JP6009743B2 - 半導体パッケージの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールへの封止樹脂の付着を抑制しながら、高い接合信頼性を実現することのできる半導体パッケージの製造方法に関する。
フリップチップ実装においては、一般的に、封止樹脂を介して、複数のハンダ等からなる突起状電極を有する半導体チップが対向基板に実装される。
近年、半導体チップの小型化が進行するとともに突起状電極間のピッチも狭くなっており、また、これらに伴って半導体チップ同士又は半導体チップと対向基板との間のギャップも狭くなっている。そのため、封止樹脂の充填時に空気が巻き込まれ、ボイドが発生することを防ぐために、封止樹脂を電極接合後に充填するのではなく、接合領域に予め設けておく方法が検討されている。
このようなフリップチップ実装は、例えば、半導体チップを吸着等により保持して半導体チップに熱及び圧力を伝える、セラミック製のツールを備えたフリップチップボンダーを用いて行われる。ツールからの熱及び圧力によって、封止樹脂の流動及び硬化、突起状電極と対向基板上の電極との接合等を行うことができる。
一方、フリップチップ実装に限らず、半導体チップを対向基板に実装する際には、半導体チップからの封止樹脂のはみ出し部分、いわゆるフィレットと呼ばれる部分を形成することにより、得られる実装体の接合信頼性が向上することが知られている。
良好なフィレットを形成するために、例えば、特許文献1には、半導体素子を配線基板にフリップチップ実装するに際し、配線基板の側に濡れ性低減領域又は濡れ性改善領域を形成し、半導体素子のコーナー部に接した辺から流れ出した封止樹脂材を、半導体素子のコーナー部へ導く方法が記載されている。
しかしながら、厚みが150μm以下の薄い半導体チップを用いてフリップチップボンダーによりフリップチップ実装を行う場合には、半導体チップの厚み以上にフィレットが高くなり、ハンダの溶融点以上に熱せられたツールに封止樹脂が付着してしまうことが問題となっている。通常、封止樹脂は熱硬化性であるため、ツールに付着すると硬化してツールと半導体チップとが離れなくなり、その結果、対向基板を吸着固定するステージが吸着破壊して外れたり、封止樹脂が凝集破壊したりして、生産上、致命的な不良となる。
特に、特許文献1に記載された方法においては、半導体チップの各コーナー部にも良好なフィレットを形成するために、対向基板上の半導体チップ各辺の中央部に対応する領域は、半導体チップの各コーナー部に対応する領域に比べて、濡れ性が低い。そのため、このような半導体チップ各辺の中央部に対応する領域では、封止樹脂の濡れ広がりが小さくなり、封止樹脂の半導体チップの側面及び/又は上面への這い上がりが顕著となって、ツールへの封止樹脂の付着も顕著となってしまう。
特開2007−305813号公報
本発明は、半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールへの封止樹脂の付着を抑制しながら、高い接合信頼性を実現することのできる半導体パッケージの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、突起状電極を有する厚みが150μm以下の半導体チップに、該半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールを接触させ、封止樹脂を介して該半導体チップを対向基板に接合する半導体パッケージの製造方法であって、前記ツールと前記半導体チップとの接触面の面積が、前記半導体チップの面積よりも小さく、前記接触面のエッジと前記半導体チップのエッジとの最短距離(d)が、前記ツールの全周において、0μmよりも大きく200μm以下であり、前記接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d )が、前記ツールの全周において、半導体チップの隣り合う2つのコーナー部の平均値よりも、前記隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点において大きい半導体パッケージの製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、突起状電極を有する厚みが150μm以下の半導体チップに、該半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールを接触させ、封止樹脂を介して該半導体チップを対向基板に接合する半導体パッケージの製造方法において、ツールと半導体チップとの接触面の面積を半導体チップの面積よりも小さくし、かつ、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離を所定の範囲とすることにより、ツールへの封止樹脂の付着を抑制しながら高い接合信頼性を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体パッケージの製造方法においては、突起状電極を有する厚みが150μm以下の半導体チップを用いる。
上記半導体チップは、突起状電極を有し、かつ、厚みが150μm以下であれば特に限定されず、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなり、金、銅、銀−錫ハンダ、アルミニウム、ニッケル等からなる複数の突起状電極を有する半導体チップ等が挙げられる。
なお、突起状電極を有する半導体チップは、厚みが150μm以下である場合、通常、3〜15mm□程度の大きさ(面積)を有する。上記半導体チップの大きさ(面積)の好ましい下限は5mm□、好ましい上限は10mm□である。
本発明の半導体パッケージの製造方法においては、上記半導体チップに、該半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールを接触させ、封止樹脂を介して該半導体チップを対向基板に接合する。上記ツールと上記半導体チップとの接触面の面積は、上記半導体チップの面積よりも小さく、上記接触面のエッジと上記半導体チップのエッジとの最短距離(d)は、上記ツールの全周において、0μmより大きく200μm以下である。
このようなツールを用いることにより、上記封止樹脂が上記半導体チップの側面及び/又は上面に這い上がった場合であっても、上記ツールへの上記封止樹脂の付着を抑制し、製造工程の中断を防ぐことができる。また、フィレットの形成及び電極接合が良好に行われることから、高い接合信頼性を実現することができる。
図1は、本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例を、模式的に示した上面図である。なお、図1は、ツール側から見た上面図である。
図1においては、ツール1と半導体チップ2との接触面の面積が、半導体チップ2の面積よりも小さい。図1において、dは、ツール1と半導体チップ2との接触面のエッジと、半導体チップ2のエッジとの最短距離を示す。
上記接触面の面積が上記半導体チップの面積と同じであったり、上記ツールの面積が上記半導体チップの面積よりも大きかったりすると、上記封止樹脂が上記半導体チップの側面及び/又は上面に這い上がることにより、上記ツールに上記封止樹脂が付着してしまう。このような封止樹脂の付着は、製造工程の中断を招く。また、フィレットの形成又は電極接合が良好に行われず、接合信頼性が低下する。
なお、図6は、従来の半導体パッケージの製造方法における、半導体チップにツールを接触させ、封止樹脂を介して半導体チップを対向基板に接合した状態の一例を、模式的に示した断面図である。図6においては、ツール1’の面積が半導体チップ2の面積よりも大きい。
また、上記接触面の面積が上記半導体チップの面積よりも小さい場合であっても、上記ツールの全周のうちのいずれかの部位において、上記接触面のエッジと上記半導体チップのエッジとの最短距離(d)が0μmであると、上記封止樹脂が上記半導体チップの側面及び/又は上面に這い上がることにより、上記ツールに上記封止樹脂が付着してしまう。
また、上記ツールの全周のうちのいずれかの部位において、上記接触面のエッジと上記半導体チップのエッジとの最短距離(d)が200μmを超えると、上記ツールから上記半導体チップに熱又は圧力を充分に伝えることができなくなり、フィレットの形成又は電極接合を良好に行うことが困難となる。
上記接触面のエッジと上記半導体チップのエッジとの最短距離(d)の好ましい下限は30μm、好ましい上限は180μmであり、より好ましい下限は50μm、より好ましい上限は150μmである。
上記接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)は、上記ツールの全周において、上記半導体チップの隣り合う2つのコーナー部の平均値よりも、上記隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点において大きいことが好ましい。
通常、半導体チップの隣り合う2つのコーナー部よりも、隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点のほうが、封止樹脂が半導体チップの側面及び/又は上面に這い上がりやすい。そのため、このようなツールを用いることにより、より一層、上記ツールへの上記封止樹脂の付着を抑制し、接合信頼性を高めることができる。
図2〜4は、本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例、特に、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)が、ツールの全周において、半導体チップの隣り合う2つのコーナー部の平均値よりも、隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点において大きい場合の一例を、模式的に示した上面図である。なお、図2〜4は、ツール側から見た上面図である。
図2〜4においては、ツール1と半導体チップ2との接触面の面積が、半導体チップ2の面積よりも小さい。また、図2において、dは、半導体チップ2の隣り合う2つのコーナー部における、ツール1と半導体チップ2との接触面のエッジと、半導体チップ2のエッジとの最短距離を示す。dは、半導体チップ2の隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点における、ツール1と半導体チップ2との接触面のエッジと、半導体チップ2のエッジとの最短距離を示す。
本発明の半導体パッケージの製造方法においては、上記半導体チップが、表裏に突起状電極を有する厚みが60μm以下の半導体チップであり、かつ、上記ツールが、上記半導体チップの突起状電極に対応した凹部を有することが好ましい。
表裏に突起状電極を有する半導体チップとは、貫通電極(TSV)を有する半導体チップを意味する。このような半導体チップを用いる場合には、上記ツールが、上記半導体チップの突起状電極に対応した凹部を有することにより、上記ツールと接触する側の突起状電極により上記ツールと上記半導体チップとの接触が妨げられることを防ぎ、上記ツールから上記半導体チップに熱又は圧力を充分に伝えることができる。これにより、より一層、フィレットの形成及び電極接合が良好に行われ、接合信頼性を高めることができる。
図5は、本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例、特に、半導体チップが、表裏に突起状電極を有する厚みが60μm以下の半導体チップであり、かつ、ツールが、半導体チップの突起状電極に対応した凹部を有する場合の一例を、模式的に示した上面図及び断面図である。なお、図5の上面図は、ツール側から見た上面図である。
図5においては、ツール1と表裏に突起状電極を有する半導体チップ6との接触面の面積が、半導体チップ6の面積よりも小さい。また、ツール1は、半導体チップ6の突起状電極に対応した凹部3を有している。
上記封止樹脂は、硬化性化合物及び硬化剤を有する接着組成物を含有することが好ましい。
上記硬化性化合物は特に限定されず、例えば、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の反応により硬化する化合物が挙げられる。上記硬化性化合物として、具体的には、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性化合物が挙げられる。なかでも、得られる半導体パッケージの信頼性及び接合強度に優れていることから、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、イミド骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、及び、これらの水添化物等が挙げられる。なかでも、粘度の低い封止樹脂が得られることから、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル変性エポキシ樹脂が好ましい。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、市販品としては、例えば、EXA−830−LVP、EXA−830−CRP(以上、DIC社製)等が挙げられる。また、上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち、市販品としては、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。また、上記ポリエーテル変性エポキシ樹脂のうち、市販品としては、EX−931(ナガセケムテックス社製)、EXA−4850−150(DIC社製)、EP−4005(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記硬化性化合物は、吸湿率の好ましい上限が1.5%であり、より好ましい上限が1.1%である。このような吸湿率を有する硬化性化合物として、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤は特に限定されず、従来公知の硬化剤を上記硬化性化合物に合わせて適宜選択することができる。上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合、上記硬化剤として、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物の官能基と等量反応する硬化剤を用いる場合、上記硬化性化合物の官能基量に対して、60〜100当量であることが好ましい。また、触媒として機能する硬化剤を用いる場合、上記硬化剤の配合量は、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記接着組成物は、硬化速度、硬化物の物性等を調整するために、上記硬化剤に加えて硬化促進剤を含有してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記硬化促進剤として、例えば、2MZ、2MZ−P、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MA−OK、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT、VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等も挙げられる。
上記硬化促進剤の配合量は特に限定されず、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が10重量部である。
上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用い、かつ、上記硬化剤と上記硬化促進剤とを併用する場合、用いる硬化剤の配合量は、用いるエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。上記硬化剤の配合量が理論的に必要な当量を超えると、上記封止樹脂を硬化して得られる硬化物から、水分によって塩素イオンが溶出しやすくなることがある。即ち、硬化剤が過剰であると、例えば、上記封止樹脂の硬化物から熱水で溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度となるため、エポキシ樹脂から塩素イオンが多量溶出することがある。従って、上記封止樹脂の硬化物1gを、100℃の純水10gで2時間浸した後の純水のpHが6〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
上記接着組成物は、粘度を低減させるために希釈剤を含有してもよい。
上記希釈剤は、エポキシ基を有することが好ましく、1分子中のエポキシ基数の好ましい下限が2、好ましい上限が4である。1分子中のエポキシ基数が2未満であると、上記封止樹脂の硬化後に充分な耐熱性が発現しないことがある。1分子中のエポキシ基数が4を超えると、硬化によるひずみが発生したり、未硬化のエポキシ基が残存したりすることがあり、これにより、接合強度の低下又は繰り返しの熱応力による接合不良が発生することがある。上記希釈剤の1分子中のエポキシ基数のより好ましい上限は3である。
また、上記希釈剤は、芳香環及び/又はジシクロペンタジエン構造を有することが好ましい。
上記希釈剤は、120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量の好ましい上限が1%である。120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量が1%を超えると、上記封止樹脂の硬化中又は硬化後に未反応物が揮発してしまい、生産性又は得られる半導体パッケージの性能に悪影響を与えることがある。
また、上記希釈剤は、他の硬化性化合物よりも硬化開始温度が低く、硬化速度が大きいものであることが好ましい。
上記接着組成物における希釈剤の配合量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は20重量%である。上記希釈剤の配合量が上記範囲外であると、接着組成物の粘度を充分に低減できないことがある。
上記封止樹脂は、更に、チキソトロピー付与剤を含有することが好ましい。上記チキソトロピー付与剤を含有することにより、上記封止樹脂は所望の粘度挙動を達成することができる。
上記チキソトロピー付与剤は特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミ等の無機微粒子等が挙げられる。なかでも、ヒュームドシリカが好ましい。
また、上記チキソトロピー付与剤として、必要に応じて、表面処理を行ったチキソトロピー付与剤を用いることができる。特に、上記チキソトロピー付与剤として、表面に親水基を有する粒子を用いることが好ましい。上記表面に親水基を有する粒子として、具体的には例えば、表面に親水基を有するヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記チキソトロピー付与剤として、粒子状のチキソトロピー付与剤を用いる場合、平均粒子径の好ましい上限は1μmである。上記チキソトロピー付与剤の平均粒子径が1μmを超えると、上記封止樹脂が所望のチキソトロピー性を発現できないことがある。
上記封止樹脂における上記チキソトロピー付与剤の配合量は特に限定されないが、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が20重量%である。上記チキソトロピー付与剤の配合量が0.5重量%未満であると、上記封止樹脂に充分なチキソトロピー性を付与することができないことがある。上記チキソトロピー付与剤の配合量が20重量%を超えると、上記封止樹脂の排除性が低下することがある。上記チキソトロピー付与剤の配合量のより好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は10重量%である。
上記封止樹脂は、更に、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することが好ましい。このような高分子化合物を含有することにより、熱によるひずみが発生する際の接合信頼性が向上する。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合には、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。上記エポキシ基を有する高分子化合物を添加することで、上記封止樹脂の硬化物は、優れた可撓性を発現する。即ち、上記封止樹脂の硬化物は、上記硬化性化合物としてのエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた可撓性とを兼備することとなるので、耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性、寸法安定性等に優れるものとなり、高い接着信頼性又は高い導通信頼性を発現することとなる。
上記エポキシ基を有する高分子化合物は、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含む高分子化合物を得ることができ、硬化物の機械的強度又は耐熱性がより優れたものとなることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限が1万である。重量平均分子量が1万未満であると、上記封止樹脂の造膜性が不充分となって、上記封止樹脂の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量の好ましい下限が200、好ましい上限が1000である。エポキシ当量が200未満であると、上記封止樹脂の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。エポキシ当量が1000を超えると、上記封止樹脂の硬化物の機械的強度又は耐熱性が不充分となることがある。
上記封止樹脂における、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物100重量部に対し、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が1重量部未満であると、上記封止樹脂は、熱ひずみに対する充分な信頼性が得られないことがある。上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が30重量部を超えると、上記封止樹脂の耐熱性が低下することがある。
上記封止樹脂は、更に、表面処理されたシリカフィラーを含有することが好ましい。上記表面処理されたシリカフィラーは特に限定されないが、フェニルシランカップリング剤で表面処理されたシリカフィラーが好ましい。
上記封止樹脂における、上記表面処理されたシリカフィラーの配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物100重量部に対し、好ましい下限が30重量部、好ましい上限が400重量部である。上記表面処理されたシリカフィラーの配合量が30重量部未満であると、上記封止樹脂が充分な信頼性を保持することができないことがある。上記表面処理されたシリカフィラーの配合量が400重量部を超えると、上記封止樹脂の粘度が高くなりすぎて、塗布安定性が低下することがある。
上記封止樹脂は、必要に応じて、溶媒を含有してもよい。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類、塩化芳香族炭化水素類、塩化脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル(セロソルブ)類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
上記封止樹脂は、必要に応じて、無機イオン交換体を含有してもよい。
上記無機イオン交換体のうち、市販品としては、例えば、IXEシリーズ(東亞合成社製)等が挙げられる。上記封止樹脂における上記無機イオン交換体の配合量の好ましい上限は10重量%、好ましい下限は1重量%である。
上記封止樹脂は、必要に応じて、ブリード防止剤、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
上記封止樹脂は、E型粘度計を用いて80℃にて粘度を測定したときに、0.5rpmにおける粘度が0.1Pa・s以上、30Pa・s以下であることが好ましい。
上記封止樹脂がこのような粘度特性を有することにより、より一層、上記ツールへの上記封止樹脂の付着を抑制することができ、また、フィレットの形成及び電極接合が良好に行われ、接合信頼性を高めることができる。なお、80℃との温度は、フリップチップボンダーのステージ温度を想定した温度である。フリップチップボンダーのステージ温度は、ボンディング時に生じるボイドの程度、ハンダの濡れ性等によって決められるが、通常、60℃〜80℃である。
上記E型粘度計を用いて80℃にて測定したときの0.5rpmにおける粘度が0.1Pa・s未満であると、上記封止樹脂が形状を維持できなくなったり、上記封止樹脂が上記半導体チップの接合領域近傍にあるアライメントマークにまで濡れ広がることにより、アライメントを行うことができなかったりすることがある。上記E型粘度計を用いて80℃にて測定したときの0.5rpmにおける粘度が30Pa・sを超えると、フィレットの形成が良好に行われなかったり、上記半導体チップの側面及び/又は上面への上記封止樹脂の這い上がりが大きくなり、上記ツールへの上記封止樹脂の付着を抑制できなかったりすることがある。
上記封止樹脂は、E型粘度計を用いて80℃にて粘度を測定したときに、0.5rpmにおける粘度が0.3Pa・s以上、25Pa・s以下であることがより好ましく、0.5Pa・s以上、20Pa・s以下であることが更に好ましい。
上記封止樹脂は、硬化後の−55〜125℃における弾性率Eの好ましい下限が0.5GPa、好ましい上限が8GPaであることが好ましい。弾性率Eが0.5GPa未満であると、上記封止樹脂の硬化物に充分な耐熱性が得られないことがある。弾性率Eが8GPaを超えると、温度の変化によるひずみによって発生した応力が集中し、接合信頼性に悪影響を与えることがある。上記封止樹脂は、硬化後の−55〜125℃における弾性率Eのより好ましい下限が1GPa、より好ましい上限が7GPaである。
上記封止樹脂を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記硬化性化合物及び硬化剤を有する接着組成物に、必要に応じて上記硬化促進剤、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物、上記チキソトロピー付与剤、その他の添加剤等を所定量配合して混合する方法が挙げられる。
上記混合の方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用する方法が挙げられる。
上記封止樹脂は、上記半導体チップを上記対向基板に接合する前に、上記半導体チップ又は上記対向基板に供給されることが好ましい。
上記封止樹脂を供給する方法は特に限定されないが、例えば、上記封止樹脂を上記対向基板に供給する場合には、例えば、精密ノズルを取り付けたシリンジ等とディスペンサ等とを組み合わせて、上記封止樹脂を上記対向基板に塗布する方法等が挙げられる。
上記封止樹脂を介して上記半導体チップを上記対向基板に接合する際には、上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極との位置合わせを行いながら、接合を行う。このとき、上記半導体チップに対して押圧し、上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極とを接触させることが好ましい。
上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極とを接触させる際の圧力は特に限定されないが、突起状電極当たり0.05〜10Nであることが好ましい。上記圧力が0.05N未満であると、上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極とが接触しないことがある。上記圧力が10Nを超えると、上記半導体チップの突起状電極がつぶれすぎて隣の突起状電極と接触し、ショートすることがある。
また、上記封止樹脂を介して上記半導体チップを上記対向基板に接合する際には、例えば、上記半導体チップの突起状電極がハンダからなる場合には、ハンダの溶融温度以上に加熱してハンダを溶融し、上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極とを接合させることが好ましい。
上記半導体チップのハンダからなる突起状電極と上記対向基板上の電極とを接合させる際の圧力は特に限定されないが、突起状電極当たり0.001〜1Nであることが好ましい。上記圧力が0.001N未満であると、適切な上記対向基板と上記半導体チップとの距離を形成できないことがある。上記圧力が1Nを超えると、溶融したハンダが流れて隣の突起状電極と接触し、ショートすることがある。
本発明の半導体パッケージの製造方法においては、上記半導体チップの突起状電極と上記対向基板上の電極とを接合した後、上記封止樹脂の硬化を行ってもよい。
上記封止樹脂を硬化する方法は特に限定されず、上記封止樹脂の硬化特性に合わせた硬化条件を適宜選択して用いることができ、例えば、120℃で30分、170℃で30分加熱する方法等が挙げられる。
なお、上述のような加熱及び押圧は、フリップチップボンダーにおける上記ツールの熱及び圧力、ステージ温度等を調節することにより、調整することができる。
本発明の半導体パッケージの製造方法により形成されるフィレットの距離は、上記半導体チップの接合領域からの好ましい下限が100μm、好ましい上限が1mmである。上記フィレットの距離が100μm未満であると、フィレットを形成する効果が充分に得られず、高い接合信頼性が得られないことがある。上記フィレットの距離が1mmを超えると、上記封止樹脂が上記半導体チップの接合領域近傍にあるアライメントマークに重なることにより、アライメントを行うことができないことがある。上記フィレットの距離のより好ましい下限は150μmである。
本発明によれば、半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールへの封止樹脂の付着を抑制しながら、高い接合信頼性を実現することのできる半導体パッケージの製造方法を提供することができる。
本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例を、模式的に示した上面図である。 本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例を、模式的に示した上面図である。 本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例を、模式的に示した上面図である。 本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例を、模式的に示した上面図である。 本発明の半導体パッケージの製造方法における半導体チップにツールを接触させた状態の一例、特に、半導体チップが表裏に突起状電極を有し、厚みが60μm以下であり、かつ、ツールが半導体チップの突起状電極に対応した凹部を有する場合の一例を、模式的に示した上面図及び断面図である。 従来の半導体パッケージの製造方法における、半導体チップにツールを接触させ、封止樹脂を介して半導体チップを対向基板に接合した状態の一例を、模式的に示した断面図である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
参考例1)
(1)封止樹脂の製造
表1に示す組成に従って、ホモディスパーを用いて下記に示す各材料(重量部)を攪拌混合し、封止樹脂を調製した。
(エポキシ樹脂)
ビスフェノール型エポキシ樹脂(EXA−830−CRP、DIC社製)
NBR変性エポキシ樹脂(EPR−4033、ADEKA社製)
(エポキシ樹脂と反応可能な官能基を有する高分子化合物)
エポキシ基含有アクリル樹脂(ブレンマーCP−30、日油社製)
(硬化剤)
YH−306(酸無水物系硬化剤、JER社製)
(硬化促進剤)
2MA−OK(四国化成工業社製)
(表面処理されたシリカフィラー)
球状シリカ(SE−4050−SPE、アドマテックス社製)
(その他)
シランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
チキソトロピー付与剤(QS−40、トクヤマ社製)
(2)使用した半導体チップ、及び、フリップチップボンダーのツール
ハンダからなる突起状電極を有し、厚みが100μm、大きさ(面積)が7.3mm□(53.29mm)の半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、突起状電極の数544個、ウォルツ社製)を使用した。
また、この半導体チップとの接触面の面積が50.41mmであり、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)がツールの全周において100μmとなり、図1に示すツール1のような形状を有するツールを備えたフリップチップボンダー(FC3000S、東レエンジニアリング社製)を用いた。
(3)半導体チップの実装
得られた封止樹脂を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、吐出圧0.4MPa、対向基板とニードルとのギャップ200μm、塗布量3.3μLにて対向基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)上に塗布した。
半導体チップにフリップチップボンダーのツールを接触させ、塗布した封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と対向基板の電極とを位置合わせして、温度120℃、荷重40N(突起状電極1個当たり0.07N)で2秒間押圧することにより、突起状電極と対向基板の電極とを接触させた。
その後、フリップチップボンダーにて、温度を120℃から280℃に3秒間で上昇させながら、荷重を40Nから1Nとし、この状態で280℃3秒間、突起状電極と対向基板上の電極との接合を行った。その後、190℃30分加熱し、半硬化状態の封止樹脂を完全に硬化させて、半導体パッケージを得た。
(実施例2〜4、参考例5〜6
表1に示すようにツールと半導体チップとの接触面の面積、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)、及び、ツールの形状を変更したこと以外は参考例1と同様にして、半導体パッケージを得た。
参考例7)
(1)封止樹脂の製造
参考例1と同様にして封止樹脂を調製した。
(2)使用した半導体チップ、及び、フリップチップボンダーのツール
ハンダからなる突起状電極を有し、厚みが50μm、大きさ(面積)が7.3mm□(53.29mm)の半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、突起状電極の数544個、ウォルツ社製)の突起状電極がない面に、フォトリソグラフィーのプロセス及びめっきのプロセスを用いて、TSVを模してCu電極(幅20μm、厚み10μm)を作製した。Cu電極のレイアウトは、半導体チップのエッジから50μm内側の全周囲とした。
また、この半導体チップとの接触面の面積が47.8864mmであり、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)がツールの全周において190μmとなり、図5に示すツール1のような形状を有するツール(全周囲に、上記で作製のCu電極に当たる部分に幅70μm、深さ20μmの凹部を有する)を備えたフリップチップボンダー(FC3000S、東レエンジニアリング社製)を用いた。
(3)半導体チップの実装
上記の半導体チップ、及び、フリップチップボンダーのツールを使用したこと以外は参考例1と同様にして、半導体パッケージを得た。
(比較例1〜3)
表1に示すようにツールと半導体チップとの接触面の面積、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)、及び、ツールの形状を変更したこと以外は参考例1と同様にして、半導体パッケージを得た。
なお、表1において、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)が負の値である場合は、ツールの面積が半導体チップの面積よりも大きいことを意味する。
(比較例4)
ツールがCu電極に当たる部分に凹部を有さず、かつ、表1に示すようにツールと半導体チップとの接触面の面積、及び、接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d)を変更したこと以外は参考例7と同様にして、半導体パッケージを得た。しかし、Cu電極にのみツールが接触し、熱伝導がよくないために良接合ができなかった。
<評価>
実施例、参考例及び比較例で得られた半導体パッケージについて、下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(歩留り評価)
各実施例及び比較例について半導体パッケージを10個作製し、実装時に半導体チップの側面及び/又は上面に封止樹脂が這い上がり、ツールと接触してしまったサンプルを不良とし、封止樹脂とツールとが接触せずに実装できたサンプルを良品として、10個のサンプルのうちの良品の割合を歩留りとした。
また、実装時に封止樹脂とツールとが接触せずに実装できたサンプルを温度サイクル試験にかけ、抵抗値変化が10%を超えたサンプルを不良とし、10%を超えなかったサンプルを良品として、良品の割合を歩留まりとした。温度サイクル試験においては、半導体パッケージを、JEDEC レベル3のプリコンディションにて吸湿させ、その後、温度サイクル試験機に投入した。温度サイクルの条件は、−55℃から125℃であり、1000サイクルまで実施した。
Figure 0006009743
本発明によれば、半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールへの封止樹脂の付着を抑制しながら、高い接合信頼性を実現することのできる半導体パッケージの製造方法を提供することができる。
1、1’ ツール
2 半導体チップ
3 半導体チップの突起状電極に対応した凹部
4 対向基板
5 封止樹脂
6 表裏に突起状電極を有する半導体チップ

Claims (2)

  1. 突起状電極を有する厚みが150μm以下の半導体チップに、該半導体チップに熱及び圧力を伝えるツールを接触させ、封止樹脂を介して該半導体チップを対向基板に接合する半導体パッケージの製造方法であって、
    前記ツールと前記半導体チップとの接触面の面積が、前記半導体チップの面積よりも小さく、
    前記接触面のエッジと前記半導体チップのエッジとの最短距離(d)が、前記ツールの全周において、0μmより大きく200μm以下であり、
    前記接触面のエッジと半導体チップのエッジとの最短距離(d )が、前記ツールの全周において、半導体チップの隣り合う2つのコーナー部の平均値よりも、前記隣り合う2つのコーナー部を結ぶ辺の中心地点において大きい
    ことを特徴とする半導体パッケージの製造方法。
  2. 半導体チップが、表裏に突起状電極を有する厚みが60μm以下の半導体チップであり、かつ、ツールが、前記半導体チップの突起状電極に対応した凹部を有することを特徴とする請求項1載の半導体パッケージの製造方法。
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