JP2014107354A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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JP2014107354A JP2012257861A JP2012257861A JP2014107354A JP 2014107354 A JP2014107354 A JP 2014107354A JP 2012257861 A JP2012257861 A JP 2012257861A JP 2012257861 A JP2012257861 A JP 2012257861A JP 2014107354 A JP2014107354 A JP 2014107354A
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カール アルビン ディラオ
Shujiro Sadanaga
周治郎 定永
Hiroaki Nakagawa
弘章 中川
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
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Abstract

【課題】ボイドを抑制し、短時間で高い信頼性を実現することのできる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、樹脂組成物を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、半田溶融点以上の温度に加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程と、前記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程とを有し、前記樹脂組成物は、フラックス活性を有し、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下である半導体装置の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボイドを抑制し、短時間で高い信頼性を実現することのできる半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の小型化及び高密度化に伴い、半導体チップを基板に実装する方法として、表面に多数の突起電極が形成された半導体チップを用いたフリップチップ実装が注目され、急速に広まってきている。
フリップチップ実装においては、接合部分の接続信頼性を確保するための方法として、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接合した後に、半導体チップと基板との隙間に液状封止接着剤(アンダーフィル)を注入し、硬化させることが一般的な方法として採られている。しかしながら、アンダーフィルを用いたフリップチップ実装は、製造コストが高い、アンダーフィル充填に時間がかかる、電極間の距離及び半導体チップと基板との距離を狭めるのに限界がある等の問題を抱えている。
そこで、近年、基板上にペースト状接着剤を塗布した後、半導体チップを搭載する方法、半導体ウエハ又は半導体チップ上にフィルム状又はペースト状接着剤を供給した後、接着剤付き半導体チップを基板上に搭載する方法等のいわゆる先塗布型のフリップチップ実装が提案されている。特に接着剤付き半導体チップを基板上に搭載する場合には、半導体ウエハ上に接着剤を一括供給し、ダイシングによって接着剤付き半導体チップを一括で多量に生産できることから、大幅なプロセス短縮が期待される。
しかしながら、先塗布型のフリップチップ実装では、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接触させる際に、半導体チップ又は基板と接着剤との間に空気を巻き込んでボイドを生じたり、半導体チップを基板上に搭載する際の熱圧着工程において、接着剤からの揮発成分によってボイドが生じたりすることがある。このようなボイドは、電極間の短絡を招いたり、接着剤中にクラックを発生させる要因となったりする。また、先塗布型のフリップチップ実装では、熱圧着工程において突起電極の接合と接着剤の熱硬化とを同時に行うことから、精度の高い突起電極の接合とボイドの抑制とを同時に行うことは困難である。
ボイドを抑制するために、接着剤の熱硬化を加圧雰囲気下で行うことによりボイドを収縮させる方法、半導体チップと基板とを仮接合した後、仮接合体を加圧雰囲気下で加熱することによりボイドを小さくする方法等が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかしながら、これらの方法であっても、特に接着剤付き半導体チップを基板上に搭載する場合には基板の凹凸により空気を巻き込みやすいことから、ボイドを充分に抑制するには至っていない。
特開2004−311709号公報 特開2009−004462号公報 特許第4640380号公報
本発明は、ボイドを抑制し、短時間で高い信頼性を実現することのできる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、樹脂組成物を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、半田溶融点以上の温度に加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程と、前記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程とを有し、前記樹脂組成物は、フラックス活性を有し、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下である半導体装置の製造方法である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、樹脂組成物を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、半田溶融点以上の温度に加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程と、前記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程とを有する方法によれば、仮に樹脂組成物に空気が巻き込まれた場合であってもボイドを除去することができ、かつ、電極接合を良好に行い高い信頼性を実現できることを見出した。
しかしながら、このような方法においては、半田の濡れ性が不充分であると電極接合工程に時間がかかり、半導体装置の量産に支障をきたすという問題があった。これに対し、本発明者は、フラックス活性を有し、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下となる樹脂組成物を用いることにより、電極接合工程における半田の濡れ性を向上させ、半導体装置の製造にかかる時間を短縮できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体装置の製造方法では、まず、半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、樹脂組成物を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程を行う。このような位置合わせ工程は、一般的に、フリップチップボンダ等の実装用装置を用いて行われる。
上記半導体チップとして、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなり、半田からなる先端部を有する突起電極が表面に形成された半導体チップが挙げられる。なお、半田からなる先端部を有する突起電極は、半田からなる先端部を有していれば、突起電極全体が半田からなっていてもよい。
上記樹脂組成物を供給する方法は特に限定されず、例えば、予めウエハにシート状の樹脂組成物を貼付したりペースト状の樹脂組成物を塗布又は印刷して塗膜を形成したりした後、半導体チップに個片化する方法、シート状の樹脂組成物を基板上又は半導体チップ上に貼付する方法、ペースト状の樹脂組成物をシリンジに充填し、シリンジ先端に精密ノズルを取り付けて、ディスペンサ装置を用いて基板上に吐出する方法等が挙げられる。
上記樹脂組成物は、フラックス活性を有するものである。また、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下である。このような樹脂組成物を用いることにより、電極接合工程における半田の濡れ性を向上させ、半導体装置の製造にかかる時間を短縮することができる。
なお、フラックス活性とは、半田の酸化被膜を除去し、被接合部材である銅等の金属に対して半田を濡れ広がらせ、接合させる機能を意味する。また、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間、及び、濡れ広がり後の半田の接触角とは、通常の銅板に鉛フリーの半田を0.5mg置き、その上に樹脂組成物を1mg付着させ、210℃のホットプレートに置いたとき、ホットプレートに置いてから半田が銅板に完全に濡れ広がるまでの時間、及び、このようにして銅板に濡れ広がったときの銅板に対する半田の接触角を意味する。
銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒を超えると、電極接合工程に時間がかかり、半導体装置の量産に支障をきたすことがある。濡れ広がり時間は6秒以下であることが好ましく、4秒以下であることがより好ましい。
濡れ広がり時間の下限は、特に限定されない。
銅板上で210℃で加熱したときの濡れ広がり後の半田の接触角が30°を超えると、半田の濡れ性が低下するため、電極接合工程に時間がかかり、半導体装置の量産に支障をきたすことがある。接触角は25°以下であることが好ましい。
接触角の下限は特に限定されないが、15°以上であることが好ましい。接触角が15°未満であると、ショートが生じることがある。
上記樹脂組成物を、フラックス活性を有し、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下となる樹脂組成物とする方法は特に限定されないが、上記樹脂組成物に、硬化促進剤として、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物を配合する方法が好ましい。この場合には、亜リン酸化合物が、フラックス活性を有する化合物として作用する。
イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物においては、イミダゾール化合物中のイミダゾール基が亜リン酸化合物中の水酸基によって安定化されている。イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物は均一に分子レベルで分散するため、このような組成物を用いることにより、電極接合工程において局所的な発熱を避けることができ、ボイドを抑制することができる。
上記イミダゾール化合物は、常温で液状であっても固体であってもよいが、亜リン酸化合物と混合されることで、常温で液状の組成物を形成することが好ましい。
本明細書中、常温で液状とは、10〜30℃における少なくとも一部の温度領域において液体状態であることを意味する。
上記イミダゾール化合物として、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−アミノメチル−2−メチルイミダゾール等が挙げられる。これらのイミダゾール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記亜リン酸化合物として、例えば、亜リン酸、亜リン酸モノエステル、亜リン酸ジエステル等が挙げられる。
上記亜リン酸モノエステルとして、例えば、亜リン酸モノメチル、亜リン酸モノエチル、亜リン酸モノブチル、亜リン酸モノラウリル、亜リン酸モノオレイル、亜リン酸モノフェニル、亜リン酸モノナフチル等が挙げられる。上記亜リン酸ジエステルとして、例えば、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジナフチル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−ブロモフェニル、亜リン酸ジ−p−フルオロフェニル等が挙げられる。
これらの亜リン酸化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イミダゾール化合物と上記亜リン酸化合物との配合比率は特に限定されないが、上記イミダゾール化合物中のイミダゾール基に対する上記亜リン酸化合物中の水酸基のモル比は、好ましい下限が0.05、好ましい上限が3.3である。上記モル比が0.05未満であると、樹脂組成物のフラックス活性が低下し、半田の濡れ性が低下するため、電極接合工程に時間がかかり、半導体装置の量産に支障をきたすことがある。上記モル比が3.3を超えると、硬化促進剤としての硬化性が低下することがある。上記イミダゾール化合物中のイミダゾール基に対する上記亜リン酸化合物中の水酸基のモル比のより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は3.2である。
なお、亜リン酸化合物は、一般に亜リン酸型(トリヒドロキシ型)とホスホン酸型(ジヒドロキシ型)との互変異性を示すことが知られているが、本明細書中、亜リン酸化合物中の水酸基の数は、亜リン酸化合物の全てが亜リン酸型(トリヒドロキシ型)であるものとして計算する。
上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物のうち、市販品として、例えば、フジキュアー7000(T&K TOKA社製)等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物の配合量は特に限定されず、後述する硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物の配合量が上記範囲を外れると、半田の濡れ性が低下するため、電極接合工程に時間がかかり、半導体装置の量産に支障をきたすことがある。上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物の配合量のより好ましい下限は1重量部である。
上記樹脂組成物は、電極接合工程において硬化率が40%以下となるように設計されることが好ましい。上記樹脂組成物は、シート状であってもペースト状であってもよく、硬化性化合物及び硬化剤を含有することが好ましい。硬化性化合物と硬化剤との組み合わせによって、上記樹脂組成物の硬化性を制御することができる。
上記硬化性化合物は特に限定されず、例えば、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の反応により硬化する化合物が挙げられる。上記硬化性化合物として、具体的には例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性化合物が挙げられる。なかでも、半導体装置の信頼性及び接合強度に優れていることから、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、イミド骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、アニリン型エポキシ樹脂、及び、これらの水添化物等が挙げられる。なかでも、粘度の低い樹脂組成物が得られることから、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ポリエーテル変性エポキシ樹脂が好ましい。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EXA−830−LVP、EXA−830−CRP(以上、DIC社製)等が挙げられる。上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。上記ポリエーテル変性エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EX−931(ナガセケムテックス社製)、EXA−4850−150(DIC社製)、EP−4005(アデカ社製)等が挙げられる。上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、HP−7200HH(DIC社製)、EP−4088L(アデカ社製)等が挙げられる。上記アニリン型エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EP−3900S(アデカ社製)等が挙げられる。上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EXA−4710(DIC社製)等が挙げられる。
上記硬化性化合物は、吸湿率の好ましい上限が1.5%であり、より好ましい上限が1.1%である。このような吸湿率を有する硬化性化合物として、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤は特に限定されず、従来公知の硬化剤を上記硬化性化合物に合わせて適宜選択することができる。上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合、上記硬化剤として、例えば、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等の加熱硬化型酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物の官能基と等量反応する硬化剤を用いる場合、上記硬化性化合物の官能基量に対して、60〜100当量であることが好ましい。また、触媒として機能する硬化剤を用いる場合、上記硬化剤の配合量は、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記樹脂組成物は、硬化速度、硬化物の物性等を調整するために、上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物以外にも、硬化促進剤(その他の硬化促進剤)を含有してもよい。
上記その他の硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。これらのその他の硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)、2MZ、2MZ−P、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT、VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記その他の硬化促進剤の配合量は特に限定されず、上記硬化性化合物100重量部に対して好ましい下限が1重量部、好ましい上限が10重量部である。
上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用い、かつ、上記硬化剤と上記硬化促進剤とを併用する場合、用いる硬化剤の配合量は、用いるエポキシ樹脂中のエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。上記硬化剤の配合量が理論的に必要な当量を超えると、樹脂組成物を硬化して得られる硬化物から、水分によって塩素イオンが溶出しやすくなることがある。即ち、硬化剤が過剰であると、例えば、得られる樹脂組成物の硬化物から熱水で溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度となるため、エポキシ樹脂から塩素イオンが多量溶出することがある。従って、得られる樹脂組成物の硬化物1gを、100℃の純水10gで2時間浸した後の純水のpHが6〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
上記樹脂組成物は、粘度を低減させるために希釈剤を含有してもよい。
上記希釈剤は、エポキシ基を有することが好ましく、1分子中のエポキシ基数の好ましい下限が2、好ましい上限が4である。1分子中のエポキシ基数が2未満であると、樹脂組成物の硬化後に充分な耐熱性が発現しないことがある。1分子中のエポキシ基数が4を超えると、硬化によるひずみが発生したり、未硬化のエポキシ基が残存したりすることがあり、これにより、接合強度の低下又は繰り返しの熱応力による接合不良が発生することがある。上記希釈剤の1分子中のエポキシ基数のより好ましい上限は3である。
また、上記希釈剤は、芳香環及び/又はジシクロペンタジエン構造を有することが好ましい。
上記希釈剤は、120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量の好ましい上限が1%である。120℃での重量減少量及び150℃での重量減少量が1%を超えると、樹脂組成物の硬化中又は硬化後に未反応物が揮発してしまい、生産性又は半導体装置の性能に悪影響を与えることがある。
また、上記希釈剤は、他の硬化性化合物よりも硬化開始温度が低く、硬化速度が大きいものであることが好ましい。
上記樹脂組成物における希釈剤の配合量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は20重量%である。上記希釈剤の配合量が上記範囲外であると、樹脂組成物の粘度を充分に低減できないことがある。
上記樹脂組成物は、更に、チキソトロピー付与剤を含有することが好ましい。上記チキソトロピー付与剤を含有することにより、樹脂組成物は所望の粘度挙動を達成することができる。
上記チキソトロピー付与剤は特に限定されず、例えば、金属微粒子、炭酸カルシウム、ヒュームドシリカ、酸化アルミニウム、窒化硼素、窒化アルミニウム、硼酸アルミ等の無機微粒子等が挙げられる。なかでも、ヒュームドシリカが好ましい。また、上記チキソトロピー付与剤として、必要に応じて、表面処理を行ったチキソトロピー付与剤を用いることができる。特に、上記チキソトロピー付与剤として、表面に親水基を有する粒子を用いることが好ましい。上記表面に親水基を有する粒子として、具体的には例えば、表面に親水基を有するヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記チキソトロピー付与剤として、粒子状のチキソトロピー付与剤を用いる場合、平均粒子径の好ましい上限は1μmである。上記チキソトロピー付与剤の平均粒子径が1μmを超えると、樹脂組成物が所望のチキソトロピー性を発現できないことがある。
上記樹脂組成物における上記チキソトロピー付与剤の配合量は特に限定されないが、好ましい下限が0.5重量%、好ましい上限が20重量%である。上記チキソトロピー付与剤の配合量が0.5重量%未満であると、樹脂組成物に充分なチキソトロピー性を付与することができないことがある。上記チキソトロピー付与剤の配合量が20重量%を超えると、樹脂組成物の排除性が低下することがある。上記チキソトロピー付与剤の配合量のより好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は10重量%である。
上記樹脂組成物は、更に、上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物を含有することが好ましい。このような高分子化合物を含有することにより、熱によるひずみが発生する際の接合信頼性が向上する。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記硬化性化合物としてエポキシ樹脂を用いる場合には、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する高分子化合物等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子化合物が好ましい。上記エポキシ基を有する高分子化合物を添加することで、樹脂組成物の硬化物は、優れた可撓性を発現する。即ち、上記樹脂組成物の硬化物は、上記硬化性化合物としてのエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子化合物に由来する優れた可撓性とを兼備することとなるので、耐冷熱サイクル性、耐半田リフロー性、寸法安定性等に優れるものとなり、高い接合信頼性又は高い導通信頼性を発現することとなる。
上記エポキシ基を有する高分子化合物は、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含む高分子化合物を得ることができ、硬化物の機械的強度又は耐熱性がより優れたものとなることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物の重量平均分子量の好ましい下限が1万である。重量平均分子量が1万未満であると、樹脂組成物の造膜性が不充分となって、樹脂組成物の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物として、上記エポキシ基を有する高分子化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子化合物のエポキシ当量の好ましい下限が200、好ましい上限が1000である。エポキシ当量が200未満であると、樹脂組成物の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。エポキシ当量が1000を超えると、樹脂組成物の硬化物の機械的強度又は耐熱性が不充分となることがある。
上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物100重量部に対し、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が150重量部である。上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が1重量部未満であると、樹脂組成物は、熱ひずみに対する充分な信頼性が得られないことがある。上記硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物の配合量が150重量部を超えると、樹脂組成物の耐熱性が低下することがある。
上記樹脂組成物は、更に、表面処理されたシリカフィラーを含有することが好ましい。上記表面処理されたシリカフィラーは特に限定されないが、フェニルシランカップリング剤で表面処理されたシリカフィラーが好ましい。
上記表面処理されたシリカフィラーの配合量は特に限定されないが、上記硬化性化合物100重量部に対し、好ましい下限が30重量部、好ましい上限が400重量部である。上記表面処理されたシリカフィラーの配合量が30重量部未満であると、樹脂組成物が充分な信頼性を保持することができないことがある。上記表面処理されたシリカフィラーの配合量が400重量部を超えると、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて、塗布安定性が低下することがある。
上記樹脂組成物は、必要に応じて、溶媒を含有してもよい。
上記溶媒は特に限定されず、例えば、芳香族炭化水素類、塩化芳香族炭化水素類、塩化脂肪族炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、ケトン類、グリコールエーテル(セロソルブ)類、脂環式炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。
上記樹脂組成物は、必要に応じて、無機イオン交換体を含有してもよい。
上記無機イオン交換体のうち、市販品としては、例えば、IXEシリーズ(東亞合成社製)等が挙げられる。上記樹脂組成物における上記無機イオン交換体の配合量の好ましい上限は10重量%、好ましい下限は1重量%である。
上記樹脂組成物は、必要に応じて、ブリード防止剤、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
上記樹脂組成物は、240℃でのゲルタイムが4秒以上であることが好ましい。240℃でのゲルタイムが4秒未満であると、電極接合工程において樹脂組成物の硬化が進みすぎ、電極接合を良好に行うための流動性を失ったり、ボイド除去工程を行ってもボイドを充分に除去できなかったりすることがある。
上記樹脂組成物の240℃でのゲルタイムの上限は特に限定されないが、12秒以下であることが好ましい。240℃でのゲルタイムが12秒を超えると、電極接合工程後の樹脂組成物の粘度が、実装体を支持できる粘度域に達しないことがある。
なお、240℃でのゲルタイムとは、240℃に設定したホットプレート上に樹脂組成物を載せたときの流動性が失われるまでの時間を意味する。
上記樹脂組成物は、常温から半田溶融点までの温度域における最低溶融粘度の好ましい下限が0.1Pa・s、好ましい上限が10Pa・sである。最低溶融粘度が0.1Pa・s未満であると、フィレットのはみ出しが多すぎて、他デバイスを汚染してしまうことがある。最低溶融粘度が10Pa・sを超えると、ボイドを充分に除去できないことがある。
なお、常温から半田溶融点までの温度域における最低溶融粘度は、レオメーターを用いて測定することができる。
上記樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、硬化性化合物及び硬化剤に、必要に応じて硬化促進剤、硬化性化合物と反応可能な官能基を有する高分子化合物、チキソトロピー付与剤、その他の添加剤等を所定量配合して混合し、ペースト状の樹脂組成物を製造する方法、同様にして混合して得られた樹脂組成物を離型フィルム上に塗工し、乾燥させて、シート状の樹脂組成物を製造する方法等が挙げられる。上記混合の方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、万能ミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー等を使用する方法が挙げられる。
本発明の半導体装置の製造方法では、次いで、半田溶融点以上の温度に加熱して、上記半導体チップの突起電極と上記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程を行う。
このような電極接合工程を行い、その後、上記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程を行うことにより、仮に樹脂組成物に空気が巻き込まれた場合であってもボイドを除去することができ、かつ、電極接合を良好に行うことができる。このような電極接合工程もまた、一般的に、フリップチップボンダ等の実装用装置を用いて行われる。
上記電極接合工程では、例えば、フリップチップボンダ等の実装用装置を用いて、上記半導体チップの突起電極と上記基板の電極部とを接触させ、次いで、半田溶融点以上に温度を上げて、半田を溶融させる。この場合、電極接合を良好に行いつつ上記樹脂組成物の硬化率を調整する方法として、例えば、上記半導体チップの突起電極と上記基板の電極部とを接触させる温度、半田を溶融させる温度、接触及び半田の溶融を行う合計時間等を制御する方法が好ましい。
なお、本明細書中、接触及び半田の溶融を行う合計時間を、実装タクトタイムともいう。
上記接触させる温度の好ましい下限は120℃、好ましい上限は210℃である。上記接触させる温度が120℃未満であると、樹脂組成物の流動性が不充分となり、フィレットがうまく形成されずに信頼性が低下することがある。上記接触させる温度が210℃を超えると、接触時に半田が溶融している状態となり、半導体チップの突起電極と基板の電極部とが介在している樹脂組成物のためにうまく接触しないことがある。
半田溶融点は、通常、225〜235℃程度であるので、上記半田を溶融させる温度の好ましい下限は240℃、好ましい上限は280℃である。
上記実装タクトタイムの好ましい下限は1秒、好ましい上限は10秒である。上記実装タクトタイムが1秒未満であると、半田溶融点以上に温度を上げることができず、適正な電極接合が得られないことがある。上記実装タクトタイムが10秒を超えると、樹脂組成物の硬化が進みすぎることがある。
上記電極接合工程における荷重は、一定であることが好ましく、突起電極1つ当たり0.009〜0.05Nであることが好ましい。荷重が0.009N未満であると、突起電極に高さバラつきがある場合、電極部に接触せずに接合不良になることがある。荷重が0.05Nを超えると、荷重が強すぎることにより樹脂組成物とともに半田が流れ、接合不良になることがある。
上記電極接合工程では、上記樹脂組成物に空気が巻き込まれた場合であってもボイドを充分に除去する観点から、上記樹脂組成物の硬化率を40%以下とすることが好ましく、30%以下とすることがより好ましく、20%以下とすることが更に好ましい。また、上記樹脂組成物の硬化率の下限は特に限定されない。
なお、樹脂組成物の硬化率(%)とは、下記式(1)により求められる値を意味する。
樹脂組成物の硬化率(%)=(1−Dh/Di)×100 (1)
式(1)中、Diは示差走査熱量計にて算出される樹脂組成物の初期状態の発熱量を表し、Dhは示差走査熱量計にて算出される樹脂組成物の加熱処理後の発熱量を表す。
本発明の半導体装置の製造方法では、次いで、上記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程を行う。
加圧雰囲気下とは、常圧(大気圧)より高い圧力雰囲気下を意味する。ボイド除去工程を行うことにより、仮に樹脂組成物に空気が巻き込まれた場合であってもボイドを除去することができる。ここでは、ボイドを単に成長させないだけではなく、積極的に除去できるものと考えられる。なお、ボイド除去工程では樹脂組成物も硬化されるが、ボイドを除去する際に樹脂組成物を完全に硬化させてもよいし、ボイドを除去する際に樹脂組成物を途中段階まで硬化させて、その後、温度を上げて樹脂組成物を完全に硬化させる2段階の温度プロファイルを行ってもよい。また、樹脂組成物を完全に硬化させる硬化工程を別途行ったのでもよい。なかでも、ボイド除去工程において2段階の温度プロファイルを行うことが好ましい。
上記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱する方法として、例えば、加圧キュアオーブン(例えば、NTTアトバンステクノロジ社製のPCO−083TA等)を用いる方法等が挙げられる。
このとき、圧力の好ましい下限は0.1MPa、好ましい上限は10MPaである。圧力が0.1MPa未満であると、樹脂組成物に空気が巻き込まれた場合にボイドを充分に除去できないことがある。圧力が10MPaを超えると、樹脂組成物自体の変形が生じ、半導体装置の信頼性に悪影響を及ぼすことがある。圧力のより好ましい下限は0.3MPa、より好ましい上限は1MPaである。
また、上記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱する際の加熱温度は、樹脂組成物の最低溶融粘度を目安に設定することが好ましく、具体的には、樹脂組成物が最低溶融粘度を示す温度の±20℃の範囲内であることが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法では、加圧容器内に組み込まれたフリップチップボンダ等の実装用装置を用いて、上記位置合わせ工程から上記ボイド除去工程までを、連続した工程として加圧雰囲気下で行ってもよい。この場合には、加圧雰囲気下とするために別の装置を用いたり別の装置に搬送したりする必要がなく、また、圧力の調整が少なくて済むことから、生産効率を低下させることがない。
本発明によれば、ボイドを抑制し、短時間で高い信頼性を実現することのできる半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1、比較例1〜7)
(1)樹脂組成物の製造
表1に記載の組成に従って、下記に示す各材料を、ホモディスパーを用いて攪拌混合することにより樹脂組成物を製造した。銅板に鉛フリーの半田を0.5mg置き、その上に樹脂組成物を1mg付着させ、210℃のホットプレートに置き、ホットプレートに置いてから半田が銅板に完全に濡れ広がるまでの時間、及び、銅板に濡れ広がった後の銅板に対する半田の接触角を測定することにより、半田の濡れ広がり時間、及び、濡れ広がり後の半田の接触角を求めた。また、240℃に設定したホットプレート上に樹脂組成物を載せ、流動性が失われるまでの時間を測定することにより、樹脂組成物の240℃でのゲルタイムを求めた。
1.エポキシ樹脂
アニリン型エポキシ樹脂(EP−3900S、アデカ社製)
ナフタレン型エポキシ樹脂(EXA−4710、DIC社製)
2.硬化剤
酸無水物系硬化剤(YH−307、三菱化学社製)
フェノール系硬化剤(Matrimid 5292B、Huntsman社製)
フェノール系硬化剤(MEH−8000H、明和化成社製)
酸無水物系硬化剤(DDSA、新日本理化社製)
酸無水物系硬化剤(HNA−100、新日本理化社製)
酸無水物系硬化剤(YH−1120、三菱化学社製)
酸無水物系硬化剤(TMTA−C、新日本理化社製)
チオール系硬化剤(TMMP、SC有機化学社製)
チオール系硬化剤(TEMPIC、SC有機化学社製)
チオール系硬化剤(DPMP、SC有機化学社製)
3.硬化促進剤
イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物(フジキュアー7000、T&K TOKA社製)
イミダゾール系硬化促進剤(2MA−OK、四国化成工業社製)
4.シリカフィラー
球状シリカ(SE−2050−STJ、アドマテックス社製、トリメチル処理シリカ、平均粒子径0.5μm、最大粒子径3μm)
球状シリカ(SE−2050−SMJ、アドマテックス社製、メタクリル処理シリカ、平均粒子径0.5μm、最大粒子径3μm)
(2)半導体装置の製造
(2−1)位置合わせ工程及び電極接合工程
得られた樹脂組成物を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、吐出圧0.4MPa、基板とニードルとのギャップ200μm、塗布量1.5mgにて基板上に塗布した。フリップチップボンダ(FC−3000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、塗布した樹脂組成物を介して半導体チップ(半田からなる先端部を有する突起電極が表面に形成されている、厚さ100μm、WALTS−TEG MB50−0101JY、ウォルツ社製)を基板上に位置合わせし、20Nで170℃から250℃までリニアに昇温させ、ステージ温度70℃で実装することにより、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを溶融接合させて実装体を得た。
このときの樹脂組成物の硬化率を測定した。なお、樹脂組成物の硬化率(%)は、硬化率を測定するためのサンプルを別途、同条件で作製し、得られたサンプルから半導体チップを剥がして樹脂組成物の一部をかきとり、DSC6220(Seiko Instruments社製)により昇温10℃/分にて測定した発熱量から、式(1)により求めた。
(2−2)ボイド除去工程
得られた実装体について、加圧キュアオーブン(PCO−083TA NTTアドバンステクノロジ社製)を用いて以下の加圧、加熱条件によりボイド除去を行い、半導体装置を得た。
<加圧、加熱条件>
STEP1:40℃で5分保持、0.5MPa
STEP2:30分で150℃まで一定昇温、0.5MPa
STEP3:150℃で30分保持、0.5MPa
STEP4:10分で170℃まで一定昇温、0.5MPa
STEP5:170℃で30分保持、0.5MPa
STEP6:60分で室温まで一定降温、0.5MPa
(評価)
実施例及び比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)ボイドの有無
超音波探査映像装置(mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、得られた半導体装置のボイドを観察した。ボイドがほとんど観察されなかった場合を○、ボイドがわずかに観察された場合を△、ボイドによる目立った剥離が観察された場合を×として評価した。
(2)突起電極の形状評価
得られた半導体装置の断面を光学顕微鏡にて観察した。半導体チップの突起電極と基板の電極部とが一体化し界面が見られなかった場合を○、半導体チップの突起電極と基板の電極部とが一体化せず界面が存在した場合を×として、○、△、×の3段階で評価した。
(3)実装タクトタイム
電極接合工程において、20Nで170℃から250℃までリニアに昇温させて実装体を得た時間を、実装タクトタイムとして評価した。
Figure 2014107354
本発明によれば、ボイドを抑制し、短時間で高い信頼性を実現することのできる半導体装置の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップを、樹脂組成物を介して基板上に位置合わせする位置合わせ工程と、
    半田溶融点以上の温度に加熱して、前記半導体チップの突起電極と前記基板の電極部とを溶融接合させる電極接合工程と、
    前記樹脂組成物を加圧雰囲気下で加熱してボイドを除去するボイド除去工程とを有し、
    前記樹脂組成物は、フラックス活性を有し、銅板上で210℃で加熱したときの半田の濡れ広がり時間が10秒以下、濡れ広がり後の半田の接触角が30°以下である
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 樹脂組成物は、240℃でのゲルタイムが4秒以上であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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