JP6001410B2 - 密閉型電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置 - Google Patents

密閉型電動圧縮機及びこれを用いた冷凍空調装置 Download PDF

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Description

本発明は冷凍空調機器等に用いられる密閉型電動圧縮機に関する。
冷凍機、空調機、冷蔵庫等の冷媒には、R134a、R410A、R407Cなどの水素含有フロンが使用されている。これらの冷媒は、オゾン層を破壊しないものの地球温暖化係数が大きいという問題がある。
一方、R32はオゾン層を破壊することなく、且つ、R410Aと比較すると地球温暖化係数は3分の1程度である。しかし、冷媒としてR32を採用した場合、R410Aに比べて圧縮機の吐出温度が高い。
ところで、圧縮機のモータは運転中に熱を発生するので、モータの温度は圧縮機の吐出ガスの温度よりも高い。そのため、従来からモータを圧縮機の吐出ガスで冷却して、モータの温度上昇を抑制してきた。
しかし、冷媒としてR32を用いた場合、R410Aなどに比べて圧縮機の吐出温度が高く、吐出ガスの温度がモータの温度に近づく。そのため、運転状態によっては吐出ガスでモータを十分に冷却することができず、モータに使用する希土類磁石が高温減磁するおそれがある。
特許文献1には、冷媒としてR32を用いた場合において、モータに使用する希土類磁石の厚みを増すことで高温減磁に対する耐久性を高めることが記載されている。
特開2001−115963号公報
しかしながら、希土類磁石の厚みを増す設計をして耐久性を高めた場合、希土類磁石の使用量増加につながりコスト面の上昇を招く。
そこで、本発明は、吐出ガスによるモータの冷却を促進して、モータに使用する希土類磁石の高温減磁を防ぐことを目的とする。
前述の目的を達成するための本発明の密閉型電動圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機と、圧縮機構及び電動機を収納し且つ底部に潤滑油を貯留する密閉容器と、を備え、電動機は、固定子と、回転子と、回転子に固定されたバランスウエイトと、を有し、回転子は永久磁石を有し、永久磁石の一部もしくは全部はNd-Fe-B系磁石であり、バランスウエイトは外周面に円周溝を有し、さらに、前記冷媒を前記密閉容器から吐出する吐出パイプを備え、前記バランスウエイトは前記回転子と前記吐出パイプとの間に位置し、前記円周溝は、前記回転子の径方向と略水平となる面を有する。なお、その他の課題を解決するための手段は、後述の発明を実施するための形態のなかで明らかにする。
本発明によれば、吐出ガスによるモータの冷却を促進して、モータに使用する希土類磁石の高温減磁を防ぐことができる。
密閉型電動圧縮機の縦断面図 密閉型電動圧縮機における冷媒ガス及び潤滑油の流れを示す図 回転子の部分断面を示した斜視図 円周溝形状図 円周溝形状図 従来例におけるオイルミスト分離の概念図 本実施例におけるオイルミスト分離の概念図 図1でバランスウエイト先端部が対向面に接近した状態の縦断面図
本実施形態における密閉型電動圧縮機50の全体の構成、動作、機能などに関して、図1〜図8を参照しながら説明する。
図1は密閉型電動圧縮機の縦断面図である。図2は密閉型電動圧縮機における冷媒ガス及び潤滑油の流れを示す図である。密閉型電動圧縮機50は、冷凍空調装置(例えば、空気調和機、冷蔵庫、冷凍庫、冷蔵・冷凍ショーケースなど)やヒートポンプ式給湯装置などの冷凍サイクルの構成機器として用いられ、密閉容器1、圧縮機構2及び電動機7を主要構成要素として備えている。
密閉容器1は、円筒状の筒部1aと筒部1aの上下に溶着された蓋部1b及び底部1cとから構成され、内部を密閉空間としている。密閉容器1は、圧縮機構2及び電動機7を収納し、底部1cにエーテル系又はエステル系冷凍機油で構成される潤滑油8を貯留している。潤滑油8の油面は副軸受15の上方に位置するよう設定されている。
密閉容器1の蓋部1bを貫通する吸込パイプ11と、密閉容器1の筒部1aを貫通する吐出パイプ22が設けられている。吐出パイプ22は、フレーム5の直下に位置して、密閉容器1内の中心方向に突出して設けられている。吐出パイプ22の先端はエンドコイル17の外周面より中心側まで突出して開口されている。
圧縮機構2は、R32の冷媒ガスを圧縮して密閉容器1内に吐出するものであり、密閉容器1内の上部に設置されている。圧縮機構2は、固定スクロール3、旋回スクロール4、フレーム5及びオルダムリングを主要構成要素として備えている。
固定スクロール3は、端板上に渦巻状のラップを立設して構成され、フレーム5上にボルト止めされている。固定スクロール3の周縁部には吸込口12が設けられ、中央部には吐出口14が設けられている。吸込口12には吸込パイプ11が連通している。吐出口14は密閉容器1内の圧縮機構2の上方空間に連通されている。
旋回スクロール4は、端板上に渦巻状のラップを立設して構成され、旋回スクロール4は固定スクロール3とフレーム5との間に挟み込まれている。旋回スクロール4と固定スクロール3を噛み合わせて圧縮室を形成する。旋回スクロール4の反固定スクロール側には旋回軸受が組み込まれるボス部が設けられている。旋回軸受には旋回スクロール4を偏心駆動させるために偏心ピン部6aが嵌合されている。
オルダムリングは、旋回スクロール4の自転規制機構を構成するものであり、旋回スクロール4とフレーム5との間に設置され、旋回スクロール4が自転するのを防止して円軌道運動を行わせる。
フレーム5は、密閉容器1に溶接で固定され、固定スクロール3、オルダムリング及び旋回スクロール4を支持している。フレーム5の中央には下方に突出する筒部が設けられている。この筒部内には、シャフト6を軸支する主軸受5aが設けられている。
電動機7は、回転子7a、固定子7b、シャフト6及びバランスウェイト16を主要構成要素として備える。
固定子7bは、電流を流して回転磁界を発生させる複数の導体を有するコイル24と、回転磁界を効率よく伝達するための鉄芯とを主要構成要素として備えている。
鉄芯は密閉容器1に焼き嵌めして固定されている。この固定子7bの外周には全周にわたって多数の切欠きが形成され、密閉容器1の筒部1aと固定子7bとの間の隙間18bが形成されている。圧縮機構2から吐出される油分を含む冷媒が隙間18bを一側(圧縮機構2側)から他側(油溜9側)に流れる。
本実施例では、切欠きによって隙間18bが形成されているが、密閉容器1の筒部1aと固定子7bを隙間18bができる形状として成形してもよい。
回転子7aと固定子7bとの間には隙間18aが形成されており、油分を含む冷媒が隙間18aを一側(油溜9側)から他側(圧縮機構2側)に流れる。
このように、圧縮機構2から吐出した冷媒が、密閉容器1内で、電動機7に対して圧縮機構2側の電動機の上方の空間20と、電動機7に対して油溜9側の電動機の下方の空間21と、を循環することで、冷媒と油とを分離させている。
シャフト6は、回転子7aの中央穴に嵌合されて回転子7aと一体化されている。シャフト6の一側(図示例では上側)は、回転子7aより突出して圧縮機構2に係合され、圧縮機構2の圧縮動作により偏心力が加えられる。本実施形態では、シャフト6は、その両側が回転子7aの両側より突出され、回転子7aの両側で主軸受5a及び副軸受15により軸支され、安定的に回転することができる。副軸受15は、密閉容器1に溶接して固定された支持部材により支持されると共に、潤滑油8に浸漬されている。
シャフト6の下端は密閉容器1の底部の油溜9内に延びている。シャフト6には潤滑油8を各軸受部および各摺動面へ供給する貫通穴6bが設けられ、下端部の油溜9より潤滑油8を貫通穴6bから吸い上げられるようになっている。圧縮機構2にシャフト貫通穴を通して油溜9より吸い上げられた潤滑油8は、各軸受及び圧縮機構2の摺動部に供給される。圧縮機構2の摺動部に供給された潤滑油8は、冷媒ガスと共に固定スクロール3の中央部の吐出口14から吐出される。
バランスウェイト16は、回転子7aの圧縮機構2側に設置された上バランスウェイト16a及び回転子7aの反圧縮機構2側に設置された下バランスウェイト16bから構成され、複数のリベット30により回転子7aに固定されている。
電動機7が通電されて回転子7aが回転すると、これに伴いシャフト6も回転され、偏心ピン部6aが偏心した回転運動をすることにより、旋回スクロール4が旋回駆動され、固定スクロール3と旋回スクロール4との間に形成される圧縮室が外周側から中央部に移動しながら小さくなる。これにより、密閉容器1の外部の冷凍サイクルに通じた吸込パイプ11及び吸込口12を通して冷媒ガスが吸入されて圧縮されて行き、圧縮された冷媒ガスは固定スクロール3の中央部の吐出口14から密閉容器1内の上部空間に吐出される。
これらの動作が繰り返される。なお、固定子7bのコイル24は集中巻方式で巻かれている。
次に、モータの放熱を促進するためにバランスウエイト16の表面積を増す構造について説明する。図3は回転子の部分断面を示した斜視図である。回転子7aは、鉄芯25と鉄芯25に内蔵された永久磁石33とを主要構成要素として備え、固定子7bからの回転磁界を回転運動に変換しシャフト6を中心に回転される。回転子7aは、固定子7bの鉄芯の中央穴に回転可能に配置されている。
ところで、回転子7aは、圧縮機構2から排出される高温の雰囲気冷媒に加えて、固定子7bの鉄芯25の中央穴にわずかな隙間を介して配置されており、固定子7bのコイル24で発生する熱を直接受けてしまうことから、高温になりやすい。
冷媒としてR32を用いた場合、R410Aなどに比べて圧縮機構2からの吐出ガスの温度が高く、吐出ガスの温度は回転子7aの温度に近づく。そのため、運転状態によっては吐出ガスで回転子7aを十分に冷却することができず、回転子7aに使用する希土類磁石が高温減磁するおそれがある。
本実施例では、上側バランスウエイト16a及び下側バランスウエイト16bの外周面に円周溝40を設け、上側バランスウエイト16a及び下側バランスウエイト16bの表面積を増加させている。回転子7aはバランスウエイト16に接続されるので、バランスウエイト16からの放熱量が増すことで、回転子7aの冷却が促進され、回転子7aに使用する希土類材料からなるNd−Fe−B系永久磁石33の高温減磁を防ぐことができる。
図4及び図5は、円周溝形状図である。円周溝40は、図4に示すような凹凸形状や、図5に示すような凹凸形状などのバランスウエイト16の表面積を増加させ、回転子7aの冷却を促進させることができる形状であればよい。
また、鋼板は磁性を帯びる性質があるため、回転子7aの鉄芯25とバランスウエイト16の間には非磁性体材料である真鍮やアルミニウム合金からなる当て板42を設けて、磁力漏れを防ぐ構造としている。
なお、バランスウエイト16の材料としては、高温状態でもクリープ変形を起こしにくい鉄系材料であれば、鉄(鋼以外)、亜鉛、真鍮等の材料であってもよい。
また、バランスウエイト16の表面積を増大させるためには、必ずしも円周溝40を等間隔に設ける必要はないが、本実施例ではバランスウエイト16の強度を均一にする目的で円周溝40を等間隔に設けている。
次に、オイルミスト41が密閉容器1から吐出するのを防ぐことを目的とした上側バランスウエイト16aの構造について説明する。図6は従来例におけるオイルミスト分離の概念図であり、図7は本実施例におけるオイルミスト分離の概念図である。
図6に示すように、表面張力により付着した微細なオイルミスト41は冷媒ガスの流れにより上側バランスウエイト16aの外周面表面をつたって上方に移動する。そして、オイルミスト41は上側バランスウエイト16aから吐出パイプ22に流れ、密閉容器1から吐出される。
対して、本実施例では、図7に示すように、上側バランスウエイト16aの外周面に円周溝40を設けている。より具体的には、図4に示すような回転子7aの径方向と水平となる面40aを有する円周溝40を設けている。本実施例によれば、円周溝40をつたう時に回転子7aの径方向に対し水平方向内側にかかる表面張力の向きを回転子7aの径方向に対し垂直方向に変えることができる。そのため、図7に示すように、本実施例における表面直力と遠心力の合力は、円周溝40をつたう時に上側バランスウエイト16aから離れる向きとなり、オイルミスト41を外周面から分離させることが可能となる。
本実施例の上側バランスウエイト16aは回転子7aと吐出パイプ22との間に位置するので、オイルミスト41を吐出パイプ22から下方に離れた位置で分離させることができ、オイルミスト41が密閉容器1から吐出するのを防ぎ、効率的にオイルミスト41を油溜9へ循環させることができる。特に、円周溝40を複数設けることにより、油分離の効果をより高めることができる。
さらに、圧縮機構2から吐出される冷媒が密閉容器1の筒部1aと固定子7bとの間を圧縮機構2側から底部にある油溜9側に流れ、固定子7bと回転子7aとの間を底部にある油溜9側から圧縮機構2側に流れ、吐出パイプ22より冷媒が吐出する構造であれば、分離したオイルミスト41を冷媒ガスの流れに合流させることができ、より効率的にオイルミスト41を油溜9へ循環させることができる。
また、本実施例では、オイルミスト41が上側バランスウエイト16aの外周面から分離するので、上側バランスウエイト16aがオイルミスト41に覆われにくい構造となっており、熱伝達という面からも効率よく回転子7aの熱を上側バランスウエイト16aを介して放熱することができる。
なお、回転子7aの径方向に対し水平方向の面40aは、回転子7aの径方向と水平とする場合だけでなく、水平からずれていてもよく、要するに、回転子7aの径方向に対し水平方向の面40aは、表面直力と遠心力とが打ち消しあわないような角度であればよい。又、反るような形状として、一部分が回転子7aの径方向に対し水平方向の面40aとなるようにしてもよい。
上述したような最外径の異なるバランスウエイト16を一体成形しようとすると、バリが出やすく生産性が悪化するおそれがある。そこで、本実施例では、バランスウエイト16を回転子7aの鉄芯と同様の材料からなる最外径の異なる板を積み重ねて、円周溝40を構成している。本実施例によれば、生産性を悪化させることなく、最外径の異なるバランスウエイト16を生産することができる。また、積み重ねる枚数を変えることで、円周溝40の幅、バランスウエイト16の表面積を調整することができる。
なお、本実施例における板は鋼板であるが、鉄(鋼以外)、アルミ、亜鉛、真鍮等の板としてもよい。バランスウエイト16の熱伝導率を向上させるためには、アルミ又は真鍮の板とするのが望ましい。
図8は、図1でバランスウエイトが対向面に接近した状態の縦断面図である。図8に示すように、上側バランスウエイト16aの先端部外周面が全周にわたって上側エンドコイル17よりも上方に突出し、上側バランスウエイト16aとフレーム5との間の隙間は、密閉容器1の筒部1aと固定子7bとの間の隙間18bよりも、狭い。
なお、本実施例では、フレーム5と主軸受5aとは一体で形成されているが、ここでの上側バランスウエイト16aとフレーム5との間の隙間には、上側バランスウエイト16aと主軸受5aとの間の隙間は含まれない。
本実施例によれば、圧縮機構2の下方に空間に導かれた冷媒ガスは上側バランスウエイト16aの上面及びその上方に流入することが抑制される。これによって、上側バランスウエイト16aの上面で冷媒ガスが掻き回されることが抑制され、冷媒ガスに含まれたオイルミスト41の微細化が抑制されるとともに、冷媒ガスが上側バランスウエイト16aの上面上方を通って直接吐出パイプ22に至り、冷凍サイクルへ流出することが抑制される。
また、上側バランスウエイト16aの長さが長くなるので、上側バランスウエイト16aの表面積を増加でき、上側バランスウエイト16aによる放熱量を増加させることができる。
また、本実施例の冷凍空調装置は、密閉型圧縮機50と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とから構成され、圧縮機構2から吐出される冷媒の温度を計測する温度センサ51を備え、冷媒としてR32を用い、温度センサ51で計測した冷媒の温度が所定の温度より高い場合に、回転子7aの回転数を低下させ、又は、膨張弁の開度を広げる。
本実施例の冷凍空調装置によれば、円周溝40によりバランスウエイト16の表面積を増加させているので、回転子7aの冷却が促進され、回転子7aの温度は圧縮機構2から吐出される冷媒の温度に近づく。そのため、回転子7aの温度を直接計測せずに、温度センサ51で計測する吐出ガスの温度を回転子7aの温度と近似して、回転子7aの回転数や膨張弁の開度を制御しても、回転子7aに用いられるNd−Fe−B系永久磁石33の高温減磁を防ぐことができる。
なお、本実施例では、温度センサ51を蓋部1bの上部に設けて、圧縮機構2から吐出される冷媒の温度を計測しているが、吐出パイプ22等に設けて冷媒の温度を計測するようにしてもよい。
また、モータに希土類磁石を使用する場合について説明してきたが、モータにフェライト磁石を使用することも考えられる。フェライト磁石は高温になるほど減磁しづらくなるが、逆に低温では減磁しやすい。特に、運転開始の初期段階は、圧縮機の温度が低く、圧縮機に供給される電流が大きいため、低温減磁しやすい。そのため、ピーク電流が減磁電流を超えないように制御する必要がある。
一方、モータのフェライト磁石は圧縮機の内部にあるため、運転開始後一定時間経過した後はフェライト磁石の温度が十分高くなり、低温減磁のおそれはない。つまり、早くフェライト磁石を暖めて低温減磁が起こらない状態にすることで、圧縮機に供給する電流を増やすことができ、早く室内を暖めることができる。
ところで、R32の熱伝導率は92(20℃,飽和液)[μPa・s]であるのに対し、R410Aの熱伝導率は30(20℃,飽和液)[μPa・s]であり、R32はR410Aによりも液相での熱伝導率が高い。液相での熱伝導率が高い分、二相域での熱伝達率も高く熱交換器での熱交換量が増すので、R32はR410Aよりも冷媒循環量を少なくすることができる。
一方、R32はR410Aに対し、気相での熱伝導率は低い。R32の熱伝導率は15.0(20℃,飽和蒸気)[μPa・s]であるのに対し、R410Aの熱伝導率は14.0(20℃,飽和蒸気)[μPa・s]である。さらに、上述した通り、R32はR410Aに比べて冷媒循環量が少なくなるので、冷媒が気相となる圧縮機の内部におけるR32の熱伝達率はR410Aよりも低くなる。
従って、冷媒としてR32を採用した場合、圧縮機の内部におけるR32の熱伝達率はR410Aよりも低くなるため、フェライト磁石は冷媒によって暖められにくく、フェライト磁石の温度上昇に時間が要する。そのため、ピーク電流で圧縮機を運転できるまでに時間がかかり、運転開始から室内の温度が設定値に到達するまでの時間が長くなる。
そこで、本実施例では、バランスウエイト16の外周面に円周溝を設けている。このような本実施例によれば、バランスウエイト16を介して冷媒とフェライト磁石との熱交換が促進されるので、フェライト磁石の温度上昇に必要となる時間を短縮することができる。
以上説明したとおり、本実施例によれば、冷媒とモータとの熱交換が促進されるため、モータの永久磁石に希土類磁石を採用した場合は高温減磁を防ぎ、モータの永久磁石にフェライト磁石を採用した場合は低温減磁を防ぐことができる。
1 密閉容器
1a 筒部
1b 蓋部
1c 底部
2 圧縮機構
3 固定スクロール
4 旋回スクロール
5 フレーム
5a 主軸受
6 シャフト
6a 偏心ピン部
6b 貫通穴
7 電動機
7a 回転子
7b 固定子
8 潤滑油
9 油溜
11 吸込パイプ
12 吸込口
14 吐出口
15 副軸受
16 バランスウェイト
16a 上バランスウェイト
16b 下バランスウェイト
17 エンドコイル
18a、18b 隙間
20 電動機の上方の空間
21 電動機の下方の空間
22 吐出パイプ
24 コイル
25 鉄心
30 リベット
33 永久磁石
40 円周溝
41 オイルミスト
42 当て板
50 密閉型電動圧縮機
51 温度センサ

Claims (7)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動機と、
    前記圧縮機構及び前記電動機を収納し且つ底部に潤滑油を貯留する密閉容器と、を備え、
    前記電動機は、固定子と、回転子と、前記回転子に固定されたバランスウエイトと、を有し、
    前記回転子は永久磁石を有し、前記永久磁石の一部もしくは全部はNd-Fe-B系磁石であり、
    前記バランスウエイトは外周面に円周溝を有し、
    前記冷媒を前記密閉容器から吐出する吐出パイプを備え、
    前記バランスウエイトは前記回転子と前記吐出パイプとの間に位置し、
    前記円周溝は、前記回転子の径方向と略水平となる面を有する密閉型電動圧縮機。
  2. 前記バランスウエイトは最外径の異なる板を積み重ねて構成されることを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  3. 前記圧縮機構から吐出される冷媒は、前記密閉容器と前記固定子との間を前記圧縮機構側から底部側に流れ、前記固定子と前記回転子との間を前記底部側から前記圧縮機構側に流れ、前記吐出パイプより吐出されることを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動機と、
    前記圧縮機構及び前記電動機を収納し且つ底部に潤滑油を貯留する密閉容器と、を備え、
    前記電動機は、固定子と、回転子と、前記回転子に固定されたバランスウエイトと、を有し、
    前記回転子は永久磁石を有し、前記永久磁石の一部もしくは全部はフェライト磁石であり、
    前記バランスウエイトは外周面に円周溝を有し、
    前記冷媒を前記密閉容器から吐出する吐出パイプを備え、
    前記バランスウエイトは前記回転子と前記吐出パイプとの間に位置し、
    前記円周溝は、前記回転子の径方向と略水平となる面を有する密閉型電動圧縮機。
  5. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動機と、
    前記圧縮機構及び前記電動機を収納し且つ底部に潤滑油を貯留する密閉容器と、を備え、
    前記電動機は、固定子と、回転子と、前記回転子に固定されたバランスウエイトと、を有し、
    前記回転子は永久磁石を有し、前記永久磁石の一部もしくは全部はNd-Fe-B系磁石であり、
    前記バランスウエイトは外周面に円周溝を有し、
    前記圧縮機構から吐出される油分を含む冷媒が前記密閉容器と前記固定子との間及び前記固定子と前記回転子との間を一側から他側に流れ、吐出パイプより冷媒が吐出する密閉型電動圧縮機において、
    前記密閉容器に固定され、前記圧縮機構を支持するフレームを備え、
    前記バランスウエイトは前記回転子と前記フレームとの間に位置し、
    前記バランスウエイトと前記フレームとの間の隙間は、前記密閉容器と前記固定子との間の隙間よりも狭くされている密閉型電動圧縮機。
  6. 冷媒を圧縮する圧縮機構と、
    前記圧縮機構を駆動する電動機と、
    前記圧縮機構及び前記電動機を収納し且つ底部に潤滑油を貯留する密閉容器と、を備え、
    前記電動機は、固定子と、回転子と、前記回転子に固定されたバランスウエイトと、を有し、
    前記回転子は永久磁石を有し、前記永久磁石の一部もしくは全部はフェライト磁石であり、
    前記バランスウエイトは外周面に円周溝を有し、
    前記圧縮機構から吐出される油分を含む冷媒が前記密閉容器と前記固定子との間及び前記固定子と前記回転子との間を一側から他側に流れ、吐出パイプより冷媒が吐出する密閉型電動圧縮機において、
    前記密閉容器に固定され、前記圧縮機構を支持するフレームを備え、
    前記バランスウエイトは前記回転子と前記フレームとの間に位置し、
    前記バランスウエイトと前記フレームとの間の隙間は、前記密閉容器と前記固定子との間の隙間よりも狭くされている密閉型電動圧縮機。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の前記密閉型電動圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器とから構成される冷凍空調装置において、
    前記圧縮機構から吐出される冷媒の温度を計測する温度センサを備え、
    冷媒としてR32を用い、
    前記温度センサで計測した冷媒の温度が所定の温度より高い場合に、前記回転子の回転数を低下させ、又は、前記膨張弁の開度を広げることを特徴とする冷凍空調装置。
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