JP2020136398A - 半導体用接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置におけるボイドを抑制することができる、半導体用接着剤を提供すること。【解決手段】(1)半導体チップ及び配線回路基板、又は、半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、接続部の金属の融点より低い温度で、それぞれの接続部が互いに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、(2)仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、(3)封止仮接続体を接続部の金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備える半導体装置の製造方法に用いられる半導体用接着剤であって、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)フラックス剤を含有し、且つ、フィルム状態にした際の最低溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である、半導体用接着剤。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体用接着剤に関する。
これまで、半導体チップと基板を接続するには金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能、高集積、高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて接続部を金属接合させる方法、超音波振動を印加して接続部を金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法などが知られている。接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて接続部を金属接合させる方法が一般的である。
例えば、半導体チップと基板間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もFC接続方式である。FC接続方式は、半導体チップ上にバンプ又は配線を接続部として設け、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
CPU、MPU等に用いられるエリアアレイ型の半導体パッケージでは、高機能化が強く要求される。そのため、チップの大型化、ピン(バンプ、配線)数の増加、ピッチ及びギャップの高密度化の傾向がある。
特開2008−294382号公報
更なる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されるパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。
平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、上記の技術は多用され、半導体の性能向上及びノイズ低減、実装面積の削減、省電力化にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
生産性向上の観点から、ウエハ上に半導体チップを圧着(接続)して後に個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)、ウエハ同士を圧着(接続)して後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている。
更に、ウエハ上又はマップ基板にチップを位置合わせして複数仮圧着し、複数のチップを一括に圧着して接続を確保するギャングボンディング方式も生産性向上の観点から注目されている。
上述したフリップチップパッケージの組立では、まず、ダイシングしたウエハから半導体チップ、又は、半導体用接着剤が供給された半導体チップをコレットでピックアップし、コレットを介して圧着ツールに供給する。次に、チップ−チップ、又は、チップ−基板の位置合わせを行い、圧着する。金属結合が形成されるように、上下、又は、上下どちらかの一方以上の接続部の金属が融点以上に達するように圧着ツールの温度を上昇させる。積層・多段化するチップスタックパッケージでは、チップピックアップ、位置合わせ、圧着を繰り返す。その後、半導体パッケージの保護を行うために、封止用の樹脂でチップ上面を封止することにより、封止体を形成する。
また、以下のプロセスも検討されている。まず、ダイシングしたウエハから半導体チップ、又は、半導体用接着剤が供給された半導体チップをコレットでピックアップし、コレットを介して圧着ツールに供給する。次に、チップ−チップ、又は、チップ−基板の位置合わせを行い、仮圧着する。その後、仮圧着により得られた仮接続体を封止用樹脂により封止し、リフロー等の加熱条件を加えて金属結合を形成する。このようなプロセスを半導体装置の製造方法に適用することにより、短時間で大量に製造できるといった利点が考えられる。しかし、仮接続体を封止する際にボイドが残存しやすく、十分な接続信頼性が確保され難いという課題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、仮接続体の少なくとも一部を封止する工程を経て半導体装置を製造する方法に用いられ、半導体装置におけるボイドを抑制することができる、半導体用接着剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの上記接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの上記接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法に用いられる半導体用接着剤であって、上記接続部は金属からなり、上記製造方法は、(1)上記半導体チップ及び上記配線回路基板、又は、上記半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、上記接続部の金属の融点より低い温度で、それぞれの上記接続部が互いに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、(2)上記仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、(3)上記封止仮接続体を上記接続部の金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備え、上記半導体用接着剤は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)フラックス剤を含有し、且つ、フィルム状態にした際の最低溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である、半導体用接着剤を提供する。
本発明はまた、接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの上記接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの上記接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法に用いられる半導体用接着剤であって、上記接続部及び上記接続バンプは金属からなり、上記製造方法は、(1)上記半導体チップ及び上記配線回路基板、又は、上記半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、上記接続バンプの金属の融点より低い温度で、それぞれの上記接続部が上記接続バンプに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、(2)上記仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、(3)上記封止仮接続体を上記接続バンプの金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備え、上記半導体用接着剤は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)フラックス剤を含有し、且つ、フィルム状態にした際の最低溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である、半導体用接着剤を提供する。
上記半導体用接着剤において、上記(a)エポキシ樹脂の重量平均分子量が10000未満であってもよい。
上記半導体用接着剤は、(d)重量平均分子量10000以上の高分子成分を更に含有してもよい。ここで、上記(d)高分子成分の重量平均分子量が30000以上であり、且つ、ガラス転移温度が200℃以下であってもよい。
上記半導体用接着剤は、フィルム状態にした際の175℃におけるゲルタイムが30秒以上60秒以下であってもよい。
上記半導体用接着剤は、フィルム状接着剤であってもよい。
本発明によれば、仮接続体の少なくとも一部を封止する工程を経て半導体装置を製造する方法に用いられ、半導体装置におけるボイドを抑制することができ、半導体用接着剤を提供することができる。上記半導体用接着剤を用いることで、ボイドが抑制された信頼性の高い半導体装置を、短時間で大量に製造することができる。
半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。
以下、場合により図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<半導体用接着剤>
本実施形態の半導体用接着剤(半導体封止用接着剤)は、(a)エポキシ樹脂(以下、場合により「(a)成分」という。)、(b)硬化剤(以下、場合により「(b)成分」という。)、及び、(c)フラックス剤(以下、場合により「(c)成分」という。)を含有する。
本実施形態の半導体用接着剤は、必要に応じて、(d)重量平均分子量が10000以上の高分子成分(以下、場合により「(d)成分」という。)を含有していてもよい。本実施形態の半導体用接着剤は、必要に応じて、(e)フィラー(以下、場合により「(e)成分」という。)を含有していてもよい。
以下、本実施形態の半導体用接着剤を構成する各成分について説明する。
(a)成分:エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。(a)成分として、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂及び各種多官能エポキシ樹脂を使用することができる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
(a)成分は、高温での接続時に分解して揮発成分が発生することを抑制する観点から、接続時の温度が250℃の場合は、250℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましく、300℃の場合は、300℃における熱重量減少量率が5%以下のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
(a)成分の重量平均分子量は、耐熱性、流動性の観点から、10000未満であってもよく、100〜9000、又は、300〜7000であってもよい。重量平均分子量の測定方法は、後述する(d)成分の重量平均分子量の測定方法と同様である。
(a)成分の含有量は、半導体用接着剤の全量基準で、例えば5〜75質量%であり、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜35質量%である。本明細書において、「半導体用接着剤の全量」は、後述の樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒以外の成分の合計量を意味する。
(b)成分:硬化剤
(b)成分としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤が挙げられる。接続部に酸化膜が生じることを抑制するフラックス活性を示し、接続信頼性・絶縁信頼性を向上させることができる観点から、(b)成分がフェノール性樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤及びイミダゾール系硬化剤から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましく、イミダゾール系硬化剤を含むことが更に好ましい。以下、各硬化剤について説明する。
(i)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤としては、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限はなく、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール樹脂及び各種多官能フェノール樹脂が挙げられる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(ii)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。これらは単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。
上記(a)成分に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iii)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えばジシアンジアミドを使用することができる。
上記(a)成分に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、良好な硬化性、接着性及び保存安定性の観点から0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。当量比が0.3以上であると、硬化性が向上し接着力が向上する傾向があり、1.5以下であると未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向がある。
(iv)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。これらの中でも、優れた硬化性、保存安定性及び接続信頼性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤として用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。イミダゾール系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、20質量部以下であると金属接合が形成される前に半導体用接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
(v)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、(a)成分100質量部に対して、0.1〜8質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。ホスフィン系硬化剤の含有量が0.1質量部以上であると硬化性が向上する傾向があり、8質量部以下であると金属接合が形成される前に半導体用接着剤が硬化することがなく、接続不良が発生しにくい傾向がある。
フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤及びアミン系硬化剤は、それぞれ1種を単独で又は2種以上の混合物として使用することができる。イミダゾール系硬化剤及びホスフィン系硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいが、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤と共に用いてもよい。
半導体用接着剤が(b)成分として、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤又はアミン系硬化剤を含む場合、酸化膜を除去するフラックス活性を示し、接続信頼性をより向上することができる。
(c)成分:フラックス剤
(c)成分は、例えば下記式(1)で表される基を有する化合物(以下、場合により「フラックス化合物」という。)からなるフラックス剤である。(c)成分としては、上記フラックス化合物の1種を単独で用いてもよく、上記フラックス化合物の2種以上を併用してもよい。
Figure 2020136398
式(1)中、Rは、電子供与性基を示す。
電子供与性基としては、例えば、アルキル基、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルアミノ基が挙げられる。電子供与性基は、他の成分(エポキシ樹脂)等と反応しにくいものが好ましく、アルキル基、水酸基又はアルコキシ基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。基本的に、電子供与基は多い方が電子供与性は強く好ましいが、立体障害も大きくなる。そのため、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよいが、直鎖状であることが好ましい。直鎖状である場合、立体障害の観点から、カルボン酸を含む主鎖よりも炭素数が同等かそれ以下の方が好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。基本的に、電子供与基は多い方が電子供与性は強く好ましいが、立体障害も大きくなる。そのため、アルコキシ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。直鎖状である場合、立体障害の観点から、カルボン酸を含む主鎖よりも炭素数が同等かそれ以下の方が好ましい。
アルキルアミノ基としては、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。モノアルキルアミノ基としては、炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜5のモノアルキルアミノ基がより好ましい。モノアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ジアルキルアミノ基としては、炭素数1〜20のジアルキルアミノ基が好ましく、炭素数1〜10のジアルキルアミノ基がより好ましい。ジアルキルアミノ基のアルキル基部分は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
上記フラックス化合物は、カルボキシル基を2つ有する化合物(ジカルボン酸)であることが好ましい。カルボキシル基を2つ有する化合物は、カルボキシル基を1つ有する化合物(モノカルボン酸)と比較して、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制できる。また、カルボキシル基を2つ有する化合物を用いると、カルボキシル基を3つ以上有する化合物を用いた場合と比較して、保管時・接続作業時等における半導体用接着剤の粘度上昇を一層抑制することができ、半導体装置の接続信頼性を一層向上させることができる。
上記フラックス化合物としては、下記式(2)で表される化合物を好適に用いることができる。下記式(2)で表される化合物からなるフラックス剤によれば、半導体装置の耐リフロー性及び接続信頼性を一層向上させることができる。
Figure 2020136398
式(2)中、Rは電子供与性基を示し、Rは水素原子又は電子供与性基を示し、nは0〜10の整数を示す。
式(2)におけるnは、2〜10の整数であることが好ましく、2〜8の整数であることがより好ましい。nが10以下であると、フラックス活性がより短時間で発現するようになり、特に接続時間が短い場合において、一層優れた接続信頼性が得られる。また、nが2以上であると、接続時の高温によっても揮発し難く、ボイドの発生を一層抑制することができる。
は、水素原子であっても電子供与性基であってもよい。Rが水素原子であると、融点が低くなる傾向があり、接続信頼性(はんだ濡れ性)がよくなる場合がある。例えば、R、R共に同じメチル基であるフラックス剤は、片方(R又はR)にメチル基があるものに比べて融点が高くなり、はんだの濡れ性は、融点によっては(例えば150℃以上になると)低下する傾向がある。
このようなフラックス化合物としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸及びドデカン二酸から選択されるジカルボン酸の2位に電子供与性基が置換した化合物を用いることができる。
上記フラックス化合物の融点は、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。このようなフラックス化合物は、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応が生じる前にフラックス活性が十分に発現する。そのため、このようなフラックス化合物を含有する半導体用接着剤によれば、接続信頼性に一層優れる半導体装置を実現できる。また、上記フラックス化合物の融点は、室温で固形であるものが好ましく、25℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。フラックス化合物の融点は、例えば装置は二重管式温度計に試料を詰めた毛細管を取り付けて温浴で加温する装置の方法により測定することができる。
本実施形態の接着剤に含有されるフラックス剤の融点は、仮接続体を形成するための押圧装置のステージ温度よりも高いことが好ましい。フラックス剤の融点が押圧装置のステージ温度よりも高い場合には、圧着最初と最後の熱履歴が異なっても接続信頼性に優れる半導体装置の作製が可能となる。
(c)成分の含有量は、半導体用接着剤の全量基準で、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
(d)成分:重量平均分子量が10000以上の高分子成分
本実施形態の半導体用接着剤は、必要に応じて、重量平均分子量が10000以上の高分子成分((d)成分)を含有していてもよい。(d)成分を含有する半導体用接着剤は、耐熱性及びフィルム形成性に一層優れる。
(d)成分としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。これらの中でも耐熱性及びフィルム形成性に優れる観点から、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの(d)成分は単独で又は2種以上の混合物もしくは共重合体として使用することもできる。但し、(d)成分には、(a)成分であるエポキシ樹脂が含まれない。
(d)成分のガラス転移温度(Tg)は、半導体用接着剤の基板又は半導体チップへの貼付性に優れる観点から、50℃以上200℃以下、50℃以上180℃以下、又は50℃以上150℃以下であることが好ましい。(d)成分のTgが50℃以上であると、半導体用接着剤のタック(粘性)力が適度に弱くなる傾向がある。(d)成分のTgが200℃以下であると、半導体チップのバンプ、基板に形成された電極及び配線パターン等の凹凸を半導体用接着剤が埋め込み易く、ボイド抑制の効果が相対的に大きくなる傾向がある。ここでのTgは、DSC(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定されるTgである。
(d)成分の重量平均分子量は、10000以上である。単独で良好なフィルム形成性を示すために、(d)成分の重量平均分子量は30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される、標準ポリスチレン換算の値を意味する。
半導体用接着剤が(d)成分を含有するとき、(d)成分の含有量Cに対する(a)成分の含有量Cの比C/C(質量比)は、0.01〜5であることが好ましく、0.05〜3であることがより好ましく、0.1〜2であることが更に好ましい。比C/Cを0.01以上とすることで、より良好な硬化性及び接着力が得られ、比C/Cを5以下とすることでより良好なフィルム形成性が得られる。
(e)成分:フィラー
本実施形態の半導体用接着剤は、必要に応じて、フィラー((e)成分)を含有していてもよい。(e)成分によって、半導体用接着剤の粘度、半導体用接着剤の硬化物の物性等を制御することができる。具体的には、(e)成分によれば、例えば、接続時のボイド発生の抑制、半導体用接着剤の硬化物の吸湿率の低減等を図ることができる。
(e)成分としては、絶縁性無機フィラー、ウィスカー、樹脂フィラー等を用いることができる。また、(e)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
絶縁性無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素が挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。
ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。
樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)等の樹脂からなるフィラーが挙げられる。
(e)成分の形状、粒径及び含有量は特に制限されない。また、(e)成分は、表面処理によって物性を適宜調整されたものであってもよい。
(e)成分の含有量は、最低溶融粘度を適切な範囲に調整する観点から、半導体用接着剤の全量基準で、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の半導体用接着剤には、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤、イオントラップ剤等の添加剤を配合してもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの配合量については、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態の半導体用接着剤は、フィルム状に成形することができる。本実施形態の半導体用接着剤を用いたフィルム状接着剤の作製方法の一例を以下に示す。
まず、(a)成分、(b)成分及び(c)成分、並びに必要に応じて添加される(d)成分及び(e)成分等を、有機溶媒中に加え、攪拌混合、混錬等により、溶解又は分散させて、樹脂ワニスを調製する。その後、離型処理を施した基材フィルム上に、樹脂ワニスをナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター等を用いて塗布した後、加熱により有機溶媒を除去することにより、基材フィルム上にフィルム状接着剤を形成することができる。
樹脂ワニスの調製に用いる有機溶媒としては、各成分を均一に溶解又は分散し得る特性を有するものが好ましく、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン、シクロヘキサノン、及び酢酸エチルが挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂ワニス調製の際の攪拌混合及び混錬は、例えば、攪拌機、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル又はホモディスパーを用いて行うことができる。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム及びポリエーテルイミドフィルムを例示できる。基材フィルムは、これらのフィルムからなる単層のものに限られず、2種以上の材料からなる多層フィルムであってもよい。
基材フィルムへ塗布した樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の乾燥条件は、有機溶媒が十分に揮発する条件とすることが好ましく、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。有機溶媒は、フィルム状接着剤全量に対して1.5質量%以下まで除去されることが好ましい。
また、本実施形態の半導体用接着剤は、ウエハ上で直接形成してもよい。具体的には、例えば、上記樹脂ワニスをウエハ上に直接スピンコートして膜を形成した後、有機溶媒を除去することにより、ウエハ上に直接半導体用接着剤を形成してもよい。
本実施形態に係る半導体用接着剤は、有機溶剤を揮発させてフィルム状態にした際の硬化前の最低溶融粘度が、500Pa・s以上3500Pa・s以下である。半導体用接着剤の最低溶融粘度がこの範囲にあると、半導体装置の接着剤層にボイドが残存し難く、信頼性が向上する。最低溶融粘度が500Pa・s未満であると、柔らかすぎるために仮接続体を得る第一工程で空隙ができやすくなるためボイドを多く含みやすくなり、その後の封止仮接続体を得る第二工程においてもボイドが十分に除去されずに残存しやすくなる。一方、最低溶融粘度が3500Pa・sより大きいと、第二工程の際にボイドが除去され難いため、ボイドが残存しやすくなる。上記効果をより十分に得ると共に、第一工程の実装条件及び第二工程の封止条件の裕度拡大の観点から、半導体用接着剤の最低溶融粘度は、500Pa・s以上3000Pa・s以下であることがより好ましく、500Pa・s以上2500Pa・s以下であることが更に好ましい。半導体用接着剤の溶融粘度は、フィラーの含有量、高分子成分の含有量等を調整することにより、上記範囲内に調整することができる。
半導体用接着剤の最低溶融粘度は、昇温速度10℃/分、周波数10Hzの条件で、試験片に1%の歪みを与えながら35〜150℃の温度範囲で昇温しながら半導体用接着剤の粘弾性を測定したときに得られる粘度(複素粘性率)と温度との関係における、粘度の最低値である。粘弾性測定の試験片として、例えば、複数のフィルム状の半導体用接着剤を厚さが300〜450μmになるように積層して得られる積層体を用いてもよい。粘度測定装置として、例えばティー・エイ・インスツルメント株式会社製、ARESを用いることができる。
本実施形態に係る半導体用接着剤は、175℃におけるゲルタイムが30秒以上60秒以下であることが好ましく、35秒以上55秒以下であることがより好ましい。第一工程で半導体チップを半導体ウエハに順次圧着する際、ステージ上で半導体ウエハ上に複数の半導体チップを半導体用接着剤を介して載せ、その状態で複数の半導体チップを半導体ウエハに順次圧着することがあり、その場合、複数の半導体チップのそれぞれと半導体ウエハとの間に配置された半導体用接着剤が第二工程の前に受ける熱履歴に差が生じやすくなっている。しかしながら、半導体用接着剤の175℃におけるゲルタイムが30秒以上60秒以下であれば、問題なく第二工程へ繋げることができる。上記ゲルタイムが30秒未満であると、第一工程で最初に圧着されたチップと最後に圧着されたチップの熱履歴が異なり、最初に圧着したチップで硬化が進行しやすくなり、第二工程でボイドが抜けにくくなる、又は第二工程の間にボイドが抜ける前に硬化されるためボイドが残りやすくなる傾向がある。ゲルタイムが60秒を超えると、接着性が低下するため第二工程後又は第三工程でチップと封止樹脂間で剥離が発生しやすくなる傾向がある。
上記ゲルタイムは、120μm厚のフィルム状態の半導体封止用接着剤を175℃のホットプレート上に置いてから、半導体封止用接着剤が硬化(ゲル化)するまでの時間の測定値を意味する。
<半導体装置>
本実施形態の半導体装置について、図1及び2を用いて以下説明する。図1は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図1の(a)に示す半導体装置100は、互いに対向する半導体チップ10及び基板(配線回路基板)20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置された配線15と、半導体チップ10及び基板20の配線15を互いに接続する接続バンプ30と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤層40と、半導体チップ10及び基板20の接続部分を封止する封止用樹脂60と、を有している。半導体チップ10及び基板20は、配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15及び接続バンプ30は、接着剤層40により封止されており外部環境から遮断されている。同様に、半導体チップ10及び接着剤層40は、封止用樹脂60により封止されており外部環境から遮断されている。
図1の(b)に示す半導体装置200は、互いに対向する半導体チップ10及び基板20と、半導体チップ10及び基板20の互いに対向する面にそれぞれ配置されたバンプ32と、半導体チップ10及び基板20間の空隙に隙間なく充填された接着剤層40と、半導体チップ10及び基板20の接続部分を封止する封止用樹脂60と、を有している。半導体チップ10及び基板20は、対向するバンプ32が互いに接続されることによりフリップチップ接続されている。バンプ32は、接着剤層40により封止されており外部環境から遮断されている。同様に、半導体チップ10及び接着剤層40は、封止用樹脂60により封止されており外部環境から遮断されている。接着剤層40は、本実施形態の半導体用接着剤の硬化物である。
図2は、半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図2の(a)に示す半導体装置300は、2つの半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図2の(b)に示す半導体装置400は、2つの半導体チップ10がバンプ32によりフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。図2の(a)のより具体的な態様としては、図中上側の半導体チップ10が接続部として銅ピラー及びはんだ(はんだバンプ)を有し、図中下側の半導体チップ10が接続部としてパッド(接続部に金メッキ)を有するような態様が挙げられる。
半導体チップ10としては、特に限定はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体を用いることができる。
基板20としては、回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に、金属膜の不要な個所をエッチング除去して形成された配線(配線パターン)15を有する回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線15が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線15が形成された回路基板を用いることができる。
配線15及びバンプ32等の接続部は、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、ニッケル、スズ、鉛等を含有しており、複数の金属を含有していてもよい。
上記金属の中でも、接続部の電気伝導性及び熱伝導性に優れたパッケージとする観点から、金、銀及び銅が好ましく、銀及び銅がより好ましい。コストが低減されたパッケージとする観点から、安価であることに基づき銀、銅及びはんだが好ましく、銅及びはんだがより好ましく、はんだが更に好ましい。室温において金属の表面に酸化膜が形成すると生産性が低下する場合及びコストが増加する場合があるため、酸化膜の形成を抑制する観点から、金、銀、銅及びはんだが好ましく、金、銀、はんだがより好ましく、金、銀が更に好ましい。
上記配線15及びバンプ32の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主な成分とする金属層が、例えばメッキにより形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていても、複数の成分から構成されていてもよい。また、上記金属層は、単層又は複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。
また、本実施形態の半導体装置は、半導体装置100〜400に示すような構造(パッケージ)が複数積層されていてもよい。この場合、半導体装置100〜400は、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えばスズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等を含むバンプ又は配線で互いに電気的に接続されていてもよい。
半導体装置は、例えば上述したバンプ−バンプ間、バンプ−パッド間、バンプ−配線間で接続する。この場合、後述する加熱処理(第三工程)ではどちらか一方の接続部の金属が融点以上になればよい。
半導体装置を複数積層する手法としては、図3に示すように、例えばTSV(Through−Silicon Via)技術が挙げられる。図3は、半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図であり、TSV技術を用いた半導体装置である。図3に示す半導体装置500では、インターポーザ50上に形成された配線15が半導体チップ10の配線15と接続バンプ30を介して接続されることにより、半導体チップ10とインターポーザ50とはフリップチップ接続されている。半導体チップ10とインターポーザ50との間の空隙には接着剤層40が隙間なく充填されている。上記半導体チップ10におけるインターポーザ50と反対側の表面上には、配線15、接続バンプ30及び接着剤層40を介して半導体チップ10が繰り返し積層されている。半導体チップ10(最外層のものを除く)の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。なお、貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。複数の半導体チップ10からなる積層体は、封止用樹脂60により封止されており外部環境から遮断されている。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することが可能となる。更には、半導体チップ10内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ10間、並びに、半導体チップ10及びインターポーザ50間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態の半導体用接着剤は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ10間、並びに、半導体チップ10及びインターポーザ50間の半導体用接着剤として適用することができる。
また、エリヤバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態の半導体用接着剤は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態の半導体用接着剤は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
図4及び5は、半導体装置の他の実施形態を示す模式断面図である。図4に示す半導体装置600は、複数の半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30により、基板20にフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図5に示す半導体装置700は、複数の半導体チップ10が配線15及び接続バンプ30により、インターポーザ50にフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。
<半導体装置の製造方法>
第一の実施形態の半導体装置の製造方法は、接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、接続バンプは金属からなり、
(1)半導体チップ及び配線回路基板、又は、半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、接続バンプの金属の融点より低い温度で、それぞれの接続部が接続バンプに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、
(2)仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、
(3)封止仮接続体を接続バンプの金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備える。
これにより、例えば図1の(a)又は図2の(a)に示される半導体装置を得ることができる。以下、図2の(a)を例にとり、各工程について説明する。
まず、半導体チップ10上に、フィルム状の半導体用接着剤(以下、「フィルム状接着剤」という場合もある)を貼付する。フィルム状接着剤の貼付は、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって行うことができる。フィルム状接着剤の供給面積及び厚さは、半導体チップ10及び基板20のサイズ、接続バンプ30の高さ等によって適宜設定される。フィルム状接着剤は半導体チップ10に貼付してもよく、半導体ウエハにフィルム状接着剤を貼付した後、ダイシングして、半導体チップ10に個片化することによって、フィルム状接着剤を貼付した半導体チップ10を作製してよい。
半導体チップ10の配線15同士をフリップチップボンダー等の接続装置を用いて位置合わせした後、接続バンプ30(はんだバンプ)の融点以下の温度で仮圧着を行い、仮接続体を得る(第一工程)。
次に、仮接続体における一方の半導体チップ10の上面を封止し、封止仮接続体を得る(第二工程)。半導体チップ10の封止は、コンプレッション成形機、トランスファ成形機等によって行うことができる。
その後、封止仮接続体を、接続バンプ30の融点以上の温度が加わるよう加熱し、配線15と接続バンプ30間に金属結合を形成することで、封止接続体を得る(第三工程)。加熱処理は、熱圧着機、リフロー炉、加圧オーブン等によって行うことができる。
第一工程の一例を説明する。図6は、半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。
まず、図6の(a)に示されるように、半導体チップ本体12、並びに、配線15及び接続バンプ30を有する半導体チップ10を、基板本体22、及び接続部としての配線15を有する基板20に、これらの間に接着剤層40を配置しながら重ね合わせて、積層体3を形成させる。半導体チップ10は、半導体ウエハのダイシングによって形成された後、ピックアップされて基板20上まで搬送され、接続バンプ30と基板20の配線15とが対向配置されるように、位置合わせされる。積層体3は、対向配置された一対の仮圧着用押圧部材としての圧着ヘッド41及びステージ42を有する押圧装置43のステージ42上で形成される。接続バンプ30は、半導体チップ本体12上に設けられた配線15上に設けられている。基板20の配線15は、基板本体22上の所定の位置に設けられている。接続バンプ30及び配線15は、それぞれ、金属材料によって形成された表面を有する。
続いて、図6の(b)に示されるように、積層体3を、仮圧着用押圧部材としてのステージ42及び圧着ヘッド41で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップ10に基板20を仮圧着する。図6の実施形態の場合、圧着ヘッド41は、積層体3の半導体チップ10側に配置され、ステージ42は、積層体3の基板20側に配置されている。
ステージ42及び圧着ヘッド41のうち少なくとも一方が、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する時に、半導体チップ10の接続バンプ30の表面を形成している金属材料の融点、及び基板20の接続部としての配線15の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱されてよい。
第一工程における仮圧着時に、圧着ツール(仮圧着用押圧部材)が(フィルム状接着剤付き)半導体チップ10をピックアップする際の温度(押圧部材の温度)は、圧着ツールの熱がコレット、半導体チップ10等に転写しないように低温であることが好ましい。一方、仮圧着時の温度(押圧部材の温度)は、フィルム状接着剤の流動性を高め、巻き込み時のボイドを排除できるよう、高温に加熱されてもよいが、フィルム状接着剤の反応開始温度よりも低い温度であることが好ましい。また、冷却時間を短縮するため、圧着ツールが半導体チップ10をピックアップする際の温度と仮圧着時の温度の差は小さくてもよい。その差が、100℃以下、又は60℃以下であってもよい。ピックアップする際と仮圧着時とで温度は一定であってもよい。両者の差が100℃以下である場合は、圧着ツールの冷却の時間が短縮されて、生産性がより向上する傾向がある。第一工程では、第二工程で排除できるような量であれば、巻き込みボイドが発生してもよい。なお、反応開始温度とはDSC(パーキンエルマー社製、DSC−Pyirs1)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気又は窒素雰囲気の条件で測定したときのOn−set温度をいう。
以上の観点から、ステージ42及び/又は圧着ヘッド41の温度は、半導体チップをピックアップする間は例えば30℃以上130℃以下で、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する間は例えば50℃以上150℃以下であってもよい。
第一工程における接続荷重は、バンプ数に依存するが、バンプの高さばらつき吸収、バンプ変形量の制御等を考慮して設定される。圧着の際に、ボイドを排除し、半導体チップ10、又は、半導体チップ10と基板20の接続部金属が接続バンプに接触するために、荷重は大きくしてもよい。荷重が大きいと、ボイドを排除し易く、接続部の金属と接続バンプとが接触し易い。例えば、半導体チップ10の1ピン(1バンプ)当り0.009Nから0.2Nであってもよい。
仮圧着にかかる圧着時間は、生産性向上の観点から、短時間に設定してもよい。短時間の圧着時間とは、接続形成中に接続部が230℃以上に加熱される時間(例えば、はんだ使用時の時間)が5秒以下であることをいう。接続時間は、4秒以下、又は3秒以下であってもよい。また、各圧着時間が冷却時間よりも短時間であると、より本発明の製造方法の効果が発現し得る。
第二工程時においては、封止仮接続体を形成するための金型に、第一工程後の仮接続体(半導体パッケージ)を搬入し、その上に封止用樹脂60を供給する。その後、封止用樹脂60を押し流し、硬化させることで、封止仮接続体を形成する。このとき、第一工程時で生じた巻き込みボイドを、封止圧力によって排除する。また、第一工程で接続バンプ30が配線15に接触していない場合、第二工程の封止圧力によって接続バンプ30を配線15に接触させる。
第三工程時の加熱処理には、封止仮接続体における接続バンプ30の金属の融点以上の温度が必要である。例えば、接続バンプ30がはんだバンプであれば、加熱温度は230℃以上330℃以下であってもよい。低温であると接続バンプ30の金属が溶融せず、十分な金属結合が形成されない傾向がある。
第三工程における接続時間は生産性向上の観点から、短時間に設定してもよく、接続バンプ30(はんだバンプ)を溶融させ、酸化膜及び表面の不純物を除去し、金属接合を接続部に形成できる程度の時間としてもよい。なお、短時間での接続とは、接続形成時間(本圧着時間)中に、接続バンプ30がはんだバンプであれば230℃以上かかる時間が5秒以下であることをいう。接続時間は、4秒以下、又は3秒以下であってもよい。接続時間が短時間であるほど生産性が向上し易い。
加熱処理は、封止仮接続体の接続バンプ30の金属の融点以上の温度を加えることができれば特に制限されず、熱圧着機、リフロー炉、加圧オーブン等で行うことができる。熱圧着機では、局所的に熱を加えることができるため、反り低減が期待できる。そのため、反り低減の観点からは、熱圧着機であってもよい。一方、生産性向上の観点からは、一度に多くのパッケージを加熱処理できるリフロー炉及び加圧オーブンであってもよい。
第一工程(仮圧着)では複数の半導体チップ10を圧着してもよい。この場合、例えば、ウエハ、インターポーザ、又、マップ基板上で、平面的に複数の半導体チップ10を一つずつ仮圧着(第一工程)し、その後、一括で複数のチップを封止(第二工程)してもよい。
また、TSV構造のパッケージで多く見られるスタック圧着では、立体的に複数の半導体チップ10を圧着する。この場合も複数の半導体チップ10を一つずつ積み重ねて圧着(第一工程)し、その後、複数のチップを封止(第二工程)してもよい。
第二の実施形態の半導体装置の製造方法は、接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法であって、接続部は金属からなり、
(1)半導体チップ及び配線回路基板、又は、半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、接続部の金属の融点より低い温度で、それぞれの接続部が互いに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、
(2)仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、
(3)封止仮接続体を接続部の金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備える。
これにより、例えば図1の(b)又は図2の(b)に示される半導体装置を得ることができる。
第二の実施形態は、接続バンプ30を介さずに接続部同士が接続される点を除き、第一の実施形態と同様である。
<封止用樹脂>
封止用樹脂としては、半導体装置の封止用に用いられる樹脂であれば特に制限されない。そのような樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本実施形態の半導体用接着剤は、上述した半導体装置の製造方法に使用されることで、ボイドが抑制された半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例及び比較例で使用した化合物は以下の通りである。
(a)エポキシ樹脂
・トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ(三菱ケミカル株式会社製、商品名「EP1032H60」、重量平均分子量:800〜2000、以下「EP1032」という。)
・ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「YL983U」、重量平均分子量:約336)
・柔軟性エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名「YL7175」、重量平均分子量:1000〜5000)
(b)硬化剤
・2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体(四国化成工業株式会社製、商品名「2MAOK−PW」、以下「2MAOK」という。)
(c)フラックス剤
・グルタル酸(東京化成工業株式会社製、融点約98℃)
(d)分子量10000以上の高分子成分
・フェノキシ樹脂(新日化エポキシ製造株式会社製、商品名「ZX1356−2」、Tg:約71℃、Mw:約63000)
(e)フィラー
(e−1)無機フィラー
・シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050」、平均粒径0.5μm)
・エポキシシラン処理シリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「SE2050−SEJ」、平均粒径0.5μm)
・アクリル表面処理ナノシリカフィラー(株式会社アドマテックス製、商品名「YA050C−SM」、平均粒径約50nm、以下「SMナノシリカ」という。)
(e−2)樹脂フィラー
・有機フィラー(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名「EXL2655」、コアシェルタイプ有機微粒子)
<フィルム状接着剤の作製>
(実施例1)
エポキシ樹脂3.1g(「EP1032」を2.4g、「YL983U」を0.5g、「YL7175」を0.2g)、硬化剤「2MAOK」0.1g、メチルグルタル酸0.1g(0.7mmol)、無機フィラー1.1g(「SE2050」を0.2g、「SE2050−SEJ」を0.2g、「SMナノシリカ」を0.7g)、樹脂フィラー(EXL2655)0.3g、及びメチルエチルケトン(固形分量が63質量%になる量)をビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社製、遊星型微粉砕機P−7)の容器内に仕込み、直径0.8mmのビーズ及び直径2.0mmのビーズを固形分と同質量加え、混合物を30分撹拌した。次いで、フェノキシ樹脂(ZX1356)を1.7g加え、混合物を再度ビーズミルで30分撹拌した。その後、撹拌に用いたビーズをろ過によって除去し、樹脂ワニスを得た。
得られた樹脂ワニスを、基材フィルム(帝人フィルムソリューション株式会社製、商品名「ピューレックスA53」)上に、小型精密塗工装置(株式会社廉井精機製)で塗工し、塗膜をクリーンオーブン(エスペック株式会社製)を用いて70℃で10分間乾燥して、フィルム状接着剤(厚さ0.045mm)を得た。
(実施例2〜6及び比較例1〜3)
使用した材料の組成を下記表1に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1〜3のフィルム状接着剤を作製した。
以下に、実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤の評価方法を示す。
<半導体装置の製造>
上記にて作製したフィルム状接着剤を8mm四方、厚さ0.045mmのサイズに切り抜き、これをはんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7.3mm×7.3mm、厚さ0.05mm、バンプ(接続部)高さ:約45μm(銅ピラーとはんだの合計)、バンプ数:1048ピン、ピッチ80μm、製品名:WALTS−TEG CC80、株式会社ウォルツ製)上に貼付した。そこに、半導体チップ(チップサイズ:10mm×10mm、厚さ0.1mm、接続部金属:Au、製品名:WALTS−TEG IP80、株式会社ウォルツ製)を、ステージ及び圧着ヘッドを有するフリップチップボンダー(FCB3、パナソニック株式会社製)を用いて80℃のステージ上で、仮圧着温度130℃、仮圧着時間2秒間、荷重100Nの条件で仮圧着し、仮接続体を得た。
得られた仮接続体に対し、モールド装置(株式会社テクノマルシチ製)を用いて、175℃、2分間の条件でチップ上面の封止を行い、封止体(封止仮接続体)を形成した。封止用樹脂としては、CEL−400ZHF40−MANG(日立化成株式会社製)を用いた。
得られた封止体に対し、リフロー装置(株式会社タムラ製作所製)を用いて、170℃/2分+190℃/2分+260℃/2分+190℃/2分の条件で加熱処理を行い、半導体装置(封止接続体)を作製した。
<評価>
以下に評価方法を示す。
[最低溶融粘度測定]
回転式動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント株式会社製、ARES)を用いて、フィルム状接着剤の最低溶融粘度を測定した。まず、複数のフィルム状接着剤を80℃で積層することで全体の厚さ400μmの試験片を得た。得られた試験片を直径8mmの円形状の測定治具2枚で挟み、昇温しながらその粘度を測定した。測定モードはDynamic temperature ramp、周波数は10Hz、測定開始温度は35℃、測定終了温度は150℃、昇温速度は10℃/分とした。測定は、試験片に1%の歪みを与えながら行った。測定された粘度の最低値を、最低溶融粘度として記録した。
[ゲルタイム]
複数のフィルム状接着剤を80℃で積層することで全体の厚みを120μmとした。形成されたラミネートフィルムから、11mm四方のサイズの試験片を切り抜いた。得られた試験片を175℃のホットプレート上に置き、試験片を攪拌棒によって小さな円を描くように攪拌した。試験片が増粘し始めたら全体を攪拌し、試験片がゲル化して流動性を失った状態となるまで、撹拌を続けた。試験片をホットプレート上に置いた時点から試験片がゲル化して流動性を失った状態となるまでの時間をゲルタイムとして1秒単位で測定した。同様の測定を2回実施し、2回の測定による2つの測定値のうち、高い値が低い値の1.05倍以下である場合には、2つの測定値の平均値を当該試験片のゲルタイムとして記録した。2つの測定値のうち高い値が、低い値の1.05倍よりも大きい場合には、3回目の測定を実施し、3回の測定による3つの測定値の平均値を当該試験片のゲルタイムとして記録した。
[ボイド評価]
超音波映像診断装置(製品名:Insight−300、インサイト株式会社製)により、半導体装置(封止接続体)のサンプルの外観画像を撮影した。得られた画像から、スキャナ(製品名:GT−9300UF、セイコーエプソン株式会社製)でチップ上の接着剤層の部分の画像を取り込んだ。画像処理ソフトAdobe Photoshop(登録商標)を用いて、色調補正、二階調化によりボイド部分を識別し、接着剤層の面積を100%として、ヒストグラムによりボイド部分の占める割合(ボイド発生率)を算出した。以下の基準によりボイドの発生状態を評価した。結果を表1に示した。
A:ボイド発生率が5%以下
B:ボイド発生率が5%より多い
Figure 2020136398
実施例1〜6の半導体用接着剤を用いることで、得られた半導体装置においてボイド発生が抑制されていることが確認された。一方、比較例1〜3の半導体用接着剤を用いた場合には、得られた半導体装置においてボイド発生率が高いことが確認された。
10…半導体チップ、12…半導体チップ本体、15…配線(接続部)、20…基板(配線回路基板)、22…基板本体、30…接続バンプ、32…バンプ(接続部)、34…貫通電極、40…接着剤層、41…圧着ヘッド、42…ステージ、43…押圧装置、50…インターポーザ、60…封止用樹脂、100,200,300,400,500,600,700…半導体装置。

Claims (7)

  1. 接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの前記接続部が互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの前記接続部が互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法に用いられる半導体用接着剤であって、
    前記接続部は金属からなり、
    前記製造方法は、
    (1)前記半導体チップ及び前記配線回路基板、又は、前記半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、前記接続部の金属の融点より低い温度で、それぞれの前記接続部が互いに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、
    (2)前記仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、
    (3)前記封止仮接続体を前記接続部の金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備え、
    前記半導体用接着剤は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)フラックス剤を含有し、且つ、フィルム状態にした際の最低溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である、半導体用接着剤。
  2. 接続部を有する半導体チップ及び接続部を有する配線回路基板を備え、それぞれの前記接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置、又は、接続部を有する複数の半導体チップを備え、それぞれの前記接続部が接続バンプを介して互いに電気的に接続された半導体装置の製造方法に用いられる半導体用接着剤であって、
    前記接続部及び前記接続バンプは金属からなり、
    前記製造方法は、
    (1)前記半導体チップ及び前記配線回路基板、又は、前記半導体チップ同士を、間に半導体用接着剤を介した状態で、前記接続バンプの金属の融点より低い温度で、それぞれの前記接続部が前記接続バンプに接触するように圧着し、仮接続体を得る第一工程と、
    (2)前記仮接続体の少なくとも一部を封止用樹脂を用いて封止し、封止仮接続体を得る第二工程と、
    (3)前記封止仮接続体を前記接続バンプの金属の融点以上の温度で加熱し、封止接続体を得る第三工程と、を備え、
    前記半導体用接着剤は、(a)エポキシ樹脂、(b)硬化剤及び(c)フラックス剤を含有し、且つ、フィルム状態にした際の最低溶融粘度が500Pa・s以上3500Pa・s以下である、半導体用接着剤。
  3. 前記(a)エポキシ樹脂の重量平均分子量が10000未満である、請求項1又は2に記載の半導体用接着剤。
  4. (d)重量平均分子量10000以上の高分子成分を更に含有する、請求項3に記載の半導体用接着剤。
  5. 前記(d)高分子成分の重量平均分子量が30000以上であり、且つ、ガラス転移温度が200℃以下である、請求項4に記載の半導体用接着剤。
  6. 前記半導体用接着剤は、フィルム状態にした際の175℃におけるゲルタイムが30秒以上60秒以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体用接着剤。
  7. フィルム状接着剤である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体用接着剤。
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