JP3600727B2 - 印刷装置 - Google Patents

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JP3600727B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写するオフセット方式の印刷装置に関し、特に、片面印刷および両面印刷を選択的に実行することができる片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特公平3−53115号公報には、片面印刷および両面印刷を選択的に実行することができる印刷装置が記載されている。この特公平3−53115号公報に記載された印刷装置は、版胴と、ブランケット胴と、版胴およびブランケット胴の2倍の直径を有する圧胴とを有する印刷ユニットを複数個備えるとともに、隣接する印刷ユニット間に圧胴の直径と同一の直径を有する反転胴を備える。
【0003】
この印刷装置においては、最初の印刷ユニットにより印刷用紙の表面に印刷を行った後、この印刷用紙の後端を先頭として圧胴から反転胴へ印刷用紙を受け渡すことにより、印刷用紙の表裏反転を行い、しかる後に次の印刷ユニットにより印刷用紙の裏面に印刷を行う構成となっている。
【0004】
なお、このような印刷装置により、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインキを使用した4色印刷を行う場合には、印刷ユニットが4個連設される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特公平3−53115号公報に記載された従来の印刷装置においては、多色印刷を行う場合、任意の色の両面反転印刷を行うためには、大型の反転胴を有する反転機構を各印刷ユニット間にそれぞれ配設することが必要となり、印刷装置が複雑化、大型化するという問題点がある。
【0006】
また、特公平3−53115号公報に記載された従来の印刷装置においては、印刷用紙が各印刷ユニットを順次通過することにより印刷を行う方式であるため、例えば4個の印刷ユニットにそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインキを供給して4色印刷を行った後に両面印刷を行う場合には、印刷用紙の両面に同じ色のインキで印刷を行うことは不可能である。このため、印刷用紙の両面に同じ色のインキで印刷を行うためには、各印刷ユニットにおけるインキの色を交換するために、インキを除去および洗浄し、複数の印刷ユニットに同じ色のインキを供給した後、両面印刷を行うことが必要となる。同様に、印刷用紙の両面に同じ2色のインキを使用した2色印刷を行った後に4色印刷を行う場合にも、各印刷ユニットにおけるインキを交換する必要がある。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、コンパクトな形式でありながら、インキを交換することなく各種の片面および両面印刷を実行することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、その外周に2個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための2個のインキ供給手段と、前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための2個のインキ供給手段と、前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、前記第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴の[1/2]倍の直径を有し、その外周部に印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、nおよびmを、[2n]と[2m−1]とが互いに素となる自然数とし、その外周に[2n]個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n]個のインキ供給手段と、前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n]個のインキ供給手段と、前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[(2m−1)/2n]倍の直径を有し、その外周部に[2m−1]枚の印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、nおよびmを、[2n+1]と[2m]とが互いに素となる自然数とし、その外周に[2n+1]個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n+1]個のインキ供給手段と、前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n+1]個のインキ供給手段と、前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[2m/(2n+1)]倍の直径を有し、その外周部に[2m]枚の印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3いずれかに記載の発明において、前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行っている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、XとYとを互いに素とし、その外周にX個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、前記版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するためのX個のインキ供給手段と、前記版胴と同一の直径を有し、前記版胴と当接するブランケット胴と、前記版胴および前記ブランケット胴のY/X倍の直径を有し、その外周部にY枚の印刷用紙を保持して前記ブランケット胴と当接する圧胴と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、前記圧胴における1つの保持領域において印刷が終了した印刷用紙を当該1つの保持領域より受け取り、印刷用紙の表裏反転を行った後、前記1つの保持領域から[nX+Y](nは自然数)回の後に印刷を実行する前記圧胴のいずれかの1つの保持領域に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至いずれかに記載の発明において、前記インキ供給手段は、各々、前記第1、第2の版胴における印刷版の任意の画像領域と選択的に当接可能となっている。
【0014】
請求項7に記載の発明は、版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する印刷装置であって、XとYとを互いに素とし、その外周にX個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、前記版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するためのX個のインキ供給手段と、前記版胴と同一の直径を有し、前記版と当接するブランケット胴と、前記版胴および前記ブランケット胴のY/X倍の直径を有し、その外周部にY枚の印刷用紙を保持して前記ブランケット胴と当接する圧胴と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度同一の圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、前記圧胴から第2面の印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記印刷用紙反転手段は、前記圧胴から印刷用紙を受け取る第1の胴と、前記第1の胴から印刷用紙を受け取り、印刷用紙の反転を行う第2の胴と、前記第2の胴から印刷用紙を受け取り、前記第1の胴に対して印刷用紙を供給する第3の胴とを備えている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る印刷装置の側面概要図である。
【0017】
なお、この実施の形態は、第1、第2の版胴11、12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して圧胴15に保持された印刷用紙Sに転写することにより印刷を行う印刷装置にこの発明を適用したものである。
【0018】
この印刷装置は、図1において実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で示す第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可能な第2の版胴12とを有する。
【0019】
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例えばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21とが配置されている。また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのインキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置22とが配置されている。さらに、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25と、現像処理装置26とが配置されている。
【0020】
また、この印刷装置は、第1の版胴11と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケット胴14と、第1、第2のブランケット胴13、14と互いに異なる位置で当接可能に設けられた圧胴15と、給紙部27から供給された印刷用紙Sを圧胴15に渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取った印刷済の印刷用紙Sを排紙部28に排出するためのチェーン19を巻回した一対の排紙胴17と、両面印刷時に印刷用紙Sを反転するための反転胴18と、ブランケット洗浄装置29とを有する。
【0021】
なお、上記給紙胴16、排紙胴17および反転胴18は、この発明に係る印刷用紙反転手段を構成する。
【0022】
上記第1、第2の版胴11、12は、それぞれ後述する第1、第2の版胴移動機構31、32と連結されており、この第1、第2の版胴移動機構31、32の駆動により、上述した第1または第2の印刷位置と画像記録位置との間を往復移動する。
【0023】
図2は第1、第2の版胴移動機構31、32の平面図であり、図3は第1の版胴移動機構31の側断面図である。なお、第1、第2の版胴移動機構31、32は、互いに対称形をなす同様の構成を有することから、第1、第2の版胴移動機構31、32において共通する部材については同一の符号を付している。
【0024】
第1、第2の版胴移動機構31、32は、第1、第2の版胴11、12の支軸36を軸支する一対の軸受け33を移動させるために、側板34に穿設された溝孔35を有する(なお、図2においては溝孔35のみを示し、側板34の図示はこれを省略している)。この軸受け33は、ガイド部材37に沿って移動可能なスライドホルダ38に支持されている。また、このスライドホルダ38には、ナット42が配設されている。このナット42は、モータ39の駆動軸に連結されたボールネジ41と螺合している。
【0025】
このため、第1の版胴11は、モータ39の駆動により、スライドホルダ38とともに移動可能となっている。そして、第1の版胴11はガイド部材37およびボールネジ41に沿って、図1において実線で、また、図2において破線で示す第1の印刷位置と図1および図2において二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動する。同様に、第2の版胴12は、モータ39の駆動により、スライドホルダ38とともに移動可能となっている。そして、第2の版胴12は、ガイド部材37およびボールネジ41に沿って、図1において実線で、また、図2において破線で示す第2の印刷位置と図1および図2において二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動する。
【0026】
側板34における上記画像記録位置付近には、軸43を中心に回動するストッパ44が配設されている。このストッパ44は、一対の位置決めピン45により左右方向の移動角度を規制されている。モータ39の駆動により移動した第1の版胴11の軸受け33がこのストッパ44と当接することにより、第1の版胴11は画像記録位置において位置決め、固定される。また、モータ39の駆動により移動した第2の版胴12の軸受け33がこのストッパ44と当接することにより、第2の版胴11は画像記録位置において位置決め、固定される。
【0027】
また、側板34における上記第1、第2の印刷位置付近には、それぞれ第1、第2の版胴11、12の軸受け33を固定するための図示しない固定部材が配設されている。第1の版胴11はこの固定部材により第1の印刷位置で位置決め、固定され、第2の版胴12はこの固定部材により第2の印刷位置で位置決め、固定される。
【0028】
第1、第2の版胴11、12の軸受け33は、その一部に切り欠きを有する略円形の回転止め部材46と連結されている。また、この回転止め部材46の側方には、係止部材48が配設されている。この係止部材48は、エアシリンダ47の駆動により、回転止め部材46の切り欠きと係合する位置と切り欠きから離隔する位置との間を移動する。このため、第1、第2の版胴11、12は、エアシリンダ47の駆動で係止部材48が回転止め部材46の切り欠きと係合することにより、その回転角度位置を位置決めされ、固定される。
【0029】
この回転止め部材46等を利用して第1、第2の版胴11、12の回転角度位置を位置決め、固定するのは、以下の理由による。すなわち、第1、第2の版胴11、12と第1、第2のブランケット胴13、14の回転位置関係にずれが生じた場合には、印刷の位置ずれや部品間の衝突という問題が発生するため、両者の位置関係は常に一定である必要がある。この時、画像記録位置において、第1、第2の版胴に保持された印刷版に対し後述する画像記録装置25により画像の記録を行う際には、第1、第2の版胴11、12の回転角度位置は図示しないロータリエンコーダ等により監視されている。しかしながら、画像記録位置から第1、第2の印刷位置までの移動時に、第1、第2の版胴11、12が回転してしまい、第1、第2の版胴11、12と第1、第2のブランケット胴13、14との回転位置関係にずれが生じてしまう場合がある。このため、回転止め部材46等を利用して第1、第2の版胴11、12の回転角度位置を位置決め、固定しているのである。
【0030】
なお、第1のブランケット胴13と第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第2の版胴12とは、その端部に付設されたギヤにより各々連結される構成となっている。このため、両者のギヤが互いに当接した時点で係止部材48を回転止め部材46の切り欠きから離隔させ、第1、第2の版胴11、12を回転させながら移動させることにより、各ギヤを互いに噛合させるようにしている。
【0031】
上述したように、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と排版部24とが配置されている。図4は、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12を給版部23および排版部24とともに示す側面概要図である。
【0032】
給版部23は、画像が記録されていない長尺ロール状の印刷版Pを光密な状態で収納するマガジン52と、一対の案内ローラ53によりこのマガジン52から引き出した印刷版Pの先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表面に案内するためのガイド部材55およびガイドローラ56と、長尺の印刷版Pを切断してシート状の印刷版Pとするためのカッター54を有する。
【0033】
第1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給された印刷版Pの先端をくわえるためのくわえ爪57が配設されている。このくわえ爪57は、第1の版胴11または第2の版胴12の回転に伴ってそのカムフォロア部58を図示しないカムと当接させることにより、開閉動作を行う。なお、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12は、モータ61の駆動により回転する摩擦車62とその表面で当接し、モータ61の駆動により低速で回転する。
【0034】
排版部24は、印刷完了後に第1の版胴11または第2の版胴12上に保持された印刷版Pを剥がすための爪63と、爪63の作用により剥がされた印刷版Pを排版トレイ64に案内するための搬送ローラ65およびガイド部材66とを有する。
【0035】
一対の案内ローラ53によりマガジン52から引き出された印刷版Pは、その先端部をくわえ爪57によりくわえられ、第1の版胴11または第2の版胴12の回転に伴って第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そして、カッター54で切断された印刷版Pの後端部は、第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に設けられた図示しない吸着装置により吸着保持される。この状態において、モータ61の駆動により第1の版胴11または第2の版胴12を低速で回転させながら、後程詳細に説明する画像記録装置25により第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持された印刷版Pの表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0036】
なお、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図5(a)に示すように、画像領域67aと画像領域67bとが記録される。また、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図5(b)に示すように、画像領域67cと画像領域67dとが記録される。画像領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴11の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。同様に、画像領域67cと画像領域67dとは、第2の版胴12の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。
【0037】
印刷用紙Sの片面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインキを使用した4色印刷を行う場合には、画像領域67aはブラックのインキで印刷を行うために使用され、画像領域67bはマゼンタのインキで印刷を行うために使用され、画像領域67cはシアンのインキで印刷を行うために使用され、画像領域67dはイエローのインキで印刷を行うために使用される。また、印刷用紙の両面に2色のインキを使用した2色印刷を行う場合には、画像領域67aと画像領域67bは第1色目のインキで印刷を行うために使用され、画像領域67cと画像領域67dは第2色目のインキで印刷を行うために使用される。なお、片面に1〜3色の印刷を行う場合や両面に単色で印刷を行う場合等においては、画像領域67a、67b、67c、67dのうち1または2の画像領域は作成されない。
【0038】
上述した実施の形態においては、第1の版胴11または第2の版胴12の構成を簡易化するために、第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持した1枚の印刷版Pに各々2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dを設けている。しかしながら、図6に示すように、第1の版胴11または第2の版胴12に、各々2個のくわえ爪57を配設することにより、第1の版胴11または第2の版胴12の各々に2枚の印刷版Pを保持させる構成としてもよい。この場合においても、各印刷版Pによる画像領域が均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となるように、各々2枚の印刷版Pを均等に振り分けた状態で第1の版胴11または第2の版胴12上に保持させる必要がある。
【0039】
この場合において、上述したように、片面に1〜3色の印刷を行う場合や両面に単色で印刷を行う場合等においては、図5に示す画像領域67a、67b、67c、67dのうち1または2の画像領域に相当する位置には、印刷版Pを配設する必要はない。
【0040】
図7は、上述した画像記録装置25の構成を示す斜視図である。
【0041】
この画像記録装置25は、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の回転により副走査方向に移動する印刷版に対して、主走査方向にレーザビーム91を走査することにより画像を記録するものである。この画像記録装置25は、画像信号に基づき変調された記録ビームとしてのレーザビーム91を射出する半導体レーザ92と、半導体レーザ92から射出されたレーザビーム91を集束させるレンズ群93と、偏向装置としてのポリゴンミラー94と、走査レンズ群95と、折返しミラー96とを有する。半導体レーザ92より射出されたレーザビーム91は、ポリゴンミラー94の作用により偏向されて主走査方向を向く走査ビームとなり、印刷版の副走査方向の移動に伴って印刷版全域を走査することにより、印刷版に所望の画像を記録する。
【0042】
再度図1を参照して、上述したように、第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、インキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが配置されている。これらのインキ供給装置20a、20b、20cおよび20d(これらを総称する場合には「インキ供給装置20」という)は、左右一対の側板72間に軸支された複数のインキローラ68とインキつぼ69とを有する。
【0043】
インキ供給装置20a、20bは、後述するカム81、82の作用で一対の側板72が軸71を中心として回動することにより揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20aまたは20bのインキローラ68が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供給装置20c、20dも、後述するカム81、82の作用で一対の側板72が軸71を中心として回動することにより揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20cまたは20dのインキローラ68が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。
【0044】
図8は上述したインキ供給装置20の揺動機構を示す概要図であり、図9はカム81、82の平面図である。
【0045】
カム81、82は各々円弧形状を有し、第1、第2の版胴11、12の側面において、互いに180度離隔した位置関係で配置されている。そして、これらの位置関係は、印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dの位置関係と一致している。
【0046】
一方、インキ供給装置20における側板72には支軸73がスライド可能に貫通されている。この支軸73の一端には、カムフォロアとしてのベアリング74が付設されている。そして、この支軸73は、支軸73と連結棒75およびL型金具76を介して接続されたシリンダ機構77により、その軸線方向の位置を変位可能に構成されている。
【0047】
この支軸73の軸線方向の移動は、支軸73に付設されたベアリング74が、カム81およびカム82により形成される凹部78(図9参照)と対向する位置において実行される。そして、ベアリング74は、支軸73の移動に伴い、図8において実線で示す第1の位置と、支軸73の軸線方向に対しベアリング74の位置がカム81の位置と一致する第2の位置と、支軸73の軸線方向に対しベアリング74の位置がカム82の位置と一致する第3の位置との間を移動する。
【0048】
支軸73に付設されたベアリング74が図8に示す第1の位置に配置された状態においては、インキ供給装置20のインキローラ68は印刷版と常に接触することになり、印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dの全域にインキを供給することとなる。
【0049】
また、支軸73に付設されたベアリング74が第2の位置に配置された状態においては、第1の版胴11または第2の版胴12の回転に伴いベアリング74がカム81に乗り上げることにより、側板72が軸71を中心に回転してインキ供給装置20が揺動する。このとき、カム81は画像領域81aまたは81cと同一の位置関係となっていることから、インキ供給装置20のインキローラ68は、印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dのうちの一方の画像領域67b、67dにのみインキを供給することとなる。
【0050】
さらに、支軸73に付設されたベアリング74が第3の位置に配置された状態においては、第1の版胴11または第2の版胴12の回転に伴いベアリング74がカム82に乗り上げることにより、側板72が軸71を中心に回転してインキ供給装置20が揺動する。このとき、インキ供給装置20のインキローラ68は、印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dのうちの一方の画像領域67a、67cにのみインキを供給することとなる。
【0051】
従って、この印刷装置により、印刷用紙Sの片面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の印刷を行う場合においては、インキ供給装置20aにはブラックのインキを、インキ供給装置20bにはマゼンタのインキを、インキ供給装置20cにはシアンのインキを、インキ供給装置20dにはイエローのインキを各々供給しておく。そして、インキ供給装置20a、20cにおいてはベアリング74を第3の位置に配置し、インキ供給装置20b、20dにおいてはベアリング74を第2の位置に配置する。これにより、画像領域67aにはインキ供給装置20aからブラックのインキを、画像領域67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキを、画像領域67cにはインキ供給装置20cからシアンのインキを、さらに、画像領域67dにはインキ供給装置20dからイエローのインキを、各々供給することができる。
【0052】
また、上記片面4色印刷に引き続き、印刷用紙の両面にシアンおよびマゼンタの2色印刷を行う場合においては、インキ供給装置20bおよび20cにおいてはベアリング74を第1の位置に配置する。また、インキ供給装置20a、20dは、図示しない駆動源により軸71を中心として側板72を揺動させることにより、第1、第2の版胴11、12から離隔する方向に退避させておく。これにより、画像領域67a、67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキを、画像領域67c、67dにはインキ供給装置20cからシアンのインキを各々供給することができる。
【0053】
また、図1に示すように、4個のインキ供給装置20a、20b、20c、20dのうち、インキ供給装置20b、20cは、上述した第1、第2の版胴11、12の移動時において第1、第2の版胴11、12との干渉を避けるため、図示しない駆動源により図1において二点鎖線で示す位置まで移動するよう構成されている。また、同様に、2個の湿し水供給装置21、22のうちの一方の湿し水供給装置22は、第2の版胴12の移動時において第2の版胴12との干渉を避けるため、図示しない駆動源により図1において二点鎖線で示す位置まで移動するよう構成されている。
【0054】
再度図1を参照して、湿し水供給装置21、22は、上記インキ供給装置20により印刷版にインキを供給する前に、印刷版に湿し水を供給するものである。なお、この湿し水供給装置21、22は、第1、第2の版胴11、12に対して1個ずつ設けられているが、第1、第2の版胴11、12に対し各々2個設けてもよい。この場合、各湿し水供給装置は、上述したインキ供給装置20の場合と同様、対応する印刷版にのみ湿し水を供給する。
【0055】
画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の下方には、上述した現像処理装置26が配設されている。この現像処理装置26は、現像部、安定化部および水洗部を有し、図1において実線で示す待機位置と二点鎖線で示す現像処理位置との間を昇降可能に構成されている。
【0056】
この現像処理装置26によって画像記録装置25により画像が記録された印刷版を現像処理する場合においては、図4に示すモータ61の駆動により第1の版胴11または第2の版胴とともに回転する印刷版に対して、現像部、安定化部および水洗部を順次接触させることにより、印刷版に現像、安定化および水洗処理を施す。なお、さらに印刷版面から液を絞る絞り部を設けてもよい。
【0057】
第1、第2の版胴11、12と当接可能に設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されている。そして、この第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対し、後述する胴入れ機構により接離自在に構成されている。
【0058】
なお、その外周に軟質のブランケットを装着した第1、第2のブランケット胴13、14の直径は、第1、第2の版胴11、12と当接することにより若干小さくなる。この明細書で述べる同一の直径とは、このような直径の変化等により若干の誤差が生じた場合をも含むものである。また、後述する圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有するが、この場合においても、上記同様の直径の変化等に基づいて生じる誤差をも含むものである。
【0059】
図10は、上記第1のブランケット胴13の胴入れ機構を示す概要図である。なお、第2のブランケット胴14の胴入れ機構も、図10に示す第1の版胴13の胴入れ機構と同様の構成を有する。
【0060】
第1のブランケット胴13を回転自在に支持する軸101の側方には軸101とは中心が異なる偏芯軸102が連設されている。また、偏芯軸102の周囲には、軸101、102とさらに中心が異なる偏芯軸受103が配設されている。このため、図10に示すように、軸101の中心(すなわち第1のブランケット胴13の中心)104と、偏芯軸102の中心105と、偏芯軸受103の中心106は、各々異なる位置に配置される。
【0061】
偏芯軸102に固設された固定板107と偏芯軸受103に固設された固定板108とは、リンク機構を構成する2枚の連結板111、112により連結されている。そして、2枚の連結板111、112の連結部分にはエアシリンダ113のシリンダロッド114先端部が接続されている。また、エアシリンダ113本体は、軸115を中心に回動する回動板116の一端に連結されている。さらに、この回動板116の他端は、ロッド117を介して偏芯軸受103に固設された固定板118と連結されている。
【0062】
また、回動板116と偏芯部材119の軸120とは、リンク機構を構成する2枚の連結板121、122により連結されている。そして、2枚の連結板121、122の連結部分には装置本体に固定されたエアシリンダ123のシリンダロッド124先端部が接続されている。さらに、偏芯部材119と接続するウォームホイル125は、モータ126の駆動により回転するウォームギヤ127と螺合している。
【0063】
このような構成において、各エアシリンダ113および123のシリンダロッド114、124が縮んだ状態においては、図10に示すように、第1のブランケット胴13の表面と第1の版胴11および圧胴15の表面とはわずかな距離だけ離隔している。
【0064】
この状態で、エアシリンダ113の駆動によりそのシリンダロッド114を伸ばした場合には、2枚の連結板111、112等によるリンク機構の作用により、第1のブランケット胴13は第1の版胴11方向へ移動し、第1の版胴11への胴入れがなされる。
【0065】
この状態において、エアシリンダ123の駆動によりそのシリンダロッド124を伸ばした場合には、2枚の連結板121、122等により構成されるリンク機構の作用により、第1のブランケット胴13は圧胴15方向へ移動し、圧胴15への胴入れがなされる。このとき、回動板116も軸115を中心に反時計方向に回転することから、第1のブランケット胴13は圧胴15方向のみならず第1の版胴11方向へも移動する。従って、第1のブランケット胴13における第1の版胴11への胴入れ状態は維持される。
【0066】
なお、偏芯部材119を回転させた場合には、偏芯部材119の軸120が微動する。このため、偏芯部材119と接続するウォームホイル125をモータ126の駆動により回転させ、軸120を微動させることにより、圧胴15および第1の版胴11と第1のブランケット胴13との接触圧を調整することができる。従って、第1のブランケット胴13を使用した印刷時における印圧を調整することが可能となる。
【0067】
再度図1を参照して、第1、第2のブランケット胴13、14の間に配設されたブランケット洗浄装置29は、巻き出しロールから複数の圧接ローラを介して巻き取りロールに至る経路に貼張された長尺の洗浄布に洗浄液を供給し、この洗浄布を第1、第2のブランケット胴13、14に対して当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14の表面を洗浄するものである。なお、上記洗浄布を圧胴15の表面にも接触させることにより、圧胴15の表面をも洗浄する構成としてもよい。
【0068】
第1、第2のブランケット胴13、14と当接可能に設けられた圧胴15は、上述したように、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有する。また、圧胴15は、印刷用紙Sの先端を保持して搬送するためのグリッパ83を有する。印刷用紙Sは、この圧胴15と第1、第2のブランケット胴13、14との間を通過することにより、その表面にインキが転写され、印刷が行われる。
【0069】
また、圧胴15に隣接して配設された給紙胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴16は、往復移動する吸着盤131により給紙部27から1枚ずつ供給された印刷用紙Sの先端部をグリッパ84により保持して搬送する。グリッパ84により保持された印刷用紙Sの先端部は、給紙胴16から圧胴15への印刷用紙Sの受け渡し時に、圧胴15のグリッパ83により保持される。
【0070】
また、圧胴15に隣接して配設された排紙胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しない3個の連結部材上に、各々グリッパ85が配設されている。版胴15のグリッパ83により保持された印刷用紙Sの先端部は、版胴15から排紙胴17への印刷用紙Sの受け渡し時に、排紙胴17のいずれかのグリッパ85により保持される。そして、この印刷用紙Sは、チェーン19の移動に伴って排紙部28上に搬送されて排出される。
【0071】
さらに、圧胴15の下方部に配設された反転胴18は、圧胴15と同一の直径を有する。この反転胴18は、印刷用紙Sに対し両面印刷を行う場合に、印刷用紙Sの表裏反転を実行するために使用される。
【0072】
この反転胴18は、図11に示すように、排紙胴17の外周部に保持された印刷用紙Sの後端を保持して回転するグリッパ86と、グリッパ86に保持された印刷用紙Sの後端をグリッパ86から受け取って回転し、この印刷用紙Sの後端を先頭として給紙胴16のグリッパ84に渡すグリッパ87とを有する。これらのグリッパ86、87は、反転胴18の長手方向(図11における紙面に垂直は方向)において、互いに干渉しない異なる位置に複数配置されている。
【0073】
グリッパ86とこのグリッパ86の台座151とは、反転胴18に設けられた軸152を中心に回転可能な歯車153に支持されている。この歯車153には、歯車159が同芯状に配設されている。また、グリッパ87とこのグリッパ87の台座154とは、反転胴18に設けられた軸155を中心に回転可能な歯車156に支持されている。そして、歯車153と156とは、互いに噛合している。
【0074】
また、略L型のアーム157が、反転胴18に設けられた軸158を中心に揺動可能に配設されている。このアーム157の一端部には、ラック面161が形成されている。このラック面161は歯車159と噛合している。さらに、アーム157の他端部には、図示しないカムと当接するカムフォロアー162が配設されている。
【0075】
このため、カムフォロアー162が図示しないカムと当接して揺動することにより、グリッパ86、87は、軸152、155の軸芯を回転中心として回転する。そして、グリッパ86、87が図11において二点鎖線で示す位置に移動したとき、後述するように、グリッパ86からグリッパ87への印刷用紙Sの受け渡しが実行される。
【0076】
なお、上述した各グリッパ83、84、85、86、87は、各々図示しないカム機構により、その開閉動作を実行する。このとき、印刷用紙Sに両面印刷を行うか片面印刷を行うかにより、各グリッパ83、84、85、86、87の開閉動作を変更する必要がある。同様に、印刷用紙Sに両面印刷を行うか片面印刷を行うかにより、グリッパ86、87による受け渡し動作を実行するか否かを変更する必要がある。これらの動作の変更は、後述する制御部140からの指令により、各グリッパ83、84、85、86、87に設けられたカムフォロワーおよびアーム157の端部に設けられたカムフォロアー162が当接するカムの形状を変更することにより行われる。
【0077】
なお、これらのグリッパ83、84、85、86、87の開閉動作やグリッパ86、87による受け渡し動作を上述したカム機構により行うかわりに、エアシリンダやモータ等の他のアクチュエータを利用して行ってもよい。
【0078】
上述したように、上記給紙胴16、排紙胴17および反転胴18は、この印刷装置により両面印刷を行う際に、圧胴15から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴15に渡す表裏反転動作を実行する印刷用紙反転手段を構成する。
【0079】
以下、印刷用紙Sに対する表裏反転動作について説明する。図12〜図14は印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。なお、これらの図においては、説明の便宜上、圧胴15、給紙胴16および排紙胴17におけるグリッパ83、84、85の一部は図示を省略している。
【0080】
圧胴15と第1、第2のブランケット胴13、14との間を通過して印刷がなされた印刷用紙Sの先端部は、図12(a)に示すように、排紙胴17のグリッパ85に保持される。そして、図12(b)に示すように、この印刷用紙Sは、グリッパ85がチェーン19とともに移動することにより、チェーン19に沿って搬送される。そして、印刷用紙Sの後端部は、排紙胴17に設けられた吸着機構163により吸着され、排紙胴17の表面に保持される。
【0081】
続いて、図13(a)に示すように、印刷用紙Sの後端部が反転胴18のグリッパ86により保持される。そして、図13(b)に示すように、反転胴18の回転に伴い、印刷用紙Sは排紙胴17から反転胴18に受け渡される。
【0082】
反転胴18の回転中に、反転胴18に設けられたアーム157のカムフォロアー162が図示しないカムと当接することにより、アーム157が揺動する。これに伴い図14(a)に示すように、グリッパ86、87が回転し、両者の間で印刷用紙Sの受け渡しを行う。そして、図14(b)に示すように、反転胴18がさらに回転を続けることにより、印刷用紙Sは、その後端部を先頭とした状態でグリッパ87により保持され、給紙胴16方向に搬送される。この印刷用紙Sは、給紙部27から新たに供給された印刷用紙Sの場合と同様、給紙胴16を介して圧胴15に供給される。
【0083】
以上のように、印刷用紙Sが、圧胴15から排紙胴17、反転胴18および給紙胴16を順次通過して再度圧胴15に渡されるまでの間に、印刷用紙Sの表裏反転動作が実行される。
【0084】
なお、印刷用紙Sの先端が圧胴15の外周部より離隔するときの印刷用紙Sの位置に対し、印刷用紙Sの後端が圧胴15の外周部に再度保持されるときの印刷用紙Sの位置は、圧胴15の外周の2倍の距離だけ遅れている。従って、印刷用紙Sは、表裏反転動作を実行した後、圧胴15における第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ遅れた圧胴15上の位置に渡されることになる。
【0085】
再度図1を参照して、前記給紙胴16は、ベルト132を介してモータ133と連結されている。そして、給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、反転胴18、第1、第2のブランケット胴13、14は、各々その端部に付設されたギヤにより連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第2の版胴12とは、その端部に付設されたギヤにより各々連結されている。従って、モータ133の駆動により、これらの給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、反転胴18、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12は、互いに同期して回転する。
【0086】
なお、図10に示す第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構の作用により、第1、第2のブランケット胴13、14の表面を第1、第2の版胴11、12および圧胴15の表面からわずかに離隔させた胴抜き状態とした場合であっても、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12および圧胴15の端部に付設されたギヤは、各々歯たけの範囲内で互いに係合しており、その回転駆動力を伝達することが可能となっている。
【0087】
図15は、この印刷装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。この印刷装置は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142と、CPU143とからなる制御部140を備える。この制御部は140は、インタフェース144を介して、インキ供給装置20、画像記録装置25、現像処理装置26、ブランケット洗浄装置29、第1、第2の版胴移動機構31、32、第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等における駆動部、および、モータ133の駆動信号を発生させる駆動回路145と接続されている。印刷装置はこの制御部140により制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行する。
【0088】
また、この制御部140は、前述したように、印刷用紙Sの表裏反転動作を実行する印刷用紙反転手段を必要に応じ選択的に動作させる制御手段としても機能する。
【0089】
次に、この印刷装置による製版および印刷動作について説明する。図16は、この印刷装置による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【0090】
まず、第1、第2の版胴11、12上において印刷版に画像を記録し、現像処理を行う製版工程を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブルーチンとしての図17のフローチャートに示す工程に従って実行される。
【0091】
すなわち、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す製版位置に移動させる(ステップS11)。この第1の版胴11の移動は、図2に示すモータ39の駆動により、スライドホルダ38をガイド部材37に沿って移動させることにより実行される。
【0092】
次に、第1の版胴11の外周に印刷版を供給する(ステップS12)。この印刷版の供給は、図4に示す一対の案内ローラ53によりマガジン52から引き出した印刷版Pの先頭部をくわえ爪57でくわえるとともに、カッター54で切断された印刷版Pの後端部を図示しない吸着装置により吸着保持することにより実行される。
【0093】
続いて、第1の版胴11の外周に保持された印刷版に画像を記録する(ステップS13)。この画像の記録は、図4に示すモータ61の駆動により第1の版胴11を低速で回転させるとともに、画像記録装置25から第1の版胴11の外周に保持された印刷版に変調されたレーザビームを照射することにより実行される。
【0094】
次に、画像が記録された印刷版を現像処理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理装置26を図1において二点鎖線で示す現像処理位置まで上昇させた後、その現像部、安定化部、水洗部を低速で回転する第1の版胴11に順次接触させることにより実行される。
【0095】
上記現像処理が終了すれば、第1の版胴11を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動させる(ステップS15)。
【0096】
続いて、上記ステップS11〜15と同様の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷版に対する製版工程を実行する(ステップS16〜20)。
【0097】
そして、第1、第2の版胴11、12の外周に保持される印刷版への製版が終了すれば、製版工程を終了する。
【0098】
再度図16を参照して、製版工程が完了すれば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版を用いて印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップS2)。この印刷工程における印刷装置の動作については、後程詳細に説明する。
【0099】
印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印刷版を排出する(ステップS3)。この印刷版の排出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す製版位置に移動させる。そして、図4に示すモータ61の駆動により第1の版胴11を反時計回りに回転させるとともに、第1の版胴11上に保持された印刷版の端部を爪63により剥がした後、この印刷版を搬送ローラ65およびガイド部材66により案内して、排版トレイ64上に排出する。そして、第1の版胴11を第1の印刷位置に復帰させた後、第2の版胴12を第2の印刷位置から製版位置に移動させ、上記同様の動作を実行することにより、第2の版胴12上に保持された印刷版を排版トレイ64上に排出する。
【0100】
印刷版の排出工程が完了すれば、第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する(ステップS4)。この第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄時には、図10に示す胴入れ機構により、第1、第2のブランケット胴13、14を第1、第2の版胴11、12および圧胴15から離隔させた後、第1、第2のブランケット胴13、14を回転させる。この状態において、ブランケット洗浄装置29における洗浄液を供給された洗浄布を第1、第2のブランケット13、14の表面に当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する。
【0101】
第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行うか否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行う場合には、ステップ1〜4の動作を繰り返す。
【0102】
印刷作業が終了した場合には、インキの洗浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各インキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ68やインキつぼ69に付着するインキを除去および洗浄することにより実行される。
【0103】
インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工程を完了する。
【0104】
上述した実施の形態に係る印刷装置においては、第1の版胴11を、画像記録装置25と対向する画像記録位置と第1のブランケット胴13と当接する第1の印刷位置との間で移動させる第1の版胴移動機構31と、第2の版胴12を、前記画像記録位置と第2ブランケット胴14と当接する第2の印刷位置との間で移動させる第2の版胴移動機構32とを備えることから、印刷版の製版工程で使用される画像記録装置25や現像処理装置26と印刷工程で使用される第1、第2のブランケット胴13、14やインキ供給装置20または湿し水供給装置21、22とを、互いに干渉することがない別々の位置に配置することができる。このため、これらを配置するためのスペースの確保が容易となり、配置関係の自由度を向上することができる。また、単一の画像記録装置25を使用して第1、第2の版胴11、12に保持された印刷版に画像を記録することができるので、装置を簡易化でき、装置全体の価格を低くすることが可能となる。
【0105】
次に、上述した印刷工程における印刷装置の動作について説明する。まず、この印刷装置により、印刷用紙の片面のみに印刷を行う場合について説明する。
【0106】
図18〜20は、この印刷装置により、印刷用紙Sの片面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのインキを使用して印刷を行う片面4色印刷の印刷動作を示す説明図である。
【0107】
なお、図18〜20においては、説明の便宜上、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうちブラックのインキの印刷に使用される側の領域に符号Kを、また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうちマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域に符号Mを付し、また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうちシアンのインキの印刷に使用される側の領域に符号Cを、また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうちイエローのインキの印刷に使用される側の領域に符号Yを付している。
【0108】
印刷工程に先立つ製版工程において、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、図5(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録されており、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、図5(b)に示すように、シアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録されているものとする。また、インキ供給装置20aにはブラックのインキを、インキ供給装置20bにはマゼンタのインキを、インキ供給装置20cにはシアンのインキを、インキ供給装置20dにはイエローのインキを各々供給しておく。
【0109】
さらに、インキ供給装置20a、20cにおいては図8に示すベアリング74を第3の位置に配置し、インキ供給装置20b、20dにおいてはベアリング74を第2の位置に配置することにより、図5に示す印刷版Pの画像領域67aにはインキ供給装置20aからブラックのインキが、画像領域67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、画像領域67cにはインキ供給装置20cからシアンのインキが、さらに、画像領域67dにはインキ供給装置20dからイエローのインキが、各々供給されるようにしておく。
【0110】
先ず、図10に示す胴入れ機構の作用により、第1、第2のブランケット胴13、14を、圧胴15から離隔した位置に配置される胴抜き状態とする。この状態において、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14を回転させる。なお、このとき圧胴15、給紙胴16、排紙胴17、反転胴18も同期して回転する。
【0111】
この状態において、各湿し水供給装置21、22を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版に当接させる。また、各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版のうちの対応する画像領域とのみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには湿し水が供給されるとともに、画像領域67aにはインキ供給装置20aから、画像領域67bにはインキ供給装置20bから、画像領域67cにはインキ供給装置20cから、画像領域67dにはインキ供給装置20dから、各々ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのインキが供給される。そして、このインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0112】
この動作を繰り返すことにより、第1、第2の版胴11、12上の印刷版および第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給がなされる。このインキの供給動作は、印刷工程が完了するまで繰り返し実行される。
【0113】
第1、第2の版胴11、12上の印刷版および第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給が完了すれば、図18(a)に示すように、印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。この印刷用紙Sは、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0114】
そして、圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第1のブランケット胴13と対向する位置まで移動すれば、図10に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図18(b)に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第1のブランケット胴13表面におけるブラックのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第1のブランケット胴13表面におけるブラックのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版胴11に保持された印刷版における画像領域67aからブラックのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、印刷用紙Sにはブラックのインキが転写される。
【0115】
圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第2のブランケット胴14と対向する位置まで移動すれば、図10に示す胴入れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図19(a)に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第2のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第2のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの印刷に使用される側の領域には、第2の版胴12に保持された印刷版における画像領域67cからシアンのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラックのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにシアンのインキが転写される。
【0116】
この状態において、圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14とともに回転を続けると、図19(b)に示すように、印刷用紙Sは圧胴15の外周部に完全に巻回された状態となる。そして、圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の[1/2]の直径を有することから、圧胴15の外周部に巻回された印刷用紙Sは、2回転目においては、第1のブランケット胴13表面におけるマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域と当接する。そして、第1のブランケット胴13表面におけるマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版胴11に保持された印刷版における画像領域67bからマゼンタのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラックおよびシアンのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにマゼンタのインキが転写される。
【0117】
そして、圧胴15がさらに回転すれば、印刷用紙Sは、第2のブランケット胴14表面におけるイエローのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第2のブランケット胴14表面におけるイエローのインキの印刷に使用される側の領域には、第2の版胴12に保持された印刷版における画像領域67dからイエローのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラック、シアンおよびマゼンタのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにイエローのインキが転写され、4色の印刷が完了する。
【0118】
4色の印刷が終了した印刷用紙の先端部は、図20(a)に示すように、圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に渡される。また、次に印刷を行うべき印刷用紙Sが給紙胴16に供給された後、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0119】
そして、4色の印刷が終了した印刷用紙Sは、図20(b)に示すように、一対のチェーン19の駆動により、排紙胴17のグリッパ85とともに排紙部28上まで搬送されて排出される。
【0120】
以上説明したように、この印刷装置においては、圧胴15が第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有することから、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が1回転する間に圧胴15は2回転する。そして、圧胴15が2回転する間に、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の印刷が行われる。このため、圧胴15が2回転する度に、給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することにより、4色の印刷を連続して実行することが可能となる。
【0121】
なお、この印刷装置において上記のような片面印刷を行うにあたり、印刷用紙Sの片面に4色のインキで印刷を行う片面4色印刷ではなく、印刷用紙の片面にそれぞれ1〜3色のインキで印刷を行うことも可能である。
【0122】
例えば、印刷用紙の片面にブラックのインキのみで印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版における画像領域67a、67bに同一の画像を形成する。そして、インキ供給装置20aにおいては、図8に示すベアリング74を第1の位置に配置する。また、他のインキ供給装置20b、20c、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。
【0123】
この状態において、圧胴15が1回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、同一の画像が形成された画像領域67aまたは67bからのブラックのインキによる画像が転写され、片面単色印刷を行うことができる。
【0124】
なお、この場合においては、第2の版胴12および第2のブランケット胴14は使用されない。従って、第2のブランケット胴14は、図10に示す胴入れ機構により、胴抜き状態としておけばよい。また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13を使用して印刷を行っている間に、第2の版胴12を画像記録位置に移動させ、この位置において第2の版胴12上で製版工程を実行するようにしてもよい。
【0125】
また、印刷用紙の片面にシアンおよびマゼンタのインキで2色印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版における画像領域67a、67bの各々にマゼンタのインキで印刷を行うべき同一の画像を形成する。また、第2の版胴12に保持される印刷版における画像領域67c、67dの各々にシアンのインキで印刷を行うべき同一の画像を形成する。そして、インキ供給装置20b、20cにおいては、図8に示すベアリング74を第1の位置に配置する。また、インキ供給装置20a、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。
【0126】
この状態において、圧胴15が1回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、同一の画像が形成された画像領域67aまたは67bからのマゼンタのインキによる画像、および、同一の画像が形成された画像領域67cまたは67dからのシアンのインキによる画像が順次転写され、片面2色印刷を行うことができる。
【0127】
なお、上記同様の片面2色印刷であっても、ブラックおよびマゼンタのインキを使用して2色印刷を行う場合においては、圧胴が2回転する度に新しい印刷用紙Sを供給する必要がある。すなわち、この場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版における画像領域67aにブラックのインキで印刷を行うべき画像を、また、画像領域67bにマゼンタのインキで印刷を行うべき画像を形成する。そして、図8に示すベアリング74を、インキ供給装置20aにおいては第3の位置に、また、インキ供給装置20bにおいては第2の位置に配置する。また、インキ供給装置20c、20dは、第2の版胴12から離隔させておく。
【0128】
この状態において、圧胴15が2回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、画像領域67a、67bからのブラックおよびマゼンタのインキによる画像が転写され、片面2色印刷を行うことができる。
【0129】
なお、この場合においても、第2の版胴12および第2のブランケット胴14は使用されない。従って、第2のブランケット胴14は、図10に示す胴入れ機構により、胴抜き状態としておけばよい。また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13を使用して印刷を行っている間に、第2の版胴12を画像記録位置に移動させ、この位置において第2の版胴12上で製版工程を実行するようにしてもよい。
【0130】
さらに、印刷用紙の片面にイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインキで印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版における画像領域67bにマゼンタのインキで印刷を行うべき画像を形成し、第2の版胴12に保持される印刷版における画像領域67cに67dにそれぞれシアンおよびイエローのインキで印刷すべき画像を形成する。そして、図8に示すベアリング74を、インキ供給装置20cにおいては第3の位置に、また、インキ供給装置20b、20dにおいては第2の位置に配置する。また、インキ供給装置20aは、第1の版胴11から離隔させておく。
【0131】
この状態において、圧胴15が2回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が2回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、画像領域67b、67c、67dからのマゼンタ、シアンおよびイエローのインキによる画像が転写され、片面3色印刷を行うことができる。
【0132】
次に、この印刷装置により、印刷用紙Sの両面に印刷を行う場合について説明する。
【0133】
図21〜図25は、この印刷装置により、印刷用紙Sの表面および裏面にシアンおよびマゼンタの2色のインキを使用して印刷を行う両面2色印刷の印刷動作を示す説明図である。
【0134】
なお、図18〜20においては、説明の便宜上、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうち、印刷用紙Sの表面に対しマゼンタのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「M1領域」という)に符号M1を、また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうち、印刷用紙Sの裏面に対しマゼンタのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「M2領域」という)に符号M2を付している。また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうち、印刷用紙Sの表面に対しシアンのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「C1領域」という)に符号C1を、また、印刷用紙Sの裏面に対しシアンのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「C2領域」という)に符号C2を付している。
【0135】
印刷工程に先立つ製版工程において、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、図5(a)に示すように、印刷用紙Sの表面に対しマゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67aと、印刷用紙Sの裏面に対しマゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録されており、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、図5(b)に示すように、印刷用紙Sの表面に対しシアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、印刷用紙Sの裏面に対しシアンのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録されているものとする。また、上述した片面4色印刷の場合と同様、インキ供給装置20bにはマゼンタのインキが、また、インキ供給装置20cにはシアンのインキが供給されている。
【0136】
さらに、インキ供給装置20bおよび20cにおいては、図8に示すベアリング74を第1の位置に配置する。また、インキ供給装置20a、20dは、図示しない駆動源により軸71を中心として側板72を揺動させることにより、第1、第2の版胴11、12から離隔する方向に退避させておく。これにより、画像領域67a、67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、画像領域67c、67dにはインキ供給装置20cからシアンのインキが各々供給されることになる。
【0137】
先ず、図10に示す胴入れ機構の作用により、第1、第2のブランケット胴13、14を、圧胴15から離隔した位置に配置される胴抜き状態とする。この状態において、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14を回転させる。なお、このとき圧胴15、給紙胴16、排紙胴17、反転胴18も同期して回転する。
【0138】
この状態において、各湿し水供給装置21、22を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版に当接させる。また、インキ供給装置20b、20cを第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版と当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには湿し水が供給されるとともに、画像領域67a、67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、また、画像領域67c、67dにはインキ供給装置20cからシアンのインキが供給される。そして、このインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0139】
この動作を繰り返すことにより、第1、第2の版胴11、12上の印刷版および第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給がなされる。このインキの供給動作は、印刷工程が完了するまで繰り返し実行される。
【0140】
第1、第2の版胴11、12上の印刷版および第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給が完了すれば、図21(a)に示すように、印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。この印刷用紙Sは、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0141】
そして、圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第1のブランケット胴13と対向する位置まで移動すれば、図10に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図21(b)に示すように、印刷用紙Sの表面における先端部は、第1のブランケット胴13におけるM1の端部と当接する。そして、このM1領域には、第1の版胴11に保持された印刷版における画像領域67aからマゼンタのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、印刷用紙Sの表面にはマゼンタのインキが転写される。
【0142】
圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第2のブランケット胴14と対向する位置まで移動すれば、図10に示す胴入れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図22(a)に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第2のブランケット胴14におけるC1領域の端部と当接する。そして、このC1領域には、第2の版胴12に保持された印刷版における画像領域67cからシアンのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にマゼンタのインキが転写された印刷用紙Sの表面には、さらにシアンのインキが転写される。これと並行して、2枚目の印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。この2枚目の印刷用紙Sは、1枚目の印刷用紙S同様、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0143】
この状態において、圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14とともに回転を続けると、図22(b)に示すように、1枚目の印刷用紙Sは圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に渡された後、一対のチェーン19に沿って搬送される。また、これと並行して、2枚目の印刷用紙Sの表面はM2領域と当接する。ここで、この2枚目の印刷用紙Sは本来裏面に印刷を行うべきM2領域と当接するため、裏面に印刷されるべき画像領域67bの画像が表面側に印刷される。このため、この2枚目の印刷用紙Sは、後程廃棄される。
【0144】
圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14とともにさらに回転を続けると、図23(a)に示すように、2枚目の印刷用紙Sの表面はC2領域と当接する。また、これと並行して、3枚目の印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、この印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。
【0145】
そして、圧胴15がさらに回転すれば、図23(b)に示すように、一対のチェーン19に沿って搬送されている1枚目の印刷用紙Sの後端が、反転胴18のグリッパ86により保持される。そして、図13および図14に示す動作により、1枚目の印刷用紙Sの後端がグリッパ86からグリッパ87に受け渡される。また、これと並行して、3枚目の印刷用紙Sが、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に受け渡されるれる。
【0146】
そして、圧胴15がさらに回転すれば、図24(a)に示すように、1枚目の印刷用紙Sは、反転胴18のグリッパ87により給紙胴16方向に搬送される。また、これと並行して、2枚目の印刷用紙Sが排紙胴17のグリッパ85に保持され、一対のチェーン19に沿って搬送される。さらに、3枚目の印刷用紙Sの表面の先端部は、第1のブランケット胴13におけるM1領域の端部と当接する。そして、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、3枚目の印刷用紙Sの表面には、マゼンタのインキが転写される。
【0147】
圧胴15がさらに回転すれば、図24(b)に示すように、1枚目の印刷用紙Sは給紙胴16のグリッパ84にその先端を保持されて搬送される。そして、1枚目の印刷用紙Sの先端は、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に受け渡される。これにより、表面の印刷が終了した1枚目の印刷用紙Sは、その表裏反転を行った後、その後端を先頭として再度圧胴15に供給されることとなる。このとき、上述したように、印刷用紙Sは圧胴15上における第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ遅れた位置に渡される。このため、印刷用紙Sの位相がずれ、印刷用紙Sの裏面と第1のブランケット胴13におけるM2領域とが当接する。したがって、その表面が先にM1領域と当接した印刷用紙Sの裏面が再度M1領域と当接することを防止することができる。
【0148】
このとき、上述したように、印刷用紙Sは、第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ遅れた圧胴15上の位置へと搬送されることになる。すなわち、別の見方をすれば、印刷用紙Sは、その表面に印刷が行われた後に2回転した圧胴15に戻され、表面の印刷から数えて3回転目の圧胴15により印刷用紙の裏面への印刷が行われる。これは、印刷用紙Sの後端が、排紙胴17,反転胴18および給紙胴16上を圧胴15の外周と同一の速度で、第1、第2の版胴11、12の外周の長さから印刷用紙Sの長さを引いた距離だけ余分に搬送することで実現されている。この印刷装置においては、印刷用紙Sの搬送経路を印刷用紙Sの長さの整数倍とすることにより、反転後の印刷用紙Sを適切な位置に容易に戻すことができるようになっている。
【0149】
また、図24(b)に示す状態において、2枚目の印刷用紙Sは、排紙胴17のグリッパ85にその先端を保持され、一対のチェーン19に沿って搬送される。さらに、3枚目の印刷用紙Sは、第2のブランケット胴14におけるC1領域と当接する。これにより、既にマゼンタのインキが転写された3枚目の印刷用紙Sの表面には、シアンのインキが転写される。
【0150】
圧胴15がさらに回転すれば、図25(a)に示すように、1枚目の印刷用紙Sの裏面における先端部は、第1のブランケット胴13におけるM2の端部と当接する。そして、このM2領域には、第1の版胴11に保持された印刷版における画像領域67bからマゼンタのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、印刷用紙Sの裏面にはマゼンタのインキが転写される。また、その表面に、本来裏面に印刷されるべき画像領域67b、67dの画像が印刷された2枚目の印刷用紙Sは、その裏面に印刷を行うことなく排紙部28に排出され、廃棄される。
【0151】
圧胴15がさらに回転すれば、図25(b)に示すように、1枚目の印刷用紙Sの裏面における先端部は、第2のブランケット胴14におけるC2領域の端部と当接する。そして、このC2領域には、第2の版胴12に保持された印刷版における画像領域67dからシアンのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にマゼンタのインキが転写された印刷用紙Sの裏面には、シアンのインキが転写される。これにより、1枚目の印刷用紙Sの表裏両面には、マゼンタおよびシアンのインキによる印刷が施されたことになる。この両面2色印刷が完了した1枚目の印刷用紙Sは、排紙胴17のグリッパ85にその先端を保持されて一対のチェーン19に沿って搬送され、排紙部28に排出される。
【0152】
また、図25(b)に示す状態において、その表面にマゼンタおよびシアンのインキが転写された3枚目の印刷用紙Sは、排紙胴17のグリッパ85にその先端を保持されて一対のチェーン19に沿って搬送される。この3枚目の印刷用紙Sは、上述した1枚目の印刷用紙Sと同様の工程を経て、その裏面にもマゼンタおよびシアンのインキが転写されることにより、両面2色印刷が施される。
【0153】
さらに、図25(b)に示す状態において、4枚目の印刷用紙Sを給紙胴16に供給する。この4枚目の印刷用紙Sに対しても、1枚目および3枚目の印刷用紙S同様の工程により、両面2色印刷が施される。
【0154】
以上説明したように、この印刷装置においては、圧胴15が第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有することから、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が1回転する間に圧胴15は2回転する。そして、圧胴15が2回転する間に、圧胴15の外周部にその表裏を交互に外側に向けて保持される2枚の印刷用紙Sの各々に2色の印刷が行われる。このため、圧胴15が2回転する度に、給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することにより、両面2色印刷を連続して実行することが可能となる。
【0155】
特に、各面の2色は固定ではなく、例えば上記の実施形態のように、各インキ供給装置20が第1、第2の版胴11、12に保持された印刷版における任意の画像領域67a、67b、67c、67dにインキを供給可能であれば、ブラックまたはマゼンタの中からの1色とシアンまたはイエローの中からの1色を選択して印刷することができる。
【0156】
なお、この印刷装置において上記のような両面印刷を行うにあたり、印刷用紙Sの両面にそれぞれ2色のインキで印刷を行う両面2色印刷ではなく、印刷用紙の両面にそれぞれ1色のインキで印刷を行う両面単色印刷や、印刷用紙の片方の面に2色のインキで、また、他方の面に1色のインキで印刷を行う片面2色片面単色印刷を行うことも可能である。
【0157】
この場合においては、画像領域67a、67b、67c、67dのうち、必要な画像領域のみを作成する。また、インキ供給装置20により、作成された画像領域67a、67b、67c、67dのうちの対応する領域に、インキを供給するようにする。そして、上述した両面2色印刷の場合と同様の動作を実行することにより、両面単色印刷や片面2色片面単色印刷を行うことができる。
【0158】
例えば、印刷用紙Sの表面にマゼンタのインキで印刷を行い、裏面にシアンのインキで印刷を行う場合においては、画像領域67aにマゼンタのインキで印刷を行うための画像を作成し、画像領域67dにシアンのインキで印刷を行うための画像を作成する。また、図8に示すベアリング74を、インキ供給装置20bにおいては第3の位置に配置し、インキ供給装置20cにおいては第2の位置に配置する。さらに、インキ供給装置20a、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。そして、圧胴15が2回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することにより、印刷用紙Sの表裏にマゼンタおよびシアンの画像を転写する印刷を連続して実行することが可能となる。
【0159】
また、印刷用紙sの両面にブラックのインキで印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版における画像領域67aに印刷用紙Sの表面に印刷を行うべき画像を作成し、画像領域67bに印刷用紙Sの裏面に印刷を行うべき画像を作成する。また、図8に示すベアリング74を、インキ供給装置20aにおいては第1の位置に配置する。さらに、インキ供給装置20b、20c、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。そして、圧胴15が2回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することにより、印刷用紙Sの両面にブラックの画像を転写する印刷を連続して実行することが可能となる。
【0160】
なお、このように印刷用紙Sの両面に同じ色のインキで印刷を行う場合など、第1、第2のブランケット胴13、14のうちの一方のブランケット胴のみを使用する場合においては、他方のブランケット胴は、図10に示す胴入れ機構により、胴抜き状態としておけばよい。また、一方の版胴およびブランケット胴を使用して印刷を行っている間に、他方の版胴を画像記録位置に移動させ、この位置において版胴上で製版工程を実行するようにしてもよい。
【0161】
上述した印刷装置においては、第1、第2の版胴11、12に保持された印刷版に各々2個の画像領域67a、67bおよび67c、67dを形成するとともに、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有する圧胴15を使用しているが、この発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0162】
例えば、nおよびmを自然数としたとき、第1、第2の版胴に形成する画像領域の数が[2n]である場合には、圧胴の直径を第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴の直径の[(2m−1)/2n]倍とする。これにより、第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴が[2m−1]回転する間に圧胴は[2n]回転する。そして、[2n]と[2m−1]とは偶数と奇数の関係にあるため、圧胴の外周に保持された[2m−1]枚の印刷用紙Sは、圧胴が[2n]回転する間に、第1、第2の版胴に各々形成された[2n]個の画像を1回ずつ転写される。従って、印刷用紙Sの片面への[4n]色の印刷、または、印刷用紙Sの両面各々への[2n]色の印刷を実行することができる。
【0163】
図26は、このような実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。なお、図26においては、印刷装置全体の構成のうち、圧胴215と、図1に示す印刷装置と同様の第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14とを図示している。他の構成については、上述した図1に示す印刷装置と同一である。
【0164】
この印刷装置においては、上述した自然数nを1とし、mを2としている。すなわち、この印刷装置においては、圧胴215の直径が、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の3/2倍となっている。このため、この印刷装置においては、圧胴215が2回転する間に、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14は3回転する。そして、この圧胴215の外周部には3個のグリッパ83が等間隔で配設されており、3枚の印刷用紙Sを保持できる構成となっている。
【0165】
この印刷装置において片面4色印刷を行う場合には、圧胴215が3枚の印刷用紙Sを保持した状態で2回転すると、3枚の印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の印刷が行われる。このため、圧胴215が2回転する度に、給紙胴16から新しい3枚の印刷用紙Sを供給することにより、4色の印刷を連続して実行することが可能となる。
【0166】
また、この印刷装置において、例えば印刷用紙Sの表面にマゼンタとシアンのインキで印刷を行い、裏面にブラックとイエローのインキで印刷を行う場合には、図1に示す印刷装置と同様の印刷用紙Sの反転手段を使用する。そして、表面にマゼンタとシアンのインキで印刷を終了した印刷用紙Sを圧胴215から受け取り、この印刷用紙Sの表裏反転を行った後、この印刷用紙Sを圧胴215における第1、第2の版胴11、12の外周の整数倍の距離だけ遅れた位置に渡す。このとき、2(すなわち[2n])と3(すなわち[2m−1])とは偶数と奇数の関係にあるため、印刷用紙Sの位相がずれ、印刷用紙Sの裏面にはブラックとイエローのインキで印刷がなされる。
【0167】
このとき、上述したように、印刷用紙Sは、第1、第2の版胴11、12の外周の整数倍の距離だけ遅れた圧胴215上の位置へと搬送されることになる。すなわち、別の見方をすれば、印刷用紙Sは、圧胴215上において、表面の印刷が行われた位置から印刷用紙Sの長さの2の整数倍(すなわち、第1、第2の版胴11、12における画像領域の数の整数倍)の距離だけ遅れた位置に搬送されることにより、表面の印刷から数えて2の整数倍に3(すなわち、圧胴215に保持される印刷用紙Sの枚数)を加えた数だけ後の第1、第2の版胴11、12による印刷において、裏面の印刷が行われることになる。
【0168】
なお、この場合においては、1枚目の印刷用紙Sが両面の印刷を完了する以前において、2枚目の印刷用紙Sの表面にブラックとイエローのインキが印刷される現象が発生する。このように表裏が逆に印刷された印刷用紙Sは、必要に応じ廃棄される。
【0169】
同様に、圧胴の直径を、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の5/2倍や7/4倍としてもよい。前者の場合には、圧胴が2回転する間に第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が5回転し、圧胴の外周部に保持された5枚の印刷用紙Sに片面4色または両面2色の印刷が行われる。また、後者の場合には、圧胴が4回転する間に第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が7回転し、圧胴の外周部に保持された7枚の印刷用紙Sに片面8色または両面4色の印刷が行われる。
【0170】
また、nおよびmを自然数としたとき、第1、第2の版胴に形成する画像領域の数が[2n+1]である場合には、圧胴の直径を第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴の直径の[2m/(2n+1)]倍とする。これにより、第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴が[2m]回転する間に圧胴は[2n+1]回転する。そして、[2n+1]と[2m]は奇数と偶数の関係にあるため、圧胴の外周に保持された[2m]枚の印刷用紙Sは、圧胴が[2n+1]回転する間に、第1、第2の版胴に形成された[2n+1]個の画像を1回ずつ転写される。従って、印刷用紙Sの片面への[2(2n+1)]色の印刷、または、印刷用紙Sの両面各々への[2n+1]色の印刷を実行することができる。
【0171】
図27は、このような実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。なお、図27においては、印刷装置全体の構成のうち、圧胴216と、第1、第2の版胴211、212および第1、第2のブランケット胴213、214とを図示している。なお、図示を省略しているが、第1、第2の版胴211、212の外側には、図1に示すインキ供給装置20と同様のインキ供給装置が、各々3個ずつ配設されている。その他の構成については、上述した図1に示す印刷装置と同一である。
【0172】
この印刷装置においては、上述した自然数n、mをいずれも1としている。すなわち、この印刷装置においては、圧胴216の直径が、第1、第2の版胴211、212および第1、第2のブランケット胴213、214の直径の2/3倍となっている。このため、この印刷装置においては、圧胴216が3回転する間に、第1、第2の版胴211、212および第1、第2のブランケット胴213、214は2回転する。そして、この圧胴216の外周部には2個のグリッパ83が等間隔で配設されており、2枚の印刷用紙Sを保持できる構成となっている。
【0173】
この印刷装置において片面6色印刷を行う場合には、圧胴216が2枚の印刷用紙Sを保持した状態で3回転すると、2枚の印刷用紙Sに1〜6の色のインキを使用した6色の印刷が行われる。このため、圧胴216が3回転する度に、給紙胴16から新しい2枚の印刷用紙Sを供給することにより、6色の印刷を連続して実行することが可能となる。なお、通常の4色のインキ以外には、特色とよばれるその他の色のインキが用いられたり、透明ニス等が用いられることが考えられる。
【0174】
また、この印刷装置において、例えば印刷用紙Sの表面にいずれか4色分の色のインキ(例えば、1〜3の色の中から2色と、4〜6の色の中から2色の合計4色)で印刷を行い、裏面に2色分の色のインキで印刷を行う場合には、図1に示す印刷装置と同様の印刷用紙Sの反転手段を使用する。すなわち、圧胴216を2回転させて表面に4色分の色のインキで印刷を終了した印刷用紙Sを圧胴216から受け取り、この印刷用紙Sの表裏反転を行った後、この印刷用紙Sを圧胴216における第1、第2の版胴211、212の外周の整数倍の距離だけ遅れた位置に渡す。このとき、3(すなわち[2n+1])と2(すなわち[2m])とは奇数と偶数の関係にあるため、印刷用紙Sの位相がずれ、圧胴216を1回転させると印刷用紙Sの裏面には2色分の色のインキで印刷がなされる。なお、印刷用紙Sの表面側に2色印刷、裏面側に4色印刷も可能である。
【0175】
このとき、上述したように、印刷用紙Sは、第1、第2の版胴211、212の外周の整数倍の距離だけ遅れた圧胴216上の位置へと搬送されることになる。すなわち、別の見方をすれば、印刷用紙Sは、圧胴216上において、表面の印刷が行われた位置から印刷用紙Sの長さの3の整数倍(すなわち、第1、第2の版胴211、212における画像領域の数の整数倍)の距離だけ遅れた位置に搬送されることにより、表面の印刷から数えて3の整数倍に2(すなわち、圧胴216に保持される印刷用紙Sの枚数)を加えた数だけ後の第1、第2の版胴211、212による印刷において、裏面の印刷が行われることになる。
【0176】
なお、この場合においては、1枚目の印刷用紙Sが両面の印刷を完了する以前において、2枚目や3枚目などの印刷用紙Sの表面に、本来裏面に印刷されるべきインキが印刷される現象や、刷り順が異なって印刷される現象が発生する。このように、通常とは異なる印刷がなされた印刷用紙Sは、必要に応じ廃棄される。
【0177】
同様に、圧胴の直径を、第1、第2の版胴211、212および第1、第2のブランケット胴213、214の直径の4/3倍や6/5倍としてもよい。前者の場合には、圧胴が3回転する間に第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が4回転し、圧胴の外周部に保持された4枚の印刷用紙Sに片面6色または両面合計6色の印刷が行われる。また、後者の場合には、圧胴が5回転する間に第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が6回転し、圧胴の外周部に保持された6枚の印刷用紙Sに片面10色または両面合計10色の印刷が行われる。
【0178】
ここで、上述した場合において、版胴における画像領域の数をX、また、圧胴の外周部に保持される印刷用紙の数をYとした場合、XとYとが互いに素(1以外の公約数を有しない)であれば、上述した各実施形態と同様に、片面および両面を行うことができる。
【0179】
この場合において、圧胴による印刷用紙Sの保持状態が継続すると仮定した場合には、印刷用紙Sに対して各版胴における全ての印刷版の画像が印刷されることになる。従って、圧胴上の印刷用紙Sの保持位置を変えることなく印刷用紙Sを瞬時に反転させることができれば、版胴における一部の印刷版の画像を印刷用紙Sの一方の面に印刷し、他の印刷版の画像を印刷用紙の他方の面に印刷することが可能となる。
【0180】
しかしながら、圧胴上の印刷用紙Sの保持位置を変えることなく印刷用紙Sを瞬時に反転させることは困難である。このため、片面の印刷が完了した印刷用紙Sを圧胴から取り出した位置から、版胴の外周の整数倍の距離だけ遅れた位置に印刷用紙Sを戻す。これにより、圧胴上の同一の位置で瞬時に印刷用紙Sを反転する場合と同様の順序で、印刷用紙Sの両面に対して各版胴における全ての印刷版の画像が印刷されることになる。このとき、印刷用紙の裏面の印刷は、表面の印刷から数えて(nX+Y)回後の印刷となる。
【0181】
なお、図26および図27に示す実施の形態においても、図4および図5に示す実施の形態同様、第1、第2の版胴11、12、211、212の外周部に各々保持された1枚の印刷版Pに対し、複数の画像を均等に振り分けられた状態となる位置に記録することにより、装置を簡略化している。しかしながら、図6に示す実施の形態同様、第1、第2の版胴11、12、211、212に各々複数個のくわえ爪57を配設することにより、第1、第2の版胴11、12、211、212の各々に複数枚の印刷版Pを保持させる構成としてもよい。この場合においても、各印刷版Pによる画像領域が均等に振り分けられた状態となるように、複数枚の印刷版Pを均等に振り分けた状態で第1、第2の版胴11、12、211、212に保持させる必要がある。
【0182】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、印刷用紙の片面への1〜4色印刷および印刷用紙両面各々への1または2色印刷を、インキを交換することなく実行することができる。このとき、圧胴を共通して使用できることから、印刷装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【0183】
請求項2に記載の発明によれば、印刷用紙の片面への1〜[4n]色印刷および印刷用紙両面各々への1〜[2n]色印刷を、インキを交換することなく実行することができる。このとき、圧胴を共通して使用できることから、印刷装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【0184】
請求項3に記載の発明によれば、印刷用紙の片面への1〜[2(2n+1)]色印刷および印刷用紙両面各々への1〜[2n+1]色印刷を、インキを交換することなく実行することができる。このとき、圧胴を共通して使用できることから、印刷装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【0185】
請求項に記載の発明によれば、印刷用紙反転手段は第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行うことから、簡易な機構により印刷用紙の反転を行うことができる。
【0186】
請求項に記載の発明によれば、印刷用紙の片面への1〜X色印刷および印刷用紙両面合わせて1〜X色印刷を、インキを交換することなく実行することができる。このとき、圧胴を共通して使用できることから、印刷装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【0187】
請求項に記載の発明によれば、インキ供給手段は、各々、第1、第2の版胴における印刷版の任意の画像領域と選択的に当接可能となっていることから、各インキ供給手段から供給されるインキのうち任意の色のインキを選択して印刷を実行することができる。
【0188】
請求項7および請求項8に記載の発明によれば、印刷用紙両面への印刷を実行することが可能となる。このとき、圧胴を共通して使用できることから、印刷装置をコンパクトに構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷装置の側面概要図である。
【図2】第1、第2の版胴移動機構31、32の平面図である。
【図3】第1の版胴移動機構31の側断面図である。
【図4】画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12を給版部23および排版部24とともに示す側面概要図である。
【図5】印刷版P上における画像領域の配置を示す説明図である。
【図6】画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12を給版部23および排版部24とともに示す概要図である。
【図7】画像記録装置25の構成を示す斜視図である。
【図8】インキ供給装置20の揺動機構を示す概要図である。
【図9】カム81、82の平面図である。
【図10】第1のブランケット胴11の胴入れ機構を示す概要図である。
【図11】反転胴18におけるグリッパ86、87の回転機構を示す概要図である。
【図12】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図13】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図14】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図15】印刷装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図16】印刷装置による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【図17】製版工程を示すフローチャートである。
【図18】片面4色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図19】片面4色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図20】片面4色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図21】両面2色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図22】両面2色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図23】両面2色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図24】両面2色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図25】両面2色印刷を行う場合の印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図26】他の実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。
【図27】他の実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 第1の版胴
12 第2の版胴
13 第1のブランケット胴
14 第2のブランケット胴
15 圧胴
16 給紙胴
17 排紙胴
18 反転胴
19 チェーン
20 インキ供給装置
21 湿し水供給装置
22 湿し水供給装置
23 給版部
24 排版部
25 画像記録装置
26 現像処理装置
27 給紙部
28 排紙部
57 くわえ爪
83、84、85、86、87 グリッパ
140 制御部
211 第1の版胴
212 第2の版胴
213 第1のブランケット胴
214 第2のブランケット胴
215、216 圧胴
P 印刷版
S 印刷用紙

Claims (8)

  1. 版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、
    その外周に2個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、
    前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための2個のインキ供給手段と、
    前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための2個のインキ供給手段と、
    前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、
    前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、
    前記第1、第2の版胴および第1、第2のブランケット胴の[1/2]倍の直径を有し、その外周部に印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、
    前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、
    nおよびmを、[2n]と[2m−1]とが互いに素となる自然数とし、
    その外周に[2n]個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、
    前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n]個のインキ供給手段と、
    前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n]個のインキ供給手段と、
    前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、
    前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、
    前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[(2m−1)/2n]倍の直径を有し、その外周部に[2m−1]枚の印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、
    前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  3. 版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、
    nおよびmを、[2n+1]と[2m]とが互いに素となる自然数とし、
    その外周に[2n+1]個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴と、
    前記第1の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n+1]個のインキ供給手段と、
    前記第2の版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するための[2n+1]個のインキ供給手段と、
    前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、
    前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第のブランケット胴と、
    前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[2m/(2n+1)]倍の直径を有し、その外周部に[2m]枚の印刷用紙を保持して前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、
    前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行う印刷装置。
  5. 版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する片面印刷および両面印刷兼用の印刷装置であって、
    XとYとを互いに素とし、
    その外周にX個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、
    前記版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するためのX個のインキ供給手段と、
    前記版胴と同一の直径を有し、前記版胴と当接するブランケット胴と、
    前記版胴および前記ブランケット胴のY/X倍の直径を有し、その外周部にY枚の印刷用紙を保持して前記ブランケット胴と当接する圧胴と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、
    前記圧胴における1つの保持領域において印刷が終了した印刷用紙を当該1つの保持領域より受け取り、印刷用紙の表裏反転を行った後、前記1つの保持領域から[nX+Y](nは自然数)回の後に印刷を実行する前記圧胴のいずれかの1つの保持領域に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、
    前記印刷用紙反転手段を選択的に動作させる制御手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至いずれかに記載の印刷装置において、
    前記インキ供給手段は、各々、前記第1、第2の版胴における印刷版の任意の画像領域と選択的に当接可能な印刷装置。
  7. 版胴に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴に保持された印刷用紙上に転写する印刷装置であって、
    XとYとを互いに素とし、
    その外周にX個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、
    記版胴上の印刷版における画像領域に当接することにより、この画像領域にインキを供給するためのX個のインキ供給手段と、
    記版胴と同一の直径を有し、前記版と当接するブランケット胴と、
    前記版胴および前記ブランケット胴のY/X倍の直径を有し、その外周部にY枚の印刷用紙を保持して前記ブランケット胴と当接する圧胴と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給手段と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度同一の圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    前記圧胴から第2面の印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置において、
    前記印刷用紙反転手段は、
    前記圧胴から印刷用紙を受け取る第1の胴と、
    前記第1の胴から印刷用紙を受け取り、印刷用紙の反転を行う第2の胴と、
    前記第2の胴から印刷用紙を受け取り、前記第1の胴に対して印刷用紙を供給する第3の胴と、
    を備える印刷装置。
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