JP3549747B2 - 印刷装置 - Google Patents

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JP3549747B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、版胴の外周部に保持された印刷版にインキを供給し、このインキをブランケット胴を介して圧胴の外周部に保持された印刷用紙上に転写する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような印刷装置において、その外周部に複数の印刷版を装着した版胴と、この版胴に保持された複数の印刷版における画像領域に対し各々異なる色のインキを供給するための複数のインキ供給装置とを備え、単一の版胴や圧胴を利用して複数色のインキで印刷を行うことにより、装置全体の専有面積を減少させるようにしたものは公知である。
【0003】
例えば、特開平3−143634号公報には、その外周部に2枚の印刷版を装着した版胴と、この版胴上の各印刷版に各々異なる色のインキを供給するための2個のインキ供給装置と、版胴上の各印刷版に湿し水を供給するための単一の湿し水供給装置と、版胴の半分の直径を有する圧胴とを有し、圧胴が2回転する毎に印刷用紙を供給することにより、印刷用紙に2色のインキで印刷を行う印刷装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平3−143634号公報に記載された印刷装置は、常に印刷用紙の片面に2色のインキで印刷を行うものである。一方、近年の印刷の他品種少量化の要請により、単色印刷や多色印刷、あるいは、片面印刷や両面印刷等の各種のモードの印刷を選択的に実行しうる印刷装置が要望されている。
【0005】
ところで、上記のように、単一の印刷装置により単色印刷や多色印刷、あるいは、片面印刷や両面印刷等の各種のモードの印刷を選択的に実行するためには、その外周部に印刷用紙を保持して印刷を行う圧胴に対する印刷用紙の給紙状況を印刷モードに応じて変更する必要がある。より具体的には、印刷用紙を圧胴の外周に保持するために印刷用紙の先端部を咥える爪の開閉動作を印刷モードに応じて変更することが必要となる。
【0006】
このような爪の開閉を任意に制御するため、爪をエアシリンダ等のアクチュエータで開閉させた場合には、開閉動作が緩慢となり適切な印刷用紙の受け渡し動作が実行できないばかりではなく、装置構成が複雑化するという問題がある。
【0007】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡易な構成でありながら印刷用紙を確実に受け渡しすることを可能とし、単色印刷や多色印刷、あるいは、片面印刷や両面印刷等の各種のモードの印刷を選択的に実行することができる印刷装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の印刷装置は、その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を各々保持する第1、第2の版胴と、前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第2のブランケット胴と、前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構とを備え、前記カム機構は、前記印刷用紙保持手段における爪に付設されたカムフォロワーと当接することにより、前記圧胴が1回転する間に前記印刷用紙保持手段を1回開閉させるための固定カムと、前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を禁止する開閉禁止位置と前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を許容する開閉許容位置との間を移動可能な移動カムと、前記圧胴の回転に伴って、前記移動カムを前記禁止位置と前記許容位置との間で往復移動させる移動カム駆動機構と、前記移動カムを前記圧胴の回転にかかわらず前記許容位置で停止させる移動カム停止機構とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記移動カム駆動機構は、前記第1のブランケット胴または前記第2のブランケット胴と同期して回転するカムと、前記カムと当接するカムフォロワーを有し、前記第1のブランケット胴または前記第2のブランケット胴の回転に伴って揺動することにより、前記移動カムを前記開閉禁止位置と前記開閉許容位置との間で往復移動させる前記移動カムに連結されたリンク機構とを備えている。
【0010】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記移動カム停止機構は、前記リンク機構の揺動を禁止するストッパーから構成されている。
【0011】
請求項に記載の印刷装置は、請求項乃至請求項いずれかに記載の印刷装置において、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段をさらに有している。
【0012】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行うものである。
【0013】
請求項に記載の印刷装置は、その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、前記版胴と同一の直径を有し、前記版胴と当接するブランケット胴と、前記版胴および前記ブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記ブランケット胴と当接する圧胴と、印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段とを備えたことを特徴とする印刷装置。
【0014】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記カム機構は、前記印刷用紙保持手段における爪に付設されたカムフォロワーと当接することにより、前記圧胴が1回転する間に前記印刷用紙保持手段を1回開閉させるための固定カムと、前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を禁止する開閉禁止位置と前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を許容する開閉許容位置との間を移動可能な移動カムと、前記圧胴の回転に伴って、前記移動カムを前記禁止位置と前記許容位置との間で往復移動させる移動カム駆動機構と、前記移動カムを前記圧胴の回転にかかわらず前記許容位置で停止させる移動カム停止機構とを備えている。
【0015】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記移動カム駆動機構は、前記ブランケット胴と同期して回転するカムと、前記カムと当接するカムフォロワーを有し、前記ブランケット胴の回転に伴って揺動することにより、前記移動カムを前記開閉禁止位置と前記開閉許容位置との間で往復移動させる前記移動カムに連結されたリンク機構とを備えている。
【0016】
請求項に記載の印刷装置は、請求項に記載の印刷装置において、前記移動カム停止機構は、前記リンク機構の揺動を禁止するストッパーから構成されている。
【0017】
請求項10に記載の印刷装置は、その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を各々保持する第1、第2の版胴と、前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第2のブランケット胴と、前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構と、前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の印刷装置は、請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の印刷装置において、前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行うものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
先ず、この発明を適用する印刷装置の構成と、この印刷装置における印刷動作について説明する。図1はこの発明に係る印刷装置の側面概要図である。
【0021】
この印刷装置は、第1、第2の版胴11、12に保持された画像が記録されていない印刷版に画像を記録して製版した後、この印刷版に供給されたインキを第1、第2のブランケット胴13、14を介して圧胴15に保持された印刷用紙に転写することにより印刷を行うものである。
【0022】
この印刷装置は、図1において実線で示す第1の印刷位置と二点鎖線で示す画像記録位置との間を移動可能な第1の版胴11と、図1において実線で示す第2の印刷位置と上記画像記録位置との間を移動可能な第2の版胴12とを有する。
【0023】
第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、印刷版に例えばブラック(K)のインキを供給するためのインキ供給装置20aと、印刷版に例えばマゼンタ(M)のインキを供給するためのインキ供給装置20bと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21a、21bとが配置されている。また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、印刷版に例えばシアン(C)のインキを供給するためのインキ供給装置20cと、印刷版に例えばイエロー(Y)のインキを供給するためのインキ供給装置20dと、印刷版に湿し水を供給するための湿し水供給装置21c、21dとが配置されている。さらに、画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と、排版部24と、画像記録装置25と、現像処理装置26とが配置されている。
【0024】
また、この印刷装置は、第1の版胴11と当接可能に設けられた第1のブランケット胴13と、第2の版胴12と当接可能に設けられた第2のブランケット胴14と、第1、第2のブランケット胴13、14に対して互いに異なる位置で当接可能に設けられた圧胴15と、給紙部27から供給された印刷用紙を圧胴15に渡すための給紙胴16と、圧胴15から受け取った印刷済の印刷用紙を排紙部28に排出するためのチェーン19を巻回した排紙胴17と、両面印刷時において印刷用紙Sを反転するための反転胴18と、ブランケット洗浄装置29とを有する。
【0025】
上記第1、第2の版胴11、12は、それぞれ図示しない版胴移動機構と連結されており、この版胴移動機構の駆動により、上述した第1または第2の印刷位置と画像記録位置との間を往復移動する。また、第1の版胴11は、第1の印刷位置において第1のブランケット胴13と同期して回転し、第2の版胴12は、第2の印刷位置において第2のブランケット胴14と同期して回転するよう構成されている。さらに、画像記録位置近傍には、図示しない版胴回転機構が配設されており、第1、第2の版胴11、12は、いずれも、画像記録位置に移動した状態において、この版胴回転機構の駆動により回転するよう構成されている。
【0026】
画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の周囲には、給版部23と排版部24とが配置されている。
【0027】
給版部23には、画像が記録されていない長尺ロール状の印刷版を光密な状態で収納する供給カセット63と、この供給カセット63から引き出した印刷版の先端部を第1の版胴11または第2の版胴12の表面に案内するためのガイド部材64およびガイドローラ65と、長尺の印刷版を切断してシート状の印刷版とするためのカッター66とが配設されている。また、第1、第2の版胴11、12には、給版部23より供給された印刷版の先端部と後端部とをくわえるための図示しない一対のくわえ爪が配設されている。
【0028】
排版部24は、印刷完了後に第1の版胴11または第2の版胴12上に保持された印刷版を剥がすための爪機構73と、爪機構73の作用により剥がされた印刷版を排出カセット68に搬送するためのコンベア機構69とを有する。
【0029】
給版部23における供給カセット63から引き出された印刷版の先端部は、ガイドローラ65およびガイド部材64により案内され、第1の版胴11または第2の版胴12一方のくわえ爪にくわえられる。そして、第1の版胴11または第2の版胴12が図示しない版胴回転機構の駆動により回転し、印刷版が第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に巻き付けられる。そして、カッター66で切断された印刷版の後端部は、他方のくわえ爪によりくわえられる。この状態において、第1の版胴11または第2の版胴12を低速で回転させながら、画像記録装置25により第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持された印刷版の表面に変調されたレーザビームを照射し、画像を記録する。
【0030】
第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録される。また、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、画像記録装置25により、図2(b)に示すように、シアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録される。画像領域67aと画像領域67bとは、第1の版胴11の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。同様に、画像領域67cと画像領域67dとは、第2の版胴12の外周部に装着された状態において、均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となる位置に記録される。
【0031】
また、後述するように、この印刷装置により単色印刷または2色印刷を実行する場合においては、画像領域67aと67bまたは画像領域67cと67dに、各々同一のインキで印刷を行うための画像が記録される。
【0032】
なお、上述した実施の形態においては、第1の版胴11または第2の版胴12の構成を簡易化するために、第1の版胴11または第2の版胴12の外周部に保持した1枚の印刷版Pに各々2個の画像領域67a、67bまたは67c、67dを設けている。しかしながら、第1の版胴11または第2の版胴12に先端部保持用と後端部保持用のくわえ爪を各々2組配設することにより、第1の版胴11または第2の版胴12の各々に2枚の印刷版Pを保持させる構成としてもよい。この明細書でいう「2個の画像領域を有する印刷版を保持する」とは、版胴の外周部に2個の画像領域を有する単一の印刷版を保持する場合と、版胴に単一の画像領域を有する2枚の印刷版を保持する場合とを含む概念である。なお、後者の場合においても、各印刷版Pによる画像領域が均等に振り分けられた状態(すなわち互いに180度離隔した状態)となるように、各々2枚の印刷版Pを均等に振り分けた状態で第1の版胴11または第2の版胴12上に保持させる必要がある。
【0033】
この場合において、片面に1〜3色の印刷を行う場合や両面に単色で印刷を行う場合等においては、図2に示す画像領域67a、67b、67c、67dのうち1または2の画像領域に相当する位置には、印刷版Pを配設する必要はない。
【0034】
再度図1を参照して、上述したように、第1の印刷位置に移動した第1の版胴11の周囲には、インキ供給装置20aとインキ供給装置20bとが、また、第2の印刷位置に移動した第2の版胴12の周囲には、インキ供給装置20cとインキ供給装置20dとが配置されている。これらのインキ供給装置20a、20b、20cおよび20d(これらを総称する場合には「インキ供給装置20」という)は、各々、複数のインキローラ71とインキつぼ72とを有する。
【0035】
インキ供給装置20a、20bのインキローラ71は、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第1の版胴11の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67a、67bのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20aまたは20bのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。また、同様に、インキ供給装置20c、20dのインキローラ71も、図示しないカム等の作用で揺動動作を行う。そして、この揺動動作により、第2の版胴12の外周部に保持した印刷版Pに形成された2個の画像領域67c、67dのうちの任意の画像領域に、インキ供給装置20cまたは20dのインキローラ71が接触することにより、必要な画像領域にのみインキを供給しうる構成となっている。
【0036】
湿し水供給装置21a、21b、21cおよび21d(これらを総称する場合には「湿し水供給装置21」という)は、上記インキ供給装置20により印刷版Pにインキを供給する前に、印刷版Pに湿し水を供給するものである。これらの湿し水装置21のうち、湿し水供給装置21aは印刷版Pにおける画像領域67aに、湿し水供給装置21bは印刷版Pにおける画像領域67bに、湿し水供給装置21cは印刷版Pにおける画像領域67cに、また、湿し水供給装置21dは印刷版Pにおける画像領域67dに、各々湿し水を供給する。
【0037】
画像記録位置に移動した第1の版胴11または第2の版胴12の下方には、現像処理装置26が配設されている。この現像処理装置26は、現像部、定着部および絞り部を有し、図1において二点鎖線で示す待機位置と実線で示す現像処理位置との間を昇降可能に構成されている。
【0038】
この現像処理装置26によって画像記録装置25により画像が記録された印刷版Pを現像処理する場合においては、第1の版胴11または第2の版胴と共に回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させる。
【0039】
第1、第2の版胴11、12と当接可能に設けられた第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12と同一の直径を有し、その外周部にはインキ転写用のブランケットが装着されている。そして、この第1、第2のブランケット胴13、14は、第1、第2の版胴11、12および圧胴15に対し、後述する胴入れ機構により接離自在な構成となっている。
【0040】
なお、その外周に軟質のブランケットを装着した第1、第2のブランケット胴13、14の直径は、第1、第2の版胴11、12と当接することにより若干小さくなる。この明細書で述べる同一の直径とは、このような直径の変化等により若干の誤差が生じた場合をも含むものである。また、後述するように、圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]の直径を有するが、この場合においても、上記同様の直径の変化等に基づいて生じる誤差をも含むものである。
【0041】
図3は、上記第1のブランケット胴13の胴入れ機構を示す概要図である。なお、第2のブランケット胴14の胴入れ機構も、図3に示す第1の版胴13の胴入れ機構と同様の構成を有する。
【0042】
第1のブランケット胴13を回転自在に支持する軸101の側方には軸101とは中心が異なる偏芯軸102が連設されている。また、偏芯軸102の周囲には、軸101、102とさらに中心が異なる偏芯軸受103が配設されている。このため、図3に示すように、軸101の中心(すなわち第1のブランケット胴13の中心)104と、偏芯軸102の中心105と、偏芯軸受103の中心106は、各々異なる位置に配置される。
【0043】
偏芯軸102に固設された固定板107と偏芯軸受103に固設された固定板108とは、リンク機構を構成する2枚の連結板111、112により連結されている。そして、2枚の連結板111、112の連結部分にはエアシリンダ113のシリンダロッド114先端部が接続されている。また、エアシリンダ113本体は、軸115を中心に回動する回動板116の一端に連結されている。さらに、この回動板116の他端は、ロッド117を介して偏芯軸受103に固設された固定板118と連結されている。
【0044】
また、回動板116と偏芯部材119の軸120とは、リンク機構を構成する2枚の連結板121、122により連結されている。そして、2枚の連結板121、122の連結部分には装置本体に固定されたエアシリンダ123のシリンダロッド124先端部が接続されている。さらに、偏芯部材119と接続するウォームホイル125は、モータ126の駆動により回転するウォームギヤ127と螺合している。
【0045】
このような構成において、各エアシリンダ113および123のシリンダロッド114、124が伸びた状態においては、図3に示すように、第1のブランケット胴13の表面と第1の版胴11および圧胴15の表面とはわずかな距離だけ離隔している。
【0046】
この状態で、エアシリンダ113の駆動によりそのシリンダロッド114を縮めた場合には、2枚の連結板111、112等によるリンク機構の作用により、第1のブランケット胴13は第1の版胴11方向へ移動し、第1の版胴11への胴入れがなされる。
【0047】
この状態において、エアシリンダ123の駆動によりそのシリンダロッド124を縮めた場合には、2枚の連結板121、122等により構成されるリンク機構の作用により、第1のブランケット胴13は圧胴15方向へ移動し、圧胴15への胴入れがなされる。このとき、回動板116も軸115を中心に時計方向に回転することから、第1のブランケット胴13は圧胴15方向のみならず第1の版胴11方向へも移動する。従って、第1のブランケット胴13における第1の版胴11への胴入れ状態は維持される。
【0048】
なお、偏芯部材119を回転させた場合には、偏芯部材119の軸120が微動する。このため、偏芯部材119と接続するウォームホイル125をモータ126の駆動により回転させ、軸120を微動させることにより、圧胴15および第1の版胴11と第1のブランケット胴13との接触圧を調整することができる。従って、第1のブランケット胴13を使用した印刷時における印圧を調整することが可能となる。
【0049】
再度図1を参照して、第1、第2のブランケット胴13、14の間に配設されたブランケット洗浄装置29は、巻き出しロールから複数の圧接ローラを介して巻き取りロールに至る経路に貼張された長尺の洗浄布に洗浄液を供給し、この洗浄布を第1、第2のブランケット胴13、14に対して当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14の表面を洗浄するものである。なお、上記洗浄布を圧胴15の表面にも接触させることにより、圧胴15の表面をも洗浄する構成としてもよい。
【0050】
第1、第2のブランケット胴13、14と当接可能に設けられた圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/2の直径を有する。また、圧胴15は、印刷用紙の先端を保持して搬送するための後述するグリッパ83を有する。
【0051】
また、圧胴15に隣接して配設された給紙胴16は、圧胴15と同一の直径を有する。この給紙胴16は、往復移動する吸着盤74により給紙部27から1枚ずつ供給された印刷用紙の先端部を後述するグリッパ84により保持して搬送する。グリッパ84により保持された印刷用紙の先端部は、給紙胴16から圧胴15への印刷用紙の受け渡し時に、圧胴15のグリッパ83により保持される。
【0052】
また、圧胴15に隣接して配設された排紙胴17は、圧胴15と同一の直径を有する。この排紙胴17は、その両端部に一対のチェーン19を巻回した構造を有し、この一対のチェーン19を連結する図示しない連結部材上には、後述する複数個のグリッパ85が配設されている。圧胴15のグリッパ83により保持された印刷用紙の先端部は、圧胴15から排紙胴17への印刷用紙の受け渡し時に、排紙胴17のいずれかのグリッパ85により保持される。そして、この印刷用紙は、チェーン19の移動に伴って排紙部28上に搬送されて排出される。
【0053】
さらに、圧胴15の下方部に配設された反転胴18は、圧胴15と同一の直径を有する。この反転胴18は、印刷用紙Sに対し両面印刷を行う場合に、印刷用紙Sの表裏反転を実行するために使用される。
【0054】
この反転胴18は、図4に示すように、排紙胴17の外周部に保持された印刷用紙Sの後端を保持して回転するグリッパ86と、グリッパ86に保持された印刷用紙Sの後端をグリッパ86から受け取って回転し、この印刷用紙Sの後端を先頭として給紙胴16のグリッパ84に渡すグリッパ87とを有する。これらのグリッパ86、87は、反転胴18の長手方向(図4における紙面に垂直は方向)において、互いに干渉しない異なる位置に複数配置されている。
【0055】
グリッパ86は、反転胴18に設けられた軸152を中心に回転可能な歯車153に支持されている。この歯車153には、歯車159が同芯状に配設されている。また、グリッパ87は、反転胴18に設けられた軸155を中心に回転可能な歯車156に支持されている。そして、歯車153と156とは、互いに噛合している。
【0056】
また、略L型のアーム157が、反転胴18に設けられた軸158を中心に揺動可能に配設されている。このアーム157の一端部には、ラック面161が形成されている。このラック面161は歯車159と噛合している。さらに、アーム157の他端部には、後述する固定カム44または46と当接するカムフォロアー162が配設されている。
【0057】
このため、カムフォロアー162が固定カム44または46と当接して揺動することにより、グリッパ86、87は、軸152、155を回転中心として回転する。そして、グリッパ86、87が図4において二点鎖線で示す位置に移動したとき、後述するように、グリッパ86からグリッパ87への印刷用紙Sの受け渡しが実行される。
【0058】
なお、上述した各グリッパ83、84、85、86、87は、後述するカム機構により、その開閉動作を実行する。このとき、印刷用紙Sに単色印刷または多色印刷、あるいは、片面印刷または両面印刷のいずれのモードで印刷を行うかにより、各グリッパ83、84、85、86、87の開閉動作を変更する必要がある。同様に、印刷用紙Sに両面印刷を行うか片面印刷を行うかにより、グリッパ86、87による受け渡し動作を実行するか否かを変更する必要がある。これらの動作の変更は、後述する制御部140からの指令でカム機構を制御することにより実行される。
【0059】
上述したように、上記給紙胴16、排紙胴17および反転胴18は、この印刷装置により両面印刷を行う際に、圧胴15から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴15に渡す表裏反転動作を実行する印刷用紙反転手段を構成する。
【0060】
以下、印刷用紙Sに対する表裏反転動作について説明する。図5〜図7は印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。なお、これらの図においては、説明の便宜上、圧胴15、給紙胴16および排紙胴17におけるグリッパ83、84、85の一部は図示を省略している。
【0061】
圧胴15と第1、第2のブランケット胴13、14との間を通過して印刷がなされた印刷用紙Sの先端部は、図5(a)に示すように、排紙胴17のグリッパ85に保持される。そして、図5(b)に示すように、この印刷用紙Sは、グリッパ85がチェーン19と共に移動することにより、チェーン19に沿って搬送される。そして、印刷用紙Sの後端部は、排紙胴17に設けられた吸着機構163により吸着され、排紙胴17の表面に保持される。
【0062】
続いて、図6(a)に示すように、印刷用紙Sの後端部が反転胴18のグリッパ86により保持される。そして、図6(b)に示すように、反転胴18の回転に伴い、印刷用紙Sは排紙胴17から反転胴18に受け渡される。
【0063】
反転胴18の回転中に、反転胴18に設けられたアーム157のカムフォロアー162が図示しないカムと当接することにより、アーム157が揺動する。これに伴い図7(a)に示すように、グリッパ86、87が回転し、両者の間で印刷用紙Sの受け渡しを行う。そして、図7(b)に示すように、反転胴18がさらに回転を続けることにより、印刷用紙Sは、その後端部を先頭とした状態でグリッパ87により保持され、給紙胴16方向に搬送される。この印刷用紙Sは、給紙部27から新たに供給された印刷用紙Sの場合と同様、給紙胴16を介して圧胴15に供給される。
【0064】
以上のように、印刷用紙Sが、圧胴15から排紙胴17、反転胴18および給紙胴16を順次通過して再度圧胴15に渡されるまでの間に、印刷用紙Sの表裏反転動作が実行される。
【0065】
なお、印刷用紙Sの先端が圧胴15の外周部より離隔するときの印刷用紙Sの位置に対し、印刷用紙Sの後端が圧胴15の外周部に再度保持されるときの印刷用紙Sの位置は、圧胴15の外周の2倍の距離だけ位相が遅れている。従って、印刷用紙Sは、表裏反転動作を実行した後、圧胴15における第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ位相が遅れた圧胴15上の位置に渡されることになる。
【0066】
再度図1を参照して、前記給紙胴16は、図示しないベルトを介して駆動モータと連結されている。そして、給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、反転胴18、第1、第2のブランケット胴13、14は、各々その端部に付設された歯車により連結されている。さらに、第1のブランケット胴13と第1の印刷位置に移動した第1の版胴11、および、第2のブランケット胴14と第2の印刷位置に移動した第2の版胴12とは、その端部に付設された歯車により各々連結されている。従って、図示しない駆動モータの駆動により、これらの給紙胴16、圧胴15、排紙胴17、反転胴18、第1、第2のブランケット胴13、14、第1、第2の版胴11、12は、互いに同期して回転する。
【0067】
図8は、この印刷装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。この印刷装置は、装置の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM141と、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM142と、論理演算を実行するCPU143とからなる制御部140を備える。この制御部は140は、インタフェース144を介して、インキ供給装置20、画像記録装置25、現像処理装置26、ブランケット洗浄装置29、第1、第2の版胴11、12の移動機構、第1、第2のブランケット胴13、14の胴入れ機構、後述する第1、第2のカム機構100、200および解放機構300等における駆動部等の駆動信号を発生させる駆動回路145と接続されている。印刷装置はこの制御部140により制御され、後述する製版動作および印刷動作を実行する。
【0068】
次に、この印刷装置による製版および印刷動作について説明する。図9は、この印刷装置による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【0069】
まず、第1、第2の版胴11、12上において印刷版Pに画像を記録し、現像処理を行う製版工程を実行する(ステップS1)。この製版工程は、サブルーチンとしての図10のフローチャートに示す工程に従って実行される。
【0070】
すなわち、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す製版位置に移動させる(ステップS11)。
【0071】
次に、第1の版胴11の外周に印刷版Pを供給する(ステップS12)。この印刷版Pの供給は、供給カセット63から引き出した印刷版Pの先頭部とカッター66で切断された印刷版Pの後端部とを図示しない一対のくわえ爪でくわえることにより実行される。
【0072】
続いて、第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに画像を記録する(ステップS13)。この画像の記録は、図示しない版胴回転機構により第1の版胴11を低速で回転させると共に、画像記録装置25から第1の版胴11の外周に保持された印刷版Pに変調されたレーザビームを照射することにより実行される。
【0073】
次に、画像が記録された印刷版Pを現像処理する(ステップS14)。この現像処理は、現像処理装置26を図1において二点鎖線で示す待機位置から実線で示す現像処理位置まで上昇させた後、第1の版胴11と共に回転する印刷版Pに対して、現像部、定着部および絞り部を順次接触させることにより実行される。
【0074】
上記現像処理が終了すれば、第1の版胴11を図1において実線で示す第1の印刷位置まで移動させる(ステップS15)。
【0075】
続いて、上記ステップS11〜S15と同様の動作により、第2の版胴12の外周に保持される印刷版Pに対する製版工程を実行する(ステップS16〜S20)。 そして、第1、第2の版胴11、12の外周に保持される印刷版Pへの製版が終了すれば、製版工程を終了する。
【0076】
再度図9を参照して、製版工程が完了すれば、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pを用いて印刷用紙に印刷を行う印刷工程を実行する(ステップS2)。この印刷工程における印刷装置の動作については、後程詳細に説明する。
【0077】
印刷工程が終了すれば、印刷に使用した印刷版Pを排出する(ステップS3)。この印刷版Pの排出を行うためには、最初に第1の版胴11を、図1において二点鎖線で示す製版位置に移動させる。そして、第1の版胴11を反時計回りに回転させると共に、第1の版胴11上に保持された印刷版Pの端部を爪機構73により剥がした後、この印刷版Pをコンベア機構69により案内して、排出カセット68内に排出する。そして、第1の版胴11を第1の印刷位置に復帰させた後、第2の版胴12を第2の印刷位置から製版位置に移動させ、上記同様の動作を実行することにより、第2の版胴12上に保持された印刷版Pを排出カセット68内に排出する。
【0078】
印刷版Pの排出工程が完了すれば、第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する(ステップS4)。この第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄時には、図3に示す胴入れ機構により、第1、第2のブランケット胴13、14を第1、第2の版胴11、12および圧胴15から離隔させた後、第1、第2のブランケット胴13、14を回転させる。この状態において、ブランケット洗浄装置29における洗浄液を供給された洗浄布を第1、第2のブランケット13、14の表面に当接させた上、摺動させることにより、第1、第2のブランケット胴13、14を洗浄する。
【0079】
第1、第2のブランケット胴13、14の洗浄が終了すれば、さらに別の印刷物の印刷作業を行うか否かを確認する(ステップS5)。他の印刷作業を行う場合には、ステップS1〜S4の動作を繰り返す。
【0080】
印刷作業が終了した場合には、インキの洗浄を行う(ステップS6)。このインキの洗浄は、各インキ供給装置20に配設された図示しないインキ洗浄装置により、各インキ供給装置20におけるインキローラ71やインキつぼ72に付着するインキを除去および洗浄することにより実行される。
【0081】
インキの洗浄工程が終了すれば、全ての工程を完了する。
【0082】
次に、上述した印刷工程における印刷装置の動作について説明する。なお、以下に説明するように、この印刷装置において、単色印刷や多色印刷、あるいは、片面印刷や両面印刷等の各種のモードの印刷を選択的に実行するためには、圧胴15におけるグリッパ83、給紙胴16におけるグリッパ84、排紙胴17におけるグリッパ85および反転胴18におけるグリッパ86、87の開閉動作を制御する必要がある。この圧胴15におけるグリッパ83、給紙胴16におけるグリッパ84、排紙胴17におけるグリッパ85および反転胴18におけるグリッパ86、87の開閉動作を制御するためのこの発明に係る開閉機構の構成については、後程詳細に説明する。
【0083】
先ず、印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキを使用して4色印刷を行う場合の印刷動作について説明する。図11〜図16は、この印刷装置により4色印刷を行う場合の印刷動作を示す説明図である。
【0084】
なお、これらの図および後述する図17〜図27においては、説明の便宜上、印刷用紙Sの長さと圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18の周長とを同一であるものとして表現しているが、実際には、印刷用紙Sの長さは圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18の周長より短くなっている。また、図11〜図16においては、説明の便宜上、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうちブラックのインキの印刷に使用される側の領域に符号Kを、また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうちマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域に符号Mを付し、また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうちシアンのインキの印刷に使用される側の領域に符号Cを、また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうちイエローのインキの印刷に使用される側の領域に符号Yを付している。
【0085】
印刷工程に先立つ製版工程において、先に説明したように、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、図2(a)に示すように、ブラックのインキで印刷を行うための画像領域67aと、マゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録されており、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、図2(b)に示すように、シアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、イエローのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録されているものとする。
【0086】
また、上述したように、インキ供給装置20aにはブラックのインキを、インキ供給装置20bにはマゼンタのインキを、インキ供給装置20cにはシアンのインキを、インキ供給装置20dにはイエローのインキを各々供給しておき、図2に示す印刷版Pの画像領域67aにはインキ供給装置20aからブラックのインキが、画像領域67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、画像領域67cにはインキ供給装置20cからシアンのインキが、さらに、画像領域67dにはインキ供給装置20dからイエローのインキが、各々供給されるようにしておく。
【0087】
先ず、各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版Pのうちの対応する画像領域とのみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには対応する湿し水供給装置21a、21b、21c、21dから湿し水が供給されると共に、画像領域67aにはインキ供給装置20aから、画像領域67bにはインキ供給装置20bから、画像領域67cにはインキ供給装置20cから、画像領域67dにはインキ供給装置20dから、各々ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのインキが供給される。そして、このインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0088】
この動作を繰り返すことにより、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pおよび第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給がなされる。このインキの供給動作は、印刷工程が完了するまで繰り返し実行される。
【0089】
第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pおよび第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給が完了すれば、図11に示すように、印刷用紙Sを給紙胴16に供給する。この印刷用紙Sは、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0090】
そして、圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第1のブランケット胴13と対向する位置まで移動すれば、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図12に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第1のブランケット胴13表面におけるブラックのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第1のブランケット胴13表面におけるブラックのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版胴11に保持された印刷版Pにおける画像領域67aからブラックのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、印刷用紙Sにはブラックのインキが転写される。
【0091】
圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第2のブランケット胴14と対向する位置まで移動すれば、図3に示す胴入れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図13に示すように、印刷用紙Sの先端部は、第2のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第2のブランケット胴14表面におけるシアンのインキの印刷に使用される側の領域には、第2の版胴12に保持された印刷版Pにおける画像領域67cからシアンのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラックのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにシアンのインキが転写される。
【0092】
この状態において、圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14と共に回転を続けると、図14に示すように、印刷用紙Sは圧胴15の外周部に完全に巻回された状態となる。そして、圧胴15は、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の1/2の直径を有することから、圧胴15の外周部に巻回された印刷用紙Sは、2回転目においては、第1のブランケット胴13表面におけるマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域と当接する。そして、第1のブランケット胴13表面におけるマゼンタのインキの印刷に使用される側の領域には、第1の版胴11に保持された印刷版Pにおける画像領域67bからマゼンタのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラックおよびシアンのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにマゼンタのインキが転写される。
【0093】
そして、圧胴15がさらに回転すれば、印刷用紙Sは、第2のブランケット胴14表面におけるイエローのインキの印刷に使用される側の領域の端部と当接する。そして、第2のブランケット胴14表面におけるイエローのインキの印刷に使用される側の領域には、第2の版胴12に保持された印刷版Pにおける画像領域67dからイエローのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にブラック、シアンおよびマゼンタのインキが転写された印刷用紙Sには、さらにイエローのインキが転写され、4色の印刷が完了する。
【0094】
4色の印刷が終了した印刷用紙Sの先端部は、図15に示すように、圧胴15から排紙胴17に渡される。また、次に印刷を行うべき印刷用紙Sが給紙胴16に供給された後、給紙胴16から圧胴15に渡される。
【0095】
そして、4色の印刷が終了した印刷用紙Sは、図16に示すように、一対のチェーン19の駆動により、排紙胴17のグリッパ85と共に排紙部28上まで搬送されて排出される。
【0096】
以上説明したように、この印刷装置においては、圧胴15が第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の1/2の直径を有することから、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14が1回転する間に圧胴15は2回転する。そして、圧胴15が2回転する間に、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の印刷が行われる。このため、圧胴15が2回転する度に、給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給することにより、4色の印刷を連続して実行することが可能となる。
【0097】
次に、印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックうちのいずれか1色のインキを使用して単色印刷を行う場合の印刷動作について説明する。
【0098】
例えば、この印刷装置においてブラックのインキのみで印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版Pにおける画像領域67a、67bに同一の画像を形成する。そして、インキ供給装置20aが画像領域67a、67bの両方にブラックのインキを供給し得るようにする。また、他のインキ供給装置20b、20c、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。さらに、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15に当接する胴入れ状態とすると共に、第2のブランケット胴14と圧胴15から離隔した胴抜き状態とする。
【0099】
この状態において、圧胴15が1回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、同一の画像が形成された画像領域67aまたは67bからのブラックのインキによる画像が転写され、単色印刷を行うことができる。
【0100】
次に、印刷用紙Sにマゼンタまたはブラックのうちのいずれか1色とイエローまたはシアンのうちのいずれか1色のインキを使用して2色印刷を行う場合の印刷動作について説明する。
【0101】
例えば、この印刷装置においてブラックとシアンのインキで印刷を行う場合においては、第1の版胴11に保持される印刷版Pにおける画像領域67a、67bおよび第2の版胴12に保持される印刷版Pにおける画像領域67c、67dに同一の画像を形成する。そして、インキ供給装置20aが画像領域67a、67bの両方にブラックのインキを供給し、また、インキ供給装置20cが画像領域67c、67dの両方にシアンのインキを供給し得るようにする。また、他のインキ供給装置20b、20dは、第1、第2の版胴11、12から離隔させておく。さらに、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13および第2のブランケット14を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。
【0102】
この状態において、圧胴15が1回転する度に給紙胴16から新しい印刷用紙Sを供給する。これにより、圧胴15が1回転する度に、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sに、第1の版胴11に装着された印刷版Pにおける同一の画像が形成された画像領域67aまたは67bからのブラックのインキによる画像が転写された後、第2の版胴12に装着された印刷版Pにおける同一の画像が形成された画像領域67cまたは67dからのシアンのインキによる画像が転写され、印刷用紙Sに2色印刷を行うことができる。
【0103】
次に、この印刷装置により、印刷用紙Sの両面に印刷を行う場合について説明する。図17〜図27は、この印刷装置により、印刷用紙Sの表面および裏面にシアンおよびマゼンタの2色のインキを使用して印刷を行う両面2色印刷の印刷動作を示す説明図である。
【0104】
なお、図17〜図27においては、説明の便宜上、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうち、印刷用紙Sの表面に対しマゼンタのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「M1領域」という)に符号M1を、また、第1の版胴11および第1のブランケット胴13のうち、印刷用紙Sの裏面に対しマゼンタのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「M2領域」という)に符号M2を付している。また、第2の版胴12および第2のブランケット胴14のうち、印刷用紙Sの表面に対しシアンのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「C1領域」という)に符号C1を、また、印刷用紙Sの裏面に対しシアンのインキで印刷を行うために使用される側の領域(以下「C2領域」という)に符号C2を付している。
【0105】
印刷工程に先立つ製版工程において、第1の版胴11の外周部に装着された印刷版Pには、図2(a)に示すように、印刷用紙Sの表面に対しマゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67aと、印刷用紙Sの裏面に対しマゼンタのインキで印刷を行うための画像領域67bとが記録されており、第2の版胴12の外周部に装着された印刷版Pには、図2(b)に示すように、印刷用紙Sの表面に対しシアンのインキで印刷を行うための画像領域67cと、印刷用紙Sの裏面に対しシアンのインキで印刷を行うための画像領域67dとが記録されているものとする。また、上述した片面4色印刷の場合と同様、インキ供給装置20bにはマゼンタのインキが、また、インキ供給装置20cにはシアンのインキが供給されている。
【0106】
さらに、画像領域67a、67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、画像領域67c、67dにはインキ供給装置20cからシアンのインキが各々供給されるようにする。
【0107】
先ず、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1、第2のブランケット胴13、14を、圧胴15から離隔した位置に配置される胴抜き状態とする。この状態において、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14を回転させる。なお、このとき圧胴15、給紙胴16、排紙胴17、反転胴18も同期して回転する。
【0108】
先ず、各湿し水供給装置21および各インキ供給装置20を第1、第2の版胴11、12上に保持された印刷版Pのうちの対応する画像領域とのみ当接させる。これにより、各画像領域67a、67b、67c、67dには湿し水が供給されると共に、画像領域67a、67bにはインキ供給装置20bからマゼンタのインキが、また、画像領域67c、67dにはインキ供給装置20cからシアンのインキが供給される。そして、このインキは、第1、第2のブランケット胴13、14の対応する領域に転写される。
【0109】
この動作を繰り返すことにより、第1、第2の版胴11、12上の印刷版Pおよび第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給がなされる。このインキの供給動作は、印刷工程が完了するまで繰り返し実行される。
【0110】
第1、第2の版胴11、12上の印刷版および第1、第2のブランケット胴13、14へのインキの供給が完了すれば、図17に示すように、印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。この印刷用紙Sは、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0111】
そして、この印刷用紙Sは、図18に示すように、圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に渡された後、一対のチェーン19に沿って搬送される。このとき、第1、第2のブランケット胴13、14は、圧胴15から離隔した位置に配置される胴抜き状態となっており、この1枚目の印刷用紙Sの表面に対しては印刷は行われない。この1枚目の印刷用紙Sは、後程、その裏面にのみ印刷が行われた後、ヤレ紙として後程廃棄される。また、図18に示す状態において、2枚目の印刷用紙Sが給紙胴16に供給する。
【0112】
この印刷用紙は、図19に示すように、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に渡される。
【0113】
そして、圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された2枚目の印刷用紙Sの先端が第1のブランケット胴13と対向する位置まで移動すれば、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図20に示すように、2枚目の印刷用紙Sの表面における先端部は、第1のブランケット胴13におけるM1領域の端部と当接する。そして、このM1領域には、第1の版胴11に保持された印刷版における画像領域67aからマゼンタのインキが転写されている。このため、第1のブランケット胴13および圧胴15がさらに回転することにより、2枚目の印刷用紙Sの表面にはマゼンタのインキが転写される。
【0114】
また、この状態において、一対のチェーン19に沿って搬送されている1枚目の印刷用紙Sの後端が、反転胴18のグリッパ86により保持される。そして、図6および図7に示す動作により、1枚目の印刷用紙Sの後端が反転胴18のグリッパ86からグリッパ87に受け渡され、1枚目の印刷用紙Sが反転される。
【0115】
圧胴15がさらに回転し、圧胴15の外周に保持された印刷用紙Sの先端が第2のブランケット胴14と対向する位置まで移動すれば、図3に示す胴入れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴15に当接する胴入れ状態とする。この状態においては、図21に示すように、2枚目の印刷用紙Sの先端部は、第2のブランケット胴14におけるC1領域の端部と当接する。そして、このC1領域には、第2の版胴12に保持された印刷版における画像領域67cからシアンのインキが転写されている。このため、第2のブランケット胴14および圧胴15がさらに回転することにより、既にマゼンタのインキが転写された2枚目の印刷用紙Sの表面には、さらにシアンのインキが転写される。
【0116】
この状態において、圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14と共に回転を続けると、図22に示すように、2枚目の印刷用紙Sは圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に渡された後、一対のチェーン19に沿って搬送される。また、これと並行して、1枚目の印刷用紙Sは反転胴18から給紙胴16を介して圧胴15に渡され、1枚目の印刷用紙Sの裏面がM2領域と当接し、1枚目の印刷用紙Sの裏面にはマゼンタのインキが転写される。なお、上述したように、この1枚目の印刷用紙Sはその表面に印刷が行われていないことから、後程ヤレ紙として廃棄される。
【0117】
圧胴15が第1、第2のブランケット胴13、14と共にさらに回転を続けると、図23に示すように、1枚目の印刷用紙Sの裏面はC2領域と当接し、1枚目の印刷用紙Sの裏面にはシアンのインキが転写される。また、これと並行して、3枚目の印刷用紙Sを給紙胴16に供給し、この印刷用紙Sの先端部を給紙胴16のグリッパ84に保持させる。
【0118】
そして、圧胴15がさらに回転すれば、図24に示すように、一対のチェーン19に沿って搬送されている2枚目の印刷用紙Sの後端が、反転胴18のグリッパ86により保持される。そして、図6および図7に示す動作により、2枚目の印刷用紙Sの後端がグリッパ86からグリッパ87に受け渡され、2枚目の印刷用紙Sが反転される。また、これと並行して、3枚目の印刷用紙Sの表面にはシアンのインキが転写される。
【0119】
さらに圧胴15が回転を続けると、図25に示すように、反転された後の2枚目の印刷用紙Sの裏面は第1のブランケット胴13のM2領域と当接し、2目の印刷用紙Sの裏面にはマゼンタのインキが転写される。一方、1枚目の印刷用紙Sは、排紙胴17のグリッパ85にその先端を保持されて一対のチェーン19に沿って搬送され、排紙部28に排出される。
【0120】
なお、2枚目の印刷用紙Sは圧胴15上における第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ位相が遅れた位置に渡される。このため、2枚目の印刷用紙Sの位相がずれ、上述したように、2枚目の印刷用紙Sの裏面と第1のブランケット胴13におけるM2領域とが当接する。したがって、その表面が先にM1領域と当接した印刷用紙Sの裏面が再度M1領域と当接することを防止することができる。
【0121】
このとき、この印刷用紙Sは、第1、第2の版胴11、12の外周と同一の距離だけ遅れた圧胴15上の位置へと搬送されることになる。すなわち、別の見方をすれば、この印刷用紙Sは、その表面に印刷が行われた後に2回転した圧胴15に戻され、表面の印刷から数えて3回転目の圧胴15により印刷用紙の裏面への印刷が行われる。これは、印刷用紙Sの後端が、排紙胴17、反転胴18および給紙胴16上を圧胴15の外周と同一の速度で、第1、第2の版胴11、12の外周の長さから印刷用紙Sの長さを引いた距離だけ余分に搬送することで実現されている。この印刷装置においては、印刷用紙Sの搬送経路を印刷用紙Sの長さの整数倍とすることにより、反転後の印刷用紙Sを適切な位置に容易に戻すことができるようになっている。
【0122】
上述した動作を圧胴15が2回転する毎に給紙胴16から供給される2枚目以降の印刷用紙Sに対して繰り返すことにより、複数枚の印刷用紙Sに対して両面印刷を実行する。
【0123】
必要な印刷を完了すれば、図26に示すように、最後から2枚目の印刷用紙Sに対する第1のブランケット胴13による印刷が終了した時点で、図3に示す胴入れ機構の作用により、第1のブランケット胴13を圧胴15から離隔する胴抜き状態とする。
【0124】
しかる後、図27に示すように、最後から2枚目の印刷用紙Sに対する第2のブランケット胴14による印刷が終了した時点で、図3に示す胴入れ機構の作用により、第2のブランケット胴14を圧胴15から離隔する胴抜き状態とする。
【0125】
なお、上記のように第1、第2のブランケット胴13、14を胴抜き状態とすることにより、最後の印刷用紙Sに対しては、その裏面の印刷が行われない。このため、最後の印刷用紙Sは、後程ヤレ紙として廃棄される。
【0126】
上述した印刷工程に関する説明から明らかなように、この印刷装置において、単色印刷または多色印刷、あるいは、片面印刷または両面印刷のいずれかのモードの印刷を選択的に実行するためには、圧胴15におけるグリッパ83、給紙胴16におけるグリッパ84、排紙胴17におけるグリッパ85および反転胴におけるグリッパ86、87の開閉動作を、印刷モードに対応したモードとなるように制御する必要がある。
【0127】
すなわち、上述した印刷用紙Sの片面に4色印刷を実行するモードにおいては、給紙胴16のグリッパ84は、圧胴15が2回転する毎に給紙部27から印刷用紙Sを受け取り、2回転する毎に圧胴15のグリッパ83にこの印刷用紙を渡す必要がある。また、圧胴15のグリッパ83は、給紙胴16のグリッパ84から2回転する毎に受け取った印刷用紙Sを、2回転する毎に排紙胴17のグリッパ85に渡す必要がある。
【0128】
また、上述した印刷用紙Sの片面に1、2色の印刷を実行するモードにおいては、給紙胴16のグリッパ84は、圧胴15が1回転する毎に給紙部27から印刷用紙Sを受け取り、1回転する毎に圧胴15のグリッパ83にこの印刷用紙を渡す必要がある。また、圧胴15のグリッパ83は、給紙胴16のグリッパ84から1回転する毎に受け取った印刷用紙Sを、1回転する毎に排紙胴17のグリッパ85に渡す必要がある。
【0129】
さらに、上述した印刷用紙Sの両面に印刷を実行するモードおいては、給紙胴16のグリッパ84は、給紙部27から印刷用紙Sを受け取る動作と反転胴18のグリッパ87から印刷用紙Sを受け取る動作とを1回転毎に切り換える必要がある。また、圧胴15のグリッパ83は、給紙胴16のグリッパ84から1回転する毎に受け取った印刷用紙Sを、1回転する毎に排紙胴17のグリッパ85に渡す必要がある。また、排紙胴17のグリッパ85は、圧胴15のグリッパ83から受け取った印刷用紙Sを、反転胴18のグリッパ86に渡す動作と排紙部28に排出する動作とを1回転毎に切り換える必要がある。さらに、反転胴18のグリッパ86、87は、排紙胴17のグリッパ85から受け取った印刷用紙Sを反転した後、給紙胴16のグリッパ84に渡す動作を行う必要がある。
【0130】
以下、この圧胴15におけるグリッパ83、給紙胴16におけるグリッパ84、排紙胴17におけるグリッパ85および反転胴18におけるグリッパ86、87の開閉動作を制御するためのこの発明に係るカム機構の構成について説明する。図28は、各グリッパ83、84、85、86、87を開閉するためのカム機構における複数の固定カムおよび移動カムの概略配置を示す側面概要図であり、図29は、移動カムを移動させるための移動機構を示す側面概要図である。
【0131】
この印刷装置におけるカム機構は、単色または2色印刷を実行する場合の連続給紙モードと、4色印刷を実行する場合の間欠給紙モードとを切り換えるための第1のカム機構100と、片面印刷を実行する場合の片面印刷モードと、両面印刷を実行する場合の両面印刷モードとを切り換える第2のカム機構200とを備える。
【0132】
ここで、連続給紙モードは、片面、両面にかかわらず、単色または2色印刷を実行する際に、圧胴15の1回転毎に給紙胴16から圧胴15に印刷用紙Sを給紙すると共に、圧胴15の1回転毎に圧胴15から排紙胴17に印刷用紙を受け渡すためのモードである。また、間欠給紙モードは、片面4色(または3色)印刷を実行する際に、圧胴15の2回転毎に給紙胴16から圧胴15に印刷用紙Sを給紙すると共に、圧胴15の2回転毎に圧胴15から排紙胴17に印刷用紙を受け渡すためのモードである。
【0133】
そして、第1のカム機構100は、圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18の側方に各々配設された移動カム584、585、586を利用して、連続給紙モードと間欠給紙モードと切り換える構成になっている。また、第2のカム機構200は、給紙胴16の側方に配置された移動カム576、578および反転胴18の側方に配置された移動カム43、45、48を利用して、片面印刷モードと両面印刷モードとを切り換える構成となっている。
【0134】
図32および図33は、第1のカム機構100に連結された移動カム584、585、586を固定カム587、588、589と共に示す説明図である。なお、これらの図においては、各移動カム584、585、586を一点差線で示し、各固定カム587、588、589を実線で示している。
【0135】
これらの図および図28に示すように、圧胴15の側方には、カム573および574よりなる固定カム587が固設されている。そして、この固定カム587の側方には、移動カム584が固定カム587と同軸状に配設されている。この移動カム584は、第1のカム機構100の駆動により、図32に示す固定カム587の外側に突出した位置と、図33に示す固定カム587に隠れた位置との間を揺動する。そして、圧胴15におけるグリッパ83は、そこに連結されたカムフォロワー88が固定カム587または移動カム584と当接することにより、印刷用紙Sの先端を挟持する位置に移動する構成となっている。
【0136】
給紙胴16の側方には、固定カム588が配設されている。そして、この固定カム588の側方には、移動カム585が固定カム588と同軸状に配設されている。この移動カム585は、第1のカム機構100の駆動により、図32に示す固定カム588の外側に突出した位置と、図33に示す固定カム588に隠れた位置との間を揺動する。そして、給紙胴16におけるグリッパ84は、そこに連結されたカムフォロワー89が固定カム588または移動カム585と当接することにより、印刷用紙Sの先端を開放する位置に移動する構成となっている。なお、給紙胴16の側方には、後述するように、第2のカム機構200に連結する移動カム576、578も配設されている。
【0137】
排紙胴17の側方には、固定カム589が配設されている。そして、この固定カム589の側方には、移動カム586が固定カム589と同軸状に配設されている。この移動カム586は、第1のカム機構100の駆動により、図32に示す固定カム589の外側に突出した位置と、図33に示す固定カム589に隠れた位置との間を揺動する。そして、排紙胴17の両端部に巻回されたチェーン19に付設されたグリッパ85は、そこに連結されたカムフォロワー90が固定カム589または移動カム586と当接することにより、印刷用紙Sの先端を開放する位置に移動する構成となっている。
【0138】
なお、排紙胴17の両端部に巻回されたチェーン19に付設された複数個のグリッパ85は、排紙胴17の回転に伴ってチェーン19と共に移動し、そのカムフォロワー90が排紙部28の上方に配設された図示しない当たり部材と当接することにより、排紙部28の上方において印刷用紙Sの先端を開放する構成となっている。また、この印刷装置において両面印刷を行う場合には、チェーン19に付設された複数個のグリッパ85は、そのカムフォロワー90が後述する当たり部材41に当接することで、印刷用紙Sを反転させるために印刷用紙Sの先端を開放する構成となっている。
【0139】
図34および図35は、第2のカム機構200に連結された給紙胴16における移動カム576、578を固定カム588と共に示す説明図である。
【0140】
給紙胴16の固定カム588および上述した第1のカム機構100に連結する給紙胴16の移動カム585の側方には、第2のカム機構200と連結する移動カム576が、固定カム588および移動カム585と同軸状に配設されている。そして、この移動カム576の側方には、そのカムフォロワー577が移動カム576に押圧されることにより、軸579を中心に、図34に示す固定カム588の外側に突出した位置と、図35に示す固定カム588に隠れた位置との間を揺動する移動カム578が配設されている。
【0141】
図36は、反転胴18におけるグリッパ86、87の開閉機構を示す概要図である。
【0142】
上述した圧胴15、給紙胴16、排紙胴17においては、各グリッパ83、84、85に直接連結されてたカムフォロワー88、89、90を押圧することにより各グリッパ83、84、85を開閉させる構成となっているが、この反転胴18においては、一対のグリッパ86、87を、歯車94を介して開閉する構成となっている。
【0143】
すなわち、一対のグリッパ86、87に付設された歯車95は、反転胴18に回転自在に付設された一対歯車94と噛合している。また、この一対の歯車94は、軸96を中心に揺動可能な一対のラック部材92のギヤ部93と噛合している。そして、一対のカムフォロワー91が、この一対のラック部材92に連結部材97を介して接続されている。このため、反転胴18におけるグリッパ86、87は、各カムフォロワー91が後述する固定カム46、47および移動カム43、45と当接することにより、印刷用紙Sの先端を開放する位置に移動する構成となっている。
【0144】
図37および図38は、反転胴18の側方に配設された固定カム44、46、47および移動カム43、45、48の配置関係を示す説明図である。また、図39は移動カム43の側面図、図40は固定カム44の側面図、図41は移動カム45の側面図、図42は固定カム46の側面図、図43は固定カム47の側面図、図44は移動カム48の側面図である。
【0145】
反転胴18の側方には、3個の固定カム44、46、47が固設されている。また、反転胴18の側面に反転胴18の軸芯50を中心として回転する移動カム48が配設されている。また、移動カム48の左側方には、固定カム44に形成された軸52を中心として回動可能な移動カム43が、そこに付設されたカムフォロワー51を移動カム48に当接させた状態で配設されている。さらに、移動カム48の右側方には、固定カム46に形成された軸53を中心として回動可能な移動カム45が、そこに付設されたカムフォロワー54を移動カム48に当接させた状態で配設されている。
【0146】
このため、移動カム48が回動した場合には、移動カム43がカムフォロワー51を介して押圧されることにより軸52を中心に回動し、また、移動カム45がカムフォロワー54を介して押圧されることにより軸53を中心に回動する。このため、移動カム48を後述する第2のカム機構200の駆動により回動させることで、図37に示す移動カム43が固定カム47から突出すると共に移動カム45が固定カム46に隠れた状態と、図38に示す移動カム43が固定カム47に隠れると共に移動カム45が固定カム46から突出した状態とを切り換えることが可能となる。
【0147】
次に、上述した移動カム43、45、48、576、578、584、585、586を移動させるための移動機構につき、図29〜図31に基づいて説明する。
【0148】
なお、これらの図のうち、図29は、片面単色または片面2色印刷を行うため、第1のリンク機構100および第2のリンク機構200の両方を固定した状態を示している。また、図30は片面4色(または3色)印刷を行うため、第1のリンク機構100を移動可能とし、第2のリンク機構200を固定した状態を示したいる。さらに、図31は両面印刷を行うため、第1のリンク機構100を固定し、第2のリンク機構200を移動可能とした状態を示している。
【0149】
これらの図に示すように、第1のリンク機構100は、主リンク軸593を中心に揺動可能な主リンク592を備える。この主リンク592は、第2のブランケット胴14と同軸状に配設されたカム591と当接可能なカムフォロワー594を有する。また、この主リンク592は、バネ596により、カムフォロワー594がカム591と当接する方向に付勢されている。このため、この主リンク592は、図30に示す非固定状態においては、カム591が第2のブランケット胴14と同期して回転することにより、主リンク軸593を中心に揺動する構成となっている。
【0150】
圧胴15の側方に配設された移動カム584は、リンク601を介して主リンク592と連結されている。また、給紙胴16の側方に配設された移動カム585は、リンク602および連結板604を介して移動カム584と接続されている。さらに、排紙胴17の側方に配設された移動カム586は、リンク603を介して主リンク592と接続されている。
【0151】
このような構成において、主リンク592のカムフォロワー594が図30に示すようにカム591の谷部と当接する状態においては、各移動カム584、585、586は図32に示す状態となっている。この状態において第2のブランケット胴14が第1のブランケット胴13や版胴15等と共に回転して主リンク592のカムフォロワー594がカム591により押圧され、主リンク592は主リンク軸593を中心に図13に示す時計方向に回動する。
【0152】
この主リンク592の回動に伴い、主リンク592とリンク601を介して接続された移動カム584は、圧胴15の軸芯を中心として、図29〜図31に示す反時計方向に回動する。また、この移動カム584の回動に伴い、移動カム584とリンク602および連結板604を介して接続された移動カム585は、給紙胴16の軸芯を中心として図29〜図31に示す時計方向に回動する。さらに、主リンク592の回動に伴い、主リンク592とリンク603を介して接続された移動カム586は、排紙胴17の軸芯を中心として、図29〜図31に示す反時計方向に回動する。
【0153】
従って、主リンク592のカムフォロワー594がカム591の山部と当接する状態においては、各移動カム584、585、586は図33に示す状態となる。このため、図30に示すように第1のリンク機構100が移動可能な状態となっている場合においては、各移動カム584、585、586は、カム591が第2のブランケット胴14と共に1回転する間、すなわち、圧胴15が2回転する間に、図32に示す位置と図33に示す位置との間を往復移動する。
【0154】
主リンク592の下方には、ソレノイド598の駆動により軸605を中心に揺動可能なストッパー597が配設されている。このストパー597は、主リンク592に立設されたピン595と係合することにより、上述した主リンク592の揺動を禁止するためのものである。
【0155】
このストッパー597により主リンク592の揺動を禁止するためには、ソレノイド598の駆動により、ストッパー597を軸605を中心として反時計方向に回動させる。この状態で主リンク592をカム591の作用により移動させ、図29および図31に示すように、ストッパー597の先端部と主リンク592に立設されたピン595とを係合させる。この状態においては、カム591の回転角度位置にかかわらず、主リンク592は図29および図31に示す位置に固定されることになり、各移動カム584、585、586は、主リンク592のカムフォロワー594がカム591の山部と当接した状態と同一の状態で固定されることになる。
【0156】
一方、第2のリンク機構200は、主リンク軸611を中心に揺動可能な主リンク612を備える。この主リンク612は、第1のブランケット胴13と同軸状に配設されたカム613と当接可能なカムフォロワー614を有する。また、この主リンク612は、バネ615により、カムフォロワー614がカム613と当接する方向に付勢されている。このため、この主リンク612は、図31に示す非固定状態においては、カム613が第1のブランケット胴13と同期して回転することにより、主リンク軸611を中心に揺動する構成となっている。
【0157】
給紙胴16の側方に配設された移動カム576は、リンク616を介して主リンク612と連結されている。また、反転胴18の側方に配設された移動カム48は、互いに連結するリンク617、618、619からなるリンク機構および連結板621を介して主リンク612と接続されている。
【0158】
このような構成において、主リンク612のカムフォロワー614が図31に示すようにカム613の谷部と当接する状態においては、給紙胴16における移動カム576、578は図34に示す状態となり、また、反転胴18における移動カム43、45、48は図37に示す状態となる。このため、給紙胴16におけるグリッパ84のカムフォロワー89が移動カム578に押圧されることによりグリッパ84が開き、反転胴18のグリッパ87から印刷用紙Sを受け取ることになる。
【0159】
この状態において第1のブランケット胴13が第2のブランケット胴14や版胴15等と共に回転して主リンク612のカムフォロワー614がカム613により押圧され、主リンク612は主リンク軸611を中心に図29〜図31に示す反時計方向に回動する。
【0160】
この主リンク612の回動に伴い、リンク616と、リンク617、618、619からなるリンク機構および連結板621とが移動することにより、給紙胴16における移動カム576、578は図35に示す状態となり、また、反転胴18における移動カム43、45、48は図38に示す状態となる。この状態においては、反転胴18のグリッパ86が排紙胴17のグリッパ85から印刷用紙Sを反転状態で受け取ることになる。
【0161】
図31に示すように第2のリンク機構200が移動可能な状態となっている場合においては、カム613が第1のブランケット胴13と共に1回転する間、すなわち、圧胴15が2回転する間に、給紙胴16における移動カム576、578は図34に示す位置と図35に示す位置との間を往復移動し、反転胴18における移動カム43、45、48は図37に示す位置と図38に示す位置との間を往復移送する。
【0162】
主リンク612の下方には、ソレノイド622の駆動により軸623を中心に揺動可能なストッパー624が配設されている。このストパー624は、主リンク612に立設されたピン625と係合することにより、上述した主リンク612の揺動を禁止するためのものである。
【0163】
このストッパー624により主リンク612の揺動を禁止するためには、ソレノイド622の駆動により、ストッパー624を軸623を中心として時計方向に回動させる。この状態で主リンク612をカム613の作用により移動させ、図29および図30に示すように、ストッパー624の先端部と主リンク612に立設されたピン625とを係合させる。この状態においては、カム613の回転角度位置にかかわらず、主リンク612は図29および図30に示す位置に固定されることになり、各移動カム576、578、43、45、48は、主リンク612のカムフォロワー614がカム613の山部と当接した状態と同一の状態で固定されることになる。
【0164】
上述した第1のリンク機構100の下方には、両面印刷時において、印刷用紙Sの先端部を保持した状態でチェーン19に沿って移動するグリッパ85を開放するための解放機構300が配設されている。
【0165】
すなわち、この印刷装置により両面印刷を実行する場合においては、図6および図7に示すように、排紙胴17のグリッパ85によりその先端を保持された印刷用紙Sにおける後端を反転胴18のグリッパ86に保持せしめると共に、排紙胴17のグリッパ85による印刷用紙Sの先端の保持を解除する必要がある。このため、この解放機構300においては、当たり部材41を、圧胴15が2回転する毎に、チェーン19に沿って移動するグリッパ85のカムフォロワー90と当接する位置とグリッパ85のカムフォロワーと当接しない位置との間を往復移動させることにより、印刷用紙Sにおける後端を反転胴18のグリッパ86に保持せしめる際に、排紙胴17のグリッパ85による印刷用紙Sの先端の保持を解除する構成となっている。
【0166】
この解放機構300は、図45および図46に示すように、軸628を中心として揺動可能なリンク629と、このリンク629を軸628を中心として図45および図46に示す反時計方向に回動させるバネ630と、リンク629の先端に軸634を介して連結されたリンク631とを備える。また、リンク631は、一対の偏芯機構632を介して押圧板633と連結されている。この押圧板633は、リンク629が図45に示す位置から図46に示す位置まで時計方向に回動することにより、図45に示す位置から図46に示す位置まで上昇する構成となっている。
【0167】
押圧板633の下方には、モータ635の駆動に距離回転するネジ636が押圧板633と平行に設置されている。このネジ636には、ナット部材637が、ネジ636の回転により図45および図46に示す左右方向に往復移動可能な状態で螺合している。そして、上述した当たり部材41は、このナット部材637に形成された軸638を中心に、回動可能な状態で配設されている。
【0168】
この当たり部材41は、図45に示すように押圧板633が下降した状態においては、その上端面が押圧板633により押圧された状態となる。この状態においては、当たり部材41の下端部がチェーン19に沿って移動するグリッパ85のカムフォロワー90と当接する位置に配置されることになる。このため、図45において二点差線で示すように、チェーン19に沿って移動するグリッパ85がこの当たり部材41の下方を通過した場合には、グリッパ85は、当たり部材41の作用によりそこに保持した印刷用紙Sを開放する状態となる。
【0169】
一方、当たり部材41は、図46に示すように押圧板633が上昇した状態においては、その上端面が開放されたて図45に示す位置から回動する。この状態においては、当たり部材41の下端部がチェーン19に沿って移動するグリッパ85のカムフォロワー90と当接しない位置に配置されることになる。このため、図46において二点差線で示すように、チェーン19に沿って移動するグリッパ85がこの当たり部材41の下方を通過した場合においても、グリッパ85は印刷用紙Sを保持したままの状態で排紙部28方向に移動する。
【0170】
第2のリンク機構200における主リンク612は、図29〜図31に示すように、そこに固定されたリンク626と、このリンク626の下端部に連結されたリンク627とを備える。そして、図31に示すように、主リンク612のカムフォロワー614がカム613の谷部と当接する状態においては、リンク627の先端部が、解放機構300におけるリンク629の下端部を押圧する。
【0171】
ここで、上述したように、両面印刷を行うため第2のリンク機構200を移動可能とした状態においては、カム613が第1のブランケット胴13と共に1回転する間、すなわち、圧胴15が2回転する間に、第2のリンク機構200における主リンク612は1回揺動する。このため、この主リンク612とリンク626を介して連結されたリンク627も圧胴15が2回転する間に1往復し、従って、当たり部材41は、圧胴15が2回転する間に、図45に示す位置と図46に示す位置との間を往復移動することになる。
【0172】
より具体的には、排紙胴17から排紙部28に印刷用紙Sを排出する場合においては、図46に示すように、印刷用紙Sの先端を保持したグリッパ85をそのまま通過させる。一方、排紙胴17から反転胴18に印刷用紙Sを受け渡す場合においては、図45に示すように、当たり部材41の作用により印刷用紙Sを保持したグリッパ85を開放させることになる。
【0173】
リンク629の側方には、ソレノイド641の駆動により軸642を中心に揺動可能なストッパー643が配設されている。このストパー643は、リンク629に立設されたピン644と係合することにより、上述したリンク629の揺動を禁止するためのものである。
【0174】
両面印刷を行わない場合においては、図29および図30に示すように、このストッパー643によりリンク629の揺動を禁止する。これにより、図46に示す場合と同様、リンク629は図29および図30に示す位置に固定されることになり、印刷用紙Sの先端を保持したグリッパ85は、当たり部材41の下方を、常にそのまま通過することになる。
【0175】
以上のような構成を有する第1、第2のリンク機構100、200および解放機構300において、片面単色または片面2色印刷を行う場合においては、図29に示すように、第1、第2のリンク機構100、200および解放機構300を全て固定した状態とする。これにより、印刷用紙Sは、圧胴15の1回転毎に給紙胴16から圧胴15に供給された後、圧胴15が1回転する間に単色または2色印刷が実行され、圧胴15の1回転毎に圧胴15から排紙胴17に受け渡されて排紙部28に排出される。
【0176】
また、片面4色(または3色)印刷を行う場合においては、図30に示すように、第1のリンク機構100を移動可能とし、第2のリンク機構200および解放機構300を固定する。これにより、印刷用紙Sは、圧胴15の2回転毎に給紙胴16から圧胴15に供給された後、圧胴15が2回転する間に4色(または3色)印刷が実行され、圧胴15の2回転毎に圧胴15から排紙胴17に受け渡されて排紙部28に排出される。
【0177】
さらに、両面印刷を行う場合においては、図31に示すように、第1のリンク機構100を固定し、第2のリンク機構200および解放機構300を移動可能とする。これにより、印刷用紙Sは、圧胴15の2回転毎に給紙胴16から圧胴15に供給された後、圧胴15が1回転する間にその表面の印刷が実行され、圧胴15から排紙胴17、反転胴18を介して給紙胴16に供給される間に反転され、再度圧胴15によりその裏面の印刷が実行された後、圧胴15の2回転毎に圧胴15から排紙胴17に受け渡されて排紙部28に排出される。
【0178】
次に、以上のように構成された印刷装置における印刷用紙Sの受け渡し動作について説明する。
【0179】
先ず、印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキを使用して4色印刷を行う場合の印刷用紙Sの受け渡し動作について説明する。この場合には、図11〜図16に示す動作により印刷が実行される。
【0180】
図47〜図56は、このような場合における印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。なお、図47〜図56においては、図29〜図31に示す第1のリンク機構100の各リンク592、601、602、603および連結板604を簡略化して図示している。また、この場合においては、第2のリンク機構200および解放機構300を固定することから、第2のリンク機構200および解放機構300については図示を省略している。さらに、反転胴18は使用しないことから、反転胴18のグリッパ86、87については図示を省略している。
【0181】
印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキを使用して4色印刷を行う場合においては、上述したように、第1のリンク機構100を移動可能とし、第2のリンク機構200および解放機構300を固定することにより、圧胴15が2回転する度に、給紙胴16から圧胴15に印刷用紙Sを供給する必要がある。
【0182】
この場合においては、ソレノイド598の駆動でストッパー597を図30に示す位置に固定することにより、主リンク592を揺動可能な状態としておく。
【0183】
そして、図1に示す吸着盤74により給紙部27から印刷用紙Sを取り出し、図47に示すように、その先端部を給紙胴16のグリッパ84に向けて搬送する。このとき、グリッパ84のカムフォロワー89は固定カム588の山部と当接しており、グリッパ84は開放されている。
【0184】
この状態において給紙胴16が回転して、グリッパ84のカムフォロワー89が固定カム588の山部を通過すれば、図48に示すようにグリッパ84が閉じて、印刷用紙Sの先端部を挟持する。
【0185】
給紙胴16がさらに回転することにより、図49に示すように、給紙胴16のグリッパ84と圧胴15のグリッパ83とが対向する位置に移動すれば、グリッパ84のカムフォロワー89が固定カム588の作用により開放動作を開始する。また、グリッパ83のカムフォロワー88が固定カム587の山部と当接することにより閉止動作を完了している。これにより、印刷用紙Sの先端部は、グリッパ84からグリッパ83に受け渡される。
【0186】
この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙Sへの最初の印刷が開始される。この状態においては、図50に示すように、グリッパ83のカムフォロワー88は固定カム587の山部と当接しており、印刷用紙Sの先端部の挟持状態は維持されている。
【0187】
図51は、この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15のグリッパ83と排紙胴17のグリッパ85とが対向する位置に移動した状態を示している。この図に示す状態においては、主リンク592のカムフォロワー594はカム591の谷部と当接していることから、移動カム584、585、586および固定カム587、588、589は図32に示す配置関係にある。従って、圧胴15のグリッパ83におけるカムフォロワー88が移動カム584と当接して、グリッパ83の閉鎖状態が維持される。また、排紙胴17のグリッパ85におけるカムフォロワー90が移動カム586と当接して、グリッパ85の開放状態が維持される。このため、グリッパ83からグリッパ85への印刷用紙Sの受け渡しは実行されない。
【0188】
図52は、この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15のグリッパ83と給紙胴16のグリッパ84とが対向する位置に移動した状態を示している。この図に示す状態においても、主リンク592のカムフォロワー594はカム591の谷部と当接していることから、移動カム584、585、586および固定カム587、588、589は図32に示す配置関係にある。従って、圧胴15のグリッパ83におけるカムフォロワー88が移動カム584と当接して、グリッパ83の閉鎖状態が維持される。また、給紙胴16のグリッパ84におけるカムフォロワー89は予め移動カム585と当接しており、グリッパ84の開放状態が継続される。このため、グリッパ83とグリッパ84とが相対する位置にきても、印刷用紙Sの受け渡しは実行されない。
【0189】
この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙Sへの2度目の印刷が開始される。この状態においては、図53に示すように、グリッパ83のカムフォロワー88は固定カム587の山部と当接しており、印刷用紙Sの先端部の挟持状態は維持されている。また、この状態において、給紙胴16への2枚目の印刷用紙Sの供給が実行される。このとき、給紙胴16におけるグリッパ84のカムフォロワー89は固定カム588の山部と当接しており、グリッパ84は開放されている。
【0190】
図54は、この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15のグリッパ83と排紙胴17のグリッパ85とが対向する位置に移動した状態を示している。この図に示す状態においては、図51に示す状態とは異なり、主リンク592のカムフォロワー594はカム591の山部と当接していることから、移動カム584、585、586および固定カム587、588、589は図33に示す配置関係にある。従って、圧胴15のグリッパ83におけるカムフォロワー88が固定カム587の谷部と当接することになり、グリッパ83の開放動作が開始される。また、排紙胴17のグリッパ85におけるカムフォロワー90が固定カム589の谷部と当接することにより、グリッパ85の閉止動作は完了している。このため、印刷用紙Sはグリッパ83からグリッパ85へ受け渡される。
【0191】
この状態において排紙胴17がさらに回転することにより、図55に示すように、印刷用紙Sはその先端をグリッパ85に保持されて搬送される。また、図49に示す場合と同様、2枚目の印刷用紙Sの先端部は、グリッパ84からグリッパ83に受け渡される。
【0192】
そして、排紙胴17がさらに回転することにより、図56に示すように、印刷用紙Sはチェーン19に沿って排紙部28上方まで搬送される。そして、排紙部28の上方において、グリッパ85におけるカムフォロワー90が図示しない当たり部材と当接することにより、グリッパ85が開放され、印刷用紙Sは排紙部28上に排出される。
【0193】
次に、印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックうちのいずれか1色のインキを使用して単色印刷を行う場合、あるいは、印刷用紙Sにマゼンタまたはブラックのうちのいずれか1色とイエローまたはシアンのうちのいずれか1色のインキを使用して2色印刷を行う場合の印刷用紙Sの受け渡し動作について説明する。
【0194】
図57〜図59は、このような場合における印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。なお、図57〜図59においても、図29〜図31に示す第1のリンク機構100の各リンク592、601、602、603および連結板604を簡略化して図示している。また、この場合においても、第2のリンク機構200および解放機構300については図示を省略している。さらに、反転胴18は使用しないことから、反転胴18のグリッパ86、87についても図示を省略している。
【0195】
印刷用紙Sにこのような片面単色または片面2色印刷を行う場合においては、上述したように、第1、第2のリンク機構100、200および解放機構300を全て固定した状態とする。これにより、印刷用紙Sは、圧胴15の1回転毎に給紙胴16から圧胴15に供給された後、圧胴15が1回転する間に単色または2色印刷が実行され、圧胴15の1回転毎に圧胴15から排紙胴17に受け渡されて排紙部28に排出される。
【0196】
この場合においては、ソレノイド598の駆動でストッパー597を図28に示す位置に固定して、ストッパー597の先端部と主リンク592に立設されたピン595とを係合させることにより、主リンク592をそのカムフォロワー594がカム591の山部と当接した状態と同一の状態で固定しておく。また、ソレノイド622の駆動でストッパー624を図28に示す位置に固定して、ストッパー624の先端部と主リンク612に立設されたピン625とを係合させることにより、主リンク612をそのカムフォロワー614がカム613の山部と当接した状態と同一の状態で固定しておく。
【0197】
そして、図1に示す吸着盤74により給紙部27から印刷用紙Sを取り出し、図47に示す場合と同様に、その先端部を給紙胴16のグリッパ84に向けて搬送する。このとき、グリッパ84のカムフォロワー89は固定カム588の山部と当接しており、グリッパ84は開放されている。
【0198】
この状態において給紙胴16が回転して、グリッパ84のカムフォロワー89が固定カム588の山部を通過すれば、図48に示す場合と同様に、グリッパ84が閉じて、印刷用紙Sの先端部を挟持する。
【0199】
給紙胴16がさらに回転することにより、図49に示す場合と同様に、給紙胴165のグリッパ84と圧胴15のグリッパ83とが対向する位置に移動すれば、グリッパ84のカムフォロワー89が固定カム588の作用により開放動作を開始する。また、グリッパ83のカムフォロワー88が固定カム587の山部と当接することにより閉止動作を完了している。これにより、印刷用紙Sの先端部は、グリッパ84からグリッパ83に受け渡される。
【0200】
この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15の外周部に保持された印刷用紙Sへの印刷が開始される。この状態においては、図50に示す場合と同様に、グリッパ83のカムフォロワー88は固定カム587の山部と当接しており、印刷用紙Sの先端部の挟持状態は維持されている。
【0201】
図57は、この状態で圧胴15がさらに回転することにより、圧胴15のグリッパ83と排紙胴17のグリッパ85とが対向する位置に移動した状態を示している。この図に示す状態においては、ストッパー597の作用により、主リンク592は、そのカムフォロワー594がカム591の山部と当接した状態と同様の状態となっていることから、移動カム584、585、586および固定カム587、588、589は図33に示す配置関係にある。
【0202】
従って、図54に示す場合と同様、圧胴15のグリッパ83におけるカムフォロワー88が固定カム587の谷部と当接することによるグリッパ83の開放動作が実行される。また、排紙胴17のグリッパ85におけるカムフォロワー90が固定カム589の谷部と当接することによるグリッパ85の閉止動作が実行される。このため、印刷用紙Sはグリッパ83からグリッパ85へ受け渡される。
【0203】
また、この状態において、2枚目の印刷用紙Sが給紙胴16のグリッパ84により保持されて搬送される。
【0204】
図58は、この状態で圧胴15がさらに回転することにより、印刷用紙Sを排紙胴17に排出した圧胴15のグリッパ83と、2枚目の印刷用紙Sを保持した給紙胴16のグリッパ84とが対向する位置に移動した状態を示している。この図に示す状態においても、ストッパー597の作用により、主リンク592は、そのカムフォロワー594がカム591の山部と当接した状態と同様の状態となっていることから、移動カム584、585、586および固定カム587、588、589は図33に示す配置関係にある。
【0205】
従って、図49に示す状態と同様、給紙胴16のグリッパ84におけるカムフォロワー89が固定カム588の作用により開放動作を実行し、また、圧胴15のグリッパ83におけるカムフォロワー88が固定カム587の山部と当接することにより閉止動作を実行する。これにより、印刷用紙Sの先端部は、グリッパ84からグリッパ83に受け渡される。
【0206】
そして、圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18がさらに回転することにより、図59に示すように、圧胴15の外周部に保持された2枚目の印刷用紙Sへの印刷が開始される。また、排紙胴17に保持された印刷用紙Sは、チェーン19に沿って排紙部28上方まで搬送され、排紙部28上に排出される。
【0207】
次に、印刷用紙Sの表面および裏面にシアンおよびマゼンタの2色のインキを使用して両面2色印刷を行う場合の印刷用紙Sの受け渡し動作について説明する。この場合には、図17〜図27に示す動作により印刷が実行される。
【0208】
図60〜図67は、このような場合における印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。なお、図60〜図67においては、印刷を連続して実行している途中において、図60に示す印刷用紙S2が給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に受け渡されている状態から、図67に示すこの印刷用紙S2の後端が反転胴18のグリッパ86に渡されるまでの状態を、圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転する毎に図示している。なお、図60〜図67においては、説明の便宜上、各印刷用紙Sに対しその供給順にS1〜S4の符号を付すことにより、各印刷用紙Sを識別し得るようにしている。
【0209】
また、図60〜図67においては、図29〜図31に示す第2のリンク機構200の各リンク612、617、618、619および連結板621を簡略化して図示している。さらに、この場合においては、第1のリンク機構100を固定することから、第1のリンク機構100については図示を省略している。また、解放機構300についても図示を省略している。
【0210】
印刷用紙Sの表面および裏面にシアンおよびマゼンタの2色のインキを使用して両面2色印刷を行う場合においては、上述したように、第1のリンク機構100を固定し、第2のリンク機構200および解放機構300を移動可能とすることにより、圧胴15が2回転する度に、給紙部27から供給された新たな印刷用紙Sを給紙胴16を介して圧胴15に供給し、また、この印刷用紙Sを、圧胴15から排紙胴17、反転胴18を介して給紙胴16に再度供給する間に反転する必要がある。
【0211】
この場合においては、第2のリンク機構200におけるソレノイド622の駆動でストッパー624を図31に示す位置に固定することにより、主リンク612を揺動可能な状態とすると共に、解放機構300におけるソレノイド641の駆動でストッパー643を図31に示す位置に固定することにより、当たり部材41を移動可能にしておく。
【0212】
このような状態で連続して印刷を実行した場合において、図60に示す状態では、印刷用紙S1の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持されている。また、印刷用紙S3の先端は、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に受け渡されている。さらに、その先端をチェーン19に沿って移動するグリッパ85に保持された印刷用紙S2の後端は、反転後に先端となり、反転胴18のグリッパ86から87へ受け渡されている。なお、このグリッパ86から87への受け渡し動作は、上述したように、図4に示す受け渡し機構により実行される。また、このとき、印刷用紙S2の先端を保持した状態でチェーン19に沿って走行するグリッパ85におけるカムフォロワー90が解放機構300における当たり部材41と当接することにより、このグリッパ85が開放動作を実行する。
【0213】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図61に示すように、印刷用紙S1の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿って移動する。また、印刷用紙S3は、その先端が圧胴15のグリッパ83に保持されて第1のブランケット胴13からインキを転写される。さらに、印刷用紙S2の先端は、反転胴18のグリッパ87により給紙胴16に向けて搬送される。
【0214】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図62に示すように、印刷用紙S1の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿ってさらに移動する。また、印刷用紙S3は、その先端が圧胴15のグリッパ83に保持されて第2のブランケット胴14からさらにインキを転写される。さらに、印刷用紙S2の先端は、反転胴18のグリッパ87により給紙胴16に向けてさらに搬送される。
【0215】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図63に示すように、印刷用紙S1の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿ってさらに移動した後、排紙部28に排出される。このとき、印刷用紙S1を保持したグリッパ85におけるカムフォロワー90は、解放機構300における当たり部材41の下方をそのまま通過する。また、印刷用紙S3の先端は、圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に受け渡される。さらに、印刷用紙S2の先端は、反転胴18のグリッパ87から給紙胴16のグリッパ84に受け渡される。
【0216】
このとき、図63に示す状態においては、第2のリンク機構200の作用により、給紙胴16における移動カム578は、図34に示す状態となっている。このため、給紙胴16におけるグリッパ84のカムフォロワー89が移動カム578と当接することにより、グリッパ84が開閉動作を実行し、印刷用紙S2の先端を反転胴18のグリッパ87から受け取ることになる。
【0217】
また、図63に示す状態においては、第2のリンク機構200の作用により、反転胴18に示す各移動カム43、45、48は図37に示す状態となっている。このため、印刷用紙S2の先端を保持したグリッパ87は、給紙胴16のグリッパ84に印刷用紙S2を渡すために開放される。また、他方のグリッパ86が、チェーン19に沿って移動する印刷用紙S1の後端を保持する動作を実行することはない。
【0218】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図64に示すように、印刷用紙S3の先端は、排紙胴17のグリッパ85保持されて搬送される。また、印刷用紙S2の先端は、給紙胴16のグリッパ84から圧胴15のグリッパ83に受け渡される。
【0219】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図65に示すように、印刷用紙S3の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿って移動する。また、印刷用紙S2は、その先端が圧胴15のグリッパ83に保持されて第1のブランケット胴13からインキを転写される。
【0220】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図66に示すように、印刷用紙S3の先端は排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿ってさらに移動する。また、印刷用紙S2は、その先端が圧胴15のグリッパ83に保持されて第2のブランケット胴14からさらにインキを転写される。また、さらに次の印刷用紙S4が給紙部27から供給され、その先端が給紙胴16のグリッパ84に保持される。
【0221】
この状態からさらに圧胴15、給紙胴16、排紙胴17および反転胴18が90°回転した場合には、図67に示すように、印刷用紙S3は、その先端が排紙胴17のグリッパ85に保持された状態でチェーン19に沿ってさらに移動すると共に、その後端が反転胴18のグリッパ86により保持される。また、印刷用紙S2の先端は、圧胴15のグリッパ83から排紙胴17のグリッパ85に受け渡される。さらに、印刷用紙S4の先端は、給紙胴16のグリッパ84に保持された状態で、圧胴15に向けて搬送される。
【0222】
このとき、図67に示す状態においては、第2のリンク機構200の作用により、給紙胴16における移動カム578は、図35に示す状態となっている。このため、給紙胴16におけるグリッパ84のカムフォロワー89が移動カム578と当接することはなく、グリッパ84がこの位置で開閉動作を実行することはない。
【0223】
また、図67に示す状態においては、第2のリンク機構200の作用により、反転胴18に示す各移動カム43、45、48は図38に示す状態となっている。このため、グリッパ87が給紙胴16のグリッパ84との間で印刷用紙S4の受け渡し動作を実行することはない。一方、他方のグリッパ86は、チェーン19に沿って移動する印刷用紙S1の後端を保持するための開閉動作を実行することになる。
【0224】
このように、第2のリンク機構200の作用により図60〜図67に示す動作を実行することによって、印刷用紙Sに対する両面印刷が行われる。
【0225】
以上説明したように、第1、第2のリンク機構100、200および解放機構300を使用することにより、圧胴15におけるグリッパ83、給紙胴16におけるグリッパ84、排紙胴17におけるグリッパ85および反転胴におけるグリッパ86、87の開閉動作を制御して、単色印刷または多色印刷、あるいは、片面印刷または両面印刷のいずれかのモードの印刷を選択的に実行することが可能となる。
【0226】
なお、上述した印刷装置においては、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[1/2]倍の直径を有する圧胴15を使用しているが、圧胴の直径は、nを奇数としたとき、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[n/2]倍とすることができる。
【0227】
図68は、このような実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。なお、図68においては、印刷装置全体の構成のうち、圧胴215と、図1に示す印刷装置と同様の第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14とを図示している。他の構成については、上述した印刷装置と同一である。
【0228】
この印刷装置においては、圧胴215の直径が、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14の直径の[3/2]倍となっている。このため、この印刷装置においては、圧胴215が2回転する間に、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14は3回転する。そして、この圧胴215の外周部には3個のグリッパ83が等間隔で配設されており、3枚の印刷用紙Sを保持できる構成となっている。
【0229】
この印刷装置において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインキを使用して4色印刷を行う場合には、圧胴215が3枚の印刷用紙Sを保持した状態で2回転すると、3枚の印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の印刷が行われる。このため、圧胴215が2回転する度に、給紙胴16から新しい3枚の印刷用紙Sを供給することにより、4色の印刷を連続して実行することが可能となる。
【0230】
また、この印刷装置において、印刷用紙Sにイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックうちのいずれか1色のインキを使用して単色印刷を行う場合、あるいは、印刷用紙Sにマゼンタまたはブラックのうちのいずれか1色とイエローまたはシアンのうちのいずれか1色のインキを使用して2色印刷を行う場合には、圧胴215が1回転する度に、給紙胴16から新しい3枚の印刷用紙Sを供給すればよい。
【0231】
なお、上述した実施の形態においては、いずれも、第1、第2の版胴11、12および第1、第2のブランケット胴13、14を使用することにより、4色の印刷を行うことができる印刷装置にこの発明を適用した場合について説明したが、単一の版胴および単一のブランケット胴を使用することにより、最大2色の印刷を行う印刷装置にこの発明を適用することも可能である。
【0232】
【発明の効果】
請求項乃至請求項に記載の発明によれば、印刷用紙保持手段に対し、圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構を備えたことから、簡易な構成でありながら印刷用紙を確実に受け渡しすることができ、その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を保持する第1、第2の版胴による1色または2色のインキでの印刷と4色のインキでの印刷とを選択的に実行することが可能となる。
【0233】
請求項乃至請求項11に記載の発明によれば、圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段をさらに有することから、片面印刷と両面印刷とを選択的に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷装置の側面概要図である。
【図2】印刷版P上における画像領域67の配置を示す説明図である。
【図3】第1のブランケット胴13の胴入れ機構を示す概要図である。
【図4】反転胴18におけるグリッパ86、87の回転機構を示す概要図である。
【図5】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図6】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図7】印刷用紙反転機構による印刷用紙Sの表裏反転動作を示す説明図である。
【図8】印刷装置の主要な電気的構成を示すブロック図である。
【図9】印刷装置による製版および印刷動作の概要を示すフローチャートである。
【図10】製版工程を示すフローチャートである。
【図11】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図12】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図13】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図14】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図15】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図16】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図17】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図18】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図19】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図20】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図21】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図22】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図23】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図24】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図25】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図26】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図27】印刷装置の印刷動作を示す説明図である。
【図28】各グリッパ83、84、85、86、87を開閉するためのカム機構における複数の固定カムおよび移動カムの概略配置を示す側面概要図である。
【図29】移動カムを移動させるための移動機構を示す側面概要図である。
【図30】移動カムを移動させるための移動機構を示す側面概要図である。
【図31】移動カムを移動させるための移動機構を示す側面概要図である。
【図32】移動カム584、585、586および固定カム587、588、589の配置関係を示す説明図である。
【図33】移動カム584、585、586および固定カム587、588、589の配置関係を示す説明図である。
【図34】給紙胴16における移動カム576、578を固定カム588と共に示す説明図である。
【図35】給紙胴16における移動カム576、578を固定カム588と共に示す説明図である。
【図36】反転胴18におけるグリッパ86、87の開閉機構を示す概要図である。
【図37】反転胴18の側方に配設された固定カム44、46、47および移動カム43、45、48の配置関係を示す説明図である。
【図38】反転胴18の側方に配設された固定カム44、46、47および移動カム43、45、48の配置関係を示す説明図である。
【図39】移動カム43の側面図である。
【図40】固定カム44の側面図である。
【図41】移動カム45の側面図である。
【図42】固定カム46の側面図である。
【図43】固定カム47の側面図である。
【図44】移動カム48の側面図である。
【図45】解放機構300の側面図である。
【図46】解放機構300の側面図である。
【図47】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図48】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図49】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図50】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図51】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図52】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図53】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図54】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図55】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図56】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図57】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図58】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図59】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図60】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図61】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図62】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図63】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図64】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図65】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図66】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図67】印刷用紙Sの受け渡し動作を示す説明図である。
【図68】他の実施形態に係る印刷装置の構成を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 第1の版胴
12 第2の版胴
13 第1のブランケット胴
14 第2のブランケット胴
15 圧胴
16 給紙胴
17 排紙胴
18 反転胴
20 インキ供給装置
21 湿し水供給装置
23 給版部
24 排版部
25 画像記録装置
26 現像処理装置
27 給紙部
28 排紙部
83、84、85、86、87 グリッパ
88、89、90、91 カムフォロワー
43、45、48、576、578、584、585、586 移動カム
44、46、47、587、588、589 固定カム
100 第1のリンク機構
200 第2のリンク機構
300 解放機構
573、574 カム
592、612 主リンク
593、611 主リンク軸
594、614 カムフォロワー
597、624、643 ストッパー
598、622、641 ソレノイド
601、602、603、616、617、618、619 リンク
604、621 連結板
P 印刷版
S 印刷用紙

Claims (11)

  1. その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を各々保持する第1、第2の版胴と、
    前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、
    前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第2のブランケット胴と、
    前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、
    印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、
    前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構と、
    を備え
    前記カム機構は、
    前記印刷用紙保持手段における爪に付設されたカムフォロワーと当接することにより、前記圧胴が1回転する間に前記印刷用紙保持手段を1回開閉させるための固定カムと、
    前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を禁止する開閉禁止位置と前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を許容する開閉許容位置との間を移動可能な移動カムと、
    前記圧胴の回転に伴って、前記移動カムを前記禁止位置と前記許容位置との間で往復移動させる移動カム駆動機構と、
    前記移動カムを前記圧胴の回転にかかわらず前記許容位置で停止させる移動カム停止機構と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記移動カム駆動機構は、
    前記第1のブランケット胴または前記第2のブランケット胴と同期して回転するカムと、
    前記カムと当接するカムフォロワーを有し、前記第1のブランケット胴または前記第2のブランケット胴の回転に伴って揺動することにより、前記移動カムを前記開閉禁止位置と前記開閉許容位置との間で往復移動させる前記移動カムに連結されたリンク機構と、
    を備える印刷装置。
  3. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記移動カム停止機構は、前記リンク機構の揺動を禁止するストッパーから構成される印刷装置。
  4. 請求項乃至請求項いずれかに記載の印刷装置において、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段をさらに有する印刷装置。
  5. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行う印刷装置。
  6. その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を保持する版胴と、
    前記版胴と同一の直径を有し、前記版胴と当接するブランケット胴と、
    前記版胴および前記ブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記ブランケット胴と当接する圧胴と、
    印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、
    前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、 を備えたことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記カム機構は、
    前記印刷用紙保持手段における爪に付設されたカムフォロワーと当接することにより、前記圧胴が1回転する間に前記印刷用紙保持手段を1回開閉させるための固定カムと、
    前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を禁止する開閉禁止位置と前記固定カムの作用による印刷用紙保持手段の開閉を許容する開閉許容位置との間を移動可能な移動カムと、
    前記圧胴の回転に伴って、前記移動カムを前記禁止位置と前記許容位置との間で往復移動させる移動カム駆動機構と、
    前記移動カムを前記圧胴の回転にかかわらず前記許容位置で停止させる移動カム停止機構と、
    を備える印刷装置。
  8. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記移動カム駆動機構は、
    前記ブランケット胴と同期して回転するカムと、
    前記カムと当接するカムフォロワーを有し、前記ブランケット胴の回転に伴って揺動することにより、前記移動カムを前記開閉禁止位置と前記開閉許容位置との間で往復移動させる前記移動カムに連結されたリンク機構と、
    を備える印刷装置。
  9. 請求項に記載の印刷装置において、
    前記移動カム停止機構は、前記リンク機構の揺動を禁止するストッパーから構成される印刷装置。
  10. その外周部に2個の画像領域を有する印刷版を各々保持する第1、第2の版胴と、
    前記第1の版胴と同一の直径を有し、前記第1の版胴と当接する第1のブランケット胴と、
    前記第2の版胴と同一の直径を有し、前記第2の版胴と当接する第2のブランケット胴と、
    前記第1、第2の版胴および前記第1、第2のブランケット胴の[n/2]倍(ただし、nは奇数)の直径を有し、前記第1、第2のブランケット胴と当接する圧胴と、
    印刷用紙の端部を咥えるための爪を有し、前記圧胴の外周部にn枚の印刷用紙を保持するn個の印刷用紙保持手段と、
    前記圧胴に印刷用紙を供給する印刷用紙供給機構と、
    前記圧胴から必要な印刷が終了した印刷用紙を排出する印刷用紙排出機構と、
    前記印刷用紙保持手段に対し、前記圧胴が1回転する間に1回開閉する第1の開閉動作と、前記圧胴が2回転する間に1回開閉する第2の開閉動作とを選択的に実行させるカム機構と、
    前記圧胴から第1面の印刷が終了した印刷用紙を受け取り、当該印刷用紙の表裏反転を行った後、再度圧胴に渡す反転動作を実行可能な印刷用紙反転手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項6乃至請求項10のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記印刷用紙反転手段は、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙を保持して一方向に回転する反転胴を含み、前記第1面の印刷が終了した印刷用紙の後端を先頭として前記反転胴に保持させることによりこの印刷用紙の表裏反転を行う印刷装置。
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