JP7429852B2 - 車両の外装組付け構造 - Google Patents
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そして第1発明の車両の外装組付け構造の案内部材は、車両のドア本体部を構成する外装材とボディの周縁に介装されるように設けることもできる。この場合には、ドア本体部の周縁が相対的に外力を受けやすい箇所であることを考慮して、案内部材によって外装材の周縁を支持させることにより、外装材の剛性をさらに適切に確保することが可能となっている。
ここで車両の外装組付け構造を説明する前に、先ず、車両の後部の概要について説明する。図1に示す車両2は、車両ボディ3の後面にドア開口部4が設けられており、ドア開口部4が上下回動式のバックドア10によって開閉可能に構成されている。このバックドア10は、窓部11とドア本体部12とを備え、さらにドア本体部12の意匠面をなすバックドアガーニッシュ20がバックドア10を横断するように設けられている。そしてバックドアガーニッシュ20には、その中央部にライセンスプレート(図示省略)を取付けるための角形凹部21が形成されている。
図2及び図4に示すドア本体部12は、その外形をなすバックドアボディ13に、バックドアガーニッシュ20を凹凸嵌合して組付けることで形成されている。なお凹凸嵌合とは、バックドアボディ13の一部(後述する案内部材)が、バックドアガーニッシュ20の一部(後述する凹部)に挿入されて嵌められることを意味する。そして本実施例の外装組付け構造は、本発明の外装材に相当するバックドアガーニッシュ20を、本発明のボディに相当するバックドアボディ13に組付けるための構造である。このドア本体部12の組付け作業では、後述する別体カバー9との位置関係を考慮して、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に近づけながら上方に移動させていく必要がある。このため外装組付け構造では、後述する案内部材50を用いて組付け時の負担を軽減するのであるが、この種の構造では、組付け後のバックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが望まれる。そこで本実施例では、後述する構成にて、バックドアガーニッシュ20を、組付け時の作業性と組付け後の剛性を確保しつつ、バックドアボディ13に凹凸嵌合して組付けることとした。以下、外装組付け構造の各構成と組付け手法を詳述する。
図4に示すバックドアボディ13は、ドア本体部12の外形をなす部材であり、車幅方向となる左右方向に長尺な概ね矩形に形成されている。このバックドアボディ13の後面の中央部には、バックドアガーニッシュ20の角形凹部21の外形に倣った凹部位14が突設されている。そして凹部位14の上辺位置には、開ハンドル用の中央貫通孔15と、照明具用の左右一対の端側貫通孔16,17と、バックモニタ用の左側貫通孔18とが設けられている。
図3、図4及び図6に示すバックドアガーニッシュ20は、その後面がドア本体部12の意匠面となっており、上述の角形凹部21と貫通窓部22とが設けられている。ここで角形凹部21は、概ね台形状をなす凹み箇所であり、その上辺位置は、バックドアガーニッシュ20の上部から段差状に凹んだ庇状に形成されている。また角形凹部21の上辺位置に設けられた貫通窓部22は、バックドアボディ13側の各貫通孔15~18を網羅するように左右に長尺な矩形に形成されており、その下縁22aと上縁22bは左右に直線的に延び、右縁22cと左縁22dは上下に延びている。そして貫通窓部22の下縁22aは、後述するようにバックモニタ用の別体カバー9との境界(見切り線)をなす箇所となっている。そして下縁22aの左側には円弧形状の切欠き部位220aが設けられており、この切欠き部位220aが、図2に示すバックモニタ8の下方に配置されることとなる。
図4に示す案内部材50は、バックドアボディ13に対してバックドアガーニッシュ20を凹凸嵌合させる向きに案内する部材であり、本実施例ではバックドアボディ13に配設されている。この案内部材50は、図10及び図11に示す横板部51及び左右一対の縦板部52,53を有するとともに、後述するガイド部位54と規制部位55と回避部位56が設けられている。ここで横板部51は、上方視において左右に長尺な矩形の板材であり、その前端側は下方に曲げ返されている。また横板部51は、その下面に複数のリブLBが左右に適宜の間隔をあけて凸設されて補強されている。
図10及び図12に示す案内部材50(横板部51)は、上述のようにバックドアボディ13から後方に突出することで、組付け時のバックドアガーニッシュ20を下支え可能な位置に配置される。この横板部51の上面は、先端の後側から前に向かうにつれて段差状に高さが高くなっており、バックドアガーニッシュ20を前方(一方向)及び上方(他方向)に案内可能なガイド部位54となっている。すなわちガイド部位54は、先端の後側に形成された第一ガイド面54aと、前側に形成された第二ガイド面54cとを有し、さらに第一ガイド面54aよりも第二ガイド面54cの高さ位置が一段高くなっている。そして第一ガイド面54aと第二ガイド面54cは、これらの間に形成された傾斜ガイド面54bにて一続きとなっており、この傾斜ガイド面54bは、第一ガイド面54aから第二ガイド面54cに向かうにつれて次第に上方に向けて傾斜している。
また案内部材50には、図8及び図10を参照して、組付け時のバックドアガーニッシュ20の左右(意匠面の面方向)の移動を規制する規制部位55を設けることができる。例えば本実施例の横板部51は、図10に示す右縦板部52と左縦板部53の間に位置する部分が一段低くなっており、この低くされた部分が規制部位55となっている。この規制部位55は、傾斜ガイド面54bから第二ガイド面54cにかけての部分に設けられた概ね矩形の部位であり、傾斜ガイド面54b側で末広がり状に左右の寸法が大きくなっている。また規制部位55の後縁は、先端の第一ガイド面54aと概ね面一となっており、規制部位55の右縁と左縁と前縁とには立壁状の内壁部55a,55b,55cが設けられている。そして規制部位55の後側の内壁部55cは前縁側で左右に延び、右側の内壁部55aと左側の内壁部55bは、後側に向かうにつれて次第に高くなるように前後に延びている。そして規制部位55には、図8に示す凹凸嵌合部位31に固着された突出板部38が挿入され、この突出板部38の左右動が左右の内壁部55a,55bにて規制されることとなる。
さらに案内部材50には、図9及び図10を参照して、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の接合箇所への干渉を避ける回避部位56を設けることができる。例えば本実施例では、図9に示すバックドアボディ13の中央の接合孔部19bが、バックドアガーニッシュ20の中央の接合部41に接合される。そこで本実施例では、図9及び図10に示すように、案内部材50の右縦板部52と左縦板部53の間が概ね矩形に切欠かれた状態となっており、この切欠かれた部分が回避部位56となっている。そして案内部材50を配設した状態においては、バックドアボディ13の中央の接合孔部19bが回避部位56を通して後方に露出して、バックドアガーニッシュ20の中央の接合部41に接合可能な位置に配置されることとなる。
図2~図4を参照して、ドア本体部12の組付け作業では、別体カバー9との位置関係を考慮して、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に近づけながら上方に移動させていく必要がある。そして本実施例の外装組付け構造では、上述した案内部材50にて組付け時の負担を軽減するのであるが、この種の構造では、組付け時の作業性の確保とともに、組付け後のバックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが望まれる。
図9及び図12を参照して、ドア本体部12の組付け作業では、バックドアガーニッシュ20の中央部(凹凸嵌合部位31の配置凹部37)に、バックドアボディ13に配設された案内部材50)を位置合わせしておく。この状態で図12に示すバックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31の凹部35に、バックドアボディ13から突出する案内部材50(凸部)を挿入していく。そして凹部35の上面部35cをガイド部位54に押し当てて(仮置きして)支持させながら前方に摺動させることで、この凹部35の形成されたバックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13の適所に案内することができる。すなわち凹部35の上面部35cは、図13及び図14に示すように第一ガイド面54aから傾斜ガイド面54bを通じて一段高い第二ガイド面54cに移動し、これによりバックドアガーニッシュ20を前方に向かうにつれて次第に上方に移動させるように案内することができる。そして案内部材50の横板部51を、例えば凹部35の後面部35aに突き当てるまで挿入させることで、バックドアガーニッシュ20をバックドアボディ13に凹凸嵌合させて組付けることができる。こうして本実施例では、案内部材50を利用することで、比較的大型のバックドアガーニッシュ20を作業者が無理なくバックドアボディ13に組付けることができる。そして案内部材50は、凹部35に凹凸嵌合した状態となって、バックドアガーニッシュ20とバックドアボディ13の間に介装された状態となる。
また上述の組付け作業によって、図2及び図3に示すようにバックドアガーニッシュ20の貫通窓部22に、バックドアボディ13に配設されたバックモニタ8等が配置される。そして貫通窓部22の下縁22aは、上述したようにバックモニタ8を保護する別体カバー9との境界(見切り線)をなし、さらに下縁22aの切欠き部位220aが、バックモニタ8の下方位置に配置される。このような構成では、貫通窓部22の切欠き部位220a(別体カバー9との見切り線)がバックモニタ8から大きく下方に離れてしまうと、ドア本体部12の優れた見栄えの確保に支障をきたすおそれがある。そこで本実施例では、案内部材50によって、バックドアガーニッシュ20を前方に向かうにつれて次第に上方に案内することとしている。すなわち図15に示すようにバックドアガーニッシュ20を前方に押し込むことで、貫通窓部22の切欠き部位220aが、バックモニタ8を回り込むように前方且つ上方に移動してその直下に配置される。このように切欠き部位220aを、組付け前の高さ位置H0よりも上方の高さ位置H1に配置することで、図2に示す別体カバー9との境界(見切り線)をバックモニタ8にて隠すことができ、優れた見栄えの確保に資する構成となる。
そして図1、図2、図13及び図14に示す組付け後においては、案内部材50が、上述したようにバックドアボディ13とバックドアガーニッシュ20の間に介装された状態となる。そして介装された案内部材50は、凹部35の後面部35aに突き当てられて隣接配置されることにより、バックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31をその厚み方向(各図の前後方向)から支持している。こうして介装状態の案内部材50がバックドアガーニッシュ20の凹凸嵌合部位31を厚み方向から支持することで、バックドアガーニッシュ20の剛性を確保することが可能となる。特に本実施例では、バックドア10の開閉の際に、バックドア10の下周縁に乗員が手をかけることが多いことを考慮して、案内部材50によってバックドアガーニッシュ20の下周縁側を支持させている。このため本実施例では、バックドアガーニッシュ20が何らかの外力を受けた際に、その意匠面が過度に撓まないように剛性(手押し剛性)を確保することで、バックドア10の優れた外観意匠の維持に資する構成となる。なお介装状態の案内部材50は、凹部35の後面部35aに隣接させておいてもよく、バックドアガーニッシュ20の過度の撓みを阻止出来るならば後面部35aとの間に若干の隙を設けて近接配置させておくこともできる。
3 車両ボディ
4 ドア開口部
5 開ハンドル
6,7 照明具
8 バックモニタ
9 別体カバー
10 バックドア
11 窓部
12 ドア本体部
13 バックドアボディ(本発明のボディ)
14 凹部位
15 中央貫通孔
16,17 端側貫通孔
18 左側貫通孔
20 バックドアガーニッシュ(本発明の外装材)
21 角形凹部
22 貫通窓部
22a 下縁
22b 上縁
22c 右縁
22d 左縁
220a 切欠き部位
19a 接合孔部
19b 中央の接合孔部
19c 右接合孔部
19d 左接合孔部
30 組付け用板部
31 凹凸嵌合部位(本発明の外装材とボディの凹凸嵌合している部分)
32 右側部位
33 左側部位
34 上側の凸部
35 凹部
35a 後面部
35b 下面部
35c 上面部
36 下側の凸部
37 配置凹部
38 突出板部
40 接合部
41 中央の接合部
50 案内部材
51 横板部
52 右縦板部
53 左縦板部
54 ガイド部位
54a 第一ガイド面
54b 傾斜ガイド面
54c 第二ガイド面
55 規制部位
55a 右側の内壁部
55b 左側の内壁部
55c 後側の内壁部
56 回避部位
LB リブ
JM 接合部材
Claims (5)
- 車両のドア本体部において、その外形をなすボディに、意匠面を備えた外装材を組付けるための車両の外装組付け構造であって、
前記ボディと前記外装材のいずれか一方には、他方を向く面に凹部が形成され、他方には、前記外装材を前記ボディに押し込むときに前記外装材を前記ボディに対する適正な組付け位置へ前記凹部を介して案内する案内部材が突出形成され、
前記外装材が前記ボディに組付けられた状態では、前記案内部材の先端が前記凹部の底面に近接又は当接し、前記外装材が外力を受けたときに前記案内部材の先端が前記凹部の底面に突き当たる車両の外装組付け構造。 - 前記案内部材は、前記外装材が前記ボディに組付けられた状態において、前記凹部に挿入されている請求項1に記載の車両の外装組付け構造。
- 前記外装材を前記ボディに組付ける際に、前記外装材が、前記ボディに近づく一方向に移動しながら、前記一方向とは異なる他方向に移動して前記ボディに組付けられる構成であり、
前記案内部材には、前記一方向に移動するにつれて前記他方向に移動させるように前記外装材を案内するガイド部位が設けられている請求項1又は2に記載の車両の外装組付け構造。 - 前記案内部材には、組付け状態の前記外装材が前記案内部材の突出する方向に対して直交する方向となる前記意匠面の面方向に移動することを規制する規制部位が設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の車両の外装組付け構造。
- 意匠面を備えた外装材を、ボディに組付ける車両の外装組付け構造であって、
前記ボディと前記外装材のいずれか一方には、他方を向く面に凹部が形成され、他方には、前記外装材を前記ボディに押し込むときに前記外装材を前記ボディに対する適正な組付け位置へ前記凹部を介して案内する案内部材が突出形成され、
前記外装材が前記ボディに組付けられた状態では、前記案内部材の先端が前記凹部の底面に近接又は当接し、前記外装材が外力を受けたときに前記案内部材の先端が前記凹部の底面に突き当たるように構成され、
前記案内部材には、前記外装材と前記ボディの接合箇所への干渉を避ける回避部位が設けられている車両の外装組付け構造。
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