JP2013102092A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、接合材を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、半田溶融点よりも低い温度で加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを接触させ、かつ、前記接合材を完全には硬化させない接触工程と、完全には硬化していない前記接合材を、加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程と、半田溶融点以上の温度で加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程とを有する半導体装置の製造方法。
【選択図】なし
Description
フリップチップ実装においては、一般的に、半導体チップの突起電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを接合させた後、アンダーフィルを注入して樹脂封止を行う方法が用いられている。しかしながら、近年、半導体チップの小型化が進行するとともに突起電極間のピッチもますます狭くなっており、また、これらに伴って半導体チップ同士又は半導体チップと基板との間のギャップが狭くなっていることから、アンダーフィルの注入時に空気が巻き込まれ、ボイドが発生しやすくなっている。
しかしながら、このような方法においては、予備加熱時の液状接合材組成物の粘度が低いことから、基板にそりが生じた場合には液状接合材組成物が流動することによって接合前の電極部にズレが生じることがあり、また、リフロー炉の振動又は風圧によっても、接合前の電極部にズレが生じることがあった。また、このような液状接合材組成物の流動、電極部のズレ、加熱時の液状接合材組成物の発泡等に起因して、ボイドが生じる可能性も充分には排除できていなかった。
以下、本発明を詳述する。
上記硬化性化合物は特に限定されず、例えば、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の反応により硬化する化合物が挙げられる。上記硬化性化合物として、具体的には例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性化合物が挙げられる。なかでも、半導体装置の信頼性及び接合強度に優れていることから、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、イミド骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記希釈剤は、エポキシ基を有することが好ましく、1分子中のエポキシ基数の好ましい下限が2、好ましい上限が4である。1分子中のエポキシ基数が2未満であると、接合材の硬化後に充分な耐熱性が発現しないことがある。1分子中のエポキシ基数が4を超えると、硬化によるひずみが発生したり、未硬化のエポキシ基が残存したりすることがあり、これにより、接合強度の低下又は繰り返しの熱応力による接合不良が発生することがある。上記希釈剤の1分子中のエポキシ基数のより好ましい上限は3である。
また、上記希釈剤は、芳香環及び/又はジシクロペンタジエン構造を有することが好ましい。
また、上記希釈剤は、他の硬化性化合物よりも硬化開始温度が低く、硬化速度が大きいものであることが好ましい。
上記チキソトロピー付与剤は特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミ等の無機微粒子等が挙げられる。なかでも、ヒュームドシリカが好ましい。また、上記チキソトロピー付与剤として、必要に応じて、表面処理を行ったチキソトロピー付与剤を用いることができる。特に、上記チキソトロピー付与剤として、表面に親水基を有する粒子を用いることが好ましい。上記表面に親水基を有する粒子として、具体的には例えば、表面に親水基を有するヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類、塩化芳香族炭化水素類、塩化脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル(セロソルブ)類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
上記無機イオン交換体のうち、市販品としては、例えば、IXEシリーズ(東亞合成社製)等が挙げられる。上記接合材における上記無機イオン交換体の配合量の好ましい上限は10重量%、好ましい下限は1重量%である。
なお、常温から半田溶融点までの温度域における最低溶融粘度は、レオメーターを用いて測定することができる。
上記半田溶融点よりも低い温度の好ましい下限は70℃、好ましい上限は210℃であるが、接合材を適正化することで常温にて突起電極と電極部とを接触させられるならば、常温が好ましい。なお、常温とは、通常、15〜30℃程度である。
接合材の硬化率(%)=(1−Dh/Di)×100 (1)
式(1)中、Diは示差走査熱量計にて算出される接合材の初期状態の発熱量を表し、Dhは示差走査熱量計にて算出される接合材の加熱処理後の発熱量を表す。
上記接合材の硬化率の好ましい上限は40%である。上記接合材の硬化率が40%を超えると、ボイド除去工程を行ってもボイドを充分に除去できないことがある。上記接合材の硬化率のより好ましい上限は20%である。また、上記接合材の硬化率の下限は特に限定されず、0%であってもよい。
また、チップマウンターを用いる場合には上記位置合わせ工程から上記接触工程までは常温で行われ、昇温及び降温の時間がないため工程に要する時間が短くなる反面、電極接合の精度はフリップチップボンダを用いた場合よりも低くなる。半田の表面張力によるセルフアラインメントを利用して電極接合の精度を上げることのできる系の場合には、チップマウンターを用いることが有効である。
加圧雰囲気下とは、常圧(大気圧)より高い圧力雰囲気下を意味する。ボイド除去工程を行うことにより、仮に上記接触工程において接合材に空気が巻き込まれた場合であってもボイドを除去することができる。ここでは、ボイドを単に成長させないだけではなく、積極的に除去できるものと考えられる。なお、ボイド除去工程では接合材も硬化されるが、接合材を完全に硬化させてもよいし、途中段階まで硬化させて、電極接合を行う際に完全に硬化させたのでもよい。
このとき、圧力の好ましい下限は0.1MPa、好ましい上限は10MPaである。圧力が0.1MPa未満であると、上記接触工程において接合材に空気が巻き込まれた場合にボイドを充分に除去できないことがある。圧力が10MPaを超えると、接合材自体の変形が生じ、半導体装置の信頼性に悪影響を及ぼすことがある。圧力のより好ましい下限は0.3MPa、より好ましい上限は1MPaである。
なお、以下の実施例及び比較例に記載の粒子径の測定には粒子サイズ測定機(コールターカウンターZB/C−1000、コールターエレクトロニクス社製)を使用した。
(1)接合材の製造
表1に記載の組成に従って、下記に示す各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合することにより接合材を製造した。
1.エポキシ樹脂
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EXA−830−CRP、DIC社製)
2.エポキシ基を有する高分子化合物
エポキシ基含有アクリル樹脂(ブレンマーCP−30、日油社製)
3.ゴム変性エポキシ樹脂
NBR変性エポキシ樹脂(EPR−4033、アデカ社製)
4.硬化剤
酸無水物(YH−306、三菱化学社製)
5.硬化促進剤
イミダゾール化合物(2MA−OK、四国化成工業社製)
6.接着性付与剤
イミダゾールシランカップリング剤(SP−1000、日鉱マテリアル社製)
7.チキソトロピー付与剤
ヒュームドシリカ(表面親水基含有チキソトロピー付与剤、QS−40、トクヤマ社製)
8.シリカフィラー
球状シリカ(SE−4050−SPE、アドマテックス社製、平均粒子径1μm、最大粒子径5μm)
(2−1)位置合わせ工程及び接触工程
得られた接合材を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、吐出圧0.4MPa、基板とニードルとのギャップ200μm、塗布量1.5mgにて基板上に塗布した。フリップチップボンダ(FC−3000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、塗布した接合材を介して半導体チップ(半田からなる先端部を有する突起電極が表面に形成されている、厚さ100μm、WALTS−TEG MB50−0101JY、ウォルツ社製)を基板上に位置合わせし、170℃、20Nで2秒間荷重、ステージ温度70℃で実装することにより、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接触させて実装体を得た。
このとき、接合材の硬化率は5%であった。なお、接合材の硬化率(%)は、硬化率を測定するためのサンプルを別途、同条件で作製し、得られたサンプルから半導体チップを剥がして接合材の一部をかきとり、DSC6220(Seiko Instruments社製)により測定した発熱量から、式(1)により求めた。
得られた実装体について、加圧キュアオーブン(PCO−083TA、NTTアドバンステクノロジ社製)を用いて以下の加圧、加熱条件によりボイド除去を行い、その後、リフロー炉にて最高温度260℃の条件にて加熱を行い、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接合させて、半導体装置を得た。
<加圧、加熱条件>
STEP1:40℃で5分保持、0.5MPa
STEP2:30分で150℃まで一定昇温、0.5MPa
STEP3:150℃で30分保持、0.5MPa
STEP4:10分で170℃まで一定昇温、0.5MPa
STEP5:170℃で30分保持、0.5MPa
STEP6:60分で室温まで一定降温、0.5MPa
フリップチップボンダを用いて半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接触させる際の条件を25℃、20Nで0.5秒間荷重に変更し、このときの接合材の硬化率を0%としたこと以外は実施例1と同様にして、半導体装置を得た。
ボイド除去を行う際の加圧、加熱条件を以下のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、半導体装置を得た。
<加圧、加熱条件>
STEP1:40℃で5分保持、加圧なし
STEP2:30分で150℃まで一定昇温、加圧なし
STEP3:150℃で30分保持、加圧なし
STEP4:10分で170℃まで一定昇温、加圧なし
STEP5:170℃で30分保持、加圧なし
STEP6:60分で室温まで一定降温、加圧なし
ボイド除去を行う際の加圧、加熱条件を以下のように変更したこと以外は実施例2と同様にして、半導体装置を得た。
<加圧、加熱条件>
STEP1:40℃で5分保持、加圧なし
STEP2:30分で150℃まで一定昇温、加圧なし
STEP3:150℃で30分保持、加圧なし
STEP4:10分で170℃まで一定昇温、加圧なし
STEP5:170℃で30分保持、加圧なし
STEP6:60分で室温まで一定降温、加圧なし
実施例及び比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
超音波探査映像装置(C−SAM D9500、日本バーンズ社製)を用いて、ボイド除去工程前後の実装体のボイドを観察し、下記の基準で評価した。
○ ボイドがほとんど観察されなかった。
△ ボイドがわずかに観察された。
× ボイドによる目立った剥離が観察された。
得られた半導体装置10個について、温度サイクル試験を行うことにより接続信頼性を評価した。温度サイクル試験は、プリコンディション条件をJEDEC LEVEL3 テストコンディションBとし、−55℃〜125℃、1000サイクルの条件とした。試験後の抵抗値が初期値の±5%以内で導通していることを良品サンプルの基準として、10個中の良品率を求めることで評価した。
Claims (3)
- 半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、接合材を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、
半田溶融点よりも低い温度で加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを接触させ、かつ、前記接合材を完全には硬化させない接触工程と、
完全には硬化していない前記接合材を、加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程と、
半田溶融点以上の温度で加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 接触工程における半田溶融点よりも低い温度は、常温であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- ボイド除去工程に加えて電極接合工程も加圧雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置の製造方法。
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2011
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