JP6002549B2 - 作業車両 - Google Patents

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Description

本発明は、ボンネットの左右両外にフロントステップを備えた作業車両に関する。
従来、枠状のステップ支持体に床面を有する機体カバーを被着してステップを構成した作業車両が一般的であったが、機体のフレーム構成、及びステップ構成を簡素化するにあたり、該ステップを、機体側に固定された板状のステップフレームと、該ステップフレームの上面に載置して固定されるマットとから構成する特許文献1に記載の作業車両が従来公知である。
特開2011−24519号公報
上記文献に示すような作業車両は、ステップフレーム上面に、マットを複数の留め具を介して係止するか、または、接着して取り付けるものであるが、前者は非係止部の捲れ上がりが生じ、足元が不安定になることが懸念され、後者はマットのみの、又はステップフレームのみの取り替えが困難であった。
本発明では、機体側に固定されたステップフレームと、該ステップフレームに載置して固定されるマットとを有する作業車両において、マットをステップフレーム上に容易に位置決め可能であって、ステップフレーム側への圃場の泥等の付着を効率的に防止しながらにして、機体のフレーム構成、及びステップ構成を簡素化できる作業車両を提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明は、第1に、機体の側部に固定されたステップ18を備え、該ステップ18が、機体側に固定されたステップフレーム31と、該ステップフレーム31に載置して固定されるマット32とを有する作業車両であって、前記マット32、ステップフレーム31の上面及び外側側面に接当する正断面視L字状に形成されるとともに、該マット32のステップフレーム31側面と接当する部分に一体的に形成された凸部47が該ステップフレーム31側に凹凸嵌合され、前記マット32の内側縁部に、固定ピン38により、該マット32をステップフレーム31側に係止する係止部46を設け、該係止部46は、閉状態に切換えられたボンネット9の内側に配置されるように構成されたことを特徴としている。
前記マットをステップフレームの上面及び外側側面に当接する正面断面視L字状に形成したことにより、マットの位置決めが容易になる。さらに、前記ステップフレームの上面及び外側側面を前記マットで覆うことにより、マットの捲れ上がりを防止するとともに、ステップフレーム側に泥等が入ることを効率的に防止しながら、機体のフレーム構成、及びステップ構成を簡素化できる。
また、前記マットのステップフレーム側面に近接又は接当する部分に、該ステップフレームと凹凸嵌合する凸部を一体的に形成したものによれば、ステップフレームに取付けたマットが捲れることを効率的に防止できるとともに、凹凸嵌合する嵌合部分が外から見えない構成となるため、外観も良好に保たれる。
なお、前記マットの内側縁部に該マットをステップフレーム側に係止する係止部を設け、該係止部を、機体の少なくとも側部を外側からカバーする機体カバーの内側に位置させてなるものによれば、係止部が機体カバーによって隠れるため、外観形状が良好に保たれるとともに、係止部に泥等が付着することも防止できる。
本発明の作業車両を適用した乗用田植機の側面図である。 本発明の作業車両を適用した乗用田植機の平面図である。 本発明の作業車両を適用した乗用田植機の斜視図である。 開状態のボンネットを示す要部斜視図である。 ステップフレームとステップマットの取付態様を示す斜視図である。 (A)乃至(C)は、フロントステップの平面図、側面図及び底面図である。 側面カバー部の凹凸嵌合を示した要部A−A断面図である。 支持片を示すボンネットの要部側面図である。 (A)は、ボンネットの要部側面図であり、(B)は、溝部を示す要部B−B断面図である。
以下、図示する例に基づき本発明の実施例について説明する。
図1乃至3は、本発明の作業車両を適用した乗用田植機の側面図,平面図,及び斜視図であり、図4は、開状態のボンネットを示す要部斜視図である。図示する乗用田植機(移植機)は、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される走行機体3と、走行機体3の後部にリンク機構4を介して昇降可能に支持された植付作業機6と、植付作業機6と後輪2との間に配置された左右方向の整地作業機7とを備えている。
前記走行機体3を支持する機体フレーム8は、前部に上下開閉可能なボンネット(機体カバー)9に囲繞されたエンジン11が搭載されており、該エンジン11の後方側にオペレータが乗込んで操向操作を行う操縦部12が設けられている。
該操縦部12は、オペレータが着座13する座席13を備え、この座席13の前方側に操向操作を行うステアリングハンドル14等の各種操作具が設置されたフロント操作パネル16が配置されており、座席13とステアリングハンドル14との間には、床面となるフロアステップ(ステップ)17が形成されている。
また、該ステアリングハンドル14の前方、且つボンネット9の左右両側には、フロアステップ17と略同一高さのフロントステップ18がそれぞれ設けられ、該フロントステップ18の後方、且つフロアステップ17の左右両側にはフロアステップ17と略同一高さのサイドステップ20が設けられ、座席13の左右斜め後方にはフロアステップ17より一段高いリアステップ19が形成されている。なお、左右のフロントステップ18の前端側の間には、フロントカバー21が取付けられている。前記フロントステップ18の詳細な構成については後述する。
上記ボンネット9は、ボンネット9の後方上側に左右一対設けた連結部22を、機体(操縦部12)側の前記フロント操作パネル16の前側に回動自在に支持することにより、上下回動(開閉)可能に取付けられている。これにより、該ボンネット9は、下方回動されると、ボンネット9の下縁側が機体フレーム8側の受け部23によって受止められるとともに、該状態において、機体フレーム8の前端側に設けた保持具24によって、ボンネット9の前端内側のフック部材(図示しない)を連結することにより、ボンネット9の閉状態を保持することができる(図3及び図4参照)。受け部23の詳しい構成については後述する。
また、機体フレーム8の前端中央側には、保持具24の他に、上方に向けてL字状に屈曲形成されたセンターマーカ26が設けられている。このとき、前記フロントカバー21の前端中央側を、下方に向けて切欠くとともに、ボンネット下縁部の中央に、上方に向けて凹設された凹設部27を形成したことにより、センターマーカ26がボンネット9の閉状態において、センターカバー21及びボンネット9側に干渉しないように構成されている(図4参照)。
前記植付作業機6は、前方に向かって上方に急傾斜する苗載台28と、苗載台28の下方に配設された植付部29とを備えている。走行機体3側のエンジン動力は、図示しない植付クラッチによって、この植付作業機6に断続伝動される。このようにして伝動されたエンジン動力によって植付部29が駆動し、苗載台28の背面側に載置された苗は、駆動する植付部29によって掻き取られて圃場に植付けられる。
次に、図5乃至7に基づき、フロントステップの構成について説明する。
図5は、ステップフレームとステップマットの取付態様を示す斜視図であり、図6(A)乃至(C)は、フロントステップの平面図、側面図及び底面図であり、図7は、側面カバー部の凹凸嵌合を示した要部A−A断面図である。前記フロントステップ18は、左右内側が機体フレーム8のボンネット左右外側方に取付けられる金属製のステップフレーム31と、該ステップフレーム31の上面及び外面側をカバーするステップマット(マット)32と、を備えている。
前記ステップフレーム31は、前端の左右外側が平面視円弧状に屈曲された方形状の上面部34と、外縁側の後端側から円弧状の前端外側を経由した前端内側に亘って(平面視L字状の範囲に)、下方に向けて延設された側面部36とを備え、該上面部34と側面部36により断面L字状に形成されている。これにより、該側面部36には、上面部34の前端外側の形状に沿って円弧状に屈曲した屈曲部36aが形成されている。なお、ステップフレーム31は上面部34及び側面部36を備えていれば良く、例えば箱状に形成されたものであっても良い。
また、該ステップフレーム31の内縁側には、ステップフレーム31を前記機体フレーム8に載置されたエンジン11の左右両側に取付・固定するための取付部37が前後一対形成されており、該取付部37には、ビス、ネジ又はボルト等(図示する例では固定ピン38)を用いてステップフレーム31を機体フレーム8側に着脱自在に取付けるための取付孔37aが穿設されている。
前記ステップマット32は、ステップフレーム31の上面部34の全体をカバーする上面カバー部41と、ステップフレーム31の側面部36の全体を外側からカバーする側面カバー部42とにより、断面L字状に形成されている。具体的には、該ステップマット32の全体形状は、硬質の樹脂材によって、図5乃至7に示されるように、上面部34及び側面部36に接するように少なくとも正断面視L字状に一体成形されているため、該ステップマット32は、上面カバー部41と側面カバー部42が、ステップフレーム31上に載置されることによって、位置決めされるように構成されている。
上記の上面カバー部41は、前後方向に亘って所定密度で設けた複数の円柱状の突起からなる第1滑止め部43と、前端側及び後端内側に設けた棒状の突起からなる第2滑止め部45とが一体形成されるとともに、外縁側に沿って、所定の間隔で立上片44が上方に向けて立上げ形成されている。該構成の滑止め部43,45及び立上片44によれば、フロントステップ18に乗った作業者がフロントステップ18上で滑ることを効率的に防止できるとともに、前記立上片44は、作業者の靴の裏に付着した泥等を落とす泥落しとしても機能させることができる。
また、上面カバー部41の内縁側は、ステップフレーム31側の取付部37上面側をカバーする係止部46が前後に形成されており、該係止部46には、ステップマット32をステップフレーム31上に位置決めした状態において、前記取付孔37aと重なる(連通する)係止孔46aが穿設されている。したがって、ステップマット32をステップフレーム31上に載置・位置決めした状態で、固定ピン38を係止孔46a及び取付孔37aに挿通することにより、ステップマット32及びステップフレーム31(フロントステップ18)を機体フレーム8側にピン固定(ボルト固定等)できるように構成されている(図5参照)。
上記の側面カバー部42は、前記側面部36の屈曲部36aをカバーする屈曲部42aが形成されており、側面カバー部42の内周面側には、ステップフレーム31の側面部36側と凹凸嵌合される突出部(凸部)47が一体形成されている。該突出部47は、具体的には平面視で、側面カバー部42の前端内側と、屈曲部42a手前の側方前側と、後端側との計3箇所から内面側に向けて突設されている。また、ステップフレーム31の側面部36側に、該突出部47に対応する嵌合孔48がそれぞれ穿設されている(図5及び図6(A),(C)参照)。
さらに、前記上面カバー部41の外縁側には、前記立上片44同士の間であって、且つ前記突出部47の真上側となる位置に、ステップマット32の上方側から突出部47を視認可能な視認孔49が設けられている。これにより、ステップマット32をステップフレーム31側に位置決めした状態において、視認孔49を介して突出部47が嵌合孔48に凹凸嵌合されているか否かをフロントステップ18上面側から確認することができる(図7参照)。
上述の構成のフロントステップ18によれば、ステップマット32がステップフレーム31の上面及び側面部の形状に沿った断面L字状に形成されたことにより、ステップマット32をステップフレーム31の上面側から容易に位置決めできるとともに、ステップマット32が上面部34及び側面部36の全体を覆うため、ステップフレーム31側に圃場の泥等が付着することを防止できる。
また、ステップフレーム31の上面部34及び側面部36、或いは機体フレーム8側に、ステップマット32を位置決めするための加工が必要ないため、ステップフレーム32や機体フレーム8側の構成を簡素化できる。
上記フロントステップ18は、ステップマット32がステップフレーム31上に位置決めされた状態で、取付孔37a及び係止孔46aに固定ピン38等を連通することにより、ステップマット32のステップフレーム31側への取付けと、フロントステップ18の機体フレーム8側への取付固定とを同時にできる(図5参照)。該構成によれば、機体フレーム8側に、ステップフレーム31とステップマット32の取付箇所も別途に設ける必要がないため、機体フレーム8の構成がより簡易になるとともに、ステップフレーム31及びステップマット32の交換も容易になる。
さらに、前記ステップマット32を、ステップフレーム31上に位置決めした際に、側面カバー部42側の突出部47と、側面部36側の嵌合孔48とを凹凸嵌合させることにより、ステップマット32がステップフレーム31側に取付けられる。該構成によれば、ステップマット32の側面カバー部42がステップフレーム31の側面部36から捲れ上がることを効率的に防止できるとともに、前記係止部46の数も少なくできる。このとき、突出部47と嵌合孔48との凹凸嵌合がフロントステップ18の外側からは視認できないため、外観も良好に保たれる(図6(B)参照)。
ちなみに、前記側面カバー部42の屈曲部42aは、側面部36の屈曲部36aよりも、より滑らかな円弧状に屈曲形成されている。具体的に説明すると、ステップフレーム31の屈曲部36aは、板部材を複数個所(図示する例では2箇所)折曲げて形成した簡易かつ安価な構成であり、該屈曲部36aを、滑らかな円弧状に形成された前記側面カバー部42の屈曲部42aによってカバーすることにより、ステップフレーム31の形状を簡素化して製造コストを抑えつつ、フロントステップ18全体の外観形状を良好にできるものである。
なお、前記ステップマット32には、前記受け部23を構成する溝部33が形成されている。受け部23について以下説明する。
次に、図5乃至9に基づき、ボンネットの受け部について説明する。
図8は、支持片を示すボンネットの要部側面図であり、図9(A)は、ボンネットの要部側面図であり、図9(B)は、溝部を示す要部B−B断面図である。前記受け部23は、前記ステップマット32上の内縁側に沿って前後方向に形成され、ボンネット9の下縁側を収容する溝部33と、前記フロントカバー21に形成され、ボンネット9の下縁側と当接する規制部51と、から構成されており、閉状態の位置まで下方回動したボンネット9を位置決めし、左右前後方向への移動を規制する(図4参照)。
前記ボンネット9の下縁側は、エンジン11を囲うように平面視で前方に向かって突出するU字状に形成されており、図9(B)に示されるように、エンジン11の左右両側において、左右外側に向けてクランク状に屈曲形成されて前記溝部33に収容される下縁側方部9aと、フロントカバー21側の前記規制部51と当接する左右方向の下縁前部9bとを備えている。
また、下縁側方部9aの後端(操縦部)側には、前記溝部33の底面33aに当接し、ボンネット9を支持する支持片52が下方に向けて突設形成されている(図8参照)。さらに、前記下縁前部9bの中央前端側には、前記保持具24によって係脱自在に保持されるフック部材(図示しない)が設けられており、閉状態のボンネット9を保持することができる。
前記規制部51は、後方に向かって切欠かれた左右方向に延びる段部であって、ボンネットの下縁前部9bに沿って平面視円弧状に形成されており、該規制部51に、閉状態の下縁前部9bの前面側と下面側とが当接し、閉状態でのボンネットの前後左右の移動を規制している。
前記溝部33は、ステップマット32を上面側に向けて滑らかな山型に屈曲形成した外壁部33bの内側面と、該外壁部33bの左右内側に形成した山型の内壁部33cの外側面とにより、下方に向かって間が狭まる断面すり鉢状(テーパー状)であって且つ底面33aが略フラットになるように形成されている。
すなわち、図8に示すように、ボンネット9が後方上端側の連結部22を支点に下方回動されると、前記下縁側方部9aに一対形成された前記支持片52が前記溝部33の底面33aと当接するとともに、下縁側方部9aが、溝部33の内周面側(底面33a,外壁部33b内側面及び内壁部33c外側面)に接触しない構成で溝部33に覆われる。言い換えると、ボンネット9の閉状態では、下縁側方部9aが底面33aから浮かせた状態で溝部33に収容される。
これにより、ボンネット9を下方回動して、閉状態に切換えることにより、前記下縁側方部9aと、溝部33との間に、一定のクリアランス56が形成される(図9(B)参照)。
上述の構成によれば、ボンネット下縁側と溝部33側とを互いを嵌合させて閉状態のボンネット9を固定する場合と比較して、ボンネット下縁の全体と、溝部33の底面33a全体とを、互いが隙間なく密着するように高精度に成形する必要がなく、且つボンネット9の組付けにもある程度の誤差が許容されるようになる。また、閉状態の下縁側方部9aについて支持片52のみを溝部33に当接させて、下縁側方部9aと溝部33との間にクリアランス56を形成したことにより、ボンネット9のガタつきを効率的に防止できる。
さらに、前記溝部33を下方に向かって幅が狭まる断面すり鉢状に形成したことにより、ボンネット9を下方回動する際に、支持片52が溝部33によって底面33aに案内されるため、ボンネット9の閉操作をスムーズにできる。
なお、図8及び図9に示されるように、前記溝部33の外壁部33bが、溝部33に収容された下縁側方部9aを覆うことにより、前記クリアランス56が外部から視認できないため、外観形状も良好に保たれている。
ちなみに、ボンネット9よりも軟質な材料で形成されたステップマット32(PP:ポリプロピレン等)に、閉状態の支持片52を受ける前記溝部33を設けたことにより、底面33aと当接するボンネット9側の支持片52によってステップマット32が上方側から押付けられるため、ステップマット32の位置決めがより安定する他、ステップマット32を固定する部材を減らすことができるため、製造コストも低く抑えることができる。
なお、フロントステップ18を機体フレーム8側に取付ける前記取付部37及び係止部46は、前記溝部33の左右方向内側に配置されているため、ボンネット9を下方回動して閉状態に切換えると、前記取付部37及び係止部46が、ボンネット9の内側に配置されるように構成されている。
該構成によれば、フロントステップ18の取付部37及び係止部46を閉状態のボンネット9内側に隠すことができるため、外観形状が良好に保たれるとともに、該取付箇所に圃場の泥等が付着することを防止できる。
9 ボンネット(機体カバー)
18 フロントステップ(ステップ)
31 ステップフレーム
32 ステップマット(マット)
46 係止部
47 突出部(凸部)

Claims (1)

  1. 機体の側部に固定されたステップ(18)を備え、該ステップ(18)が、機体側に固定されたステップフレーム(31)と、該ステップフレーム(31)に載置して固定されるマット(32)とを有する作業車両であって、前記マット(32)、ステップフレーム(31)の上面及び外側側面に接当する正断面視L字状に形成されるとともに、該マット(32)のステップフレーム(31)側面と接当する部分に一体的に形成された凸部(47)が該ステップフレーム(31)側に凹凸嵌合され、前記マット(32)の内側縁部に、固定ピン(38)により、該マット(32)をステップフレーム(31)側に係止する係止部(46)を設け、該係止部(46)は、閉状態に切換えられたボンネット(9)の内側に配置されるように構成された作業車両。
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