JP3435322B2 - 多色印刷装置 - Google Patents

多色印刷装置

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JP3435322B2
JP3435322B2 JP27944697A JP27944697A JP3435322B2 JP 3435322 B2 JP3435322 B2 JP 3435322B2 JP 27944697 A JP27944697 A JP 27944697A JP 27944697 A JP27944697 A JP 27944697A JP 3435322 B2 JP3435322 B2 JP 3435322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、版胴に保持され
た印刷版における複数の画像領域に対し、各々異なる色
のインキを供給して印刷を行う多色印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】その外周部に複数の印刷版を装着した版
胴と、この版胴に保持された複数の印刷版における画像
領域に対し各々異なる色のインキを供給するための複数
のインキ供給装置とを備え、単一の版胴や圧胴を利用し
て複数色のインキで印刷を行う多色印刷装置は公知であ
る。
【0003】例えば、特開平3−143634号公報に
は、その外周部に2枚の印刷版を装着した版胴と、この
版胴上の各印刷版に各々異なる色のインキを供給するた
めの2個のインキ供給装置と、版胴上の各印刷版に湿し
水を供給するための単一の湿し水供給装置と、版胴の二
分の一の直径を有する圧胴とを有し、圧胴が2回転する
毎に印刷用紙を供給することにより、印刷用紙に2色の
インキで印刷を行う多色印刷装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−14363
4号公報に記載された多色印刷装置においては、異なる
色のインキで印刷を行うべき印刷版に対し、単一の湿し
水供給装置により湿し水を供給する構成となっている。
しかしながら、このような構成をとった場合において
は、湿し水供給装置における水着けローラ等のローラに
インキが乳化して付着すること等により、印刷版の各画
像領域に本来供給されるべき色のインキとは別の色のイ
ンキが付着し、印刷物に汚れが発生するという問題が生
ずる。
【0005】一方、特開平3−143634号公報に記
載された多色印刷装置においては、単一の版胴の外周部
に2枚の印刷版を装着している。このため、版胴の外周
部には、2枚の印刷版の先端部と後端部とを各々くわえ
るためのくわえ爪を配設する必要があり、版胴の構成が
複雑化する。また、2枚の印刷版を版胴の外周に装着す
る動作を実行する必要があることから、装着作業に時間
を要する。
【0006】このような問題点を解消するためには、版
胴の外周部に単一の印刷版を装着し、この印刷版上に互
いに異なる色のインキで印刷を行うべき第1、第2の画
像領域を形成すると共に、第1、第2の画像領域に個別
に湿し水を供給するための第1、第2の湿し水供給装置
を配設すればよい。
【0007】しかしながら、単に第1の湿し水供給装置
により第1の画像領域に湿し水を供給し、第2の湿し水
供給装置により第2の画像領域に湿し水を供給した場合
においては、第1、第2の画像領域に各々異なる色のイ
ンキを供給するためのインキ供給装置によるインキの供
給時に生ずるインキの糸引き現象等により、印刷版にお
ける第1の画像領域と第2の画像領域との間の領域にイ
ンキが付着して、印刷物に汚れが発生するという新たな
問題点が生ずる。
【0008】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたものであり、印刷物に対する汚れの発生を防止する
ことができる多色印刷装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、互いに異なる色のインキで印刷を行うべき第1、第
2の画像領域が形成された印刷版をその外周部に保持す
る版胴と、前記第1の画像領域に湿し水を供給するため
の前記印刷版の表面に当接した供給位置と前記印刷版の
表面から離隔した退避位置との間を往復移動可能な水着
けローラを有する第1の湿し水供給装置と、前記第2の
画像領域に湿し水を供給するための前記印刷版の表面に
当接した供給位置と前記印刷版の表面から離隔した退避
位置との間を往復移動可能な水着けローラを有する第2
の湿し水供給装置と、前記印刷版表面における前記第1
の湿し水供給装置による湿し水の供給領域の後端部と前
記第2の湿し水供給装置による湿し水の供給領域の先端
部とが互いに重複するように、前記第1、第2湿し水供
給装置の水着けローラを前記供給位置と前記退避位置と
の間を往復移動させる水着けローラ移動機構とを備えた
ことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記水着けローラ移動機構は、前記版
胴に付設されたカムと、前記第1、第2の湿し水供給装
置における水着けローラを支持するアームと、前記カム
と当接するカムフォロワーを有し、前記各アームを揺動
させることにより、前記第1、第2の湿し水供給装置に
おける水着けローラを、各々、前記供給位置と前記退避
位置との間で往復移動させるアーム揺動機構とをさらに
有している。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る多色印刷
装置の側面概要図である。
【0012】この多色印刷装置は、第1、第2の版胴1
1、12に保持された画像が記録されていない印刷版に
画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたイ
ンキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して
圧胴15に保持された印刷用紙に転写することにより印
刷を行うものである。
【0013】この多色印刷装置は、図1において実線で
示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との
間を移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で
示す第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可
能な第2の版胴12とを有する。
【0014】第1の印刷位置に移動した第1の版胴11
の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを
供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例え
ばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給
装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水
供給装置21a、21bとが配置されている。また、第
2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印
刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのイ
ンキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)
のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印
刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、
21dとが配置されている。さらに、画像記録位置に移
動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲に
は、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25
と、現像処理装置26とが配置されている。
【0015】また、この多色印刷装置は、第1の版胴1
1と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13
と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブラ
ンケット胴14と、第1、第2のブランケット胴13、
14に対して互いに異なる位置で当接可能に設けられた
圧胴15と、給紙部27から供給された印刷用紙を圧胴
15に渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取っ
た印刷済の印刷用紙を排紙部28に排出するためのチェ
ーン19を巻回した排紙胴17と、ブランケット洗浄装
置29とを有する。
【0016】上記第1、第2の版胴11、12は、それ
ぞれ後述する第1、第2の版胴移動機構31、32と連
結されており、この第1、第2の版胴移動機構31、3
2の駆動により、上述した第1または第2の印刷位置と
画像記録位置との間を往復移動する。
【0017】また、後述するように、第1、第2の版胴
11の側方には、各々、第1、第2の版胴11と同芯状
に配置された歯車51が付設されており、第1、第2の
ブランケット胴13、14の側方には、各々、第1、第
2のブランケット胴13、14と同芯状に配置された歯
車52が付設されている。そして、第1の版胴11が第
1の印刷位置に移動した場合においては、第1の版胴1
1に付設された歯車51と第1のブランケット胴13に
付設された歯車52とが互いに噛合するよう構成されて
いる。同様に、第2の版胴12が第2の印刷位置に移動
した場合においては、第2の版胴12に付設された歯車
51と第2のブランケット胴14に付設された歯車52
とが互いに噛合するよう構成されている。
【0018】このため、第1の版胴11は、第1の印刷
位置において、第1のブランケット胴13と同期して回
転する。同様に、第2の版胴12は、第2の印刷位置に
おいて、第2のブランケット胴14と同期して回転す
る。
【0019】さらに、画像記録位置近傍には、後述する
トラクション方式の版胴回転機構30が配設されてお
り、第1、第2の版胴11、12は、いずれも、画像記
録位置に移動した状態において、この版胴回転機構30
の駆動により回転する。
【0020】図2は上述した第1、第2の版胴移動機構
31、32の正面図であり、図3は第1の版胴移動機構
31における軸受部33付近を示す側断面図である。な
お、第1、第2の版胴移動機構31、32は、互いに対
称形をなす同様の構成を有することから、第1、第2の
版胴移動機構31、32において共通する部材について
は同一の符号を付している。
【0021】第1、第2の版胴移動機構31、32は、
第1、第2の版胴11、12の支軸36を軸支する一対
の軸受34を含む軸受部33を移動させるために、側板
37に穿設された溝孔38を有する(なお、図2におい
ては溝孔38のみを示し、側板37の図示はこれを省略
している)。この軸受部33は、ガイド部材39に沿っ
て移動可能なスライドホルダ41と連結されている。ま
た、このスライドホルダ41には、ナット42が配設さ
れている。このナット42は、モータ35の駆動軸に連
結されたボールネジ44と螺合している。
【0022】このため、第1の版胴11は、モータ35
の駆動により、スライドホルダ41とともに移動可能と
なっている。そして、第1の版胴11はガイド部材39
およびボールネジ44に沿って、図1において実線で、
また、図2において二点鎖線で示す第1の印刷位置と、
図1において二点鎖線で、また、図2において実線で示
す画像記録位置との間を移動する。同様に、第2の版胴
12は、モータ35の駆動により、スライドホルダ41
とともに移動可能となっている。そして、第2の版胴1
2は、ガイド部材39およびボールネジ44に沿って、
図1および図2において実線で示す第2の印刷位置と、
図1において二点鎖線で、また、図2において実線で示
す画像記録位置との間を移動する。
【0023】なお、側板37における上記第1、第2の
印刷位置付近には、軸受部33を固定するための固定部
材43が配設されている。第1の版胴11はこの固定部
材43により第1の印刷位置で位置決め、固定され、第
2の版胴12はこの固定部材43により第2の印刷位置
で位置決め、固定される。
【0024】第1、第2の版胴11、12には、各々、
第1、第2の版胴移動機構31、32による第1、第2
の版胴11、12の移動時に、この第1、第2の版胴1
1、12の回転を防止するための後述する回転防止機構
が配設されている。
【0025】この回転防止機構を利用して第1、第2の
版胴11、12の回転を防止するのは、以下の理由によ
る。すなわち、第1、第2の版胴11、12と第1、第
2のブランケット胴13、14やその他の部材との回転
位置関係にずれが生じた場合には、印刷の位置ずれや部
品間の衝突という問題が発生するため、この位置関係は
常に一定である必要がある。この時、画像記録位置にお
いて、第1、第2の版胴11、12に保持された印刷版
に対し後述する画像記録装置25により画像の記録を行
う際には、第1、第2の版胴11、12の回転角度位置
は後述するフォトカプラ87やロータリエンコーダ等に
より監視されている。しかしながら、画像記録位置から
第1、第2の印刷位置までの移動時に、第1、第2の版
胴11、12が回転してしまい、第1、第2の版胴1
1、12と第1、第2のブランケット胴13、14等と
の回転位置関係にずれが生じてしまう場合がある。この
ため、回転防止機構を利用して、第1、第2の版胴1
1、12の移動時における第1、第2の版胴11、12
の回転を防止しているのである。
【0026】この回転防止機構は、第1、第2の版胴1
1、12の支軸36に連結され、その外周の一部に切欠
部を有する円盤状の回転板46と、この回転板46の切
欠部と係合することにより回転板46の回転を規制する
回転防止部材47と、第1、第2の印刷位置において回
転板46の切欠部に対する回転防止部材47の係合を解
除するため第1、第2の印刷位置付近に各々配設された
解除部材48と、画像記録位置において回転板46の切
欠部に対する回転防止部材47の係合を解除するため画
像記録位置付近に配設された解除部材49とを備える。
【0027】図4は、第1の版胴11に配設された回転
防止部材47と第1の印刷位置に配設された解除部材4
8との関係を示す概要図である。この回転防止部材47
は、軸受部33に配設された軸53を中心に揺動可能な
レバー54と、レバー54の表面側に立設された係合ピ
ン55と、レバー54に対して係合ピン55の裏面側に
立設された案内ピン56と、軸53に対して案内ピン5
6の反対側に配設された押圧ピン57と、レバー54を
揺動させて係合ピン55を回転板46方向に付勢するた
めのバネ58とを備える。一方、前記解除部材48は、
案内ピン56を案内するための傾斜面59を有するカム
部材から構成される。
【0028】なお、第2の版胴12にも上記同様の回転
防止部材47が配設されており、第2の印刷位置にも上
記同様の解除部材48が配設されている。
【0029】一方、図7は、第1の版胴11が画像記録
位置に移動した状態における回転防止部材47と画像記
録位置に配設された解除部材49との関係を示す概要図
である。この解除部材49は、画像記録位置に移動した
第1の版胴11における回転防止部材47の押圧ピン5
7を下方に押圧するための、エアシリンダ61により往
復移動する押圧板62を備える。
【0030】なお、第2の版胴12が画像記録位置に移
動した場合においては、第2の版胴12に配設された回
転防止部材47の押圧ピン57が解除部材49における
押圧板62により押圧される。
【0031】図8は、上述した版胴回転機構30付近の
正面図であり、図9はその要部を示す側断面図である。
この版胴回転機構30は、画像記録位置において第1、
第2の版胴11、12を回転させるためのものであり、
第1、第2の版胴11、12に対して上述した回転防止
機構とは逆側に配設されている。なお、図9において
は、伝動ロータ78およびその移動機構等は図示を省略
している。
【0032】この版胴回転機構30は、モータ75の駆
動により回転する駆動ローラ76と、第1の版胴11ま
たは第2の版胴12の支軸36に連結されることにより
第1の版胴11または第2の版胴12と同芯状に配設さ
れた第1、第2の従動ローラ77と、駆動ローラ76か
ら第1の版胴11または第2の版胴12と同芯状に配設
された第1、第2の従動ローラ77のうちのいずれかの
従動ローラ77(以下、単に「従動ローラ77」とい
う)に駆動を伝達するための伝動ローラ78とを有す
る。
【0033】駆動ローラ76の下端部は、オイルパン7
9に貯留されたオイル中に浸漬されている。また、従動
ローラ77は、上述したように、第1の版胴11または
第2の版胴12の支軸36を介して第1の版胴11また
は第2の版胴12と同芯状に配設されており、第1の版
胴11または第2の版胴12と同期して回転する。さら
に、伝動ローラ78は、支持部材91にその基端部を軸
92を介して揺動可能に連結されたエアシリンダ80の
シリンダロッド先端部に回転可能に支持されており、エ
アシリンダ80の駆動により、前記駆動ローラ76およ
び従動ローラ77の両者に圧接する駆動伝達位置と駆動
ローラ76および従動ローラ77の表面から離隔する退
避位置との間を移動可能となっている。
【0034】このため、伝動ローラ78を駆動伝達位置
に移動させて状態でモータ75の駆動により駆動ローラ
76を一定の速度で回転させることにより、この駆動ロ
ーラ76の回転が伝動ローラ78を介して従動ローラ7
7に伝達され、第1の版胴11が一定速度で回転する。
このとき、モータ75による駆動力は、駆動ローラ76
と従動ローラ77と伝動ローラ78との間の摩擦力を利
用したトラクション方式の駆動伝達機構により第1の版
胴11または第2の版胴12に伝達されることから、第
1の版胴11または第2の版胴12を、回転ムラを生ず
ることなく正確に回転させることが可能となる。
【0035】このとき、特に、上述した実施の形態にお
いては、伝動ローラ78が、駆動ローラ76および従動
ローラ77の両者に圧接する駆動伝達位置と退避位置の
間を移動可能となっていることから、第1、第2の版胴
11、12が画像記録位置に移動した後、伝動ローラ7
8を駆動ローラ76および従動ローラ77の両者に圧接
させることにより、伝動ローラ78、駆動ローラ76お
よび従動ローラ77間に滑りを生ずることなく、第1、
第2の版胴11、12を正確に回転させることが可能と
なる。
【0036】従って、この実施の形態に係る多色印刷装
置のように、第1、第2の版胴11、12の画像記録位
置と第1、第2の印刷位置との間の移動に伴って、従動
ローラ77が互いに異なる方向に移動する構成を有する
場合であっても、第1、第2の版胴11、12が画像記
録位置に移動した後、伝動ローラ78を駆動ローラ76
および従動ローラ77の両者に圧接する駆動伝達位置に
移動させることにより、伝動ローラ78を駆動ローラ7
6のみならず画像記録位置に移動した各従動ローラ77
に確実に圧接させることができ、伝動ローラ78、駆動
ローラ76および従動ローラ77間に滑りを生ずること
なく、第1、第2の版胴11、12を正確に回転させる
ことが可能となる。
【0037】なお、従動ローラ77には、第1、第2の
版胴11、12を所定の角度位置において位置決め、固
定するためのVブロックからなる4個の位置決め部材8
1a、81b、81c、81dが配設されている。この
位置決め部材81a、81b、81c、81dは、エア
シリンダ82の駆動により軸83を中心に揺動するレバ
ー84の先端に配設された係止ピン85と係合すること
により、従動ローラ77を介して第1、第2の版胴1
1、12を所定の回転角度位置において位置決め、固定
するために使用される。
【0038】また、従動ローラ77には、この従動ロー
ラ77の回転角度位置を検出するために使用される検出
板86が立設されており、また、側板37にはこの検出
板86を検出するためのフォトカプラ87が配設されて
いる。そして、従動ローラ77の回転角度位置、すなわ
ち、第1、第2の版胴11、12の回転角度位置は、フ
ォトカプラ87による検出板86の検出信号と、第1、
第2の版胴11、12の支軸36に連結され第1、第2
の版胴11、12の回転に伴ってパルス信号を発生する
図示しないロータリエンコーダとにより監視されてい
る。
【0039】さらに、第1、第2の版胴11、12の支
軸36には、遮光板88が付設されている。
【0040】次に、上述した回転防止機構による第1、
第2の版胴11、12に対する回転防止動作、および、
上述したトラクション方式の版胴回転機構30による第
1、第2の版胴11、12の回転駆動動作について説明
する。なお、以下の説明においては、第1の版胴11に
対する回転防止動作および回転駆動動作について説明す
るが、第2の版胴12に対する回転防止動作および回転
駆動動作も同様の行程により実行される。
【0041】図4に示すように、第1の版胴11が第1
の印刷位置に位置する状態においては、第1の版胴11
と同芯状に配設された歯車51と第1のブランケット胴
13と同芯状に配設された歯車52とは互いに噛合して
いる。
【0042】この状態において、図5に示すように、第
1の版胴移動機構31により第1の版胴11が第1の印
刷位置から画像記録位置へ移動を開始すれば、第1の版
胴11と同芯状に配設された歯車51と第1のブランケ
ット胴13と同芯状に配設された歯車52との噛合が徐
々に解除される。また、これに伴って、回転防止部材4
7の案内ピン56が解除部材48の傾斜面59に沿って
摺動し、レバー54が軸53を中心に揺動することによ
り、係合ピン55が回転板46における切欠部内に移動
を開始する。
【0043】なお、このとき、第1の版胴11と同芯状
に配設された歯車51と第1のブランケット胴13と同
芯状に配設された歯車52との噛合は完全には解除され
ておらず、また、回転防止部材47による第1の版胴1
1の回転の防止はまだ行われていないので、第1の版胴
11は、図5に示す状態において、反時計方向に回転し
ながら画像記録位置に向けて移動する。このため、歯車
51と52とが衝突して損傷を受けることを防止するこ
とが可能となる。
【0044】そして、図6に示すように、第1の版胴1
1がさらに画像記録位置方向に移動して、第1の版胴1
1と同芯状に配設された歯車51と第1のブランケット
胴13と同芯状に配設された歯車52との噛合が解除さ
れた状態においては、回転防止部材47の案内ピン56
が解除部材48の傾斜面59から完全に離脱し、係合ピ
ン55が回転板46における切欠部内に完全に収納され
る。このため、第1の版胴11の回転が防止される。
【0045】この状態において、第1の版胴11は、第
1の版胴移動機構31の駆動により、図7に示すよう
に、画像記録位置まで移動する。そして、図8に示すよ
うに、版胴回転機構30の伝動ローラ78を、エアシリ
ンダ80の駆動により駆動ローラ76と従動ローラ77
との両者に圧接する駆動伝達位置に移動させる。しかる
後、上述した解除機構49における押圧板62を、エア
シリンダ61の駆動により図7において実線で示す位置
から二点差線で示す位置まで移動させる。これにより、
回転防止部材47の押圧ピン57が下方に向けて移動し
てレバー54が軸53を中心に揺動することにより、係
合ピン55が回転板46における切欠部から離脱する。
これに伴い、第1の版胴11は、回転可能な状態とな
る。
【0046】この状態において、トラクション方式の版
胴回転機構30により第1の版胴11を低速で回転さ
せ、第1の版胴11に対して印刷版を装着した後、画像
記録装置25によりこの印刷版に画像を記録する。そし
て、印刷版に対する画像の記録が終了した後、この印刷
版を現像処理装置26により現像処理する。印刷版に対
する画像の記録および現像処理が終了すれば、第1の版
胴11を、検出板86およびフォトカプラ87等による
検出値を利用して原点位置に復帰させる。そして、版胴
回転機構30の伝動ローラ78をエアシリンダ80の駆
動により退避位置まで移動させると共に、図8に示すエ
アシリンダ82を駆動して位置決め部材81aと係合ピ
ン85とを係合させることにより、従動ローラ77を介
して第1の版胴11を所定の回転角度位置において位置
決め、固定する。
【0047】しかる後、解除機構49における押圧板6
2を、エアシリンダ61の駆動により図7において二点
鎖線で示す位置から実線で示す位置まで移動させる。こ
れにより、回転防止部材47の押圧ピン57が上方に向
けて移動してレバー54が軸53を中心に揺動すること
により、回転防止部材47における係合ピン55が回転
板46における切欠部と係合する。これに伴い、第1の
版胴11の回転が防止される。この後、前記エアシリン
ダ82を駆動して、位置決め部材81aと係合ピン85
との係合を解く。
【0048】続いて、第1の版胴移動機構31の駆動に
より、第1の版胴11を画像記録位置から第1の印刷位
置に移動させる。この第1の版胴11の移動に伴い、図
4〜図6に示す第1の版胴11の第1の印刷位置から画
像記録位置への移動時とは逆の動作により、回転防止部
材47における係合ピン55と回転板46における切欠
部との係合を解除する。
【0049】すなわち、第1の版胴11の図6に示す位
置から図5に示す位置への移動に伴い、回転防止部材4
7の案内ピン56が解除部材48の傾斜面59に沿って
摺動し、レバー54が軸53を中心に揺動することによ
り、係合ピン55が回転板46における切欠部内から外
方向に移動する。また、これと同時に、第1の版胴11
と同芯状に配設された歯車51と第1のブランケット胴
13と同芯状に配設された歯車52との噛合動作が開始
される。
【0050】なお、このとき、第1の版胴11と同芯状
に配設された歯車51と第1のブランケット胴13と同
芯状に配設された歯車52との噛合動作の開始に伴い、
前記回転防止部材47による第1の版胴11の回転の防
止が解除され、第1の版胴11は、図5に示す状態にお
いて、時計方向に回転しながら第1の印刷位置に向けて
移動する。このため、歯車51と52とが衝突して損傷
を受けることを防止することが可能となる。
【0051】そして、図4に示すように、第1の版胴1
1が第1の印刷位置まで復帰すれば、第1の版胴11と
同芯状に配設された歯車51と第1のブランケット胴1
3と同芯状に配設された歯車52とは完全に噛合する。
【0052】再度図1を参照して、画像記録位置に移動
した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、
給版部23と排版部24とが配置されている。
【0053】給版部23には、画像が記録されていない
長尺ロール状の印刷版を光密な状態で収納する供給カセ
ット63と、この供給カセット63から引き出した印刷
版の先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表
面に案内するためのガイド部材64およびガイドローラ
65と、長尺の印刷版を切断してシート状の印刷版とす
るためのカッター66とが配設されている。また、第
1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給さ
れた印刷版の先端部と後端部とをくわえるための図示し
ない一対のくわえ爪が配設されている。
【0054】排版部24は、印刷完了後に第1の版胴1
1または第2の版胴12上に保持された印刷版を剥がす
ための爪機構73と、爪機構73の作用により剥がされ
た印刷版を排出カセット68に搬送するためのコンベア
機構69とを有する。
【0055】給版部23における供給カセット63から
引き出された印刷版の先端部は、ガイドローラ65およ
びガイド部材64により案内され、第1の版胴11また
は第2の版胴12の一方のくわえ爪にくわえられる。そ
して、第1の版胴11または第2の版胴12が版胴回転
機構30の駆動により回転し、印刷版が第1の版胴11
または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そし
て、カッター66で切断された印刷版の後端部は、他方
のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、前
述したように、版胴回転機構30の駆動により第1の版
胴11または第2の版胴12を低速で回転させながら、
画像記録装置25により第1の版胴11または第2の版
胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調された
レーザビームを照射し、画像を記録する。
【0056】なお、第1の版胴11の外周部に装着され
た印刷版Pには、画像記録装置25により、図10
(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うた
めの画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行う
ための画像領域67bとが記録される。また、第2の版
胴12の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装
置25により、図10(b)に示すように、シアンのイ
ンキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローの
インキで印刷を行うための画像領域67dとが記録され
る。画像領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴
11の外周部に装着された状態において、均等に振り分
けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)
となる位置に記録される。同様に、画像領域67cと画
像領域67dとは、第2の版胴12の外周部に装着され
た状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち
互いに180度離隔した状態)となる位置に記録され
る。
【0057】再度図1を参照して、上述したように、第
1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、イ
ンキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、ま
た、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲に
は、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが
配置されている。これらのインキ供給装置20a、20
b、20cおよび20d(これらを総称する場合には
「インキ供給装置20」という)は、各々、複数のイン
キローラ71とインキつぼ72とを有する。
【0058】インキ供給装置20a、20bのインキロ
ーラ71は、後述するカム241等の作用で揺動動作を
行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の
外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域
67a、67bのうちの画像領域67aにインキ供給装
置20aのインキローラ71が、また、画像領域67b
にインキ供給装置20bのインキローラ71が各々接触
することにより、各画像領域67a、67bにインキを
供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供
給装置20c、20dのインキローラ71も、後述する
カム241等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺
動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷
版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうち
の画像領域67cにインキ供給装置20cのインキロー
ラ71が、また、画像領域67dにインキ供給装置20
dのインキローラ71が各々接触することにより、各画
像領域67c、67dにインキを供給しうる構成となっ
ている。
【0059】再度図1を参照して、湿し水供給装置21
a、21b、21cおよび21d(これらを総称する場
合には「湿し水供給装置21」という)は、上記インキ
供給装置20により印刷版Pにインキを供給する前に、
印刷版Pに湿し水を供給するものである。これらの湿し
水装置21のうち、湿し水供給装置21aは印刷版Pに
おける画像領域67aに、湿し水供給装置21bは印刷
版Pにおける画像領域67bに、湿し水供給装置21c
は印刷版Pにおける画像領域67cに、また、湿し水供
給装置21dは印刷版Pにおける画像領域67dに、各
々湿し水を供給するよう構成されている。
【0060】すなわち、湿し水供給装置21a、21
b、21cおよび21dは、上記インキ供給装置20
a、20b、20c、20dと対応して同一の数だけ配
設されている。
【0061】以下、湿し水供給装置21の構成について
説明する。図11は湿し水供給装置21aを正面側から
みた概要図であり、図12は湿し水供給装置21aを背
面側からみた概要図である。なお、以下の説明において
は、湿し水供給装置21a、21b、21c、21dの
うち、特に、湿し水供給装置21aについて説明する
が、他の湿し水供給装置21b、21c、21dもこの
湿し水供給装置21aと同様の構成を有する。
【0062】図11に示すように、この湿し水供給装置
21aは、湿し水を貯留する水舟242と、この水舟2
42内の湿し水中に浸漬することにより湿し水を汲み上
げる水元ローラ243と、印刷版Pの表面に当接して画
像領域67aに湿し水を供給する水着けローラ244
と、水元ローラ243と水着けローラ244との間に配
設された中間ローラ245とを有する。
【0063】水着けローラ244は、図11および図1
2に示すように、軸251を中心に揺動可能な左右一対
の第1のアーム253に軸支されている。また、水元ロ
ーラ243は、軸252を中心に揺動可能な左右一対の
第2のアーム254に軸支されている。さらに、中間ロ
ーラ245は、図13に示すように、左右一対の支持板
255により水元ローラ243と連結されおり、この支
持板255を介して第2のアーム254に支持されてい
る。
【0064】また、図12に示すように、水元ローラ2
43にはギヤ246が、水着けローラ244にはギヤ2
47が、さらに中間ローラ245にはギヤ248が各々
付設されている。ギヤ246とギヤ248とは互いに連
結しており、図示しない駆動手段により駆動される。ま
た、水着けローラ244に付設されたギヤ247は、図
12に示す駆動伝達位置において第1の版胴11に配設
されたギヤ51と噛合している。このため、水着けロー
ラ244は第1の版胴11より駆動を受けて回転し、水
元ローラ243と中間ローラ245は水着けローラ24
4とは独立して回転する。
【0065】水舟242内に貯留された湿し水は、水元
ローラ243と水着けローラ244と中間ローラ245
との回転に伴い、水元ローラ243から中間ローラ24
5を介して水着けローラ244に転移し、第1の版胴1
1上の印刷版Pに供給される。
【0066】また、この湿し水供給装置21aは、水着
けローラ244を印刷版Pにおける必要な領域のみに当
接させるための水着けローラ移動機構256と、この水
着けローラ移動機構256による水着けローラ244の
移動時に水着けローラ244と中間ローラ245との接
触圧を一定に保つための接触圧調整機構257と、第1
の版胴11の第1の印刷位置への移動時に水着けローラ
244に付設されたギヤ247を駆動伝達位置から退避
位置へ移動させるためのギヤ退避機構258とを有す
る。
【0067】先ず、上記水着けローラ移動機構256の
構成について説明する。図14〜図16は、図11に示
す湿し水供給装置21aから水着けローラ移動機構25
6部分を抽出して示す概要図である。
【0068】この水着けローラ移動機構256は、前記
第1のアーム253を介して水着けローラ244を移動
させるものであり、その先端に第1の版胴11に付設さ
れたカム241と当接するカムフォロワー261を有
し、軸262を中心に揺動可能なレバー263を備え
る。このレバー263は、バネ264の作用により、カ
ムフォロワー261がカム241と当接する方向(時計
方向)に付勢されている。また、このレバー263上に
は、ソレノイド265と軸266とが配設されている。
なお、第1のアーム253は、後述する接触圧調整機構
257により、水着けローラ244が第1の版胴11の
外周部に保持された印刷版Pの表面と当接する方向(時
計方向)に付勢されている。
【0069】レバー263の揺動中心としての軸262
には、その先端に第1のアーム253の当たり部259
と当接するあたり部材267を備えたレバー268と、
その先端にあたりピン269を有するレバー271とが
固設されている。このレバー268は、バネ273によ
り反時計方向に付勢されている。また、軸262は、図
11および図14に示す正面側から図12に示す背面側
まで貫通されている。そして、図12に示す背面側にお
いても、軸262には、第1のアーム253の当たり部
259と当接するあたり部材267を備えたレバー26
8が固設されている。さらに、レバー263上の軸26
6には、その一端がソレノイド265に連結され、多端
があたりピン269と当接するレバー272が配設され
ている。
【0070】図17は、第1の版胴11に付設されたカ
ム241を示す側面図である。図17において実線で示
すカム241は、図10(a)に示すブラックのインキ
で印刷を行うための画像領域67aと対応する角度位置
とは逆の、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領
域67bと対応する角度位置において、第1の版胴11
の正面側に付設されている。このカム241は、第1の
版胴11と共に回転し、湿し水供給装置21aにおける
水着けローラ移動機構256のカムフォロワー261と
当接することにより、レバー263を軸262を中心と
して揺動させる。
【0071】なお、図17において仮想線で示すカム2
41は、湿し水供給装置21bにおける水着けローラ2
44を移動させる際に使用される。このカム241は、
図10(a)に示すマゼンタのインキで印刷を行うため
の画像領域67bと対応する角度位置とは逆の、ブラッ
クのインキで印刷を行うための画像領域67aと対応す
る角度位置において、第1の版胴11に付設されてい
る。また、第2の版胴12にも、上記同様の一対のカム
241が付設されている。
【0072】この湿し水供給装置21aの水着けローラ
移動機構256における水着けローラ244の移動動作
は以下の通りである。
【0073】即ち、図14に示すように、水着けローラ
244がブラックのインキで印刷を行うための画像領域
67aと対向し、第1の版胴11に付設されたカム24
1とレバー263の先端に配設されたカムフォロワー2
61とが係合されない角度位置に第1の版胴11がある
状態においては、第1のアーム253が後述する接触圧
調整機構257の付勢力により揺動することで、水着け
ローラ244が第1の版胴11の外周部に保持された印
刷版Pの表面と当接する湿し水の供給位置に移動してい
る。このため、水着けローラ244は、図10(a)に
示すブラックのインキで印刷を行うための画像領域67
aと当接する。
【0074】この状態において第1の版胴11が回転す
ることにより、水着けローラ244は第1の版胴11よ
り駆動を受けて回転し、また、水元ローラ243および
中間ローラ245が図示しない駆動手段の駆動で回転す
ることにより、水舟242内に貯留された湿し水は、水
元ローラ243から中間ローラ245を介して水着けロ
ーラ244に転移し、第1の版胴11上の印刷版Pにお
ける画像領域67a全面に供給される。
【0075】一方、図15に示すように、水着けローラ
244がマゼンタのインキで印刷を行うための画像領域
67bと対向し、第1の版胴11に付設されたカム24
1とレバー263の先端に配設されたカムフォロワー2
61とが対向する角度位置まで第1の版胴11が回転す
れば、カムフォロワー261がカム241上に乗り上げ
ることにより、レバー263が軸262を中心に反時計
方向に揺動する。このレバー263の反時計方向への揺
動に伴って、レバー263上に配設されたソレノイド2
65およびレバー272が移動し、レバー272がレバ
ー271の先端に配設された当たりピン269を押圧す
る。この当たりピン269への押圧力により、レバー2
71が軸262と共に回動し、これによりレバー268
が軸262を中心として反時計方向に揺動する。
【0076】そして、このレバー268の揺動に伴っ
て、レバー268の先端に配設された当たり部材267
が第1のアーム253における当たり部259を押圧す
ることにより、第1のアーム253が後述する接触圧調
整機構257の付勢力に抗して反時計方向に揺動する。
これにより、図15に示すように、水着けローラ244
は、第1の版胴11の外周部に保持された印刷版Pの表
面から離隔した退避位置に移動する。このため、湿し水
供給装置21aにおける水着けローラ244は、図10
(a)に示すマゼンタのインキで印刷を行うための画像
領域67bとは当接しないこととなる。
【0077】なお、水着けローラ244が第1の版胴1
1の外周部に保持された印刷版Pの表面から離隔した退
避位置に移動する際の水着けローラ244の移動量は、
図12に示す水着けローラ244に付設されたギヤ24
7の歯末のたけと第1の版胴11に付設されたギヤ51
の歯末のたけとの合計値より小さくなっている。このた
め、図15に示すように、水着けローラ244が退避位
置に移動した場合であっても、水着けローラ244に付
設されたギヤ247と第1の版胴11に付設されたギヤ
51との噛合状態は維持されている。従って、水着けロ
ーラ244が退避位置に移動した場合であっても、水着
けローラ244は、第1の版胴11からの駆動を受けて
回転する。
【0078】なお、湿し水供給装置21bにおいても、
上記同様の水着けローラ移動機構256が配設されてい
る。ただし、湿し水供給装置21bにおける水着けロー
ラ移動機構256のカムフォロワー261は、図17に
おいて仮想線で示すカム241に当接することにより、
湿し水供給装置21bにおける水着けローラ244を図
10(a)に示すマゼンタのインキで印刷を行うための
画像領域67bと当接させる。
【0079】図18は、印刷版Pにおける画像領域67
a、67bと、インキ供給領域275a、275bおよ
び湿し水供給領域276a、276bとの関係を示す説
明図である。ここで、上述したように、画像領域67a
はブラックのインキで印刷を行うべき画像の領域であ
り、画像領域67bはマゼンタのインキで印刷を行うべ
き画像の領域である。また、この図において破線で示す
インキ供給領域275aはインキ供給装置20aにより
ブラックのインキを供給する領域であり、インキ供給領
域275bはインキ供給装置20bによりマゼンタのイ
ンキを供給する領域である。さらに、この図において実
線で示す湿し水供給領域276aは湿し水供給装置21
aにより湿し水を供給する領域であり、二点差線で示す
湿し水供給領域276bは湿し水供給装置21bにより
湿し水を供給する領域である。
【0080】この図に示すように、各インキ供給領域2
75a、275bは、各画像領域67a、67bより若
干広い領域となっている。一方、この図において実線で
示す画像領域67aに対する湿し水供給領域276aと
二点差線で示す画像領域67bに対する湿し水供給領域
276bとは、各インキ供給領域275a、275bよ
りさらに広く、かつ、両者が互いに重複する重複領域2
77を有する。
【0081】このため、印刷版Pにおけるブラックのイ
ンキを供給されるべき画像領域67aとマゼンタのイン
キを供給されるべき画像領域67bとの間の全領域に湿
し水が確実に供給されることになり、インキ供給装置2
0a、20bによる印刷版Pへのインキの供給時にイン
キの糸引き現象等が生じた場合であっても、画像領域6
7aと画像領域67bとの間の領域にインキによる汚れ
が発生することを未然に防止することが可能となる。
【0082】なお、上述した湿し水供給領域276a、
276bを所望の位置に設定し、かつ、所定の重複領域
277を形成するためには、上述したカム241の形状
や湿し水供給装置21a、21bの配置を適宜調整する
ようにすればよい。
【0083】さらに、この水着けローラ移動機構257
において、図16に示すように、レバー263に配設さ
れたソレノイド265の作用によりレバー272を軸2
66を中心として時計方向に揺動させた場合において
は、このレバー272とレバー271の先端に配設され
た当たりピン269との係合が解除される。このため、
第1の版胴11に付設されたカム241上にレバー26
3の先端に配設されたカムフォロワー261が乗り上げ
ることによりレバー263が軸262を中心に反時計方
向に揺動した場合であっても、図15に示す場合とは異
なり、この揺動動作により当たりピン269が押圧され
ることはない。従って、第1のアーム253が揺動する
こともないことから、水着けローラ244は、第1の版
胴11の回転角度位置にかかわらず第1の版胴11外周
部に保持された印刷版Pの表面に当接する供給位置で停
止する。
【0084】従って、例えば後程説明する単色印刷時に
おいて、湿し水供給装置21aにより印刷版Pにおける
両方の画像領域67a、67bに湿し水を供給する場合
においては、図6に示すように、ソレノイド265の作
用により、水着けローラ244を供給位置に停止させる
ことで、湿し水供給装置21aにより印刷版Pにおける
両方の画像領域67a、67bに湿し水を供給すること
が可能となる。
【0085】次に、上記接触圧調整機構257の構成に
ついて説明する。図19〜図20は、図11に示す湿し
水供給装置21aから接触圧調整機構257部分を抽出
して示す概要図である。
【0086】この接触圧調整機構257は、上述した水
着けローラ移動機構256による水着けローラ244の
移動時に、水着けローラ244と中間ローラ245との
接触圧を一定に保つためのものであり、水着けローラ2
44と中間ローラ245との軸間距離を一定に維持する
ための第1の当たり部材278および第2の当たり部材
279を有する。
【0087】第1の当たり部材278は、上述した第1
のアーム253上に配設されている。この第1の当たり
部材278は、水着けローラ244と同芯状に形成され
た円形の形状を有する。なお、第1のアーム253は、
バネ281の作用により、軸251を中心として反時計
方向に付勢されている。また、第1のアーム253に
は、ストッパー283と当接することにより反時計方向
への揺動量を規制するための当たり部材282が配設さ
れている。
【0088】第2の当たり部材279は、上述した第2
のアーム254の先端部に配設されている。この第2の
当たり部材279は、中間ローラ245と同芯状の円弧
面を有する。なお、第2のアーム254は、押圧バネユ
ニット284の作用により、軸252を中心として反時
計方向に付勢されている。なお、上述した押圧バネユニ
ット284による第2のアーム254への付勢力は、バ
ネ281による第1のアーム253への付勢力より大き
く設定されている。また、第2のアーム254は、エア
シリンダ285と連結されている。
【0089】この接触圧調整機構257においては、押
圧バネユニット284による第2のアーム254への付
勢力は、バネ281による第1のアーム253への付勢
力より大きく設定されている。このため、前述したよう
に、第1のアーム253は、接触圧調整機構257によ
り、水着けローラ244が第1の版胴11の外周部に保
持された印刷版Pの表面と当接する方向(時計方向)に
付勢されることになる。従って、図14に示すように、
第1の版胴11に付設されたカム241とレバー263
の先端に配設されたカムフォロワー261とが係合され
ていない状態においては、水着けローラ244が第1の
版胴11の外周部に保持された印刷版Pの表面と当接す
る湿し水の供給位置に移動する。
【0090】この状態において、第1の版胴11に付設
されたカム241上にレバー263の先端に配設された
カムフォロワー261が乗り上げれば、図15に示すよ
うに、水着けローラ244は、第1の版胴11の外周部
に保持された印刷版Pの表面から離隔した退避位置に移
動する。この水着けローラ244の移動に伴って、第1
の当たり部材278が第2の当たり部材279を押圧す
る方向に移動する。このとき、第1の当たり部材278
は水着けローラ244と同芯状に形成された円形の形状
を有し、第2の当たり部材279は中間ローラ245と
同芯状の円弧面を有することから、水着けローラ244
が移動した場合であっても、水着けローラ244と中間
ローラ245との軸間距離は一定に維持され、水着けロ
ーラ244と中間ローラ245との接触圧を一定に維持
することが可能となる。
【0091】水舟242内の湿し水中に浸漬することに
より湿し水を汲み上げる水元ローラ243と、この湿し
水を水着けローラ244に供給する中間ローラ245と
は、左右一対の支持板255により連結されていること
から、その接触圧は一定となっている。また、水着けロ
ーラ244と中間ローラ245との接触圧は、上記の通
り接触圧調整機構257により一定に維持されている。
このため、水舟242内の湿し水を正確に印刷版P上に
供給することが可能となる。
【0092】また、この接触圧調整機構257におい
て、エアシリンダ285の駆動により第2のアーム25
4を牽引して、第2のアーム254を、押圧バネユニッ
ト284による付勢力に抗して時計方向への揺動を開始
した場合においては、第2のアーム254の揺動動作に
伴って、第1の当たり部材278が第2の当たり部材2
79の円弧面に沿って移動する。そして、この第1の当
たり部材278の移動に伴って、第1のアーム253
が、バネ281の作用により反時計方向に移動し、図2
0に示すように、水着けローラ244は第1の版胴11
の外周部に保持された印刷版Pの表面から離隔した退避
位置に移動する。
【0093】この第1のアーム253の揺動動作は、図
20に示す正面側の第1のアーム253においては、こ
の第1のアーム253に配設された当たり部材282が
ストッパー283に当接した時点で停止する。一方、図
12および後述する図21に示す背面側の第1のアーム
253においては、この第1のアーム253の端部に形
成された当たり部288が、エアシリンダ286におけ
る伸張したシリンダロッドの先端の押圧部289に当接
した時点で停止する。なお、この状態においても、上述
した場合と同様、水着けローラ244が退避位置に移動
する際の、エアシリンダ286の押圧部289により規
制されたギヤ247の移動量は、水着けローラ244に
付設されたギヤ247の歯末のたけと第1の版胴11に
付設されたギヤ51の歯末のたけとの合計値より小さく
なっており、水着けローラ244に付設されたギヤ24
7と第1の版胴11に付設されたギヤ51との噛合状態
は維持されている。
【0094】そして、エアシリンダ285がさらに第2
のアーム254を牽引して、第2のアーム254がさら
に時計方向に揺動すれば、中間ローラ245も第2のア
ーム254と共にさらに移動する。このとき、上述した
ストッパー283の作用により、水着けローラ244は
第1のアーム253と共に停止している。このため、図
20に示すように、水着けローラ244と中間ローラ2
45とは互いに離隔することになる。
【0095】従って、印刷前で水着けローラ244に湿
し水を送りたくない場合等においては、エアシリンダ2
85の作用により第2のアーム254を図20に示す位
置まで揺動させて中間ローラ245から水着けローラ2
45への湿し水の転移を防止することにより、水着けロ
ーラ244への湿し水の供給を遮断することが可能とな
る。なお、このように水着けローラ244と中間ローラ
245とを離間させることにより、中間ローラ245側
を駆動する図示しない駆動手段を起動するときの脱調を
防止することができる。
【0096】次に、上記ギヤ退避機構258の構成につ
いて説明する。図21〜図22は、図12に示す湿し水
供給装置21aからギヤ退避機構258部分を抽出して
示す概要図である。
【0097】このギヤ退避機構258は、第1の版胴1
1の第1の印刷位置への移動時に水着けローラ244に
付設されたギヤ247を駆動伝達位置から退避位置へ移
動させるためのものであり、前述したように、一対の第
1のアーム253のうち、背面側に配設された第1のア
ーム253の当たり部288と当接する押圧部289を
有するエアシリンダ286を有する。
【0098】前述した第1の版胴移動機構31による第
1の版胴11の移動動作に伴い、このギヤ退避機構25
8は以下のように動作する。
【0099】まず、第1の版胴11が第1の印刷位置に
移動した状態において、上述した接触圧調整機構257
により水着けローラ244を退避位置に移動させた場合
においては、図21に示すように、第1の版胴11に付
設されたギヤ51と水着けローラ244に付設されたギ
ヤ247とは互いに噛合している。より詳細には、上述
したように、水着けローラ244が退避位置に移動する
際の、エアシリンダ286の押圧部289により規制さ
れたギヤ247の移動量は、水着けローラ244に付設
されたギヤ247の歯末のたけと第1の版胴11に付設
されたギヤ51の歯末のたけとの合計値より小さくなっ
ており、水着けローラ244に付設されたギヤ247と
第1の版胴11に付設されたギヤ51との噛合状態は維
持されている。
【0100】そして、この状態において、第1の版胴1
1が第1の印刷位置から画像記録位置へ移動を開始すれ
ば、図4〜図6において説明したように、第1の版胴1
1は、第1のブランケット胴52に付設されたギヤ52
の作用により、回転しながら画像記録位置に向けて移動
する。このため、第1の版胴11に付設されたギヤ51
と水着けローラ244に付設されたギヤ247とは、互
いに回転しながらその噛合状態が解除される。
【0101】一方、第1の版胴11が画像記録位置から
第1の印刷位置へ移動する際には、図22に示すよう
に、エアシリンダ286の駆動により押圧部289を第
1のアーム253の当たり部288から離隔する方向に
移動させる。これにより、第1のアーム253は、さら
に時計方向に揺動し、その当たり部材282がストッパ
ー287に当接する位置で停止する。この状態において
は、水着けローラ244は退避位置よりさらに第1の版
胴11から離隔する方向に移動している。このため、水
着けローラ244に付設されたギヤ247は、図22に
示すように、第1の版胴11が第1の印刷位置に移動し
た場合であっても第1の版胴11に付設されたギヤ51
とは離隔する位置に配置される。
【0102】この状態において、第1の版胴11を画像
記録位置から第1の印刷位置に移動させる。そして、図
5に示すように、第1の版胴11に付設されたギヤ51
と第1のブランケット胴13に付設されたギヤ52とが
噛合を開始した時点で、エアシリンダ286の駆動によ
り、背面側に配設された第1のアーム253の当たり部
288を押圧部289により押圧して、水着けローラ2
44に付設されたギヤ247を移動させる。
【0103】このとき、図4〜図6において説明したよ
うに、第1の版胴11は、第1のブランケット胴52に
付設されたギヤ52の作用により、回転しながら第1の
印刷位置に向けて移動している。このため、ギヤ51と
ギヤ247とは互いに回転しながら噛合を開始し、第1
の版胴11が第1の印刷位置に配置された時点で噛合動
作を完了する。従って、ギヤ51の歯先とギヤ247の
歯先とが衝突することによる損傷の発生を防止すること
が可能となる。
【0104】再度図1を参照して、画像記録位置に移動
した第1の版胴11または第2の版胴12の下方には、
上述した現像処理装置26が配設されている。この現像
処理装置26は、現像部、定着部および絞り部を有し、
図1において二点鎖線で示す待機位置と実線で示す現像
処理位置との間を昇降可能に構成されている。
【0105】この現像処理装置26によって画像記録装
置25により画像が記録された印刷版Pを現像処理する
場合においては、版胴回転機構30の駆動により第1の
版胴11または第2の版胴とともに回転する印刷版Pに
対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させ
る。
【0106】第1、第2の版胴11、12と当接可能に
設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、
第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その
外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されてい
る。そして、この第1、第2のブランケット胴13、1
4は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対
し、後述する胴入れ機構により接離自在な構成となって
いる。
【0107】図23は、上記第1のブランケット胴13
の胴入れ機構を示す概要図である。なお、第2のブラン
ケット胴14の胴入れ機構も、図23に示す第1の版胴
13の胴入れ機構と同様の構成を有する。
【0108】第1のブランケット胴13を回転自在に支
持する軸101の側方には軸101とは中心が異なる偏
芯軸102が連設されている。また、偏芯軸102の周
囲には、軸101、102とさらに中心が異なる偏芯軸
受103が配設されている。このため、図23に示すよ
うに、軸101の中心(すなわち第1のブランケット胴
13の中心)104と、偏芯軸102の中心105と、
偏芯軸受103の中心106は、各々異なる位置に配置
される。
【0109】偏芯軸102に固設された固定板107と
偏芯軸受103に固設された固定板108とは、リンク
機構を構成する2枚の連結板111、112により連結
されている。そして、2枚の連結板111、112の連
結部分にはエアシリンダ113のシリンダロッド114
先端部が接続されている。また、エアシリンダ113本
体は、軸115を中心に回動する回動板116の一端に
連結されている。さらに、この回動板116の他端は、
ロッド117を介して偏芯軸受103に固設された固定
板118と連結されている。
【0110】また、回動板116と偏芯部材119の軸
120とは、リンク機構を構成する2枚の連結板12
1、122により連結されている。そして、2枚の連結
板121、122の連結部分には装置本体に固定された
エアシリンダ123のシリンダロッド124先端部が接
続されている。さらに、偏芯部材119と接続するウォ
ームホイル125は、モータ126の駆動により回転す
るウォームギヤ127と螺合している。
【0111】このような構成において、各エアシリンダ
113および123のシリンダロッド114、124が
伸びた状態においては、図23に示すように、第1のブ
ランケット胴13の表面と第1の版胴11および圧胴1
5の表面とはわずかな距離だけ離隔している。
【0112】この状態で、エアシリンダ113の駆動に
よりそのシリンダロッド114を縮めた場合には、2枚
の連結板111、112等によるリンク機構の作用によ
り、第1のブランケット胴13は第1の版胴11方向へ
移動し、第1の版胴11への胴入れがなされる。
【0113】この状態において、エアシリンダ123の
駆動によりそのシリンダロッド124を縮めた場合に
は、2枚の連結板121、122等により構成されるリ
ンク機構の作用により、第1のブランケット胴13は圧
胴15方向へ移動し、圧胴15への胴入れがなされる。
このとき、回動板116も軸115を中心に時計方向に
回転することから、第1のブランケット胴13は圧胴1
5方向のみならず第1の版胴11方向へも移動する。従
って、第1のブランケット胴13における第1の版胴1
1への胴入れ状態は維持される。
【0114】なお、偏芯部材119を回転させた場合に
は、偏芯部材119の軸120が微動する。このため、
偏芯部材119と接続するウォームホイル125をモー
タ126の駆動により回転させ、軸120を微動させる
ことにより、圧胴15および第1の版胴11と第1のブ
ランケット胴13との接触圧を調整することができる。
従って、第1のブランケット胴13を使用した印刷時に
おける印圧を調整することが可能となる。
【0115】再度図1を参照して、第1、第2のブラン
ケット胴13、14の間に配設されたブランケット洗浄
装置29は、巻き出しロールから複数の圧接ローラを介
して巻き取りロールに至る経路に貼張された長尺の洗浄
布に洗浄液を供給し、この洗浄布を第1、第2のブラン
ケット胴13、14に対して当接させた上、摺動させる
ことにより、第1、第2のブランケット胴13、14の
表面を洗浄するものである。なお、上記洗浄布を圧胴1
5の表面にも接触させることにより、圧胴15の表面を
も洗浄する構成としてもよい。
【0116】第1、第2のブランケット胴13、14と
当接可能に設けられた圧胴15は、第1、第2の版胴1
1、12および第1、第2のブランケット胴13、14
の直径の1/2の直径を有する。また、圧胴15は、印
刷用紙の先端を保持して搬送するための図示しないグリ
ッパを有する。
【0117】また、圧胴15に隣接して配設された給紙
胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴
16は、往復移動する吸着盤74により給紙部27から
1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を図示しないグリ
ッパにより保持して搬送する。グリッパにより保持され
た印刷用紙の先端部は、給紙胴16から圧胴15への印
刷用紙の受け渡し時に、圧胴15のグリッパにより保持
される。
【0118】また、圧胴15に隣接して配設された排紙
胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴
17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構
造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しな
い連結部材上に、各々グリッパが配設されている。圧胴
15のグリッパにより保持された印刷用紙の先端部は、
圧胴15から排紙胴17への印刷用紙の受け渡し時に、
排紙胴17のいずれかのグリッパにより保持される。そ
して、この印刷用紙は、チェーン19の移動に伴って排
紙部28上に搬送されて排出される。
【0119】前記給紙胴16は、図示しないベルトを介
して駆動モータと連結されている。そして、給紙胴1
6、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケット
胴13、14は、各々その端部に付設された歯車により
連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第
2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第
2の版胴12とは、上述したように、その端部に付設さ
れた歯車51、52により各々連結されている。従っ
て、図示しない駆動モータの駆動により、これらの給紙
胴16、圧胴15、排紙胴17、第1、第2のブランケ
ット胴13、14、第1、第2の版胴11、12は、互
いに同期して回転する。
【0120】図24は、この多色印刷装置の主要な電気
的構成を示すブロック図である。この多色印刷装置は、
装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM
141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるR
AM142と、論理演算を実行するCPU143とから
なる制御部140を備える。この制御部は140は、イ
ンタフェース144を介して、インキ供給装置20、画
像記録装置25、現像処理装置26、ブランケット洗浄
装置29、第1、第2の版胴移動機構31、32、第
1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構等に
おける駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路145
と接続されている。多色印刷装置はこの制御部140に
より制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行
する。
【0121】次に、この多色印刷装置による製版および
印刷動作について説明する。図25は、この多色印刷装
置による製版および印刷動作の概要を示すフローチャー
トである。なお、この印刷および製版動作は、印刷用紙
にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のイン
キで多色印刷を行う場合のものである。
【0122】まず、第1、第2の版胴11、12上にお
いて印刷版Pに画像を記録し、現像処理を行う製版工程
を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブル
ーチンとしての図26のフローチャートに示す工程に従
って実行される。
【0123】すなわち、最初に第1の版胴11を、図1
において二点鎖線で示す製版位置に移動させる(ステッ
プS11)。この第1の版胴11の移動は、図2に示す
第1の版胴移動機構31のモータ35の駆動により、ス
ライドホルダ41をガイド部材39に沿って移動させる
ことにより実行される。
【0124】次に、第1の版胴11の外周に印刷版Pを
供給する(ステップS12)。この印刷版Pの供給は、
供給カセット63から引き出した印刷版Pの先頭部とカ
ッター66で切断された印刷版Pの後端部とを図示しな
い一対のくわえ爪でくわえることにより実行される。
【0125】続いて、第1の版胴11の外周に保持され
た印刷版Pに画像を記録する(ステップS13)。この
画像の記録は、版胴回転機構30により第1の版胴11
を低速で回転させるとともに、画像記録装置25から第
1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに変調された
レーザビームを照射することにより実行される。
【0126】次に、画像が記録された印刷版Pを現像処
理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理
装置26を図1において二点鎖線で示す待機位置から実
線で示す現像処理位置まで上昇させた後、版胴回転機構
30の駆動により第1の版胴11とともに回転する印刷
版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触
させることにより実行される。
【0127】上記現像処理が終了すれば、第1の版胴1
1を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動さ
せる(ステップS15)。
【0128】続いて、上記ステップS11〜15と同様
の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷
版Pに対する製版工程を実行する(ステップS16〜2
0)。 そして、第1、第2の版胴11、12の外周に
保持される印刷版Pへの製版が終了すれば、製版工程を
終了する。
【0129】再度図25を参照して、製版工程が完了す
れば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pを用い
て印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップ
S2)。この印刷工程における多色印刷装置の動作につ
いては、後程詳細に説明する。
【0130】印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印
刷版Pを排出する(ステップS3)。この印刷版Pの排
出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1にお
いて二点鎖線で示す製版位置に移動させる。そして、版
胴回転機構30により第1の版胴11を反時計回りに回
転させるとともに、第1の版胴11上に保持された印刷
版Pの端部を爪機構73により剥がした後、この印刷版
Pをコンベア機構69により案内して、排出カセット6
8内に排出する。そして、第1の版胴11を第1の印刷
位置に復帰させた後、第2の版胴12を第2の印刷位置
から製版位置に移動させ、上記同様の動作を実行するこ
とにより、第2の版胴12上に保持された印刷版Pを排
出カセット68内に排出する。
【0131】印刷版Pの排出工程が完了すれば、第1、
第2のブランケット胴13、14を洗浄する(ステップ
S4)。この第1、第2のブランケット胴13、14の
洗浄時には、図23に示す胴入れ機構により、第1、第
2のブランケット胴13、14を第1、第2の版胴1
1、12および圧胴15から離隔させた後、第1、第2
のブランケット胴13、14を回転させる。この状態に
おいて、ブランケット洗浄装置29における洗浄液を供
給された洗浄布を第1、第2のブランケット13、14
の表面に当接させた上、摺動させることにより、第1、
第2のブランケット胴13、14を洗浄する。
【0132】第1、第2のブランケット胴13、14の
洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行う
か否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行
う場合には、ステップ1〜4の動作を繰り返す。
【0133】印刷作業が終了した場合には、インキの洗
浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各イ
ンキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装
置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ
71やインキつぼ72に付着するインキを除去および洗
浄することにより実行される。
【0134】インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工
程を完了する。
【0135】次に、上述した印刷工程における多色印刷
装置の動作について説明する。図27〜図32は、この
多色印刷装置の印刷動作を示す説明図である。なお、こ
れらの図においては、説明の便宜上、印刷用紙Sの長さ
と圧胴15、給紙胴16および排紙胴17の周長とを同
一であるものとして表現しているが、実際には、印刷用
紙Sの長さは圧胴15、給紙胴16および排紙胴17の
周長より短くなっている。
【0136】なお、以下に述べる印刷動作は、上述した
ように、印刷用紙にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ックの4色のインキで多色印刷を行う場合のものであ
る。また、図27〜図32においては、説明の便宜上、
第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうち
ブラックのインキの印刷に使用される側の領域に符号K
を、また、第1の版胴11および第1のブランケット胴
13のうちマゼンタのインキの印刷に使用される側の領
域に符号Mを付し、また、第2の版胴12および第2の
ブランケット胴14のうちシアンのインキの印刷に使用
される側の領域に符号Cを、また、第2の版胴12およ
び第2のブランケット胴14のうちイエローのインキの
印刷に使用される側の領域に符号Yを付している。
【0137】印刷工程に先立つ製版工程において、先に
説明したように、第1の版胴11の外周部に装着された
印刷版Pには、図10(a)に示すように、ブラックの
インキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタ
のインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録さ
れており、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版
Pには、図10(b)に示すように、シアンのインキで
印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキ
で印刷を行うための画像領域67dとが記録されている
ものとする。
【0138】また、上述したように、インキ供給装置2
0aにはブラックのインキを、インキ供給装置20bに
はマゼンタのインキを、インキ供給装置20cにはシア
ンのインキを、インキ供給装置20dにはイエローのイ
ンキを各々供給しておき、図10に示す印刷版Pの画像
領域67aにはインキ供給装置20aからブラックのイ
ンキが、画像領域67bにはインキ供給装置20bから
マゼンタのインキが、画像領域67cにはインキ供給装
置20cからシアンのインキが、さらに、画像領域67
dにはインキ供給装置20dからイエローのインキが、
各々供給されるようにしておく。
【0139】先ず、各湿し水供給装置21および各イン
キ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持
された印刷版Pのうちの対応する画像領域とのみ当接さ
せる。これにより、各画像領域67a、67b、67
c、67dには対応する湿し水供給装置21a、21
b、21c、21dから湿し水が供給されるとともに、
画像領域67aにはインキ供給装置20aから、画像領
域67bにはインキ供給装置20bから、画像領域67
cにはインキ供給装置20cから、画像領域67dには
インキ供給装置20dから、各々ブラック、マゼンタ、
シアン、イエローのインキが供給される。そして、この
インキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対
応する領域に転写される。
【0140】この動作を繰り返すことにより、第1、第
2の版胴11、12上の印刷版Pおよび第1、第2のブ
ランケット胴13、14へのインキの供給がなされる。
このインキの供給動作は、印刷工程が完了するまで繰り
返し実行される。
【0141】第1、第2の版胴11、12上の印刷版P
および第1、第2のブランケット胴13、14へのイン
キの供給が完了すれば、図27に示すように、印刷用紙
Sを給紙胴16に供給する。この印刷用紙Sは、給紙胴
16から圧胴15に渡される。
【0142】そして、圧胴15がさらに回転し、圧胴1
5の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第1のブラン
ケット胴13と対向する位置まで移動すれば、図23に
示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴1
3を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態に
おいては、図28に示すように、印刷用紙Sの先端部
は、第1のブランケット胴13表面におけるブラックの
インキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。
そして、第1のブランケット胴13表面におけるブラッ
クのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版
胴11に保持された印刷版Pにおける画像領域67aか
らブラックのインキが転写されている。このため、第1
のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転する
ことにより、印刷用紙Sにはブラックのインキが転写さ
れる。
【0143】圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周
に保持された印刷用紙Sの先端が第2のブランケット胴
14と対向する位置まで移動すれば、図23に示す胴入
れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴
15に当接する胴入れ状態とする。この状態において
は、図29に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第2
のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの印
刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第
2のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの
印刷に使用される側の領域には、第2の版胴12に保持
された印刷版Pにおける画像領域67cからシアンのイ
ンキが転写されている。このため、第2のブランケット
胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既
にブラックのインキが転写された印刷用紙Sには、さら
にシアンのインキが転写される。
【0144】この状態において、圧胴15が第1、第2
のブランケット胴13、14とともに回転を続けると、
図30に示すように、印刷用紙Sは圧胴15の外周部に
完全に巻回された状態となる。そして、圧胴15は、第
1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケ
ット胴13、14の1/2の直径を有することから、圧
胴15の外周部に巻回された印刷用紙Sは、2回転目に
おいては、第1のブランケット胴13表面におけるマゼ
ンタのインキの印刷に使用される側の領域と当接する。
そして、第1のブランケット胴13表面におけるマゼン
タのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版
胴11に保持された印刷版Pにおける画像領域67bか
らマゼンタのインキが転写されている。このため、第1
のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転する
ことにより、既にブラックおよびシアンのインキが転写
された印刷用紙Sには、さらにマゼンタのインキが転写
される。
【0145】そして、圧胴15がさらに回転すれば、印
刷用紙Sは、第2のブランケット胴14表面におけるイ
エローのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当
接する。そして、第2のブランケット胴14表面におけ
るイエローのインキの印刷に使用される側の領域には、
第2の版胴12に保持された印刷版Pにおける画像領域
67dからイエローのインキが転写されている。このた
め、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに
回転することにより、既にブラック、シアンおよびマゼ
ンタのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにイエ
ローのインキが転写され、4色の印刷が完了する。
【0146】4色の印刷が終了した印刷用紙Sの先端部
は、図31に示すように、圧胴15から排紙胴17に渡
される。また、次に印刷を行うべき印刷用紙Sが給紙胴
16に供給された後、給紙胴16から圧胴15に渡され
る。
【0147】そして、4色の印刷が終了した印刷用紙S
は、図32に示すように、一対のチェーン19の駆動に
より、排紙胴17のグリッパとともに排紙部28上まで
搬送されて排出される。
【0148】以上説明したように、この多色印刷装置に
おいては、圧胴15が第1、第2の版胴11、12およ
び第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/
2の直径を有することから、第1、第2の版胴11、1
2および第1、第2のブランケット胴13、14が1回
転する間に圧胴15は2回転する。そして、圧胴15が
2回転する間に、圧胴15の外周部に保持された印刷用
紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の
印刷が行われる。このため、圧胴15が2回転する度
に、給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することに
より、4色の印刷を連続して実行することが可能とな
る。
【0149】なお、この多色印刷装置において、上記の
ような4色印刷を行う換わりに、単色印刷等を行うこと
も可能である。
【0150】例えば、この印刷機においてブラックのイ
ンキのみで印刷を行う場合においては、第1の版胴11
に保持される印刷版Pにおける画像領域67a、67b
に同一の画像を形成する。そして、インキ供給装置20
aが画像領域67a、67bの両方にブラックのインキ
を供給し得るようにする。また、他のインキ供給装置2
0b、20c、20dは、第1、第2の版胴11、12
から離隔させておく。この状態において、圧胴15が1
回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給す
る。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15
の外周に保持された印刷用紙Sに、同一の画像が形成さ
れた画像領域67aまたは67bからのブラックのイン
キによる画像が転写され、単色印刷を行うことができ
る。
【0151】なお、この場合においては、第2の版胴1
2および第2のブランケット胴14は使用されない。従
って、第2のブランケット胴14は、図23に示す胴入
れ機構により、胴抜き状態としておけばよい。また、第
1の版胴11および第1のブランケット胴13を使用し
て印刷を行っている間に、第2の版胴12を画像記録位
置に移動させ、この位置において第2の版胴12上で製
版行程を実行するようにしてもよい。
【0152】上述した実施の形態においては、各々2個
の画像領域を有する印刷版Pを第1、第2の版胴に装着
すると共に、第1の印刷位置に移動した第1の版胴11
の周囲に2個の湿し水供給装置21a、21bを、ま
た、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の外周部
に2個の湿し水供給装置21c、21dを配設した場合
について説明した。しかしながら、第1、第2の版胴に
各々3個以上の画像領域を有する印刷版Pを装着するよ
うにしてもよい。この場合においては、第1の印刷位置
に移動した第1の版胴11の周囲に3個以上の湿し水供
給装置を配設し、第2の印刷位置に移動した第2の版胴
12の外周部にも3個の湿し水供給装置を配設する必要
がある。
【0153】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、互いに
異なる色のインキで印刷を行うべき第1、第2の画像領
域の各々に個別に湿し水を供給するための第1、第2の
湿し水供給装置を配設したことから、印刷版の各画像領
域に本来供給されるべきインキとは別の色のインキが付
着することによる汚れの発生を防止することができる。
また、第1の湿し水供給装置による湿し水の供給領域の
後端部と第2の湿し水供給装置による湿し水の供給領域
の先端部とが互いに重複するように、第1、第2湿し水
供給装置の水着けローラを供給位置と退避位置との間を
往復移動させる水着けローラ移動機構を備えたことか
ら、印刷版における第1の画像領域と第2の画像領域と
の間の領域にインキが付着することによる汚れの発生を
防止することができる。
【0154】請求項2に記載の発明によれば、水着けロ
ーラ移動機構が、版胴に付設されたカムと当接するカム
フォロワーを利用して、水着けローラを供給位置と退避
位置との間で往復移動させるアーム揺動機構を有するこ
とから、版胴の回転を利用することにより、水着けロー
ラを必要な画像領域にのみ当接させて湿し水を供給する
ことができ、装置を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る多色印刷装置の側面概要図であ
る。
【図2】第1、第2の版胴移動機構31、32の正面図
である。
【図3】第1の版胴移動機構31における軸受部33付
近を示す側断面図である。
【図4】第1の版胴11に配設された回転防止部材47
と第1の印刷位置に配設された解除部材48との関係を
示す概要図である。
【図5】第1の版胴11に配設された回転防止部材47
と第1の印刷位置に配設された解除部材48との関係を
示す概要図である。
【図6】第1の版胴11に配設された回転防止部材47
と第1の印刷位置に配設された解除部材48との関係を
示す概要図である。
【図7】第1の版胴11に配設された回転防止部材47
と画像記録位置に配設された解除部材49とを示す概要
図である。
【図8】版胴回転機構30付近の正面図である。
【図9】図8の要部を示す側断面図である。
【図10】印刷版P上における画像領域67の配置を示
す説明図である。
【図11】湿し水供給装置21aを正面側からみた概要
図である。
【図12】湿し水供給装置21aを背面側からみた概要
図である。
【図13】中間ローラ245と水元ローラ243の連結
状態を示す説明図である。
【図14】水着けローラ移動機構256を示す概要図で
ある。
【図15】水着けローラ移動機構256を示す概要図で
ある。
【図16】水着けローラ移動機構256を示す概要図で
ある。
【図17】第1の版胴11に付設されたカム241を示
す側面図である。
【図18】画像領域67a、67bと、インキ供給領域
275a、275bおよび湿し水供給領域276a、2
76bとの関係を示す説明図である。
【図19】接触圧調整機構257を示す概要図である。
【図20】接触圧調整機構257を示す概要図である。
【図21】ギヤ退避機構258を示す概要図である。
【図22】ギヤ退避機構258を示す概要図である。
【図23】第1のブランケット胴13の胴入れ機構を示
す概要図である。
【図24】多色印刷装置の主要な電気的構成を示すブロ
ック図である。
【図25】多色印刷装置による製版および印刷動作の概
要を示すフローチャートである。
【図26】製版工程を示すフローチャートである。
【図27】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図28】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図29】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図30】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図31】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図32】多色印刷装置の印刷動作を示す説明図であ
る。
【図33】従来の多色印刷装置の概要を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
11 第1の版胴 12 第2の版胴 13 第1のブランケット胴 14 第2のブランケット胴 15 圧胴 16 給紙胴 17 排紙胴 20 インキ供給装置 21 湿し水供給装置 23 給版部 24 排版部 25 画像記録装置 26 現像処理装置 27 給紙部 28 排紙部 30 版胴回転機構 31 第1の版胴移動機構 32 第2の版胴移動機構 241 カム 242 水舟 243 水元ローラ 244 水着けローラ 245 中間ローラ 253 第1のアーム 254 第2のアーム 256 水着けローラ移動機構 257 接触圧調整機構 258 ギヤ退避機構 P 印刷版 S 印刷用紙
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−76063(JP,A) 特開 平4−334452(JP,A) 特開 平2−175250(JP,A) 特開 平9−141821(JP,A) 特開 平3−143634(JP,A) 実開 昭62−167631(JP,U) 特表 平9−510410(JP,A) 特表 平10−510490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 7/40 B41F 7/02 B41F 33/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる色のインキで印刷を行うべ
    き第1、第2の画像領域が形成された印刷版をその外周
    部に保持する版胴と、 前記第1の画像領域に湿し水を供給するための前記印刷
    版の表面に当接した供給位置と前記印刷版の表面から離
    隔した退避位置との間を往復移動可能な水着けローラを
    有する第1の湿し水供給装置と、 前記第2の画像領域に湿し水を供給するための前記印刷
    版の表面に当接した供給位置と前記印刷版の表面から離
    隔した退避位置との間を往復移動可能な水着けローラを
    有する第2の湿し水供給装置と、 前記印刷版表面における前記第1の湿し水供給装置によ
    る湿し水の供給領域の後端部と前記第2の湿し水供給装
    置による湿し水の供給領域の先端部とが互いに重複する
    ように、前記第1、第2湿し水供給装置の水着けローラ
    を前記供給位置と前記退避位置との間を往復移動させる
    水着けローラ移動機構と、 を備えたことを特徴とする多色印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多色印刷装置におい
    て、 前記水着けローラ移動機構は、 前記版胴に付設されたカムと、 前記第1、第2の湿し水供給装置における水着けローラ
    を支持するアームと、 前記カムと当接するカムフォロワーを有し、前記各アー
    ムを揺動させることにより、前記第1、第2の湿し水供
    給装置における水着けローラを、各々、前記供給位置と
    前記退避位置との間で往復移動させるアーム揺動機構
    と、 をさらに有する多色印刷装置。
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