JP2001206585A - ペーパの吸着搬送機構およびペーパの吸着搬送方法ならびにこれを備えたプリンタ装置 - Google Patents

ペーパの吸着搬送機構およびペーパの吸着搬送方法ならびにこれを備えたプリンタ装置

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JP2001206585A
JP2001206585A JP2000013724A JP2000013724A JP2001206585A JP 2001206585 A JP2001206585 A JP 2001206585A JP 2000013724 A JP2000013724 A JP 2000013724A JP 2000013724 A JP2000013724 A JP 2000013724A JP 2001206585 A JP2001206585 A JP 2001206585A
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suction
drum
paper
peripheral surface
suction holes
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JP2000013724A
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English (en)
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Koji Ujino
孝二 氏野
Yuji Yamamoto
有治 山本
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Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻き癖を有するペーパや厚みがあって腰の強
いペーパであっても、ドラムの外周面への密着性を好適
に維持して良好な搬送状態を得ることができるペーパの
吸着搬送機構を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明に係るペーパの吸着搬送機構は、
回転自在なドラム2の外周面2aにペーパPを張り付け
て回転搬送するペーパの搬送機構であって、前記ドラム
2に、その外周面2aにて開口する吸引孔3が複数形成
されると共に、該吸引孔3,…を介してドラム2の外周
面2aの表面側の空気を吸引する吸引手段が設けられ、
ペーパPを負圧吸引力によってドラム2の外周面2aに
密着させることを特徴とする.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙等のペーパ
の吸着搬送機構およびペーパの吸着搬送方法ならびにこ
れを備えたプリンター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ペーパを搬送しつつ所定の処
理を行なう装置の一例として、記録紙に印刷を行なうプ
リンタ装置は、ラインプリンタ、シリアルプリンタ、ペ
ージプリンタ等の種々のものが提供されており、近年の
技術進歩に伴い、解像度の高い鮮明な画像を印刷するこ
とが可能になった。
【0003】これらのプリンタ装置に採用される搬送機
構には、円筒状のドラムに記録紙を巻き付け、これを回
転搬送させる方式と、記録紙を直線搬送させる方式とが
あるが、例えば特開平6−206326号公報所載の発
明に係るプリンタ装置には、前者のいわゆるドラム方式
が採用されている。
【0004】上記公報所載の発明は、図13に示す如
く、回転自在な円筒状のドラム100の外周面に、記録
紙(ペーパ)P’を吸引して保持する静電吸着層101
を備え、この静電吸着層101によって記録紙P’をド
ラム100の外周面に巻き付けて回転搬送する機構とな
っている。
【0005】前記静電吸着層101は、例えばエッチン
グによって形成された一対の櫛形状の電極と、例えば紫
外線硬化樹脂等の材質からなる誘電体層とからなり、給
紙時には整流回路から電極に印加電圧が与えられ、排紙
時にはこの印加電圧の供給が解除される制御が行なわれ
る。
【0006】そして、ドラム100の回転方向には、サ
ーマルヘッド103、さらにその下流側に排紙部104
が設けられており、給紙部102から投入された記録紙
P’は、その先端から次第にドラム100の外周面に静
電吸着されながら回転搬送され、下流側に位置するサー
マルヘッド103により感熱印刷が行なわれた後、さら
に下流側にてドラム100の外周面から剥離されて排紙
部104から排出される構成になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の吸着搬送機構にあっては、特に、強い巻き癖がつい
て記録紙P’が比較的大きくカールしている場合や、厚
みがあって記録紙P’の腰が強い場合、静電吸着力より
も記録紙P’の弾性復元力の方が勝るために、記録紙
P’をドラム100の外周面に好適に密着させることが
できない、即ち、記録紙P’が大きくカールする場合、
記録紙P’の中央部をドラム100の外周面に密着させ
ることができず、また、記録紙P’の腰が強い場合、記
録紙P’の端部をドラム100の外周面に密着させるこ
とができないという問題が生じる。
【0008】そして、何れの場合であっても、記録紙
P’の充分な密着性が得られないままでは、サーマルヘ
ッド103と記録紙P’の紙面との距離にバラツキが生
じ、印刷品質が低下するという深刻な問題が生じる。そ
して、これは、上記サーマルプリンタに特有の問題では
なく、インクジェットプリンタ、昇華型プリンタ、レー
ザープリンタを含む全てのドラム式のプリンタ装置やそ
の他の同様な装置に共通する問題である。
【0009】また、プリンタ装置に限って言えば、近年
のデジタル技術の発達に伴って、デジタルカメラで撮影
した画像、スキャナーで読み込んだ写真フィルムの画
像、あるいはコンピューター上で作成した画像等を対象
とした、本物の写真の鮮明さに迫る能力を持つ印刷技術
が発達することは必至であり、上記問題を解決しなけれ
ば、ドラム式プリンタ装置の今後の大幅な需要増大は望
めない。
【0010】そこで、本発明は上記従来の問題点および
時代の要請に鑑みてなされたものであり、巻き癖を有す
るペーパや厚みがあって腰の強いペーパであっても、ド
ラムの外周面への密着性を好適に維持して良好な搬送状
態を得ることができるペーパの吸着搬送機構およびペー
パの吸着搬送方法を提供することを課題とし、併せて、
良好な搬送状態を得て印刷品質の低下を防止することが
できるプリンタ装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明に係るペーパの吸着搬送機構は、回転自在なドラ
ム2の外周面2aにペーパPを張り付けて回転搬送する
ペーパの搬送機構であって、前記ドラム2に、その外周
面2aにて開口する吸引孔3が複数形成されると共に、
該吸引孔3,…を介してドラム2の外周面2aの表面側
の空気を吸引する吸引手段が設けられ、ペーパPを負圧
吸引力によってドラム2の外周面2aに密着させること
を特徴とする.
【0012】上記構成からなるペーパの吸着搬送機構に
よれば、吸引手段を作動させて、吸引孔3,…を介して
ドラム2の外周面2aの表面側の空気を吸引すること
で、ペーパPに吸引作用が生じるため、該ペーパPがド
ラム2の外周面2aに密着されて、ペーパPの浮き上が
り、めくれ、反り返りが規制される。
【0013】また、本発明に係るペーパの吸着搬送機構
は、請求項2記載の如く、前記吸引孔3,…に、それぞ
れ開閉手段が設けられ、所望する吸引孔3のみを選択的
に開放できるような構成を採用することができる。
【0014】上記構成からなるペーパの吸着搬送機構に
よれば、ドラム2の外周面2aに接するペーパPの裏面
に位置する吸引孔3のみを選択的に開放状態にすれば、
ドラム2の外周面2aに接するペーパPの裏面以外に位
置する吸引孔3から無駄な吸引が行なわれるのを回避す
ることができ、これにより、必要な吸引孔の吸引力を高
めて、ペーパPの密着性を向上させることができる。
【0015】さらに、本発明に係るペーパの吸着搬送機
構は、請求項3記載の如く、円筒状のドラム2に、径方
向にて貫通する吸引孔3が全周にわたって所定数形成さ
れ、しかも、該ドラム2の内孔に、円筒状の外筒8が相
対回転可能に挿入されると共に、該外筒8に、径方向に
て貫通して前記吸引孔3と連通可能な吸引孔9が円周方
向の所定角度領域に所定数形成され、さらに、該外筒8
の内孔に、円筒状の内筒14が相対回転可能に挿入され
ると共に、該内筒14の周面の一部に、前記吸引孔9,
…の少なくとも一部と連通可能な切欠窓15が形成され
てなり、前記吸引手段が、内筒14の内孔内の空気を吸
引するような構成を採用することができる。
【0016】上記構成からなるペーパの吸着搬送機構
は、ドラム2に対して外筒8を回転方向に変位させるこ
とで、外筒8の吸引孔9と異なるドラム2の吸引孔3と
を連通状態にすることができる。また、外筒8に対して
内筒14を回転方向に変位させることで、切欠窓15と
連通状態にある外筒8の吸引孔9の数を変更することが
できる。そして、内筒14の内孔、切欠窓15、外筒8
の吸引孔9、及びドラム2の吸引孔3が連通状態にある
場合には、ドラム2の吸引孔3が開放される一方、内筒
14の内孔、切欠窓15、外筒8の吸引孔9、及びドラ
ム2の吸引孔3が不連通状態にある場合には、ドラム2
の吸引孔3が閉塞される。従って、ドラム2、外筒8、
及び内筒14の三者の相対回転位置を変更することで、
吸引作用を生じるドラム2の吸引孔3の数、位置を変更
することができる。この態様により、複数の吸引孔3の
うち、ドラム2の外周面2aにあてがわれたペーパPの
裏面に位置する吸引孔3のみに、吸引作用を生じさせる
ことができる。この場合、外筒8と内筒14とが、吸引
孔3,…の開閉手段となる。
【0017】また、本発明に係るペーパの吸着搬送方法
は、回転自在なドラム2の外周面2aにペーパPを張り
付けて回転搬送するペーパの搬送方法であって、前記ド
ラム2の外周面2aにて開口する複数の吸引孔3,…を
介してドラム2の外周面2aの表面側の空気を吸引手段
により吸引することで、ペーパPを負圧吸引力によって
ドラム2の外周面2aに密着させることを特徴とする。
【0018】この場合、請求項5記載の如く、それぞれ
の吸引孔3に設けられた開閉手段を用いて、ドラム2の
外周面2aにあてがわれたペーパPの裏面に位置する吸
引孔3,…のみを選択的に開放させてペーパPを吸引吸
着させる場合や、請求項6記載の如く、それぞれの吸引
孔3に設けられた開閉手段を用いて、一部の吸引孔3,
…のみを開放させ、且つ、開放させた吸引孔3の約50
%以上がペーパPの裏面に位置するようにする場合であ
ってもよい。即ち、吸引作用を生じている吸引孔3,…
のうち、少なくとも約50%以上の吸引孔3,…がペー
パPの裏面に位置するようにすれば、ペーパPの好適な
密着性が得られるのである。
【0019】さらに、請求項1乃至3のペーパの吸着搬
送機構を備えたプリンタ装置にあっては、良好な搬送状
態を得ることで、ペーパPの紙面との距離にバラツキが
生じて印刷品質が低下するのを好適に防止することがで
きる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
プリンタ装置の外観構成について図面を参酌しつつ説明
する。
【0021】図1は、本実施形態に係る吸着搬送機構が
採用されたドラム式のカラープリンタ装置の要部を示す
側面断面図を示す。かかるプリンタ装置は、回転自在な
円筒状のドラム2と、該ドラム2内に挿入支持されて回
転自在な円筒状の外筒8と、該外筒8内に挿入支持され
て回転自在な円筒状の内筒14とで構成される回転搬送
体1を備えている点が特徴である。
【0022】前記ドラム2は、金属もしくは樹脂製の筒
状体であり、図2にも示す如く、外周面2aと内周面2
bとを連通することで、外周面2aおよび内周面2bに
てそれぞれ開口する第一吸引孔3が複数形成されてい
る。この第一吸引孔3,…は、直径約3mmの単一径を
有する貫通孔であり、ドラム2の外周面2aの円周方向
に沿って全周にわたって、且つ、ドラム2の中心から放
射線状(径方向)に形成されている。
【0023】また、第一吸引孔3,…は、所定の角度ピ
ッチをもって円周方向の等間隔位置に形成されており、
それぞれの位置において、軸方向に2個の第一吸引孔
3,3が形成されている。しかも、この軸方向での2つ
の第一吸引孔3,3は、その間隔が長いものと短いもの
とが円周方向に交互に繰り返して形成されている。そし
て、内側に位置する第一吸引孔3a,…、および、外側
に位置する第一吸引孔3b,…は、それぞれ円周方向に
一列に並んだ配置となっている。
【0024】本実施形態においては、内側の第一吸引孔
3a,…は、円周方向の18等分位置、即ち、20度ピ
ッチで18個形成されると共に、外側の第一吸引孔3
b,…も、円周方向の18等分位置、即ち、20度ピッ
チで18個形成されて、しかも、内側の第一吸引孔3
a,…と外側の第一吸引孔3b,…とが円周方向に10
度位相がずれた態様となるので、全体としての第一吸引
孔3,…は、円周方向の36等分位置、即ち、10度ピ
ッチで36個形成されることとなる。
【0025】また、別の言い方をすれば、所定の角度ピ
ッチをもって円周方向の等間隔位置(本実施形態におい
ては、20度ピッチをもって円周方向の18等分位置)
に形成された第一吸引孔3,…の集合体が、ドラム2の
軸方向に間隔を有して複数組設けられ、一の第一吸引孔
3,…の集合体が他の第一吸引孔3,…の集合体に対し
て、円周方向の位相が同じか、もしくは円周方向の位相
が所定の角度(本実施形態においては、10度)ずれて
いるかのどちらかの関係になっている。
【0026】尚、上述の如く、第一吸引孔3は、夫々等
分の位置に2箇所、即ち、吸引孔3,…の集合体がドラ
ム2の軸方向に4組設けられているが、これらは、ドラ
ム2の外周面2aの中央の帯状領域に集められている。
但し、これは、ペーパとしての記録紙の大きさによって
変わるものであり、大きな記録紙になれば、それだけ第
一吸引孔3,3の軸方向における間隔を拡げたり、ある
いは軸方向の第一吸引孔3の数を増やしたり(第一吸引
孔3,…の集合体の数をドラム2の軸方向に増やした
り)することは言うまでもない。
【0027】また、ドラム2の外周面2aの適宜位置に
は、円周方向に周回する円周溝5が複数形成されてい
る。そして、本実施形態においては、ドラム2の外周面
2aの中心から軸方向の両端にかけて左右均等位置に3
組合計6本の円周溝5,…が形成されている。この円周
溝5,…も記録紙の幅サイズに応じて位置が決められて
いるので、対象となる記録紙の幅サイズが異なるものに
なれば、円周溝5,…の位置が変わることは言うまでも
ない。
【0028】そして、ドラム2は、図示しないモータ
(第一の回転駆動手段)により、一定方向に一定速度
(一定角速度)で回転するよう制御されており、従っ
て、ドラム2の外周面2aに張り付けられた記録紙を一
定速度で回転搬送することが可能となる。このドラム2
の回転速度は、後述するノズルヘッドの処理速度に応じ
て可変になっている。
【0029】前記外筒8は、金属もしくは樹脂製の筒状
体であり、その両端がドラム2の内孔の両端に嵌入され
たベアリングに支持されることで、ドラム2と外筒8と
は、同軸に配置されて互いに相対回転自在となってい
る。
【0030】また、図3にも示す如く、外周面8aと内
周面8bとを連通することで、外周面8aおよび内周面
8bにてそれぞれ開口する第二吸引孔9が複数形成され
ている。この複数の第二吸引孔9,…は、外筒8の外周
面8aの円周方向における所定角度領域にて、外筒8の
中心から放射線状(径方向)に形成されている。
【0031】第二吸引孔9は、外周面8a側の大径部9
aと、内周面8b側の小径部9bとからなる二段の貫通
孔であり、大径部9aは、直径約12mmの孔であり、
小径部9bは、ドラム2の第一吸引孔3と同様、直径約
3mmの孔となっている。
【0032】そして、第二吸引孔9,…は、所定の角度
ピッチをもって円周方向に等間隔で形成されており、そ
れぞれの位置において、軸方向に4個の第二吸引孔9,
…が形成されている。本実施形態においては、第二吸引
孔9,…は、外筒8の外周面8aの円周方向における1
20度の領域にて、20度ピッチで6個形成され、これ
がそれぞれ軸方向に4個形成されているので、合計24
個形成されることとなる。
【0033】また、別の言い方をすれば、外筒8の外周
面8aの円周方向における所定角度領域にて、所定の角
度ピッチをもって円周方向の等間隔位置(本実施形態に
おいては、20度ピッチをもって円周方向の6箇所位
置)に形成された第二吸引孔9,…の集合体が、外筒8
の軸方向に間隔を有して複数組設けられ、一の第二吸引
孔9,…の集合体と他の第二吸引孔9,…の集合体と
が、円周方向の位相を同じにした関係となっている。
【0034】そして、第二吸引孔9,…の角度ピッチ
は、全体としての第一吸引孔3,…の角度ピッチの2
倍、即ち、内側の第一吸引孔3a,…の角度ピッチ、も
しくは外側の第一吸引孔3b,…の角度ピッチと同一に
設定されており、且つ、軸方向における間隔が同一に設
定されているので、第二吸引孔9,…は、図4(イ)に
示す如く、大径部9a,…と内側の第一吸引孔3a,…
との位相が一致して両者が連通する位置と、図4(ロ)
に示す如く、大径部9a,…と外側の第一吸引孔3b,
…との位相が一致して両者が連通する位置とに変更可能
となっている。
【0035】また、第二吸引孔9,…の大径部9a,…
と、内側の第一吸引孔3a,…もしくは外側の第一吸引
孔3b,…との位相が一致した状態から、全体としての
第一吸引孔3,…の角度ピッチの半分(本実施形態にお
いては、5度)だけ外筒8を回転させることで、図4
(ハ)に示す如く、第二吸引孔9の大径部9a,…が、
内側の第一吸引孔3a,…と外側の第一吸引孔3b,…
との両方にかかることとなる。
【0036】尚、上述の如く、第二吸引孔9は、夫々の
等分位置に4箇所、即ち、第二吸引孔9,…の集合体が
外筒8の軸方向に4組設けられているが、これらは、外
筒8の外周面8aの中央の帯状領域に集められている。
但し、これは、ペーパとしての記録紙の大きさによって
変わるものであり、大きな記録紙になれば、それだけ第
二吸引孔9,…の軸方向における間隔を拡げたり、ある
いは軸方向の第二吸引孔9の数を増やしたり(第二吸引
孔9,…の集合体の数を外筒8の軸方向に増やしたり)
することは言うまでもない。
【0037】そして、外筒8は、図示しないモータ(第
二の回転駆動手段)により、正逆転の何れの方向にも回
転可能に構成されている。このモータは、ドラム2のモ
ータ(第一の回転制御手段)とは別個のモーターであ
り、パルスモータが採用される。また、外筒8の一端に
は、図示しないギアが嵌合されており、パルスモータの
軸の回転をギアに伝達させて、外筒8を回転方向の所定
位置に定寸位置決めする制御が行なわれる。
【0038】前記内筒14は、金属もしくは樹脂製の筒
状体であり、その両端が外筒8の内孔の両端に嵌入され
たベアリングに支持されることで、ドラム2と外筒8と
内筒14とは、同軸に配置されて互いに相対回転自在と
なっている。
【0039】また、図5にも示す如く、外周面14aと
内周面14bとを連通することで、外周面14aおよび
内周面14bにてそれぞれ開口する切欠窓15が形成さ
れている。この切欠窓15は、内筒14の外周面14a
の円周方向における所定領域を切り欠くことで形成さ
れ、軸方向に所定の幅を持たせることで方形状の窓にな
っている。そして、切欠窓15の円周方向における二つ
の壁面は、内筒14の中心から放射線状(径方向)に向
いている。
【0040】また、切欠窓15の所定角度領域は、外筒
8の第二吸引孔9,…が形成された所定角度領域と略同
一に設定され、且つ、軸方向における幅サイズは、ドラ
ム2の第一吸引孔3,…の幅サイズもしくは外筒8の第
二吸引孔9,…の幅サイズと略同一に設定されている。
【0041】従って、外筒8と内筒14との回転方向に
おける位置変化に伴って、切欠窓15は、図6(イ)に
示す如く、その開口領域内に第二吸引孔9,…の小径部
9b,…の全て(合計24個)が所在せず、両者が完全
に連通しない位置や、図6(ロ)に示す如く、その開口
領域内に第二吸引孔9,…の小径部9b,…の一部(例
えば12個)が所在し、両者が一部のみで連通する位置
や、図6(ハ)に示す如く、その開口領域内に第二吸引
孔9,…の小径部9b,…の全部(合計24個)が所在
し、両者が完全に連通する位置等との任意の位置に変更
可能となっている。
【0042】そして、内筒14は、図示しないモータ
(第三の回転駆動手段)により、正逆転の何れの方向に
も回転可能に構成されている。このモータは、ドラム2
のモータ(第一の回転制御手段)や、外筒8のモータ
(第二の回転制御手段)とは別個のモーターであり、パ
ルスモータが採用される。また、内筒14の一端には、
図示しないギアが嵌合されており、パルスモータの軸の
回転をギアに伝達させて、内筒14を回転方向の所定位
置に定寸位置決めする制御が行なわれる。
【0043】以上のように構成される図1に示す回転搬
送体1においては、記録紙を吸着手段によって記録紙の
搬送経路となる曲面Pcをなすドラム2の外周面2aに
密着させてから、円筒状曲面Pcの周方向Dpに沿って
吸着回転搬送を行なう。
【0044】また、搬送方向の上流側には、給紙部20
が設けられている。この給紙部20は、円弧状に屈曲さ
れた載置板21と、該載置板21の下流側に配置された
ローラ等の送り機構22と、該送り機構22の下流側に
配置されたガイド板23とで構成される。
【0045】前記載置板21は、投入される記録紙をセ
ットする際に、記録紙を載置するための台であり、送り
機構22は、載置板21上の記録紙を挟み込んでドラム
2の外周面2aに送り出すためのものであり、ガイド板
23は、記録紙をドラム2の外周面2aの正規位置(特
に、幅方向)に取付けるべく、記録紙の回転方向、幅方
向を規制するためのものである。
【0046】また、送り機構22は、一つのアドバンス
ローラと該アドバンスローラに圧着される一対の圧着ロ
ーラとで構成されており、このアドバンスローラを回転
駆動するモータ(第四の回転制御手段)は、上述の外筒
8のモータ(第二の回転制御手段)と内筒14のモータ
(第三の回転制御手段)とを関係付けて制御を行なうこ
とができる。
【0047】尚、前記給紙部20のように構成せずと
も、マガジン等から連続紙状又は切断片ごとに給紙する
ようにしてもよい。
【0048】また、搬送方向の上流側から下流側にかけ
て、まず、給紙部20よりも上流側に、ドラム2の外周
面2aに対向して帯電装置25が配置され、次に、給紙
部20よりも下流側に、ドラム2の外周面2aに対向し
て金属製の圧着ローラ27が配置され、この位置から記
録紙がドラム2の外周面2aに密着される。そして、次
に、各色のノズルヘッド30Y、30M、30Cが設け
られており、さらに、記録紙の排出側、即ち、ノズルヘ
ッド30Y、30M、30Cの後段側に、除電装置3
2、剥離部材34が何れもドラム2に対向して配置され
ている。
【0049】前記剥離部材34は、図7に示す如く、先
端がナイフ状の切っ先を有してドラム2の外周面2aに
形成された環状溝5内に挿入され、記録紙とドラム2と
の密着する境界部分に割り込んで入り込む構成となって
いる。従って、硬質樹脂等で耐磨耗性の高いスクレーパ
様のものが好ましい。
【0050】また、剥離部材34によってドラム2の外
周面2aから剥離された記録紙を装置外に排紙すべく、
該剥離部材34の後方位置には、搬送ベルト37及びロ
ーラ38,…からなる排紙部36が設けられている。
【0051】ところで、本実施形態に係るプリンタ装置
は、記録紙をドラム2の外周面2aに密着させるための
吸着手段として、吸引吸着手段と静電吸着手段との二つ
の吸着手段を併用している。
【0052】吸引吸着手段は、ドラム2、外筒体8、内
筒体14、図8に示す排気ファン40で構成される。該
排気ファン40は、装置本体Kの側板に形成された開口
1に臨んで固定されており、この開口K1 、及び、装
置本体Kにドラム2、外筒体8、内筒体14を同軸に組
み合わせた状態において装置本体Kの側板から突出する
内筒体14の一端の二つを、長尺状のダクト42で接続
している。従って、排気ファン40を運転すれば、ダク
ト42を介して内筒14の内孔内の空気が吸引されるこ
ととなり、かかる状態で、内筒14の切欠窓15、外筒
8の第二吸引孔9、ドラム2の第一吸引孔3が、少なく
とも一部で連通していれば、ドラム2の外周面2aの表
面側の空気が吸引され、ドラム2の外周面2a上の記録
紙が負圧吸引力により吸引吸着されるようになってい
る。
【0053】静電吸着手段は、ドラム2の外周面2aと
帯電装置25とで構成される。一定速度で回転するドラ
ム2は、帯電装置25によって帯電され、その外周面に
静電吸着層が形成され、ドラム2の外周面2a上の記録
紙が静電吸着力により静電吸着されるようになってい
る。これについては、後で詳細に説明する。
【0054】本実施形態に係るプリンタ装置の外観構成
は、以上の如くであり、まず、吸引吸着手段による吸着
搬送態様を説明する。
【0055】最初に、図9(イ)に示す如く、給紙部2
0に投入された記録紙Pは、ガイド板23を通った後、
圧着ローラ27の圧着作用によりその先端がドラム2の
外周面2aに圧着される。この位置におけるドラム2の
第一吸引孔3を便宜上、第一吸引孔3Aとし、この第一
吸引孔3Aから記録紙Pの搬送方向と反対方向に順番
に、第一吸引孔3B、第一吸引孔3C、…とする。
【0056】かかる状態においては、外筒8の下流側の
第二吸引孔9が、第一吸引孔3Aと一致している。この
第二吸引孔9を便宜上、第二吸引孔9Aとし、この第二
吸引孔9Aから記録紙Pの搬送方向と反対方向に順番
に、第二吸引孔9B、第二吸引孔9C、第二吸引孔9
C、第二吸引孔9D、第二吸引孔9E,第二吸引孔9F
とする。
【0057】また、かかる状態においては、内筒14の
切欠窓15には、第二吸引孔9Aのみが位置している。
従って、内筒14の内孔は、切欠窓15、第二吸引孔9
A、第一吸引孔3Aを介してドラム2の外周面2aの表
面側と連通状態にある。そこで、吸引手段が運転して、
第一吸引孔3A近傍におけるドラム2の外周面2aの表
面側の空気のみが吸引されることで、記録紙Pの先端が
吸引吸着されて、該記録紙Pの先端がドラム2の外周面
2aに密着した状態となる。
【0058】ここで、図9(ロ)に示す如く、ドラム2
が搬送方向に一定角速度で回転し、これに合わせて、外
筒8がドラム2と同一角速度で回転するが、内筒14
は、停止したままである。従って、内筒14の切欠窓1
5に位置する第二吸引孔9の数が増加し、本図において
は、第二吸引孔9A、第二吸引孔9B、第二吸引孔9C
が内筒14の切欠窓15に位置する。この時、第二吸引
孔9A、第二吸引孔9B、第二吸引孔9Cは、それぞれ
第一吸引孔3A、第一吸引孔3C、第一吸引孔3Eと一
致しているので、第一吸引孔3A、第一吸引孔3C、第
一吸引孔3E近傍におけるドラム2の外周面2aの表面
側の空気のみが吸引される。これにより、記録紙Pのう
ち、ドラム2の外周面2aに接している部分が吸引吸着
されて、ドラム2の外周面2aに密着した状態となる。
但し、記録紙Pが接していない第一吸引孔は、不連通状
態にあるため、吸引吸着に不必要な空気の吸引は行なわ
れない。
【0059】このようにして、ドラム2及び外筒8の回
転が進み、図10(イ)に示す如く、第二吸引孔9A、
第二吸引孔9B、第二吸引孔9C、第二吸引孔9Dが内
筒14の切欠窓15に位置するようになると、記録紙P
は、全面がドラム2の外周面2aに吸引吸着された状態
となる。従って、これ以上、内筒14と外筒8との相対
変位を許容すると、切欠窓15が第二吸引孔9Eにかか
って吸引吸着に不必要な空気の吸引が行なわれるように
なるので、かかる時点からドラム2、外筒8、内筒14
は、相対変位を生じることなく一体的に一定角速度で回
転するようになる。かかる状態で、記録紙Pは、全面が
吸引吸着されてドラム2の外周面2aに密着させられて
回転搬送されるのである。
【0060】しかる後、図10(ロ)に示す如く、記録
紙Pの先端が剥離部材34に差し掛かかって、これ以
上、外筒8を回転継続させると、剥離された部分にかか
る第一吸引孔3Aから吸引吸着に不必要な空気の吸引が
行なわれるようになる。従って、この時点で、外筒8の
回転は停止し、ドラム2及び内筒14のみが回転を継続
する。かかる状態にあっては、ドラム2と外筒8とが相
対変位して、第一吸引孔3と第二吸引孔9との位置関係
がずれていくこととなるが、ドラム2に対する外筒8が
何れの位置にあっても、何れかの第一吸引孔3と何れか
の第二吸引孔9とが連通するように両者の位置、大きさ
が設定されているため、ドラム2と外筒8との相対変位
によって吸引作用が消失することはなく、記録紙Pの好
適な吸引吸着状態が維持される。
【0061】そして、図11(イ)に示す如く、ドラム
2及び内筒14の回転に伴って、内筒14の切欠窓15
に位置する第二吸引孔9の数が減少し、本図において
は、第二吸引孔9A、第二吸引孔9B、第二吸引孔9C
が内筒14の切欠窓15に位置する。この時、剥離され
た部分に係る第一吸引孔3Aは不連通状態であるため、
吸引が行なわれることなく、第一吸引孔3C、第一吸引
孔3E、第一吸引孔3G近傍におけるドラム2の外周面
2aの表面側の空気のみが吸引されて、記録紙Pのうち
の剥離されていない部分のみが吸引吸着されて、ドラム
2の外周面2aに密着した状態を維持している。
【0062】しかる後、図11(ロ)に示す如く、記録
紙Pがドラム2の外周面2aから完全に剥離されると、
内筒14の回転も停止して、ドラム2のみが回転を継続
している状態となる。そして、次の記録紙Pが給紙され
て、外筒8及び内筒14は、図9(イ)に示す位置に復
帰し、再び吸引吸着搬送が行なわれるのである。
【0063】以上の如く、本実施形態に係る吸引吸着搬
送によれば、記録紙Pがドラム2の外周面2aに接して
いる部分における第一吸引孔3のみが内筒14の内孔と
連通状態となって吸引が行なわれる一方、記録紙Pがド
ラム2の外周面2aに接していない部分における第一吸
引孔3が内筒14の内孔と不連通状態となって吸引が行
なわれないため、吸引吸着に不必要な第一吸引孔3から
空気の吸引が行なわれて、吸引吸着に必要な第一吸引孔
3からの空気吸引力が低下するのを防止することがで
き、記録紙Pの好適な密着状態を維持することができ
る。従って、巻き癖を有する記録紙や厚みがあって腰の
強い記録紙であっても、ドラム2の外周面2aへの密着
性を好適に維持して良好な搬送状態を得ることができ、
しかも、良好な搬送状態を得て印刷品質の低下を防止す
ることができるのである。
【0064】また、ドラム2の外周面2aから記録紙P
が少しでも離間していると、十分な吸引力が得られず、
従って、記録紙Pを確実に密着させることができないお
それがあるが、本実施形態は、圧着ローラ27によって
記録紙Pがドラム2の外周面2aに確実に圧着させられ
た状態で、かかる位置にて記録紙Pの吸引を行なうよう
にしているので、記録紙Pがドラム2の外周面2aに十
分に密着しないまま印刷が行なわれるようなことは無く
なる。
【0065】さらに、外筒8の第二吸引孔9の外周面側
を、円周方向における二つの第一吸引孔3a,3bに跨
がる大きさに膨径させているので、何れかの第一吸引孔
3が必ず内筒14の内孔と連通状態になり、従って、ド
ラム2と外筒8とが相対回転することによって、吸引作
用が一時的に消失するようなことはない。即ち、ドラム
2と外筒8とが相対回転するような場合であっても、記
録紙Pの密着性は好適に維持されるのである。
【0066】次に、本実施形態に係るプリンタ装置にお
けるインクの吐出原理及びその態様並びに印刷態様及び
静電吸着手段による吸着搬送態様について説明する。
【0067】本実施形態は、図12に示す如く、互いに
逆極性にイオン化した溶媒とインク粒子との混合物が色
材として用いられ、色材を吐出する色材吐出手段50
と、文字や図柄を形成するための記録紙Pを吸着して搬
送するドラム2とを備える他、少なくとも電界発生手段
及び帯電手段を備えている。
【0068】電界発生手段27は、記録紙Pの色材吐出
手段側表面がインク粒子52と逆極性となるように記録
紙Pを誘電分極させ、帯電手段55は、色材吐出手段5
0をインク粒子52と同極性に帯電させるとともにドラ
ム2の外周面2aをインク粒子52と逆極性に帯電させ
た状態でインク粒子52を飛ばして記録紙P上に到達さ
せる構成を有する。
【0069】即ち、異極性の電荷同士の間(記録紙Pの
ドラム側表面とドラム2の外周面2aとの間) に作用す
るクーロン力Aにより記録紙Pをドラム2の外周面2a
に静電吸着させて搬送しつつ、イオン化されているイン
ク粒子52にクーロン力Bを及ぼしめてインク粒子52
を逆極性に誘電分極した記録紙Pの色材吐出手段側表面
に向かって真っ直ぐに飛翔させて到達させる構成を採用
している。
【0070】これにより、所望の印刷すべき文字や図柄
において、各吐出部53から吐出されたインク粒子52
が、ドット配列等のずれや濃淡差の生じ難い均一性の高
い印刷精度を得るという画期的な効果を有する。
【0071】ところで、インク粒子としては、微粒子状
態が得られて各微粒子が均等にイオン化し得るものであ
れば用いることができる。
【0072】尚、色材として、種々の種類の顔料を選択
してイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを使用
する等してカラー印刷ができるように構成できることは
勿論である。
【0073】そして、記録紙Pは、紙材やフィルム等を
用いることができる。このうち、電界により誘電分極を
生じやすい比誘電率の大きい、且つ、色材が表面に安定
に形成されやすいものを用いることが好ましい。
【0074】また、普通紙を、比誘電率を、より大きい
状態で使用するため、紙材に表面処理したものを利用す
る等して誘電分極を生じ易くし、ドラム2の外周面2a
に吸着しやすくしてもよい。そこで、アクリル系樹脂(
比誘電率3〜5) のような電気絶縁性の高い樹脂の層を
設けた静電記録紙などであれば、ドラム2の外周面2a
に容易に吸着できるので、通常OA機器等において汎用
される普通紙に近い条件の紙材を利用できる。
【0075】一方、紙材に限らず、比誘電率の大きい合
成樹脂等を材質とする、例えば、アクリル系樹脂やポリ
エステル系樹脂によるフィルム材を用いてもよい。かか
る材質のフィルムは、紙材のような繊維構造の隙間がな
く緻密であるので吸着搬送手段への吸着性がよいという
利点を有している。そして、記録媒体として利用可能な
材質範囲が広い。
【0076】記録紙Pを誘電分極させるためには、電界
発生手段として、例えば、上述の圧着ローラ27が用い
られる。この圧着ローラ27とドラム2の外周面2aと
の間Mでコンデンサ状態を形成して電界Eが保持される
こととなり、記録紙Pは、この電界Eにより誘電分極さ
れる。即ち、圧着ローラ27は少なくとも表面が導電性
材料製であり、圧着ローラ27自身は、接地されて配設
されているが、なおかつ、記録紙Pの分極電荷はほぼ維
持され、しかも、この分極電荷が記録媒体自体に束縛さ
れた束縛電荷状態である状態は維持されているように構
成される。この結果、圧着ローラ27とドラム2の外周
面2aとの間Mに電界が発生する。
【0077】また、静電吸着搬送においては、帯電装置
25により、例えば、放電によりドラム2の外周面2a
に電荷を与える。帯電装置25は、本実施形態において
は、コロナ放電を生じることによりドラム2の外周面2
aを負に帯電し得るチャージャを用いている。このチャ
ージャは、ドラム2の外周面2aのうち、記録紙Pを静
電吸着するに必要な領域Acが帯電されるように、コロ
ナ放電の手法により印加して負に帯電させる。
【0078】そして、このような各構成要素の極性と、
その電荷状態とで表わされる関係は、吐出された微粒子
状態のインク粒子52同士の斥力の影響よりも記録紙P
への引力Bの方が圧倒的に大きいように設定する。
【0079】以上のような各構成要素の極性(イオン
化、誘電分極及び帯電)と、その電荷状態とで表わされ
る関係であれば、ドラム2の外周面2aが記録紙Pを静
電吸着して面Ph上で記録紙Pの上下(T方向)及び左
右(図面に垂直方向)並びに回転の位置ずれが生じるこ
とがない。
【0080】また、各要素のイオン化、誘電分極及び帯
電の構成により、隣接する色材吐出手段50の吐出口の
電圧状態の影響を受けて進路L’のようにインク粒子5
2Aの進路がそれることなく、インク粒子52を進路L
のように記録紙Pに向かって垂直に略真っ直ぐ飛ばすこ
とができる。
【0081】さらに、除電手段を設けることで、ドラム
2の外周面2aにおいて印刷に所要の領域のみ帯電させ
ることができ、印刷後の記録紙Pを容易にドラム2の外
周面2aから剥離することができると共に、印刷のため
の領域以外で塵芥等をドラム2の外周面2aに吸着した
りすることがないという効果を奏する。
【0082】また、剥離部材34よりも搬送方向の下流
側には、例えば、羊毛その他獣毛を圧縮させ密着させた
フェルト状の吸収体等からなるインククリーナーを配置
することが好ましい。この構成により、ドラム2の外周
面2aに付着したインクを除去するようにすれば、ドラ
ム2の外周面2aにおいて印刷に所要の領域の清浄を維
持することができ、記録紙が汚れることもない。
【0083】尚、本発明に係るペーパの吸着搬送機構を
採用するプリンタ装置は、上記実施形態に限定されるも
のではない。即ち、プリンタ装置の種類としては、吐出
機構やノズルの形態等を変更することができ、インクジ
ェット型のプリンタに適用できる。さらに、本発明は、
3色カラープリンタに限定されず、モノクロプリンタで
あってもよく、4色以上のカラープリンタであってもよ
い。
【0084】また、印刷処理に使用される記録紙等は、
ロール状に保管された長尺のものに限定されず、予め定
型寸法に切断されたものであってもよく、切断されたも
のの場合には、切断品を積層させて収容する形態のマガ
ジンが採用される。また、ロール状のものを切断する場
合であっても、記録紙の切断位置によって決定される搬
送方向における記録紙の長さは、短尺であるか長尺であ
るかを問わず、例えば、ガイド板23と剥離部材34と
に跨がるような長さであってもよい。
【0085】そして、本発明に係るペーパの吸着搬送機
構は、上記実施形態の如く、プリンタ装置にのみ適用さ
れるものではなく、ペーパを搬送するための搬送機構を
備えた装置全てを対象とするものである。
【0086】また、上記実施形態の吸着搬送方法は、記
録紙Pが接する第一吸引孔3以外の第一吸引孔3を不連
通状態にして、かかる第一吸引孔3からの吸引を止める
ようにしているが、これは厳密に遵守すべきものではな
く、例えば、吸引作用を生じている第一吸引孔3,…の
うち、約50%以上の第一吸引孔3,…が、記録紙Pの
裏面に位置するものであれば、記録紙Pの有効な密着性
を得ることができる。この場合、記録紙Pの周縁部を特
に吸引するようにすればよい。但し、吸引作用を生じて
いる第一吸引孔3,…の全てが、記録紙Pの裏面に位置
するように制御するのがより好ましいことは言うまでも
ない。
【0087】さらに、記録紙Pの良好な密着性を得ると
する目的の範囲において、ドラム2、外筒8、内筒14
のそれぞれの回転制御方法は、上記実施形態の内容に限
定されず、種々の制御パターンが考えられる。
【0088】また、外筒8及び内筒14の回転位置検出
手段として、それぞれの端部に嵌着されたギアにスリッ
ト板を設けると共に、このスリットの回転軌跡上にセン
サーを配置し、スリットがセンサーを遮断する構成を採
用することができ、また、外筒8に係るパルスモータ
(第二の回転制御手段)、及び、内筒14に係るパルス
モータ(第三の回転制御手段)のパルス数を利用する構
成を採用することができる。
【0089】さらに、吸引吸着搬送に使用される吸引手
段は、排気ファンに限定されず、公知技術、例えば真空
ポンプ等を全て含むものである。また、吸引手段と内筒
14の内孔との接続方法もダクトのみに限られず、ホー
ス、配管等であってもよいのは勿論である。
【0090】また、上記実施形態においては、第一吸引
孔3,…が円周方向に沿って全周にわたって形成された
ドラム2、第二吸引孔9,…が円周方向の所定角度領域
にのみ形成された外筒8、一つの切欠窓15が円周面の
一部に形成された内筒14の3重構造の相対回転位置変
化によって、吸引作用を生じさせる第一吸引孔3の数、
あるいは位置を選択する構成にしているが、対象となる
記録紙Pのサイズによって、ドラム2、外筒8、内筒1
4の内外径、軸方向長さが限定されないのは勿論、第一
吸引孔3、第二吸引孔9、切欠窓の数、形状、配置位置
が限定されることはない。
【0091】さらに、上記実施形態におけるプリンタ装
置は、吸引吸着方法と静電吸着方法とを併用すること
で、記録紙Pの密着性をより向上させているが、吸引吸
着によってのみでも十分な密着性が得られるので、静電
吸着は付随的に採用するものであってもよい。
【0092】また、上記実施形態においては、第一吸引
孔3の開閉手段として、ドラム2、外筒8、内筒14の
組合せによるものを採用しているが、例えば、それぞれ
の第一吸引孔3にシャッターなるものを設け、それぞれ
のシャッターを開閉させるものであってもよい。
【0093】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係るペーパの吸着
搬送機構やペーパの吸着搬送方法は、回転自在なドラム
に、その外周面にて開口する吸引孔が複数形成されると
共に、該吸引孔を介してドラムの外周面の表面側の空気
を吸引する吸引手段が設けられ、ペーパを負圧吸引力に
よってドラムの外周面に密着させる構成であるため、巻
き癖を有するペーパや厚みがあって腰の強いペーパであ
っても、ドラムの外周面への密着性を好適に維持して良
好な搬送状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタ装置の要部
断面側面図。
【図2】同実施形態のドラムの外観斜視図。
【図3】同実施形態の外筒の外観斜視図。
【図4】同実施形態の第一吸引孔と第二吸引孔との位置
関係を示すドラムおよび外筒の要部展開図。
【図5】同実施形態の内筒の外観斜視図。
【図6】同実施形態の第二吸引孔と切欠窓との位置関係
を示す外筒および内筒の要部展開図。
【図7】同実施形態の剥離部材とドラムとの関係を示す
要部斜視図。
【図8】同実施形態のプリンタ装置の外観斜視図。
【図9】同実施形態の回転搬送体の断面側面図であっ
て、(イ)は、記録紙の先端がドラムの外周面にかかっ
た状態、(ロ)は、記録紙の一部がドラムの外周面に吸
引吸着された状態を示す。
【図10】同実施形態の回転搬送体の断面側面図であっ
て、(イ)は、記録紙の全面がドラムの外周面に吸引吸
着された状態、(ロ)は、記録紙の先端が剥離部材の手
前に差し掛かった状態を示す。
【図11】同実施形態の回転搬送体の断面側面図であっ
て、(イ)は、記録紙の一部が剥離された状態、(ロ)
は、記録紙の全部が剥離された状態を示す。
【図12】同実施形態の帯電の原理的構成を模式的に示
すプリンタ装置の要部説明図。
【図13】従来のプリンタ装置の一例を模式的に示す概
略側面図。
【符号の説明】
1…回転搬送体、2…ドラム、2a…外周面、2b…内
周面、3…第一吸引孔(吸引孔)、3a…内側の第一吸
引孔、3b…外側の第一吸引孔、5…環状溝、8…外
筒、8a…外周面、8b…内周面、9…第二吸引孔(吸
引孔)、9a…大径部、9b…小径部、14…内筒、1
4a…外周面、14b…内周面、15…切欠窓、20…
給紙部、21…載置板、22…送り機構、25…帯電装
置(帯電手段)、27…圧着ローラ(電界発生手段)、
30…ノズルヘッド、32…除電装置(除電手段)、3
4…剥離部材、36…排紙部、37…搬送ベルト、38
…ローラ、40…排気ファン(吸引手段)、42…ダク
ト、50…色材吐出手段、52…インク粒子、53…吐
出部、54…吐出口、57…電極、58…色材抽出手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在なドラム(2)の外周面(2
    a)にペーパ(P)を張り付けて回転搬送するペーパの
    搬送機構であって、前記ドラム(2)に、その外周面
    (2a)にて開口する吸引孔(3)が複数形成されると
    共に、該吸引孔(3,…)を介してドラム(2)の外周
    面(2a)の表面側の空気を吸引する吸引手段が設けら
    れ、ペーパ(P)を負圧吸引力によってドラム(2)の
    外周面(2a)に密着させることを特徴とするペーパの
    吸着搬送機構。
  2. 【請求項2】 前記吸引孔(3,…)に、それぞれ開閉
    手段が設けられ、所望する吸引孔(3)のみを選択的に
    開放可能に構成されてなる請求項1記載のペーパの吸着
    搬送機構。
  3. 【請求項3】 円筒状のドラム(2)に、径方向にて貫
    通する吸引孔(3)が全周にわたって所定数形成され、
    しかも、該ドラム(2)の内孔に、円筒状の外筒(8)
    が相対回転可能に挿入されると共に、該外筒(8)に、
    径方向にて貫通して前記吸引孔(3)と連通可能な吸引
    孔(9)が円周方向の所定角度領域に所定数形成され、
    さらに、該外筒(8)の内孔に、円筒状の内筒(14)
    が相対回転可能に挿入されると共に、該内筒(14)の
    周面の一部に、前記吸引孔(9,…)の少なくとも一部
    と連通可能な切欠窓(15)が形成されてなり、前記吸
    引手段が、内筒(14)の内孔内の空気を吸引するよう
    構成されてなる請求項2記載のペーパの吸着搬送機構。
  4. 【請求項4】 回転自在なドラム(2)の外周面(2
    a)にペーパ(P)を張り付けて回転搬送するペーパの
    搬送方法であって、前記ドラム(2)の外周面(2a)
    にて開口する複数の吸引孔(3,…)を介してドラム
    (2)の外周面(2a)の表面側の空気を吸引手段によ
    り吸引することで、ペーパ(P)を負圧吸引力によって
    ドラム(2)の外周面(2a)に密着させることを特徴
    とするペーパの吸着搬送方法。
  5. 【請求項5】 それぞれの吸引孔(3)に設けられた開
    閉手段を用いて、ドラム(2)の外周面(2a)にあて
    がわれたペーパ(P)の裏面に位置する吸引孔(3,
    …)のみを選択的に開放させてペーパ(P)を吸引吸着
    させる請求項4記載のペーパの吸着搬送方法。
  6. 【請求項6】 それぞれの吸引孔(3)に設けられた開
    閉手段を用いて、一部の吸引孔(3,…)のみを開放さ
    せ、且つ、開放させた吸引孔(3)の約50%以上がペ
    ーパ(P)の裏面に位置するようにする請求項4記載の
    ペーパの吸着搬送方法。
  7. 【請求項7】 径方向にて貫通する吸引孔(3)が全周
    にわたって所定数形成された円筒状のドラム(2)と、
    径方向にて貫通して前記吸引孔(3)と連通可能な吸引
    孔(9)が円周方向の所定角度領域に所定数形成され
    て、ドラム(2)の内孔に相対回転可能に挿入される円
    筒状の外筒(8)と、前記吸引孔(9,…)の少なくと
    も一部と連通可能な切欠窓(15)が周面の一部に形成
    されて、外筒(8)の内孔に相対回転可能に挿入される
    円筒状の内筒(14)との相対回転位置を変更すると共
    に、前記吸引手段によって、内筒(14)の内孔内の空
    気を吸引して、開放する吸引孔(3)を選択する請求項
    5又は6記載のペーパの吸着搬送方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のペーパの吸着搬送機構
    を備えたことを特徴とするプリンタ装置。
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