JP2021113022A - 車両の外装組付け構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】意匠面を備えた外装材を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、骨格をなすボディに凹凸嵌合して組付けることにある。【解決手段】意匠面を備えた外装材(20)を、ボディ(13)に凹凸嵌合させて組付ける車両の外装組付け構造において、ボディ(13)と外装材(20)のいずれか一方には、ボディ(13)に対して外装材(20)を凹凸嵌合させる向きに案内する案内部材(50)が設けられ、案内部材(50)は、組付け状態の外装材(20)とボディ(13)の間に介装された状態となって、外装材(20)をその厚み方向から支持している。【選択図】図2

Description

本発明は、意匠面を備えた外装材を、ボディに凹凸嵌合させて組付ける車両の外装組付け構造に関する。
この種の車両では、優れた外観意匠を確保する観点から、意匠面を備えた外装材がボディに組付けられて取付けられる。例えばドア部の外形をなすボディに、その外観をなす外装材を組付ける場合、この外装材をボディの適所に凹凸嵌合させて組付けていく。この種の組付け作業は、外装材を作業者が支えつつボディの適所に組付けるため、負担のかかる気遣い作業となっており、とりわけドア部のように外装材が大きいほど負担が増す傾向にある。
ここで特許文献1には、装飾用のメッキガーニッシュを、組付けガイドを介して車両前部のバンパーカバーに組付ける技術の開示がある。このメッキガーニッシュは、本発明の外装材に相当する正面視で矩形の板材であり、車両のボディ側に固定されたバンパーカバーに組付けられる。そしてメッキガーニッシュの後面(裏面)には、縦向きの平板状に形成された爪部が突出しており、この爪部が、バンパーカバーを厚み方向に貫通する穴部に挿通されて連結されている。そして特許文献1の技術では、爪部と穴部とが、メッキガーニッシュとバンパーカバーとの連結に使用されるだけではなく、これらを組付ける際の組付けガイドとしても使用されている。すなわち組付け作業の際には、爪部を穴部の下縁に押し当てて支持させながら後方に摺動させることで、この爪部の形成されたメッキガーニッシュをバンパーカバーの適所に案内することができる。
特開2014‐91387号公報
ところで上述のような組付け構造では、組付け時の作業性の確保とともに、組付け後の外装材の剛性を確保することが求められる。すなわち組付け後の外装材が何らかの外力を受けた際に、その意匠面が過度に撓まないように剛性を確保することが望ましい。例えば公知技術の構成では、爪部と穴部を組付けガイドとして使用することにより、メッキガーニッシュの組付け時の作業性を確保している。しかし組付け後のメッキガーニッシュでは、穴部に挿通されている爪部の端部がバンパーカバー側で支持されていないことから、組付けガイドが必ずしも剛性の確保に寄与しているわけではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、意匠面を備えた外装材を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、ボディに凹凸嵌合して組付けることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両の外装組付け構造は、意匠面を備えた外装材を、ボディに凹凸嵌合させて組付ける構造である。そしてボディと外装材のいずれか一方には、ボディに対して外装材を凹凸嵌合させる向きに案内する案内部材が設けられている。この種の構成では、外装材を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、ボディに凹凸嵌合して組付けることが望ましい。
そこで本発明の案内部材は、組付け状態の外装材とボディの間に介装された状態となって、外装材をその厚み方向から支持する。本発明では、案内部材によって、ボディに対して外装材を凹凸嵌合させる向きに案内することにより、これらの組付け時の作業性を確保している。そして組付け後においては、介装状態の案内部材が外装材を厚み方向から支持するため、外装材の剛性の確保に資する構成となっている。
第2発明の車両の外装組付け構造は、第1発明の車両の外装組付け構造において、案内部材は、外装材とボディの凹凸嵌合している部分に設けられている。本発明では、組付け後の案内部材が外装材の凹凸嵌合している部分を支持することで、外装材の剛性をより適切に確保することができる。
第3発明の車両の外装組付け構造は、第1発明又は第2発明の車両の外装組付け構造において、案内部材は、車両のドア部を構成する外装材とボディの周縁に介装されるように設けられている。本発明では、ドア部の周縁が相対的に外力を受けやすい箇所であることを考慮して、案内部材によって外装材の周縁を支持させることにより、外装材の剛性をさらに適切に確保することが可能となっている。
第4発明の車両の外装組付け構造は、第1発明〜第3発明のいずれかの車両の外装組付け構造において、外装材をボディに凹凸嵌合させる際に、外装材が、ボディに近づく一方向に移動しながら、一方向とは異なる他方向に移動してボディに凹凸嵌合する構成である。そこで本発明の案内部材には、一方向に移動するにつれて他方向に移動させるように外装材を案内するガイド部位が設けられている。本発明では、案内部材のガイド部位によって、外装材を一方向及び他方向に移動させながらボディの適所に案内して凹凸嵌合させることができ、組付け時の優れた作業性の確保に資する構成となっている。
第5発明の車両の外装組付け構造は、第1発明〜第4発明のいずれかの車両の外装組付け構造において、案内部材には、組付け状態の外装材が意匠面の面方向に移動することを規制する規制部位が設けられている。本発明では、案内部材の規制部位によって、組付け状態の外装材の面方向の移動(意図しない位置ずれ)を極力回避することにより、ボディに対する外装材の組付け性をより確実に確保することができる。
第6発明の車両の外装組付け構造は、第1発明〜第5発明のいずれかの車両の外装組付け構造において、案内部材には、外装材とボディの接合箇所への干渉を避ける回避部位が設けられている。本発明では、案内部材に回避部位を設けることにより、外装材とボディの接合の際に案内部材が邪魔となることを極力回避することができる。
本発明に係る第1発明によれば、意匠面を備えた外装材を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、ボディに凹凸嵌合して組付けることができる。また第2発明によれば、組付け後の外装材の剛性をより適切に確保することができる。また第3発明によれば、組付け後の外装材の剛性をさらに適切に確保することができる。また第4発明によれば、組付け時の作業性をより適切に確保することができる。また第5発明によれば、外装材とボディの組付け性をより確実に確保することができる。そして第6発明によれば、組付け時の作業性をさらに適切に確保することができる。
車両の概略後面図である。 図1のII−II線断面に相当するドア本体部の断面図である。 バックモニタを示すドア本体部の拡大後面図である。 ドア本体部の分解斜視図である。 バックドアボディの後面図である。 バックドアガーニッシュの前面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 バックドアガーニッシュ一部と案内部材の上面図である。 バックドアガーニッシュ一部と案内部材の斜視図である。 案内部材の前側の斜視図である。 案内部材の後側の斜視図である。 凹凸嵌合時のドア本体部の断面図である。 凹凸嵌合後のドア本体部の断面図である。 凹凸嵌合時の案内部材の働きを示すドア本体部の断面図である。 凹凸嵌合時のバックモニタの相対位置を示すドア本体部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図15を参照して説明する。各図には、便宜上、車両の前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。また図5〜図11には、図示された部材が車両に配設されている状態を基準として、その前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。
[車両の後部の概要]
ここで車両の外装組付け構造を説明する前に、先ず、車両の後部の概要について説明する。図1に示す車両2は、車両ボディ3の後面にドア開口部4が設けられており、ドア開口部4が上下回動式のバックドア10によって開閉可能に構成されている。このバックドア10は、窓部11とドア本体部12とを備え、さらにドア本体部12の意匠面をなすバックドアガーニッシュ20がバックドア10を横断するように設けられている。そしてバックドアガーニッシュ20には、その中央部にライセンスプレート(図示省略)を取付けるための角形凹部21が形成されている。
また図1に示す角形凹部21の上辺位置には、左右に長尺な貫通窓部22が設けられており、貫通窓部22の中央位置にバックドア10用の開ハンドル5が設けられている。さらに貫通窓部22の左右端側にはライセンスプレートを照らす照明具6,7が設けられ、開ハンドル5の左隣りにはバックモニタ8が設けられている。このバックモニタ8は、ドア本体部12に対して着脱自在に設けられており、図2及び図3に示すように貫通窓部22に別途取付けられた別体カバー9で保護されている(図3では、便宜上、別体カバー9にハッチを付けてその他の部分と区別している)。そしてバックドアガーニッシュ20から別体カバー9を取外すことにより、ライセンスプレートの封印を外すことなく、バックモニタ8の着脱作業を行うことが可能となっている。
[車両の外装組付け構造]
図2及び図4に示すドア本体部12は、その外形をなすバックドアボディ13に、バックドアガーニッシュ20を凹凸嵌合して組付けることで形成されている。そして本実施例の外装組付け構造は、本発明の外装材に相当するバックドアガーニッシュ20を、本発明のボディに相当するバックドアボディ13に組付けるための構造である。このドア本体部12の組付け作業では、後述する別体カバー9との位置関係を考慮して、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に近づけながら上方に移動させていく必要がある。このため外装組付け構造では、後述する案内部材50を用いて組付け時の負担を軽減するのであるが、この種の構造では、組付け後のバックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが望まれる。そこで本実施例では、後述する構成にて、バックドアガーニッシュ20を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、バックドアボディ13に凹凸嵌合して組付けることとした。以下、外装組付け構造の各構成と組付け手法を詳述する。
[バックドアボディ(ボディ)]
図4に示すバックドアボディ13は、ドア本体部12の外形をなす部材であり、車幅方向となる左右方向に長尺な概ね矩形に形成されている。このバックドアボディ13の後面の中央部には、バックドアガーニッシュ20の角形凹部21の外形に倣った凹部位14が突設されている。そして凹部位14の上辺位置には、開ハンドル用の中央貫通孔15と、照明具用の左右一対の端側貫通孔16,17と、バックモニタ用の左側貫通孔18とが設けられている。
また図4及び図5に示すバックドアボディ13の適宜の位置には、バックドアガーニッシュ用の接合孔部19a,19bが形成されている(各図では、便宜上、特定の接合孔部に符号19bを付し、その他の接合孔部に共通の符号19aを付す)。例えばバックドアボディ13には、その上周縁と左右の周縁に沿うように複数の接合孔部19aが適宜の間隔で設けられている。またバックドアボディ13の下周縁には、バックドアガーニッシュ用の複数(図4では7つ)の接合孔部19a(19b)が設けられ、さらに後述の案内部材用の右接合孔部19cと左接合孔部19dが設けられている。これら右接合孔部19cと左接合孔部19dは、バックドアボディ13の下周縁の中央に設けられた接合孔部(中央の接合孔部19b)の左右に分かれて設けられている。
[バックドアガーニッシュ(外装材)]
図3、図4及び図6に示すバックドアガーニッシュ20は、その後面がドア本体部12の意匠面となっており、上述の角形凹部21と貫通窓部22とが設けられている。ここで角形凹部21は、概ね台形状をなす凹み箇所であり、その上辺位置は、バックドアガーニッシュ20の上部から段差状に凹んだ庇状に形成されている。また角形凹部21の上辺位置に設けられた貫通窓部22は、バックドアボディ13側の各貫通孔15〜18を網羅するように左右に長尺な矩形に形成されており、その下縁22aと上縁22bは左右に直線的に延び、右縁22cと左縁22dは上下に延びている。そして貫通窓部22の下縁22aは、後述するようにバックモニタ用の別体カバー9との境界(見切り線)をなす箇所となっている。そして下縁22aの左側には円弧形状の切欠き部位220aが設けられており、この切欠き部位220aが、図2に示すバックモニタ8の下方に配置されることとなる。
また図4に示すバックドアガーニッシュ20は、その前面(裏面)をバックドアボディ13に向けた状態で組付けられる。そして図6に示すバックドアガーニッシュ20の前面周縁には、平面視で概ね横コ字状の組付け用板部30が固定されて一体化されている。この組付け用板部30は、バックドアガーニッシュ20の下縁に沿って左右方向に延設する凹凸嵌合部位31と、凹凸嵌合部位31の右側に設けられた右側部位32と、凹凸嵌合部位31の左側に設けられた左側部位33とを有している。ここで右側部位32は、L字状に形成された板状部位であり、バックドアガーニッシュ20の下縁右側から右縁にかけての部分に固定されている。また左側部位33は、逆L字状に形成された板状部位であり、バックドアガーニッシュ20の下縁左側から左縁にかけての部分に固定されている。
そして図6に示す凹凸嵌合部位31は、適度な上下方向の寸法をもって左右に延びる板状部位であり、バックドアガーニッシュ20の下縁に沿うように固定されている。この凹凸嵌合部位31は、図7に示す断面視において、前後方向に凹凸状となるように屈曲形成されており、前側と後側とに交互に突出しながら上方に延長している。すなわち凹凸嵌合部位31には、前側に突出する上側の凸部34及び下側の凸部36と、両凸部34,36間に位置して後側に突出する凹部35とが形成されている。そして凹部35は、バックドアボディ13側の凹凸嵌合用の凸部分(後述する案内部材50)が嵌り込む凹部分となっている。この凹部35は、断面視で前方が解放されたコ字状に形成されており、後方で起立する後面部35aと、後面部35aの下縁から前方且つ下方に傾斜して延長する下面部35bと、後面部35aの上縁から前方に概ね直線的に延長する上面部35cとを有している。そして凹部35の前後の寸法(奥行寸法L1)は、後述する組付け時において案内部材50が後面部35aに突き当たるなどして隣接可能な寸法に設定される。また凹部35の上下の寸法L2(開口寸法)は、案内部材50を挿入可能な寸法に設定でき、本実施例では、下面部35bを傾斜させたことで前方に向かうほど大きく拡開している。
また図5及び図6を参照して、バックドアガーニッシュ20の前面の適宜の位置には、バックドアボディ13との接合用の接合部40,41が形成されている。これら各接合部40,41では、その孔部(符号省略)にクリップ状の接合部材JMが挿設されて前方に突出している(図6では、便宜上、一部の接合部に設けられた接合部材にのみ対応する符号JMを付す)。例えばバックドアガーニッシュ20では、その周縁に沿うように複数の接合部40が適宜の間隔で設けられ、さらに凹凸嵌合部位31の上側の凸部34にも複数(図6では5つ)の接合部40(41)が左右に適宜の間隔をあけて設けられている。
そして凹凸嵌合部位31では、図6〜図8を参照して、上側の凸部34の中央部に段差状に後方に凹んだ配置凹部37が設けられており、この配置凹部37には、後述する案内部材50を配置させることができる。この配置凹部37の中央には、一つの接合部(中央の接合部41)が設けられている。そして中央の接合部41は、配置凹部37の凹み量を吸収するように前方に向けて凸の柱形状をなし、その前面から接合部材JMが突出している。また図8及び図9を参照して、凹部35の上面部35cの中央部には平板状の突出板部38が固着されており、この突出板部38は、後述する案内部材50の規制部位55に収容することが可能である(図8では、便宜上、組付け後の突出板部の配置位置(38)を二点破線で図示する)。
[案内部材]
図4に示す案内部材50は、バックドアボディ13に対してバックドアガーニッシュ20を凹凸嵌合させる向きに案内する部材であり、本実施例ではバックドアボディ13に配設されている。この案内部材50は、図10及び図11に示す横板部51及び左右一対の縦板部52,53を有するとともに、後述するガイド部位54と規制部位55と回避部位56が設けられている。ここで横板部51は、上方視において左右に長尺な矩形の板材であり、その前端側は下方に曲げ返されている。また横板部51は、その下面に複数のリブLBが左右に適宜の間隔をあけて凸設されて補強されている。
また図10及び図11に示す左右一対の縦板部(右縦板部52,左縦板部53)は、それぞれ横板部51の前縁に沿って上方に張り出している立壁状の部位であり、左右方向に適宜の間隔をあけて形成されている。そして右縦板部52は、横板部51の右側から上方に立ち上がっている概ね矩形の部位であり、その中央にクリップ状の接合部材JMが挿設されて前方に突出している。また左縦板部53は、横板部51の左側から上方に立ち上がっている概ね矩形の部位であり、その中央に接合部材JMが挿設されて前方に突出している。そして本実施例では、各縦板部52,53を利用して、図4に示すバックドアボディ13に案内部材50を配設することができる。すなわち右縦板部52及び左縦板部53に挿設されている接合部材JMを、それぞれバックドアボディ13の右接合孔部19c及び左接合孔部19dに挿入係合することで、案内部材50を、バックドアボディ13の後面下周縁の中央部に固定することができる。そしてこのように配設された案内部材50では、図12に示すように横板部51が後方に突出した状態となり、バックドアボディ13の凹凸嵌合用の凸部分を構成することとなる。
[ガイド部位]
図10及び図12に示す案内部材50(横板部51)は、上述のようにバックドアボディ13から後方に突出することで、組付け時のバックドアガーニッシュ20を下支え可能な位置に配置される。この横板部51の上面は、先端の後側から前に向かうにつれて段差状に高さが高くなっており、バックドアガーニッシュ20を前方(一方向)及び上方(他方向)に案内可能なガイド部位54となっている。すなわちガイド部位54は、先端の後側に形成された第一ガイド面54aと、前側に形成された第二ガイド面54cとを有し、さらに第一ガイド面54aよりも第二ガイド面54cの高さ位置が一段高くなっている。そして第一ガイド面54aと第二ガイド面54cは、これらの間に形成された傾斜ガイド面54bにて一続きとなっており、この傾斜ガイド面54bは、第一ガイド面54aから第二ガイド面54cに向かうにつれて次第に上方に向けて傾斜している。
[規制部位]
また案内部材50には、図8及び図10を参照して、組付け時のバックドアガーニッシュ20の左右(意匠面の面方向)の移動を規制する規制部位55を設けることができる。例えば本実施例の横板部51は、図10に示す右縦板部52と左縦板部53の間に位置する部分が一段低くなっており、この低くされた部分が規制部位55となっている。この規制部位55は、傾斜ガイド面54bから第二ガイド面54cにかけての部分に設けられた概ね矩形の部位であり、傾斜ガイド面54b側で末広がり状に左右の寸法が大きくなっている。また規制部位55の後縁は、先端の第一ガイド面54aと概ね面一となっており、規制部位55の右縁と左縁と前縁とには立壁状の内壁部55a,55b,55cが設けられている。そして規制部位55の後側の内壁部55cは前縁側で左右に延び、右側の内壁部55aと左側の内壁部55bは、後側に向かうにつれて次第に高くなるように前後に延びている。そして規制部位55には、図8に示す凹凸嵌合部位31に固着された突出板部38が挿入され、この突出板部38の左右動が左右の内壁部55a,55bにて規制されることとなる。
[回避部位]
さらに案内部材50には、図9及び図10を参照して、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の接合箇所への干渉を避ける回避部位56を設けることができる。例えば本実施例では、図9に示すバックドアボディ13の中央の接合孔部19bが、バックドアガーニッシュ20の中央の接合部41に接合される。そこで本実施例では、図9及び図10に示すように、案内部材50の右縦板部52と左縦板部53の間が概ね矩形に切欠かれた状態となっており、この切欠かれた部分が回避部位56となっている。そして案内部材50を配設した状態においては、バックドアボディ13の中央の接合孔部19bが回避部位56を通して後方に露出して、バックドアガーニッシュ20の中央の接合部41に接合可能な位置に配置されることとなる。
[組付け作業]
図2〜図4を参照して、ドア本体部12の組付け作業では、別体カバー9との位置関係を考慮して、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に近づけながら上方に移動させていく必要がある。そして本実施例の外装組付け構造では、上述した案内部材50にて組付け時の負担を軽減するのであるが、この種の構造では、組付け時の作業性の確保とともに、組付け後のバックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが望まれる。
そこで図12に示すバックドアボディ13には、バックドアボディ13に対してバックドアガーニッシュ20を凹凸嵌合させる向きに案内する案内部材50が設けられている。そして本実施例では、案内部材50が、図13に示す組付け状態のバックドアボディ13とバックドアガーニッシュ20の間に介装されて、バックドアガーニッシュ20をその厚み方向から支持している。すなわち本実施例では、案内部材50によって、意匠面を備えたバックドアガーニッシュ20を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、バックドアボディ13に凹凸嵌合して組付けることとしている。そこで以下に、案内部材50を用いた組付け作業と、組付け後の案内部材50の作用を詳述する。
[案内部材を用いた組付け作業]
図9及び図12を参照して、ドア本体部12の組付け作業では、バックドアガーニッシュ20の中央部(凹凸嵌合部位31の配置凹部37)に、バックドアボディ13に配設された案内部材50)を位置合わせしておく。この状態で図12に示すバックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31の凹部35に、バックドアボディ13から突出する案内部材50(凸部)を挿入していく。そして凹部35の上面部35cをガイド部位54に押し当てて(仮置きして)支持させながら前方に摺動させることで、この凹部35の形成されたバックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13の適所に案内することができる。すなわち凹部35の上面部35cは、図13及び図14に示すように第一ガイド面54aから傾斜ガイド面54bを通じて一段高い第二ガイド面54cに移動し、これによりバックドアガーニッシュ20を前方に向かうにつれて次第に上方に移動させるように案内することができる。そして案内部材50の横板部51を、例えば凹部35の後面部35aに突き当てるまで挿入させることで、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に凹凸嵌合させて組付けることができる。こうして本実施例では、案内部材50を利用することで、比較的大型のバックドアガーニッシュ20を作業者が無理なくバックドアボディ13に組付けることができる。そして案内部材50は、凹部35に凹凸嵌合した状態となって、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の間に介装された状態となる。
また上述の組付け作業によって、案内部材50の各縦板部52,53が、図8及び図12に示す配置凹部37に収まり良く配置される。このとき上面部35cに固着された突出板部38は、案内部材50の規制部位55に収容されて、左右の内壁部55a,55bの間に配置される(図8の二点破線で示す突出板部の配置位置(38)を参照)。そして突出板部38の左右動を対応する内壁部55a,55bで規制することにより、この突出板部38の固着されたバックドアガーニッシュ20の左右の位置ずれが阻止されることとなる。こうして本実施例では、バックドアボディ13に対するバックドアガーニッシュ20の意図しない左右動(面方向への位置ずれ)を極力回避することで、優れた組付け性の確保に資する構成となっている。
[バックドアガーニッシュと別体カバーの位置関係]
また上述の組付け作業によって、図2及び図3に示すようにバックドアガーニッシュ20の貫通窓部22に、バックドアボディ13に配設されたバックモニタ8等が配置される。そして貫通窓部22の下縁22aは、上述したようにバックモニタ8を保護する別体カバー9との境界(見切り線)をなし、さらに下縁22aの切欠き部位220aが、バックモニタ8の下方位置に配置される。このような構成では、貫通窓部22の切欠き部位220a(別体カバー9との見切り線)がバックモニタ8から大きく下方に離れてしまうと、ドア本体部12の優れた見栄えの確保に支障をきたすおそれがある。そこで本実施例では、案内部材50によって、バックドアガーニッシュ20を前方に向かうにつれて次第に上方に案内することとしている。すなわち図15に示すようにバックドアガーニッシュ20を前方に押し込むことで、貫通窓部22の切欠き部位220aが、バックモニタ8を回り込むように前方且つ上方に移動してその直下に配置される。このように切欠き部位220aを、組付け前の高さ位置H0よりも上方の高さ位置H1に配置することで、図2に示す別体カバー9との境界(見切り線)をバックモニタ8にて隠すことができ、優れた見栄えの確保に資する構成となる。
そしてバックドアガーニッシュ20は、上述の凹凸嵌合とともに、バックドアボディ13に接合されて取付けられる。すなわち図5及び図6を参照して、バックドアガーニッシュ20の各接合部40の接合部材JMが、バックドアボディ13の対応する接合孔部19aに挿入係合される。このとき図9に示すように、案内部材50に切欠き状の回避部位56を設けたことで、バックドアガーニッシュ20の中央の接合部41の接合部材JMも、バックドアボディ13の中央の接合孔部19bにスムーズに挿入係合される。こうして本実施例では、案内部材50に回避部位56を設けることにより、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の接合の際に案内部材50が邪魔となることを極力回避することができる。
[組付け後のバックドアガーニッシュの剛性]
そして図1、図2、図13及び図14に示す組付け後においては、案内部材50が、上述したようにバックドアボディ13とバックドアガーニッシュ20の間に介装された状態となる。そして介装された案内部材50は、凹部35の後面部35aに突き当てられて隣接配置されることにより、バックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31をその厚み方向(各図の前後方向)から支持している。こうして介装状態の案内部材50がバックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31を厚み方向から支持することで、バックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが可能となる。特に本実施例では、バックドア10の開閉の際に、バックドア10の下周縁に乗員が手をかけることが多いことを考慮して、案内部材50によってバックドアガーニッシュ20の下周縁側を支持させている。このため本実施例では、バックドアガーニッシュ20が何らかの外力を受けた際に、その意匠面が過度に撓まないように剛性(手押し剛性)を確保することで、バックドア10の優れた外観意匠の維持に資する構成となる。なお介装状態の案内部材50は、凹部35の後面部35aに隣接させておいてもよく、バックドアガーニッシュ20の過度の撓みを阻止出来るならば後面部35aとの間に若干の隙を設けて近接配置させておくこともできる。
以上説明した通り本実施例では、案内部材50によって、バックドアボディ13(ボディ)に対してバックドアガーニッシュ20(外装材)を凹凸嵌合させる向きに案内することにより、これらの組付け時の作業性を確保している。そして組付け後においては、介装状態の案内部材50がバックドアガーニッシュ20を厚み方向から支持するため、バックドアガーニッシュ20の剛性の確保に資する構成となっている。このため本実施例によれば、意匠面を備えたバックドアガーニッシュ20を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、バックドアボディ13に凹凸嵌合して組付けることができる。
さらに本実施例では、組付け後の案内部材50がバックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合している部分(凹凸嵌合部位31)を支持することで、バックドアガーニッシュ20の剛性をより適切に確保することができる。また本実施例では、バックドア10の下周縁が相対的に外力を受けやすい箇所であることを考慮して、案内部材50によってバックドアガーニッシュ20の下周縁を支持させることにより、バックドアガーニッシュ20の剛性をさらに適切に確保することが可能となっている。また本実施例では、案内部材50のガイド部位54によって、バックドアガーニッシュ20を一方向及び他方向に移動させながらバックドアボディ13の適所に案内して凹凸嵌合させることができ、組付け時の優れた作業性の確保に資する構成となっている。また本実施例では、案内部材50の規制部位55によって、組付け状態のバックドアガーニッシュ20の面方向の移動(意図しない位置ずれ)を極力回避することにより、バックドアボディ13に対するバックドアガーニッシュ20の組付け性をより確実に確保することができる。そして本実施例では、案内部材50に回避部位56を設けることにより、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の接合の際に案内部材50が邪魔となることを極力回避することができる。
本実施形態の車両の外装組付け構造は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、案内部材50の構成(形状,寸法,配設位置,配設数など)を例示したが、案内部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば案内部材は外装材とボディの少なくとも一方に設けることもでき、本実施例とは逆に、外装材に案内部材(凸部)を配設し、ボディに凹部を設けておくこともできる。なお本実施例とは逆の構成として、案内部材を上下逆にしてバックドアガーニッシュに配設し、バックドアボディに設けられた凹凸嵌合部位の凹部の下面部に仮置きする構成を例示できる。
また案内部材は、外装材とボディの適宜の位置(凹凸嵌合する部分とは異なる位置を含む)に設けることが可能であり、下周縁のほか、右周縁や左周縁や上周縁にも複数又は単数設けることができる。また案内部材のガイド部位の構成は、組付け方向に応じて前後左右上下のいずれかの方向に案内できるように設定でき、必ずしも二方向(一方向及び他方向)に案内する必要はない。また規制部位と回避部位の構成も、外装材とボディの構成に応じて適宜変更でき、また省略することも可能である。例えば規制部位を、本実施例の突出板部を後方から挿入可能な箱状又は孔状に形成して、組付け後の突出板部の上下左右(意匠面の面方向)の動きを規制する構成とすることができ、上下方向のみの移動を規制する構成とすることもできる。また回避部位も切欠き状や孔状に形成することができる。なお案内部材及び凹凸嵌合部位は、外装材又はボディの一部を用いて形成することも可能である。
また本実施形態では、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13を一例に、外装材とボディの構成を説明したが、外装材とボディの構成を限定する趣旨ではない。例えば外装材とボディとして、バックドアなどの各種のドア部のほか、車体を構成する各種の部材を想定できる。そして案内部材の構成も、想定される外装材とボディに応じて適宜変更することができる。また外装材とボディの接合手法として、クリップ固定やねじ固定やカシメなどの機械的接合手法のほか、これらの材料に応じて、溶接などの冶金的接合手法や、接着剤を用いた接合手法を採用できる。なお本実施例では、機械的接合手法によって、金属製のバックドアボディに、樹脂製のバックドアガーニッシュ及び案内部材を接合している。
2 車両
3 車両ボディ
4 ドア開口部
5 開ハンドル
6,7 照明具
8 バックモニタ
9 別体カバー
10 バックドア
11 窓部
12 ドア本体部
13 バックドアボディ(本発明のボディ)
14 凹部位
15 中央貫通孔
16,17 端側貫通孔
18 左側貫通孔
20 バックドアガーニッシュ(本発明の外装材)
21 角形凹部
22 貫通窓部
22a 下縁
22b 上縁
22c 右縁
22d 左縁
220a 切欠き部位
19a 接合孔部
19b 中央の接合孔部
19c 右接合孔部
19d 左接合孔部
30 組付け用板部
31 凹凸嵌合部位(本発明の外装材とボディの凹凸嵌合している部分)
32 右側部位
33 左側部位
34 上側の凸部
35 凹部
35a 後面部
35b 下面部
35c 上面部
36 下側の凸部
37 配置凹部
38 突出板部
40 接合部
41 中央の接合部
50 案内部材
51 横板部
52 右縦板部
53 左縦板部
54 ガイド部位
54a 第一ガイド面
54b 傾斜ガイド面
54c 第二ガイド面
55 規制部位
55a 右側の内壁部
55b 左側の内壁部
55c 後側の内壁部
56 回避部位
LB リブ
JM 接合部材

Claims (6)

  1. 意匠面を備えた外装材を、ボディに凹凸嵌合させて組付ける車両の外装組付け構造において、
    前記ボディと前記外装材のいずれか一方には、前記ボディに対して前記外装材を凹凸嵌合させる向きに案内する案内部材が設けられ、
    前記案内部材は、組付け状態の前記外装材と前記ボディの間に介装された状態となって、前記外装材をその厚み方向から支持する車両の外装組付け構造。
  2. 前記案内部材は、前記外装材と前記ボディの凹凸嵌合している部分に設けられている請求項1に記載の車両の外装組付け構造。
  3. 前記案内部材は、車両のドア部を構成する前記外装材と前記ボディの周縁に介装されるように設けられている請求項1又は2に記載の車両の外装組付け構造。
  4. 前記外装材を前記ボディに凹凸嵌合させる際に、前記外装材が、前記ボディに近づく一方向に移動しながら、前記一方向とは異なる他方向に移動して前記ボディに凹凸嵌合する構成であり、
    前記案内部材には、前記一方向に移動するにつれて前記他方向に移動させるように前記外装材を案内するガイド部位が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の外装組付け構造。
  5. 前記案内部材には、組付け状態の前記外装材が前記意匠面の面方向に移動することを規制する規制部位が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の外装組付け構造。
  6. 前記案内部材には、前記外装材と前記ボディの接合箇所への干渉を避ける回避部位が設けられている請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の外装組付け構造。
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