JP7241468B2 - 錠剤及びコーティング錠と、それらの製造方法 - Google Patents

錠剤及びコーティング錠と、それらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、錠剤及びコーティング錠と、それらの製造方法に関する。
従来、アセトアミノフェンは解熱鎮痛の有効成分として医薬品に用いられている。一方、アセトアミノフェンは結合力が低いため、アセトアミノフェンを含有する錠剤は、経時により硬度低下が生じることが知られている。
錠剤の経時による硬度低下を解決するための技術として、例えば特許文献1には、ロキソプロフェンを含有する錠剤の硬度低下の抑制のために、乳糖及びカルメロース(CMC)を添加する技術が開示されている。特許文献2には、アセトアミノフェンを含有する固形製剤の加湿後の硬度低下の抑制のために、マンニトール及びカルメロースを添加する技術が開示されている。
特許第4293572号公報 特許第4989733号公報
しかしながら、従来の技術では、アセトアミノフェンを含有する錠剤の硬度低下を抑制する効果は十分ではなかった。例えば特許文献1は、ロキソプロフェンを含有する錠剤の硬度低下を課題としており、アセトアミノフェンを含有する錠剤については考慮されていない。
特許文献2には、アセトアミノフェンを含有する固形製剤について加湿後の硬度低下の効果が記載されているが、経時的な硬度低下の抑制については考慮されていない。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、アセトアミノフェンを含有する錠剤において、経時的な硬度低下が抑制された錠剤及びコーティング錠と、それらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、アセトアミノフェンと、乳糖及び/又はカルメロースカルシウム若しくはクロスカルメロースナトリウムとを含有する錠剤に、意外にも非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)であるロキソプロフェン又はその塩と、着色剤とを添加することで、錠剤やコーティング錠の経時的な硬度低下を抑制可能であることを知見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物層を有する、錠剤。
(A)成分:アセトアミノフェン
(B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
(b1)成分:乳糖
(b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
(C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(D)成分:着色剤
[2] 前記(D)成分を前記薬物層の全体質量に対して0.001~0.2質量%含む、[1]に記載の錠剤。
[3] ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55である、[1]又は[2]に記載の錠剤。
[4] 前記(D)成分が三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の錠剤。
[5] (D)成分×1000/(A)成分で表される質量比が0.01~5である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の錠剤。
[6] 前記(B)成分は前記(b1)成分と前記(b2)成分とを含有する、[1]~[5]のいずれか1つに記載の錠剤。
[7] (B)成分/(A)成分で表される質量比が0.02~15である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の錠剤。
[8] (A)成分/(C)成分で表される質量比が0.25~15である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の錠剤。
[9] [1]~[8]のいずれか1つに記載の錠剤を素錠とし、前記素錠の表面にコーティング層を有する、コーティング錠。
[10] 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して薬物層を形成する工程を有する、錠剤の製造方法。
(A)成分:アセトアミノフェン
(B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
(b1)成分:乳糖
(b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
(C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(D)成分:着色剤
[11] [10]に記載の錠剤の製造方法により錠剤を製造し、得られた錠剤を素錠とし、前記素錠の表面にコーティング層を設ける、コーティング錠の製造方法。
[12] 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層を有する素錠と、前記素錠の表面に設けられた、下記(D)成分を含むコーティング層とを有する、コーティング錠。
(A)成分:アセトアミノフェン
(B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
(b1)成分:乳糖
(b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
(C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(D)成分:着色剤
[13] 前記(D)成分をコーティング錠の全体質量に対して0.001~0.2質量%含む、[12]に記載のコーティング錠。
[14] ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55である、[12]又は[13]に記載のコーティング錠。
[15] 前記(D)成分が三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種である、[12]~[14]のいずれか1つに記載のコーティング錠。
[16] (D)成分×1000/(A)成分で表される質量比が0.01~5である、[12]~[15]のいずれか1つに記載のコーティング錠。
[17] 前記(B)成分は前記(b1)成分と前記(b2)成分とを含有する、請求項[12]~[16]のいずれか1つに記載のコーティング錠。
[18] (B)成分/(A)成分で表される質量比が0.02~15である、[12]~[17]のいずれか1つに記載のコーティング錠。
[19] (A)成分/(C)成分で表される質量比が0.25~15である、[12]~[18]のいずれか1つに記載のコーティング錠。
[20] 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して素錠を得る工程と、前記素錠の表面に下記(D)成分を含むコーティング層を設ける工程とを有する、コーティング錠の製造方法。
(A)成分:アセトアミノフェン
(B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
(b1)成分:乳糖
(b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
(C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
(D)成分:着色剤
本発明によれば、アセトアミノフェンを含有する錠剤において、経時的な硬度低下が抑制された錠剤及びコーティング錠と、それらの製造方法を提供できる。
「第一の態様」
[錠剤]
本発明の錠剤は、以下に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物層を有する。
第一の態様の態様において、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物層を「第一の薬物層」ともいう。
<(A)成分>
(A)成分はアセトアミノフェンである。
アセトアミノフェン(N-(4-ヒドロキシフェニル)アセトアミド)は、別名パラセタモールとも呼ばれ、日本薬局方に収載されている解熱鎮痛成分である。
錠剤中の(A)成分の含有量は製造上問題ない範囲内であれば、特に限定されない。しかし、(A)成分の1回当たりの服用量としては、30~500mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(A)成分の1回当たりの服用量は50~300mgであることがより好ましい。
(A)成分の薬物層中の含有割合は、薬物層の全体質量(総質量)に対して5~90質量%が好ましい。(A)成分の含有量が多くなるほど経時による錠剤の硬度低下が顕著となるため、(B)成分に加えて(C)成分及び(D)成分の添加による本発明の効果が発揮されやすい。前記量比の上限以下とすることで他の有効成分を十分に含有させることができ、1回当たりの服用錠数を減らすことができる。より良好な効果を得るためには、(A)成分の含有割合は20~85質量%であることがより好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種である。
(b1)成分:乳糖
(b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
(b1)成分は、乳糖である。(b1)成分としては、乳糖水和物、乳糖造粒物、乳糖・結晶セルロース球状顆粒などが挙げられる。
(b2)成分は、カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種である。カルメロース(カルボキシメチルセルロース)は、セルロースの多価カルボキシメチルエーテルであり、カルメロースカルシウムはカルメロース塩であり、クロスカルメロースナトリウムは架橋カルメロース塩である。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬度低下の抑制効果がより高まる点で、(B)成分としては少なくとも(b1)成分を用いることが好ましく、(b1)成分及び(b2)成分を併用することがより好ましい。特に、(b1)成分及び(b2)成分を併用することで、(B)成分の合計質量が少量でも硬度低下の抑制効果を十分に得ることができる。
(B)成分の1回当たりの服用量としては、1~500mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(B)成分の1回当たりの服用量は10~300mgであることがより好ましい。
薬物層中の(B)成分の含有割合は、薬物層の全体質量に対して0.5~85質量%が好ましい。前記量比の下限以上とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となる。前記量比の上限以下とすることで他の有効成分を十分に含有させることができ、1回当たりの服用錠数を減らすことができる。より良好な効果を得るためには、(B)成分の含有割合は1~50質量%であることがより好ましい。
(b1)成分及び(b2)成分を併用する場合、薬物層中の(b1)成分及び(b2)成分の1回当たりの合計服用量は3~800mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(b1)成分及び(b2)成分の1回当たりの合計服用量は5~400mgであることがより好ましい。
薬物層中の(b1)成分及び(b2)成分の合計含有割合は、薬物層の全体質量に対して0.3~80質量%が好ましい。より良好な効果を得るためには、(b1)成分及び(b2)成分の合計含有割合は0.8~50質量%がより好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、ロキソプロフェン及びその塩(ロキソプロフェン(塩))より選ばれる少なくとも1種である。
(A)成分及び(B)成分の組み合わせにおいて、後述する(D)成分と共に(C)成分を併用することで、時間が経過しても錠剤の硬度低下を抑制できる。
ロキソプロフェンの塩としては、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩であれば特に制限されず、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
ロキソプロフェン(塩)は、水和物の状態で存在していてもよい。水和物の状態のロキソプロフェン(塩)の好適例としては、ロキソプロフェンナトリウム二水和物が挙げられる。ロキソプロフェンナトリウム二水和物の場合、原末の水分量は約12質量%である。
(C)成分としては、ロキソプロフェンの塩が好ましく、ロキソプロフェンナトリウムがより好ましく、ロキソプロフェンナトリウム二水和物がさらに好ましい。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の1回当たりの服用量は、11~170mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(C)成分の1回当たりの服用量は22~113mgであることがより好ましい。
薬物層中の(C)成分の含有割合は、薬物層の全体質量に対して3~85質量%が好ましい。前記量比の下限以上とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となり、上限以下とすることで打錠工程の杵付着を軽減することができる。より良好な効果を得るためには、(C)成分の含有割合は5~50質量%であることがより好ましい。
<(D)成分>
(D)成分は、着色剤である。
(A)成分及び(B)成分の組み合わせにおいて、(C)成分と共に(D)成分を併用することで、時間が経過しても錠剤の硬度低下を抑制できる。
(D)成分としては、食用着色剤、食用着色剤以外の有機顔料及び無機顔料、動植物抽出物などが挙げられる。以下に(D)成分を例示するが、(D)成分は以下に例示するものに限定されない。
食用着色剤としては、例えばオレンジエッセンス、カラメル、カルミン、β-カロテン、食用青色1号、食用黄色4号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用黄色5号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号などが挙げられる。
有機顔料としては、例えば銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、リボフラビンなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、金箔、薬用炭などが挙げられる。
動植物抽出物としては、例えばカンゾウエキス、アセンヤクタンニン末、ウコン抽出液、緑茶末などが挙げられる。
これらの中でも、打錠成形時における杵付着がより抑えられる点から、無機顔料が好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等の鉄を主成分とする無機顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンがより好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄がさらに好ましい。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の1回当たりの服用量は、0.001~0.5mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(D)成分の1回当たりの服用量は0.01~0.2mgであることがより好ましく、0.03~0.1mgであることがさらに好ましい。
薬物層中の(D)成分の含有割合は、薬物層の全体質量に対して0.001~0.2質量%が好ましい。前記量比の下限以上とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となり、上限以下とすることで(D)成分同士の凝集が起こりにくくなり、錠剤の外観を良好に維持できる。より良好な効果を得るためには、(D)成分の含有割合は0.005~0.1質量%であることがより好ましく、0.01~0.05質量%であることがさらに好ましい。
<B/A比>
(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、「B/A比」ともいう。)は任意に設定できるが、B/A比=0.02~15であると、本発明の効果をより有効に得られる。前記量比の下限以上とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となり、上限以下とすることで、(A)成分及び他の有効成分を十分に含有させることができ、1回当たりの服用錠剤数を減らすことができる。より良好な効果を得るためには、B/A比=0.05~5であることがより好ましい。
<A/C比>
(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下、「A/C比」ともいう。)は任意に設定できるが、A/C比=0.25~15であると、本発明の効果をより有効に得られる。経時による硬度低下の抑制効果がより高まる点で、A/C比=0.5~10であることがより好ましく、0.8~7であることがさらに好ましく、1~7であることが特に好ましい。A/C比が1に近づくに連れて錠剤中で(A)成分と(C)成分とが団結しやすくなり、経時による硬度低下の抑制効果が向上する傾向にある。その一方で、錠剤の崩壊性が低下する傾向にもある。経時的な崩壊性低下を抑制する観点では、(C)成分に対する(A)成分の比率を高めることが有効である。硬度と崩壊性のバランスに優れた錠剤とするには、A/C比=2~7であることが好ましく、3~7であることがより好ましく、3~6であることがさらに好ましく、4~6であることが特に好ましい。前記量比の下限以上とすることで、時間が経過しても崩壊性を良好に維持でき、上限以下とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となる。
<D×1000/A比>
(D)成分×1000/(A)成分で表される質量比(以下、「D×1000/A比」ともいう。)は任意に設定できるが、D×1000/A比=0.01~5であると、本発明の効果をより有効に得られる。前記量比の下限以上とすることで打錠工程の杵付着を軽減することができ、上限以下とすることで有効成分の溶出性を良好に保つことができる。より良好な効果を得るためには、D×1000/A比=0.01~1であることがより好ましい。
<(A+B+C)/(D×1000)比>
((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比(以下、「(A+B+C)/(D×1000)比」ともいう。)は任意に設定できるが、(A+B+C)/(D×1000)比=1~55であると、本発明の効果をより有効に得られる。前記量比の下限以上とすることで有効成分の溶出性を良好に保つことができ、上限以下とすること経時による硬度低下の抑制効果がより良好となる。より良好な効果を得るためには、(A+B+C)/(D×1000)比=3~40であることがより好ましい。
<A+B+C+D合計質量>
各成分の1回当たりの服用量の合計質量は、(A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分の質量の合計(以下、「A+B+C+D合計質量」ともいう。)として、42.001~1170.5mgであると、本発明の効果をより有効に得られる。より良好な効果を得るためには、A+B+C+D合計質量が1回当たりの服用量として82.01~713.2mgであることが好ましい。
また各成分の合計質量の薬物層中の含有割合としては、A+B+C+D合計質量が薬物層の全体質量に対して10~95質量%であると、本発明の効果が得られる。A+B+C+D合計質量が10質量%以上であれば、経時による硬度低下の抑制効果が良好となる。一方、後述する錠剤の製造しやすさからA+B+C+D合計質量が95質量%以下となるように各成分を配合することが好ましい。良好に効果を得るためには、A+B+C+D合計質量が薬物層の全体質量に対して26~91質量%であることがより好ましい。
<任意成分>
錠剤には、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分以外に、本発明の効果や錠剤物性、保存安定性等を損なわない範囲内であれば、任意成分が含まれていてもよい。
任意成分としては、(A)成分及び(C)成分以外の生理活性成分、(B)成分及び(D)成分以外の添加剤などが挙げられる。
生理活性成分としては、例えば(A)成分及び(C)成分以外の解熱鎮痛成分(例えばピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、セロコキシブ、ロフェコキシブ、チアラミド、エテンザミド、スルピリン等)が挙げられる。
また、解熱鎮痛成分以外の生理活性成分も配合可能である。解熱鎮痛成分以外の生理活性成分としては、例えば鎮静催眠成分(アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等)、抗ヒスタミン成分(塩酸イソチペンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネタジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオクル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸カルビノキサミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、d-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェテロール等)、中枢興奮成分(安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン等)、鎮咳去痰成分(コデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ジメモルファンリン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩、トリメトキノール塩酸塩、カルボシステイン、アセチルシステイン、エチルシステイン、dl-メチルエフェドリン、ブロムヘキシン塩酸塩、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アンブロキソール、テオフィリン、アミノフィリン等)、ビタミン成分(ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等)、制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等)などが挙げられる。
これら生理活性成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、錠剤が乾燥水酸化アルミニウムゲルおよびメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの少なくとも一方をさらに含めば、保存後の硬度低下、崩壊性を良好に保つことができる。
添加剤としては、例えば結合剤、賦形剤、崩壊剤、香料、滑沢剤、甘味剤、酸味剤、制酸剤などが挙げられる。
結合剤としては、例えば澱粉、ショ糖、α化デンプン、ゼラチン、アラビアゴム末、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、ヒプロメロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールなどが挙げられる。
賦形剤としては、例えば結晶セルロース、マンニトール、コーンスターチ、L-システイン、キシリトール、エリスリトール、トレハロース、マルチトール、ラクチトール、ソルビトールなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、カルメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、部分α化デンプンなどが挙げられる。
香料としては、例えばメントール、リモネン、植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油等)などが挙げられる。
滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
甘味剤としては、例えばサッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、スクラロースなどが挙げられる。
酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸及びこれらの塩などが挙げられる。
これら添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<水分量>
錠剤中の水分量は、錠剤の総質量に対して1~15質量%が好ましく、1.5~13質量%がより好ましく、1.5~7質量%がより好ましい。
錠剤中の水分量が1質量%以上とすることで、経時による硬度低下の抑制効果がより良好となり、15質量%以下とすることで粉体の流動性が向上し、打錠前の臼への充填性が良好となるため錠剤の質量偏差が小さくなる。
水分量の測定法は電子水分計で、錠剤の粉砕物を120℃で10分間熱したときの乾燥減量から算出することができる。電子水分計としては、例えは株式会社島津製作所製の「MOISTURE BALANCE MOC-120H」などを用いることができる。
錠剤中の水分量は、錠剤の製造時における加水又は乾燥により調整できる。なお、(C)成分としてロキソプロフェンナトリウム二水和物等の水和物を用いる場合、錠剤中の水分量には、この水和物により持ち込まれる水分量も含まれる。
<錠剤の形態>
錠剤の寸法は特に限定されないが、錠剤の取り扱いやすさと嚥下性の観点から錠剤の径として5~14mmφが好ましく、6~13mmφがより好ましく、7~12mmφがさらに好ましい。また1錠当たりの錠剤質量は、150mg~550mgが好ましい。
また、錠剤の形状としては特に限定されないが、スミ角平錠、スミ丸平錠、丸みを帯びたR錠もしくは2段階R錠が好ましい。
錠剤は、単層構造(単層錠)であってもよいし、積層構造(積層錠)であってもよい。
錠剤が単層錠の場合、錠剤は、上述した(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物層で構成される。一方、錠剤が積層錠の場合、錠剤は、前記薬物層と、薬物層以外の層(任意層)とで構成される。
なお、錠剤が積層錠の場合、任意層は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のいずれか1以上を含んでいても、いずれも含まなくてもよい。任意層におけるこれらの成分の含有の有無及び含有量は、錠剤1錠当たりのこれらの成分の服用量等を勘案して適宜、選択することができる。また、上述した任意成分は、薬物層のみに含まれていてもよいし、任意層のみに含まれていてもよいし、薬物層及び任意層の両方に含まれていてもよい。錠剤が単層錠の場合、任意成分は薬物層に含まれる。
<コーティング錠>
本発明の第一の態様の錠剤は、別の実施態様として、当該錠剤を素錠とし、この素錠の表面にコーティング層を有するコーティング錠であってもよい。
コーティング層は、コーティング剤を含む構成素材より形成されている層である。かかるコーティング剤としては、崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましく、中でも水溶性高分子化合物や可塑剤が好ましい。
水溶性高分子化合物としては、例えばカルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポビドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、単糖類、二糖類以上の多糖類(砂糖(グラニュー糖等)、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖等)、糖アルコール(パラチニット、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、マンニトール等)、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物等)などが挙げられる。特に、製造性及び防湿性に優れる点からヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ポリビニルアルコールが好ましい。
可塑剤としては、例えばクエン酸トリエチル、トリアセチン、カルナウバロウ等の日本薬局方(広川書店)及び医薬品添加物規格(株式会社薬事日報社)等の公定書に記載されているものが挙げられる。
これらコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第一の態様において、コーティング層は(D)成分を含んでいてもよい。この場合、(D)成分は素錠とコーティング層の両方に含まれることとなる。コーティング層が(D)成分を含んでいれば、防湿性が高まる。
なお、第一の態様の錠剤がコーティング錠の場合、素錠中の(A)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して5~90質量%が好ましく、20~85質量%がより好ましい。素錠中の(B)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して0.5~85質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。素錠中の(C)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して3~85質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましい。素錠中の(D)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して0.001~0.2質量%が好ましく、0.005~0.1質量%がより好ましい。なお、コーティング層が(D)成分を含むときは、素錠中の(D)成分の含有量とコーティング層中の(D)成分の含有量の合計が、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して0.001~0.2質量%が好ましく、0.005~0.1質量%がより好ましい。(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の含有量の合計は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して10~95質量%が好ましく、26~91質量%がより好ましい。
<製造方法>
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を同一層に存在させるには、これらを一緒に打錠して、薬物層を形成すればよい。
以下、錠剤の製造方法の一例について説明する。
本発明の第一の態様の錠剤は、薬物層を構成する粉体(以下、「薬物含有粉体」という。)を打錠成形して薬物層を形成することで得られる。このようにして得られる錠剤は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分が同一層に存在する。
錠剤の製造方法としては、例えば、臼と杵とを有する打錠機を用いて、薬物含有粉体を打錠成形して錠剤を得る工程(打錠工程)を有するものが挙げられる。
薬物含有粉体は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する粉体であればよく、必要に応じて任意成分を含有してもよい。
薬物含有粉体は、例えば粉体の(A)成分と、粉体の(B)成分と、粉体の(C)成分と、粉体の(D)成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む造粒物でもよい。
薬物含有粉体は、予め混合されたものでもよく、新たに調製されたものでもよい。すなわち、錠剤の製造方法は、粉体の各成分を混合して薬物含有粉体を調製する工程(粉体調製工程)を有してもよい。
粉体調製工程は、粉体の(A)成分と、粉体の(B)成分と、粉体の(C)成分と、粉体の(D)成分とを混合して薬物含有粉体を得る。
粉体調製工程における混合方法としては特に限定されず、従来公知の粉体混合方法が挙げられる。
粉体調製工程に用いられる各成分は、公知の製造方法により得られたものでもよく、市販のものを用いてもよい。各成分は、原末がそのまま用いられてもよく、造粒されたものでもよい。
造粒したものを用いる場合、造粒方法は公知の造粒方法を採用できる。
打錠工程で用いられる打錠機としては、例えばロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ3L」)などが挙げられる。
打錠圧、回転盤の回転速度等の打錠条件は適宜設定される。
なお、錠剤が積層錠である場合、薬物含有粉体は、臼に最初に充填されてもよく、任意層を構成する成分よりも後に充填されてもよい。
(コーティング錠の製造方法)
コーティング錠は、前記製造方法により錠剤を製造し、得られた錠剤を素錠とし、この素錠の表面に上述したコーティング層を設けることで製造することができる。コーティング剤の調製方法、コーティング剤を含むコーティング層を素錠の表面に設ける方法は、従来知られた方法を用いることができる。例えば、まず、コーティング剤を水などの溶媒に分散させてコーティング剤の分散液であるコーティング液を得る。その後、前記コーティング液を噴霧などによって素錠を被覆するように設ける。その後、コーティング液の前記溶媒の成分を乾燥させ、コーティング錠を得る。
<作用効果>
本発明の第一の態様の錠剤によれば、(A)成分及び(B)成分を含有する錠剤に、意外にも(C)成分と(D)成分とを添加することで、アセトアミノフェンを含有する錠剤に(B)成分を添加するだけでは解決できなかった錠剤の経時的な硬度低下を抑制できる。よって本発明の錠剤は、打錠直後と同程度の錠剤硬度が経時で維持されるので、輸送時や錠剤取り出し時等の衝撃による錠剤の割れ欠けをより防ぐことができる。
「第二の態様」
[コーティング錠]
本発明の第二の態様のコーティング錠は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層を有する素錠と、この素錠の表面に設けられた、前記(D)成分を含むコーティング層とを有する。
第二の態様の態様において、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層を「第二の薬物層」ともいう。
<素錠>
素錠は、第二の薬物層を有する。
第二の薬物層に含まれる(A)成分、(B)成分及び(C)成分としては、第一の態様の説明において先に例示した(A)成分、(B)成分及び(C)成分がそれぞれ挙げられる。
素錠には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、本発明の効果や錠剤物性、保存安定性等を損なわない範囲内であれば、任意成分が含まれていてもよい。
任意成分としては、第一の態様の説明において先に例示した(A)成分及び(C)成分以外の生理活性成分、(B)成分及び(D)成分以外の添加剤などが挙げられる。
保存後の硬度低下、崩壊性を良好に保つことが出来ることから、素錠は、任意成分として乾燥水酸化アルミニウムゲルおよびメタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群より選ばれる1種以上をさらに含むことが好ましい。
第二の態様において、製造コストや製造の手間を考慮した場合、(D)成分はコーティング層のみに含まれ、素錠は(D)成分を含まないことが好ましい。
素錠中の水分量は、第一の態様の錠剤中の水分量と同様であり、その測定方法および調整方法なども第一の態様と同様である。
素錠の寸法及び形状は、第一の態様の錠剤の寸法及び形状と同様である。
素錠は、単層構造(単層錠)であってもよいし、積層構造(積層錠)であってもよい。
素錠が単層錠の場合、素錠は、上述した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する層(第二の薬物層)で構成される。一方、素錠が積層錠の場合、錠剤は、前記第二の薬物層と、第二の薬物層以外の層(任意層)とで構成される。なお、素錠が積層錠の場合、上述した任意成分は、第二の薬物層のみに含まれていてもよいし、任意層のみに含まれていてもよいし、第二の薬物層および任意層の両方に含まれていてもよい。錠剤が単層錠の場合、任意成分は第二の薬物層に含まれる。
(A)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して5~90質量%が好ましく、20~85質量%がより好ましい。
(B)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して0.5~85質量%が好ましく、1~50質量%がより好ましい。
(C)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して3~85質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましい。
B/A比及びA/C比は、第一の態様と同様である。
(A)成分、(B)成分及び(C)成分のそれぞれの1回当たりの服用量は、第一の態様と同様である。
<コーティング層>
コーティング層は素錠の表面に設けられた、コーティング剤を含む構成素材より形成されている層である。かかるコーティング剤としては、第一の態様の説明において先に例示した水溶性高分子化合物、可塑剤が挙げられる。
第二の態様において、コーティング層は(D)成分を含む。コーティング層が(D)成分を含むことで、時間が経過してもコーティング錠の硬度低下が抑制され、崩壊性の低下が抑制される。
コーティング層に含まれる(D)成分としては、第一の態様の説明において先に例示した(D)成分が挙げられ、時間が経過してもコーティング錠の硬度低下が抑制され、崩壊性の低下が抑制される点から、無機顔料が好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄等の鉄を主成分とする無機顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが好ましく、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタンがより好ましく、三二酸化鉄、酸化チタンがさらに好ましい。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分の1回当たりの服用量は、0.001~0.5mgが好ましい。より良好な効果を得るためには、(D)成分の1回当たりの服用量は0.005~0.1mgであることがより好ましく、0.01~0.05mgであることがさらに好ましい。
(D)成分の含有量は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して0.001~0.2質量%が好ましく、0.002~0.05質量%がより好ましい。前記量比の下限以上とすることで経時による硬度低下の抑制効果がより良好となり、上限以下とすることで(D)成分同士の凝集が起こりにくくなり、コーティング錠の外観を良好に維持できる。
(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の含有量の合計は、コーティング錠(ただし、素錠が任意層を含む場合は任意層を除く。)の総質量に対して10~95質量%が好ましく、26~91質量%がより好ましい。
D×1000/A比は任意に設定できるが、D×1000/A比=0.01~5であると、本発明の効果をより有効に得られる。より良好な効果を得るためには、D×1000/A比=0.01~0.8であることがより好ましい。
(A+B+C)/(D×1000)比は任意に設定できるが、(A+B+C)/(D×1000)比=1~55であると、本発明の効果をより有効に得られる。より良好な効果を得るためには、(A+B+C)/(D×1000)比=5~50であることがより好ましい。
<製造方法>
本発明の第二の態様のコーティング錠は、第二の薬物層を構成する粉体(以下、「薬物含有粉体」という。)を打錠成形して素錠を得る工程(打錠工程)と、得られた素錠の表面にコーティング層を設ける工程(コーティング工程)とを有する。このようにして得られるコーティング錠は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分が同一層に存在する。
第二の態様における薬物含有粉体は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する粉体であればよく、必要に応じて任意成分を含有してもよい。また、第二の態様における薬物含有粉体は、製造コストや製造の手間を考慮した場合、(D)成分を含有しないことが好ましい。
薬物含有粉体は、例えば粉体の(A)成分と、粉体の(B)成分と、粉体の(C)成分との粉体混合物でもよいし、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む造粒物を含むものでもよい。
薬物含有粉体は、予め混合されたものでもよく、新たに調製されたものでもよい。すなわち、コーティング錠の製造方法は、粉体の各成分を混合して薬物含有粉体を調製する工程(粉体調製工程)を有してもよい。
第二の態様における粉体調製工程および打錠工程では、薬物含有粉体が(D)成分を含有しなくてもよいのに対し、第一の態様における粉体調製工程及び打錠工程では、薬物含有粉体が(D)成分を必須成分として含有する点以外は、第一の態様と第二の態様における粉体調製工程および打錠工程は同じである。
コーティング工程では、打錠工程で得られた素錠の表面に、(D)成分を含むコーティング層を設ける。
コーティング層を設ける方法は、従来知られた方法を用いることができる。例えば、コーティング剤を水などの溶媒に分散させたコーティング剤の分散液に(D)成分を添加してコーティング液を得る。その後、前記コーティング液を噴霧などによって素錠を被覆するように設ける。その後、コーティング液の前記溶媒の成分を乾燥させ、コーティング錠を得る。
<作用効果>
本発明の第二の態様のコーティング錠によれば、(A)成分及び(B)成分を含有する素錠に、意外にも(C)成分を添加し、かつこの素錠の表面に(D)成分を含むコーティング層を設けることで、アセトアミノフェンを含有する錠剤に(B)成分を添加するだけでは解決できなかった錠剤の経時的な硬度低下を抑制できる。よって本発明のコーティング錠は、打錠直後と同程度の錠剤硬度が経時で維持されるので、輸送時や錠剤取り出し時等の衝撃による錠剤の割れ欠けをより防ぐことができる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した原料、打錠条件及び評価方法は、以下の通りである。
なお、実施例27は参考例である。
「使用原料」
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・アセトアミノフェン:岩城製薬株式会社製、「ピレチノール」
(B)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・乳糖水和物:フロイント産業株式会社製、「ダイラクトーズ」(登録商標)
・乳糖造粒物:フロイント産業株式会社製、「乳糖G」
・カルメロースカルシウム:五徳薬品株式会社製、「ECG-505」
・クロスカルメロースナトリウム:ニチリン化学工業株式会社製、「キッコレート NDHS」(登録商標)
(C)成分又はその代替品((C’)成分)として、以下に示す化合物を用いた。
・ロキソプロフェンナトリウム二水和物:大和薬品工業株式会社製、「日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物」
・イブプロフェン:BASF社製、「Ibuprofen」
(D)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・三二酸化鉄:癸巳化成株式会社製、「三二酸化鉄」
・黄色三二酸化鉄:癸巳化成株式会社製、「黄色三二酸化鉄」
・酸化チタン:堺化学工業株式会社製、「酸化チタン」
・酸化亜鉛:堺化学工業株式会社製、「酸化亜鉛」
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
・結晶セルロース:旭化成ケミカルズ株式会社製、「UF-702」
・クロスポビドン:BASF社製、「Kollidon(登録商標) CL-SF」
・ステアリン酸マグネシウム:太平化学産業株式会社製、「ステアリン酸マグネシウム」
コーティング層を形成する材料として、以下に示す化合物を用いた。
・コーティング剤:日本カラコン合同会社製、「オパドライ(ポリマーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用)」(商標)
[打錠条件]
・打錠機:ロータリー式打錠機(株式会社菊水製作所製、「リブラ3L」)
・盤回転速度:20rpm
・臼杵(1):直径8.5mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.4、R2=10)
・臼杵(2):直径9.0mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.6、R2=10.5)
・臼杵(3):直径9.5mm(2段R)×12本立て、刻印無し(キャップ高さ0.1mm、R1=3.4、R2=10)
・予圧:2kN(約20MPa、約200kg/cm
・本圧:10kN(約100MPa、約1000kg/cm
[評価方法]
<硬度評価>
得られた錠剤を、予め成形した樹脂シート(大成化工株式会社製、「TAS-230」、ポリプロピレン-環状ポリオレフィン-ポリプロピレンの積層体)のポケットに入れ、アルミニウム箔でPTP(プレススルーパッケージ)包装し、50℃75%RH条件下にて4週間保存した。
錠剤硬度破壊測定機(富山産業株式会社製、「TH-203CP」)を用いて、錠剤の硬度を測定した。
測定用の試料としては、保存前の錠剤と、保存後の錠剤のそれぞれ10錠ずつを用いた。そして、錠剤10錠の各硬度を測定し、これらの平均値を求めた。
保存前の錠剤の硬度の平均値から保存後の錠剤の硬度の平均値を差し引くことで、保存前後における錠剤の硬度低下(硬度差)を求め、以下の評価基準にて評価した。4点以上を合格とする。
コーティング錠についても同様にして硬度低下(硬度差)を求め、以下の評価基準にて評価した。4点以上を合格とする。
8:硬度低下が10N未満。
7:硬度低下が10N以上、15N未満。
6:硬度低下が15N以上、20N未満。
5:硬度低下が20N以上、25N未満。
4:硬度低下が25N以上、30N未満。
3:硬度低下が30N以上、35N未満。
2:硬度低下が35N以上、40N未満。
1:硬度低下が40N以上。
<崩壊性の評価>
硬度評価と同様にして錠剤を4週間保存した。
日本薬局方に収載される錠剤の崩壊試験法に準じ、錠剤の水への崩壊時間を測定した。
測定用の試料としては、保存前の錠剤と、保存後の錠剤のそれぞれ6錠ずつを用いた。そして、錠剤6錠の各崩壊時間を測定し、これらの平均値を求めた。
保存前の錠剤の崩壊時間の平均値から保存後の錠剤の崩壊時間の平均値を差し引くことで、保存前後における錠剤の崩壊時間の変化量を求め、以下の評価基準にて評価した。4点以上を合格とする。
コーティング錠についても同様にして崩壊時間の変化量を求め、以下の評価基準にて評価した。4点以上を合格とする。
7:変化量が20秒未満。
6:変化量が20秒以上、40秒未満。
5:変化量が40秒以上、60秒未満。
4:変化量が60秒以上、80秒未満。
3:変化量が80秒以上、100秒未満。
2:変化量が100秒以上、120秒未満。
1:変化量が120秒以上。
[実施例1]
混合容器に、1錠当たりの組成が表1に示す配合組成となるように、(A)成分と(B)成分と(C)成分と(D)成分と任意成分とを投入して混合した後、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。このとき、錠剤の初期硬度が70~90Nとなるように調整した。
得られた錠剤について、硬度評価及び崩壊性の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2~34、39]
1錠当たりの配合組成が表1~4、6の通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして薬物層からなる錠剤(単層錠)を製造し、各種評価を行った。結果を表1~4、6に示す。なお、実施例2~15、17~19、21~24、27~34、39では臼杵(2)を用い、実施例16、20、25、26では臼杵(3)を用いた。
[実施例35~38]
総質量3kgの(A)成分を流動層造粒機(フロイント産業株式会社製、「FLO-5」)に投入し、3質量%の結合液(ヒドロキシプロピルセルロース水溶液)を噴霧しながら給気温度80℃、給気風量2.0m/分にて流動層造粒を行った。造粒物中のヒドロキシプロピルセルロースの組成が固形物換算で表5に示す値となるように結合液を噴霧して流動層造粒を完了させ、表5に示す配合組成の造粒物を得た。引き続き同じ流動層造粒機を用いて給気温度70℃、給気風量1.5m/分にて造粒物を乾燥した。乾燥時間は、実施例35では20分に設定し、実施例36では15分に設定し、実施例37では10分に設定し、実施例38では5分に設定した。
混合容器に、1錠当たりの組成が表5に示す配合組成となるように、乾燥後の造粒物と(B)成分と(C)成分と(D)成分と任意成分とを投入して混合した後、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。このとき、錠剤の初期硬度が70~90Nとなるように調整した。
得られた錠剤について、硬度評価及び崩壊性の評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例40~45]
混合容器に、1錠当たりの組成が表6に示す配合組成となるように、(A)成分と(B)成分と(C)成分と任意成分とを投入して混合した後、臼杵(2)を用い、前記打錠条件にて打錠成形し、薬物層からなる錠剤(単層錠)を得た。このとき、錠剤の初期硬度が70~90Nとなるように調整した。
得られた錠剤を素錠とし、以下のようにして素錠の表面にコーティング層を設けた。
すなわち、濃度が20質量%となるようにコーティング剤を水に分散させた分散液に、(D)成分を配合してコーティング液を調製した。アクアコーター48型(フロイント産業株式会社製)を用いて、給気温度60℃、給気風量2.3m/分、排気温度42±2℃の条件下で、前記コーティング液を素錠に噴霧した。その後、給気温度60℃、給気風量2.3m/分で20分間乾燥させ、素錠の表面にコーティング層が設けられたコーティング錠を得た。なお、1錠当たりの(D)成分の量(コーティング量)が表6に示す値となるように、分散液への(D)成分の配合量を調整し、1錠当たりのコーティング剤の量(コーティング量)が表6に示す値となるように、コーティング液の噴霧量を調整した。
得られたコーティング錠について、硬度評価及び崩壊性の評価を行った。結果を表6に示す。
[比較例1~5]
1錠当たりの配合組成が表7の通りになるように変更した以外は、実施例1と同様にして薬物層からなる錠剤(単層錠)を製造し、各種評価を行った。結果を表7に示す。なお、比較例1では臼杵(1)を用い、比較例2~5では臼杵(2)を用いた。
Figure 0007241468000001
Figure 0007241468000002
Figure 0007241468000003
Figure 0007241468000004
Figure 0007241468000005
Figure 0007241468000006
Figure 0007241468000007
表中、「B/A比」は、(B)成分/(A)成分で表される質量比である。「A/C比」は、(A)成分/(C)成分で表される質量比である。「A/C’比」は、(A)成分/(C’)成分で表される質量比である。「D×1000/A比」は、(D)成分×1000/(A)成分で表される質量比である。「(A+B+C)/(D×1000)比」は、((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比である。「(A+B+C’)/(D×1000)比」は、((A)成分+(B)成分+(C’)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比である。「(A)+(B)+(C)+(D)」は、錠剤又はコーティング錠中の(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の合計質量の割合である。「(A)+(B)+(C’)+(D)」は、錠剤中の(A)成分、(B)成分、(C’)成分及び(D)成分の合計質量の割合である。
表1~6の結果より、各実施例で得られた錠剤又はコーティング錠は、保存しても硬度が低下しにくく、経時による硬度低下が抑制されていた。実施例1、12、16と、実施例21~23との比較より、(B)成分として(b1)成分と(b2)成分とを併用した実施例21~23は、(B)成分の合計質量が少量でも優れた効果が得られた。また、実施例10、11、20と、実施例24~26との比較より、(B)成分として(b1)成分と(b2)成分とを併用した実施例24~26は、経時による硬度低下の抑制効果により優れていた。
また、各実施例で得られた錠剤は、保存後の崩壊性も良好であった。特に、A/C比が3以上である実施例29~34は崩壊性により優れていた。その中でも特に、A/C比が3~7である実施例29~33で得られた錠剤は、硬度と崩壊性のバランスにより優れていた。
また、表5の結果の通り、錠剤中の水分量を1~6質量%とすることにより、経時による硬度低下が少なく良好であり、保存後の崩壊性も良好であった。
さらに、表6の結果から、素錠に(D)成分を含むコーティングを施すことにより、経時による硬度低下が少なく良好であり、保存後の崩壊性も良好であった。
一方、表7の結果より、(B)成分、(C)成分及び(D)成分のいずれか1つ以上を含まない各比較例で得られた錠剤は、経時的な硬度低下が認められた。

Claims (13)

  1. 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物層を有し、
    ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55であり、
    前記(A)成分を前記薬物層の全体質量に対して20~57.95質量%含み、
    前記(B)成分を前記薬物層の全体質量に対して1~26.97質量%含み、
    前記(C)成分を前記薬物層の全体質量に対して5~21.33質量%含み、
    前記(D)成分を前記薬物層の全体質量に対して0.001~0.062質量%含む、錠剤。
    (A)成分:アセトアミノフェン
    (B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (b1)成分:乳糖
    (b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
    (C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (D)成分:三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種
  2. (A)成分+(B)成分+(C)成分+(D)成分の質量の合計が、前記薬物層の全体質量に対して26~95質量%である、請求項1に記載の錠剤。
  3. 前記(D)成分が三二酸化鉄及び黄色三二酸化鉄より選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の錠剤。
  4. (D)成分×1000/(A)成分で表される質量比が0.03~1.33である、請求項1~のいずれか一項に記載の錠剤。
  5. 前記(B)成分は前記(b1)成分と前記(b2)成分とを含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の錠剤。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載の錠剤を素錠とし、前記素錠の表面にコーティング層を有する、コーティング錠。
  7. 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物層を有する素錠と、前記素錠の表面に設けられた、下記(D)成分を含むコーティング層とを有するコーティング錠であって、
    ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55であり、
    前記(A)成分を前記コーティング錠の全体質量に対して20~85質量%含み、
    前記(B)成分を前記コーティング錠の全体質量に対して1~50質量%含み、
    前記(C)成分を前記コーティング錠の全体質量に対して5~50質量%含み
    前記(D)成分を前記コーティング錠の全体質量に対して0.001~0.012質量%含む、コーティング錠。
    (A)成分:アセトアミノフェン
    (B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (b1)成分:乳糖
    (b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
    (C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (D)成分:三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種
  8. 前記(D)成分が三二酸化鉄及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種である、請求項に記載のコーティング錠。
  9. (D)成分×1000/(A)成分で表される質量比が0.01~0.27である、請求項7又は8に記載のコーティング錠。
  10. 前記(B)成分は前記(b1)成分と前記(b2)成分とを含有する、請求項7~9のいずれか一項に記載のコーティング錠。
  11. 下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して薬物層を形成する工程を有し、
    ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55であり、
    前記薬物層中の前記(A)成分の含有割合が、前記薬物層の全体質量に対して20~57.95質量%であり、
    前記薬物層中の前記(B)成分の含有割合が、前記薬物層の全体質量に対して1~26.97質量%であり、
    前記薬物層中の前記(C)成分の含有割合が、前記薬物層の全体質量に対して5~21.33質量%であり、
    前記薬物層中の前記(D)成分の含有割合が、前記薬物層の全体質量に対して0.001~0.062質量%である、錠剤の製造方法。
    (A)成分:アセトアミノフェン
    (B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (b1)成分:乳糖
    (b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
    (C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (D)成分:三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種
  12. 請求項11に記載の錠剤の製造方法により錠剤を製造し、得られた錠剤を素錠とし、前記素錠の表面にコーティング層を設ける、コーティング錠の製造方法。
  13. 下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含む薬物含有粉体を打錠成形して素錠を得る工程と、前記素錠の表面に下記(D)成分を含むコーティング層を設ける工程とを有するコーティング錠の製造方法であって、
    ((A)成分+(B)成分+(C)成分)/((D)成分×1000)で表される質量比が1~55であり、
    前記コーティング錠中の前記(A)成分の含有割合が、前記コーティング錠の全体質量に対して20~85質量%であり、
    前記コーティング錠中の前記(B)成分の含有割合が、前記コーティング錠の全体質量に対して1~50質量%であり、
    前記コーティング錠中の前記(C)成分の含有割合が、前記コーティング錠の全体質量に対して5~50質量%であり、
    前記コーティング錠中の前記(D)成分の含有割合が、前記コーティング錠の全体質量に対して0.001~0.012質量%である、コーティング錠の製造方法。
    (A)成分:アセトアミノフェン
    (B)成分:下記(b1)成分及び(b2)成分より選ばれる少なくとも1種
    (b1)成分:乳糖
    (b2)成分:カルメロースカルシウム及びクロスカルメロースナトリウムより選ばれる少なくとも1種
    (C)成分:ロキソプロフェン及びその塩より選ばれる少なくとも1種
    (D)成分:三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化亜鉛及び酸化チタンより選ばれる少なくとも1種
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