JP6002622B2 - 搬送装置 - Google Patents

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本発明は、シートを胴の周面全体で吸引しながら搬送する搬送装置に関する。
従来、シートを吸引しながら搬送する構成の枚葉輪転印刷機がある(例えば、特許文献1参照)。これは、シートの進行方向先頭側(咥え側)を爪でくわえ、当該シートの進行方向後端側(尻側)を吸引しながらシートを搬送する吸着胴と呼ばれる吸引機構を持った胴装置を備える印刷装置である。
特開2011−156791号公報
しかしながらかかる特許文献1の発明では、単にシートを反転するだけであり、シートの進行方向後端側(尻側)を吸引するものの、シートの進行方向先頭側(咥え側)については爪でくわえるだけの構成であるため、当該シートの全面を吸着しているとはいえず、吸引が部分的であるために当該シートに皺が生じたまま搬送してしまうというおそれがあった。
また特許文献1の発明では、吸着胴の周面に添接されたコロガイドが設けられているが、シートに皺が生じているときには、当該コロガイドにより皺が生じたまま当該吸着胴の周面にシートを密着させてしまうことになり、根本的な解決には至っていなかった。
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、シートの全面に皺を生じさせることなく当該シートを吸引して搬送し得る搬送装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、 シートを吸引して搬送する胴を備えた搬送装置において、前記胴に設けられ、シートを支持する支持面の周面全面に形成された複数の吸引用孔を有し、シートの全面を吸引する吸引エリアと、前記吸引エリアを円周方向に分割する複数の吸引部と、前記胴に対向して設けられ、シートと対接して当該シートを伸ばすシートローラと、負圧源と複数の前記吸引部との間に設けられ、前記負圧源とそれぞれの前記吸引部との接続を断接し、前記胴の回転に伴い複数の前記吸引部を当該胴の回転方向の下流側の吸引部から上流側の吸引部へ順番に前記負圧源と接続させる吸引切換部とを備え、複数の前記吸引部は、前記胴の側面に設けられ吸引室と連通する開口を備え、前記吸引切換部は、フレームに支持され前記胴の前記側面に接触し、当該胴の前記側面との接触面に前記開口の移動軌跡に沿う円弧状に形成され前記負圧源と接続された複数の負圧吸引流路が設けられる切換プレートを備え、前記吸引切換部は、前記吸引部のうち最下流側の吸引部が前記シートローラを通過するタイミングで前記吸引切換部による最下流側の前記吸引部のシートの吸引が開始するようにする。
請求項2の発明において、前記負圧吸引流路は前記胴の径方向に複数設けられているようにする。
請求項3の発明において、前記最下流側の吸引部の円周方向長さが、最小サイズのシー
トの搬送方向長さと等しいようにする。
請求項4の発明において、前記胴に設けられ、シートの先端を保持する第1のくわえ爪装置と、前記胴のシート搬送方向下流側に設けられた排紙側渡し胴と、前記排紙側渡し胴に設けられた第2のくわえ爪装置とを備え、前記吸引切換部は、前記第1のくわえ爪装置から前記第2のくわえ爪装置にシートがくわえ替えされた後吸引を終了するようにする。
本発明によれば、シートがシートローラを通過するタイミングに合わせて複数の吸引部によるシートの吸引を順番に開始することができるので、当該シートに対して一切の皺を生じさせない状態で搬送し得る搬送装置を実現することができる。
デジタル印刷装置の全体構成を示す側面図である。 反転スイング装置の構成を示す側面図である。 印刷胴の構成を示す側面図である。 印刷胴の吸引機構を示す側面図である。 吸引機構により吸引エリアを切り換えるための切換プレートの構成を示す側面図である。 シート長さに応じた吸引制御を行う場合の電気的構成を示すブロック図である。 くわえ側吸引エリアにおける吸着開始状態を示す側面図である。 中間部吸引エリアにおける吸着開始状態を示す側面図である。 紙尻側吸引エリアにおける吸着開始状態を示す側面図である。 くわえ側吸引エリアにおける吸着終了状態を示す側面図である。 中間部吸引エリアにおける吸着終了状態を示す側面図である。 紙尻側吸引エリアにおける吸着終了状態を示す側面図である。 デジタル印刷装置における印刷工程(1)を示す側面図である。 デジタル印刷装置における印刷工程(2)を示す側面図である。 デジタル印刷装置における印刷工程(3)を示す側面図である。 デジタル印刷装置における印刷工程(4)を示す側面図である。 デジタル印刷装置における印刷工程(5)を示す側面図である。 他の実施の形態におけるシート長さに応じた吸引制御を行う場合の構成を示すブロック図である。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
<デジタル印刷装置の構成>
図1に示すように、搬送装置としてのデジタル印刷装置1は、供給部としての給紙装置2、処理部としてのデジタル印刷ユニット3及び排出部としての排紙装置4を備える。
給紙装置2には、複数のシートS1が積載された積載台21および、その積載台21の最上段のシートS1をフィーダボードFBへ搬送するサッカー装置23が設けられている。サッカー装置23は、第1吸23aおよび第2吸23bを備え、第1吸23aおよび第2吸23bが連続供給バルブ26および間欠供給バルブ27を介して負圧源25と接続されている。
連続供給バルブ26および間欠供給バルブ27は、共に第1吸23aおよび第2吸23bの負圧源25からの吸引を断接するものであるが、後述するように吸引を断接するタイミングがそれぞれ異なっている。
フィーダボードFBのシート搬送方向先端側には、デジタル印刷ユニット3のフレーム3aに揺動自在に支持され、シートS1の一方の端部である先端(くわえ側端部)をくわえて保持する図示しないくわえ爪装置を備えたスイング装置31fが配設されている。スイング装置31fには給紙側渡し胴32が対向して配置され、その給紙側渡し胴32がフレーム3aに回転自在に支持されている。
給紙側渡し胴32には、スイング装置31fのくわえ爪装置により受け渡されるシートS1の先端をくわえた状態で保持するくわえ爪装置32aが設けられている。なおデジタル印刷ユニット3では、スイング装置31fおよび給紙側渡胴32により上流側シート搬送装置を構成している。
給紙側渡し胴32には、スイング装置31fよりもシート搬送方向下流側に胴としての印刷胴33が対接配置され、その印刷胴33がフレーム3aに回転自在に支持されている。印刷胴33は、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aからシートS1の先端を受け取って保持する印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cと、この印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cに対応して設けられシートS1を支持する支持面33d、33e、33fとを備え、本実施の形態においては、印刷胴くわえ爪装置と支持面との組が3組設けられた3倍胴として構成されており、その直径も給紙側渡し胴32の3倍の直径を有している。ここで、シートS1を保持する印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cは円周方向に互いに120度位相をずらした状態で設けられている。この実施の形態においては、印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cが本発明でいう「第1のくわえ爪装置」に相当する。
印刷胴33の支持面33d、33e、33fには複数の吸引用孔33h(図3)が各支持面33d、33e、33fの周面全体に形成されており、その複数の吸引用孔33hが負圧源と接続されている。また印刷胴33には、給紙側渡し胴32との対接部分よりもシート搬送方向下流側であり、その対接部分の近傍位置に表面がゴムで構成されたシートローラ51が対向して配置され、そのシートローラ51がフレーム3aに回転自在に支持されている。シートローラ51は、シートS1を印刷胴33の支持面33d、33e、33fに押し付け当該シートS1の皺を伸ばすものである。
この印刷胴33の給紙側渡し胴32との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、当該印刷胴33の周面に対向してインクジェットノズル部34が配置されている。
インクジェットノズル部34には、互いに異なる色のインキがセットされた複数のインクジェットノズルヘッド34a〜34dが印刷胴33の周面に沿ってシート搬送方向に並設され、それぞれが印刷胴33の周面を指向している。インクジェットノズルヘッド34a〜34dは、印刷胴33の支持面33d、33e、33fに複数の吸引用孔33h(図3)を介して全面吸着されたシートS1との隙間が僅かな間隔となるよう印刷胴33に近接して配設されている。なお、印刷胴33、インクジェットノズル部34によりシート印刷装置を構成している。
印刷胴33のインクジェットノズル部34よりもシート搬送方向下流側には、印刷胴33に対接配置され、シートS1に赤外線や紫外線などの光を照射して当該シートS1上に印刷されたインキを乾燥させる乾燥装置としてのインキ乾燥ランプ35が設けられている。ここで、乾燥とは熱エネルギーを与えてインキの水分を蒸発させることやインキを硬化させることを含むものであり、固化と言い換えることができる。
印刷胴33には、インクジェットノズル部34よりもシート搬送方向下流側に、第1の排紙側渡し胴36が対接配置され、その第1の排紙側渡し胴36がフレーム3aに回転自在に支持されている。第1の排紙側渡し胴36には、印刷胴33により搬送されるシートS1の先端を印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cから受け取って保持するくわえ爪装置36aが設けられている。この実施の形態においては、この第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aが本発明でいう「第2のくわえ爪装置」に相当する。
第1の排紙側渡し胴36の印刷胴33との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、第2の排紙側渡し胴37が第1の排紙側渡し胴36と対接配置され、その第2の排紙側渡し胴37がフレーム3aに回転自在に支持されている。第2の排紙側渡し胴37には、第1の排紙側渡し胴36により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持するくわえ爪装置37aが設けられている。
第2の排紙側渡し胴37の第1の排紙側渡し胴36との対接部分よりもシート搬送方向下流側には紙取胴38が対接配置され、その紙取胴38がフレーム3aに回転自在に支持されている。紙取胴38には、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持するくわえ爪装置38aが設けられている。
紙取胴38の下方には、シートS1を搬送するベルトコンベア状のデリバリーベルト40が配設されている。デリバリーベルト40のシート搬送方向先端側には、デジタル印刷ユニット3によりデジタル印刷処理の施されたシートS1を積載する積載台41が設けられている。なお、紙取胴38、デリバリーベルト40、積載台41により排紙装置4を構成し、紙取胴38およびデリバリーベルト40により搬送されるシートS1の経路がシート排出経路を構成する。
第2の排紙側渡し胴37の紙取胴38との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、反転前倍胴39が対接配置され、その反転前倍胴39がフレーム3aに回転自在に支持されている。反転前倍胴39は、第2の排紙側渡し胴37の2倍の直径を有する2倍胴であり、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持する単一のくわえ爪装置39aが設けられている。ここで、反転前倍胴39は、両面印刷モードが選択されてシートS1が間欠給紙される場合に用いられるものであるため、くわえ爪装置39aが少なくとも1つ単独で備えられていれば十分であり、それにより構成が簡素化されている。
反転前倍胴39の第2の排紙側渡し胴37との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、図2に示されるように、シートS1の他方の端部としての後端(尻側端部)を受け取って保持するくわえ爪装置31btを備えた反転スイング装置31bが対向して配置されている。なお、反転スイング装置31bはシートS1の表裏を反転させる反転部を構成する。
反転スイング装置31bは、印刷胴33の第1の排紙側渡し胴36との対接部分よりも印刷胴33の回転方向下流側かつ給紙側渡し胴32との対接部分よりも印刷胴33の回転方向上流側において印刷胴33に対向して配置されている。そして、この反転スイング装置31bは、反転前倍胴39により搬送されるシートS1の後端を受け取る破線で示された受取位置(図1)と、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cにシートS1の後端を受け渡す実線で示された受渡位置(図1)との間で揺動自在にフレーム3aに支持されている。なお、第1の排紙側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、反転前倍胴39、反転スイング装置31bにより反転機構を構成し、第1の排紙側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、反転前倍胴39、反転スイング装置31bにより搬送されるシートS1の経路がシート反転経路を構成する。
第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aは、紙取胴38のくわえ爪装置38aと反転前倍胴39のくわえ爪装置39aとに選択的にシートS1を受け渡すことが可能に駆動される。また、紙取胴38のくわえ爪装置38aは、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を選択的に受け取ることが可能に駆動され、これらくわえ爪装置37a、38aはシートS1の搬送先を排紙装置4または反転スイング装置31bに切替える、すなわち、シートS1の搬送経路をシート排出経路またはシート反転経路に切替える搬送経路切替手段82(図6)を構成する。
<印刷胴の構成>
図3乃至図5に示すように印刷胴33の支持面33d、33e、33fには、その周面の矢印で示されるシート搬送方向に所定間隔ごとに複数の吸引孔33hが形成されるとともに、図示しないが、周面のシート幅方向(軸方向)に対しても所定間隔ごとに複数の吸引孔33hが形成されており、かくして多数の吸引孔33hは周面全体にマトリクス状に配置されている。
印刷胴33は、その周面における印刷胴くわえ爪装置33aと印刷胴くわえ爪装置33bとの間の吸引エリアVA1が、シートS1の先端側を吸引する最下流側の吸引部としてのくわえ側吸引部VA1k、シートS1の中間部分を吸引する中間吸引部VA1m、シートS1の後端側を吸引する紙尻側吸引部VA1hによって円周方向に複数に分割されている。なお、くわえ側吸引部VA1kの円周長は最小シートS1の搬送方向長さに設定されており、したがって、最小シートS1は全面がくわえ側吸引部VA1kに吸引されることになる。
くわえ側吸引部VA1kにおける複数の吸引孔33hの下方には吸引室65kが設けられ、中間吸引部VA1mにおける複数の吸引孔33hの下方には吸引室65mが設けられるとともに、紙尻側吸引部VA1hにおける複数の吸引孔33hの下方には吸引室65hが設けられている。ここで吸引室65kはあたかも3つ存在するようにみえるが、空間的に繋がった1つの吸引空間である。
くわえ側吸引部VA1kの吸引室65kには吸引孔61ksが設けられ、当該吸引孔61ksは印刷胴33の側面に設けられた開口61keと吸引管61kにより接続されている。
中間吸引部VA1mの吸引室65mには吸引孔61msが設けられ、吸引孔61msは印刷胴33の側面に設けられた開口61meと吸引管61mにより接続されている。
紙尻側吸引部VA1hの吸引室65hには吸引孔61hsが設けられ、吸引孔61hsは印刷胴33の側面に設けられた開口61heと吸引管61hにより接続されている。
なお図4に示すように印刷胴33は、印刷胴くわえ爪装置33bと印刷胴くわえ爪装置33cとの間の吸引エリアVA2、および印刷胴くわえ爪装置33cと印刷胴くわえ爪装置33aとの間の吸引エリアVA3についても、シート搬送方向に向かってくわえ側吸引部VA2k、VA3k、中間吸引部VA2m、VA3m、および紙尻側吸引部VA2h、VA3hのように分割されている。吸引エリアVA2、VA3については、吸引管62k、63k、吸引管62m、63m及び吸引管62h、63hが設けられているため、吸引エリアVA1と同様の機能を果たすように構成されている。
因みに印刷胴33(図3)は、当該印刷胴33(図1)の反対側から見た状態が示されており、吸引エリアVA1乃至VA3等の位置関係が全て逆向きとなっている。フレーム3aには、略C字状でなる吸引切換部としての切換プレート71(図4)が、当該切換プレート71の表面(接触面)が印刷胴33の側面に面接触した状態で取り付けられる。
図5に示すように切換プレート71は、その裏面にスプリング装着穴75a及び75b、76a及び76b、77a及び77b、78a及び78b、79a及び79b、80a及び80bが所定間隔ごとに設けられており、これらのスプリング装着穴にはスプリング(図示せず)が装着され、当該スプリングにより切換プレート71の表面が印刷胴33の側面に押し付けられる。
切換プレート71の表面には、くわえ側吸引部VA1k、VA2k、VA3kの開口61ke、62ke、63keが印刷胴33の回転に伴う移動軌跡に沿う円弧状の溝でなる負圧吸引流路72l及び72rが形成されている。但し、負圧吸引流路72l及び72rは別々に形成されるのではなく、負圧吸引流路72lと負圧吸引流路72rとが繋がって一つの負圧吸引流路として形成されても良い。
また、切換プレート71の表面には、くわえ側吸引部VA1m、VA2m、VA3mの開口61me、62me、63meが印刷胴33の回転に伴う移動軌跡に沿う円弧状の溝でなる負圧吸引流路73l及び73rが形成されている。但し、負圧吸引流路73l及び73rは別々に形成されるのではなく、負圧吸引流路73lと負圧吸引流路73rとが繋がってひとつの負圧吸引流路として形成されても良い。
さらに、切換プレート71の表面には、くわえ側吸引部VA1h、VA2h、VA3hの開口61he、62he、63heが印刷胴33の回転に伴う移動軌跡に沿う円弧状の溝でなる負圧吸引流路74l及び74rが形成されている。但し、負圧吸引流路74l及び74rは別々に形成されるのではなく、負圧吸引流路74lと負圧吸引流路74rと繋がってひとつの負圧吸引流路として形成されても良い。
負圧吸引流路72l及び72r、負圧吸引流路73l及び73r、負圧吸引流路74l及び74rには、それぞれ流路口72lx及び72rx、流路口73lx及び73rx、流路口74lx及び74rxが設けられ、これら流路口72lx、72rx、73lx、73rx、74lx、74rxは負圧源(図示せず)と接続されている。従って、これら切換プレート71の流路口72lx及び72rx、流路口73lx及び73rx、流路口74lx及び74rxは、印刷胴33の回転中に、開口61ke〜61he、開口62ke〜62he、開口63ke〜63heと負圧吸引流路72l及び72r、負圧吸引流路73l及び73r、負圧吸引流路74l及び74rを介して連通するように構成されている。
ここで、シートローラ51は、最下流側の吸引部であるくわえ側吸引部VA1kの後端部(くわえ側吸引部VA1kにおける印刷胴33の回転方向の上流側端部)が通過するタイミングで当該くわえ側吸引部VA1kの開口61keが負圧吸引流路72lと対向する位置に設けられている。
<デジタル印刷装置の制御系の構成>
図6に示すように、デジタル印刷装置1は、全体を統括制御するためのCPU(Central processing Unit)構成でなる制御部としての制御装置81を備えている。制御装置81には、シートS1の片面だけにデジタル印刷処理を施す片面印刷モード、シートS1の表面および裏面の両面にデジタル印刷処理を施す両面印刷モードの何れかを作業者に選択させる印刷モード選択スイッチ80、給紙装置2の連続供給バルブ26および間欠供給バルブ27、インクジェットノズル部34の各インクジェットノズルヘッド34a〜34d、搬送経路切替手段82、シートS1のシート長を入力するシート長入力部85、および、印刷胴33の吸引エリアVA1、VA2、VA3の吸引管61k〜63k、吸引管61m〜63m、吸引管61h〜63hの切替バルブ90が接続されている。
<デジタル印刷装置の印刷動作>
このように構成されたデジタル印刷装置1の印刷動作について、片面印刷モードが選択
された場合と、両面印刷モードが選択された場合とに分けて説明する。但し、ここでは、シートS1のシート長は印刷胴33の吸引エリアVA1、VA2およびVA3に相当する最大長さであり、デフォルトとして吸引管61k〜63k、吸引管61m〜63m、吸引管61h〜63hの切替バルブ90が全て「開」となっている場合について説明する。
図1に示されるように、作業者の印刷モード選択スイッチ80の操作により片面印刷モードが選択されると、制御装置81は連続供給バルブ26を作動させ、これにより第1吸23aおよび第2吸23bが積載台21のシートS1を吸着しフィーダボードFBへ搬送する。
連続供給バルブ26は、印刷胴33の1回転中に当該印刷胴33に設けられた印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cの数と同じ枚数のシートS1を供給するタイミング、換言すると、印刷胴33における印刷胴くわえ爪装置33a乃至33cと、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aとが対向するタイミング(第1の周期)ごとにバルブが「開」して第1吸23aおよび第2吸23bの負圧源25からの吸引が行なわれるように制御装置81によって制御される。このように、印刷胴33の全ての印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cがシートS1をくわえるように当該シートS1を供給することを連続給紙と呼び、連続給紙における連続供給バルブ26の開閉周期を第1の周期と呼ぶ。連続供給バルブ26の作動により、サッカー装置23はシートS1を第1の周期でフィーダボードFBへ供給する。
フィーダボードFBにより搬送されるシートS1はその先端がスイング装置31fのくわえ爪装置によって保持された後に給紙側渡し胴32へ向かって揺動して搬送され、その給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aに当該シートS1の先端がくわえ替えされる。
給紙側渡し胴32の回転に伴って搬送されるシートS1は、印刷胴33との対接部分において給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aから印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの何れかにその先端がくわえ替えされた後、印刷胴33の回転とともに搬送される。ここで、切換プレート71の表面は印刷胴33の側面に押し付けられているため、印刷胴33は当該切換プレート71の表面と摺接しながら回転する。
給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aから印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33bにくわえ替えされたシートS1は、シートローラ51により支持面33dに押し付けられ、印刷胴33の円周方向および/または軸方向に広げられる。これによりシートS1は皺が伸ばされて印刷胴33の支持面33dに密着する。
図7に示すように、くわえ側吸引部VA1kの後端部がシートローラ51を通過するタイミングでは、印刷胴33の回転に伴い、吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1kの開口61keの開口と切換プレート71の負圧吸引流路72lの一方の端部としての開始端とが対向状態になり、吸引室65kと負圧源(図示せず)とが連通状態となるので、くわえ側吸引部VA1kの吸引室65kと連通した複数の吸引孔33hからの吸引が開始される。
吸引管61kの吸引開始タイミングは、印刷胴33の吸引室65kがシートローラ51を通過した直後である。これにより、シートS1はくわえ側吸引部VA1kの範囲でシートローラ51により皺が伸ばされて密着した後に吸着されるため、皺がない状態で支持面33dに密着される。
但し、この時点では、吸引エリアVA1における中間吸引部VA1mの開口61me及び紙尻側吸引部VA1hの開口61heと、切換プレート71の負圧吸引流路73l及び負圧吸引流路74lとが対向状態になっていないため、中間吸引部VA1m及び紙尻側吸引部VA1hにおける吸引は開始されていない。
続いて図8に示すように、くわえ側吸引部VA1kの範囲が吸引され密着したシートS1は、印刷胴33の回転に伴い、その中間部がシートローラ51と対向することにより支持面33dに押し付けられ、印刷胴33の円周方向および/または軸方向に広げられる。これによりシートS1の中間部は皺が伸ばされて印刷胴33の支持面33dに密着される。
このとき、吸引エリアVA1における中間吸引部VA1mの開口61meと切換プレート71の負圧吸引流路73lの一方の端部としての開始端とが対向状態になり、吸引室65mと負圧源(図示せず)とが連通状態となるので、中間吸引部VA1mの吸引室65mと連通した複数の吸引孔33hからの吸引が開始される。
吸引管61mの吸引開始タイミングは、印刷胴33の吸引室65mとシートローラ51とが対向しているときである。これにより、シートS1は中間吸引部VA1mの範囲でシートローラ51により皺伸ばしされると同時に吸引され、皺がない状態で支持面33dに密着される。
この時点では、くわえ側吸引部VA1kの開口61keと切換プレート71の負圧吸引流路72lとの対向状態が継続しているため、くわえ側吸引部VA1kの吸引室65kに対する吸引については継続されているが、紙尻側吸引部VA1hの開口61heと、切換プレート71の負圧吸引流路74lの一方の端部としての開始端とは未だ対向状態になっていないため、紙尻側吸引部VA1hにおける吸引は開始されていない。
続いて図9に示すように、くわえ側吸引部VA1kおよび中間吸引部VA1mの範囲が吸引され密着したシートS1は、印刷胴33の回転に伴い、その後端部がシートローラ51と対向することにより支持面33dに押し付けられ、印刷胴33の円周方向および/または軸方向に広げられる。これによりシートS1は皺が伸ばされて印刷胴33の支持面33dに密着される。
このとき、吸引エリアVA1における紙尻側吸引部VA1hの開口61heの開口と切換プレート71の負圧吸引流路74lの一方の端部としての開始端とが対向状態になり、吸引室65hと負圧源(図示せず)とが連通状態となるので、紙尻側吸引部VA1hの吸引室65hと連通した複数の吸引孔33hからの吸引が開始される。
吸引管61hの吸引開始タイミングは、印刷胴33の吸引室65hとシートローラ51とが対向しているときである。これにより、シートS1は紙尻側吸引部VA1hの範囲でシートローラ51により皺伸ばしされると同時に吸引され、皺がない状態で支持面33dに密着される。
このとき、くわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1m、及び紙尻側吸引部VA1hの全てにおいてシートS1に対する吸引が行なわれることになり、シートローラ51により皺の無い状態にされたシートS1の全面が吸引エリアVA1の全体で吸着される。
このように印刷胴33の回転に伴って、くわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1m、および紙尻側吸引部VA1hによるシートS1の吸引を順番に開始するので、シートS1を先端から後端へ向かって印刷胴33の周面に次第に吸着させながらインクジェットノズル部34へ搬送することができる。すなわち、シートS1がシートローラ51を通過するくわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの順番で吸引されるので、シートローラ51を通過する前の無駄な空吸いを防止し、効率的にシートS1を吸引しながらインクジェットノズル部34へ搬送することができる。
印刷胴33により搬送されるシートS1の表面には、インクジェットノズル部34のインクジェットノズルヘッド34a〜34dから微滴化されたインクが吹き付けられることによりデジタル印刷処理が施される。このときシートS1の全面は、印刷胴33における複数の吸引用孔33hを介して当該印刷胴33の周面に吸着され、インクジェットノズル部34のインクジェットノズルヘッド34a〜34dと最小の微少間隔を維持した状態で搬送される。この微小間隔が維持されることにより吐出されたインクがシートS1に高精度で着弾することができ、高品質な印刷を行うことができる。そして、印刷胴33とインキ乾燥ランプ35との間を通過する際、当該インキ乾燥ランプ35からの光が照射されることによりシートS1のインキが乾燥され、当該シートS1は第1の排紙側渡し胴36へ搬送される。
その後、図10に示すように、印刷胴33の回転に伴い、吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1kの開口61keの開口と切換プレート71の負圧吸引流路72rの他方の端部としての終了端との対向状態が解消されると、吸引管61kと負圧吸引流路72lとの連通状態が断たれ、負圧源(図示せず)によるくわえ側吸引部VA1kの吸引室65kに対する吸引が終了する。
吸引管61kの吸引終了タイミングは、印刷胴33のくわえ爪装置33bから第1の排紙側渡胴36のくわえ爪装置36aにシートS1がくわえ替えされた後であり、シートS1のくわえ側吸引部VA1kに支持された部分が第1の排紙側渡胴36の周面に支持された後である。
但し、この場合、吸引エリアVA1における中間吸引部VA1mの開口61me及び紙尻側吸引部VA1hの開口61heと、切換プレート71の負圧吸引流路73R及び負圧吸引流路74Rとの対向状態が継続されているため、中間吸引部VA1m及び紙尻側吸引部VA1hにおけるシートS1の吸引は継続されている。
続いて図11に示すように、更なる印刷胴33の回転に伴い、吸引エリアVA1における中間吸引部VA1mの開口61meと切換プレート71の負圧吸引流路73rの他方の端部としての終了端との対向状態が解消されると、吸引管61mと負圧吸引流路73rとの連通状態が断たれ、負圧源(図示せず)による中間吸引部VA1mの吸引室65mに対する吸引が終了する。
吸引管61mの吸引終了タイミングは、シートS1のうち中間吸引部VA1mの吸引室65mによって吸引された部分が印刷胴33から第1の排紙側渡胴36の周面に支持された後である。
最後に図12に示すように、更なる印刷胴33の回転に伴い、吸引エリアVA1における紙尻側吸引部VA1hの開口61heと切換プレート71の負圧吸引流路74rの他方の端部としての終了端との対向状態が解消されると、吸引管61hと負圧吸引流路73rとの連通状態が断たれ、負圧源(図示せず)による紙尻側吸引部VA1hの吸引室65hに対する吸引が終了する。
吸引管61hの吸引終了タイミングは、シートS1のうち紙尻側吸引部VA1hの吸引室65hによって吸引された部分が印刷胴33から第1の排紙側渡胴36の周面に支持された後、すなわちシートS1の全部が印刷胴33から第1の排紙側渡胴36へ受け渡された後である。
次に、シートS1が最小サイズのシートであり、そのシート長が吸引エリアVA1のくわえ側吸引部VA1kだけで吸引される最短長さである場合と、吸引エリアVA1のくわえ側吸引部VA1kおよび中間吸引部VA1mで吸引される中間長さである場合のシート長に応じた吸引動作について説明する。
シートS1のシート長がシート長入力部80を介してユーザにより予め入力されると、その入力結果に基づいて制御装置81がシートS1のシート長を認識する。制御装置81は、例えばシートS1がくわえ側吸引部VA1kにのみ相当する最短長さであることを認識すると、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hにそれぞれ対応した吸引管61mおよび吸引管61hの切替バルブ90を閉め(オフ)、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの吸引を停止する。
また制御装置81は、シート長入力部80の入力結果に基づいてシートS1がくわえ側吸引部VA1k及び中間吸引部VA1mに相当する中間長さであることを認識すると、紙尻側吸引部VA1hに対応した吸引管61hの切替バルブ90を閉め(オフ)、紙尻側吸引部VA1hの吸引を停止する。
これにより、シートS1のシート長がくわえ側吸引部VA1kにのみ相当する最短長さである場合、くわえ側吸引部VA1kだけでシートS1の全面を吸引し、予め中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hによる無駄な吸引を行わなせずに済ませることができる。
同様に、シートS1のシート長がシート長入力部80を介してユーザにより予め入力され、シート長がくわえ側吸引部VA1k及び中間吸引部VA1mに相当する中間長さであることを制御部81が認識すると、紙尻側吸引部VA1hに対応した吸引管61hの切替バルブ90だけを閉め(オフ)、紙尻側吸引部VA1hの吸引だけを停止する。
これにより、シートS1のシート長がくわえ側吸引部VA1k及び中間吸引部VA1mに相当する中間長さである場合、くわえ側吸引部VA1kと中間吸引部VA1mとによりシートS1を吸引し、予め紙尻側吸引部VA1hによる無駄な吸引を行わなせずに済ませることができる。
図13に示すように、印刷胴33と第1の排紙側渡し胴36との対接部分において印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cから第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aにシートS1の先端がくわえ替えされる。その後、図14に示すように、第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aに保持されたシートS1は、第1の排紙側渡し胴36と第2の排紙側渡し胴37との対接部分において、第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aから第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aにその先端がくわえ替えされる。
片面印刷モードの場合、第2の排紙側渡し胴37と紙取胴38との対接部分において、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aがシートS1の先端の保持を解除するとともに、紙取胴38のくわえ爪装置38aがシートS1の先端をくわえて保持し、くわえ替えが行なわれる。これによりシートS1は第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へくわえ替えされて搬送される。
紙取胴38にくわえ替えされたシートS1は、デリバリーベルト40の上方に紙取胴38のくわえ爪装置38aが位置したタイミングで当該くわえ爪装置38aによる保持が解除され、デリバリーベルト40上に載せられる。
デリバリーベルト40上に載せられたシートS1は当該デリバリーベルト40の走行とともに搬送され、表面にデジタル印刷処理の施されたシートS1が積載台41上に排出される。
一方、作業者の印刷モード選択スイッチ80の操作により両面印刷モードが選択された場合、制御装置81は間欠供給バルブ27を作動し、これにより第1吸23aおよび第2吸23bが積載台21のシートS1を吸着しフィーダボードFBへ搬送する。
間欠供給バルブ27は、連続給紙のタイミングに対して1枚おきのタイミングでシートS1を供給するタイミング、換言すると、印刷胴33における印刷胴くわえ爪装置33a乃至33cと、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aとが対向するタイミング(第2の周期)で、バルブが「開」、「閉」、「開」、「閉」、…、となるように制御装置81によって制御される。これは、連続供給の周期の2倍の周期である。このように、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cが一つおきにシートS1をくわえるように当該シートS1を供給することを間欠給紙と呼び、間欠給紙における間欠供給バルブ27の開閉周期を第2の周期と呼ぶ。間欠供給バルブ27の作動により、サッカー装置23はシートS1を第2の周期で1枚おきに間欠的に吸着しフィーダボードFBへ搬送する。
サッカー装置23によりフィーダボードFBへ送り出されたシートS1は、片面印刷モードの場合と同様にスイング装置31fおよび給紙側渡し胴32を介して印刷胴33に受け渡されるが、シートS1は間欠給紙のタイミングで送り出されているため、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cは一つおきに給紙側渡し胴32から搬送される新規なシートS1を受取る。
その後、シートS1はインクジェットノズル部34に搬送され、その一方の面(表面)に表面用の印刷が施される。ここで、制御装置81は、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの一つおきに保持された新規なシートS1に対して印刷を施し、シートS1を保持していない印刷胴くわえ爪装置33a〜33cに対応する支持面33d〜33fに対して印刷を行なわないようにインクジェットノズル部34の各インクジェットノズルヘッド34a〜34dを制御する。
両面印刷モードの場合には、インクジェットノズル部34により表面に印刷が施されたシートS1は、第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へ受け渡されずに、反転前倍胴39に受け渡される。
このように両面印刷モードの場合であって、表面に印刷が施されているが他方の面(裏面)には印刷が施されていない場合には、制御装置81により搬送経路切替手段82が制御され、第2の排紙側渡し胴37と紙取胴38との対接部分において第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aの爪は開かずに閉じたままの状態、すなわちシートS1の先端を保持した状態が維持されるとともに、紙取胴38のくわえ爪装置38aの爪は閉じずに開いた状態が維持される。
これによりシートS1は第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へくわえ替えされることなく反転前倍胴39へ搬送される。第2の排紙側渡し胴37と反転前倍胴39との対接部分において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aの爪を閉じてシートS1の先端を保持させるとともに、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aの爪を開いてシートS1の先端の保持を解除させ、図15に示すように、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aから反転前倍胴39のくわえ爪装置39aにシートS1の先端がくわえ替えされる。
図16に示すように、反転前倍胴39の回転とともに搬送されるシートS1は、反転スイング装置31bが実線で示される受渡位置から破線で示される受取位置へ揺動し、シートS1の後端を当該反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btにより保持すると同時に、反転前倍胴39のくわえ爪装置39aによるシートS1の先端に対する保持を解除する。
図17に示すように、反転スイング装置31bの破線で示す受取位置から実線で示す受渡位置への揺動によりシートS1はその後端を先頭にして印刷胴33に向けて搬送され、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの何れかに表裏反転状態のシートS1の後端がくわえ替えされる。
ここで、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cは給紙側渡し胴32から搬送される新規なシートS1を一つおきに保持しているのであるが、反転スイング装置31bは新規なシートS1を保持しない印刷胴くわえ爪装置33a〜33cと対向するタイミングで受渡位置へ位置付けられ、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btからシートS1の後端を印刷胴くわえ爪装置33a〜33cへ受け渡す。これにより、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cには、給紙側渡し胴32から受け渡された新規なシートS1と反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1とが交互に保持され、インクジェットノズル部34へ搬送される。
このとき反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1は、インクジェットノズル部34により既にデジタル印刷処理の施された表面(デジタル印刷処理済みの面)が印刷胴33の支持面33d、33e、33fと対接し、シートS1の裏面(デジタル印刷未処理の面)が露出した状態で、シートS1の後端が印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cにより保持された状態のまま搬送される。
シートS1の後端が保持された状態で印刷胴33とシートローラ51との間を通過する際、当該シートローラ51によって当該シートS1が引き伸ばされ、皺の無い状態のシートS1が印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの何れかによりくわえられ、かつ、片面印刷モードの場合と同様に、当該シートS1の全面が複数の吸引用孔33hにより皺の無い状態で全面吸着されながらインクジェットノズル部34へ向かって搬送される。
ここで、制御装置81は、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1に対しては裏面用の印刷を施し、印刷胴33のくわえ爪装置33a〜33cのひとつおきに保持された新規なシートS1に対しては表面用の印刷を施すようにインクジェットノズル部34の各インクジェットノズルヘッド34a〜34dを制御する。これにより、インクジェットノズルヘッド34a〜34dは、印刷胴33に交互に保持された新規なシートS1と表裏反転状態のシートS1に対応して表面用の印刷と裏面用の印刷を交互に行うことになる。
その後、裏面に裏面用の印刷が施されたシートS1は、片面印刷モードの場合と同様に、第1の排出側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、紙取胴38を順次介してデリバリーベルト40から排紙装置4の積載台41へ排出される。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、シートS1のシート長がシート長入力部85を介してユーザにより入力されると、制御装置81がシートS1のシート長さを認識し、吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの吸引を切替バルブ90を介して個別に制御するようにした場合について述べた。
本発明はこれに限るものではなく、吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの吸引を個別に制御することにくわえて、更に、シートS1のシート幅(印刷胴33の軸方向の長さ)に対応させて吸引を制御するようにしても良い。すなわち、吸引部をシート搬送方向長さである円周方向だけでなくシート幅方向にも複数に分割して、シート幅入力部(図示せず)に入力されたシート幅に基づいて、制御装置81がシート幅方向へ分割しておいた複数の吸引部の吸引を個別に制御するようにしても良い。
また、上述した実施の形態においては、シートS1のシート長がシート長入力部85を介してユーザにより入力されると、制御装置81がシート長さを認識し、吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの吸引を切替バルブ90を介して個別に制御するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、図6との対応部分に同一符号を付した図18に示すように、印刷胴33の位相を検出するロータリーエンコーダ87および給紙側渡し胴32の近傍に設けられた光電センサでなるシート有無検知センサ86が制御装置81に接続された構成であれば、ロータリーエンコーダ87により検出された印刷胴33の位相においてシート有無検知センサ86によるシートS1の有無を検知することによりシートS1のシート長を算出し、そのシート長に応じて吸引エリアVA1におけるくわえ側吸引部VA1k、中間吸引部VA1mおよび紙尻側吸引部VA1hの吸引を個別に制御するようにしても良い。
さらに、上述した実施の形態においては、3倍胴でなる印刷胴33を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2倍胴、4倍胴、6倍胴等でなる印刷胴を用いるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、本発明の搬送装置をデジタル印刷装置1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、シートS1を皺の無い状態で搬送することの必要なオフセット印刷装置、検査装置等に適用するようにしてもよい。
1…デジタル印刷装置(搬送装置)、2…給紙装置、3…デジタル印刷ユニット、4…排紙装置、21…積載板、23…サッカー装置、25…負圧源、26…連続供給バルブ、27…間欠供給バルブ、31b…反転スイング装置、31f…スイング装置、32…給紙側渡し胴、33…印刷胴(胴)、33h…吸引用孔、34…インクジェットノズル部、35…インキ乾燥ランプ、36…第1の排紙側渡し胴、37…第2の排紙側渡し胴、38…紙取胴、39…反転前倍胴、41…デリバリーベルト、FB…フィーダボード、S1…シート、51…シートローラ、61〜63…吸引管、71…切換プレート(吸引切換部)、72〜74…吸引流路、80…印刷モード選択スイッチ、81…制御装置、85…シート長入力部、82…搬送経路切替手段、87…ロータリーエンコーダ、90…吸引管の切替バルブ、VA1〜VA3…吸引エリア。

Claims (4)

  1. シートを吸引して搬送する胴を備えた搬送装置において、
    前記胴に設けられ、シートを支持する支持面の周面全面に形成された複数の吸引用孔を有し、シートの全面を吸引する吸引エリアと、
    前記吸引エリアを円周方向に分割する複数の吸引部と、
    前記胴に対向して設けられ、シートと対接して当該シートを伸ばすシートローラと、
    負圧源と複数の前記吸引部との間に設けられ、前記負圧源とそれぞれの前記吸引部との接続を断接し、前記胴の回転に伴い複数の前記吸引部を当該胴の回転方向の下流側の吸引部から上流側の吸引部へ順番に前記負圧源と接続させる吸引切換部と
    を備え、
    複数の前記吸引部は、前記胴の側面に設けられ吸引室と連通する開口を備え、
    前記吸引切換部は、フレームに支持され前記胴の前記側面に接触し、当該胴の前記側面との接触面に前記開口の移動軌跡に沿う円弧状に形成され前記負圧源と接続された複数の負圧吸引流路が設けられる切換プレートを備え、
    前記吸引切換部は、前記吸引部のうち最下流側の吸引部が前記シートローラを通過するタイミングで前記吸引切換部による最下流側の前記吸引部のシートの吸引が開始する
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 前記負圧吸引流路は前記胴の径方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記最下流側の吸引部の円周方向長さが、最小サイズのシートの搬送方向長さと等しい ことを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  4. 前記胴に設けられ、シートの先端を保持する第1のくわえ爪装置と、
    前記胴のシート搬送方向下流側に設けられた排紙側渡し胴と、
    前記排紙側渡し胴に設けられた第2のくわえ爪装置と、
    を備え、
    前記吸引切換部は、前記第1のくわえ爪装置から前記第2のくわえ爪装置にシートがくわえ替えされた後吸引を終了することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
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