JP2012212724A - 半導体チップ実装体の製造方法及び封止樹脂 - Google Patents

半導体チップ実装体の製造方法及び封止樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好な電極接合を行い、信頼性の高い半導体チップ実装体を製造することのできる半導体チップ実装体の製造方法を提供する。また、該半導体チップ実装体の製造方法に用いられる封止樹脂を提供する。
【解決手段】封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせする工程と、前記突起状電極の溶融温度よりも低い温度で加熱しながら、前記半導体チップを押圧し、前記突起状電極と前記電極部とを接触させる工程と、前記突起状電極が溶融する温度で加熱しながら、前記突起状電極と前記電極部とが接触した位置よりも、前記基板又は他の半導体チップ側に0μmを超えて10μm以下まで近い位置に前記半導体チップを保持し、前記突起状電極と前記電極部とを接合する工程と、前記封止樹脂を硬化させる工程とを有し、前記封止樹脂は、溶融粘度計により測定した120℃における粘度が10〜10000Pa・sであり、前記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である半導体チップ実装体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好な電極接合を行い、信頼性の高い半導体チップ実装体を製造することのできる半導体チップ実装体の製造方法に関する。また、本発明は、該半導体チップ実装体の製造方法に用いられる封止樹脂に関する。
近年、ますます進展する半導体装置の小型化、高集積化に対応するために、ハンダ等からなる突起状電極(バンプ)を有する半導体チップを用いたフリップチップ実装が多用されている。更に、半導体チップ間の距離も突起状電極間の距離も狭くなっていることから、封止樹脂を電極接合後に注入するのではなく、基板又は半導体チップに封止樹脂層を予め設けておく方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、半田の融点よりも低い温度のリフロー予備加熱と、半田の融点よりも高い温度のリフロー本加熱とを行うことにより、半導体素子の電極と基板の回路を、バンプを介して接合すると同時に液状封止樹脂組成物の硬化を行う半導体装置の製造方法が記載されている。特許文献1には、液状封止樹脂組成物の粘弾性測定における粘度が、リフロー予備加熱時の温度範囲で1Pa・s以下で、リフロー本加熱時のピーク温度でのゲルタイムが30s以下であると記載されている。
特許文献1に記載の方法においては、リフロー予備加熱時には液状封止樹脂組成物が充分に低粘度を保持し、半導体素子の自重のみで半導体素子の接続用電極部と基板の回路とが接触する。そして、その後、リフロー本加熱温度に昇温する間に接続用電極部を溶融させるとともに、その後30秒以内に、液状封止樹脂組成物が硬化する。
しかしながら、特許文献1に記載の方法であっても、依然として充分に高い信頼性を有する半導体装置を得ることは困難であった。
特開2009−96886号公報
本発明は、封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好な電極接合を行い、信頼性の高い半導体チップ実装体を製造することのできる半導体チップ実装体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、該半導体チップ実装体の製造方法に用いられる封止樹脂を提供することを目的とする。
本発明は、封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせする工程と、前記突起状電極の溶融温度よりも低い温度で加熱しながら、前記半導体チップを押圧し、前記突起状電極と前記電極部とを接触させる工程と、前記突起状電極が溶融する温度で加熱しながら、前記突起状電極と前記電極部とが接触した位置よりも、前記基板又は他の半導体チップ側に0μmを超えて10μm以下まで近い位置に前記半導体チップを保持し、前記突起状電極と前記電極部とを接合する工程と、前記封止樹脂を硬化させる工程とを有し、前記封止樹脂は、溶融粘度計により測定した120℃における粘度が10〜10000Pa・sであり、前記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である半導体チップ実装体の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、特許文献1に記載の方法においては、液状封止樹脂組成物のゲルタイムが短く、リフロー本加熱温度に昇温する間に液状封止樹脂組成物の硬化が進んでいるため、溶融した接続用電極部が充分に広がることができず良好な電極形状になりにくいことを見出した。
このような発見から、本発明者は、封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせし、接触させ、そして接合する半導体チップ実装体の製造方法において、溶融した突起状電極を充分に広がらせて良好な電極形状を形成するために、突起状電極と電極部とを接合する際の封止樹脂の流動性(粘度挙動)を制御することを検討した。そして、本発明者は、突起状電極と電極部とを接合する際には、半導体チップの押圧が過剰であると、溶融した突起状電極が隣接する突起状電極とつながってしまい(ブリッジ現象)、一方、半導体チップの押圧を解除すると、接触していた突起状電極と電極部との間に封止樹脂が流れ込んでしまい、封止樹脂をかみこみやすくなるという新たな問題を見出した。即ち、封止樹脂の流動性(粘度挙動)に加えて、押圧の方法を制御することも重要となる。
本発明者は、120℃における粘度と、突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率とが特定の範囲を満たす封止樹脂を用い、かつ、突起状電極と電極部とを接合する際に、突起状電極と電極部とが接触した位置よりも基板又は他の半導体チップ側に特定の距離だけ近い位置に半導体チップを保持することにより、封止樹脂のかみこみを抑制しながら、溶融した突起状電極を充分に広がらせて良好な電極形状を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、まず、封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせする工程を行う。上記封止樹脂は、溶融粘度計により測定した120℃における粘度の下限が10Pa・s、上限が10000Pa・sである。
溶融した上記突起状電極を充分に広がらせて良好な電極形状を形成するためには、上記突起状電極が溶融する温度における上記封止樹脂の粘度挙動を制御することが好ましい。しかしながら、上記突起状電極が溶融する温度は高温であり、高温では、硬化が進んでいるため上記封止樹脂の粘度挙動を正確に測定することは困難である。
これに対し、本発明者は、溶融粘度計により測定した120℃における粘度を上記範囲内とすることにより、上記封止樹脂は、上記突起状電極が溶融する温度においても良好な粘度挙動を示すことを見出した。なお、120℃との温度は、上記封止樹脂の粘度挙動を正確に測定することが可能な最も高い温度領域にある温度である。
120℃における粘度が10Pa・s未満であると、上記突起状電極と上記電極部とを接合する際に、溶融した上記突起状電極を上記封止樹脂が押し流しやすくなり、良好な電極接合を行うことが困難となる。120℃における粘度が10000Pa・sを超えると、上記突起状電極と上記電極部とを接合する際に、溶融した上記突起状電極が充分に広がることができず良好な電極形状になりにくく、例えば、ダルマ形状又はくびれ形状の電極が形成されてしまう。
上記封止樹脂の溶融粘度計により測定した120℃における粘度の好ましい下限は500Pa・s、好ましいしい上限は8000Pa・sである。なお、本明細書中、溶融粘度計により測定した120℃における粘度とは、例えば、回転式レオメーター(STRESSTECH、REOLOGICA社製)等の溶融粘度計を用いて、フィルム厚み600μm、周波数1Hz、歪量1rad、昇温速度7.5℃/minの条件で測定した値を意味する。
上記封止樹脂は、上記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である。ゲル分率が30%未満であると、上記封止樹脂の硬化反応の進行が遅すぎて、上記突起状電極と上記電極部とを接合した後の運搬時等において、上記半導体チップがずれたり上記封止樹脂が流れてしまったりする。ゲル分率が90%以上であると、上記封止樹脂の硬化反応の進行が速すぎて、上記突起状電極と上記電極部とを接合する際に、溶融した上記突起状電極が充分に広がることができず良好な電極形状になりにくく、例えば、ダルマ形状又はくびれ形状の電極が形成されてしまう。
上記封止樹脂の上記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率の好ましい下限は35%、好ましい上限は80%である。
本明細書中、ゲル分率とは、下記式(1)により求められる値を意味する。
ゲル分率(%)=(1−Dh/Di)×100 (1)
式(1)中、Diは示差走査熱量計にて算出される封止樹脂の初期状態の発熱量を表し、Dhは示差走査熱量計にて算出される、突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱した後の封止樹脂の発熱量を表す。
本明細書中、突起状電極が溶融する温度とは、例えば、突起状電極がハンダからなる場合には、通常、230〜300℃程度である。なお、本明細書中、突起状電極が柱部分と、例えばハンダ等の比較的低い温度で溶融する先端部分とからなる場合には、突起状電極が溶融するとは、先端部分が溶融することを意味する。
上記封止樹脂は、フィルム状又はシート状であってもよく、ペースト状であってもよい。
上記封止樹脂に配合される硬化性化合物、硬化剤及び硬化促進剤の種類及び量を調整することにより、上記封止樹脂の溶融粘度計により測定した120℃における粘度、及び、上記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率を上記範囲内に調整することができる。また、上記封止樹脂の溶融粘度計により測定した120℃における粘度は、硬化性化合物、硬化剤及び硬化促進剤に加えて、無機充填材の種類、大きさ及び量を調整することによっても調整することができる。
上記封止樹脂は、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物及びビスマレイミド化合物のうちのいずれかと、硬化剤とを含有することが好ましい。本明細書中、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物及びビスマレイミド化合物を、硬化性化合物ともいう。
なお、本発明の半導体チップ実装体の製造方法において用いられる封止樹脂であって、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物及びビスマレイミド化合物のうちのいずれかと、硬化剤とを含有し、溶融粘度計により測定した120℃における粘度が10〜10000Pa・sであり、280℃で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である封止樹脂もまた、本発明の1つである。なお、280℃との温度は、突起状電極がハンダからなる場合又は突起状電極がハンダからなる先端部を有する場合に、突起状電極が溶融しうる温度である。
上記エポキシ化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ化合物、レゾルシノール型エポキシ化合物、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、ポリエーテル変性エポキシ化合物、ベンゾフェノン型エポキシ化合物、アニリン型エポキシ化合物、NBR変性エポキシ化合物、CTBN変性エポキシ化合物、及び、これらの水添化物等が挙げられる。なかでも、速硬化性が得られやすいことから、ベンゾフェノン型エポキシ化合物が好ましい。これらのエポキシ化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノールF型エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EXA−830−LVP、EXA−830−CRP(以上、DIC社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ポリエーテル変性エポキシ化合物のうち、市販品として、例えば、EX−931(ナガセケムテックス社製)、EXA−4850−150(DIC社製)、EP−4005(アデカ社製)等が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物は、エピスルフィド基を有していれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物が挙げられる。
上記エピスルフィド化合物として、具体的には例えば、ビスフェノール型エピスルフィド化合物(ビスフェノール型エポキシ化合物のエポキシ基の酸素原子を硫黄原子に置換した化合物)、水添ビスフェノール型エピスルフィド化合物、ジシクロペンタジエン型エピスルフィド化合物、ビフェニル型エピスルフィド化合物、フェノールノボラック型エピスルフィド化合物、フルオレン型エピスルフィド化合物、ポリエーテル変性エピスルフィド化合物、ブタジエン変性エピスルフィド化合物、トリアジンエピスルフィド化合物、ナフタレン型エピスルフィド化合物等が挙げられる。なかでも、ナフタレン型エピスルフィド化合物が好ましい。これらのエピスルフィド化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なお、酸素原子から硫黄原子への置換は、エポキシ基の少なくとも一部におけるものであってもよく、すべてのエポキシ基の酸素原子が硫黄原子に置換されていてもよい。
上記エピスルフィド化合物のうち、市販品として、例えば、YL−7007(水添ビスフェノールA型エピスルフィド化合物、ジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。また、上記エピスルフィド化合物は、例えば、チオシアン酸カリウム、チオ尿素等の硫化剤を使用して、エポキシ化合物から容易に合成される。
上記封止樹脂が上記エピスルフィド化合物を含有する場合、上記エピスルフィド化合物の配合量は特に限定されないが、封止樹脂100重量部に占める好ましい下限が3重量部、好ましい上限が12重量部であり、より好ましい下限が6重量部、より好ましい上限が9重量部である。
上記ビスマレイミド化合物は特に限定されず、例えば、ケイアイ化成社、大和化成工業社、チバ・スペシャルティ・ケミカル社、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社等から市販されている熱開始型フリーラジカル硬化性ビスマレイミド化合物等が挙げられる。
上記封止樹脂は、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物(以下、単に、反応可能な官能基を有する高分子化合物ともいう)を含有することが好ましい。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することにより、得られる封止樹脂は、熱によるひずみが発生する際の接合信頼性が向上する。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記封止樹脂が上記エポキシ化合物を含有する場合には、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。上記エポキシ基を有する高分子化合物を含有することで、上記封止樹脂の硬化物は、上記エポキシ化合物に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた可撓性とを兼備することができ、耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性及び寸法安定性等に優れ、高い接着信頼性及び高い導通信頼性を発現する。
上記エポキシ基を有する高分子化合物は特に限定されず、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であればよく、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ化合物、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含有することができ、得られる封止樹脂の硬化物の機械的強度及び耐熱性がより優れたものとなることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限は1万である。上記エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量が1万未満であると、得られる封止樹脂の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。
上記反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特にエポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量の好ましい下限は200、好ましい上限は1000である。上記エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量が200未満であると、得られる封止樹脂の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。上記エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量が1000を超えると、得られる封止樹脂の硬化物の機械的強度及び耐熱性が低下することがある。
上記封止樹脂が上記反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有する場合、上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が1重量部未満であると、得られる封止樹脂は、熱によるひずみが発生する際の接合信頼性が低下することがある。上記反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が30重量部を超えると、得られる封止樹脂の硬化物は、機械的強度、耐熱性及び耐湿性が低下することがある。
上記硬化剤は特に限定されず、従来公知の硬化剤を上記硬化性化合物に合わせて適宜選択することができる。上記封止樹脂が上記エポキシ化合物を含有する場合、上記硬化剤として、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物の官能基と等量反応する硬化剤を用いる場合、上記硬化性化合物の官能基量に対して、60〜100当量であることが好ましい。また、触媒として機能する硬化剤を用いる場合、上記硬化剤の配合量は、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記硬化剤の配合量が少なすぎると、得られる半導体チップ実装体において上記半導体チップと基板とが反りによって剥離してしまうことがある。上記硬化剤の配合量が多すぎると、所望の形状のフィレットを形成することが困難となり、得られる半導体チップ実装体の接続信頼性が低下することがある。
上記封止樹脂は、硬化速度又は硬化温度を調整する目的で、上記硬化剤に加えて硬化促進剤を含有することが好ましい。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤として、例えば、2MZ、2MZ−P、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MA−OK、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT、VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等が挙げられる。
上記硬化促進剤の配合量は特に限定されず、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が10重量部である。
上記封止樹脂が上記エポキシ化合物を含有し、かつ、上記硬化剤と上記硬化促進剤とをともに含有する場合、用いる硬化剤の配合量は、用いるエポキシ化合物中のエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。上記硬化剤の配合量が理論的に必要な当量を超えると、得られる封止樹脂を硬化して得られる硬化物から、水分によって塩素イオンが溶出しやすくなることがある。即ち、硬化剤が過剰であると、例えば、得られる封止樹脂の硬化物から熱水で溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度となるため、エポキシ化合物から塩素イオンが多量溶出することがある。従って、得られる封止樹脂の硬化物1gを、100℃の純水10gで2時間浸した後の純水のpHが6〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
上記封止樹脂は、無機充填材を含有することが好ましい。
上記無機充填材は、平均粒子径の好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が3μmである。上記平均粒子径が0.1μm未満であると、上記封止樹脂が増粘しやすくなり、上述した粘度挙動を示すことができないことがある。上記平均粒子径が3μmを超えると、上記突起状電極と上記電極部との間に上記無機充填材をかみこんでしまうことがある。
上記無機充填材の平均粒子径の特に好ましい上限は1μmである。
上記無機充填材の材質として、シリカ、アルミナ、グラフェン、マイカ等が好ましい。なかでも、特にシリカが好ましい。
上記無機充填材は、表面処理されていることが好ましく、その結果、表面に表面処理剤に由来する基を有することが好ましい。上記無機充填材が表面処理されていると、上記封止樹脂に上記無機充填材を高充填する場合であっても、上述した粘度挙動を達成しやすくなる。また、上記封止樹脂に上記無機充填材を高充填すると、上記封止樹脂の硬化後の線膨張係数を低く維持することができ、上記封止樹脂の接合信頼性が向上する。
上記表面処理剤として、例えば、アミノシラン化合物、メチルシラン化合物、ビニルシラン化合物、スチリルシラン化合物、メルカプトシランン化合物、フェニルシラン化合物、(メタ)アクリルシラン化合物、エポキシシラン化合物等が挙げられる。なかでも、フェニルシラン化合物又は(メタ)アクリルシラン化合物が好ましい。
上記フェニルシラン化合物として、えば、N―フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリルシラン化合物として、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシシラン化合物として、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリケトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記無機充填材の配合量は、上記硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が60重量部、好ましい上限が400重量部である。上記無機充填材の配合量が60重量部未満であると、上記封止樹脂が充分な接合信頼性を保持することができないことがある。上記無機充填材の配合量が400重量部を超えると、上記封止樹脂が増粘しやすくなり、上述した粘度挙動を示すことができないことがある。
上記無機充填材の配合量は、上記硬化性化合物100重量部に対するより好ましい下限が66重量部、より好ましい上限が300重量部である。
上記封止樹脂は、粘度を低減させるために希釈剤を含有してもよい。
上記希釈剤は、エポキシ基を有することが好ましく、1分子中のエポキシ基数の好ましい下限が2、好ましい上限が4である。1分子中のエポキシ基数が2未満であると、封止樹脂の硬化後に充分な耐熱性が発現しないことがある。1分子中のエポキシ基数が4を超えると、硬化によるひずみが発生したり、未硬化のエポキシ基が残存したりすることがあり、これにより、接合強度の低下又は繰り返しの熱応力による接合不良が発生することがある。上記希釈剤の1分子中のエポキシ基数のより好ましい上限は3である。
また、上記希釈剤は、芳香環及び/又はジシクロペンタジエン構造を有することが好ましい。
上記希釈剤は、120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量の好ましい上限が1%である。120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量が1%を超えると、得られる封止樹脂の硬化中又は硬化後に未反応物が揮発してしまい、生産性又は得られる半導体チップ実装体の性能に悪影響を与えることがある。
また、上記希釈剤は、上記硬化性化合物よりも硬化開始温度が低く、硬化速度が大きいことが好ましい。
上記封止樹脂が上記希釈剤を含有する場合、上記封止樹脂における上記希釈剤の配合量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は20重量%である。上記希釈剤の配合量が上記範囲外であると、得られる封止樹脂の粘度を充分に低減できないことがある。
上記封止樹脂は、更に、チクソトロピー付与剤を含有してもよい。
上記チクソトロピー付与剤は特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミ等の無機微粒子等が挙げられる。なかでも、ヒュームドシリカが好ましい。
また、上記チクソトロピー付与剤は、必要に応じて、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理が施されたチクソトロピー付与剤は特に限定されないが、表面に疎水基を有する粒子が好ましく、具体的には、例えば、表面を疎水化したヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記チクソトロピー付与剤が粒子状である場合、該粒子状チクソトロピー付与剤の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい上限は1μmである。上記粒子状チクソトロピー付与剤の平均粒子径が1μmを超えると、得られる封止樹脂が所望のチクソトロピー性を発現できないことがある。
上記封止樹脂における上記チクソトロピー付与剤の配合量は特に限定されないが、上記チクソトロピー付与剤に表面処理がなされていない場合には、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が20重量%である。上記チクソトロピー付与剤の配合量が0.5重量%未満であると、得られる封止樹脂に充分なチクソトロピー性を付与することができないことがある。上記チクソトロピー付与剤の配合量が20重量%を超えると、上記封止樹脂の排除性が低下し、上記突起状電極と上記電極部との間に上記封止樹脂をかみこむことがある。
上記チクソトロピー付与剤の配合量のより好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は10重量%である。
上記封止樹脂は、必要に応じて、溶媒を含有してもよい。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類、塩化芳香族炭化水素類、塩化脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル(セロソルブ)類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
上記封止樹脂は、必要に応じて、無機イオン交換体を含有してもよい。
上記無機イオン交換体のうち、市販品として、例えば、IXEシリーズ(東亞合成社製)等が挙げられる。上記封止樹脂が上記無機イオン交換体を含有する場合、上記無機イオン交換体の配合量は特に限定されないが、好ましい上限が10重量%、好ましい下限が1重量%である。
また、上記封止樹脂は、必要に応じて、ブリード防止剤、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
上記封止樹脂を介して、上記半導体チップの突起状電極と、上記基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせする方法として、例えば、フリップチップボンダのヘッドに上記半導体チップを保持するとともにフリップチップボンダのステージ上に上記基板又は他の半導体チップを載せ、上記突起状電極と上記電極部とを位置合わせする方法等が挙げられる。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、次いで、上記突起状電極の溶融温度よりも低い温度で加熱しながら、上記半導体チップを押圧し、上記突起状電極と上記電極部とを接触させる工程を行う。
上記突起状電極と上記電極部とを接触させる方法として、例えば、上記半導体チップを保持するフリップチップボンダのヘッドの位置を下げ、上記基板又は他の半導体チップを載せたフリップチップボンダのステージに近づけることで、上記突起状電極と上記電極部とを接触させる方法等が挙げられる。
上記突起状電極と上記電極部とを接触させる工程において、上記半導体チップを押圧する荷重の好ましい下限は10N、好ましい上限は150Nである。荷重が10N未満であると、上記突起状電極と上記電極部とが接触しないことがある。荷重が150Nを超えると、上記突起状電極が隣接する突起状電極と接触し、ショートすることがある。
上記半導体チップを押圧する荷重のより好ましい下限は15N、より好ましい上限は120Nである。
上記突起状電極と電極部とを接触させる工程における温度として、例えば、120〜220℃程度が挙げられる。また、上記突起状電極と電極部とを接触させる工程は、2秒以内で行うことが好ましい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、次いで、上記突起状電極が溶融する温度で加熱しながら、上記突起状電極と上記電極部とが接触した位置よりも、上記基板又は他の半導体チップ側に0μmを超えて10μm以下まで近い位置に上記半導体チップを保持し、上記突起状電極と上記電極部とを接合する工程を行う。
上記突起状電極と上記電極部とを接合する工程では、上記半導体チップの押圧が過剰であると、溶融した上記突起状電極が隣接する突起状電極とつながってしまい(ブリッジ現象)、一方で、上記半導体チップの押圧を解除すると、接触していた上記突起状電極と上記電極部との間に上記封止樹脂が流れ込んでしまい、上記封止樹脂をかみこみやすくなる。従って、押圧の方法を制御することが重要であるが、本発明者は、上記半導体チップを押圧する荷重よりも、上記突起状電極と上記電極部とを接合する際に上記半導体チップを保持する位置が重要であることを見出した。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、上記突起状電極と上記電極部とが接触した位置よりも、上記基板又は他の半導体チップ側に0μmを超えて10μm以下まで近い位置に上記半導体チップを保持することにより、上記封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好に電極接合を行うことができる。なお、本明細書中、突起状電極が溶融する温度とは、例えば、突起状電極がハンダからなる場合又は突起状電極がハンダからなる先端部を有する場合には、通常、230〜300℃程度である。
上記突起状電極と上記電極部とが接触した位置と比べて、上記半導体チップを保持する位置が変化しないか又は上記基板又は他の半導体チップから遠ざかる位置であると、接触していた上記突起状電極と上記電極部との間に上記封止樹脂が流れ込んでしまい、上記封止樹脂をかみこみやすくなったり、良好な電極形状になりにくかったりする。上記突起状電極と上記電極部とが接触した位置と比べて、上記半導体チップを保持する位置が上記基板又は他の半導体チップ側に10μmを超えて近い位置、特に20μmを超えて近い位置であると、溶融した上記突起状電極が隣接する突起状電極とつながってしまう、いわゆるブリッジ現象が発生しやすくなる。
上記半導体チップを保持する位置は、上記突起状電極と上記電極部とが接触した位置よりも上記基板又は他の半導体チップ側に2μm以上10μm以下まで近い位置であることが好ましい。
上述のような位置に上記半導体チップを保持する方法として、例えば、上記突起状電極と上記電極部とを接触させる工程の後、上記半導体チップを保持するフリップチップボンダのヘッドの位置を、上記基板又は他の半導体チップ側に所定の距離押し込む方法等が挙げられる。
上記突起状電極と上記電極部とを接合する工程では、荷重1〜50Nで上記半導体チップを押圧することが好ましい。荷重が1N未満であると、接触していた上記突起状電極と上記電極部との間に上記封止樹脂が流れ込んでしまい、上記封止樹脂をかみこむことがある。荷重が50Nを超えると、溶融した上記突起状電極が隣接する突起状電極とつながってしまう、いわゆるブリッジ現象が発生することがある。
上記半導体チップを押圧する荷重のより好ましい下限は15Nである。
上記突起状電極と電極部とを接合させる工程は、2〜5秒で行うことが好ましい。
上記突起状電極と上記電極部とを接合させる工程においては、120℃における粘度と、上記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率とが上述したような範囲を満たす封止樹脂を用いることにより、溶融した上記突起状電極が充分に広がり、良好な電極形状を形成することができる。
なお、上記突起状電極と上記電極部とを接触させる工程、及び、上記突起状電極と上記電極部とを接合させる工程は、フリップチップボンダを用いて連続して行うことが好ましい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法では、次いで、上記封止樹脂を硬化させる工程を行う。
上記封止樹脂は、上記突起状電極と上記電極部とを接合する工程の後には半硬化状態であることが好ましく、上記封止樹脂を硬化させる工程において、完全に硬化することが好ましい。上記封止樹脂を硬化させる工程は、フリップチップボンダを用いて行ってもよく、リフロー炉等の他の加熱手段を用いてもよい。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法によれば、封止樹脂のかみこみを抑制しながら、溶融した突起状電極を充分に広がらせて良好な電極形状を形成することができる。
図2に、本発明の半導体チップ実装体の製造方法により形成される電極形状の一例を模式的に示す。図2に示す電極においては、柱部分1と先端部分2とからなる突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部3との間に封止樹脂4はかみこまれておらず、突起状電極の溶融した先端部分2が充分に広がって、良好な電極形状(柱状又は太鼓状)を形成している。なお、図1は、本発明の半導体チップ実装体の製造方法において、突起状電極と電極部とが接触した状態の一例を示す模式図である。
本発明によれば、封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好な電極接合を行い、信頼性の高い半導体チップ実装体を製造することのできる半導体チップ実装体の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体チップ実装体の製造方法に用いられる封止樹脂を提供することができる。
本発明の半導体チップ実装体の製造方法において、突起状電極と電極部とが接触した状態の一例を示す模式図である。 本発明の半導体チップ実装体の製造方法により形成される電極形状の一例を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)封止樹脂の製造
表1に示す組成に従って、ホモディスパーを用いて下記に示す各材料(重量部)を攪拌混合し、封止樹脂を調製した。
(エポキシ化合物)
HP−7200(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、DIC社製)
EXA−4710(ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC社製)
(反応可能な官能基を有する高分子化合物)
SK−2−78(2−エチルヘキシルアクリレートと、イソボルニルアクリレートと、ヒドロキシエチルアクリレートと、グリシジルメタクリレートとの共重合体に2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを付加させたもの、分子量52万、二重結合当量0.9meq/g、エポキシ当量1650、新中村化学社製)
(硬化剤)
YH−309(酸無水物系硬化剤、JER社製)
(硬化促進剤)
フジキュア7000(常温で液状のイミダゾール化合物、富士化成工業社製)
(無機充填材)
SS−01(フェニル基含有シラン表面処理球状シリカ、平均粒子径0.1μm、トクヤマ社製)
(その他)
AC−4030(応力緩和ゴム系高分子、ガンツ化成社製)
(2)封止樹脂の粘度測定
溶融粘度計(STRESSTECH、REOLOGICA社製)を用いて、フィルム厚み600μm、周波数1Hz、歪量1rad、昇温速度7.5℃/minの条件で封止樹脂の120℃における粘度を測定した。
(3)半導体チップの実装
得られた封止樹脂を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、吐出圧0.4MPa、基板とニードルとのギャップ200μm、塗布量3.3μLにて基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)上に塗布した。
塗布した封止樹脂を介して、ハンダからなるバンプを有する半導体チップ(WALTS−TEG MB50−0101JY、バンプの数544個、ハンダの溶融温度235℃、ウォルツ社製)のバンプと基板の電極部とを、フリップチップボンダ(FC3000S、東レエンジニアリング社製)を用いて位置合わせし、温度120℃、荷重40N(バンプ1個当たり0.07N)で2秒間押圧することにより、バンプと電極部とを接触させた。
その後、フリップチップボンダにて、温度を120℃から280℃に3秒間で上昇させながら、半導体チップを保持するフリップチップボンダのヘッド位置を10μm押し込み、バンプと電極部とが接触した位置よりも、基板側に10μm近い位置に半導体チップを保持した。このとき、荷重を40Nから1Nとした。この状態で280℃3秒間、バンプと電極部との接合を行った。その後、190℃30分加熱し、半硬化状態の封止樹脂を完全に硬化させて、半導体チップ実装体を得た。
(4)封止樹脂のゲル分率測定
DSC6220(Seiko Instruments社製)を用いて、封止樹脂の初期状態の発熱量を測定した。また、半導体チップ実装体を得る際、280℃3秒間でバンプと電極部との接合を行った後、封止樹脂の一部を採取し、DSC6220(Seiko Instruments社製)を用いて、採取した封止樹脂の発熱量を測定し、式(1)からゲル分率を算出した。
(実施例2)
半導体チップの実装において、バンプと電極部とが接触した位置よりも基板側に10μm近い位置に半導体チップを保持した代わりに、バンプと電極部とが接触した位置よりも基板側に2μm近い位置に半導体チップを保持したこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ実装体を得た。
(比較例1)
半導体チップの実装において、バンプと電極部とが接触した位置よりも基板側に10μm近い位置に半導体チップを保持した代わりに、バンプと電極部とが接触した位置に半導体チップを保持したこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ実装体を得た。
(比較例2)
半導体チップの実装において、バンプと電極部とが接触した位置よりも基板側に10μm近い位置に半導体チップを保持した代わりに、バンプと電極部とが接触した位置よりも基板側に15μm近い位置に半導体チップを保持したこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ実装体を得た。
(比較例3)
表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、半導体チップ実装体を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた半導体チップ実装体について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)電極形状の観察
得られた半導体チップ実装体について、研磨機を用いて断面研磨し、マイクロスコープを用いて電極形状を観察し、以下の基準で評価した。
◎ 半導体チップのバンプと基板の電極部とが柱状に接合一体化しており、かつ、樹脂かみは観察されなかった。
○ 半導体チップのバンプと基板の電極部とが柱状に接合一体化していたが、極わずかに樹脂かみが観察された。
△ 半導体チップのバンプと基板の電極部とが、くびれのあるダルマ状に接合していた。
× 半導体チップのバンプと基板の電極部とが接合されておらず、抵抗値が測定できなかった。
×× 半導体チップのバンプと基板の電極部とが接合していたが、隣接する電極とも接合していた(ブリッジ現象が観察された)。
(2)温度サイクル試験
半導体チップ及び基板として、デイジーチェーンにて抵抗値が測定できるものを使用した。実施例及び比較例で得られた半導体チップ実装体を、JEDEC レベル3のプリコンディションにて吸湿させ、その後、温度サイクル試験機に投入した。温度サイクルの条件は、−55℃から125℃であった。抵抗値変化が10%を超える半導体チップ実装体が現れるまでのサイクル数を求めた。
なお、比較例2及び3で得られた半導体チップ実装体については、電極接合が良好に行えなかったため本評価は行わなかった。
Figure 2012212724
本発明によれば、封止樹脂のかみこみを抑制しながら良好な電極接合を行い、信頼性の高い半導体チップ実装体を製造することのできる半導体チップ実装体の製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体チップ実装体の製造方法に用いられる封止樹脂を提供することができる。
1 突起状電極の柱部分
2 突起状電極の先端部分
3 基板又は他の半導体チップの電極部
4 封止樹脂

Claims (4)

  1. 封止樹脂を介して、半導体チップの突起状電極と、基板又は他の半導体チップの電極部とを位置合わせする工程と、
    前記突起状電極の溶融温度よりも低い温度で加熱しながら、前記半導体チップを押圧し、前記突起状電極と前記電極部とを接触させる工程と、
    前記突起状電極が溶融する温度で加熱しながら、前記突起状電極と前記電極部とが接触した位置よりも、前記基板又は他の半導体チップ側に0μmを超えて10μm以下まで近い位置に前記半導体チップを保持し、前記突起状電極と前記電極部とを接合する工程と、
    前記封止樹脂を硬化させる工程とを有し、
    前記封止樹脂は、溶融粘度計により測定した120℃における粘度が10〜10000Pa・sであり、前記突起状電極が溶融する温度で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である
    ことを特徴とする半導体チップ実装体の製造方法。
  2. 突起状電極と電極部とを接触させる工程において、荷重10〜150Nで半導体チップを押圧し、突起状電極と電極部とを接合する工程において、荷重1〜50Nで半導体チップを押圧することを特徴とする請求項1記載の半導体チップ実装体の製造方法。
  3. 突起状電極と電極部とを接触させる工程を2秒以内で行い、突起状電極と電極部とを接合する工程を2〜5秒で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体チップ実装体の製造方法。
  4. 請求項1、2又は3記載の半導体チップ実装体の製造方法において用いられる封止樹脂であって、
    エポキシ化合物、エピスルフィド化合物又はビスマレイミド化合物と、硬化剤とを含有し、
    溶融粘度計により測定した120℃における粘度が10〜10000Pa・sであり、280℃で1〜30秒間加熱したときのゲル分率が30%以上90%未満である
    ことを特徴とする封止樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017073441A (ja) * 2015-10-06 2017-04-13 日立化成株式会社 感光性封止樹脂組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び半導体装置

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