JP2014103313A - 半導体接合用フィルム状接着剤及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体接合用フィルム状接着剤及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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周治郎 定永
Yoshio Nishimura
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Abstract

【課題】ボイドを抑制し、高い信頼性を実現することのできる半導体接合用フィルム状接着剤を提供する。また、半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】接着剤層及び接着剤層を有する半導体接合用フィルム状接着剤であって、接着剤層の最低溶融粘度が9000〜20000Pa.s、接着剤層の最低溶融粘度が1000〜8500Pa.sである半導体接合用フィルム状接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボイドを抑制し、高い信頼性を実現することのできる半導体接合用フィルム状接着剤に関する。また、本発明は、該半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置の小型化及び高密度化に伴い、半導体チップを基板に実装する方法として、表面に多数の突起電極が形成された半導体チップを用いたフリップチップ実装が注目され、急速に広まってきている。
フリップチップ実装においては、接合部分の接続信頼性を確保するための方法として、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接合した後に、半導体チップと基板との隙間に液状封止接着剤(アンダーフィル)を注入し、硬化させることが一般的な方法として採られている。しかしながら、アンダーフィルを用いたフリップチップ実装は、製造コストが高い、アンダーフィル充填に時間がかかる、電極間の距離及び半導体チップと基板との距離を狭めるのに限界がある等の問題を抱えている。
そこで、近年、ペースト状又はフィルム状の接着剤を半導体チップと基板との間に予め供給しておく、先塗布型のフリップチップ実装が提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、先塗布型のフリップチップ実装では、半導体チップの突起電極と基板の電極部とを接触させる際に、半導体チップの突起電極間、基板の回路パターンの隙間等に空気を巻き込んでボイドを生じたり、半導体チップを基板上に搭載する際の熱圧着工程において、接着剤からの揮発成分によってボイドが生じたりすることがある。このようなボイドは、電極間の短絡を招いたり、接着剤中にクラックを発生させる要因となったりする。
一方、先塗布型のフリップチップ実装では、信頼性向上のために、半導体チップのコーナー部にまで接着剤を充填し、コーナー部を覆うフィレット(接着剤のはみ出し部分)を形成することが求められている(例えば、特許文献2)。フィルム状の接着剤を用いる場合、フィレットを形成するためには、フィルム状の接着剤の溶融粘度を下げ、硬化速度を遅くして、広がりやすいものとすることが一般的な方法として採られている。
しかしながら、溶融粘度を下げた場合には、フィルム状の接着剤を半導体チップに貼り合わせたり、半導体チップを基板上に搭載したりする際にボイドが生じやすくなる。即ち、フィレットの形成とボイドの抑制とはトレードオフの関係にあった。
特開2009−260279号公報 特開2003−160639号公報
本発明は、ボイドを抑制し、高い信頼性を実現することのできる半導体接合用フィルム状接着剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、接着剤層1及び接着剤層2を有する半導体接合用フィルム状接着剤であって、前記接着剤層1の最低溶融粘度が9000〜20000Pa.s、前記接着剤層2の最低溶融粘度が1000〜8500Pa.sである半導体接合用フィルム状接着剤である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、半導体接合用フィルム状接着剤を接着剤層1及び接着剤層2を有する2層構造とし、それぞれの層の最低溶融粘度を所定範囲内とすることにより、ボイドを抑制するとともに充分なフィレットを形成して高い信頼性を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の半導体接合用フィルム状接着剤は、接着剤層1及び接着剤層2を有する。
上記接着剤層1の最低溶融粘度は、9000〜20000Pa.sである。上記接着剤層1は、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を介して基板上に半導体チップを熱圧着する際には基板側となる層であり、上記範囲の比較的高い最低溶融粘度を有することにより、ボイドの抑制、特に基板の回路パターンの隙間に生じるボイドの抑制に寄与する層である。上記接着剤層1の最低溶融粘度が9000Pa.s未満であると、ボイドを抑制する効果が低下する。上記接着剤層1の最低溶融粘度が20000Pa・sを超えると、上記接着剤層1が広がりにくくなり、ボイドが生じたり電極間に上記接着剤層1を噛み込んだりしてしまう。上記接着剤層1の最低溶融粘度の好ましい下限は10000Pa・s、好ましい上限は15000Pa・sであり、より好ましい下限は11000Pa・s、より好ましい上限は13000Pa・sである。
上記接着剤層2の最低溶融粘度は、1000〜8500Pa.sである。上記接着剤層2は、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を介して基板上に半導体チップを熱圧着する際には半導体チップ側となる層であり、上記範囲の比較的低い最低溶融粘度を有することにより、半導体チップのコーナー部にまで広がりやすく、フィレットの形成に寄与する層である。最低溶融粘度が1000Pa・s未満であると、ボイドが生じたり、溶融した突起電極の半田が流れてしまい、電極接合不良が生じたりしてしまう。最低溶融粘度が8500Pa・sを超えると、フィレットが充分に形成されなくなる。上記接着剤層2の最低溶融粘度の好ましい下限は3000Pa・s、好ましい上限は7000Pa・sであり、より好ましい下限は5000Pa・s、より好ましい上限は6000Pa・sである。
なお、最低溶融粘度は、レオメーターを用いて例えば温度30〜180℃、昇温速度5℃/分の条件等で測定することができる。
上記接着剤層1及び上記接着剤層2の硬化速度は特に限定されないが、上記接着剤層1の硬化速度が比較的速く、上記接着剤層2の硬化速度が比較的遅いことが好ましい。なかでも、上記接着剤層1のゲルタイムが5〜15秒であることが好ましい。上記接着剤層1のゲルタイムが5秒未満であると、上記接着剤層1の硬化速度が速すぎて、広がりにくくなり、ボイドが生じたり電極間に上記接着剤層1を噛み込んだりすることがある。上記接着剤層1のゲルタイムが15秒を超えると、上記接着剤層1の粘度が低くなり、溶融した突起電極の半田が流れてしまい、接合不良が生じることがある。上記接着剤層1のゲルタイムのより好ましい下限は6秒、より好ましい上限は10秒である。
上記接着剤層2のゲルタイムは特に限定されないが、5〜20秒であることが好ましい。
なお、ゲルタイムは、JIS 6911に準拠してステージ温度240℃で測定することができる。
上記接着剤層1及び上記接着剤層2の厚みは特に限定されないが、上記接着剤層1及び上記接着剤層2によって突起電極を被覆する厚みであることが好ましく、上記接着剤層1が上記接着剤層2よりも厚いことがより好ましい。
本明細書中、接着剤層1及び接着剤層2の両方に当てはまる事項について述べるときは、単に、接着剤層という。
上記接着剤層は、熱硬化性樹脂、熱硬化剤、硬化促進剤、及び、無機フィラーを含有することが好ましく、高分子量化合物を含有することがより好ましい。これらの成分の種類、含有量等を調整することにより、最低溶融粘度及びゲルタイムを上記範囲内とすることができる。なかでも、常温(25℃)で液状の成分とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物とを合わせた含有量が5重量%以下であることがより好ましい。なお、常温(25℃)で液状の成分は、熱硬化性樹脂であっても、熱硬化剤であっても、硬化促進剤であっても、高分子量化合物であってもよく、これら以外の成分(例えば、希釈剤、カップリング剤、密着性付与剤等の添加剤等)であってもよい。
上記接着剤層における上記常温(25℃)で液状の成分とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物とを合わせた含有量の下限は特に限定されないが、接着剤層の製膜性、可撓性等の観点から、好ましい下限は1重量%である。
上記熱硬化性樹脂は特に限定されず、例えば、付加重合、重縮合、重付加、付加縮合、開環重合等の反応により硬化する化合物が挙げられる。上記熱硬化性樹脂として、具体的には例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。なかでも、接着剤層の硬化物の強度及び接合信頼性を確保する観点から、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型等のノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ポリエーテル変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂、及び、これらの水添化物等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂であっても、常温で固体のエポキシ樹脂であってもよく、これらを適宜組み合わせて用いてもよい。
上記常温で液状のエポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EPICLON 840、840−S、850、850−S、EXA−850CRP(以上、DIC社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 830、830−S、EXA−830CRP(以上、DIC社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、EPICLON HP−4032、HP−4032D(以上、DIC社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂、EPICLON EXA−7015(DIC社製)、EX−252(ナガセケムテックス社製)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、EX−201(ナガセケムテックス社製)等のレゾルシノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記常温で固体のエポキシ樹脂のうち、市販品として、例えば、EPICLON 860、10550、1055(以上、DIC社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON EXA−1514(DIC社製)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、EPICLON HP−4700、HP−4710、HP−4770(以上、DIC社製)等のナフタレン型エポキシ樹脂、EPICLON HP−7200シリーズ(DIC社製)等のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、EPICLON HP−5000、EXA−9900(以上、DIC社製)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、従来公知の熱硬化剤を上記熱硬化性樹脂に合わせて適宜選択することができる。上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、上記熱硬化剤として、例えば、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、ジシアンジアミド等の潜在性硬化剤、カチオン系触媒型硬化剤等が挙げられる。これらの熱硬化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等に優れることから、酸無水物系硬化剤が好ましい。
上記酸無水物系硬化剤のうち、市販品として、例えば、YH−306、YH−307(以上、三菱化学社製、常温(25℃)で液状)、YH−309(三菱化学社製、酸無水物系硬化剤、常温(25℃)で固体)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されず、常温(25℃)で液状の成分とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物とを合わせた含有量を上記範囲内とすることが好ましい。上記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用い、エポキシ基と等量反応する熱硬化剤を用いる場合、上記熱硬化剤の含有量は、接着剤層中に含まれるエポキシ基の総量に対する好ましい下限が60当量、好ましい上限が110当量である。含有量が60当量未満であると、接着剤層を充分に硬化させることができないことがある。含有量が110当量を超えても、特に接着剤層の硬化性には寄与せず、過剰な熱硬化剤が揮発することによってボイドの原因となることがある。含有量のより好ましい下限は70当量、より好ましい上限は100当量である。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。なかでも、硬化速度、硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記イミダゾール系硬化促進剤は特に限定されず、例えば、フジキュア7000(T&K TOKA社製、常温(25℃)で液状)、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、イソシアヌル酸で塩基性を保護したイミダゾール系硬化促進剤(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製、常温(25℃)で固体)、2MZ、2MZ−P、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、C11Z−CNS、2PZ−CNS、2PZCNS−PW、2MZ−A、2MZA−PW、C11Z−A、2E4MZ−A、2MAOK−PW、2PZ−OK、2MZ−OK、2PHZ、2PHZ−PW、2P4MHZ、2P4MHZ−PW、2E4MZ・BIS、VT、VT−OK、MAVT、MAVT−OK(以上、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されず、常温(25℃)で液状の成分とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物とを合わせた含有量を上記範囲内とすることが好ましいが、熱硬化剤100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。含有量が5重量部未満であると、接着剤層の熱硬化のために高温で長時間の加熱を必要とすることがある。含有量が50重量部を超えると、接着剤層の貯蔵安定性が不充分となったり、過剰な硬化促進剤が揮発することによってボイドの原因となったりすることがある。含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記高分子量化合物は、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物であっても、ガラス転移温度(Tg)が0℃を超える高分子量化合物であっても、これらの混合物であってもよい。上記高分子量化合物を用いることで、接着剤層に製膜性、可撓性等を付与するとともに、接着剤層の硬化物に強靭性を持たせ、高い接合信頼性を確保することができる。
上記高分子量化合物は特に限定されず、例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキル−ベンゼン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、珪素樹脂、ウレタン樹脂等の公知の高分子量化合物が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子量化合物が好ましい。
上記エポキシ基を有する高分子量化合物を添加することで、接着剤層の硬化物は、優れた可撓性を発現する。即ち、上記接着剤の硬化物は、上記熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂に由来する優れた機械的強度、耐熱性及び耐湿性と、上記エポキシ基を有する高分子量化合物に由来する優れた可撓性とを兼備することとなるので、耐冷熱サイクル性、耐ハンダリフロー性、寸法安定性等に優れるものとなり、高い接合信頼性及び高い導通信頼性を発現することとなる。
上記エポキシ基を有する高分子量化合物は、末端及び/又は側鎖(ペンダント位)にエポキシ基を有する高分子量化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。なかでも、エポキシ基を多く含む高分子化合物を得ることができ、硬化物の機械的強度及び耐熱性がより優れたものとなることから、エポキシ基含有アクリル樹脂が好ましい。これらのエポキシ基を有する高分子量化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子量化合物として、上記エポキシ基を有する高分子量化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子量化合物の重量平均分子量の好ましい下限は1万、好ましい上限は100万である。重量平均分子量が1万未満であると、接着剤層の製膜性が不充分となったり、接着剤層の硬化物の可撓性が充分に向上しなかったりすることがある。重量平均分子量が100万を超えると、高分子量化合物は、溶媒への溶解性が低下して取扱い性が低下することがある。
上記高分子量化合物として、上記エポキシ基を有する高分子量化合物、特に、エポキシ基含有アクリル樹脂を用いる場合、上記エポキシ基を有する高分子量化合物のエポキシ当量の好ましい下限が200、好ましい上限が1000である。エポキシ当量が200未満であると、接着剤層の硬化物の可撓性が充分に向上しないことがある。エポキシ当量が1000を超えると、接着剤層の硬化物の機械的強度又は耐熱性が不充分となることがある。
上記接着剤層における上記高分子量化合物の含有量は特に限定されず、常温(25℃)で液状の成分とガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子量化合物とを合わせた含有量を上記範囲内とすることが好ましいが、上記接着剤層における好ましい下限は3重量%、好ましい上限は30重量%である。含有量が3重量%未満であると、熱ひずみに対する充分な信頼性が得られないことがある。含有量が30重量%を超えると、接着剤層の耐熱性が低下することがある。
上記接着剤層においては、上記無機フィラーの含有量が40重量%以下であることが好ましい。含有量が40重量%を超えると、接着剤層の製膜性が不充分となったり、最低溶融粘度を上記範囲内とすることが困難となったりすることがある。
上記接着剤層における上記無機フィラーの含有量の下限は特に限定されないが、接着剤層の硬化物の強度及び接合信頼性を確保する観点から、好ましい下限は10重量%である。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素、酸化マグネシウム、酸化亜鉛等が挙げられる。なかでも、流動性に優れることから球状シリカが好ましく、メチルシランカップリング剤、フェニルシランカップリング剤等で表面処理された球状シリカがより好ましい。表面処理された球状シリカを用いることで、接着剤層の製膜性を高めることができる。
上記無機フィラーの平均粒子径は特に限定されないが、接着剤層の透明性、流動性、接合信頼性等の観点から、0.01〜1μm程度が好ましい。
上記接着剤層は、必要に応じて、更に、希釈剤、チキソトロピー付与剤、溶媒、無機イオン交換体、ブリード防止剤、イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤、密着性付与剤、ゴム粒子等の応力緩和剤等のその他の添加剤を含有してもよい。
本発明の半導体接合用フィルム状接着剤は、上記接着剤層1及び上記接着剤層2を有していれば、更に、基材層を有していてもよい。
本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を製造する方法は特に限定されないが、接着剤層1及び接着剤層2となる接着剤層用フィルムをそれぞれ製造し、これらを貼り合わせる方法が好ましい。接着剤層用フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱硬化剤、硬化促進剤、無機フィラー、高分子量化合物等を溶媒に添加し、ホモディスパーを用いて攪拌混合することにより接着剤溶液を製造し、得られた接着剤溶液を離型PETフィルム上に塗工し、乾燥する方法等が挙げられる。
本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法であって、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層1側が基板に、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層2側が半導体チップの突起電極形成面に接するようにして、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を介して基板上に半導体チップを熱圧着する工程(本明細書中、熱圧着工程ともいう)を有する半導体装置の製造方法もまた、本発明の1つである。
上記接着剤層1側が基板に、上記接着剤層2側が半導体チップの突起電極形成面に接するようにして本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を用いることにより、ボイドを抑制するとともに充分なフィレットを形成して高い信頼性を実現することができる。
本発明の半導体装置の製造方法では、熱圧着工程の前に、まず、突起電極形成面に本発明の半導体接合用フィルム状接着剤が貼り合わされた半導体チップを準備する工程を行ってもよい。このときには、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層2側が半導体チップの突起電極形成面に貼り合わされる。
上記突起電極形成面に本発明の半導体接合用フィルム状接着剤が貼り合わされた半導体チップを準備する方法は特に限定されないが、予めウエハの突起電極形成面に半導体接合用フィルム状接着剤を常圧ラミネート、真空ラミネート等により貼り合わせた後、ブレードダイシング、レーザーダイシング等により半導体チップに個片化する方法が好ましい。常圧ラミネートでは空気が巻き込まれる場合があるが、加圧オーブン(例えば、PCO−083TA(NTTアトバンステクノロジ社製))等を用いて半導体接合用フィルム状接着剤を加圧雰囲気下で加熱して、ボイドを除去してもよい。また、半導体チップの突起電極成形面に半導体接合用フィルム状接着剤を常圧ラミネート、真空ラミネート等により貼り合わせてもよい。
上記ウエハとして、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなり、半田からなる先端部を有する突起電極が表面に形成されたウエハが挙げられる。なお、半田からなる先端部を有する突起電極は、先端部が半田からなっていれば、突起電極の一部が半田からなっていても、突起電極全体が半田からなってもよい。
なお、予めウエハの突起電極形成面に半導体接合用フィルム状接着剤を常圧ラミネート、真空ラミネート等により貼り合わせる前、又は、貼り合わせた後に、ウエハの裏面を所定の厚さにまで研削してもよい。研削は、例えば、従来公知の研磨装置、研削装置等を用いて行うことができる。
本発明の半導体装置の製造方法において、熱圧着工程は、例えば、従来公知のボンディング装置を用いて行うことができる。
熱圧着する際の温度の好ましい下限は240℃、好ましい上限は300℃である。温度が240℃未満であると、半導体チップと基板との間の電極接合が形成されないことがある。温度が300℃を超えると、半導体接合用フィルム状接着剤から揮発成分が発生してボイドを増加させることがある。熱圧着する際の時間(保持時間)は、好ましい下限が1秒、好ましい上限が3秒である。また、熱圧着する際には、半導体チップに対して圧力をかけることが好ましい。圧力は、半導体チップと基板との間の電極接合が形成される圧力であれば特に限定されないが、0.3〜3MPaが好ましい。
本発明の半導体装置の製造方法では、熱圧着工程の後、更に、本発明の半導体接合用フィルム状接着剤を完全に硬化させる工程を行ってもよい。
本発明によれば、ボイドを抑制し、高い信頼性を実現することのできる半導体接合用フィルム状接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜9及び比較例1〜5)
(1)半導体接合用フィルム状接着剤の製造
表1に記載の配合組成に従って、各材料を溶媒としてのMEKに添加し、ホモディスパーを用いて攪拌混合することにより接着剤溶液を製造した。得られた接着剤溶液を、アプリケーターを用いて離型PETフィルム上に乾燥後の厚みが30μmとなるように塗工し、乾燥することにより、接着剤層用フィルム1〜13を製造した。得られた接着剤層の最低溶融粘度を、レオメーターを用いて温度30〜180℃、昇温速度5℃/分の条件で測定し、ゲルタイムを、JIS 6911に準拠してステージ温度240℃で測定した。測定結果を表1及び2に示した。
接着剤層1及び接着剤層2として表2に記載の接着剤層用フィルムを用い、ラミネーター装置を用いて圧着することによりこれらを貼り合わせて、半導体接合用フィルム状接着剤を製造した。
(2)半導体装置の製造
半田からなる先端部を有する突起電極が形成された半導体チップ(WALTS MB50−0101JY、半田溶融点235℃、厚さ100μm、ウォルツ社製)と、Ni/Au電極を有する基板(WALTS−KIT MB50−0101JY、ウォルツ社製)とを用意した。半導体接合用フィルム状接着剤の片面の離型PETフィルムを剥がし、真空ラミネーター(ATM−812M、タカトリ社製)を用いて、ステージ温度80℃、真空度80Paで半導体チップ上に貼り合わせた。このとき、半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層2側を半導体チップの突起電極形成面に貼り合わせた。
フリップチップボンダ(FC−3000S、東レエンジニアリング社製)を用いて、半導体チップと基板とを、ボンディングステージ温度120℃の条件下で、160℃接触で280℃まで昇温し、0.8MPaで8秒間荷重をかけ、熱圧着させた。その後、170℃で0.5時間加熱することにより半導体接合用フィルム状接着剤を完全に硬化させて、半導体装置を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた半導体装置について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)ボイド評価(SAT)
超音波探査映像装置(SAT)(C−SAM D9500、日本バーンズ社製)を用いて半導体装置のボイドを観察した。半導体接合用フィルム状接着剤により半導体チップ面積の95%以上を充填できていた場合を○、95%未満しか充填できていなかった場合を×とした。
(2)フィレット評価
マイクロスコープ(VHX−500F、キーエンス社製)を用いて半導体装置のフィレットを観察した。フィレットが半導体チップのコーナー部から200μm以上広がっていた場合を○、フィレットの広がりが半導体チップのコーナー部から200μm未満であった場合を×とした。
(3)半田流れ評価
X線投下装置を用いて半導体装置の電極接合の状態(半田流れ)を観察した。半田流れが見られなかった場合を○、見られた場合を×とした。
(4)電極接合評価
半導体装置の断面研磨を行い、マイクロスコープ(VHX−500F、キーエンス社製)を用いて半導体装置の電極接合の状態を観察した。突起電極と基板上の配線とが接合されていた場合を○、接合されていなかった場合を×とした。
Figure 2014103313
Figure 2014103313
本発明によれば、ボイドを抑制し、高い信頼性を実現することのできる半導体接合用フィルム状接着剤を提供することができる。また、本発明によれば、該半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 接着剤層1及び接着剤層2を有する半導体接合用フィルム状接着剤であって、前記接着剤層1の最低溶融粘度が9000〜20000Pa.s、前記接着剤層2の最低溶融粘度が1000〜8500Pa.sであることを特徴とする半導体接合用フィルム状接着剤。
  2. 接着剤層1のゲルタイムが5〜15秒であることを特徴とする請求項1記載の半導体接合用フィルム状接着剤。
  3. 請求項1又は2記載の半導体接合用フィルム状接着剤を用いた半導体装置の製造方法であって、前記半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層1側が基板に、前記半導体接合用フィルム状接着剤の接着剤層2側が半導体チップの突起電極形成面に接するようにして、前記半導体接合用フィルム状接着剤を介して基板上に半導体チップを熱圧着する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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