JP2009155450A - 電子部品用接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ当量が50〜150である多官能エポキシ化合物と、分子中に下記(a)、(b)及び(c)からなる群より選択される少なくとも1つの骨格を有する酸無水物とを含有する電子部品用接着剤であって、硬化物とした場合に、前記硬化物は、ガラス転移温度(Tg)が110〜150℃であり、10〜50℃における貯蔵弾性率が1000〜4000MPaであり、かつ、170℃以上における最低貯蔵弾性率が40MPa以上である電子部品用接着剤。
(a)炭素数10〜30のアルキル基
(b)炭素数10〜30のアルケニル基
(c)炭素数10〜30のアラルキル基
【選択図】なし
Description
この半導体チップに生じるソリの問題は、半導体チップと基板との間を接着する接着剤を硬化させるときの温度から室温にまで冷却される過程において、半導体チップと基板との伸び率の温度依存性の相違により生じる応力が大きな要因であると考えられる。
ここで、半導体チップと基板との伸び率の温度依存性の相違により生じる応力を緩和するためには、半導体チップと基板との間を接着する接着剤は、硬化物の常温での貯蔵弾性率が4GPa以下であることが必要とされる。
しかしながら、電子部品接合体の作製において、ワイヤボンディング処理をする際には175℃付近の高温になるところ、このとき硬化物が40MPa以上の高い貯蔵弾性率を有しなければ、硬化物が撓んでしまう。そのため、このような高分子化合物からなる接着剤を用いた場合、半導体チップと基板との間を接着すると、ワイヤボンディング処理をすることができない(例えば、特許文献1参照)。
このような接着剤を得る方法としては、例えば、アクリル樹脂とエポキシ化合物とが相分離した樹脂に、フィラーを高充填する方法が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、このようなフィラーを高充填する方法では、175℃付近の高温における貯蔵弾性率が高くなるだけでなく、常温における貯蔵弾性率も4GPaを超えて必要以上に高くなってしまうことから、応力緩和作用が得られない。また、フィラーが高充填されているため、接着剤の接着強度が低く、熱サイクル試験の下で電子部品と基材の剥離を生じる等、半導体チップ等の電子部品の接着信頼性に問題が生じるものであった。
しかしながら、このような貯蔵弾性率とガラス転移温度との条件を満足する硬化物を得ることができる接着剤は、未だ得られていない。
(a)炭素数10〜30のアルキル基
(b)炭素数10〜30のアルケニル基
(c)炭素数10〜30のアラルキル基
以下に本発明を詳述する。
これは、一般に、単官能エポキシ化合物を用いた場合、ガラス転移温度が110〜140℃となるが、高温(170℃以上)において、高い貯蔵弾性率(40MPa以上)を達成することができない。一方、多官能エポキシ化合物を用いた場合、高温において、高い貯蔵弾性率を達成することができるが、ガラス転移温度が200℃以上となってしまうことがある。そこで、所定のエポキシ当量を有する多官能エポキシ化合物を用いることによって、高温(170℃以上)において、高い貯蔵弾性率(40MPa以上)を達成するとともに、所定の骨格を有する酸無水物を用いることによって、所望の範囲のガラス転移温度(100〜150℃)を得ることができると考えられる。また、得られる硬化物において、所定の骨格が柔軟な骨格として働き、常温(10〜50℃)において、貯蔵弾性率の上昇を抑えることができると考えられる。
このように、本発明の電子部品用接着剤は、従来のようにフィラー等を高充填することなく、得られる硬化物が、常温(10〜50℃)において適度に低い貯蔵弾性率(1000〜4000MPa)を有するため、半導体チップ等の電子部品と基板とを接着した際、電子部品と基板との伸び率の温度依存性の相違により生じる応力を緩和し、電子部品等のソリ等の発生を防止することができる。また、高温(170℃以上)において、高い貯蔵弾性率(40MPa以上)を有することから、電子部品と基板とをワイヤボンディングする際、硬化物が撓むことなく、ワイヤボンディング処理を行うことができる。更に、適度なガラス転移温度(100〜150℃)を有することも、電子部品等のソリ等の発生を防止することに効果的である。
多官能エポキシ化合物は架橋点を多く有するため、本発明の電子部品用接着剤は、高温(170℃以上)において、所定の高い貯蔵弾性率を保持することができる。
なお、本明細書において、多官能エポキシ化合物とは、分子中にエポキシ基を3以上有する化合物をいう。
なお、本明細書において、エポキシ当量とは、多官能エポキシ化合物の分子量を分子中のエポキシ基数で除した値、すなわち、エポキシ基1個当たりの分子量をいう。
つまり、エポキシ当量は、低い程、分子中のエポキシ基濃度が高いことを示し、一般には、エポキシ当量が低い程、例えば、後述する所定の酸無水物との反応確率が高まり、硬化速度が高くなる。
なかでも、分子中にナフタレン骨格、グリシジルアミン骨格等を有するものが好ましい。このような骨格を有することによって、より優れた硬化性を発揮することができる。
特に、グリシジルアミン骨格を有するものがより好ましい。グリシジルアミン骨格を有することによって、より優れた硬化性を発揮するとともに、低分子量でも官能基数を多くできるため、本発明の電子部品用接着剤の粘度を比較的低い所望の範囲とすることが可能となる。
上記グリシジルアミン骨格を有する多官能エポキシ化合物の市販品としては特に限定されず、例えば、EP−3900、EP−3950(以上、いずれもアデカ社製)等が挙げられる。
これに対して、上記一般式(1)で表される化合物は、上記多官能エポキシ化合物のなかでも低い粘度を有することから、本発明の電子部品用接着剤は、ジェットディスペンス性が向上し、ジェットディスペンス装置を用いた塗布方法にも好適に適用することが可能となる。
更に、上記一般式(1)で表される化合物は、硬化速度が速いため、揮発する前に硬化が進行し、ボイドの発生を大幅に抑制することができる。
上記エポキシ化合物(B)は、極めて結晶性が高く、25℃で結晶性固体であるとともに、25℃より高い温度領域において、粘度が急激に低下するという性質を有する。これは、上記エポキシ化合物(B)が、10量体以下の低分子であるため、25℃を超えて加熱することによって、結晶構造が壊れて粘度が低下するためであると考えられる。このように、加温によって粘度が低下する性質を有することから、上記エポキシ化合物(B)を用いると、本発明の電子部品用接着剤は、ジェットディスペンス性がより向上し、ジェットディスペンス装置を用いた塗布方法にも好適に適用することが可能となる。
具体的には、上記エポキシ化合物(B)は、25℃で結晶性固体であり、50〜80℃においてE型粘度計で測定した場合の粘度が1Pa・s以下である。10量体を超えると、50〜80℃における粘度が高くなることがある。
上記エポキシ基を有する高分子量ポリマーとしては特に限定されず、例えば、エポキシ変性ポリエチレングリコール、エポキシ変性ポリプロピレングリコール、エポキシ基含有アクリルゴム、エポキシ基含有ブタジエンゴム、ビスフェノール型高分子量エポキシ樹脂、エポキシ基含有フェノキシ樹脂、エポキシ基含有(メタ)アクリル樹脂、エポキシ基含有ウレタン樹脂、エポキシ基含有ポリエステル樹脂等のエポキシ基を有するアクリル系高分子化合物、エポキシ末端NBR樹脂、等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する高分子量ポリマーは単独で用いてもよく、併用してもよい。
(b)炭素数10〜30のアルケニル基
(c)炭素数10〜30のアラルキル基
このような酸無水物は、上記多官能エポキシ化合物と併用した場合、硬化速度が非常に速いため、得られる硬化物において、ボイド、反り等の発生を極めて効果的に低減することができる。
更に、上記所定の骨格は、得られる硬化物において、柔軟性を発揮する。すなわち、このような骨格を有する酸無水物を含有することによって、得られる硬化物は、構造中に柔軟な骨格を取り込むこととなるため、硬化物に柔軟性を付与し、得られる電子部品接合体の内部に生じる応力を緩和して、半導体チップ等の電子部品の反りの発生を防止することができる。
一般に硬化剤としては、上記酸無水物以外にも様々考えられるが、上記酸無水物以外の硬化剤を用いると、得られる硬化物について、高温領域における弾性率を高くすることはできるものの、常温における弾性率も高くなり過ぎてしまうことから、応力緩和性が得られず、熱サイクル下において、クラック、反り等が発生することがある。
なお、本明細書において、酸無水物当量とは、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定することにより得られる酸無水物の当量をいう。
なかでも、炭素数12のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基が好ましく、特に、ドデシル基、ドデセニル基がより好ましい。
なお、現時点では、上記酸無水物の市販品としては、上記DDSA(ドデセニルコハク酸無水物)のみが入手可能であるものの、上記酸無水物としては、上記骨格を有するものであればよい。例えば、炭素数10〜16のブタジエン骨格、プロピレングリコール骨格等の骨格を有するものも、上記酸無水物として用いることができると考えられる。
他の酸無水物と併用する場合、上記酸無水物は酸無水物全体の40〜80重量%含まれることが望ましい。
上記硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられ、なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好適に用いられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記イミダゾール系硬化促進剤としては特に限定されず、例えば、イミダゾールの1位をシアノエチル基で保護した1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールや、イソシアヌル酸で塩基性を保護したもの(商品名「2MA−OK」、四国化成工業社製)等が挙げられる。これらのイミダゾール系硬化促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記酸無水物と硬化促進剤とを併用する場合、酸無水物の配合量は、上述したエポキシ化合物に含まれるエポキシ基に対して理論的に必要な当量以下とすることが好ましい。上記酸無水物の配合量が理論的に必要な当量を超えると、硬化後に水分によって塩素イオンが溶出しやすくなることがある。すなわち、硬化剤が過剰であると、例えば、本発明の電子部品用接着剤の硬化物から熱水で溶出成分を抽出した際に、抽出水のpHが4〜5程度となるため、上述したエポキシ化合物から塩素イオンが多量溶出することがある。従って、本発明の電子部品用接着剤の硬化物1gを、100℃の純水10gで2時間浸した後の純水のpHが6〜8であることが好ましく、pHが6.5〜7.5であることがより好ましい。
このようなスペーサ粒子を含有することにより、例えば、本発明の電子部品用接着剤を用いて、2以上の半導体チップを積層する場合に、各半導体チップを本発明の電子部品用接着剤を介して接着することによって、半導体チップ同士の間隔を一定に保つことが可能となる。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式(1)により求められる数値のことである。
CV値(%)=(σ2/Dn2)×100 (1)
上記式(1)中、σ2は、粒子径の標準偏差を表し、Dn2は、数平均粒子径を表す。
なお、本明細書においてK値とは、下記式(2)によって求められる数値のことである。
K=(3/√2)・F・S−3/2・R−1/2 (2)
上記式(2)中、F、Sはそれぞれスペーサ粒子の10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)を表し、Rは該スペーサの半径(mm)を表す。
まず、平滑表面を有する鋼板の上にスペーサ樹脂粒子を散布した後、その中から1個のスペーサ樹脂粒子を選び、微小圧縮試験機を用いてダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面でスペーサ樹脂粒子を圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出する。そして、得られた圧縮変位−荷重の関係から10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位をそれぞれ求め、得られた結果からK値を算出する。
上記圧縮回復率は、以下の測定方法により測定することができる。
上記K値の測定の場合と同様の手法によって圧縮変位を作動トランスによる変位として電気的に検出し、反転荷重値まで圧縮したのち荷重を減らしていき、その際の荷重と圧縮変位との関係を測定する。得られた測定結果から圧縮回復率を算出する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。
上記スペーサ樹脂粒子の材質としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール等が挙げられる。なかでも、スペーサ樹脂粒子の硬さと回復率を調整しやすく耐熱性についても向上させることが可能であることから、架橋樹脂を用いることが好ましい。
また、上記スペーサ粒子以外に、上記スペーサ粒子の平均粒子径以上の径を有する固形成分を含有する場合は、このような固形成分の配合量の好ましい上限は、1重量%である。また、その固形成分の融点は硬化温度以下であることが好ましい。
更に、固形成分の最大粒子径は、スペーサ粒子の平均粒子径の1.1〜1.5倍であることが好ましく、1.1〜1.2倍であることがより好ましい。
本発明の電子部品用接着剤は、更に、必要に応じて、ブリード防止剤;イミダゾールシランカップリング剤等の接着性付与剤等の各種添加剤を含有してもよい。
なお、本発明の電子部品用接着剤は、溶剤を含有しないことが好ましい。本発明の電子部品用接着剤が溶剤を含有すると、電子部品を接合するための硬化の際にボイドか発生し、信頼性に欠ける場合がある。
なお、本明細書において、ガラス転移温度(Tg)は、DSCを用いて、20℃/分の割合でサンプルを昇温させて得られる吸熱曲線から測定することができる。
下記表1の組成に従って、下記に示す各材料をホモディスパーを用いて攪拌混合し、実施例1〜2及び比較例1〜5に係る電子部品用接着剤を調製した。
(1)多官能エポキシ化合物(A)
3官能グリシジルアニリン型エポキシ(EP−3900S、アデカ社製)
3官能ジシクロペンタジエン型エポキシ(HP−7200H、大日本インキ社製)
(2)エポキシ化合物(B)
レゾルシノール型エポキシ(EX−201、ナガセケムテックス社製)
ビスフェノールF型エポキシ(YSLV−80XY、東都化成社製)
(3)その他のエポキシ基を有する高分子量ポリマー(高分子量ポリマー)
アクリル変性エポキシ(CP−30、日本油脂社製)
(4)硬化剤
ドデセニルコハク酸無水物(DDSA、新日本理化社製)
メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸(YH−306、ジャパンエポキシレジン社製)
(5)硬化促進剤
イミダゾール系硬化促進剤(2MA−OK、四国化成社製社製)
(6)増粘剤
表面疎水処理ヒュームドシリカ(PM−20L、トクヤマ社製)
実施例1〜2及び比較例1〜5で調製した電子部品用接着剤について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1−1)粘度の測定
E型粘度測定装置(商品名:VISCOMETER TV−22、TOKI SANGYO CO.LTD社製、使用ローター:φ15mm、設定温度:25℃及び80℃)を用いて回転数10rpmにおける粘度を測定した。
ジェットディスペンス適性の評価はジェットディスペンサー(DJ−9000、アシムテック社製)を用いて評価した。使用した部品は、ノズル(No.4、100μm径)、バルブ(C−03、380μm)、ニードルアッセンブリー(No.16、2.4mm)である。吐出条件は、ノズル温度50℃若しくは80℃、ストローク780μm、液圧1000kPa、バルブ圧558kPa、バルブオンタイム5ms、バルブオフタイム5ms、ノズル高さ1.0mmである。
ノズル温度50℃若しくは80℃で30分連続で吐出できた場合を○、30分までに吐出が止まってしまった場合を×とした。
半導体チップ接合用接着剤の硬化速度について、170℃でのゲルタイムで評価した。ゲルタイムの測定方法はアルミカップ(径2cm、厚み約50um)に樹脂ペーストを厚さ1mm程度入れ、これを170℃のオーブン(ESPEC社製、SPHH−101)に入れて樹脂ペーストが糸引きしなくなる時間をゲルタイムとした。測定に先立ち、予熱を60分間行った。
(2−1)ガラス転移温度(Tg)の測定
アイティー計測制御社製の粘弾性測定機を使い、実施例及び比較例で調製した電子部品用接着剤を170℃、15分で硬化させた硬化物の25℃及び175℃における貯蔵弾性率を、昇温速度5℃/min、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで測定したときのTanδのピーク時の温度をガラス転移点とした。
アイティー計測制御社製の粘弾性測定機を使い、実施例及び比較例で調製した電子部品用接着剤を170℃、15分で硬化させた硬化物の25℃及び175℃における貯蔵弾性率を、昇温速度5℃/min、引っ張り、つかみ幅24mm、10Hzで測定した。
なお、図1に、実施例1、比較例1及び比較例3でそれぞれ調製した電子部品用接着剤の硬化物の貯蔵弾性率と温度との関係を示すグラフを示す。
得られた電子部品用接着剤を用いてシリコンチップと基板(大昌電子社製)を接合し、該接着剤層(樹脂厚み10umとした)を170℃15分で硬化させた硬化物を、260℃の温度条件下に10秒間曝した後、超音波映像装置SAT(Scan Acoustic Tomograph、mi−scope hyper II、日立建機ファインテック社製)を用いて、チップ−基板間のボイドの有無を観察した。直径100μm以下のボイドが1個/mm2以下の場合を○、それ以上の場合を×とした。
(3−1)半導体チップ接合体の作製
得られた電子部品用接着剤を10mLシリンジ(岩下エンジニアリング社製)に充填し、シリンジ先端に精密ノズル(岩下エンジニアリング社製、ノズル先端径0.3mm)を取り付け、ディスペンサ装置(SHOT MASTER300、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、吐出圧0.4MPa、半導体チップとニードルとのギャップ200μm、塗布量5mgにてガラス基板上に塗布した。塗布量は、(接合部分の外周部への塗布量/中央部への塗布量)=4とした。
塗布を行った後、ペリフェラル状に110μmのパッド開口部を172個有する半導体チップ(チップ1)(厚さ80μm、10mm×10mm角、メッシュ状パターン、アルミ配線:厚み0.7μm、L/S=15/15、表面の窒化シリコン膜の厚み:1.0μm)をフリップチップボンダー(DB−100、澁谷工業社製)を用いて常温で0.1MPaの圧力で5秒間押圧することにより積層した。120℃40分加熱後、170℃で15分間加熱を行い、電子部品用接着剤を硬化させることにより、半導体チップ接合体を作製した。
作製した半導体チップ接合体の半導体チップの対角線に沿って反り量をレーザー変位計(KEYENCE社製 LT9010M、KS−1100)にて測定した。
半導体チップ接合体と同様に、基板上に半導体チップ(チップ2)(厚さ80μm、3mm×3mm角、メッシュ状パターン、アルミ配線:厚み0.7μm、L/S=15/15、表面の窒化シリコン膜の厚み:1.0μm)を積層した。その後、この積層体を170℃、15分で硬化させた。そして、ワイヤーボンダーUTC2000(新川社製)を用いて径25μmのワイヤーでワイヤボンディングを行った。このワイヤーをワイヤネック部分で引っ張り、ワイヤネックで切れたものを○、接合部分で切断されたものを×とした。
作製した半導体チップ接合体を、85℃85%の恒温高湿オーブンに24時間放置したのち、230℃以上が20秒以上でかつ最高温度が260℃となるIRリフロー炉に3回投入した。投入後、半導体装置のリフロークラックの発生の有無を超音波探傷装置(SAT)により観察し、以下の基準で評価した。
◎:リフロークラック発生数0/30
○:リフロークラック発生数1/30
△:リフロークラック発生数2/30
×:リフロークラック発生数3/30以上
Claims (12)
- エポキシ当量が50〜150である多官能エポキシ化合物と、分子中に下記(a)、(b)及び(c)からなる群より選択される少なくとも1つの骨格を有する酸無水物とを含有する電子部品用接着剤であって、
硬化物とした場合に、前記硬化物は、ガラス転移温度(Tg)が110〜150℃であり、10〜50℃における貯蔵弾性率が1000〜4000MPaであり、かつ、170℃以上における最低貯蔵弾性率が40MPa以上である
ことを特徴とする電子部品用接着剤。
(a)炭素数10〜30のアルキル基
(b)炭素数10〜30のアルケニル基
(c)炭素数10〜30のアラルキル基 - 多官能エポキシ化合物は、グリシジルアミン骨格を有することを特徴とする請求項1記載の電子部品用接着剤。
- 多官能エポキシ化合物は、分子量が150〜400であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品用接着剤。
- 多官能エポキシ化合物の配合量は、20〜60重量%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の電子部品用接着剤。
- 酸無水物は、酸無水物当量が200〜1000であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の電子部品用接着剤。
- 酸無水物は、ドデセニル基を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の電子部品用接着剤。
- 酸無水物の配合量は、20〜60重量%であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の電子部品用接着剤。
- 更に、繰り返し構造単位中に芳香環を有し、10量体以下の分子構造を有するエポキシ化合物であって、25℃で結晶性固体であり、かつ、50〜80℃の温度においてE型粘度計で測定した場合の粘度が1Pa・s以下であるエポキシ化合物(B)を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の電子部品用接着剤。
- 更に、硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の電子部品用接着剤。
- 更に、平均粒子径が2〜200μmであり、CV値が10%以下であり、かつ、K値が980〜10000N/mm2であるスペーサ粒子を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の電子部品用接着剤。
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