことができ、上記上限値以下であれば1錠中に他の有効成分を十分に含有することができる。
薬物層中の(A)成分の含有率は、薬物層の総質量に対して3~85質量%が好ましく、3~50質量%がより好ましく、4~30質量%がさらに好ましい。薬物層中の(A)成分の含有率が、上記下限値以上であれば製造直後の錠剤の硬度が良好となり、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
(A)成分の1回当たりの服用量は、11~170mgが好ましく、22~113mgがより好ましく、32~70mgがさらに好ましい。(A)成分の1回当たりの服用量が、上記下限値以上であれば解熱鎮痛効果が十分に得られ、上記上限値以下であれば製造工程における製造機への付着をより抑制できる。
なお、(A)成分が水和物の場合、1錠当たりの(A)成分の含有量、薬物層中の(A)成分の含有率、(A)成分の1回当たりの服用量及び他の成分との質量比には、(A)成分中の水分量も含まれるものとする。
<(B)成分>
(B)成分は、アセトアミノフェンである。
アセトアミノフェン(N-(4-ヒドロキシフェニル)アセトアミド)は、別名パラセタモールとも呼ばれ、日本薬局方に収載されている解熱鎮痛成分である。
1錠当たりの(B)成分の含有量は、30~400mgが好ましく、50~300mgがより好ましく、75~250mgがさらに好ましい。1錠当たりの(B)成分の含有量が、上記下限値以上であれば1回当たりの服用錠数を減らすことができ、上記上限値以下であれば1錠中に他の有効成分を十分に含有することができる。
薬物層中の(B)成分の含有率は、薬物層の総質量に対して5~90質量%が好ましく、20~85質量%がより好ましく、30~70質量%がさらに好ましい。薬物層中の(B)成分の含有率が多くなるほど(A)成分との相互作用により錠剤物性の低下、硬度や崩壊性のばらつきが顕著となるため、本発明の効果が発揮されやすい。薬物層中の(B)成分の含有率が上記上限値以下であれば、他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
(B)成分の1回当たりの服用量は、30~500mgが好ましく、50~300mgがより好ましく、100~300mgがさらに好ましい。(B)成分の1回当たりの服用量が、上記下限値以上であれば解熱鎮痛効果が十分に得られ、上記上限値以下であれば錠剤の硬度を良好に維持できる。
<(C)成分>
(C)成分は、下記(c1)成分及び(c2)成分より選ばれる少なくとも1種である。
(c1)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム及びリン酸水素カルシウムより選ばれる少なくとも1種
(c2)成分:アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインより選ばれる少なくとも1種
乾燥水酸化アルミニウムゲルとしては、「第十七改正 日本薬局方」に所載の乾燥水酸化アルミニウムゲルが挙げられる。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとしては、「日本薬局方外医薬品規格 2002」に所載のメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが挙げられる。酸化マグネシウムとしては、「第十七改正 日本薬局方」に所載の酸化マグネシウムが挙げられる。なお、乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウムには、結合水等の水が保持されていてもよい。
リン酸水素カルシウムは、水和物の状態で存在していてもよい。水和物の状態のリン酸水素カルシウムの好適例としては、リン酸水素カルシウム二水和物が挙げられる。リン酸水素カルシウム二水和物の場合、原末の水分量は約21質量%である。
カフェインは、水分を含有していてもよいし、無水物(無水カフェイン)でもよい。
(A)成分及び(B)成分の組み合わせにおいて(C)成分をさらに併用することで、錠剤物性がより向上するとともに、硬度や崩壊性のばらつきがより軽減される。特に、(c1)成分を併用すると錠剤物性がさらに向上するとともに、硬度や崩壊性のばらつきがさらに軽減される傾向にある。加えて、制酸剤の効果も得られる。(c2)成分を併用すると製造直後の錠剤の崩壊性が向上する傾向にある。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、(c1)成分及び(c2)成分を併用することで、(C)成分の合計質量が少量でも錠剤物性の向上効果、硬度や崩壊性のばらつきの軽減効果が十分に得られる。
1錠当たりの(C)成分の含有量は、5~400mgが好ましく、10~300mgがより好ましく、15~200mgがさらに好ましい。1錠当たりの(C)成分の含有量が、上記下限値以上であれば錠剤の硬度のばらつきや崩壊性のばらつきがより軽減され、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
薬物層中の(C)成分の含有率は、薬物層の総質量に対して1~90質量%が好ましく、3~70質量%がより好ましく、5~50質量%がさらに好ましい。薬物層中の(C)成分の含有率が、上記下限値以上であれば錠剤の硬度のばらつきや崩壊性のばらつきがより改善され、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
(C)成分の1回当たりの服用量は、5~500mgが好ましく、30~300mgがより好ましく、50~200mgがさらに好ましい。(C)成分の1回当たりの服用量が、上記下限値以上であれば錠剤の硬度のばらつきや崩壊性のばらつきがより改善され、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
(c1)成分及び(c2)成分を併用する場合、1錠当たりの(c1)成分及び(c2)成分の合計含有量は、10~500mgが好ましく、20~300mgがより好ましく、30~250mgがさらに好ましい。
薬物層中の(c1)成分及び(c2)成分の合計含有率は、薬物層の総質量に対して0.5~80質量%が好ましく、1~70質量%がより好ましく、3~40質量%がさらに好ましい。
(c1)成分及び(c2)成分の1回当たりの合計服用量は、5~800mgが好ましく、10~500mgがより好ましく、30~300mgがさらに好ましい。
なお、(C)成分としてリン酸水素カルシウムの水和物を用いる場合、1錠当たりの(C)成分の含有量、薬物層中の(C)成分の含有率、(C)成分の1回当たりの服用量及び他の成分との質量比には、(C)成分中の水分量も含まれるものとする。
<B/A比>
(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、「B/A比」ともいう。)は4.75~10であり、4.75~7が好ましく、5~6がより好ましい。B/A比が上記範囲内であれば、錠剤の硬度のばらつきや崩壊性のばらつきが改善される。加えて、製造工程における製造機への(B)成分の付着を抑制できる。特に、B/A比が上記下限値以上であれば、製造直後の錠剤の崩壊性が高まるとともに、高温曝露後の溶出性が向上する。B/A比が上記上限値以下であれば、硬度や崩壊性のばらつきを軽減できる。
<A+B合計含有率>
薬物層中の(A)成分及び(B)成分の合計含有率(以下、「A+B含有率」ともいう。)は、薬物層の総質量に対して8~99質量%が好ましく、23~90質量%がより好ましく、34~80質量%がさらに好ましい。薬物層中のA+B含有率が多くなるほど錠剤物性の低下、硬度や崩壊性のばらつきが顕著となるため、本発明の効果が発揮されやすい。薬物層中のA+B含有率が上記上限値以下であれば、他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
また、(A)成分及び(B)成分の1回当たりの合計服用量は、41~500mgが好ましく、77~413mgがより好ましく、132~370mgがさらに好ましい。(A)成分及び(B)成分の1回当たりの合計服用量が多くなるほど錠剤物性の低下、硬度や崩壊性のばらつきが顕著となるため、本発明の効果が発揮されやすい。(A)成分及び(B)成分の1回当たりの合計服用量が上記上限値以下であれば、服用性に適した錠剤の大きさとなる。
<C/(A+B)比>
(C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比(以下、「C/(A+B)比」ともいう。)は0.01~3が好ましく、0.05~2がより好ましく、0.1~1.5がさらに好ましい。C/(A+B)比が、上記下限値以上であれば製造直後の錠剤の崩壊性が高まるとともに、錠剤の硬度のばらつきや崩壊性のばらつきがより改善され、上記上限値以下であれば他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
<A+B+C合計含有率>
薬物層中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計含有率(以下、「A+B+C含有率」ともいう。)は、薬物層の総質量に対して9~99質量%が好ましく、26~90質量%がより好ましく、37~86質量%がさらに好ましい。薬物層中のA+B+C含有率が多くなるほど錠剤物性の低下、硬度や崩壊性のばらつきが顕著となるため、本発明の効果が発揮されやすい。薬物層中のA+B+C含有率が上記上限値以下であれば、他の有効成分を十分に配合することができるため、1回当たりの服用量を抑えることができる。
また、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の1回当たりの合計服用量は、47~1170mgが好ましく、112~813mgがより好ましく、182~570mgがさらに好ましい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分の1回当たりの合計服用量が多くなるほど錠剤物性の低下、硬度や崩壊性のばらつきが顕著となるため、本発明の効果が発揮されやすい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分の1回当たりの合計服用量が上記上限値以下であれば、服用性に適した錠剤の大きさとなる。
<任意成分>
錠剤には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、本発明の効果や錠剤物性、保存安定性等を損なわない範囲内であれば、任意成分が含まれていてもよい。
任意成分としては、(A)成分及び(B)成分以外の生理活性成分、(C)成分以外の添加剤などが挙げられる。
生理活性成分としては、例えば(A)成分及び(B)成分以外の解熱鎮痛成分(例えばピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、エテンザミド、スルピリン等)が挙げられる。
また、解熱鎮痛成分以外の生理活性成分も配合可能である。解熱鎮痛成分以外の生理活性成分としては、例えば(c2)成分以外の鎮静催眠成分(ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、(c2)成分以外の中枢興奮成分(安息香酸ナトリウムカフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl-メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等)、ビタミン成分(ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)などが挙げられる。
これら生理活性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
添加剤としては、例えば結合剤、賦形剤、崩壊剤、香料、滑沢剤、甘味剤、酸味剤などが挙げられる。
結合剤としては、例えば澱粉、ショ糖、α化デンプン、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールなどが挙げられる。
賦形剤としては、例えば結晶セルロース、乳糖、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、トレハロース、マルチトール、コーンスターチ、L-システイン、メチルエチルセルロース、ソルビトールなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、部分α化デンプンなどが挙げられる。
香料としては、例えばメントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステル、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素などが挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロースなどが挙げられる。
酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びこれらの塩などが挙げられる。
これら添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、錠剤が低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸及び含水二酸化ケイ素より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外の成分(任意成分)の1錠当たりの含有率は、製造上、問題ない範囲内であれば特に限定されないが、錠剤の総質量に対して5~65質量%が好ましく、10~55質量%がより好ましい。任意成分の1錠当たりの含有率が、上記下限値以上であれば錠剤の製造性を向上させることができ、上記上限値以下であれば(A)成分、(B)成分及び(C)成分を十分に配合することができるため、本発明の効果がより発揮されやすくなる。加えて、(A)成分の溶出性が良好となる。
<水分量>
薬物層中の水分率は、薬物層の総質量に対して1~8質量%が好ましく、1~7質量%がより好ましく、1.5~7質量%がさらに好ましく、1.5~6.5質量%が特に好ましい。
薬物層中の水分率が、上記下限値以上であれば経時による変色抑制効果が良好となり、上記上限値以下であれば粉体の流動性が向上し、打錠前の臼への充填性が良好となるため錠剤の質量偏差が小さくなる。
錠剤が単層錠の場合、薬物層の水分率が錠剤の水分率となる。すなわち、単層錠の錠剤の水分率は、錠剤の総質量に対して、1~8質量%が好ましく、1~7質量%がより好ましく、1.5~7質量%がさらに好ましく、1.5~6.5質量%が特に好ましい。
一方、錠剤が積層錠の場合、少なくとも薬物層の水分率が上記範囲内であれば、後述する任意層の水分率は特に制限されないが、錠剤全体としての水分率が1~15質量%となることが好ましい。
なお、(A)成分としてロキソプロフェンナトリウム二水和物等の水和物を用いる場合、薬物層中の水分率には、この水和物により持ち込まれる水分量も含まれる。また、(C)成分としてリン酸水素カルシウムの水和物を用いる場合、薬物層中の水分率には、この水和物により持ち込まれる水分量も含まれる。また、(C)成分として乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウムを用いる場合、薬物層中の水分率には、これら成分の結合水等で持ち込まれる水分量も含まれる。
薬物層中の水分率は、以下のようにして求められる。
錠剤が単層錠の場合は、まず、錠剤を乳鉢で粗粉砕する。次いで、粉砕した錠剤を電子水分計にて120℃で10分間加熱したときの乾燥減量から錠剤の水分量を算出し、これを薬物層の水分量とする。
一方、錠剤が積層錠の場合、例えば、薬物層に任意層が含まれないように、薬物層と任意層との界面で積層錠を切断し、薬物層のみを乳鉢で粗粉砕した後に、電子水分計にて120℃で10分間加熱したときの乾燥減量から水分量を算出し、これを薬物層の水分量とする。また、積層錠の全体の水分量は、単層錠の場合と同様にして測定すればよい。
電子水分計としては、例えは株式会社島津製作所製の「MOISTURE BALANCE MOC-120H」などを用いることができる。
水分率は、錠剤の製造時における加水又は乾燥により調整できる。具体的には、原料、打錠前の粉体、又は錠剤を乾燥させることで、薬物層中の水分率を調整できる。また、乾燥させていない(A)成分の薬物層中の含有率を、薬物層の総質量に対して1~67質量%となるように、乾燥させていない(A)成分の配合量を調節することでも、薬物層中の水分率を調整できる。
乾燥方法としては特に限定されないが、例えば、(A)成分の原末を乾燥させる方法、(A)成分を含有する粉体を造粒した後に乾燥させる方法、(A)成分を含有しない粉体を乾燥させる方法、(A)成分を含有しない粉体を造粒した後に乾燥させる方法などが挙げられる。
原料又は打錠前の粉体を乾燥させる場合には、流動層造粒機又は箱式通気型式乾燥機等の乾燥機を使用して棚乾燥することが好ましい。例えば、流動層造粒機を用いて乾燥を行う場合は、給気温度60~100℃、乾燥時間10~90分、給気風量1.0~4.0m3/分で乾燥させることができる。一方、箱式通気型式乾燥機を用いて乾燥を行う場合は、乾燥温度40~90℃、乾燥時間15~130分で乾燥させることができる。特に、湿式造粒操作により原料を加水後、適当な条件で乾燥を実施する方法は、薬物層中の水分率を任意に制御することができる点で好ましい。
錠剤を乾燥させる場合には、コーティング機などを用いて乾燥させることが好ましい。例えば、コーティング機を用いて乾燥を行う場合は、給気温度60~100℃、乾燥時間10~90分、給気風量1.0~4.0m/分で乾燥させることができる。
<錠剤の形態>
錠剤の寸法は特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から錠剤の径として5~14mmφが好ましく、6~13mmφがより好ましく、7~12mmφがさらに好ましい。また1錠当たりの錠剤質量は、150mg~550mgが好ましい。
また、錠剤の形状としては特に限定されないが、スミ角平錠、スミ丸平錠、丸みを帯びたR錠もしくは2段階R錠が好ましい。
錠剤は、単層構造(単層錠)であってもよいし、積層構造(積層錠)であってもよい。
錠剤が単層錠の場合、錠剤は、上述した(A)成分及び(B)成分を含む薬物層、又は(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層で構成される。一方、錠剤が積層錠の場合、錠剤は、前記薬物層と、薬物層以外の層(任意層)とで構成される。
なお、錠剤が積層錠の場合、任意層は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分のいずれか1以上を含んでいても、いずれも含まなくてもよい。任意層におけるこれらの成分の含有の有無及び含有量は、錠剤1錠当たりのこれらの成分の服用量等を勘案して適宜、選択することができる。また、上述した任意成分は、薬物層のみに含まれていてもよいし、任意層のみに含まれていてもよいし、薬物層及び任意層の両方に含まれていてもよい。錠剤が単層錠の場合、任意成分は薬物層に含まれる。
(A)成分及び(B)成分を同一層に存在させるには、これらを一緒に打錠して、薬物層を形成すればよい。(A)成分、(B)成分及び(C)成分を同一層に存在させるには、これらを一緒に打錠して、薬物層を形成すればよい。
以下、(A)成分及び(B)成分が同一層に存在する錠剤の製造方法の一例について説明する。
<製造方法>
本発明の錠剤は、薬物層を構成する粉体(以下、「薬物含有粉体」という。)を打錠成形して薬物層を形成することで得られる。このようにして得られる錠剤は、(A)成分及び(B)成分が同一層に存在する。
錠剤の製造方法としては、例えば、臼と杵とを有する打錠機を用いて、薬物含有粉体を打錠成形して錠剤を得る工程(打錠工程)を有するものが挙げられる。
薬物含有粉体は、(A)成分及び(B)成分を含有する粉体であればよく、必要に応じて任意成分を含有してもよい。
薬物含有粉体は、例えば粉体の(A)成分と粉体の(B)成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分及び(B)成分の少なくとも1つを含む造粒物でもよい。
(C)成分を含む薬物層を形成する場合、薬物含有粉体は、例えば粉体の(A)成分と粉体の(B)成分と粉体の(C)成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の少なくとも1つを含む造粒物でもよい。
薬物含有粉体が造粒物を含む場合、薬物層中の水分率を調整しやすい点で、造粒物としては少なくとも(A)成分を含む造粒物が好ましい。
薬物含有粉体は、予め混合されたものでもよく、新たに調製されたものでもよい。すなわち、錠剤の製造方法は、粉体の各成分を混合して薬物含有粉体を調製する工程(粉体調製工程)を有してもよい。
粉体調製工程は、粉体の(A)成分と、粉体の(B)成分と、必要に応じて粉体の(C)成分とを混合して薬物含有粉体を得る。
粉体調製工程における混合方法としては特に限定されず、従来公知の粉体混合方法が挙げられる。
粉体調製工程に用いられる各成分は、公知の製造方法により得られたものでもよく、市販のものを用いてもよい。各成分は、原末がそのまま用いられてもよく、造粒されたものでもよい。
造粒したものを用いる場合、造粒方法は公知の造粒方法を採用できる。
打錠工程で用いられる打錠機としては、例えばロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ3L」)などが挙げられる。
打錠圧、回転盤の回転速度等の打錠条件は適宜設定される。
なお、錠剤が積層錠である場合、薬物含有粉体は、臼に最初に充填されてもよく、任意層を構成する成分よりも後に充填されてもよい。
得られた錠剤は、必要に応じてコーティング剤によりコーティング処理を施してもよい。
コーティング剤としては、崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、中でも水溶性高分子化合物や可塑剤が好ましい。
水溶性高分子化合物としては、例えばカルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物等)などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、トリアセチン、カルナウバロウ等の日本薬局方(広川書店)及び医薬品添加物規格(株式会社薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。
これらコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<作用効果>
本発明の錠剤は、(A)成分と(B)成分とを特定の質量比で含有する薬物層を有するので、崩壊性や溶出性等の錠剤物性に優れる。また、本発明の錠剤は、個々の錠剤において硬度や崩壊性にばらつきが生じにくい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、打錠条件及び評価方法は、以下の通りである。
なお、実施例1~21、24~29、31~35は参考例である。
「使用原料」
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・ロキソプロフェンナトリウム二水和物:大和薬品工業株式会社製、「日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物」
(B)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・アセトアミノフェン:岩城製薬株式会社製、「ピレチノール」
(C)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・乾燥水酸化アルミニウムゲル:協和化学工業株式会社製、「乾燥水酸化アルミニウムゲル SN」
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:富士化学工業株式会社製、「ノイシリン」(登録商標)
・酸化マグネシウム:富田製薬株式会社製、「酸化マグネシウム」
・リン酸水素カルシウム:協和化学工業株式会社製、「日本薬局方無水リン酸水素カルシウムGSH」
・アリルイソプロピルアセチル尿素:金剛化学株式会社製、「アリプロナール」
・無水カフェイン:BASF社製、「無水カフェイン 0.2/0.5」
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
・低置換度ヒドロキシプロピルセルロース:信越化学工業株式会社製、「LH-31」
・ヒドロキシプロピルセルロース:日本曹達株式会社製、「NISSO HPC L」
・結晶セルロース:旭化成ケミカルズ株式会社製、「UF-702」
・乳糖水和物:フロイント産業株式会社製、「ダイラクトーズ」(登録商標)
・ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業株式会社製、「ステアリン酸マグネシウム」
[打錠条件]
・打錠機:ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ3L」)
・盤回転速度:20rpm
・臼杵(1):直径8.5mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.4、R2=10)
・臼杵(2):直径9.5mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.6、R2=10.5)
・臼杵(3):直径10.0mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=4.0、R2=11.5)
・臼杵(4):直径11.0mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=4.40、R2=12.5)
・予圧:2kN(約20MPa、約200kg/cm
・本圧:評価ごとに調整
[測定・評価方法]
<水分率の測定>
薬物層中の水分率は、MOISTURE BALANCE MOC-120H(島津製作所製)を用い、錠剤の粉砕物を120℃10分間熱したときの乾燥減量から算出した。
<崩壊性の評価:製造直後>
錠剤の硬度が70N(約0.7MPa、約7kg/cm)となるように本圧を調整して製造した錠剤について、日本薬局方に収載される錠剤の崩壊試験法に準じ、錠剤の水への崩壊時間を測定した。
測定用の試料としては、製造直後の錠剤6錠を用いた。そして、錠剤6錠の各崩壊時間を測定し、これらの平均値を求め、以下の評価基準にて評価した。3点以上を合格とする。
5:崩壊時間が10分未満。
4:崩壊時間が10分以上、12分未満。
3:崩壊時間が12分以上、14分未満。
2:崩壊時間が14分以上、16分未満。
1:崩壊時間が16分以上。
<溶出性の評価:製造直後>
錠剤の硬度が70Nとなるように本圧を調整して製造した錠剤について、日本薬局方のロキソプロフェンナトリウム錠の項に収載される溶出試験法に準じ、試験開始後30分後の試験液をサンプリングした。得られたサンプルからロキソプロフェンナトリウムの溶出率を測定した。
測定用の試料としては、製造直後の錠剤3錠を用いた。そして、錠剤3錠の各溶出率を測定し、これらの平均値を求め、以下の評価基準にて評価した。3点以上を合格とする。
5:溶出率が97%以上。
4:溶出率が94%以上、97%未満。
3:溶出率が90%以上、94%未満。
2:溶出率が85%以上、90%未満。
1:溶出率が85%未満。
<溶出性の評価:高温曝露後>
錠剤の硬度が70Nとなるように本圧を調整して製造した錠剤を100℃の恒温槽(ヤマト科学株式会社製)にて10分間放置した。こうして得られた高温暴露後の錠剤について、日本薬局方のロキソプロフェンナトリウム錠の項に収載される溶出試験法に準じ、試験開始後30分後の試験液をサンプリングした。得られたサンプルからロキソプロフェンナトリウムの溶出率を測定した。
測定用の試料としては、製造直後の錠剤3錠を用いた。そして、錠剤3錠の各溶出率を測定し、これらの平均値を求め、以下の評価基準にて評価した。3点以上を合格とする。
5:溶出率が97%以上。
4:溶出率が94%以上、97%未満。
3:溶出率が90%以上、94%未満。
2:溶出率が85%以上、90%未満。
1:溶出率が85%未満。
<硬度のばらつきの評価>
8kN(約80MPa、約800kg/cm)となるように本圧を調整して製造した錠剤について、錠剤硬度破壊測定機(富山産業株式会社製、「TH-203CP」)を用いて、錠剤の硬度を測定した。
測定用の試料としては、製造直後の錠剤10錠を用いた。そして、錠剤10錠の各硬度を測定し、これらの平均値及び標準偏差を求めた。標準偏差を平均値で除して変動係数(C.V.)を求め、以下の評価基準にて評価した。3点以上を合格とする。
5:変動係数4.0%未満。
4:変動係数が4.0%以上、8.0%未満。
3:変動係数が8.0%以上、12.0%未満。
2:変動係数が12.0%以上、15.0%未満。
1:変動係数が15.0%以上。
<崩壊性のばらつきの評価>
崩壊性の評価と同様にして錠剤6錠の各崩壊時間を測定し、これらの平均値及び標準偏差を求めた。標準偏差を平均値で除して変動係数(C.V.)を求め、以下の評価基準にて評価した。3点以上を合格とする。
5:変動係数6.0%未満。
4:変動係数が6.0%以上、10.0%未満。
3:変動係数が10.0%以上、14.0%未満。
2:変動係数が14.0%以上、17.0%未満。
1:変動係数が17.0%以上。
[実施例1]
造粒物中の組成が表1に示す配合組成となるように、ロキソプロフェンナトリウム二水和物及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを混合し、総質量3kgの混合粉を得た。得られた混合粉を流動層造粒機(フロイント産業株式会社製、「FLO-5」)に投入し、5質量%の結合液(ヒドロキシプロピルセルロース水溶液)を噴霧しながら給気温度80℃、給気風量2.0m/分にて流動層造粒を行った。造粒物中のヒドロキシプロピルセルロースの組成が固形物換算で表1に示す値となるように結合液を噴霧して流動層造粒を完了させ、造粒物を得た。引き続き同じ流動層造粒機を用いて給気温度80℃、給気風量2.0m/分、乾燥時間50分にて造粒物を乾燥した。
混合容器に、1錠当たりの組成が表1に示す配合組成となるように、乾燥後の造粒物と(B)成分と任意成分とを投入して混合して薬物含有粉体を調製し、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
得られた錠剤について、崩壊性、溶出性、硬度のばらつき及び崩壊性のばらつきの評価を行った。結果を表1に示す。また、各評価における評点の合計を表1に示す。
[実施例2~6]
造粒物の組成及び錠剤の配合組成が表1の通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして錠剤を製造し、各種測定及び評価を行った。結果を表1に示す。また、各評価における評点の合計を表2に示す。
[実施例7~13]
造粒物中の組成が表2に示す配合組成となるように、ロキソプロフェンナトリウム二水和物、アセトアミノフェン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを混合し、総質量3kgの混合粉を得た以外は、実施例1と同様にして造粒物を得た。引き続き同じ流動層造粒機を用いて給気温度70℃、給気風量1.5m/分にて造粒物を乾燥した。なお、乾燥時間は、実施例7では20分に設定し、実施例8では15分に設定し、実施例9では14分に設定し、実施例10では12分に設定し、実施例11では10分に設定し、実施例12では8分に設定し、実施例13では6分に設定した。
混合容器に、1錠当たりの組成が表2に示す配合組成となるように、乾燥後の造粒物と任意成分とを投入して混合して薬物含有粉体を調製し、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
得られた錠剤について、崩壊性、溶出性、硬度のばらつき及び崩壊性のばらつきの評価を行った。結果を表2に示す。また、各評価における評点の合計を表2に示す。
[実施例14]
造粒物中の組成が表2に示す配合組成となるように、ロキソプロフェンナトリウム二水和物、アセトアミノフェン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを混合し、総質量3kgの混合粉を得た。得られた混合粉を攪拌造粒機(アーステクニカ株式会社製、「ハイスピードミキサFS-10」)に投入した。これに、造粒物中のヒドロキシプロピルセルロースの組成が固形物換算で表2に示す値となるように、5質量%の結合液(ヒドロキシプロピルセルロース水溶液)を10分間かけて滴下し、チョッパー回転速度1500rpm、アジテーター回転速度300rpmにて攪拌造粒を行い、造粒物を得た。引き続き、得られた造粒物を流動層造粒機(フロイント産業株式会社製、「FLO-5」)に投入し、給気温度80℃、給気風量2.0m/分、乾燥時間50分にて造粒物を乾燥した。
混合容器に、1錠当たりの組成が表2に示す配合組成となるように、乾燥後の造粒物と任意成分とを投入して混合して薬物含有粉体を調製し、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
得られた錠剤について、崩壊性、溶出性、硬度のばらつき及び崩壊性のばらつきの評価を行った。結果を表2に示す。また、各評価における評点の合計を表2に示す。
[実施例15]
混合粉体中の組成が表2に示す配合組成となるように、ロキソプロフェンナトリウム二水和物、アセトアミノフェン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースを混合し、総質量3kgの混合粉を得た。得られた混合粉を箱式通気型式乾燥機(ヤマト科学株式会社製、「DNF910」)に投入し、乾燥温度80℃、乾燥時間30分にて乾燥を行い、混合粉体を得た。
混合容器に、1錠当たりの組成が表2に示す配合組成となるように、乾燥後の混合粉体と任意成分とを投入して混合して薬物含有粉体を調製し、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。
得られた錠剤について、崩壊性、溶出性、硬度のばらつき及び崩壊性のばらつきの評価を行った。結果を表2に示す。また、各評価における評点の合計を表2に示す。
[実施例16~35]
造粒物の組成及び錠剤の配合組成が表3~5の通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして錠剤を製造し、各種測定及び評価を行った。結果を表3~5に示す。また、各評価における評点の合計を表3~5に示す。
なお、実施例16、17、19、20、22~29、33では臼杵(2)を用い、実施例18、21、34では臼杵(3)を用い、実施例30、35では臼杵(4)を用い、実施例31、32では臼杵(1)を用いた。
[比較例1~8]
造粒物の組成及び錠剤の配合組成が表6の通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして錠剤を製造し、各種測定及び評価を行った。結果を表6に示す。また、各評価における評点の合計を表6に示す。
なお、比較例1~8では臼杵(2)を用いた。
Figure 0007274825000001
Figure 0007274825000002
Figure 0007274825000003
Figure 0007274825000004
Figure 0007274825000005
Figure 0007274825000006
表中、「B/A比」は、(B)成分/(A)成分で表される質量比である。「C/(A+B)比」は、(C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比である。「(A)+(B)」は、錠剤中の(A)成分及び(B)成分の合計質量の割合である。「(A)+(B)+(C)」は、錠剤中の(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計質量の割合である。
なお、各表に記載の(A)成分の量(mg)はロキソプロフェンナトリウムの二水和物換算量であり、質量比や含有率等は、ロキソプロフェンナトリウムの二水和物換算量で求めた。
表1~5の結果より、各実施例で得られた錠剤は、錠剤物性に優れ、錠剤の硬度や崩壊性のばらつきが少なかった。特に、(A)成分と(B)成分との組み合わせにおいて(C)成分をさらに併用することで、錠剤物性がより向上するとともに、硬度や崩壊性のばらつきがより軽減された(実施例16~35)。
また、各実施例で得られた錠剤は、製造直後及び高温暴露後の溶出性にも優れていた。
一方、表6の結果より、B/A比が4.75未満である比較例1~3、及びB/A比が10超である比較例4~6で得られた錠剤は、硬度がばらつきやすかった。また、高温暴露後の溶出性にも劣っていた。特に、比較例1、2は製造直後の崩壊性に劣り、かつ崩壊性がばらつきやすかった。比較例3、6は崩壊性がばらつきやすかった。
(B)成分を含まない比較例7で得られた錠剤は、製造直後の崩壊性、高温暴露後の溶出性に劣っていた。また、錠剤の硬度もばらつきやすかった。
(A)成分を含まない比較例8で得られた錠剤は、硬度及び崩壊性がばらつきやすかった。なお、比較例8では、溶出性の評価は行わなかった。

Claims (6)

  1. 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層を有する錠剤であって、
    (B)成分/(A)成分で表される質量比が4.75~であり、
    (C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.2~0.72であり、
    前記(A)成分を1錠当たり11~100mg含み、
    前記薬物層中の前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量が、前記薬物層の総質量に対して37~86質量%である、錠剤。
    (A)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (B)成分:アセトアミノフェン
    (C)成分:下記(c1)成分及び(c2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (c1)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム及びリン酸水素カルシウムより選ばれる少なくとも1種
    (c2)成分:アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインより選ばれる少なくとも1種
  2. 前記薬物層中の水分率が、前記薬物層の総質量に対して1~8質量%である、請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記薬物層中に、前記(A)成分及び前記(B)成分の少なくとも1つを含む造粒物を含む、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. 前記(C)成分は前記(c1)成分と前記(c2)成分とを含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含み、(B)成分/(A)成分で表される質量比が4.75~であり、(C)成分/((A)成分+(B)成分)で表される質量比が0.2~0.72である薬物含有粉体を、前記(A)成分を1錠当たり11~100mg含むように臼に充填し、打錠成形して薬物層を形成する工程を有し、
    前記薬物層中の前記(A)成分、前記(B)成分及び前記(C)成分の合計含有量が、前記薬物層の総質量に対して37~86質量%である、錠剤の製造方法。
    (A)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (B)成分:アセトアミノフェン
    (C)成分:下記(c1)成分及び(c2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (c1)成分:乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム及びリン酸水素カルシウムより選ばれる少なくとも1種
    (c2)成分:アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインより選ばれる少なくとも1種
  6. 少なくとも前記(A)成分を造粒した造粒物を用いて前記薬物含有粉体を調製する、請求項に記載の錠剤の製造方法。
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